JP6718329B2 - ワーク掴み替え切削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、切削加工によりV溝加工を行うパンチプレスにおける切削加工方法において、ワークを掴み替えした後重ねV溝加工を行うことにより、機械の加工範囲を超えてV溝加工を可能とし、V溝加工の拡大を図るようにしたワーク掴み替え切削加工方法に関する。
従来、例えば特開2014−172073号公報には、V溝加工を行うパンチプレスにおける切削加工用ダイ及び切削加工方法に関する発明が開示されている。
上記発明のうち、前者の切削加工用ダイについては、それに内蔵された切削チップに冷却機構を持たせることにより、また後者の切削加工方法については、切削チップをワークに対して徐々に食い込ませることにより、いずれも切削チップの摩耗を防止し、寿命を長くするという効果を奏する。
特開2014−172073号公報
しかしながら、上記した切削加工用ダイ及び切削加工方法のうちの後者の切削加工方法の場合には、以下に述べるような課題が発生する。
即ち、本願の図16に示すように、パンチプレス、例えばタレットパンチプレスにおける切削加工方法においては、機械の加工範囲Nを超えてV溝加工はできず、V溝加工の範囲が極めて狭い。
例えば、前記タレットパンチプレス(図2)においては、ワークW(図16)は、キャリッジ12に搭載されたクランプ13で把持された状態で左側に移動することにより、切削加工用ダイD(図1)とそれと協働する切削加工用パンチPにより、V溝M(図16)が加工される。
しかし、前記クランプ13を搭載したキャリッジ12の移動範囲(X軸方向)には、該キャリッジ12に螺合しているボールねじ15(図2(A))の長さ(X軸方向)に基づく制限があり、該ボールねじ15の長さを超えて、例えば左側には移動できない。
従って、クランプ13で把持されたワークWの右側の空白領域には、V溝Mが加工できない。
換言すれば、タレットパンチプレス(図2)においては、従来の加工方法では、機械の加工範囲N(図16)内において、ワークW上の第1加工領域R1にはV溝Mが加工されるが、次の第2加工領域R2にはV溝Mは加工できない。
本発明の目的は、ワークを掴み替えた後該ワークの所定の加工領域を、機械の加工範囲内に順次進入させることにより、進入させた各加工領域におけるV溝加工を可能とし、V溝加工の拡大を図るようにしたワーク掴み替え切削加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載されているように、
切削チップ50を用いた切削加工によりV溝加工を行うパンチプレスにおける切削加工方法において、
(1)機械の加工範囲N内で、ワークW上の第1加工領域R1に対してV溝J1加工を行った後、
(2)該ワークWを掴み替え、
(3)その後、機械の加工範囲N内で、ワークW上の第2加工領域R2に対して第1加工領域R1のV溝J1に重ねてV溝J2を加工し、
(4)ワークW上の第n加工領域Rnまで、前記(2)、(3)と同じ動作を繰り返し、
(5)第1加工領域R1から第n加工領域Rnに亘る一定の深さHで所定の長さLのV溝Jを有する全体のV溝Tを加工することを特徴とするワーク掴み替え切削加工方法という技術的手段が講じられている。
上記本発明の構成によれば、先ず、機械の加工範囲N内で、ワークW上の第1加工領域R1に対してV溝J1加工を行った後(図3(A)、図9のステップ101)、該ワークWを掴み替え(図3(B)、図9のステップ102)、その後、機械の加工範囲Nで、ワークW上の第2加工領域R2に対して第1加工領域R1のV溝J1に重ねてV溝J2を加工し(図3(C)⇒図4(A)、図9のステップ103)、以降、ワークW上の第n加工領域Rnまで、ワークWのワーク掴み替えと重ねV溝加工を繰り返すことにより(図9のステップ104)、第1加工領域R1から第n加工領域Rnに亘るV溝Tを加工することができる(図4(B)、図9のステップ105)。
