JP6723623B1 - 切削加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸刃状エンドミルを用いて、定盤等の金属表面に微小な窪みを高効率で正確に切削加工することができる切削加工方法を提供する。【解決手段】凹凸刃状エンドミル10をその中心軸回りに回転させ、被加工物24の表面24aに、凹凸刃状エンドミル10の外周刃16を当てる。凹凸刃状エンドミル10を被加工物24の表面で相対的に移動させ、外周刃16の切れ刃15の回転の内の、被加工物24の表面24aを切削する1回の回動のみで、被加工物24の表面に一乃至複数列の微小な窪み26を形成する。回転する凹凸刃状エンドミル10の複数の切れ刃15が切削した被加工物24の表面24aに、縦横に多数の微小な窪み26を連続して形成する。【選択図】図1

Description

この発明は、外周刃に回転方向の凹部が形成された凹凸刃状エンドミルによる切削加工方法に関する。
従来、移動部を有した機械装置の摺動面や案内面等の摺接面には、摺動時のリンギングを防止するために潤滑油溜まりを形成するキサゲ加工が行われている。キサゲ加工では、被加工面に光明丹(鉛丹)や顔料を塗り、作業者がキサゲ工具を使って、色の違いを見ながら手作業で凸部を削るとともに、潤滑油溜まりの僅かな窪みを形成する作業を行っていた。
このような作業は単調で重労働であることから、作業効率の高いキサゲ加工を行うため、特許文献1〜3に開示されているように、NC装置やロボットを用いて、切削工具やキサゲ工具を被加工面上で移動させ、自動的にキサゲ加工を行う装置が提案されている。
また、切削加工において、特許文献4、5、6等に開示されているように、加工効率の高いラフィングエンドミルが、切削加工工具として広く利用されている。ラフィングエンドミルは、外周刃に回転方向の凹部が形成された凹凸刃状エンドミルであり、切削抵抗が少なく、粗加工に向いている切削工具である。
特開平05−69215号公報 特開平10−58285号公報 特開2016−137551号公報 特公昭48−24461号公報 特公昭50−31312号公報 特開2018−75658号公報
特許文献1、2に開示された装置は、NC装置に切削工具を取り付けて、定盤等の表面に浅い窪みを形成するものであるが、定盤表面上を移動しながら工具を正確に調節して上下動させて、定盤表面を加工しなければならず、加工工数がかかり加工の効率化において十分なものではなかった。また、特許文献3に開示されたロボットにキサゲ工具を取り付けてキサゲ加工を行う場合も、上記と同様にロボットハンドの微妙な高さ位置調節が必要になり、加工工数がかかり加工効率も良いものではなかった。
一方、特許文献4、5、6に開示された、ラフィングエンドミルは、切削抵抗が小さく、多量の切削を伴う加工を効率的に行うものであり、微小な窪みを正確に形成する切削加工には用いられていないものであった。
この発明は、上記従来技術に鑑みて成されたもので、凹凸刃状エンドミルを用いて、定盤等の金属表面に微小な窪みを高効率で正確に切削加工することができる切削加工方法を提供することを目的とする。
この発明は、凹凸刃状エンドミルをその中心軸回りに回転させ、被加工物の表面に前記凹凸刃状エンドミルの外周刃を当てるとともに、前記凹凸刃状エンドミルを前記被加工物の表面で相対的に移動させ、前記外周刃の切れ刃の回転の内の、前記被加工物の表面を切削する1回の回動のみで、前記被加工物の表面に、前記外周刃の個々の凸部に対応した一乃至複数列の微小な窪みを形成し、回転する前記凹凸刃状エンドミルの前記外周刃の複数の前記切れ刃が切削した前記被加工物の表面に、縦横に多数の微小な窪みを連続して形成し、各窪みは前記切れ刃の前記凸部の1回の切削により形成する切削加工方法である。
前記凹凸刃状エンドミルは、ラフィングエンドミルであり、前記ラフィングエンドミルの外周刃に一定のピッチで溝状の凹部が形成され、前記ラフィングエンドミルを用いて前記被加工物の表面に切削加工を施すものである。
前記凹凸刃状エンドミルの前記凹部は、前記凹凸刃状エンドミルの中心軸方向に多条ネジ状に前記凹部が形成され、前記凹凸刃状エンドミルを用いて前記被加工物の表面に切削加工を施すものである。
前記被加工物の移動方向が、前記外周刃の回転方向と前記表面で逆方向であるアップカットにより前記被加工物の表面に切削加工を施すものである。
