JP6715007B2 - 天然ベンズアルデヒド水の製造方法、該製造方法によって製造された天然ベンズアルデヒド水、及び、該天然ベンズアルデヒド水を含有する抗腫瘍剤 - Google Patents

天然ベンズアルデヒド水の製造方法、該製造方法によって製造された天然ベンズアルデヒド水、及び、該天然ベンズアルデヒド水を含有する抗腫瘍剤 Download PDF

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Description

本発明は、天然ベンズアルデヒド水の製造方法、該製造方法によって製造された天然ベンズアルデヒド水、及び、該天然ベンズアルデヒド水を含有する抗腫瘍剤に関する。
サクラ、ウメ等のバラ科サクラ属に属する植物からの抽出物が、抗酸化作用(特許文献1)、抗炎症作用(非特許文献1)、一酸化窒素産生抑制作用(特許文献2)、メラニン産生抑制作用(特許文献3)、美白作用(非特許文献2)、保湿作用(特許文献4)等を有することは既に知られている。
また、特許文献5や非特許文献3には、バラ科サクラ属に属する植物からの抽出物には、ベンズアルデヒドが含まれていることが開示されており、ベンズアルデヒドには、抗腫瘍作用(非特許文献4)、血流促進作用(特許文献6)等があることは既に知られている。
しかしながら、上記のように有効な作用を有する成分をバラ科サクラ属に属する植物からより多く抽出するための抽出方法や、該植物からベンズアルデヒドやベンズアルデヒド以外の微量成分をより多く含有する抽出物の製造方法についてはこれまでに知られていない。
一方、植物から該植物に含まれる成分を抽出し分離する方法としては、水蒸気蒸留法を用いて抽出して2層に分かれた上層(油相)を分離する方法;水に直接浸漬させて加熱しその2層に分かれたものから上層(油相)を分離する直接抽出法;有機溶媒を用いて抽出する溶媒抽出法;油性成分を加えて圧搾することにより抽出する圧搾法;超臨界流体を用いて抽出する超臨界抽出法;等、種々の方法が知られている。
しかしながら、これらの抽出方法は、水相を主な目的物として分離するものではなく、特に水に若干は溶解するベンズアルデヒド等を含有する水相の分離法としては不適であった。
また、有機溶媒、水、水蒸気等の抽出溶媒を使用せず、低温で減圧して直接抽出する低温真空抽出法も知られている。
特許文献7には、植物を破砕及び撹拌しながら加熱及び減圧して植物由来の蒸気を生成させる香気成分の抽出方法が記載されている。そして、この方法を用いれば、ハーブ、果物、花又は野菜から香気成分を抽出できるとされている。
しかしながら、上記した通り、これまでにバラ科サクラ属に属する植物に含まれる成分を、該植物からより多く又は効率よく抽出する抽出方法や、該植物からベンズアルデヒド、それに共存するベンズアルデヒド以外の成分又は該植物の細胞水を多く含有する抽出物の製造方法については開示されていない。
更に、バラ科サクラ属に属する植物を原料とし、未同定分子を含む複数の有効成分を効率的に水相として抽出する抽出方法や、該植物の細胞水を含んだままの該抽出液の製造方法についても開示されていない。
特開2006−166726号公報 特開2012−229170号公報 特開2011−016727号公報 特開2002−020225号公報 特開2001−252053号公報 特開2000−169326号公報 特開2012−062374号公報
Lee J.,BMC Complement Altern Med.,2013 Apr;13:92 Murata K.,Nat Prod Commun.,2014 Feb;9(2):185-8 Ulker Z.,Hum Exp Toxicol.,2013 Aug;32(8):858-64 Kochi M.,Cancer Treat Rep.,1980 Jan;64(1):21-3
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、前記問題点を解決し、自然界に存在するベンズアルデヒドを多く含む水系の植物抽出物の製造方法を提供することにあり、また、その製造方法によって製造されたベンズアルデヒドや、植物細胞においてベンズアルデヒドと共存する成分を多く含む植物抽出物を提供すること等にある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の抽出方法を用いることによって、水相として、「バラ科サクラ属に属する植物」中に存在するベンズアルデヒドを多く含有する抽出液を得ることができることを見出した。また、該抽出液には、ベンズアルデヒドの他に、細胞水をはじめ複数の有効成分が揮散せず多く含むことを見出して、本発明を完成するに至った。
また、該抽出液は、優れた抗腫瘍効果を有することを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、天然ベンズアルデヒド水の製造方法であって、バラ科サクラ属に属する植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法を含むことを特徴とする天然ベンズアルデヒド水の製造方法を提供するものである。
以下、「撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法」を、単に「低温真空抽出法」と略記する。
また、本発明は、上記の天然ベンズアルデヒド水の製造方法によって製造されたことを特徴とする天然ベンズアルデヒド水を提供するものである。
また、本発明は、上記の天然ベンズアルデヒド水を含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点や上記課題を解決し、従来の他の抽出方法では得ることが困難であった、細胞内にベンズアルデヒドを多く含有するバラ科サクラ属に属する植物由来の抽出液を得ることが可能である。
また、ベンズアルデヒド以外の成分についても、従来の抽出方法では効率的に得ることが困難であった「成分」又は「成分比率」で、バラ科サクラ属の植物由来の抽出液を得ることが可能である。また、熱分解を防げるので、天然成分をそのまま抽出液とすることができる。
また、本発明によれば、従来の他の抽出方法では得ることができなかった大量の抽出液を水相として得ることができる。