よって、本発明によれば、ワークを掴み替えた後(図3(B))、該ワークの所定の加工領域を、機械の加工範囲内に順次進入させることにより(図3(C))、進入させた各加工領域におけるV溝加工を可能とし(図4(A))、V溝加工の拡大を図るようにした(図4(B))ワーク掴み替え切削加工方法を提供するという効果を奏する。
本発明に係るワーク掴み替え切削加工方法(以下、本発明方法と略称する)に使用する切削加工用ダイDとそれと協働する切削加工用パンチPから成る金型の全体図である。 本発明方法の適用例を示す図である。 本発明方法における前半動作の説明図である。 本発明方法における後半動作の説明図である。 本発明方法の機械の加工範囲で行われるV溝加工の詳細を示す図である。 図5のV溝加工における切削加工用パンチPと切削加工用ダイDの動作説明図である。 図5のV溝加工における切削加工用パンチPと切削加工用ダイDの動作の他の実施形態の説明図である。 本発明方法により加工されたV溝全体の説明図である。 本発明方法の動作を説明するためのフローチャートである。 図5のV溝加工における端部加工速度と徐々に深くなる溝及び徐々に浅くなる溝の長さとの関係の説明図である。 図5のV溝加工で生じ得るV溝の始端及び終端のずれの原因の説明図である。 図5のV溝加工で生じ得るV溝の始端及び終端のずれの原因の説明図である。 本発明方法により加工されたV溝全体の説明図である。 本発明方法により加工されたV溝の重なり部分の説明図である。 本発明方法の応用例により加工されたV溝全体の説明図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明を、実施の形態により添付図面を参照して、説明する。
図1は本発明に係るワーク掴み替え切削加工方法に使用する切削加工用ダイDとそれと協働する切削加工用パンチPから成る金型の全体図である。
図1の金型は、例えばタレットパンチプレス(図2)に適用され、上部フレーム1にはラムストライカー2が、上部タレット6には切削加工用パンチPが、下部タレット7には該切削加工用パンチPと協働する切削加工用ダイDがそれぞれ取り付けられている。
上部タレット6(図1)には、貫通孔45が形成され、該貫通孔45の上縁にはリフトスプリング31を介して前記切削加工用パンチPが支持されている。
また、下部タレット7には、前記切削加工用ダイDが固定され、該切削加工用ダイDには、後述する本発明方法に使用される切削チップ50(図6、図7)が組み込まれている。
上記切削チップ50は、その上にワークWを載置して移動させることにより、本発明方法のようなV溝加工が行われ(例えば図6)、所定の形状を有すると共に、タイプも片面タイプ等もあり、取り付け構造、冷却構造、切粉排出構造、更には上下動機構にもいろいろなものがあり、説明は省略する(特許文献1の図2〜図7)。
前記のとおり、図2においては、切削工具である切削チップ50を組み込んだ切削加工用ダイDによりV溝加工が行われる実施例を示したが、本発明はこれに限定されず、パンチP側に切削工具を組み込んだ場合でもよく、また、タレットパンチプレス(図2)におけるタレット6、7とは別位置に切削工具を組み込んだ場合でもよい。
図2は、本発明に係るワーク掴み替え切削加工方法が適用されるパンチプレスのうちのタレットパンチプレスを示す図であり、該タレットパンチプレスは、既述したように(図1)、上部タレット6と下部タレット7を有している。
この上部タレット6と下部タレット7には、切削加工用ダイD(図1)とそれと協働する切削加工用パンチPから成る金型、及びその他打ち抜き加工用、成型加工用等種々のパンチPとダイDから成る金型がそれぞれ同心円状に配置されている。
上記タレット6、7の回転機構は、次のとおりである。
即ち、上部タレット6の回転軸8と下部タレット7の回転軸9には、チェーン4と5がそれぞれ巻回されていると共に、該チェーン4と5は、駆動軸3に巻回されており、また、加工位置KにおけるパンチPの直上方であっで、上部フレーム1には、既述したように(図1)、例えば切削加工用パンチPを打圧して該パンチP全体を押し下げるラムストライカー2が設けられている。
