JP6713354B2 - シールド工法で発生する泥土の処理方法 - Google Patents

シールド工法で発生する泥土の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、シールド工法で発生する泥土の処理方法に関する。
従来、シールド工法で発生する泥土を固化して処理することが、行なわれている。
この処理方法の一例として、特許文献1に、気泡シールド工法で発生する建設排泥に、アニオン性高分子凝集剤または天然高分子を添加混合し、造粒した後、無機系固化材を添加混合して固化することを特徴とする気泡シールド工法で発生する建設排泥の処理方法が記載されている。
一方、重金属等を含む汚染土壌を固化して、重金属等を不溶化するための固化不溶化材として、例えば、特許文献2に、金属硫酸塩および金属塩化物から選ばれる、少なくとも1種以上の水溶性塩類(A)100質量部に対し、下記(B1)〜(B3):
(B1)炭酸マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムを主成分とする固形物を、650〜1000℃で焼成して、酸化マグネシウムを含む焼成物を得た後、該焼成物を部分的に水和させて生成した水酸化マグネシウムを一部に含むマグネシア類、
(B2)1000℃における強熱減量率が、1.5〜12.0質量%であるマグネシア類、
(B3)カルシウムの含有率が、CaO換算で3.0質量%以下であるマグネシア類、
の条件をすべて満たすマグネシア類(B)を、5〜50質量部含むことを特徴とする重金属等処理材が記載されている。該重金属等処理材によれば、処理後の土壌による周辺の環境への悪影響(例えば、土壌から重金属等が溶出すること)を低減することができる。
特開2006−265885号公報 特許第5757613号公報
シールド工法で発生する泥土の固化処理において、処理土を土木材料等として利用した場合において、周辺の環境に悪影響を与える場合(例えば、水生の環境における水棲生物や、陸地における植物等の生育を阻害する等)があった。
本発明の目的は、シールド工法で発生する泥土を、周辺の環境への悪影響を少なくして、処理することができる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シールド工法で発生する処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕し、粉砕物を得る工程と、該粉砕物に特定の固化材を添加して混合し、処理土を得る工程と、該処理土を、水生または植生の環境下で利用する工程、を含む処理方法によれば、本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] シールド工法で発生する泥土、または、該泥土を圧搾して得たケーキからなる処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕し、高分子凝集剤を含む粉砕物を得る凝集剤添加工程と、上記高分子凝集剤を含む粉砕物に、マグネシウム成分および金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩を含む固化材を添加して混合し、処理土を得る固化材添加工程と、上記処理土を、水生または植生の環境下で利用する処理土利用工程、を含むことを特徴とするシールド工法で発生する泥土の処理方法。
[2] 上記高分子凝集剤として、アニオン性高分子凝集剤のみを用い、かつ、アニオン性高分子凝集剤が、逆相エマルション型アニオン性ポリアクリルアミドを含む前記[1]に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
[3] 以下の(a)と(b)のいずれか一方または両方の条件を満たす前記[1]又は[2]に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
(a)上記高分子凝集剤に関して、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 71.魚類による急性毒性試験)に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死濃度(LC50)が、100mg/リットル以上であること
(b)上記固化材に関して、「OECD Guideline for Testing of Chemicals 203(1992)」に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死添加濃度(LL50)が、500mg/リットル以上であること
[4] 上記処理土が、以下の(i)および(ii)の条件を満たすものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
(i) 平成15年3月6日環境省告示第18号「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」に記載されている方法に準拠して、溶出検液を調製し、次いで、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 12.1 ガラス電極法)に準拠して上記溶出検液のpHを測定した場合におけるpHの値が、5.8〜8.6であること