本発明の製造方法では、水又は有機溶媒と言った抽出溶媒を使用する必要がないので、植物由来の(細胞水を含む)成分を、水溶液として高濃度で収率良く回収することができ、得られた抽出液は、抽出溶媒由来の物質を含有させないことが可能であるため、水を含め天然由来の成分だけで構成させることができ、極めて安全であり、また安心して提供ができ、また抽出溶媒臭がない。
また、従来のバラ科サクラ属に属する植物の抽出物にはなかった「成分」又は「成分比率」を有することにより、バラ科サクラ属に属する植物由来の、高品質及び新規性のある抽出液を提供することができる。
また、本発明の天然ベンズアルデヒド水は優れた抗腫瘍効果を有する。
また、本発明のバラ科サクラ属に属する植物由来の抽出液である前記「天然ベンズアルデヒド水」は、優れたスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性、一重項酸素消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性、一酸化窒素消去活性を有し、ストレスホルモンであるコルチゾールの量を抑制することができる。
本発明における抽出工程に用いられる装置の一形態を示す概略図である。 本発明における抽出工程に用いられる装置の容器の一形態を示す拡大断面図である。 本発明における抽出工程に用いられる装置の容器内の撹拌羽根の構成の一形態を示す斜視図である。 サクラの花から抽出した天然ベンズアルデヒド水の成分と成分比率を示すグラフである。 サクラの葉から抽出した天然ベンズアルデヒド水の成分と成分比率を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水のスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水の一重項酸素消去活性を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水のヒドロキシラジカル消去活性を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水の一酸化窒素消去活性を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水を気化して被験者に嗅がせたときの、唾液量(μL)(A)、唾液のpH(B)、唾液中のスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性(%)の変化を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水を気化して被験者に嗅がせたときの、唾液の抗酸化能(μmol/L)(A)、唾液中のコルチゾール量(μg/dL)(B)の変化を測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水の抗腫瘍活性を、A549細胞を用いて測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水の抗腫瘍活性を、A431細胞を用いて測定した結果を示すグラフである。 本発明の天然ベンズアルデヒド水の抗腫瘍活性を、Hela細胞を用いて測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明は、天然ベンズアルデヒド水の製造方法であって、バラ科サクラ属に属する植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法により抽出する工程を含むことを特徴とする天然ベンズアルデヒド水の製造方法である。
本明細書において、「天然ベンズアルデヒド」とは、「植物細胞から抽出されたベンズアルデヒドを主成分とし、該ベンズアルデヒドと植物細胞内で共存する有機成分」と定義し、「天然ベンズアルデヒド水」とは、上記「天然ベンズアルデヒド」及び上記植物の細胞水を含有する水溶液」と定義する。
「細胞水」とは、植物細胞に含まれる細胞内液のことである。
本発明の製造方法において、バラ科サクラ属に属する植物(以下、単に「サクラ属植物」と略記する場合がある)を原料として使用する。
該バラ科サクラ属に属する植物は、特に限定はないが、サクラ、ウメ、ビワ、アーモンド、モモ、スモモ、プルーン及びネクタリンからなる群から選ばれる1種以上の植物であることが、優れたスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性、一重項酸素消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性、一酸化窒素消去活性等の点から好ましく、サクラであることが、上記点からより好ましく、例えば、ソメイヨシノ(Prunus yedoensis)、関山(Prunus yedoensis cv. Sekiyama)等が挙げられる。八重桜であることが、上記点、及び、特に花弁の数が多い又は花弁の体積が大きい等の点から特に好ましい。
サクラ属植物の抽出は、該サクラ属植物の何れの組織から抽出してもよく、サクラ属植物の葉;茎;花弁等の花冠;萼;果実;種子;仁;樹皮等の樹木;根等から抽出されるが、天然ベンズアルデヒドを多く含有する天然ベンズアルデヒド水を得ることができるという点で、花弁、葉又は仁から抽出することが好ましく、花弁又は葉から抽出することがより好ましく、花弁から抽出することが特に好ましい。また、ウメから抽出する場合は、特に仁から抽出することが上記点から好ましい。
また、バラ科サクラ属に属する植物の上記した複数の組織から同時に抽出してもよい。
抽出に用いられるものは、乾燥をしないもの(生のままのもの)、ある程度乾燥したものの何れでもよいが、好ましくは、乾燥をしないもの(実質的に生のままのもの)が、細胞水を十分に含有し、変質もなく、また本発明の製造方法においては水を含め抽出溶媒を使用しないことが好ましいので、その場合には天然成分のみからなる天然ベンズアルデヒド水が水溶液として好適に得られることから好ましい。
乾燥をしないものから抽出した場合、細胞水を多く含むので、ベンズアルデヒドや「植物細胞内でベンズアルデヒドと共存する成分」が大量の細胞水に完溶した形態で得られ、均一な天然ベンズアルデヒド水が製造できる。
本発明における天然ベンズアルデヒド水は、サクラ属植物から低温真空抽出法を用いて抽出した抽出液である。すなわち、サクラ属植物を、「撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法」(低温真空抽出法)により抽出されたサクラ属植物の抽出液のことである。