前記被加工物の移動方向が、前記外周刃の回転方向と前記表面で同方向であるダウンカットにより前記被加工物の表面に切削加工を施すものである。
この発明の凹凸刃状エンドミルによる切削加工方法によれば、機械装置の定盤や摺接面、回転駆動装置等の軸受面に、潤滑油溜まり等の極浅い微小な窪みを高効率で正確に、きれいに形成することができる。これにより、潤滑油溜まり等の微小な窪みを表面に有した、機械装置の定盤や摺接面、回転駆動装置等の軸受を、高効率で正確に安価に提供することができる。
この発明の一実施形態の切削加工方法に用いるラフィングエンドミルの正面図である。 この実施形態のラフィングエンドミルの先端部の部分拡大斜視図である。 この実施形態のラフィングエンドミルの凹凸の螺旋に沿った横断面を示す概念的断面図である。 この実施形態のラフィングエンドミルの切れ刃のすくい面の形を示す概略図である。 この実施形態のラフィングエンドミルの切れ刃の凸部と凹部の配列を示す概略展開図である。 この実施形態の4枚刃のラフィングエンドミルによる切削工程を示す概念図(a)、6枚刃のラフィングエンドミルによる切削工程を示す概念図(b)である。 この実施形態のラフィングエンドミルによる切削加工を示す概念図である。 この実施形態のラフィングエンドミルによる切削加工方法の適用例を示す概念図(a)、(b)、(c)である。 この発明の切削加工方法を用いて、被加工物を種々の加工条件により切削加工した金属板の表面を示す写真である。 この発明の切削加工方法を用いて、被加工物を種々の加工条件により切削加工した金属板の表面を示す写真である。
以下、この発明の一実施形態において、図1〜図3に示す、外周刃に回転方向の溝状の凹部が形成された凹凸刃状エンドミルであるラフィングエンドミル10を用いて、切削加工する場合について以下に説明する。この実施形態に用いるラフィングエンドミル10は、例えば荒加工や中仕上げ加工等の切削加工に用いられる切削工具である。
ラフィングエンドミル10は、超硬合金や高速度工具鋼等からなるエンドミル本体11を有している。エンドミル本体11は円柱状であり、エンドミル本体11の中心軸方向に沿って先端側に刃部12が形成され、刃部12以外の部位がシャンク部13となっている。エンドミル本体11のシャンク部13は、マシニングセンタ等の工作機械の主軸に取り付けられ、該主軸により中心軸回りであって、エンドミルの切削加工方向に回転させられ、加工が行われる。ラフィングエンドミル10は、切削加工による回転とともに、中心軸に直交する径方向への送りを与えて、金属材料等からなる被削材である被加工物に切り込み、被加工物を切削加工する。なお、一般的なラフィングエンドミル10は、被削材に対して例えば側面加工、溝加工、深彫り加工、ポケット加工等の各種加工を施すものである。
刃部12の外周には、図1、図2に示すように、周方向に互いに間隔をあけて複数の切屑排出溝14が形成されている。これらの切屑排出溝14は、互いに周方向に等間隔をあけて配置されている。この実施形態のラフィングエンドミル10は4枚刃であり、刃部12の外周には、切屑排出溝14が4本形成されている。切屑排出溝14は、エンドミル本体11の中心軸方向の先端から基端側へ向かうに従い螺旋状に周方向へ向けて延びている。
各切屑排出溝14は、エンドミル回転方向を向く壁面を有し、この壁面の切れ刃15に交差する部分がすくい面である。刃部12は、周方向に互いに間隔をあけて複数の切れ刃、例えば4枚の切れ刃15を有している。4枚の切れ刃15は、外周刃16を構成し、刃部12の先端部には底刃18が形成されている。外周刃16は、刃先からエンドミル回転方向とは反対側に隣接する面が外周逃げ面16aとなっている。外周に外面16aは、後述する加工時に、相対的に移動する被加工物24の切削面と干渉しない程度の逃げ角を有する。
外周刃16は、切れ刃15を残した凸部20と、切れ刃15を横断する溝状の凹部22をそれぞれ等間隔で交互に複数備えている。外周刃16のすくい面の形状は、図4(a)に示すように、台形又は矩形状に凸部20と凹部22が交互に形成されたものが好ましい。その他、図4(b)に示すように、凸部20の角にRを付けた形状でも良い。さらに、図4(c)に示すように、台形状にすくい面が形成された凸部20でも良い。ここで、外周刃16のすくい面の凸部20が曲線の場合、後述する窪み26の切削幅を広くとることができず、窪み26の容積も小さくなるので、凸部20は、その端面の幅の50%以上が平面であることが好ましい。
