JP6712443B2 - 製氷室 - Google Patents
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Description
冷却パイプが上面に配置された矩形状天板の四辺から延出する矩形状側板を、該天板の各辺に沿って下方へ折り曲げてなる箱状の外枠と、前記外枠の内部に格子状に配設されて、複数の製氷小室を画成する仕切部材とからなり、前記折り曲げによって隣り合う2つの前記側板の端部が、前記外枠のコーナー部を形成している製氷室において、
前記2つの側板のうち一方の側板における前記端部側の側端面に、該一方の側板の下面に沿って他方の側板の厚み方向に延出する延出部が形成されると共に、該延出部の上面を下端とする凹部が、前記他方の側板の厚み方向および上方に開口するよう形成され、
前記他方の側板における前記端部側の側端面に、前記一方の側板の厚み方向に突出して前記凹部に受け容れられる突出部が形成されると共に、該突出部の下面を上端とする切欠部が、前記一方の側板の厚み方向および下方に開口して前記延出部を接触状態で受け容れるよう形成されていることを要旨とする。
矩形状天板の四辺から延出する矩形状側板を、該天板の各辺に沿って同一方向へ折り曲げてなる箱状の外枠と、前記外枠の内部に格子状に配設されて、複数の製氷小室を画成する仕切部材とからなり、前記折り曲げによって隣り合う2つの前記側板の端部が、前記外枠のコーナー部を形成している製氷室において、前記2つの側板のうち一方の側板における前記端部に、延出部を形成すると共に、他方の側板における前記端部に、前記延出部を接触状態で受け容れる切欠部を形成し、前記一方の側板における前記延出部は、前記他方の側板の厚み寸法よりも大きく延出すると共に、前記天板に対し前記側板を折り曲げた後に、前記一方の側板の前記延出部を折り曲げて前記他方の側板に当接させるようにしたことを要旨とする。
上記構成によれば、側板同士を強固に固定できる。
請求項2に係る発明によれば、側板同士が構造的に固定される範囲を高さ方向に増やすことができるので、側板同士を強固に固定できる。
(製氷室の基本構造について)
図1および図2に示すように、第1実施例に係る製氷室10は、図8および図9で説明した製氷室10と同様に、矩形状天板16の四辺から夫々一体的に延出する矩形状側板18を、該天板16の各辺16aに沿って下方(同一方向)へ折り曲げて作製した下方(一方)に開放する箱状の外枠14と、前記外枠14の内部に配設されて、複数の製氷小室12を画成する仕切部材30とを備え、前記外枠14の上面に冷凍系46を構成する冷却パイプ48が密着的に蛇行配置されている。すなわち外枠14は、従来の外枠14と同様に、図2(a)に示す如く、外枠14を各側板18同士が接合されたコーナー部20で切り開いて平面上に展開した形状の金属板を形成し、前記各側板18を、図2(a)に2点鎖線で示す天板16の各辺16aに沿って、矢印aの如く下方へ折り曲げて成形される。そして、従来の外枠14と同様に、折り曲げ成形された外枠14の内部に格子状の前記仕切部材30が配設される。
図1(a)に示すように、前記側板18は、互いに対向して平行に延在する長尺な2つの側板18,18(以下、第1側板18Aという場合がある)と、互いに対向して平行に延在する短尺な2つの側板18,18(以下、第2側板18Bという場合がある)とから構成され、この互いに垂直な第1側板18Aおよび第2側板18Bの側端部により前記外枠14のコーナー部20が形成されている。なお、第1側板18Aおよび第2側板18Bの寸法は、製氷室10で製造する氷塊のサイズや量に合わせて設定されるものであり、両側板18A,18Bは同じ寸法であってもよい。また、第1側板18Aおよび第2側板18Bの上下寸法および厚みは、等しく設定されている。なお、図8(a)に示す前記仕切部材30を構成する各仕切板30aの側端部に係止片を設け、前記側板18の下端部における前記係止片と対応する位置に、該係止片と係合する係合溝を形成してもよい。
図1(a)に示すように、前記外枠14において隣接してコーナー部20を形成する2つの前記側板18,18の側端部には、前記天板16に対して該側板18を折り曲げることで互いに嵌合する嵌合部22が設けられている。すなわち、外枠14には、前記第1側板18Aの側端部および第2側板18Bの側端部により形成される4つのコーナー部20の夫々に前記嵌合部22が設けられている。前記嵌合部22は、前記コーナー部20に臨む第1側板18A(一方の側板)の側端部(端部)に形成された延出部24と、該コーナー部20に臨む第2側板18B(他方の側板)の側端部(端部)に形成され、前記延出部24を接触状態で受け容れる切欠部26とを備えている。
図1(c)に示すように、前記第1側板18Aの側端部には、前記第2側板18Bの内面18Bbと同じ平面上に延在する該第1側板18Aの第1側端面19aから、該第2側板18Bの厚み方向に延出する前記延出部24が形成されている。この延出部24は、前記第1側板18Aにおける両下隅部に、該第1側板18Aと同じ厚みで、第1側板18Aの板面と同じ平面上に延在するよう設けられている。また、前記延出部24における前記第1側端面19aからの延出寸法L1は、少なくとも前記第2側板18Bの厚み寸法D2と等しい寸法に設定される。第1実施例の延出部24の前記延出寸法は、第2側板18Bの厚み寸法と等しくなるよう設定され、図2(b)に示す如く、該延出部24の延出端面24bと第2側板18Bの外面18Baとが揃うようになっている。なお、延出部24は、その高さ寸法H1(図2(a))を大きくすることで強度が増すようになっている。