ここで、低温真空抽出法に供するサクラ属植物の形態、すなわち、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌する前の形態については、低温真空抽出法に用いる装置に投入し易く、該装置に適応する形態であれば特に限定はないが、適度に切断されていることも好ましい。
花弁を用いる場合は、雄しべ、雌しべ、がく片等を取り除いてから装置に投入することが好ましい。葉を用いる場合は、切断後の葉の面積として、0.2cm〜50cmが好ましく、1cm〜40cmがより好ましく、2cm〜30cmが特に好ましい。
本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法は、低温真空抽出法を用いた、バラ科サクラ属に属する植物(サクラ属植物)から抽出された抽出物の製造方法である。
低温真空抽出法では、有機溶媒、水、水蒸気、液体二酸化炭素等の抽出媒体を実質的に使用せず、低温で減圧して直接抽出することが、溶媒が残留し得ないので天然成分だけの天然ベンズアルデヒド水が製造できる、溶媒の臭いが残らない、含有成分が熱分解しない、含有成分が散逸しないので高濃度の天然ベンズアルデヒド水が得られる、細胞水が散逸しないので大量の天然ベンズアルデヒド水が得られる点等から好ましい。
ここで「低温」とは、減圧しないで溶媒抽出するときの一般的温度より低い温度のことを言い、本発明の場合は、具体的には、(抽出容器の温度でも抽出器内の気体の温度でもなく)、サクラ属植物自体の温度が90℃以下の温度であることが好ましい。抽出温度については後で詳述する。
<破砕、撹拌、外部から熱を加えつつ減圧して抽出>
本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法では、サクラ属植物を、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する。
<<抽出装置>>
図1は、本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法において、抽出工程に用いられる装置の一形態を示す概略図である。本発明の趣旨の範囲内であれば、図に示された装置で抽出されたものには限定されない。
容器1は、サクラ属植物を収容し、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する容器であり、冷却槽2は、容器1から出る蒸気を冷却する装置である。
容器1は、攪拌羽根6を収容した下部半円筒部7と、その上に形成された上部角形部8とからなる。下部半円筒部7の周囲には、容器1の内部に熱を加える蒸気室9がある。
下部半円筒部7の最下部の中央には、抽出後のサクラ属植物の破砕物を取り出す排出口10が設けられている。
前記上部角形部8の上部には、吸引される蒸気の排気口14が設けられ、この排気口14には、前記冷却槽2につながる配管16が接続されている。
前記上部角形部8の上部には、サクラ属植物の投入口17を設けると共に、その投入口17を塞ぐ蓋18を設けている。
本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法においては、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うことが必須である。このようにしながら、抽出することで、新鮮な破砕面ができたらそこから直ぐに抽出が可能になるので、有効成分の熱分解、酸化等による変性を防ぐことができ、本発明における抽出装置に投入する前に破砕してしまった場合の破砕面からの、有効成分の蒸発等による散逸を防ぐことができる。
上記破砕・撹拌は、可動刃及び/又は固定刃を備えた抽出装置内で行うことが、上記効果を得るために特に好ましい。
例えば、図3は、前記攪拌羽根6の構成を示す斜視図であり、攪拌羽根6は、容器1の外部に設けられたモータにより回転されるものであり、容器1の端壁20、21に回転可能に支持される左右の端板22、23と、その先端間に両端が固定された、ほぼ「く」の字形をなす羽根体24、25とによって構成することにより、中心軸を有しない構造に構成されている。
26は下部半円筒部7の内面に固着された複数の固定刃であり、羽根体24、25における固定刃26に対応する箇所には、羽根体24、25における固定刃26の部分を通過するための溝24a、25aが形成され、その溝の両側に、固定刃26との間でバラ科サクラ属に属する植物31(サクラ属植物31)を切断するための可動刃24b、25bが形成されている。
なお、図3では、固定刃26と可動刃24b、25bとは、噛み合いが時間をずらして順次行なわれるように、周方向に位置をずらして配設し、これにより攪拌羽根6の駆動モータの動力の瞬間的増大が起こらないようにしている。
図2に示すように、下部半円筒部7の片側上部には、この上に載るバラ科サクラ属に属する植物31が円滑に落ちるように、傾斜面30がある。
32は前記容器1内の真空度を計測する真空計、33、34は温度計であり、これらは抽出工程における容器内の圧力(減圧度)と温度を測定し、抽出時のサクラ属植物31の温度も間接的に測定するために設けられたものであり、また、抽出の開始と終了を判定するために設けられたものである。
<<抽出工程>>
この真空乾燥装置の操作・動作は、例えば、下記のように行なわれる。
まず、作業開始に当り、冷却槽2に冷却水が充填される。次いで、サクラ属植物31を投入口17から容器1内に投入して蓋18を閉じる。そして、攪拌羽根6は、図1〜図3の矢印Rの方向に回転させ、容器1内のサクラ属植物を攪拌しながら、可動刃24b、25bと固定刃26との間でサクラ属植物31を小さく破砕する。
サクラ属植物を破砕しながら抽出することで、新鮮な破砕面からの抽出が可能になり、成分すなわち天然ベンズアルデヒドや細胞水の「変性」や「散逸による減量」を防ぐことができる。
上記攪拌・破砕と同時に、蒸気室9内に加熱用蒸気を供給することにより、外部から熱を加える。容器1に加えられた熱は、サクラ属植物31に伝達され、サクラ属植物31が攪拌羽根6によって攪拌されることにより、抽出が促進される。この抽出は、サクラ属植物31が、可動刃24b、25bと固定刃26とによって破砕されて小さくなることによって更に促進される。
その際、蒸気室9内に送り込む加熱用蒸気の温度や量を調節して、サクラ属植物31自体の温度を、後記する好ましい範囲にする。