この構成により、モータMにより駆動軸3を回転させることにより、チェーン4と5を循環させれば、上部タレット6と下部タレット7が同期回転し、所定のパンチPとダイDからなる金型、例えば本発明に係る切削加工用ダイD(図1)とそれと協働する切削加工用パンチPから成る金型などを加工位置Kにおいて選択することができる。
タレットパンチプレスの下部フレーム21(図2(B))上には、Y軸LMガイドレール17が敷設され、該Y軸LMガイドレール17には、サポートブラケット16が滑り結合しており、該サポートブラケット16を含むワーク位置決め装置は、次のとおりである。
即ち、前記サポートブラケット16上には、キャリッジベース11が戴置されていると共に、該キャリッジベース11には、上部フレーム1に設けられたY軸モータMyのボールねじ14が螺合しており、また、キャリッジベース11には、ワークWを把持するクランプ13が取り付けられているキャリッジ12が、X軸LMガイドレール(図示省略)に滑り結合しており、該キャリッジ12には、X軸モータMx(図2(A))のボールねじ15が螺合している。
更に、タレットパンチプレスの中央には、センタテーブル10が固定され、該センタテーブル10の両側には、サイドテーブル10A、10Bが配置され、該サイドテーブル10A、10Bは、前記サポートブラケット16に取り付けられている。
この構成により、X軸モータMxを回転させると、キャリッジ12が、キャリッジベース11上をX軸方向に移動し、またY軸モータMyを回転させると、サポートブラケット16に支持されたキャリッジベース11が、サイドテーブル10A、10Bと共にY軸方向に移動する(図2(A))。
従って、切削加工用ダイD(図1)とそれと協働する切削加工用パンチPから成る金型を加工位置Kにおいて選択した状態で、キャリッジ12(図2)に搭載されたクランプ13に把持されたワークWを加工位置Kに位置決めし、そのままワークWを切削チップ50上で移動させれば、V溝加工等の切削加工を行うことができる。
ところが、既述したように(図10)、前記クランプ13を搭載したキャリッジ12の移動範囲(X軸方向)には、該キャリッジ12に螺合しているボールねじ15(図2(A))の長さ(X軸方向)に基づく制限があり、該ボールねじ15の長さを超えて、例えば左側には移動できず、具体的には、キャリッジ12(図10)は機械の加工範囲Nより左側へは移動できない。
従って、ワークW上の第1加工領域R1に隣接する第2加工領域R2を、機械の加工範囲Nへ進入させることはできず、このため、第2加工領域R2でのV溝加工はできない。
そのため、センタテーブル10(図2(A))には、吸着パッド等から成るワーク保持装置53を設け、後述するワーク掴み替え(図9のステップ102)を行うことにより、ワークを掴み替えた後該ワークの所定の加工領域を、機械の加工範囲内に順次進入させることにより、進入させた各加工領域におけるV溝加工を可能とし、V溝加工の拡大を図るようにした。
尚、公知のオートインデックス装置(金型回転機構)を設置すれば、片面タイプの切削チップ50(特許文献1の図2)を使用して所定の切削加工方法(特許文献1の図14)を実施する場合に、該切削チップ50の方向を自動的に変えることができるので、ワークWを行ったり帰ったりさせて往復状態で加工が可能となり、加工時間を短縮できるが、詳細な説明は省略する。
以下、本発明に係る切削加工方法を、図1〜図9に基づいて説明する。
(1)先ず、図9のステップ101において、機械の加工範囲N内で、第1加工領域R1に対してV溝J1加工を行う。
この場合、機械の加工範囲Nとは、例えばタレットパンチプレス(図2)の加工位置Kを含む空間であって、切削加工用パンチPと切削加工用ダイDを使用して所定のV溝加工が行われる(図3(A)、図5)。
この場合のV溝加工は、図5に示すように、加工開始から終了まで例えば同じ切削チップ50を用い、加工開始時には、徐々に深くなるV溝g1を加工し、その後、一定の深さHのV溝Gを所定の長さL1だけ加工し、加工終了時には、徐々に浅くなるV溝g2を加工する。