(ii) 「JIS A 1210(2009)」(突固めによる土の締固め試験方法)に準拠して、上記高分子凝集剤を含む粉砕物の供試体を作製した後、上記供試体に上記固化材を添加し混合して、上記処理土の供試体を作製し、次いで、上記混合の終了時から6時間経過後の時点で、「JIS A 1228(2009)」(締固めた土のコーン指数試験方法)に準拠して、上記処理土の供試体のコーン指数を測定した場合におけるコーン指数の値が、400kN/m以上であること
[5] 上記処理土利用工程における上記水生または植生の環境が、河川、湖沼、港湾または海岸における、魚介類、水生植物または藻類の生息または生育する水と接触する環境、または、陸地における植物の生育する環境である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
[6] 上記処理土利用工程における上記処理土の利用が、堤防、護岸または埋立のための土木材料としての利用である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
本発明によれば、シールド工法で発生する泥土を、周辺の環境への悪影響を少なくして、処理することができる。
本発明のシールド工法で発生する泥土の処理方法は、シールド工法で発生する泥土、または、該泥土を圧搾して得たケーキからなる処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕し、高分子凝集剤を含む粉砕物を得る凝集剤添加工程と、高分子凝集剤を含む粉砕物に、マグネシウム成分および金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩を含む固化材を添加して混合し、処理土を得る固化材添加工程と、処理土を、水生または植生の環境下で利用する処理土利用工程、を含む。
以下、工程毎に詳しく説明する。
[凝集剤添加工程]
本工程は、シールド工法で発生する泥土、または、該泥土を圧搾して得たケーキからなる処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕し、高分子凝集剤を含む粉砕物を得る工程である。
本発明の処理対象物は、シールド工法で発生する泥土、または、該泥土を圧搾して得たケーキである。
シールド工法で発生する泥土とは、シールドを用いた掘削工事において発生する泥状の掘削物や泥水をいい、例えば、気泡シールド工法で発生する、起泡剤を含む泥土等が挙げられる。
なお、気泡シールド工法とは、土圧式シールド工法の一種であり、切羽あるいはチャンバ内に、特殊起泡材により作られた気泡を注入しながら、掘進する工法をいう。
泥土を圧搾して得たケーキとは、シールド工法で発生する泥土を、スクリューデカンタやフィルタープレス等の装置を用いて圧搾して、圧搾前の泥土と比較して、より小さな含水比にしたものをいう。該含水比をより小さくすることで、処理土について、より大きなコーン指数を得ることができる。
ここで、含水比とは、処理対象物に含まれている水の質量を、処理対象物の絶対乾燥状態の質量で除したものを百分率で表したもの(「水の質量」×100÷「絶対乾燥状態の質量」)をいう。
処理対象物の含水比は、特に限定されないが、シールド工法における作業性や、処理対象物の含水比の調整にかかる処理コストを低減する観点からは、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上であり、処理土について、より大きなコーン指数を得る観点からは、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、特に好ましくは60%以下である。
本発明で用いる高分子凝集剤としては、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤等が挙げられる。
アニオン性高分子凝集剤の例としては、逆相エマルション型アニオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。
カチオン性高分子凝集剤の例としては、ポリアミン、ジアリル系アミン、ポリアルキレン・ポリアミン、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。
中でも、処理土のpHを中性領域(例えば、排出基準値である5.8〜8.6)に調整する観点から、高分子凝集剤として、アニオン性高分子凝集剤のみを用い、かつ、アニオン性高分子凝集剤が、逆相エマルション型アニオン性ポリアクリルアミドを含むものを用いることが好ましい。
本発明の処理対象物1m当たりの高分子凝集剤の添加量は、好ましくは0.5〜10kg、より好ましくは0.6〜8kg、さらに好ましくは0.7〜6kg、特に好ましくは0.8〜4kgである。該添加量が0.5kg以上であると、処理土について、大きなコーン指数を得ることができる。該添加量が10kg以下であると、処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕する処理を容易に行うことができ、また、処理コストの過度な増大を避けることができる。
高分子凝集剤を添加した処理対象物を粉砕する手段として、ボールミル、ローラミル、竪型3軸クラッシャー等が挙げられる。中でも、効率よく粉砕することができ、かつ、粉砕と混合を同時に行うことができる観点から、竪型3軸クラッシャーが好適である。
なお、処理対象物に高分子凝集剤を添加することで、粒径の大きい造粒物が形成された場合であっても、この造粒物は、竪型3軸クラッシャー等の粉砕手段によって粉砕される。
[固化材添加工程]