エゼクタ、真空ポンプ等の減圧装置46で吸引することにより、容器1内の気体、すなわち、抽出液の蒸気及び空気は、配管16を通じて吸引され、容器1内のサクラ属植物31に含まれている天然ベンズアルデヒドと細胞水の蒸発が始まる。
その際、減圧装置46で吸引する量や吸引力を調節して、抽出時の圧力(減圧度)を、後記する好ましい範囲にする。
容器1内の「サクラ属植物に含まれている天然ベンズアルデヒドの蒸気」及び「細胞水の主成分である水の蒸気」(水蒸気)は、配管16を通して吸引され、冷却槽2に導入・液化されて、回収液となって回収槽41内に溜まる。
回収槽41内に、回収液(油層50及び水層51)が所定量まで貯まったら、減圧装置46での吸引を停止し、バルブ45を閉じ、弁49を開いて、回収液を回収する。回収液は、要すれば静置して分液をして油層50を取り除き、水層51を抽出液(天然ベンズアルデヒド水)として回収する。
本発明においては、天然物である細胞水を含有すること、天然ベンズアルデヒドのみを有効成分として含有すること、ベンズアルデヒド以外の複数の薬効成分を含有すること、天然ベンズアルデヒドが細胞水に均一に溶解すること、水系の用途に幅広く使用できること、特に経鼻投与の用途において好適な装置であるディフューザー(芳香拡散器)を用いて霧化させるために好適であること(ディフューザー適合性が高いこと)、サクラ属植物の花弁からは主に水層が採れること等より、水層(水相、水性画分)を使用することが特に好ましい。
<<抽出条件>>
本発明の抽出液の製造方法においては、上記抽出の温度は特に限定されないが、サクラ属植物自体が90℃以下であることが好ましく、55℃以下の温度を維持するように行うことがより好ましい。特に好ましくは、上記抽出をサクラ属植物自体が20℃以上50℃以下の温度を維持するように行うことであり、更に好ましくは、25℃以上45℃以下であり、最も好ましくは、30℃以上40℃以下である。
下限が上記範囲の値であると、熱分解が起こらず、また抽出時間を短くできるので、有効成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、有効成分(天然ベンズアルデヒドと細胞水)を十分に抽出可能である。
本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法では、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、温度の下限が上記範囲の値であると抽出時間を短くできることと相まって効果がより相乗される。
一方、上限が上記範囲の値であると、有効成分の熱による変性・分解を防止しつつ有効成分(天然ベンズアルデヒドと細胞水)を抽出できる。また、不必要な成分を抽出することがない。
本発明の抽出液の製造方法においては、上記抽出の減圧度は特に限定されないが、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことが好ましい。より好ましくは、101.3kPa(1気圧)に対し、85kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことであり、特に好ましくは、90kPa以上低い圧力であり、更に好ましくは、95kPa以上低い圧力である。
圧力が上記値であると(減圧度が上記であると)、低い温度での天然ベンズアルデヒド等の有効成分の抽出が可能になるので、有効成分の熱による変性・分解が防止でき、十分に有効成分を抽出できる。また、抽出時間を短くできるので、有効成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、天然ベンズアルデヒドと細胞水を十分に抽出可能となる。
本発明の抽出液の製造方法では、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、減圧度が上記値のように低いと、抽出速度が速いという点で、天然ベンズアルデヒド等の有効成分の分解・逸失が抑制される効果がより相乗される。
<他の抽出方法との比較>
前記した通り、抽出方法には、本発明の低温真空抽出法以外にも、水蒸気蒸留法、直接抽出法、溶媒抽出法、圧搾法、超臨界抽出法等、種々の方法が知られている。
このうち、水蒸気蒸留法や直接抽出法では、サクラ属植物を高温加熱するため有効成分が変性する、有効成分が散逸する等で、天然ベンズアルデヒドを含有する抽出物が十分に得られなかった。
また、水蒸気蒸留法では、ベンズアルデヒドと植物細胞内で共存する微量成分(ベンジルアルコール、クマリン、その他の図4、図5に示した微小ピークの成分等)をも含有する液体(すなわち、天然ベンズアルデヒド水)が得られない。更に、水蒸気蒸留法では、抽出に用いた水蒸気が液化した水が細胞水に混合することで、全て天然由来の天然ベンズアルデヒド水であると言う本発明の効果がなくなる。
また、溶媒抽出法では、水溶性成分が抽出され難い、抽出溶媒が抽出液中に残留する、また、その溶媒を除去する際に有効成分も除去されてしまった。また、溶媒抽出法では、溶媒を使用することが必須であるため、植物由来の高濃度の細胞水を得ることが難しかった。更に、抽出液(天然ベンズアルデヒド水)の収量も少なかった。抽出溶媒として水を用いる場合でも、抽出のために加えた水が残留するので、全て天然由来の天然ベンズアルデヒド水であると言う本発明の効果がなくなる。
圧搾法でも、抽出溶媒として用いた油性成分が抽出液中に残留し、また、その油性成分を完全に除去することが不可能であった。また、抽出溶媒を使用するため、植物由来の高濃度の細胞水を得ることが難しかった。
超臨界抽出法では、高圧を要するので高価な設備を必要とする等の問題点があった。
また、サクラ属植物を破砕・撹拌をしながらではなく、一旦破砕・撹拌をした後に抽出する方法では、天然ベンズアルデヒド等の複数の有効成分が効率的に抽出できない場合があった。通常の減圧抽出法等のように、破砕・撹拌をしながらではなく加熱・減圧して抽出する方法では、天然ベンズアルデヒド等の有効成分(特に、ベンジルアルコール、クマリン、その他の図4、図5に示した微小ピークの成分等)が抽出できない場合があった。
また、サクラ属植物を「破砕しつつではなく」加熱・減圧して抽出する通常の減圧抽出法を含め、上記他の抽出方法では、サクラ属植物の組織や細胞の中に含まれている種々の成分が効率的に十分抽出できない場合があった。
