JP6721264B2 - 天井落下防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、天井落下防止構造、特に、フェイルセーフ用のネットを用いた天井落下防止構造に関する。
先年の東北大震災によって引き起こされた様々な災害は、記憶に新しいところである。様々な災害のうち、建物屋内で生じた災害としては、天井が落下して人的被害が発生するという痛ましい事故が挙げられる。
このような事態を受け、国を始めとして各界において、天井落下防止に係る安全対策が、鋭意、研究、開発されている。例えば、特許文献1には、安定した強度を確保するための天井落下防止用ネット及び天井落下防止構造を提供することを目的として、天井落下防止用の落下防止ネットであって、芯部材を中心にして落下防止ネットの横糸を数回、巻回した後、外部に芯補強部材を配置してミシン縫いされて構成された端部を備え、落下防止ネットの網目の一部には、孔を包囲する横糸及び縦糸に、糸状の網目補強部材を巻回させた補強部が形成された落下防止ネットが開示されている。
しかしながら、特許文献1の天井落下防止用ネットは、天井の金物下地にレーシングバーを付属させ、そのレーシングバーにネットを固定している。このような場合、天井が落下した場合、ネットも一緒に落下してしまうおそれがあるという問題がある。また、既存の天井にネットの荷重を負担させることから、既存の天井の改修や補強といった手立てを施さなければならないという問題がある。
特開2015−63811号公報
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、天井の撤去や耐震対策が施しづらい既存の天井下であっても、地震時に天井が落下した際に避難までの一時的な安全を確保するための天井落下防止構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の第1の観点は、天井落下防止構造であって、設置スペースの側方の躯体に固定され、第1側方の躯体に固定される第1支持部材と、第2側方の躯体に固定される第2支持部材とを含む支持部材と、端末が前記第1支持部材に取り付けられ、前記設置スペースを区画可能に架設される主ケーブルと、端末が前記第2支持部材に取り付けられ、前記主ケーブルと交差する方向であって前記主ケーブルの端部の上方に架設される外周ケーブルと、前記主ケーブル及び前記外周ケーブルに締結されるネットと、前記ネットを前記主ケーブル及び前記外周ケーブルに締結する締結部材と、を備えることを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記主ケーブルの前記端末及び前記外周ケーブルの前記端末は、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に対してそれぞれ回動可能であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記支持部材は、フランジ部と、前記フランジ部から突出し、前記主ケーブルの前記端末又は前記外周ケーブルの前記端末が取り付けられる突出部と、を備え、前記主ケーブルの前記端末及び前記外周ケーブルの前記端末は、フォーク状に形成され、前記突出部を挟んでピン留めされてもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記主ケーブルが、前記ネットの第1側が締結される第1主ケーブルと、前記ネットの第2側が締結される第2主ケーブルと、前記第1主ケーブルと前記第2主ケーブルとの間で前記ネットが締結される第3主ケーブルとを含み、前記ネットは、前記第3主ケーブルの中央を基準として配置されてもよい。
(5)上記(4)の構成において、前記第3主ケーブルは、前記第1主ケーブル及び前記第2主ケーブルのいずれかの側に偏って架設されていてもよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記ネットが前記締結部材によって前記主ケーブルに添う前記ネットの2本の糸を前記主ケーブルにレーシングすることにより締結されており、前記締結部材は、前記ネットと前記主ケーブルが取り合うすべての目合いを通るようにしてもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つの構成において、前記ネットが前記締結部材によって前記外周ケーブルに添う前記ネットの2本の糸を前記外周ケーブルにレーシングすることにより締結されており、前記締結部材は、前記ネットと前記外周ケーブルが取り合うすべての目合いを通るようにしてもよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つの構成において、前記ネットが繋ぎ目を有するとき、前記繋ぎ目の先端が上方に向くように、かつ、前記繋ぎ目のラインが前記主ケーブルと交差するように配置されるようにしてもよい。