本工程は、高分子凝集剤を含む粉砕物に、マグネシウム成分および金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩を含む固化材を添加して混合し、処理土を得る工程である。
本発明で用いる固化材は、マグネシウム成分および金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩を含むものである。
マグネシウム成分の例としては、酸化マグネシウム含有物質等が挙げられる。
酸化マグネシウム含有物質の例としては、軽焼マグネシアや、軽焼マグネシアの部分水和物等が挙げられる。
金属硫酸塩の例としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の硫酸鉄塩や、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム等の硫酸アルミニウム塩等が挙げられる。なお、後述の半水石膏(助材の一例)は、ここでの金属硫酸塩の例に含まれないものとする。
金属塩化物の例としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の塩化鉄塩や、ポリ塩化アルミニウム等の塩化アルミニウム塩等が挙げられる。
本発明で用いる固化材の好ましい一例として、下記(1)〜(3)の条件をすべて満たすマグネシア類を、金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩100質量部当たり5〜50質量部の量で含むものが挙げられる。
(1)炭酸マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムを主成分とする固形物を、650〜1,000℃で焼成して、酸化マグネシウムを含む焼成物を得た後、該焼成物を部分的に水和させて生成した水酸化マグネシウムを一部に含むマグネシア類
(2)1,000℃における強熱減量率が、1.5〜12.0質量%であるマグネシア類
(3)カルシウムの含有率が、CaO換算で3.0質量%以下であるマグネシア類
この固化材(好ましい一例)の詳細は、特許第5757613号公報(上述の特許文献2)に記載されているとおりである。
固化材は、上述のマグネシウム成分および金属塩に加えて、処理対象物の固化の効果を高めることなどを目的として、各種の助材を含むことができる。
助材の例としては、半水石膏、炭酸カルシウム含有物、珪石粉末、砕石微粉末等が挙げられる。これらの助材の例の詳細は、特許第5757613号公報(上述の特許文献2)に記載されているとおりである。
本発明の処理対象物1m当たりの固化材の添加量は、好ましくは20〜250kg、より好ましくは40〜230kg、さらに好ましくは50〜200kg、特に好ましくは60〜180kgである。該添加量が20kg以上であると、処理土について、大きなコーン指数を得ることができる。該添加量が250kg以下であると、処理コストの過度な増大を避けることができる。
固化材添加工程における混合は、例えば、バックホウや、各種のミキサ(例えば、パン型ミキサ、パドルミキサ、ロータリーハンマミキサ、4軸直列混合式ミキサ等)等の混合手段を用いて行なわれる。
得られる処理土の周辺の環境への悪影響をより少なくする観点から、凝集剤添加工程で用いる高分子凝集剤および固化材添加工程で用いる固化材に関して、以下の(a)と(b)のいずれか一方または両方の条件を満たすことが好ましい。
(a)上記高分子凝集剤に関して、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 71.魚類による急性毒性試験)に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死濃度(LC50)が、100mg/リットル以上(好ましくは500mg/リットル以上、より好ましくは800mg/リットル以上)であること
(b)上記固化材に関して、「OECD Guideline for Testing of Chemicals 203(1992)」に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死添加濃度(LL50)が、500mg/リットル以上(好ましくは1,000mg/リットル以上、より好ましくは5,000mg/リットル以上、特に好ましくは8,000mg/リットル以上)であること
[処理土利用工程]
本工程は、処理土を水生または植生の環境下で利用する工程である。
固化材添加工程で得られた処理土は、周辺の環境への悪影響が少ないため、水生または植生の環境下で利用することができる。
水生または植生の環境としては、例えば、河川、湖沼、港湾または海岸における、魚介類、水生植物または藻類の生息または生育する水と接触する環境、または、陸地における植物の生育する環境等が挙げられる。
周辺の環境への悪影響としては、例えば、水生の環境における水棲生物(魚介類、水生植物、藻類等)や、陸地における植物の生育が阻害されること等が挙げられる。
上記処理土の利用としては、堤防、護岸または埋立のための土木材料としての利用等が挙げられる。
上記処理土は、周辺の環境への悪影響をより少なくし、土木材料等として好適に利用できる観点から、以下の(i)および(ii)の条件を満たすものであることが好ましい。