<抽出後の操作>
本発明における低温真空抽出法によると、水性画分(水層、水相)からは均一な天然ベンズアルデヒド水、油性画分(油層、油相)からは精油が得られる。
本発明においては、抽出後の操作は特に限定はされないが、同時に回収される不要成分は分離して除去することが好ましい。分離には、比重の違い等を利用した、デカンテーション、分液操作等が用いられる。
本発明においては、抽出物が、植物由来ではない成分を含有しない「天然ベンズアルデヒド水」として得られるという特長がある。
天然ベンズアルデヒド水であれば、汎用の噴霧器(例えば、加湿器等)を利用して室内等に容易に噴霧させることができ、フィルター等が汚れないため、フィルター交換等のメンテナンスを頻繁にする必要がないという効果を有する。また、ベンズアルデヒド以外の有効成分を多く含有する、と言った効果が得られる。
また、水溶性の抽出液は、油溶性の抽出液に比べて、1回の抽出工程でより多くの量を回収することができる。また、油溶性の抽出液に比べて匂いが薄いが、比較的心地よく感じるレベルの匂いの強度であり、医療現場や家庭で使い易い。更に、容器や部品等の洗浄が容易である点で、油溶性の抽出液より優れている。
本発明の「天然ベンズアルデヒド水の製造方法」で得られた天然ベンズアルデヒド水は、従来のサクラ属植物からの抽出物と比較して、クロマトグラフでピーク(比)が異なる等の点から、「物」として新規な抽出液である。
かかる本発明の天然ベンズアルデヒド水は、水の他に、図4、図5に示した通り、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコール及びクマリンを含有するが、その他、図4、図5に示した微小ピークの成分や、更にクロマトグラフでは検出できていない微量成分をも含有する。
低温真空抽出法以外の抽出法で抽出した従来のサクラ属植物からの抽出物には、ベンズアルデヒドは含有するものの、それ以外の上記成分を含んでいないか又は極微量しか含んでいないか又は含有比率が大きく異なるものであった。また、抽出時におけるベンズアルデヒドの分解物や抽出溶媒を含むものであった。
その成分組成や物性値の差が明らかになっていないので、本発明の天然ベンズアルデヒド水は、製造方法でしか特定ができない。
本発明の天然ベンズアルデヒド水は、ベンズアルデヒドに比べて下記する効果をより発揮する。
本発明の天然ベンズアルデヒド水は抗酸化作用を有する。また、活性酸素の一種であるスーパーオキシドアニオンラジカル(O ・−)、一重項酸素()、ヒドロキシラジカル(HO)の消去活性作用を有する。特に、スーパーオキシドアニオンラジカル及びヒドロキシラジカルに対しては優れた消去活性作用を有する。
天然ベンズアルデヒド水自体、該天然ベンズアルデヒドを含有する飲食品、又は、該天然ベンズアルデヒド水を気化したもの等を体内に取り入れることにより、活性酸素を消去し、抗酸化作用やアンチエイジング(抗加齢)効果を発揮することができる。
また、本発明の天然ベンズアルデヒド水は抗炎症作用を有する。また、一酸化窒素(NO)消去活性作用を有する。
本発明の天然ベンズアルデヒド水は、必要に応じて、水又は有機溶媒等で希釈して溶液として用いてもよく、また、必要に応じて、薬剤として配合が許容される添加剤を加えて種々の形態で使用できる。ただ、本発明の天然ベンズアルデヒド水は、水を含め全て天然物でできていると言う特長を生かすために、そのままの形態で(又は天然成分を加えて)、例えば下記する種々の用途に使用することも好ましい。
本発明の天然ベンズアルデヒド水は、植物由来であり、抽出工程において抽出溶媒を使用する必要がないので、安全性が極めて高く、安心して使用できる。
また、本発明の天然ベンズアルデヒド水は、医薬品、医薬部外品、気化吸引用剤、外用組成物、調合香料、飲食品、化粧品、浴剤、繊維等に利用できる。これらの用途に使用するときには、そこに、要すれば種々の添加剤を配合して用いることができる。
また、本発明の天然ベンズアルデヒド水や、該天然ベンズアルデヒド水を含有する剤を実際にヒトに嗅いでもらったところ、唾液中の抗酸化能が使用後30分後で有意に向上したことから、本発明の天然ベンズアルデヒド水、該天然アルデヒド水を含有する剤を嗅がせる工程を有する方法は、唾液中の抗酸化能を向上させる方法として特に有効である。
また、本発明の天然ベンズアルデヒド水や、該天然ベンズアルデヒド水を含有する剤を実際にヒトに嗅いでもらったところ、当該ヒトの唾液中のストレスホルモンであるコルチゾールが、使用後30分後で有意に下降したことから、本発明の天然ベンズアルデヒド水、該天然アルデヒド水を含有する剤を嗅がせる工程を有する方法は、唾液中のコルチゾールの含有量を抑制する方法として有効である。
<抗腫瘍剤>
本発明の抗腫瘍剤は、上記天然ベンズアルデヒド水を含有することを特徴とする。
抗腫瘍効果に優れることは、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞A549、ヒト扁平上皮癌細胞A431、及び、ヒト子宮頸癌細胞HeLaで確かめられた。本発明の抗腫瘍剤は、腫瘍の発生を予防及び/又は腫瘍の治療に用いることができる。
また、本発明の抗腫瘍剤は、有効成分である、天然ベンズアルデヒド水に加えて、「その他の成分」を含有することができる。
前記抗腫瘍剤における、上記「その他の成分」としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬学的に許容され得る担体等が挙げられる。
かかる担体としては、特に制限はなく、例えば、後述する剤型等に応じて適宜選択することができる。また、前記抗腫瘍剤中の前記「その他の成分」の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の抗腫瘍剤の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができる。
具体的には、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶剤、懸濁剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散布剤等が挙げられる。
前記経口固形剤としては、例えば、前記有効成分に、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。