この切削加工方法によれば、よく知られているように、切削チップ50が、いきなり一定の深さHのV溝を加工する場合に較べて、切削チップ50がワークWから受ける抵抗が少なくなり、これにより、切削チップの磨耗を防止することにより、寿命を長くした。
以後、本発明においては、前記機械の加工範囲N内では、既述したのと同じV溝加工が行われる(図3〜図4)。
また、第1加工領域R1(図3(A))とは、ワークW上のV溝が加工される領域であって、第2加工領域R2(図4(A))、・・・、及び第n加工領域Rn(図4(B))についても同様である。
そして、図9のステップ101においては、より詳しくは、機械の加工範囲N内で、ワークW上の第1加工領域R1に対してV溝J1加工を行い(図3(A))、このとき、ワークWはタレットパンチプレスのキャリッジベース11に移動自在に取り付けたキャリッジ12に搭載されたクランプ13に把持されている。
また、前記V溝加工(図3(A))が行われる場合の切削加工用パンチPと切削加工用ダイDの動作は次のとおりである。
即ち、図6に示すように、加工開始と同時に、例えばワークWを左側に移動すると共に、切削加工用パンチPを徐々に下降させることによりワークWに接触させ、切削加工用ダイD側の切削チップ50が徐々にワークWに食い込むようにする。
これにより、加工開始時には、徐々に深くなるV溝g1が加工される。
その後、切削加工用パンチPにより押圧されたワークWを同方向に移動させながら、前記図5に示すような一定の深さHのV溝Gを所定の長さL1だけ加工する。
そして、加工終了が近づくにつれて、切削加工用パンチP(図6)を徐々に上昇させてワークWから離せば、これにより、加工終了時には、徐々に浅くなるV溝g2が加工される。
このような切削加工用パンチPと切削加工用ダイDの動きにより、V溝加工(図3(A))における加工開始時のV溝g1と加工終了時のV溝g2が、極めてきれいに滑らかに加工される。
従って、V溝加工を重ねて行う場合でも(図3(C))、V溝g1とV溝g2の重なり部分が(参照符号Aの拡大図)きれいに加工され、第1加工領域R1から第n加工領域Rnに亘る一定の深さHで所定の長さLのV溝J(図8(C))が、ゆがむことなく真っ直ぐに形成される。
また、図7は、前記V溝加工(図3(A))が行われる場合の切削加工用パンチPと切削加工用ダイDの動作の他の実施形態を示し、図6と異なるのは、加工開始時には、切削加工用ダイDを徐々に上昇させ、加工終了時には、切削加工用ダイDを徐々に下降させる点にある
しかし、この図7の方法によっても、徐々に深くなるV溝g1(図3(A))と、徐々に浅くなるV溝g2が得られるのは、同じである。
(2)次に、図9のステップ102において、該ワークWを掴み替える。
即ち、既述した吸着パッド等のワーク保持装置53(図2)により、ワークW(図3(B))を保持した状態で、クランプ13をワークWから解放した後、該クランプ13を搭載したキャリッジ12を右側へ移動し、ワークWを把持することにより、ワークWを掴み替える。
(3)その後、図9のステップ103おいて、機械の加工範囲N内で、第2加工領域R2に対して重ねてV溝J2加工を行う。
この場合、より詳しくは、機械の加工範囲N内で、ワークW上の第2加工領域R2に対して第1加工領域R1のV溝J1に重ねてV溝J2を加工するが、以下のような場合がある。
第1に、図3(C)における参照符号Aの拡大図に示すように、第2加工領域R2のV溝J2の加工開始時における徐々に深くなるV溝g1が終わる位置P1(深さH(図8(A)の下図)に到達する場合の左右方向(X軸方向)の位置)が、第1加工領域R1のV溝J1の加工終了時における徐々に浅くなるV溝g2が始まる位置P2と同位置の場合である。
第2に、図3(C)における下のカッコ内に示すように、第2加工領域R2のV溝J2の加工開始時における徐々に深くなるV溝g1が終わる位置P1(同様に、深さH(図8(A)の下図)に到達する場合の左右方向(X軸方向)の位置)が、第1加工領域R1のV溝J1の加工終了時における徐々に浅くなるV溝g2が始まる位置P2よりも左側(内側)の場合である。
この場合、徐々に深くなるV溝g1が終わる位置P1と、徐々に浅くなるV溝g2が始まる位置P2との間は、実線で示されていて、切削加工が行われており、余裕を持たせてある。
