JP6714125B1 - 車両操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出舵角のヒステリシスに起因する目標舵角と操舵角とのずれを小さくすることのできる車両操舵装置を提供する。【解決手段】車両を操舵する操舵機構と、前記操舵機構を回転させる電動機と、前記操舵機構の回転角である操舵角を検出し前記操舵角に対してヒステリシスを有した検出舵角を出力する舵角センサと、前記操舵角と前記検出舵角との差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、前記操舵角の目標値である目標舵角と前記操舵角の差に等しくなるように前記目標舵角と前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値に基づいて前記電動機を制御する制御部とを備えた車両操舵装置。【選択図】図3

Description

本願は、車両操舵装置に関するものである。
電動機を制御して車両の目標経路に応じて操舵角を変更するようにした車両操舵装置は周知である。この種の車両操舵装置において、車両の操舵機構の歪み等に起因して、ステアリングシャフトの回転角度としての操舵角と車両の転舵輪の回転角度としての転舵角との関に、ヒステリシスが発生することがある。
従来、操舵角と転舵角との間のヒステリシスを補正する要素角演算手段を備え、操舵角と転舵角との関にヒステリシスが生じていると判断した場合に、要素角演算手段によりそのヒステリシスを目標操舵角に与えることで、前述のヒステリシスを補正するようにした車両操舵装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、振幅の小さな成分をろ過する小振幅ろ過フィルタを用いて回転速度信号などの動的状態量から操舵成分を除去し、それよりも振幅の小さな成分である振動成分のみを精度よく抽出して振動成分を低減するようにした電動パワーステアリング装置が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開2016―135676号公報 WO2009/078074号
特許文献1に開示された従来の車両操舵装置は、舵角センサの出力に含まれるヒステリシスを考慮していない。従って、操舵角に対して舵角センサから出力される検出舵角にヒステリシスが存在している場合、操舵角が変化しても検出舵角はヒステリシス区間では変化しない。特に、切返し操舵の際は操舵角が変化しても検出舵角はヒステリシス区間では変化しない現象が顕著に発生し、ヒステリシス区間を脱するタイミングにおいて検出舵角が急変するため、操舵に不連続感が生じる。また、意図した目標舵角よりも操舵角がヒステリシスの量だけ大きく動くため、車両の走行経路が目標経路から大きくずれる可能性がある。また、特許文献2に開示された従来の電動パワーステアリング装置は、電気信号の振動成分を低減する技術を備えてはいるが、検出舵角のずれを補正する技術を備えていない。
本願は、従来の装置における前述のような課題を解決するための技術を開示するものであり、車両のセンサの出力に含まれるヒステリシスの影響を低減し、正確で円滑な操舵を可能とする車両操舵装置を提供することを目的とする。
本願に開示される車両操舵装置は、
車両を操舵する操舵機構と、
前記操舵機構を回転させる電動機と、
前記操舵機構の回転角である操舵角を検出し前記操舵角に対してヒステリシスを有した検出舵角を出力する舵角センサと、
前記操舵角と前記検出舵角との差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
前記操舵角の目標値である目標舵角と前記操舵角との差に等しくなるように、前記目標舵角と前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値に基づいて前記電動機を制御する制御部と、
を備え
前記ヒステリシス推定部は、
前記目標舵角と、前記検出舵角と、前記電動機の電流と、前記車両のヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定した操舵角推定値を出力する操舵角推定部と、
前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値に対して、前記舵角センサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
ことを特徴とするものである。
また、本願に開示される車両操舵装置は、
車両を操舵する操舵機構と、
前記操舵機構を回転させる電動機と、
前記車両のヨーレートを検出し前記ヨーレートに対してヒステリシスを有する検出ヨーレートを出力するヨーレートセンサと、
前記ヨーレートと前記検出ヨーレートとの差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
前記ヨーレートの目標値である目標ヨーレートと前記ヨーレートの差に等しくなるように前記目標ヨーレートと前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値とに基づいて前記電動機を制御する制御部と、
を備え
前記ヒステリシス推定部は、
前記目標ヨ―レートと、前記検出ヨ―レートと、前記車両の状態に基づいて演算したヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定したヨ―レート推定値を出力するヨ―レート推定部と、
前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値に対して、前記ヨ―レートセンサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
ことを特徴とするものである。
本願に開示される車両操舵装置によれば、車両を操舵する操舵機構と、前記操舵機構を回転させる電動機と、前記操舵機構の回転角である操舵角を検出し前記操舵角に対してヒステリシスを有した検出舵角を出力する舵角センサと、前記操舵角と前記検出舵角との差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、前記操舵角の目標値である目標舵角と前記操舵角との差に等しくなるように、前記目標舵角と前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値に基づいて前記電動機を制御する制御部とを備えているので、車両のセンサの出力に含まれるヒステリシスの影響を低減し、正確で円滑な操舵を可能とする車両操舵装置を得ることができる。
また、本願に開示される車両操舵装置によれば、車両を操舵する操舵機構と、前記操舵機構を回転させる電動機と、前記車両のヨーレートを検出し前記ヨーレートに対してヒステリシスを有する検出ヨーレートを出力するヨーレートセンサと、前記ヨーレートと前記検出ヨーレートとの差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、前記ヨーレートの目標値である目標ヨーレートと前記ヨーレートの差に等しくなるように前記目標ヨーレートと前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値とに基づいて前記電動機を制御する制御部とを備えているので、車両のセンサの出力に含まれるヒステリシスの影響を低減し、正確で円滑な操舵を可能とする車両操舵装置を得ることができる。