前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
前記経口液剤としては、例えば、前記有効成分に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
前記注射剤としては、例えば、前記有効成分に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
前記軟膏剤としては、例えば、前記有効成分に、公知の基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を配合し、常法により混合し、製造することができる。
前記基剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。前記保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
前記貼付剤としては、例えば、公知の支持体に前記軟膏剤としてのクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等を、常法により塗布し、製造することができる。前記支持体としては、例えば、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム、発泡体シート等が挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤中の有効成分である、天然ベンズアルデヒド水の、抗腫瘍剤全体に対する含有量は、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抗腫瘍剤全体を100質量部としたときに、天然ベンズアルデヒド水の合計量として、0.001〜100質量部の含量で配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜99質量部、特に好ましくは0.1〜95質量部、更に好ましくは1〜90質量部の含量で配合することができる。
本発明の抗腫瘍剤の投与対象動物としては、特に制限はないが、例えば、ヒト;マウス;ラット;サル;ウマ;ウシ、ブタ、ヤギ、ニワトリ等の家畜;ネコ、イヌ等のペット;等が挙げられる。
また、前記抗腫瘍剤の投与方法としては、特に制限はなく、例えば、前記抗腫瘍剤の剤型等に応じ、適宜選択することができ、経口投与、腹腔内投与、呼吸器への吸入、血液中への注射、腸内への注入等が挙げられる。
また、前記抗腫瘍剤の投与量としては、特に制限はなく、投与対象である個体の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、成人への1日の投与量は、有効成分の量として、1mg〜30gが好ましく、10mg〜10gがより好ましく、100mg〜3gが特に好ましい。
また、前記抗腫瘍剤の投与時期としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。
<作用・原理>
本発明において、低温真空抽出法により抽出されたサクラ属植物の抽出液(天然ベンズアルデヒド水)が、優れた抗腫瘍効果を有する作用・原理は明らかではなく、また、本発明は、かかる作用・原理の範囲に限定されるわけではないが、以下のことが考えられる。
すなわち、低温真空抽出法は、「撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法」であり、抽出工程において不純物が含まれることはない。また、従来の抽出法と比較して低い温度で抽出するため、従来の抽出方法では抽出され難い天然ベンズアルデヒド等の成分(熱に弱い成分や揮発成分等)を抽出することができる。また、抽出溶媒を使用しなくてもよい低温真空抽出法により、植物由来の高濃度の細胞水を得ることができ、その結果、ベンズアルデヒド及び複数の有効成分を含む天然ベンズアルデヒド水を得ることができる。
ベンズアルデヒドには、チロシンキナーゼ活性を阻害することによる抗腫瘍効果を有することは既に知られているが、本発明の天然ベンズアルデヒド水には、ベンズアルデヒドの他に、未同定の分子を含め他の分子を成分として含む。これらベンズアルデヒド以外の成分の作用・効果、又は、ベンズアルデヒドを含めたこれら複数の有効成分の相乗作用・効果により、チロシンキナーゼ活性阻害が増強、若しくは、その他の作用が働いたことにより、本発明の前記効果が表れたと考えられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
<天然ベンズアルデヒド水の製造>
収穫した八重桜の花弁及び葉を各々、図1〜3に示した容器に入れて抽出を行った。
抽出条件は以下であった。
(1)八重桜(花弁又は葉)の温度:30〜40℃
(2)容器内の設定温度:30〜40℃
(3)圧力:101.3kPa(1気圧)に対し、93〜97kPa低い圧力
(4)撹拌羽根(可動刃)の回転数:4rpm(回転/分)
回収槽41に溜まった回収液のうち、水層(水相)51の液を目的の抽出液(天然ベンズアルデヒド水)とした。
収穫した八重桜の花弁10kgからは、天然ベンズアルデヒド水を8kg回収した。
実施例2
<天然ベンズアルデヒド水の成分分析>
低温真空抽出法によって抽出された天然ベンズアルデヒド水に含まれる成分の比率を、ガスクロマトグラフィー法を用いて比較した。
八重桜の花弁から抽出した天然ベンズアルデヒド水(以下、「天然ベンズアルデヒド水1」と略記する場合がある)の結果を図4に示し、八重桜の葉から抽出した天然ベンズアルデヒド水(以下、「天然ベンズアルデヒド水2」と略記する場合がある)の結果を図5に示す。
図4及び図5共に、横軸が保持時間(分)を示し、縦軸がイオン強度を示す。
図4の結果より、天然ベンズアルデヒド水1には、ベンズアルデヒドを多く含有していることがわかり、ベンジルアルコールやクマリンも少量含まれていることがわかった。
また、図5の結果より、天然ベンズアルデヒド水2の主成分はベンズアルデヒドであった一方、花弁から抽出した天然ベンズアルデヒド水1と比べて、ベンズアルデヒド量に対するベンジルアルコール及びクマリンの含有量が多かった。
また、図4及び図5からわかる通り、天然ベンズアルデヒド水1、2共に、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコール及びクマリン以外に、その他の成分が多く検出された。ただ、検出された成分の同定をすることはできなかった。