第3に、図3(C)における上のカッコ内に示すように、第2加工領域R2のV溝J2の加工開始時における徐々に深くなるV溝g1が終わる位置P1(同様に、深さH(図8(A)の下図)に到達する場合の左右方向(X軸方向)の位置)が、第1加工領域R1のV溝J1の加工終了時における徐々に浅くなるV溝g2が始まる位置P2よりも右側(外側)の場合である。
この場合、徐々に深くなるV溝g1が終わる位置P1と、徐々に浅くなるV溝g2が始まる位置P2との間は、切削加工が行われておらず、削り残しが出てしまう。
前記第1〜第3の重ね加工方法のうち、第1の加工(図3(C)における参照符号Aの拡大図)のようにP1をP2に対して同位置を狙うと、第3の加工(図3(C)における上のカッコ内)のようにP1がP2に対して右側にずれてしまった場合に、削り残しが出てしまう。
そこで、このような事態を回避するために、前記第2の加工に示すように(図3(C)における下のカッコ内)、余裕を持たせた加工のプログラムを組むことが望ましい。
更に、第2加工領域R2のV溝J2を切削する場合の切削抵抗については、いきなり一定の深さHのV溝を加工する場合に較べてV溝J1の徐々に浅くなるV溝g1部分を、一定深さHのV溝へ切削していくために切削抵抗が少なくなり、これにより、切削チップ50の摩耗を防止し、寿命を長くした。
(4)その後、図9のステップ104において、ワークW上の第n加工領域Rnまで、前記(2)、(3)と同じ動作を繰り返す。
即ち、ワークWを加工する場合には、タレットパンチプレス(図2)の制御部(図示省略)を構成する例えば加工情報決定手段により、ワークW上のどの加工領域まで加工するかは、予め設定してある。
従って、例えば予め第5加工領域R5まで加工するということが設定されていれば、本発明においては、第2加工領域R2から第5加工領域R5まで、ワークWの掴み替えと重ねV溝加工(図9のステップ102と103)を繰り返し、一般には、第n加工領域Rn(図4(B))まで同じ動作を繰り返す。
(5)最後に、図9のステップ105において、第1加工領域R1から第n加工領域Rnに亘るV溝Tを加工する(図4(B))。
より具体的には、第1加工領域R1から第n加工領域Rnに亘る一定の深さHで所定の長さLのV溝Jを有する全体のV溝Tを加工する(図8(A)(上図は裏面図、下図は側面図))。
即ち、左端に徐々に深くなるV溝、右端に徐々に浅くなるV溝があり、途中だけ一定の深さHで所定の長さLのV溝Jを有する全体のV溝Tを加工する。
しかし、全体のV溝Tの両端の前記徐々に深くなるV溝g1と、徐々に浅くなるV溝g2を含むワークW部分W1、W2は、通常は製品としての価値は無い。
よって、V溝加工が終了した場合(図8(A)、図9のステップ106のYES)、即ち、最後の第n加工領域Rnまで加工が終了した場合には、前記製品として不要な両端のワークW部分W1、W2は切断し(図4(C)、図8(B)、図9のステップ107)、上記一定の深さHで所定の長さLのV溝Jが加工されたワークW部分のみを製品として残す。
上記したように、最後の第n加工領域Rnまで加工が終了した場合には、前記製品として不要な両端のワークW部分W1、W2を切断する旨について言及したが(図4(C)、図8(B)、図9のステップ107)、このように不要なワークW部分W1、W2を一挙に切断するのではなく、例えば第1加工領域R1(図8(A))におけるV溝J1加工終了後に、予め不要なワーク部分W1を切断してもよい。
次に、本発明方法の応用例について図10〜図15を用いて説明する。
始めに、本応用例を説明する前提として、タレットパンチプレスによるV溝加工における端部加工速度によるV溝の仕上がりの違いについて図11を参照しながら説明する。ここで、以下の説明における端部加工速度とは、徐々に深くなるV溝g1或いは徐々に浅くなるV溝g2の加工時において、ワークWのX方向の単位移動量に対するパンチPのZ方向の移動量のことを言う。端部加工速度は、ワークWのX方向の送り速度とラムストライカー2(切削加工用パンチP)のZ方向の送り速度を制御することで調整することができる。この端部加工速度が遅い場合、V溝g1の長さLg1s或いはg2の長さLg2sは長くなり、加工されるV溝Jの始端或いは終端はなだらか延びるV字状に仕上がる(図10(A))。一方、端部加工速度が速い場合、V溝g1の長さLg1f或いはV溝g2の長さLg2fは短くなり(Lg1f<Lg1s、Lg2f<Lg2s)、加工されるV溝Jの始端或いは終端は急峻に狭まるV字状に仕上がる(図10(B))。