実施の形態1、および実施の形態2による、車両操舵装置の全体構成図である。 舵角センサによる検出舵角と実舵角との関係を示す特性図である。 舵角センサによる検出舵角と実舵角との関係を示す特性図である。 舵角センサによる検出舵角と実舵角との関係を示す特性図である。 実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、舵角制御器の構成図である。 実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、ヒステリシス推定部の構成図である。 実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、幅ろ過フィルタの構成図である。 実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、制御部の構成図である。 実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、ヒステリシス推定値を用いて制御偏差を生成する各種の構成例を示す説明図である。 実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置の全体構成図である。 実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、ヨーレート制御器の構成図である。 実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、ヒステリシス推定部の構成図である。 実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、制御部の構成図である。 実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、ヒステリシス推定値を用いて制御偏差を生成する各種の構成例を示す説明図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1、および実施の形態2による、車両操舵装置の全体構成図である。図1において、車両操舵装置100は、車両を操舵する操舵機構1と、電動機減速ギア3を介して操舵機構1を回転させる電動機2と、操舵機構1の回転角である操舵角を検出して検出舵角S1を出力する舵角センサ4と、舵角制御器5とを備えている。舵角制御器5は、実際の操舵角である実舵角と検出舵角S1との偏差に相当する後述するヒステリシス推定値H1を出力するヒステリシス推定部6と、上位制御器8から出力される目標舵角S0と検出舵角S1とヒステリシス推定値H1とに基づいて電流指令値Icを生成する制御部7とを備える。制御部7から出力された電流指令値Icは、電動機2を制御する電動機制御装置(図示せず)に伝達される。電動機制御装置は、電流指令値Icに基づいて例えば半導体スイッチング素子により構成されたインバータ装置を制御し、電動機電流を電流指令値Icに追従させるように制御する。なお、インバータ装置を含む電動機制御装置は、制御部7に内蔵されていてもよい。
制御部7は、目標舵角S0と検出舵角S1との偏差に基づいて生成した電流指令値Icを電動機制御装置に与えることで電動機電流Imを制御し、操舵角を目標舵角S0に追従させるように電動機2を駆動して操舵機構1を回転させる。なお、舵角センサ4から出力される検出舵角S1は、実舵角に対してヒステリシスを含んでいる。
操舵機構1は、車両の運転者により操作されるステアリングホイール11と、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12により駆動されるラック・ピニオンギア13と、ラック・ピニオンギア13により駆動されて一対の転舵輪10を転舵させるラック14とから構成されている。前述の舵角センサ4は、ステアリングシャフト12の回転量である実舵角を計測し、実舵角に対応した検出舵角S1を出力して舵角制御器5に入力する。上位制御器8は、車両の目標経路を演算し、演算した目標経路に車両の走行経路を追従させるための目標舵角S0を出力して舵角制御器5に入力する。
舵角制御器5は、舵角センサ4から得られた検出舵角S1と目標舵角S0とに基づいて電流指令値Icを演算し、電動機2を制御する電動機制御装置に与える。電動機制御装置は、電流指令値Icに追随するように電動機電流Imを制御して電動機2に供給する。電動機2は、供給された電動機電流Imに応じたトルクを発生する。電動機2に発生したトルクは、電動機減速ギア3を介してステアリングシャフト12に伝達され、さらに、ラック・ピニオンギア13を介してラック14に伝達される。ラック14は、ラック・ピニオンギア13により軸方向に駆動され、一対の転舵輪10を転舵させる。
図2Aは、舵角センサにより検出した検出舵角と実舵角との関係を示す特性図であって、検出舵角にヒステリシスが含まれる場合を示している。図2Aにおいて、横軸は実舵角[deg]、縦軸は検出舵角[deg]を示す。
図2Aに示すように、検出舵角は、実舵角に対して不感帯幅2Bのヒステリシスを含んでいる。そのため、実舵角の回転方向が逆転し始めても、検出舵角の変化にはヒステリシスによる遅れが生じる。舵角制御において目標舵角S0と検出舵角S1を一致させようとすると、ヒステリシス区間中は検出舵角S1が変化しないので目標舵角S0と検出舵角S1との間の偏差が増大し、ヒステリシス区間を脱したときに、増大した偏差に基づいて電動機が駆動されて実舵角が急変動することがある。また、定常状態では実舵角に対して検出舵角S1がヒステリシスの幅2Bの誤差を持つため、車両の走行経路が目標経路から逸脱する可能性が発生する。しかしながら、実施の形態1による車両操舵装置によれば、以下述べるように、操舵角が急変することはなく、従って車両の走行経路が目標経路から逸脱することもない。
図3は、実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、舵角制御器の構成図であって、ヒステリシス補償を導入した舵角制御器5の構成を示している。図3において、舵角制御器5は、ヒステリシス推定部6と、加算部21と、偏差演算部22と、制御部7を備えている。ヒステリシス推定部6は、入力される入力値X1に基づいてヒステリシス推定値H1を演算して出力する。加算部21は、舵角センサ4により検出された検出舵角S1とヒステリシス推定値H1とを加算し、その加算値を補償検出舵角S2として出力する。
偏差演算部22は、上位制御器8からの目標舵角S0から、補償検出舵角S2を減算して制御偏差ΔSを出力する。制御部7は、入力された制御偏差ΔSと目標舵角S0と補償検出舵角S2とに基づいて電流指令値Icを演算し、電動機2を制御する電動機制御装置に入力する。電動機制御装置は、電動機2に流れる電動機電流Imを電流指令値Icに追従するように制御する。
図4は、実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、ヒステリシス推定部の構成図である。図4において、ヒステリシス推定部6は、操舵角推定部31と、後述する小振幅ろ過フィルタ32を備えている。操舵角推定部31は、入力値X1に基づいて演算した操舵角推定値S3を小振幅ろ過フィルタ32に入力する。小振幅ろ過フィルタ32は、操舵角推定部31から入力された操舵角推定値S3に基づいてヒステリシス推定値H1を出力する。