本発明によれば、天井の撤去や耐震対策が施しづらい既存の天井下であっても、地震時に天井が落下した際に避難までの一時的な安全を確保するための天井落下防止構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る天井落下防止構造を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る天井落下防止構造を示す平面図である。 支持部材を躯体へ固定する例を示す図である。 支持部材へケーブルの端末を固定する例を示す図である。 ケーブルの端末の例としてフォークタイプを示す図である。 ケーブルの端末の他の例としてクリップタイプを示す図である。 ネットと主ケーブルとの配置の関係を示す斜視図である。 ネットを主ケーブルに締結部材によって固定した状態を示す平面図である。 ネットを主ケーブルに締結部材によって固定した状態を示す側面図である。 ネットを外周ケーブルに締結部材によって固定した状態を示す平面図である。 外周ケーブルと主ケーブルとの配置の関係を示す平面図である。 ネットを外周ケーブルに締結部材によって固定した状態を示す側面図である。 天井落下防止構造の設置方法を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施形態の構成)
天井落下防止構造1は、図1に示すように、支持部材10と、ケーブル20と、ネット30と、締結部材40(図8参照)とを備えている。そして、例えば、天井スラブXに設けられ、吊りボルトA、ハンガーB、野縁受けC、野縁D、天井板Eから構成される吊り天井Fの下に設置される。支持部材10は、側方の躯体Yに固定され、ケーブル20は、対向する一対の支持部材10に架設される。ネット30は、締結部材40によってケーブル20にレーシングされることによって固定される。以下、これらについて、図2以降を参照して詳しく説明する。
支持部材10は、図2に示すように、ケーブル20を架設するために設置スペースの側方の躯体Yに固定される支持金具であり、第1側方W1及びそれに対向する側方W1’の躯体Yに固定される一対の第1支持部材101と、第1側方W1と交差する方向に位置する第2側方W2及びそれに対向する側方W2’の躯体Yに固定される一対の第2支持部材102とを含んでいる。第1支持部材101と第2支持部材102は、構造的には同じ構造のものであってもよいし、異なる構造のものであってもよい。本実施形態では、同じ構造の支持部材10を採用した例を示しており、その設置場所によって、第1支持部材101と第2支持部材102と呼び分けている。
図3に示すように、支持部材10は、フランジ部11と、フランジ部11から突出し、ケーブル20(後述するように、主ケーブル21及び外周ケーブル22)の端末20aが取り付けられる突出部12とを備えている。フランジ部11は、躯体Yにボルト・ナットで固定される。ここで、躯体Yは、図示するように鉄骨構造体とすることが好ましいが、RC構造や木造の躯体に固定する場合には、安全率を大きく確保するなどの考慮を行う。
支持部材10の突出部12は、図4に示すように、ケーブル20の端末20aが支持部材10に対して一定の範囲で回動可能であるように側面視において略三角形の形状とされている。これは、図4及び図5に示すように、ケーブル20(後述するように、主ケーブル21及び外周ケーブル22)の端末20aをフォークタイプとした(フォーク状に形成された)場合、突出部12を挟むようにしてピン留めしておくことにより、天井落下防止構造1の設置後に吊り天井Fが落下してその荷重をネット30が受けた際、ケーブル20が撓んで衝撃を吸収できる。