外周刃16の凸部20と凹部22は、刃部12の中心軸に沿って螺旋状に形成されている。この実施形態では、図5に示す切れ刃15の凸部20と凹部22の展開図のように、1条ネジ状に凸部20と凹部22を外周刃16に形成した場合(図5(a))と、多条ネジ状に形成された場合(図5(b))を示す。外周刃16の凸部20と凹部22を、図5(a)に示す1条ネジ状に形成した場合より、図5(b)に示す多条ネジ状に形成した方が、この発明の切削加工をより容易に行うことができ、この発明に用いる凹凸刃状のエンドミルの製造も容易である。
即ち、図5(a)に示す切れ刃15の凸部20と凹部22の場合、主切削コーナ(ab)の側面二番角αは必ず負角となり、工具としての切削は不可能となる。そのため、各切れ刃につき外周二番取りの他に、二番取りネジ切り法で側面二番取りを施さねばならず、加工が非常に難しいものとなる。これに対して、図5(b)に示す切れ刃15は、凸部20と凹部22の螺旋を、多条ネジ状に形成したもので、この場合、主切削コーナ(ab)は図5(a)のものとは逆になり、主切削コーナ(ab)の側面二番角αは正角となる。これにより、凹部22による切り残し部を主切削コーナで切削することができる。なお、この多条ネジ状の突部20と凹部22を有した外周刃16を備えたラフィングエンドミルについては、特許文献4,5に詳しく説明されているので、ここでは省略する。
次に、この実施形態のラフィングエンドミル10を用いた切削加工方法について、以下に説明する。この実施形態の切削加工方法は、図6に示すように、被加工物24をラフィングエンドミル10の中心軸と直交する径方向であって、被加工物24の表面24aと平行な方向に相対的に移動させ、ラフィングエンドミル10の外周刃16により、被加工物24の表面24aに極浅い微小な窪み26を形成するものである。この移動は、ラフィングエンドミル10等の凹凸刃状エンドミルを、被加工物24の表面24a上で相対的に移動させるもので、凹凸刃状エンドミルと被加工物24のいずれか又は両方でも良く、その移動方向は正負の何れも採り得る。さらに、ラフィングエンドミル10の回転方向も、後述するように、アップカット方向、ダウンカット方向の何れでも良い。
この実施形態のラフィングエンドミル10を用いた切削加工方法では、外周刃16の一つの切れ刃15である凸部20は、被加工物24の表面24a上での1回の回動による1回の切削により、一つの窪み26を形成するものである。即ち、一つの窪み26は、切れ刃15の一つの凸部20の1回の回動で形成するもので、凸部20が複数回切削して形成するものではない。従って、4枚刃のラフィングエンドミル10を用いた場合には、図6(a)に示すように、ラフィングエンドミル10が1回転する間に、図6(a)に示す切れ刃15(1)〜(4)の凸部20が、被加工物24の表面24aに4箇所の窪み26を形成する。また、1枚の切れ刃15の90°の揺動を想定すると、図1に示すラフィングエンドミル10の刃部12に対応した位置の被加工物24の表面24aに、凸部20により1列の窪み26が形成され、図6(a)に示す切れ刃15(1)〜(4)を有する4枚刃の外周刃16の場合、1回転で4列の窪み26が、切れ刃15の凸部20により、被加工物24の表面24aに形成される。そして、被加工物24をラフィングエンドミル10に対して相対的に移動させて、被加工物24の表面24aに、ラフィングエンドミル10の刃部12の中心軸方向の幅で、被加工物24の移動範囲に、多数の極浅い微小な窪み26を縦横に整列して形成することができる。この切削加工を繰り返すことにより、大面積の被加工物表面に高効率で、窪み26を形成することができる。
同様に、6枚刃のラフィングエンドミル10を用いた場合には、図6(b)に示すように、ラフィングエンドミル10が1回転する間に、図6(b)に示す刃15(1)〜(6)の凸部20が、被加工物24の表面24aに6箇所の窪み26を形成し、被加工物24の表面に、ラフィングエンドミル10の刃部12の中心軸方向の幅で、被加工物24の移動範囲に、多数の極浅い微小な窪み26を縦横に整列して形成することができる。