操舵角推定部31は、入力値X1を実舵角に近づけるような周波数応答性を備えており、ヒステリシス推定部6によるヒステリシス推定の精度を向上させる。実施の形態1では、ヒステリシス推定部6へ入力する入力値X1として目標舵角S0を用いる。その理由として、舵角制御の応答性が高い場合、目標舵角S0と実舵角が概ね近似すると仮定できるためである。実際には、目標舵角S0に対して実舵角は遅れて追従するので、その追従の遅れを操舵角推定部31により近似する。
具体的には、実車から舵角制御器5の周波数応答性を測定して舵角制御器5の固有周波数を求め、その固有周波数を有するローパスフィルタにより入力値X1としての目標舵角S0を処理することで、実舵角の波形に近似した波形の操舵角推定値S3を生成するようにする。出願人が行なった実車の測定結果では、舵角制御の遅れは0.5[Hz]から2.0[Hz]程度であることを確認した。そこで、実施の形態1による操舵制御装置では、操舵角推定部31として0.5[Hz]から2.0[Hz]程度の固有周波数を有するローパスフィルタを用いて操舵角の推定を行なうように構成している。なお、操舵角推定部31から出力される操舵角推定値S3は、あくまでセンサヒステリシスを推定するためものであるので、操舵角推定値S3が実舵角と完全に一致するほど高い推定精度で操舵角推定値S3が生成されることを必要としない。
次に、小振幅ろ過フィルタ32について説明する。図5は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、小振幅ろ過フィルタの構成図である。前述の特許文献2にも小振幅ろ過フィルタが使用されているが、その用途は電動パワーステアリング装置の制御において振動成分抽出のためである。本願の実施の形態1では、小振幅ろ過フィルタ32は、舵角制御において舵角センサにより検出された検出舵角からヒステリシスに関連する信号を抽出するために用いられる。
図5において、小振幅ろ過フィルタ32は、ヒステリシス関数処理を行うヒステリシスフィルタ41と減算器42とから構成される。ヒステリシスフィルタ41は、入力値X2の値に対してヒステリシス関数処理を施し、その値を出力値Zとして出力する。入力値X2に対してヒステリシス関数処理を施すヒステリシスは、実車で予め測定した幅と履歴を有するセンサヒステリシス特性となるように設定されている。
実施の形態1では、車両のヒステリシスが前述の図2Aに示されたヒステリシス特性を有することを想定しているため、ヒステリシスフィルタ41のヒステリシス関数にも図2Aと同様のヒステリシス特性を与えることが望ましい。減算器42は、ヒステリシスフィルタ41の入力値X2からヒステリシスフィルタ41の出力値Zを減算した値をヒステリシス推定値H1として出力する。実施の形態1では、小振幅ろ過フィルタ32に入力される入力値X2には、操舵角推定部31から出力される操舵角推定値S3が用いられる。
次に、制御部7について説明する。図6は、実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、制御部の構成図である。図6において、制御部7は、第1の擬似微分器51と、第2の擬似微分器52と、第1のゲイン53と、第2のゲイン54と、第3のゲイン55と、位相補償器56と、加算部57と、減算部58とを備えている。図6に示す制御部7は、基本的には、前述の制御偏差ΔSを抑えるようにフィードバック制御を行なう。
目標舵角S0から第1の擬似微分器51により目標舵角速度R0を生成し、この目標舵角速度R0に第1のゲイン53を乗算して加算部57に入力する。制御偏差ΔSから第2のゲイン54と位相補償器56による処理を経て舵角速度指令値Rcを生成し、この舵角速度指令値Rcを減算部58に入力する。第2のゲイン54と位相補償器56は、所望の安定性と制御偏差ΔSへの追従性が確保された舵角速度指令値Rcを生成するように設計されている。また、補償検出舵角S2から第2の擬似微分器52により検出舵角速度R1を生成し、この検出舵角速度R1を減算部58に入力する。
減算部58により、舵角速度指令値Rcから検出舵角速度R1を減算し、この減算した値に第3のゲイン55を乗算して加算部57に入力する。加算部57は、前述の目標舵角速度R0に第1のゲイン53を乗算した値と、舵角速度指令値Rcから検出舵角速度R1を減算した値に第3のゲイン55を乗算した値とを加算し、この加算した値を電流指令値Icとして出力する。
安定性の向上を図るために、図6に示す制御部7は、目標舵角S0による目標舵角速度R0と、制御偏差ΔSによる舵角速度指令値Rcとによるフィードバック制御をメジャーループとし、補償検出舵角S2による検出舵角速度R1と、制御偏差ΔSによる舵角速度指令値Rcとによるフィードバック制御をマイナーループとしている。そして、制御部7は、前述のメジャーループによるフィードバック制御に前述のマイナーループによるフィードバック制御を加えたカスケード制御を構成している。
ここで、図6に示す制御部7において、検出舵角S1ではなくヒステリシス補償を施した補償検出舵角S2を用いていることにより、舵角センサ4からの検出舵角S1に内包されるヒステリシスの影響が低減され、より正確な操舵制御が可能となる。さらに、速応性の向上を目的として目標舵角速度R0のフィードフォワード制御も加えられている。
以上のように、実施の形態1によれば、車両操舵装置の舵角制御において、舵角センサのヒステリシスを推定して補償することができ、ヒステリシスの影響を低減した滑らかな操舵が可能となる。
前述の実施の形態1では、舵角制御器5は、図3で説明したように、ヒステリシス推定部6によりヒステリシス推定値H1を生成し、加算部21により検出舵角S1とヒステリシス推定値H1とを加算して補償検出舵角S2を生成し、偏差演算部22により目標舵角S0から補償検出舵角S2を減算して制御偏差ΔSを生成しているが、ヒステリシス補償値H1を用いて制御偏差ΔSを生成する構成は、図3に示す構成の他にも存在する。
図7は、実施の形態1、および実施の形態2による車両操舵装置における、ヒステリシス推定値を用いて制御偏差を生成する各種の構成例を示す説明図である。図7の(a)に示す構成は、図3に示す構成に相当するものであり、ヒステリシス推定値H1を検出舵角S1に加算して補償検出舵角S2を生成し、目標舵角S0から補償検出舵角S2を減算することで制御偏差ΔSを生成している。なお、23は減算器である。
図7の(a)に示す構成に代えて、図7(b)に示す構成のように、目標舵角S0から検出舵角S1を減算した値から、ヒステリシス推定値H1を減算して制御偏差ΔSを生成するようにしてもよく、或いは、図7の(c)に示す構成のように、目標舵角S0からヒステリシス推定値H1を減算して補償目標舵角S4を生成し、この補償目標舵角S4から検出舵角S1を減算して制御偏差ΔSを得るようにしてもよい。図7の(a)、(b)、(c)に示す構成は、何れも同様の効果が得られる。
また、実施の形態1では、操舵角推定部31は伝達関数を用いて操舵角推定値S3を得るようにしているが、計算負荷を低減するために単なるゲインを用いて操舵角推定値S3を得るようにしてもよい。さらに、操舵角推定部31の推定精度を向上するために、飽和処理及び不感帯処理のような非線形処理を行なうようにしてもよい。