ケーブル20の端末20aをフォークタイプとする場合、支持部材10の突出部12を挟む一対のフォークにピン20bを挿通させて固定するが、図4及び図5に示すように、ピン20bの両端には割りピン20cを挿入して、固定を確実なものとする。
なお、ケーブル20の端末20aは、フォークタイプ以外にしてもよく、例えば、図6に示すようなクリップ固定によるものであってもよい。要は、所定の強度を発揮でき、かつ、支持部材10に対して回動可能のものであれば好ましく採用することができる。ただし、クリップ固定による場合は、図6に示すように、クリップ20dは、落下の防止などを考慮し、ケーブル20の上方側(天井側)から用いるようにする。
ケーブル20は、後述するネット30を固定するためのワイヤーなどであり、2種類のケーブルに区分される。すなわち、ケーブル20は、両端の端末が一対の第1支持部材101に取り付けられる主ケーブル21と、両端の端末が一対の第2支持部材102に取り付けられる外周ケーブル22とを含んでいる。主ケーブル21は、ネット30の大きさに応じて設置スペースを区画可能に架設されるケーブルであり、外周ケーブル22は、主ケーブル21と交差する方向であって主ケーブル21の端部の上方に架設されるケーブルである。
図2に示したように、天井落下防止構造1の設置スペースとネット30の大きさの関係により設置スペースを区画する必要がある場合、主ケーブル21は、ネット30の第1側が締結される第1主ケーブル211と、ネット30の第2側が締結される第2主ケーブル212と、第1主ケーブル211と第2主ケーブル212との間の中程でネット30が締結される第3主ケーブル213とを含むように分けることができる。この場合、ネット30は、第3主ケーブル213の中央を基準点として、左右方向、左右上隅方向、左右下隅方向へ押し出されるように張られていき、第1主ケーブル211と第2主ケーブル212を少しはみ出る程度に設定される。
このとき、第3主ケーブル213は、第1主ケーブル211と第2主ケーブル212の間の中程に位置決めされるが、両者の中央に限らず、図示したように、第1主ケーブル211と第2主ケーブル212のいずれかの側に偏って架設されてもよい。すなわち、吊り天井Fの配置状況や天井板Eの大きさや重量などの条件を加味して、第3主ケーブル213の位置を設定すればよい。
主ケーブル21に対し、外周ケーブル22は、主ケーブル21と交差する方向であって主ケーブル21の両端部の上方に架設されており、第1外周ケーブル221と第2外周ケーブル222とを含む。
ネット30は、主ケーブル21及び外周ケーブル22に締結部材40によって締結される。ネット30としては、例えば単位面積重量約0.2kg/mという軽量で、かつ、十分な強度をもつネットが採用される。設置(施工)の際にも扱い易くて仕上がりのきれいな角目のネットが好ましいが、目合いは、例えば22mmと細かくすれば、天井が落下した際にハンガーやクリップなどの金具類を捕捉し易くてさらに好ましい。
ネット30を主ケーブル21及び外周ケーブル22に締結する際の詳細は天井落下防止構造1の設置(施工)方法として後述するが、概要を説明すると次のとおりである。まず、図7に示すように、ネット30と主ケーブル21を配置する。すなわち、ネット30が繋ぎ目を有するときは、ネット30の繋ぎ目のラインLと、主ケーブル21とが交差するように配置する。その際、ネット30は、繋ぎ目の先端が上方側(天井側)を向くようにする。そして、図8に示すように、主ケーブル21をネット30の目合いに沿わせたうえで、まず、締結部材40などを用いて仮固定41する。目合いがずれてしまうと、主ケーブル21がうねってしまい、ひいてはネット30にも偏りが生じるため、必ず、主ケーブル21をネット30の目合いに一致させる。
その後、レーシングロープなどの締結部材40によって、ネット30をケーブル20に締結していくが、まず主ケーブル21に締結する。その際、図8に示すように、締結部材40は、ネット30と主ケーブル21が取り合うすべての目合いを通るようにレーシングされる。また、図9に示すように、ネット30が締結部材40によって主ケーブル21に添うネット30の2本の糸31,31を主ケーブル21にレーシングすることにより締結される。