(i) 平成15年3月6日環境省告示第18号「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」に記載されている方法に準拠して、溶出検液を調製し、次いで、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 12.1 ガラス電極法)に準拠して上記溶出検液のpHを測定した場合におけるpHの値が、5.8〜8.6(好ましくは5.9〜8.2)であること
(ii) 「JIS A 1210(2009)」(突固めによる土の締固め試験方法)に準拠して、上記高分子凝集剤を含む粉砕物の供試体を作製した後、上記供試体に上記固化材を添加し混合して、上記処理土の供試体を作製し、次いで、上記混合の終了時から6時間経過後の時点で、「JIS A 1228(2009)」(締固めた土のコーン指数試験方法)に準拠して、上記処理土の供試体のコーン指数を測定した場合におけるコーン指数の値が、400kN/m以上(好ましくは440kN/m以上、より好ましくは480kN/m以上)であること
コーン指数が400kN/m以上であれば、処理土の運搬が容易となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
使用材料は、以下に示すとおりである。
(イ)荒木田土:湿潤密度1.69g/cm、タカムラ社製
(ロ)ピートモス:湿潤密度0.32g/cm、鹿沼興産社製
(ハ)アニオン性高分子凝集剤:逆相エマルション型アニオン性ポリアクリルアミド、太平洋シールドメカニクス社製、商品名「SP−α」
(ニ)固化材A〜F:表1に示す量の各材料からなるもの
なお、表1中のマグネシア類は、固化材の好ましい一例である上述の(1)〜(3)の条件をすべて満たすマグネシア類に該当するものである。
Figure 0006713354
[高分子凝集剤の50%致死濃度の測定]
上記アニオン性高分子凝集剤について、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 71.魚類による急性毒性試験)に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死濃度(LC50)を測定したところ、1,100mg/リットルであった。
[固化材A〜Fの50%致死添加濃度の測定]
上記固化材A〜Fについて、「OECD Guideline for Testing of Chemicals 203(1992)」に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死添加濃度(LL50)を測定した。
具体的には、固化材A〜Fの各々について、試験生物(ヒメダカ)の死亡率が0〜100%となる濃度(負荷率)の範囲内で、5段階の濃度(負荷率)となる試験水(濃度の異なる5種類の試験水)を調製した。試験水の調製は、水道水に固化材を添加した後、24±1℃である暗所において、マグネットスターラーを用いて48時間撹拌した後、3時間静置し、分離した水性画分(WAF)を採取することで行った。試験水の5段階の濃度の公比は1.8(例えば、固化材A〜Eを用いた試験水の5段階の濃度は、1,000、1,800、3,200、5,600、10,000mg/リットルである。)であった。
また、試験の妥当性を確認するため、固化材を入れない以外は同様にして得られた水(以下、「比較水」という。)を、比較用として用いた。
5段階の濃度となる試験水および比較水に試験生物としてヒメダカ(全長1.9cm、平均体重0.07g)を10匹投入し、96時間経過後の各試験水および比較水の試験生物の死亡数を測定した。なお、比較水においてヒメダカの死亡数は0であった。
試験生物の死亡数から、各試験水における死亡率(%)を算出し、統計的手法(Binomial法)を用いて、96時間値としての50%致死添加濃度(LL50)を算出した。
また、表2に示す濃度の試験水における、試験後の試験水の溶存酸素濃度(DO)とpHを測定した。なお、溶存酸素濃度は隔膜電極法を用いて測定した。pHは「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 12.1 ガラス電極法)に準拠して測定した。
さらに、表2に示す濃度の試験水における累積死亡率(濃度の低い試験水から順に累積した場合における死亡率)を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006713354
[実施例1〜5、参考例1、比較例1〜2]
上記荒木田土と上記ピートモスを、体積比(荒木田土/ピートモス)が2となるように混合して処理対象物とした。該処理対象物の含水比は57%であった。該処理対象物に上記アニオン性高分子凝集剤を1.5kg/mの量で添加し、竪型3軸クラッシャ−を使用して、1〜3秒間、粉砕および混合の処理を行なった。
処理後の高分子凝集剤を含む処理対象物に、表3に示す量となる固化材を添加し、ソイルミキサを使用して、3分間混合した。
なお、固化材A〜C、E〜Fは、各材料を事前に混合しておき、該混合物を処理対象物に添加することによって用いた。固化材Dは、硫酸アルミニウムとマグネシア類を事前に混合しておき、該混合物とポリ塩化アルミニウムをそれぞれほぼ同時に処理対象物に添加することによって用いた。
混合後の処理土について、上述の方法を用いて、溶出検液のpH、および、コーン指数(6時間後の値)を測定した。
上記処理土を栽培容器(1/5000aワグネルポット)内に、締固めを行わずに10cmの厚さ(単位体積当たりの質量が0.91g/cm)となるように投入した。栽培容器中の処理土の深さ1〜2cmの部分にライ麦を35粒播種して、ガラスハウス内において1カ月間栽培した。なお、散水は1回/日とした。