さらに、小振幅ろ過フィルタ32におけるヒステリシスフィルタ41は、図2Aに示す理想的なヒステリシス特性を有するフィルタを用いているが、ヒステリシスフィルタ41の特性を舵角センサのヒステリシス特性に合わせることが重要である。例えば、舵角センサのヒステリシス特性が図2Bに示すように、図2Aのヒステリシス特性に比べてヒステリシスループの図の右下と左上の角部が抑制された形のヒステリシス特性であれば、そのヒステリシス特性に合わせたヒステリシス特性を有するヒステリシスフィルタを用いる。また、舵角センサのヒステリシス特性が図2Cに示すように原点近傍に不感帯を持つ特性であれば、その特性に合わせた特性を有するヒステリシスフィルタを用いる。このように、舵角センサのヒステリシス特性にヒステリシスフィルタ41のヒステリシス特性を合わせることで、ヒステリシス推定値H1の精度を高めることができる。
以上の説明では、操舵角と検出舵角との関係にヒステリシスが存在するとしているが、ヒステリシスの発生要因は特に限定されるものではない。例えばヒステリシスの発生が舵角センサ自体の特性に由来している場合であっても、或いは舵角センサを回転させる操舵機構の機械的バックラッシに由来している場合でも、更にはこれ等の双方がヒステリシス発生の要因である場合であっても、実施の形態1の車両操舵装置は適用可能であり同様の効果を奏することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2による車両操舵装置について説明する。実施の形態1では、前述したようにヒステリシス推定部6へ入力する入力値X1として目標舵角S0を用いていた。しかし、制御応答性が低い場合及び摩擦などの外乱がある環境では、目標舵角S0と操舵角の差が大きくなり、実施の形態1の構成ではヒステリシスの推定が不正確となる可能性がある。実施の形態2では、目標舵角以外の入力値をヒステリシス推定部6に入力してヒステリシスの推定を行うように構成したものである。以下、実施の形態2による車両操舵装置を、実施の形態1による車両操舵装置との相違点を主体にして説明する。図1、図3、図4、図5、図6、および図7は、実施の形態2による車両操舵装置にも適用される。
実施の形態2によるヒステリシス推定部6は、図4に示す入力値X1として検出舵角S1を用いてヒステリシス推定値H1を演算するように構成されている。この構成では検出舵角S1が動かないヒステリシス区間ではヒステリシスの推定はできないが、ヒステリシス区間を抜け出した後は検出舵角S1が動く。そのため舵角の変動がヒステリシス幅に対して十分大きい状況ではヒステリシスの推定が可能であり、ヒステリシス推定値H1を得ることができる。
実施の形態2の変形例として、ヒステリシス推定部6は、車両のヨーレートに基づく入力値を用いてヒステリシス推定値H1を演算するように構成したものである。車両が旋回運動を行うときはヨーレートが発生しているので、ヨーレートの発生を基に操舵開始を判定することができる。また、ヨーレートは、舵角と車速に対してほぼ比例関係にあるので、ヨーレートと車速から舵角を推定することができる。
この場合、入力値X1としてヨーレートセンサが検出した値に基づく入力値としてもよいし、加速度、車速、左右車輪回転差などの車両状態に基づく入力値とし、ヨーレートおよびヒステリシス推定値H1を演算するようにしてもよい。
また、実施の形態2のさらなる変形例として、ヒステリシス推定部に入力する入力値X1として電動機電流Imに基づく値を用いて、ヒステリシス推定値H1を演算する構成としてもよい。操舵機構系及び転舵輪と路面間に静止摩擦が存在する場合、電動機電流Imが一定値以内であると静止摩擦が大きいため舵角が動かないが。電動機電流Imが一定値を越えると、静止摩擦に打ち勝ち舵角が動き始める。このときの電動機電流の値を電流閾値として、操舵開始を判定することができ、ヒステリシス推定をより正確に行うことが可能となる。
以上述べたように、実施の形態2による車両操舵装置によれば、目標舵角と操舵角の差が大きい状況下でもヒステリシス推定が可能となる効果がある。なお、入力値は一種類の信号を用いてもよいし、目標舵角を含めた複数の信号を併用しヒステリシスを推定してもよい。
以上述べた実施の形態1、および実施の形態2は、下記の(1)から(4)に記載の車両操舵装置を具体化したものである。
(1)車両を操舵する操舵機構と、
前記操舵機構を回転させる電動機と、
前記操舵機構の回転角である操舵角を検出し前記操舵角に対してヒステリシスを有した検出舵角を出力する舵角センサと、
前記操舵角と前記検出舵角との差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
前記操舵角の目標値である目標舵角と前記操舵角との差に等しくなるように、前記目標舵角と前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値に基づいて前記電動機を制御する制御部と、
を備え
前記ヒステリシス推定部は、
前記目標舵角と、前記検出舵角と、前記電動機の電流と、前記車両のヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定した操舵角推定値を出力する操舵角推定部と、
前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値に対して、前記舵角センサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
ことを特徴とする車両操舵装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、舵角センサのヒステリシスをなくすように補正するので、滑らかに操舵ができる。また、車両の走行経路と目標経路との乖離を抑えることができる。
(2)上記(1)に記載の車両操舵装置において、
前記ヒステリシス推定部は、前記操舵角から前記検出舵角を減算した差に相当する前記ヒステリシス推定値を推定するように構成され、
前記制御部は、前記目標舵角から前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値とを減算した値に基づいて、前記電動機を制御するように構成された操舵制御装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、目標舵角と検出舵角とヒステリシス推定値を上記符号のように加減算することで、目標舵角と操舵角の差と等価の値となり、望ましい偏差入力を用いた舵角制御が可能となる効果がある。
(3)上記(1)又は(2)の何れかに記載の車両操舵装置において、
前記操舵角推定部は、前記目標舵角に対して高周波の位相を遅らせた操舵角推定値を出力するように構成された車両操舵装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、目標舵角を操舵角に近づけるような周波数応答を付与することで、ヒステリシス推定の精度を向上させることができる。
(4)上記(1)から(3)のうちの何れかに記載の車両操舵装置において、
前記ヒステリシス推定部は、前記舵角センサ自体が有するヒステリシスを補償するように構成された操舵制御装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、舵角センサ自体が持つヒステリシスを補償することができる。
実施の形態3.