ネット30の主ケーブル21への締結が終了すると、図10に示すように、ネット30を外周ケーブル22に締結する。外周ケーブル22は、前述したごとく、図11(主ケーブル21と外周ケーブル22の交差部を拡大して示した右下の側面図を参照)に示すように、主ケーブル21の端部の上方に架設されているため、ネット30の余った部分は図12に示すように外周ケーブル22に巻き込んでから、締結部材40によってレーシングする。仮固定41やレーシングの要領は、主ケーブル21の場合と同様である。以上により、天井落下防止構造1が整えられることとなる。
(実験例)
本実施形態に係る天井落下防止構造1について、その効果を確認するため、以下のような実大規模の実験を行った。
天井落下防止構造1の施工面積を約390m(16m×24m)としてネット30を設置し、次の2点について確認を行った。ネット30は、目合い22mm、約0.2kg/mのものを用いた。
(1)重量13.5kg/m、面積1.8m×15.5mの天井を2回脱落させ、ケーブル20、ネット30、支持部材10の損傷状態及び荷重伝達を確認した。
(2)重量27.5kg/m、面積1.8m×7.6mの天井を天井スパン中央のネット30のみに脱落させ、ネット30の損傷状態及びハンガーやクリップ等の金具類の捕捉状況を確認した。
上記(1)及び(2)のいずれとも、ケーブル20、ネット30、支持部材10に損傷が生じなかったことが確認でき、また、天井の構成部材であるハンガーやクリップ等の金具類もすべて捕捉されていることが確認できた。
(設置方法)
次に、本実施形態に係る天井落下防止構造1を設置(施工)する方法について、図13を参照して説明する。設置に先立ち、対象となる建物において、天井落下防止構造1を設置するに必要十分な柱や梁などの躯体が用意されているかどうかを確認する。当該建物に必要十分な柱や梁などが用意されていない場合には、それらを新たに設置する。
天井落下防止構造1の設置(施工)は、以下の手順で行う。まず、施工前の確認及び清掃を行う(ステップS10)。関連する設備工事や先行工事が完了していることを点検し、事前に用意されたケーブル20の設置に係る金物(柱など)の設置場所を確認するとともに、ケーブル20、ネット30の設置位置の確認を行う。その際、天井落下防止構造1を施工前には、施工現場の清掃を入念に行い、ネット30に汚れや各種金具などが付着しないように配慮する。
次に、ケーブル20の設置に係る金物(柱など)の壁面にレベル墨や支持部材10の設置位置などの墨出しを行う(ステップS11)。これにより、仕上がり及びケーブル20、ネット30の配置を確認する。墨出し後、支持部材10ひいてはケーブル20の設置間隔、支持部材10の設置高さひいてはケーブル20、ネット30の設置高さについて、建築図面と合致しているか照合する。また、予定されていない吊り下げ物、段差、勾配など、天井落下防止構造1を設置するにあたって障害となりうるものの有無を再確認する。
次に、支持部材10(支持金具)を墨出し位置に合わせて設置する(ステップS12)。支持部材10のフランジ部11をケーブル20の設置に係る金物(柱など)の壁面にボルト・ナットによって固定する。固定は、規定されたトルクに従って行う。なお、支持部材10が施工前に先行して設置されている場合には、その設置が適切に行われているかどうかを確認する。
次に、ネット30の大きさに合わせて、主ケーブル21を架設するための設置スペースの区画分けを行う(ステップS13)。設置スペースには、区画分けのラインに位置する主ケーブル21として第1主ケーブル211及び第2主ケーブル212を、その間にあって区画の中程に位置する第3主ケーブル213を、それぞれ先行して架設することとなる。ここで、例えば、設置スペースを3分割して第1区画、第2区画、第3区画とした場合、中間に位置する第2区画の第1主ケーブル211は第1区画の第1主ケーブル211又は第2主ケーブル212と、第2区画の第2主ケーブル212は第3区画の第1主ケーブル211又は第2主ケーブル212と、それぞれ兼用される。
次に、第1主ケーブル211、第2主ケーブル212、第3主ケーブル213の設置及び緊張を行う(ステップS14)。各ケーブル20の端末20aはフォークタイプとなっており、支持部材10の突出部12を挟んだ状態でピン20bによってピン留めして固定する。固定した後、端末20aのフォークの基端に位置するアジャスターをトルクレンチによって所定の値まで回転させてケーブル20を緊張させる。固定する際には、ピン20bの両端に割りピン20cを挿入し、確実に固定する。ケーブル20の端末20aをフォークタイプではなくクリップ固定で輪状に構成してもよいが、そのときは、複数のクリップ20dの全部が必ずケーブル20の上側となるように取り付ける。落下を防止するためである。ケーブル20は、うねりやキンクがないように施工するとともに、保管時にもうねりやキンクがないように留意する。ケーブル20の設置にあたっては、必要に応じて、レーバーブロック等でケーブル20を引き上げて支持部材10に固定してもよい。
