JP6712364B1 - 糸状物の切断装置及び切断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】糸状物を長さ方向に切断するための装置及び方法において、常温で操作することができ、長さの上限がなくかつ良好な断面を簡易に得ることができる。【解決手段】糸状物であるワークWを長さ方向に切断するための装置であって、ワークWを固定するためのワーク固定部2、3と、ワークWを切断するためのブレード41と、ワークWを切断するとき、ワーク固定部2、3とブレード41とを水平方向に相対的に移動させる移動機構50と、を備え、ワーク固定部2、3は、ワークWを長さ方向における切断される範囲全体に亘って挟持するために、互いに対向する一対の鉛直側面と、ワークWを長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持するために、一対の鉛直側面の間に配置された押上げ部材と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、毛髪や繊維等の糸状物を長さ方向に切断するための装置及び方法に関する。
人間の血管内の薬物等は、毛髪の毛根部に取り込まれる。その後、取り込まれた薬物等は、毛髪の成長にしたがって先端へと移行していく。これを利用して、毛髪を長さ方向に亘って分析することで薬物摂取履歴等の情報を得ることができる(特許文献1、非特許文献1)。薬物等は毛髪の中心部分の髄質(メデュラ)に存在するので、分析するためには髄質を露出させる必要がある。
毛髪分析には、近年では質量分析イメージング(MSI)が用いられている。MSIによれば、試料における対象の面を直接分析することが可能である。MSIを用いて毛髪を長さ方向に連続的に分析する場合、毛髪を長さ方向に切断した試料が好ましい。しかしながら、毛髪は、可撓性であることに加え、直径が50μm〜80μm程度と細くかつ髄質は中心部分にあるので、髄質を露出させるために毛髪を長さ方向に切断する作業は極めて困難である。
手作業により毛髪を縦に切断する場合、例えば毛髪の両端をガラス面上にテープ等で固定し、カミソリ刃を用いて毛髪の髄質が露出するまで表面部分(キューティクルとコルテックス)を削いでいく。このような手作業は長時間を要し、毛髪の長さ10mm程度までが限界であり、切断された断面もささくれや凹凸が多く、分析用試料として不適切である。
さらに、毛髪を包埋処理又は凍結処理により固定し、ミクロトームを用いて表面部分を削ぎ取ることによって髄質を露出させる装置及び方法も知られている。特許文献1には、毛髪を両面テープでスライドガラスに固定し、−20℃で凍結し、ミクロトームで表面を2μmずつスライスしていく方法が記載されている。この方法を用いても、毛髪の長さ20mm程度までが限界である。
人間以外の動物、例えば競走馬の薬物検査のために、馬毛を用いた同様の分析方法も提示されている。馬毛は、人毛より太く直径200μm程度であるので、手作業による表面層の除去が比較的容易であるが、得られる試料の長さは40mm程度が限界である。
さらに、医療分野以外に、工業分野及び化学分野においても、合成繊維、天然繊維、中空糸等の糸状物の縦断面を分析することが行われており、そのための試料を効率的に作成する技術に対するニーズがある。
特開2014−52322号公報
ぶんせき 2017 12, 589-590
特許文献1に記載の凍結処理とミクロトームを用いた方法は、凍結設備のために装置が大型化し、高コストとなり、作業時間も長くかかる。ミクロトームを用いた場合、例えば50μmの厚さを切除するために2μmずつ25回のスライス操作が必要となる。また、手作業による切断は、個人の技能にも依存する。このように、40mm以上の長さに亘って糸状物を効率的に長さ方向に切断するための装置及び方法は、未だ提示されていない。
上記の問題点に鑑み、本発明は、糸状物を長さ方向に切断するための装置及び方法において、常温で操作することができ、原理的に長さの上限がなくかつ良好な断面を簡易に得ることができる装置及び方法を提供することを目的とする。
上記の問題を解消するべく、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
・ 本発明の第1の態様は、糸状物であるワーク(W)を長さ方向に切断するための装置であって、
前記ワーク(W)を固定するためのワーク固定部(2、3)と、
前記ワーク(W)を切断するためのブレード(41)と、
前記ワーク(W)を切断するとき、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを水平方向に相対的に移動させる移動機構(50)と、を備え、
前記ワーク固定部(2、3)が、
前記ワーク(W)を長さ方向における切断される範囲全体に亘って挟持するために、互いに対向する一対の鉛直側面(21b、21b)と、
前記ワーク(W)を長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持するために、前記一対の鉛直側面(21b、21b)の間に配置された押上げ部材(35)と、を有することを特徴とする。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)を切断するとき、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とが鉛直方向において近接し、かつ、前記ブレード(41)の刃先(41a)が平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)と交差するように配置可能であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)をそれぞれ含み面一に延在する一対の水平上面(21a、22a)を具備し、
前記ワーク(W)を切断するとき、前記ブレード(41)の刃先(41a)が前記一対の水平上面(21a、22a)に接触するように、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを配置可能であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)の方向に対して0°より大きく10°以下の角度(α)をなす方向に前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを相対的に移動させることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)の方向に前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを相対的に移動させることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、静止している前記ブレード(41)に対して前記ワーク固定部(2、3)を移動させることが、好適である。