実施の形態1、および実施の形態2では、舵角制御における検出舵角S1のヒステリシスを補償するように構成していた。これに対して実施の形態3では、ヨーレート制御における検出ヨーレートのヒステリシスを補償するように構成したものである。図8は、実施の形態3による車両操舵装置の全体構成図である。
図8において、実施の形態3による車両操舵装置は、実施の形態1による車両操舵装置における舵角制御に代えてヨーレート制御を行なうものであり、ヨーレートセンサ9から得られた検出ヨーレートY1と上位制御器8で生成された目標ヨーレートY0に基づいて、電流指令値Icを生成し、この電流指令値Icに基づいて電動機制御装置を制御して電動機2を制御する。
ヨーレートに対する検出ヨーレートY1が、前述の図2A、又は図2B、又は図2Cに示すヒステリシス特性と同様な特性を備えたヒステリシスを含む場合、車両のヨーレートが変化しても、検出ヨーレートはヒステリシスによる不感帯に基づく遅れが生じる。ヨーレート制御において目標ヨーレートY0と検出ヨーレートY1とを一致させようとすると、ヒステリシス区間中は検出ヨーレートY1が動かず、目標ヨーレートY0との間の偏差が増大し、ヒステリシス区間を脱したときに検出ヨーレートY1の急変動を誘発する。また、定常状態ではヨーレートに対して検出ヨーレートY1が幅Bの誤差を持ち、所要のヨーレート制御が不可能となる。実施の形態3による車両操舵装置によれば、以下述べるように、ヨーレートが急変することはなく、従って車両の走行経路が目標経路から逸脱することもない。
図8において、車両操舵装置200は、車両を操舵する操舵機構1と、電動機減速ギア3を介して操舵機構1を回転させる電動機2と、車両のヨーレートを検出して検出ヨーレートY1を出力するヨーレートセンサ9と、ヨーレート制御器61とを備えている。ヨーレート制御器61は、実際のヨーレートである実ヨーレートと検出ヨーレートY1との偏差に相当する後述するヒステリシス推定値H2を出力するヒステリシス推定部62と、上位制御器8から出力される目標ヨーレートY0と検出ヨーレートY1とヒステリシス推定値H2とに基づいて電流指令値Icを生成する制御部63とを備える。制御部63から出力された電流指令値Icは、電動機2を制御する電動機制御装置(図示せず)に伝達される。電動機制御装置は、電流指令値Icに基づいて例えば半導体スイッチング素子により構成されたインバータ装置を制御し、電動機電流を電流指令値Icに追従させるように制御する。なお、インバータ装置を含む電動機制御装置は、制御部63に内蔵されていてもよい。
制御部63は、目標ヨーレートY0と検出ヨーレートY1との偏差に基づいて生成した電流指令値Icを電動機制御装置に与えることで電動機電流Imを制御し、ヨーレートを目標ヨーレートY0に追従させるように電動機2を駆動して操舵機構1を回転させる。なお、ヨーレートセンサ9から出力される検出ヨーレートY1は、実ヨーレートに対してヒステリシスを含んでいる。
操舵機構1は、車両の運転者により操作されるステアリングホイール11と、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12により駆動されるラック・ピニオンギア13と、ラック・ピニオンギア13により駆動され一対の転舵輪10を転舵させるラック14と、から構成されている。ヨーレートセンサ9は、車両の実ヨーレートを計測し、実ヨーレートに対応した検出ヨーレートY1を出力してヨーレート制御器61に入力する。上位制御器8は、車両の目標経路を演算し、演算した目標経路に車両の走行経路を追従させるための目標ヨーレートY0を出力してヨーレート制御器61に入力する。
ヨーレート制御器61は、ヨーレートセンサ9から得られた検出ヨーレートY1と上位制御器8からの目標ヨーレートY0とに基づいて電流指令値Icを演算し、電動機2を制御する電動機制御装置(図示せず)に与える。電動機制御装置は、電流指令値Icに追随するように電動機電流Imを制御して電動機2に供給する。電動機2は供給された電動機電流Imに応じたトルクを発生する。電動機2に発生したトルクは、電動機減速ギア3を介してステアリングシャフト12に伝達され、さらに、ラック・ピニオンギア13を介してラック14に伝達される。ラック14は、ラック・ピニオンギア13により軸方向に駆動され、一対の転舵輪10を転舵させる。
図9は、実施の形態3による車両操舵装置における、ヨーレート制御器の構成図であって、ヒステリシス補償を導入したヨーレート制御器61の構成を示している。図9において、ヨーレート制御器61は、ヒステリシス推定部62と、加算部21と、偏差演算部22と、制御部63を備えている。ヒステリシス推定部62は、入力される入力値X3に基づいてヒステリシス推定値H2を演算して出力する。加算部21は、検出ヨーレートY1とヒステリシス推定値H2とを加算し、その加算値を補償検出ヨーレートY2として出力する。
偏差演算部22は、目標ヨーレートY0から補償検出ヨーレートY2を減算して制御偏差ΔSを出力する。制御部63は、入力された制御偏差ΔSと目標ヨーレートY0と補償検出ヨーレートY2とに基づいて電流指令値Icを演算し、電動機2を制御する電動機制御装置に入力する。電動機制御装置は電動機2に流れる電動機電流Imを電流指令値Icに追従するように制御する。
図10は、実施の形態3による車両操舵装置における、ヒステリシス推定部の構成図である。図10において、ヒステリシス推定部62は、ヨーレート推定部71と、小振幅ろ過フィルタ72を備えている。ヨーレート推定部71は、入力値X3に基づいて演算したヨーレート推定値Y3を小振幅ろ過フィルタ72に入力する。小振幅ろ過フィルタ72は、ヨーレート推定部71から入力されたヨーレート推定値Y3に基づいてヒステリシス推定値H2を出力する。
ヨーレート推定部71は、入力値X3を実ヨーレートに近づけるような周波数応答性を備えており、ヒステリシス推定部62によるヒステリシス推定の精度を向上させる。実施の形態3では、ヒステリシス推定部62へ入力する入力値X3として目標ヨーレートY0を用いる。その理由として、ヨーレート制御の応答性が高い場合、目標ヨーレートY0と実ヨーレートが概ね近似すると仮定できるためである。実際には、目標ヨーレートY0に対して実ヨーレートは遅れて追従するので、その追従の遅れをヨーレート推定部71により近似する。