次に、外周ケーブル22の設置及び緊張を行う(ステップS15)。外周ケーブル22は、主ケーブル21と交差する方向であって主ケーブル21の端部の上方を通るように設置される。その他の点は主ケーブル21の設置及び緊張と同様であるので省略する。
次に、ネット30の設置前準備を行う(ステップS16)。ネット30は、締結部材40(レーシングロープ)によってケーブル20にレーシングして固定されるが、使用されるケーブル20の外径を勘案して予め1回のレーシングに必要な長さに締結部材40をカットしておけば便宜である。
天井の大きさ、段差、勾配等の要因で設置スペースにおいてネット30が分割される場合、複数のネット30の設置位置と設置方向が誤らないように再確認する。その際、第3主ケーブル213とネット30の対応する位置にマーキングを行う。マーキングを行うには、締結部材40のレーシングロープなどを使った仮結びによるものが望ましい。仮結びを行う箇所は、ネット30の繋ぎ目のラインLが第3主ケーブル213と交差する位置であって第3主ケーブル213のほぼ中央の位置とする。このマーキング(仮結び)の箇所は、以後の作業の基準点となる。
次に、主ケーブル21へのネット継ぎ目の墨出しを行う(ステップS17)。ネット30の「目」を揃えるため、主ケーブル21に、ネット30の繋ぎ目のラインLごとに墨出しを行う。この墨出しは、基準点を設けた第3主ケーブル213に加えて、第1主ケーブル211及び第2主ケーブル212にも行う。また、分割された区画のすべてに行う。
最後に、以上の各ステップでの作業を踏まえ、ネット30を主ケーブル21及び外周ケーブル22への設置を行う(ステップS18)。ネット30は、繋ぎ目の先端が上方(天井側)に向くように、かつ、繋ぎ目のラインLが主ケーブル21と交差するように配置される。そして、ネット30は、締結部材40によってケーブル20にレーシングされて固定される。以下に、本ステップを細分化して説明する。
第1に、ネット30の張り始めは、区画ごとに設けた第3主ケーブル213上の基準点を中心として、六方(左右側方、左右上隅、左右下隅)に向けて追い出していく。このとき、ネット30と第3主ケーブル213上の基準点を確実に合わせるようにする。そして、ネット30と主ケーブル21とを締結部材40のレーシングロープなどを使って仮固定41していく。その際、ネット30の目合いを確実に揃えるようにする。目合いがずれると、ネット30が波打ちになりきれいに仕上がらないのみならず、主ケーブル21が湾曲する可能性があり、所望の効果を毀損するおそれがある。
第2に、ネット30を主ケーブル21に締結部材40によってレーシングして固定する。締結部材40は、ネット30の繋ぎ目のラインLと交差する箇所で目立たないように結ぶ。先に行った仮固定41は、レーシングが完了次第解放して取り除く。レーシングは、主ケーブル21に対応する2本の糸31,31を主ケーブル21にレーシングすることにより行うとともに、締結部材40がネット30と主ケーブル21が取り合うすべての目合いを通るように行う。
第3に、ネット30を外周ケーブル22に締結部材40のレーシングロープなどを使って仮固定41していく。その際、主ケーブル21のときと同じように、ネット30の目合いを確実に揃えるようにする。また、最端部で余ったネット30は、外周ケーブル22にきちんと巻き込んでおく。そして、主ケーブル21とのレーシングによる固定が終了した後に、ネット30を外周ケーブル22にレーシングによる固定を行い、仮固定41を解放して取り除く。以上の各ステップを経て本実施形態に係る天井落下防止構造1は設置される。
(実施形態の効果)