図1(b)に示すように、前記第2側板18Bの側端部には、前記第1側板18Aの内面18Abと同じ平面上に延在する該第2側板18Bの第2側端面19bから、第1側板18Aの厚み方向に突出する突出部21が形成されている。この突出部21は、第2側板18Bの下端から前記第1側板18Aの前記延出部24に対応させて上方にずらした位置に設けられ、該突出部21の下面21aおよび前記第2側端面19bにより下方および側方に開放し、前記延出部24を接触状態で受け容れる前記切欠部26が形成されている。この切欠部26は、第2側板18Bの両下隅部に前記延出部24と対応的に設けられている。また、前記突出部21の前記第2側端面19bからの突出寸法L2は、第1側板18Aの厚み寸法D1と等しくなるよう設定され、図2(b)に示す如く、該突出部21の突出端面21bと前記切欠部26に嵌合した前記延出部24の外面(第1側壁18Aの外面18Aa)とが揃うようになっている。また、図2(a)に示すように、前記第2側板18Bにおける前記切欠部26の上下方向の高さ(長さ)寸法H2は、前記第1側板18Aにおける前記延出部24の上下方向の高さ(長さ)寸法H1よりも若干大きく設定され、後述する如く、切欠部26に延出部24を接触的に受け容れ得るようになっている。
図2に示すように、前記嵌合部22は、前記外枠14の成形工程において、前記天板16の各辺16aから前記側板18を折り曲げた際に、前記切欠部26に前記延出部24が接触状態で受け容れられるようになっている。この切欠部26に延出部24が受け容れられた嵌合状態では、図2(b)に示すように、前記延出部24の上面24aと、前記切欠部26を形成する前記突出部21の下面21aとが密着的に当接すると共に、延出部24の内面と、切欠部26を形成する前記第2側端面19bとが密着的に当接して、前記第1側板18Aおよび前記第2側板18Bが構造的に固定されるようになっている。この嵌合部22の嵌合力は、前記製氷小室12内で成長する氷塊の膨張力等の各側板18に対して外向きの力が作用しても、前記延出部24および切欠部26の当接面の摩擦力により、第1側板18Aおよび第2側板18Bの接合が外れないよう設定されている。なお、前記延出部24の高さ寸法H1および前記切欠部26高さ寸法H2を大きくすると、延出部24および切欠部26の密着する範囲(密着度)が増すので、両側板18A,18Bの接合強度が高くなる。
次に、第1実施例に係る製氷室10の作用について説明する。第1実施例の製氷室10は、天板16に対して側板18を折り曲げることで、コーナー部20に臨む第2側板18Bの前記切欠部26に、同じコーナー部20に臨む第1側板18Aの前記延出部24が受け容れられて互いに嵌合して、第1側板18Aと第2側板18Bとが構造的に固定される。このため、第1側板18Aおよび第2側板18Bをろう材を用いた点付け溶接等により溶接する必要がなく、作業工数を抑えることができる。また、熟練技術を要するろう材を用いた点付け溶接等とは異なり、前記金属板の曲げ加工は、作業者の技術力による製品の品質のバラツキが生じ難いので、製氷室10の品質を安定させることができる。また、第1側板18Aと第2側板18Bとを構造的に固定したことで、外枠14のコーナー部20の接合強度が高まるので、製氷室10内で成長する氷の膨張力により外枠14のコーナー部20が開いてしまうのを効果的に抑えることができる。
前述の第1実施例は、前記第1側板18Aの側端部に設けた延出部24の延出端面24bと第2側板18Bの外面18Baとが揃うよう構成されている。これに対して、図3および図4に示す第2実施例では、延出部24が、前記第2側板18B(他方の側板)の厚み寸法よりも大きく延出すると共に、前記天板16に対して側板18を折り曲げた後に、該延出部24を折り曲げて前記第2側板18Bに当接させるようになっている。なお、第2実施例の製氷室10において、第1実施例と同じ部材については同じ符号を付すものとする。
次に、第2実施例の作用について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第2実施例では、前記延出部24が、第2側板18Bの外面18Baに沿うよう鉤状に折り曲げられているので、延出部24と切欠部26との嵌合がより強固になる。すなわち、外枠14のコーナー部20の構造的な接合強度が高まるので、外枠14のコーナー部20が開いてしまうのを効果的に抑えることができる。また、前記延出部24を延長し、該延長した延出端部27をコーナー成形機等で折り曲げる、という熟練度を要さない作業で外枠14のコーナー部20の接合強度を高めることができるので、品質を安定させ得ると共に製造コストを抑える効果も期待できる。