具体的には、実車からヨーレート制御器61の周波数応答性を測定してヨーレート制御器61の固有周波数を求め、その固有周波数を有するローパスフィルタにより入力値X3としての目標ヨーレートY0を処理することで、実ヨーレートの波形に近似した波形のヨーレート推定値Y3を生成するようにすればよい。なお、ヨーレート推定部71から出力されるヨーレート推定値Y3は、あくまでセンサヒステリシスを推定するためものであるので、ヨーレート推定値Y3が実ヨーレートと完全に一致するほど高い推定精度でヨーレート推定値Y3が生成されることを必要としない。なお、入力値X3の他の例として、ヨーレートセンサ9からの検出ヨーレートY1を用いてもよいし、加速度、車速、左右車輪回転差などの車両状態に基づいてヨーレートを演算して入力値と用いてもよい。
次に、制御部63について説明する。図11は、実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、制御部の構成図である。
図11は、実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、制御部の構成図である。図11において、制御部63は、第1の擬似微分器51と、第2の擬似微分器52と、第1のゲイン53と、第2のゲイン54と、第3のゲイン55と、位相補償器56と、加算部57と、減算部58とを備えている。図11に示す制御部63は、基本的には、前述の制御偏差ΔSを抑えるようにフィードバック制御を行なう。
目標ヨーレートY0から第1の擬似微分器51により目標ヨーレート速度YR0を生成し、この目標ヨーレート速度YR0に第1のゲイン53を乗算して加算部57に入力する。制御偏差ΔSから第2のゲイン54と位相補償器56による処理を経てヨーレート速度指令値YRcを生成し、このヨーレート速度指令値YRcを減算部58に入力する。第2のゲイン54と位相補償器56は、所望の安定性と制御偏差ΔSへの追従性が確保されたヨーレート速度指令値YRcを生成するように設計されている。また、補償検出ヨーレートY2から第2の擬似微分器52により検出ヨーレート速度YR1を生成し、この検出ヨーレート速度YR1を減算部58に入力する。
減算部58により、ヨーレート速度指令値YRcから検出ヨーレート速度YR1を減算し、この減算した値に第3のゲイン55を乗算して加算部57に入力する。加算部57は、前述の目標舵角速度R0に第1のゲイン53を乗算した値と、ヨーレート速度指令値YRcから検出ヨーレート速度YR1を減算した値に第3のゲイン55を乗算した値とを加算し、この加算した値を電流指令値Icとして出力する。
安定性の向上を図るために、図11に示す制御部63は、目標ヨーレートY0による目標ヨーレート速度YR0と、制御偏差ΔSによるヨーレート速度指令値YRcとによるフィードバック制御をメジャーループとし、補償検出ヨーレートY2による検出ヨーレート速度YR1と、制御偏差ΔSによるヨーレート速度指令値YRcとによるフィードバック制御をマイナーループとしている。そして、制御部63は、前述のメジャーループによるフィードバック制御に前述のマイナーループによるフィードバック制御を加えたカスケード制御を構成している。
ここで、図11に示す制御部63において、検出ヨーレートY1ではなくヒステリシス補償を施した補償検出ヨーレートY2を用いていることにより、ヨーレートセンサ9からの検出ヨーレートY1に内包されるヒステリシスの影響が低減され、より正確な操舵制御が可能となる。さらに、速応性の向上を目的として目標ヨーレート速度YR0のフィードフォワード制御も加えられている。
以上のように、実施の形態3によれば、車両操舵装置のヨーレート制御において、ヨーレートセンサのヒステリシスを推定及び補償することができ、ヒステリシスの影響を低減した滑らかな操舵が可能となる。
実施の形態3では、ヨーレート制御器61は、図9で説明したように、ヒステリシス推定部62によりヒステリシス推定値H2を生成し、加算部21により検出ヨーレートY1とヒステリシス推定値H2とを加算して補償検出ヨーレートY2を生成し、偏差演算部22により目標ヨーレートY0から補償検出ヨーレートY2を減算して制御偏差ΔSを生成しているが、ヒステリシス補償値H2を用いて制御偏差ΔSを生成する構成は、図9に示す構成の他にも存在する。
図12は、実施の形態3、および実施の形態4による車両操舵装置における、ヒステリシス推定値を用いて制御偏差を生成する各種の構成例を示す説明図である。図12の(a)に示す構成は、図9に示す構成に相当するものであり、ヒステリシス推定値H2を検出ヨーレートY1に加算して補償検出ヨーレートY2を生成し、目標ヨーレートY0から補償検出ヨーレートY2を減算することで制御偏差ΔSを生成している。
図12の(a)に示す構成に代えて、図12(b)に示す構成のように、目標ヨーレートY0から検出ヨーレートY1を減算した値から、ヒステリシス推定値H2を減算して制御偏差ΔSを生成するようにしてもよく、或いは、図12の(c)に示す構成のように、目標ヨーレートY0からヒステリシス推定値H2を減算して補償目標ヨーレートY4を生成し、この補償目標ヨーレートY4から検出ヨーレートY1を減算して制御偏差ΔSを得るようにしてもよい。図12の(a)、(b)、(c)に示す構成は、何れも同様の効果が得られる。
また、実施の形態3では、ヨーレート推定部71は伝達関数を用いてヨーレート推定値Y3を得るようにしているが、計算負荷を低減するために単なるゲインを用いてヨーレート推定値Y3を得るようにしてもよい。さらに、ヨーレート推定部71の精度を向上するために、飽和処理及び不感帯処理のような非線形処理を行なうようにしてもよい。