このときの外周刃16の切れ刃15において、一つの凸部20による切削を図7に基づいて、さらに詳しく説明する。ここで、切削時のラフィングエンドミル10の外周刃16の外径の半径をr、回転速度を角速度でω(rad/sec)とする。一つの窪み26を形成するために、ラフィングエンドミル10が回動した角度をθ(rad)、被加工物24の表面24aのラフィングエンドミル10に対する相対的な移動速度をF(m/sec)、窪み26の切削開始(t)から終了(t)までの切削時間をt、切削時間tでのラフィングエンドミル10に対する被加工物24の移動距離をL、窪み26の深さをRd、窪み26の切削表面方向長さLとすると、以下に式が成り立つ。
Rd=r(1−cos(θ/2)) (1)
t=θ/ω (2)
=L+S (3)
S=2r・sin(θ/2) (4)
=F・t (5)
即ち、角速度ωで回転するラフィングエンドミル10と、表面24aでの外周刃16の移動方向と逆方向を正の値とする速度Fで、被加工物24が移動する場合、深さRdの窪み26を形成すると、長さがL1の窪み26が形成される。このときの切削をアップカットと称す。また、被加工物24の移動方向が、外周刃16の回転方向と表面24aで同じ場合、移動速度Fが負の値になり、上記式が成り立つ。このときの切削をダウンカットと称す。この場合、上記式(3)より、窪み26は、Sよりも短いものになる。ここで、この実施形態における窪み26の深さは、数μm〜数十μm程度のものである。また、被加工物24の大きさは問わないが、例えば数十cm〜数m程度のものまで対応可能なものである。実際の加工においては、求める窪み26の深さRdを基に、加工条件を設定するもので、窪み26の長さや面積も上記各式により予め設定することができる。また、窪み26のラフィングエンドミル10の中心軸方向の幅やピッチは、ラフィングエンドミル10の凸部20の幅とピッチにより決定され、窪み26の配列方向もラフィングエンドミル10の凸部20の螺旋の捻れ角と、ラフィングエンドミル10の切り刃15と被加工物24との相対速度により決定される。
この実施形態の切削加工方法によれば、ラフィングエンドミル10等の凹凸刃状エンドミルにより、広い面積に、浅い窪み26を極めて効率よく正確に形成することができる。しかも、窪み26の形状や配列は、ラフィングエンドミル10の切れ刃15の形状や、刃数、直径、想定的な移動速度Fの値、回転数(角速度)等により種々設定することができる。特に、従来のキサゲ加工による窪みと同様の窪みを正確に形成することができ、切削工具の形状やその他切削条件を定量的に計算して加工することが容易に可能になり、作業の自動化も容易なものである。さらに、従来手作業で行っていたキサゲ加工を、再現性が高く安定した品質で高効率に行うことができる。
なお、この発明の切削加工方法は、上記実施形態に限られものではなく、図8(a)に示すように、被加工物24の表面24aが斜面である場合にも適用可能であり、図8(b)に示すように、ラフィングエンドミル10等の凹凸刃状エンドミルの外周刃の外形も、円錐台状の形状であっても良い。さらに、被加工物24は、平面のみならず、図8(c)に示すように、円筒の外周面や内周面でも良い。また、本願発明では、凹凸刃状エンドミルを用いているが、本発明で言う凹凸刃状エンドミルは、底刃がないものでも良く、外周刃を有し、切れ刃が凹凸状に形成された切削工具であれば良く、エンドミル工具状の形状の切削工具であれば良い。従って、底刃のないエンドミルを中心軸方向に1本又は複数本連結して、長尺の外周刃の連結エンドミルを形成し、この連結エンドミルを用いて、よりの広い範囲で窪み26を連続的に形成するようにしても良い。
次に、この発明の切削加工方法により作成した切削加工物の実施例について、図9,図10を基にして以下に説明する。
図9は、この発明の凹凸刃状エンドミルで加工した被加工物である金属平板の表面を示すもので、直径を20mm、外周刃が4枚の凹凸刃状エンドミルを用いて、エンドミルの回転数n(rpm)を、25rpm〜320rpmまで段階的に変化させ、金属平板の送り速度F=1.5(m/min)で切削を行った例を示す。このときの、金属平板の表面に対する切り込み深さは、Rd=0.02mmとした場合の切削後の金属平板の表面撮影写真を示す。