同様にして、トールフェスクを1,000粒播種して1カ月間栽培した。
一か月後の生育状況を表3に示す。なお、表3中、固化材の添加を行わなかった参考例1を100%とした。
Figure 0006713354
表3から、実施例1〜5では、溶出検液のpHが5.9〜6.9であり、排出基準値である5.8〜8.6を満たしていることがわかる。
また、実施例1〜5における、ライ麦およびトールフェスクの発芽率、草丈および乾燥質量は、いずれも80%以上であり、植物の生育する環境への悪影響が少ないことがわかる。
一方、比較例1〜2では、溶出検液のpHが10.2〜11.1であり、排出基準値である5.8〜8.6を満たしていないことがわかる。
また、比較例1のライ麦の乾燥質量およびトールフェスクの発芽率は80%未満であり、比較例2のライ麦の乾燥質量、トールフェスクの発芽率および乾燥重量は80%未満であることから、比較例1〜2では、植物の生育が阻害されていることがわかる。

Claims (5)

  1. シールド工法で発生する泥土、または、該泥土を圧搾して得たケーキからなる処理対象物に高分子凝集剤を添加して粉砕し、高分子凝集剤を含む粉砕物を得る凝集剤添加工程と、
    上記高分子凝集剤を含む粉砕物に、マグネシウム成分および金属硫酸塩と金属塩化物の中から選ばれる少なくとも1種からなる金属塩を含む固化材を添加して混合し、処理土を得る固化材添加工程と、
    上記処理土を、水生または植生の環境下で利用する処理土利用工程、
    を含む、シールド工法で発生する泥土の処理方法であって、
    上記高分子凝集剤として、アニオン性高分子凝集剤のみを用い、かつ、上記アニオン性高分子凝集剤が、逆相エマルション型アニオン性ポリアクリルアミドを含むものであり、
    上記金属硫酸塩が、硫酸鉄塩または硫酸アルミニウム塩であり、かつ、上記金属塩化物が、塩化鉄塩または塩化アルミニウム塩であり、
    上記固化材が、下記(1)〜(3)の条件をすべて満たすマグネシア類を、上記金属塩100質量部当たり5〜50質量部の量で含むものであることを特徴とするシールド工法で発生する泥土の処理方法。
    (1)炭酸マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムを主成分とする固形物を、650〜1,000℃で焼成して、酸化マグネシウムを含む焼成物を得た後、該焼成物を部分的に水和させて生成した水酸化マグネシウムを一部に含むマグネシア類
    (2)1,000℃における強熱減量率が、1.5〜12.0質量%であるマグネシア類
    (3)カルシウムの含有率が、CaO換算で3.0質量%以下であるマグネシア類
  2. 以下の(a)と(b)のいずれか一方または両方の条件を満たす請求項に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
    (a)上記高分子凝集剤に関して、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 71.魚類による急性毒性試験)に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死濃度(LC50)が、100mg/リットル以上であること
    (b)上記固化材に関して、「OECD Guideline for Testing of Chemicals 203(1992)」に準拠して試験を行った場合における96時間値としての50%致死添加濃度(LL50)が、500mg/リットル以上であること
  3. 上記処理土が、以下の(i)および(ii)の条件を満たすものである請求項1又は2に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
    (i) 平成15年3月6日環境省告示第18号「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」に記載されている方法に準拠して、溶出検液を調製し、次いで、「JIS K 0102(2013)」(工場排水試験方法 12.1 ガラス電極法)に準拠して上記溶出検液のpHを測定した場合におけるpHの値が、5.8〜8.6であること
    (ii) 「JIS A 1210(2009)」(突固めによる土の締固め試験方法)に準拠して、上記高分子凝集剤を含む粉砕物の供試体を作製した後、上記供試体に上記固化材を添加し混合して、上記処理土の供試体を作製し、次いで、上記混合の終了時から6時間経過後の時点で、「JIS A 1228(2009)」(締固めた土のコーン指数試験方法)に準拠して、上記処理土の供試体のコーン指数を測定した場合におけるコーン指数の値が、400kN/m以上であること
  4. 上記処理土利用工程における上記水生または植生の環境が、河川、湖沼、港湾または海岸における、魚介類、水生植物または藻類の生息または生育する水と接触する環境、または、陸地における植物の生育する環境である請求項1〜のいずれか1項に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
  5. 上記処理土利用工程における上記処理土の利用が、堤防、護岸または埋立のための土木材料としての利用である請求項1〜のいずれか1項に記載のシールド工法で発生する泥土の処理方法。
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