さらに、小振幅ろ過フィルタ72におけるヒステリシスフィルタ41は、図2Aに示す理想的なヒステリシス特性を有するフィルタを用いているが、ヒステリシスフィルタ41の特性を舵角センサのヒステリシス特性に合わせることが重要である。例えば、舵角センサのヒステリシス特性が図2Bに示すように、図2Aのヒステリシス特性に比べてヒステリシスループの図の右下と左上の角部が抑制された形のヒステリシス特性であれば、そのヒステリシス特性に合わせたヒステリシス特性を有するヒステリシスフィルタを用いる。
また、ヨーレートセンサのヒステリシス特性が図2Cに示すように原点近傍に不感帯を持つ特性であれば、その特性に合わせた特性を有するヒステリシスフィルタを用いる。このように、ヨーレートセンサのヒステリシス特性にヒステリシスフィルタ41のヒステリシス特性を合わせることで、ヒステリシス推定値H2の精度を高めることができる。
以上の説明では、ヨーレートと検出ヨーレートとの関係にヒステリシスが存在するとしているが、ヒステリシスの発生要因は特に限定されるものではない。例えばヒステリシスの発生がヨーレートセンサ自体の特性に由来している場合であっても、或いはヨーレートセンサを回転させる操舵機構の機械的バックラッシに由来している場合でも、更にはこれ等の双方がヒステリシス発生の要因である場合であっても、実施の形態3の車両操舵装置は適用可能であり同様の効果を奏することができる。
以上のように、実施の形態3による車両操舵装置によれば、ヨーレート制御において、ヨーレートセンサのヒステリシスを推定し補償することができ、ヒステリシスの影響を低減した滑らかな操舵が可能となる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4による車両操舵装置について説明する。実施の形態3では、前述したようにヒステリシス推定部6へ入力する入力値X3として目標ヨーレートY0を用いていた。しかし、制御応答性が低い場合及び摩擦などの外乱がある環境では、目標ヨーレートY0とヨーレートの差が大きくなり、実施の形態3の構成ではヒステリシスの推定が不正確となる可能性がある。実施の形態4では、目標ヨーレート以外の入力値をヒステリシス推定部62に入力してヒステリシスの推定を行うように構成したものである。以下、実施の形態4による車両操舵装置を、実施の形態3による車両操舵装置との相違点を主体にして説明する。図8、図9、図10、図11、および図12は、実施の形態4による車両操舵装置にも適用される。
実施の形態4によるヒステリシス推定部62は、図10に示す入力値X3として検出ヨーレートY1を用いてヒステリシス推定値H2を演算するように構成されている。この構成では検出ヨーレートY1が動かないヒステリシス区間ではヒステリシスの推定はできないが、ヒステリシス区間を抜け出した後は検出ヨーレートY1が動く。そのため舵角の変動がヒステリシス幅に対して十分大きい状況ではヒステリシスの推定が可能であり、ヒステリシス推定値H2を得ることができる。
実施の形態4の変形例として、ヒステリシス推定部62に入力する入力値X3として電動機電流Imに基づく値を用いて、ヒステリシス推定値H2を演算する構成としてもよい。操舵機構系及び転舵輪と路面間に静止摩擦が存在する場合、電動機電流Imが一定値以内であると静止摩擦が大きいため舵角が動かないが。電動機電流Imが一定値を越えると、静止摩擦に打ち勝ち舵角が動き始める。このときの電動機電流の値を電流閾値として、操舵開始を判定することができ、ヒステリシス推定をより正確に行うことが可能となる。
以上述べたように、実施の形態4による車両操舵装置によれば、目標ヨーレートとヨーレートの差が大きい状況下でもヒステリシス推定が可能となる効果がある。なお、入力値は一種類の信号を用いてもよいし、目標ヨーレートを含めた複数の信号を併用しヒステリシスを推定してもよい。
以上述べた実施の形態3、および実施の形態4は、下記の(5)と(6)に記載の車両操舵装置を具体化したものである。
(5)車両を操舵する操舵機構と、
前記操舵機構を回転させる電動機と、
前記車両のヨーレートを検出し前記ヨーレートに対してヒステリシスを有する検出ヨーレートを出力するヨーレートセンサと、
前記ヨーレートと前記検出ヨーレートとの差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
前記ヨーレートの目標値である目標ヨーレートと前記ヨーレートの差に等しくなるように前記目標ヨーレートと前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値とに基づいて前記電動機を制御する制御部と、
を備え
前記ヒステリシス推定部は、
前記目標ヨ―レートと、前記検出ヨ―レートと、前記車両の状態に基づいて演算したヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定したヨ―レート推定値を出力するヨ―レート推定部と、
前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値に対して、前記ヨ―レートセンサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
ことを特徴とする車両操舵装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、ヨーレートセンサのヒステリシスをなくすように補正するので、滑らかにヨーレート制御ができる。
(6)上記(5)に記載の車両操舵装置において、
前記制御部は、前記目標ヨーレートから前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値を減算した値に基づいて前記電動機を制御するように構成されたことを特徴とする車両操舵装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、目標ヨーレートと検出ヨーレートとヒステリシス推定値を上記符号のように加減算することで、目標ヨーレートとヨーレートの差と等価の値となり、望ましい偏差入力を用いたヨーレート制御が可能となる効果がある。
(7)上記(5)又は(6)に記載の車両操舵装置において、