実施例3
<天然ベンズアルデヒド水の抗酸化作用及び抗炎症化作用の測定>
天然ベンズアルデヒド水1及び2の抗酸化作用及び抗炎症化作用を、電子スピン共鳴法(ESR法)を用いて測定した。
一定の濃度に調整したサンプル(天然ベンズアルデヒド水)、蒸留水、スピントラップ剤(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノール;4−OH TEMP)、ラジカル発生剤を、その順番に加えて混合させた。
該混合液をESR用セルに適量移し、マイクロ波を照射し、スーパーオキシドアニオンラジカル(O ・−)、一重項酸素()、ヒドロキシラジカル(HO)及び一酸化窒素(NO)の消去活性(%)をそれぞれ測定した。
図6にスーパーオキシドアニオンラジカルの消去活性を、図7に一重項酸素の消去活性を、図8にヒドロキシラジカルの消去活性を、図9に一酸化窒素の消去活性を測定した結果を示す。
図6〜9の縦軸は消去活性(%)を示し、コントロールとして純水を用いたときにESRセル中に残存する測定対象分子量を100%とした。
横軸の「花」は、花弁から抽出した天然アルデヒド水1、「葉」は、葉から抽出した天然アルデヒド水2を示す。
横軸の割合は、低温真空抽出法により抽出した天然アルデヒド水原液を蒸留水で希釈した時の原液の割合である。例えば、図6中、「花20%」とは、天然ベンズアルデヒド水1を蒸留水で5倍希釈したものを指す。
図6の結果より、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に、スーパーオキシドアニオンラジカル(O ・−)消去活性を有することがわかった。特に、葉から抽出した天然ベンズアルデヒド水2は、花弁から抽出した天然ベンズアルデヒド水1よりも高いスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を有することがわかった。
図7の結果より、天然ベンズアルデヒド水1は一重項酸素()消去活性を有し、天然ベンズアルデヒド水2は一重項酸素消去活性を有さないことがわかった。また、天然ベンズアルデヒド水は、一重項酸素消去活性よりも、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性の方が優れていることがわかった。
図8の結果より、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に、ヒドロキシラジカル(HO)消去活性を有することがわかった。また、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に、抽出液原液を40倍希釈したもの(「2.5%」)でも十分にヒドロキシラジカル消去活性作用を発揮していることがわかった。
図6〜8の結果より、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に抗酸化作用を有していることがわかった。
また、図9の結果より、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に一酸化窒素(NO)消去活性を有していることがわかり、天然ベンズアルデヒド水1及び2共に抗炎症作用を有していることがわかった。
実施例4
<天然ベンズアルデヒド水の唾液に対する作用>
上記で得られた天然ベンズアルデヒド水1を蒸留水で希釈後、通常の市販のディフューザーを用いて被験者(健常者)に20分前後匂いを嗅いでもらい、匂いを嗅ぐ前後での該被験者の唾液を比較した。結果を図10及び図11に示す。
図10及び図11共に、グラフの横軸中、「実験前」は、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぐ前の被験者の唾液、「アロマ後」は、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぎ終わった直後の被験者の唾液、「30分後」は、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぎ終わってから30分後の被験者の唾液を示す。
また、図中の「*」は、p<0.05であることを示す。
図10Aは唾液量、図10Bは唾液のpH、図10Cは唾液中のスーパーオキシドアニオンラジカル(O ・−)残存量を測定した結果である。
図10A〜Cの結果より、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅いだことにより、唾液量、pH、及びスーパーオキシドアニオンラジカル(O ・−)残存量には変化が見られなかった。
図11AはBAPテスト(Biological Anti−oxidant Potential;抗酸化力測定)を行った結果を示す。測定値が大きい程、唾液中の抗酸化力が高いことを示す。
天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぎ終わってから30分後の被験者の唾液は(「30分後」)、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぐ前(「実験前」)、及び匂いを嗅ぎ終わった直後の被験者の唾液(「アロマ後」)に比べて測定値が上昇していた。
図11Aの結果より、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぐことにより、ヒト唾液の抗酸化能を向上させることがわかった。また、図10Cの結果より、該抗酸化能は、スーパーオキシドアニオンラジカルの消去作用の向上が直接関与していないこともわかった。
天然ベンズアルデヒド水1と組成成分が類似している天然ベンズアルデヒド水2についても同様に、匂いを嗅がせることによりヒト唾液の抗酸化能を向上させる効果を有するものと示唆される。
図11Bは唾液中のストレスホルモンであるコルチゾール量を測定した結果を示す。
天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぎ終わってから30分後の被験者の唾液は(「30分後」)、天然ベンズアルデヒド水1の匂いを嗅ぐ前(「実験前」)、及び匂いを嗅ぎ終わった直後の被験者の唾液(「アロマ後」)に比べてコルチゾール量が低下していた。
図11Bの結果より、天然ベンズアルデヒト水1の匂いを嗅ぐことにより、ストレスホルモンであるコルチゾール量を抑制することがわかった。