本実施形態に係る天井落下防止構造1は、設置場所を選ばないが、特に、多くの人が集まり、又は往来する建物、例えば、学校体育館、屋内プール、屋内温泉施設、多目的ホール、病院、工場・倉庫、駅舎、大型商業施設、アミューズメント施設などの建物に利用することができ、地震時に万が一天井が落下したときに、一時的に天井の構成部材を受け止め、無防備な多くの人に対して避難できる時間的かつ精神的余裕を確保し、人的被害を最小限に食い止めるのに好適である。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行ったものも含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…天井落下防止構造
10…支持部材(支持金具)
11…フランジ部
12…突出部
101…第1支持部材
102…第2支持部材
20…ケーブル
20a…端末
20b…ピン
20c…割りピン
20d…クリップ
21…主ケーブル
211…第1主ケーブル
212…第2主ケーブル
213…第3主ケーブル
22…外周ケーブル
221…第1外周ケーブル
222…第2外周ケーブル
30…ネット
40…締結部材(レーシングロープ)
41…仮固定
L…ネットの繋ぎ目のライン

Claims (7)

  1. 天井と非接続状態で設けられる天井落下防止構造であって、
    設置スペースの側方の躯体に固定され、第1側方の両側の躯体に固定される一対の第1支持部材と、第2側方の両側の躯体に固定される一対の第2支持部材とを含む支持部材と、
    両端の端末が前記一対の第1支持部材に取り付けられ、前記設置スペースを区画可能に架設される主ケーブルと、
    両端の端末が前記一対の第2支持部材に取り付けられ、前記主ケーブルと交差する方向であって前記主ケーブルの端部の上方に架設される外周ケーブルと、
    前記主ケーブル及び前記外周ケーブルに締結されるネットと、
    前記ネットを前記主ケーブル及び前記外周ケーブルに締結する締結部材と、を備え、
    前記一対の第1支持部材及び前記一対の第2支持部材が、それぞれ、フランジ部と、前記フランジ部から突出し、前記主ケーブルの前記端末又は前記外周ケーブルの前記端末が取り付けられる突出部と、を備え、
    前記主ケーブルの前記両端の端末及び前記外周ケーブルの前記両端の端末がフォーク状に形成され、前記突出部を挟んでピン留めされる
    ことを特徴とする天井落下防止構造。
  2. 前記主ケーブルの前記両端の端末及び前記外周ケーブルの前記両端の端末が前記一対の第1支持部材及び前記一対の第2支持部材に対してそれぞれ回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の天井落下防止構造。
  3. 前記主ケーブルが、前記ネットの第1側が締結される第1主ケーブルと、前記ネットの第2側が締結される第2主ケーブルと、前記第1主ケーブルと前記第2主ケーブルとの間で前記ネットが締結される第3主ケーブルとを含み、
    前記ネットが前記第3主ケーブルの中央を基準として配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の天井落下防止構造。
  4. 前記第3主ケーブルが、前記第1主ケーブル及び前記第2主ケーブルのいずれかの側に偏って架設されていることを特徴とする請求項に記載の天井落下防止構造。
  5. 前記ネットが前記締結部材によって前記主ケーブルに添う前記ネットの2本の糸を前記主ケーブルにレーシングすることにより締結されており、前記締結部材が前記ネットと前記主ケーブルが取り合うすべての目合いを通ることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の天井落下防止構造。
  6. 前記ネットが前記締結部材によって前記外周ケーブルに添う前記ネットの2本の糸を前記外周ケーブルにレーシングすることにより締結されており、前記締結部材が前記ネットと前記外周ケーブルが取り合うすべての目合いを通ることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の天井落下防止構造。
  7. 前記ネットが繋ぎ目を有するとき、前記繋ぎ目の先端が上方に向くように、かつ、前記繋ぎ目のラインが前記主ケーブルと交差するように配置されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の天井落下防止構造。
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