前記ヒステリシス推定部は、前記目標ヨーレートに対して高周波の位相を遅らせたヨーレート推定値を出力するように構成された車両操舵装置。
このように構成された車両操舵装置によれば、前記目標ヨーレートをヨーレートに近づけるような周波数応答を付与することで、ヒステリシス推定の精度を向上させることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
100、200 車両操舵装置、1 操舵機構、2 電動機、3 電動機減速ギア、
4 舵角センサ、5 舵角制御器、6、62 ヒステリシス推定部、7、63 制御部、
8 上位制御器、9 ヨーレートセンサ、10 転舵輪、11 ステアリングホイール、
12 ステアリングシャフト、13 ラック・ピニオンギア、14 ラック、
21、57 加算部、22 偏差演算部、31 操舵角推定部、
32、72 小振幅ろ過フィルタ、41 ヒステリシスフィルタ、23、42 減算器、
51 第1の擬似微分器、52 第2の擬似微分器、53 第1のゲイン、
54 第2のゲイン、55 第3のゲイン、56 位相補償器、58 減算部、
61 ヨーレート制御器、71 ヨーレート推定部

Claims (7)

  1. 車両を操舵する操舵機構と、
    前記操舵機構を回転させる電動機と、
    前記操舵機構の回転角である操舵角を検出し前記操舵角に対してヒステリシスを有した検出舵角を出力する舵角センサと、
    前記操舵角と前記検出舵角との差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
    前記操舵角の目標値である目標舵角と前記操舵角との差に等しくなるように、前記目標舵角と前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値に基づいて前記電動機を制御する制御部と、
    を備え
    前記ヒステリシス推定部は、
    前記目標舵角と、前記検出舵角と、前記電動機の電流と、前記車両のヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定した操舵角推定値を出力する操舵角推定部と、
    前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値に対して、前記舵角センサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
    前記操舵角推定部から出力された前記操舵角推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
    を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
    ことを特徴とする車両操舵装置。
  2. 前記ヒステリシス推定部は、前記操舵角から前記検出舵角を減算した差に相当する前記ヒステリシス推定値を推定するように構成され、
    前記制御部は、前記目標舵角から前記検出舵角と前記ヒステリシス推定値とを減算した値に基づいて、前記電動機を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両操舵装置。
  3. 前記操舵角推定部は、前記目標舵角に対して高周波の位相を遅らせた操舵角推定値を出力するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両操舵装置。
  4. 前記ヒステリシス推定部は、前記舵角センサ自体が有するヒステリシスを補償するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の車両操舵装置。
  5. 車両を操舵する操舵機構と、
    前記操舵機構を回転させる電動機と、
    前記車両のヨーレートを検出し前記ヨーレートに対してヒステリシスを有する検出ヨーレートを出力するヨーレートセンサと、
    前記ヨーレートと前記検出ヨーレートとの差に相当するヒステリシス推定値を推定するヒステリシス推定部と、
    前記ヨーレートの目標値である目標ヨーレートと前記ヨーレートの差に等しくなるように前記目標ヨーレートと前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値とに基づいて前記電動機を制御する制御部と、
    を備え、
    前記ヒステリシス推定部は、
    前記目標ヨ―レートと、前記検出ヨ―レートと、前記車両の状態に基づいて演算したヨ―レートと、のうちの少なくとも一つを入力値とし、前記入力値に基づいて推定したヨ―レート推定値を出力するヨ―レート推定部と、
    前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値に対して、前記ヨ―レートセンサが有する前記ヒステリシスの特性に対応したヒステリシス関数処理を施すヒステリシスフィルタと、
    前記ヨ―レート推定部から出力された前記ヨ―レート推定値から前記ヒステリシスフィルタの出力を減算する減算器と、
    を有し、前記減算器の出力を前記ヒステリシス推定値として出力するように構成されている、
    ことを特徴とする車両操舵装置。
  6. 前記ヒステリシス推定部は、前記ヨーレートから前記検出ヨーレートを減算した差に相当する前記ヒステリシス推定値を推定するように構成され、
    前記制御部は、前記目標ヨーレートから前記検出ヨーレートと前記ヒステリシス推定値を減算した値に基づいて前記電動機を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両操舵装置。
  7. 前記ヨ―レート推定部は、前記目標ヨーレートに対して高周波の位相を遅らせたヨーレート推定値を出力するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の車両操舵装置。
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