天然ベンズアルデヒド水1と組成成分が類似している天然ベンズアルデヒド水2についても同様に、匂いを嗅がせることにより唾液中のコルチゾール量を抑制させる効果を有するものと示唆される。
実施例5
<天然ベンズアルデヒド水の抗腫瘍活性の測定>
上記で得られた天然ベンズアルデヒド水1及び2の抗腫瘍活性について、MTTアッセイを用いて検証した。
MTTアッセイは、黄色のテトラゾリウム塩であるMTTが代謝活性のある生細胞に取り込まれることにより紫色のホルマザン結晶に切断されることに基づいた生細胞数の測定法である。
試験にはヒト肺胞基底上皮腺癌細胞A549、ヒト扁平上皮癌細胞A431、ヒト子宮頸癌細胞HeLaを用いた。A549細胞は10%(v/v)FBS含有DMEM培地、A431及びHeLa細胞は10%(v/v)FBS含有MEM培地で培養した。
96ウェル培養プレートにそれぞれの細胞が3×10個/100μL/wellとなるように播種し、37℃、5%COの条件で24時間の前培養を行った。前培養後、試験用の培地に交換し、37℃、5%COの条件で48時間の培養を行った。試験用培地には最終濃度0.0〜5.0%(v/v)になるように評価試料の桜の花セルエキストラクト(天然ベンズアルデヒド水1)および桜の葉セルエキストラクト(天然ベンズアルデヒド水2)をそれぞれ添加したものを使用した。
対照としてはベンズアルデヒド(ナカライテクス)を、0.004%濃度にPBSで希釈した溶液を、最終濃度0.0〜5.0%(v/v)になるように培地に添加したものを用いた。このベンズアルデヒド0.004%の濃度は、桜の花セルエキストラクトの成分分析結果より得られたベンズアルデヒド含有量とほぼ同じものである。
48時間の培養終了後、MTT標識試薬を10μL/well加え、インキュベーターで4時間保温した後、可溶化溶液(0.01MHCl、10%SDS)を100μL/well添加し、17時間インキュベーターで保温した。保温後、マイクロプレートリーダーを用いてリファレンス波長650nmとして570nmの吸光度を測定した。評価試料を添加しない場合の生細胞数を100として、評価試料を添加した場合の細胞生存率(%)を求めた。測定はそれぞれ3回繰り返し、平均値を算出した。
桜の花および葉セルエキストラクトのMTTアッセイによるヒト腫瘍細胞増殖抑制効果の結果を図12〜14に示す。図12はA549細胞、図13はA431細胞、図14はHeLa細胞を示し、各グラフ横軸は各試料の濃度(%)(v/v)、縦軸は細胞の生存率(%)をそれぞれ示す。
図12〜14に示した結果より、桜の花セルエキストラクト及び対照のベンズアルデヒドでは、殆ど腫瘍細胞抑制効果は確認できなかったのに対して、桜の葉セルエキストラクトにおいては、腫瘍細胞の増殖抑制効果が、A549細胞(図12)、A431細胞(図13)、HeLa細胞(図14)の何れでも確認できた。
本発明の天然ベンズアルデヒド水の製造方法を用いて製造された天然ベンズアルデヒド水は、今までのバラ科サクラ属に属する植物からの抽出液とは異なる成分組成を有し、有効成分である天然ベンズアルデヒドを含む。また、本発明の天然ベンズアルデヒド水は植物由来であり、抽出工程において抽出溶媒を使用する必要がないので、安全性が極めて高い。
したがって、該天然ベンズアルデヒド水は、医薬品の分野にはもちろんのこと、アロマセラピー用品、芳香剤、介護用品、化粧品、食品等の分野においても広く利用されるものである。
1 容器
2 冷却槽
6 攪拌羽根
7 下部半円筒部
8 上部角形部
9 蒸気室
10 排出口
14 排気口
16 配管
17 投入口
18 蓋
20 端壁
21 端壁
22 端板
23 端板
24 羽根体
24a 溝
24b 可動刃
25 羽根板
25a 溝
25b 可動刃
26 固定刃
30 傾斜面
31 バラ科サクラ属に属する植物(サクラ属植物)
32 真空計
33 温度計
34 温度計
41 回収槽
45 バルブ
46 減圧装置
49 弁
50 油層
51 水層
R 回転方向

Claims (9)

  1. 天然ベンズアルデヒド水を含有する抗腫瘍剤の製造方法であって、
    該天然ベンズアルデヒド水は、サクラの葉を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えて、サクラの葉の温度を50℃以下に維持しつつ、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法によって製造することを特徴とする抗腫瘍剤の製造方法。
  2. 天然ベンズアルデヒド水を含有する抗酸化剤の製造方法であって、
    該天然ベンズアルデヒド水は、サクラの葉を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えて、サクラの葉の温度を50℃以下に維持しつつ、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法によって製造することを特徴とする抗酸化剤の製造方法。
  3. 上記抗酸化剤がスーパーオキシドアニオンラジカル(O ・− )消去活性剤である請求項2に記載の抗酸化剤の製造方法。
  4. 上記抗酸化剤がヒドロキシラジカル(HO・)消去活性剤である請求項2に記載の抗酸化剤の製造方法。
  5. 天然ベンズアルデヒド水を含有する抗炎症剤の製造方法であって、
    該天然ベンズアルデヒド水は、サクラの葉を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えて、サクラの葉の温度を50℃以下に維持しつつ、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法によって製造することを特徴とする抗炎症剤の製造方法。
  6. 上記抗炎症剤が一酸化窒素(NO)消去活性剤である請求項5に記載の抗炎症剤の製造方法。
  7. 請求項1に記載の抗腫瘍剤の製造方法を使用して製造されるものであることを特徴とする抗腫瘍剤。
  8. 請求項2ないし請求項4の何れかの請求項に記載の抗酸化剤の製造方法を使用して製造されるものであることを特徴とする抗酸化剤。
  9. 請求項5又は請求項6に記載の抗炎症剤の製造方法を使用して製造されるものであることを特徴とする抗炎症剤。

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