図9の写真で白く現れている部分が窪み26であり、外周刃16の回転による規則正しいマトリクス状の窪み26が形成されている。エンドミルの回転数が高い方がより細かい窪み26が形成されていることが分かる。写真では、アップカットによるものと、上記の通り、被加工物である金属平板の移動方向が、外周刃16の回転方向と表面24aで同じであるダウンカットの場合を示す。ダウンカットの場合、上記式(3)の通り、移動速度Fがマイナスになるので、写真に示す白い部分である窪み26の長さLは、アップカットの場合と比較して短いものとなっている。また、上述の通り、窪み26の配列方向は、ラフィングエンドミル10の凸部20の螺旋の捻れ角と、ラフィングエンドミル10の切り刃15と被加工物24との相対速度により決定されることが分かる。
また、図10の写真に示す実施例は、この発明の凹凸刃状エンドミルの直径を10mm、20mm、40mmの3種類とし、外周刃が4枚の凹凸刃状エンドミルを用いた。さらに、エンドミルの回転数n(rpm)を、200pmと、400rpmの2種類とし、金属平板の送り速度F=1.5(m/min)で切削を行った例を示す。このときの、金属平板の表面に対する切り込み深さは、Rd=0.01mmとRd=0.02mmとした場合の切削後の金属平板の表面撮影写真を示す。
図10の写真に示すように、白く現れている部分が窪み26であり、外周刃16の回転数や切り込み深さにより、様々なパターンの窪み26が形成されることが分かる。また、上述の通り、窪み26の配列方向は、ラフィングエンドミル10の凸部20の螺旋の捻れ角と、ラフィングエンドミル10の切り刃15と被加工物24との相対速度により決定されることが分かる。
この発明の凹凸刃状エンドミルを用いた切削加工方法は、金属表面に規則正しく高効率に高精度の極浅い微小な窪みを形成することができ、定盤や滑り軸受の摺動面の潤滑油溜まり、固体潤滑剤の収容部等の極めて浅い窪みを広範囲に形成する用途に利用することができる。
10 ラフィングエンドミル
11 エンドミル本体
12 刃部
13 シャンク部
14 切屑排出溝
15 切れ刃
16 外周刃
18 底刃
20 凸部
22 凹部
24 被加工物
24a 表面
26 窪み

Claims (4)

  1. 複数の切れ刃から成る外周刃を有した凹凸刃状エンドミルを、その中心軸回りに回転させ、金属材料からなる被加工物の表面に前記凹凸刃状エンドミルの前記外周刃を当てるとともに、前記凹凸刃状エンドミルを前記被加工物の表面で相対的に連続的に移動させてキサゲ加工を行う切削加工方法であって
    前記凹凸刃状エンドミルの前記切れ刃の凸部と凹部は、前記切れ刃の凸部と凹部の展開図にすると、前記凹凸刃状エンドミルの中心軸方向にネジ軸を有する多条ネジ状に形成され、
    前記外周刃により切削される前記被加工物の表面の前記窪みの深さを設定し、回転する前記外周刃とその刃数、前記被加工物の表面と前記外周刃の相対的な移動速度から、前記窪みの長さと面積を計算して設定し、
    前記外周刃の切れ刃の凸部の回転のうちの、前記被加工物の表面を切削する1回の回動のみで、相対的に移動する前記被加工物の表面のうちの前記切れ刃の凸部が切削する箇所に、前記切れ刃の凸部に対応した複数列の窪みを同時に形成し、前記凹凸刃状エンドミルの回転時に、前記切れ刃の凸部が形成されていない部分が前記被加工に対向する際は、前記被加工物の移動により前記窪みを形成せず、回転する前記凹凸刃状エンドミルの前記外周刃の複数の前記切れ刃により、前記被加工物の表面に部分的に、縦横に多数の窪みを一定の間隔を開けて複数列を同時に連続して形成し、
    前記被加工物の表面に、所定形状の前記窪みを自動的に形成して前記キサゲ加工を行うことを特徴とする切削加工方法。
  2. 前記凹凸刃状エンドミルとして、外周刃に一定のピッチで溝状の前記凹部が形成されたラフィングエンドミルを用い、前記ラフィングエンドミルの前記切れ刃のすくい面の形状が台形又は矩形状に前記凸部形成され、前記凸部が切削する前記被加工物の表面に、部分的に前記窪みを形成する請求項1記載の切削加工方法。
  3. 前記被加工物の移動方向が、前記外周刃の回転方向と前記表面で逆方向であるアップカットにより前記被加工物の表面に切削加工を施す請求項1又は2記載の切削加工方法。
  4. 前記被加工物の移動方向が、前記外周刃の回転方向と前記表面で同方向であるダウンカットにより前記被加工物の表面に切削加工を施す請求項1又は2記載の切削加工方法。
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