続いて、本発明方法に適切な端部加工速度について説明する。
ここで、仮に図9のステップ107に着目すると、図4(C)に示すように、V溝Jの不要な両端のワークW部分W1及びW2が短い方が望ましい。従って、この点のみを考慮すると、より速い端部加工速度によってV溝g1及びg2を加工する方が良いと言える。しかし、本発明方法において、単純に速い端部加工速度を用いると次のような問題が生じ得る。
図2のタレットパンチプレスは、X方向に並ぶ2つのクランプ13を有しており、これらによってワークWの一方側を掴んでワークWを固定する。そのため、クランプ13の配列方向、つまりX方向に延びるV溝Jを加工する際、図11(A)の紙面左側にワークWを移動させると(図11(A)の墨付矢印)、ワークWには切削チップ50の抵抗によって切削チップ50を支点とする時計回りの回転モーメントが生じてしまう(図11(A)の白抜き矢印)。そして、この回転モーメントが大きくなると、V溝JがX方向に対して歪んでしまい、始端と終端のY方向の位置にずれdyが生じてしまう(図11(B))。
なお、クランプ13の配列方向と直交する方向、つまりY方向に延びるV溝Jを加工する場合、例えば、図12の紙面上側にワークWを移動させることになる(図12の墨付矢印)。そのため、V溝Jcのように、ワークWのうちX方向のクランプ13間にV溝を加工する場合、ワークWには回転モーメントは生じない。一方、V溝Jsのように、ワークWのうちX方向のクランプ13間の外にV溝を加工する場合、ワークWには多少の回転モーメントは生じると考えられる。但し、本発明方法では、V溝JをいずれもX方向に加工するため、V溝JをY方向に加工する場合については考慮しなくても良い。
本発明方法では、加工領域毎にX方向に延びるV溝Jを加工し、これの繰り返しによってX方向に長く延びるV溝Tを形成する。そのため、加工後のV溝Tには、各V溝Jの歪みの影響が出てしまう。具体的には、形成されるV溝Tを極端に表現すると、図13に示すように、隣り合うV溝Jの重なり部分においてY方向に多少の段差が生じる場合がある(図13の破線a101)。特に、速い端部加工速度を用いた場合、図14に示すように、破線a101で囲まれたV溝Jの重なり部分において、急峻に狭まるV字状のV溝g1及びg2が合わさることになるため、上記段差はより目立つようになってしまう。
そこで、本応用例では、端部加工速度を切り替えながらV溝Tを形成する。
具体的には、図15に示すように、V溝g1及びg2のうち、V溝Tの始端に当る第1加工領域R1のV溝g1を「g1´」とし、V溝Tの終端に当る第n加工領域RnのV溝g2を「g2´」とした場合、V溝g1´及びg2´を比較的速い端部加工速度で加工し(図15中の破線a102)、その他のV溝g1及びg2を、V溝g1´及びg2´の加工時よりも遅い端部加工速度で加工する(図15中の破線a103及びa104)。つまり、V溝g1´及びg2´の長さLg1´及びLg2´は短く加工し、その他のV溝g1及びg2の長さLg1及びLg2を長くする。
この場合、V溝Tの中間部では、V溝g1及びg2が比較的なだらかなV字状に加工されるため、隣り合うV溝g2とV溝g1を良くなじませることができる。その結果、V溝Jの重なり部分の段差が目立たず、始端から終端まで滑らかに延びるV溝Tを形成することができる。一方、V溝Tの両端部に当るV溝g1´及びg2´は速い端部加工速度で加工されるため、それらは短くなり、製品としての価値が無いワークW部分W1及びW2の増大が抑制される。
つまり、本応用例によれば、ワーク部分W部分W1及びW2の増大を抑制しつつ、より滑らかで段差の少ないV溝Tを形成することが可能となる。