図3および図4で説明した第2実施例は、前記第1側板18Aに設けた延出部24が、第2側板18Bの外面18Baに沿って折り曲げられていた。これに対して、図5および図6に示す第3実施例では、延出部24が、前記第2側板18B(他方の側板)の厚み寸法よりも大きく延出すると共に、前記天板16に対して側板18を折り曲げた後に、該延出部24を押圧して、第2の側板18Bに当接させるようになっている。なお、第3実施例の製氷室10において、第1および第2実施例と同じ部材については同じ符号を付すものとする。
次に、第3実施例の作用について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第3実施例では、前記延出部24の延出端部28が、上方に突出して第2側板18Bの外面18Baに当接するよう押圧された突起29を備えるので、延出部24と切欠部26との嵌合がより強固になる。すなわち、第1側板18Aおよび第2側板18Bが密着する範囲が、前記突起29により高さ方向に延長されたことで、外枠14のコーナー部20の構造的な接合強度が高まるので、外枠14のコーナー部20が開いてしまうのを効果的に抑えることができる。また、前記突起29の傾斜面29aを、前記延出部24の延出方向に向けて斜角が大きくなるようにしたことで、前記天板16に対して第1側板18Aを折り曲げた際に、該突起29が第2側板18Bに干渉することはない。このように、前記延出部24を延長し、該延長した延出端部28をコーナー成形機等で押圧する、という熟練度を要さない作業で外枠14のコーナー部20の接合強度を高めることができるので、品質を安定させ得ると共に製造コストを抑える効果も期待できる。
本発明に係る製氷室は前述した構成に限定されるものでなく、例えば以下のように変更することが可能である。
(1) 第1実施例では、一方の側板の端部に、他方の側板の厚み寸法と等しい寸法の延出部を形成したが、該延出部の延出寸法は、他方の側板の厚み寸法より小さくても大きくてもよい。すなわち、延出部の少なくとも一部が、切欠部の少なくとも一部に受け容れられる関係であればよい。なお、延出部および切欠部の嵌合強度が高まるので、接合強度の観点からは延出部の延出寸法を他方の側板の厚み寸法より大きくするのが好ましい。
(2) 切欠部および該切欠部に受け容れられる延出部の形状は、実施例に限定されるものではなく、例えば、三角形等であってもよい。
(3) 一方の側板に形成された延出部において、他方の側板に当接するよう折り曲げられた延出端部の形状は、実施例のような矩形状に限定されるものではなく、例えば、三角形などであってもよい。
18A 第1側板(一方の側板),18B 第2側板(他方の側板),20 コーナー部,
21 突出部,24 延出部,26 切欠部,29a 傾斜面,30 仕切部材,
48 冷却パイプ
Claims (2)
- 冷却パイプ(48)が上面に配置された矩形状天板(16)の四辺から延出する矩形状側板(18)を、該天板(16)の各辺(16a)に沿って下方へ折り曲げてなる箱状の外枠(14)と、前記外枠(14)の内部に格子状に配設されて、複数の製氷小室(12)を画成する仕切部材(30)とからなり、前記折り曲げによって隣り合う2つの前記側板(18,18)の端部が、前記外枠(14)のコーナー部(20)を形成している製氷室において、
前記2つの側板(18,18)のうち一方の側板(18A)における前記端部側の側端面(19a)に、該一方の側板(18A)の下面に沿って他方の側板(18B)の厚み方向に延出する延出部(24)が形成されると共に、該延出部(24)の上面を下端とする凹部が、前記他方の側板(18B)の厚み方向および上方に開口するよう形成され、
前記他方の側板(18B)における前記端部側の側端面(19b)に、前記一方の側板(18A)の厚み方向に突出して前記凹部に受け容れられる突出部(21)が形成されると共に、該突出部(21)の下面を上端とする切欠部(26)が、前記一方の側板(18A)の厚み方向および下方に開口して前記延出部(24)を接触状態で受け容れるよう形成されている
ことを特徴とする製氷室。 - 矩形状天板(16)の四辺から延出する矩形状側板(18)を、該天板(16)の各辺(16a)に沿って同一方向へ折り曲げてなる箱状の外枠(14)と、前記外枠(14)の内部に格子状に配設されて、複数の製氷小室(12)を画成する仕切部材(30)とからなり、前記折り曲げによって隣り合う2つの前記側板(18,18)の端部が、前記外枠(14)のコーナー部(20)を形成している製氷室において、
前記2つの側板(18,18)のうち一方の側板(18A)における前記端部に、延出部(24)を形成すると共に、他方の側板(18B)における前記端部に、前記延出部(24)を接触状態で受け容れる切欠部(26)を形成し、
前記一方の側板(18A)における前記延出部(24)は、前記他方の側板(18B)の厚み寸法よりも大きく延出すると共に、延出方向に向けて斜角が大きくなる傾斜面(29a)を有し、
前記天板(16)に対し前記側板(18)を折り曲げた後に、前記一方の側板(18A)の前記延出部(24)を押圧して、前記傾斜面(29a)を前記他方の側板(18B)に当接させるようにした
ことを特徴とする製氷室。
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