本発明は、ワークを掴み替えた後、該ワークの所定の加工領域を、機械の加工範囲内に順次進入させることにより、進入させた各加工領域におけるV溝加工を可能とし、V溝加工の拡大を図るようにしたワーク掴み替え切削加工方法に利用され、更に、一対の金型が配置されたシングルパンチプレスのみならず複数対の金型が配置された上部タレットと下部タレットを有するタレットパンチプレスにも適用され、極めて有用である。
1 上部フレーム
2 ラムストライカー
6 上部タレット
7 下部タレット
13 クランプ
21 下部フレーム
31 リフトスプリング
39 排出孔
45 貫通孔
41 ダイ本体
50 切削チップ
51 冷却機構
52 排出機構
53 ワーク保持装置
D 切削加工用ダイ
P 切削加工用パンチ
W ワーク
W´ 切粉

Claims (7)

  1. 切削チップを備えた切削加工用ダイとそれと協働する切削加工用パンチから成る金型を用いた切削加工によりV溝加工を行うパンチプレスにおける切削加工方法において、
    (1)前記パンチプレスのクランプによってワークが把持された状態において、該ワーク上の一部の加工領域を機械の加工範囲内に進入させることで、加工領域に対してV溝加工を行った後、
    (2)V溝を加工した加工領域に対して該V溝の延在方向に隣接する次の加工領域が前記機械の加工範囲に進入可能となるよう、該ワークを掴み替えることで前記クランプによる前記ワークの把持位置を変更し
    (3)その後、該ワークの前記次の加工領域を前記機械の加工範囲内に進入させることで、該次の加工領域のV溝の始まる位置が前の加工領域のV溝の終わる位置に重なるように、該次の加工領域に対して前記前の加工領域のV溝の延在方向に連続するV溝を加工し、
    (4)ワーク上の第n加工領域まで、前記(2)、(3)と同じ動作を繰り返し、
    (5)前記(1)の加工領域から第n加工領域に亘る長さを有するV溝を加工することを特徴とするワーク掴み替え切削加工方法。
  2. 上記(1)と(3)のV溝加工は、加工開始時には、徐々に深くなるV溝を加工し、その後、一定の深さで所定の長さのV溝を加工し、加工終了時には、徐々に浅くなるV溝を加工する請求項1記載のワーク掴み替え切削加工方法。
  3. 上記(1)と(3)のV溝加工において、加工開始時と加工終了時の動きは、加工開始時には、切削加工用パンチを徐々に下降させ、加工終了時には、切削加工用パンチを徐々に上昇させ、又は加工開始時には、切削加工用ダイを徐々に上昇させ、加工終了時には、切削加工用ダイを徐々に下降させる請求項2記載のワーク掴み替え切削加工方法。
  4. 上記(3)の機械の加工範囲内で、ワーク上の前記次の加工領域に対して前記前の加工領域のV溝に重ねてV溝を加工する場合には、該次の加工領域のV溝の加工開始時における徐々に深くなるV溝が終わる位置が、前記前の加工領域のV溝の加工終了時における徐々に浅くなるV溝が始まる位置よりも内側である、又は同位置である請求項1、2又は3記載のワーク掴み替え切削加工方法。
  5. 上記(5)の加工終了後、全体のV溝の両端の徐々に深くなるV溝と、徐々に浅くなるV溝を含むワーク部分は、製品としての価値は無いので切断し、上記一定の深さで所定の長さのV溝を含むワーク部分のみを製品として残す請求項1記載のワーク掴み替え切削加工方法。
  6. 前記前の加工領域の徐々に深くなるV溝、及び、前記第n加工領域の徐々に浅くなるV溝の端部加工速度よりも、他の前記徐々に深くなるV溝、及び、他の前記徐々に浅くなるV溝の端部加工速度を遅くする
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のワーク掴み替え切削加工方法。
  7. 前記クランプは、第1方向に並んで複数配置されており
    前記パンチプレスは、前記V溝を前記第1方向に加工する
    ことを特徴とする請求項6記載のワーク掴み替え切削加工方法。
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