・ 上記態様において、前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)に対する前記押上げ部材(35)の鉛直方向の位置を調整するための第1の鉛直位置調整装置(32、33)を有することが、好適である。
・ 上記態様において、前記ブレード(41)に対する前記ワーク固定部(2、3)の鉛直方向の位置を調整するための第2の鉛直位置調整装置(12、13)を有することが、好適である。
・ 上記態様において、前記ブレード(41)の刃先(41a)の延在方向において、前記ワーク固定部(2、3)に対する前記ブレード(41)の位置を変更するための刃先位置調整装置(42、43)を有することが、好適である。
・ 上記態様において、一方の前記鉛直側面(21b)と一方の前記水平上面(22a)とを具備する静止部材(21)と、他方の前記鉛直側面(22b)と他方の前記水平上面(22a)とを具備する可動部材(22)とを有し、前記可動部材(22)が前記静止部材(21)に対して移動可能であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)が、人間若しくは動物の毛、合成若しくは天然の繊維、又は、中空糸であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)が、最大直径1mm以下の糸状物であることが、好適である。
・ 上記態様において、前記ワーク(W)の長さ方向における切断される範囲が、少なくとも40mmであることが、好適である。
・ 本発明の別の態様は、糸状物であるワーク(W)を長さ方向に切断するための方法であって、
前記ワーク(W)を互いに対向する一対の鉛直側面(21b、22b)の間に嵌め込むステップと、
嵌め込まれた前記ワーク(W)の一部を前記鉛直側面(21b、22b)の上縁(21c、22c)から突出させるように下方から押し上げるステップと、
前記ワーク(W)を前記一対の鉛直側面(21b、22b)により挟持するステップと、
前記ワークとブレード(41)とを鉛直方向において近接させると共に、前記ブレード(41)の刃先(41a)が平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)と交差するように前記ブレード(41)を配置するステップと、
前記ワーク(W)と前記ブレード(41)とを水平方向に相対的に移動させることにより、前記ワーク(W)における前記上縁(21c、22c)から突出した部分を、前記ワーク(W)における挟持されている部分から切り離すステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、糸状物を長さ方向に切断するための装置及び方法において、常温で操作することができ、原理的に長さの上限がなくかつ良好な断面を簡易に得ることができる。
図1は、本発明の実施形態である糸状物の切断装置の主要部を概略的に示した外観斜視図である。 図2は、図1に示した切断装置からブレード部及び第1レールを省略した、切断装置の部分的な外観斜視図である。 図3は、図2に示した部分からさらにクランプ部を省略した、切断装置の部分的な外観斜視図である。 図4は、一対の固定具により両端を固定された押上げ部材を示す斜視図である。 図5(a)は、例えば人間の髪であるワークを切断装置にセットする前の状態を概略的に示した要部斜視図である。図5(b)は、ワークを切断装置にセットした後の状態を概略的に示した要部斜視図である。 図6(a)〜(d)はそれぞれ、左図には可動部材と押上げ部材とワークとを含む側面図(静止部材は省略)を、右図には左図に対応する静止部材及び可動部材と押上げ部材とワークとを含むI−I断面図を、それぞれ模式的に示している。 図7(a)(b)(c)は、図6に続いて行われる切断操作の一例を説明するための図である 図8は、図7に示した切断操作とは異なる切断操作の例を示した概略平面図である。 図9は、上述した切断装置とは異なる例を示した概略平面図である。 図10は、本発明による切断装置を用いて人間の毛髪を長さ方向に切断しているときの写真を示している。 図11は、図10の主要部の拡大写真である。 図12は、本発明による切断装置により切断された人間の毛髪の断面写真である。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。本発明は、毛髪等の糸状物を長さ方向に切断するための装置及び方法を提供する。「長さ方向に切断する」とは、糸状物を長さ方向に沿った1つの縦断面で切断して2つの部分に分割することである。例えば、横断面が円形の糸状物は、中心軸を含む縦断面で切断されると、横断面が半円形の2本の糸状物に分割される。この結果、糸状物の中心軸を含む縦断面が外側に露出される。
本発明は、可撓性を有する糸状物に適用された場合に顕著な効果を発揮できる。糸状物の可撓性の程度は、特に限定されない。さらに、ウエーブのかかった毛髪のように、可撓性を有しかつ曲線状の糸状物にも適用可能である。しかしながら、本発明の装置及び方法は、剛性の直線状の糸状物にも適用可能である。剛性の直線状の糸状物は、通常、可撓性の糸状物に比べて容易に長さ方向に切断することができる。
本発明の対象とする典型的な糸状物は、人間又は動物の毛であり、例えば人間の毛髪又は馬の尾の毛である。しかしながら、これらに限られず、合成繊維又は天然繊維、中空糸も含まれる。繊維には、モノフィラメントもマルチフィラメントも含まれる。マルチフィラメントは、撚られた複数の糸からなるが、それらが例えば接着剤などで一体化されていれば本発明を適用可能である。
本発明の適用対象の糸状物の直径の範囲は、大凡、40μm〜1mmを想定しているが、厳密にこの範囲に限定されない。人間の髪の直径は、40μm〜150μmであり、アジア人の場合、通常、60μm〜80μmである。また、ここでの「直径」は、長さ方向及び/又は周方向における平均的な数値である。本発明の対象である糸状物は、その直径が長さ方向及び/又は周方向に亘って一定でなくともよい。むしろ、天然物の場合、長さ方向及び/又は周方向に亘って直径が一定でないことが一般的である。さらに、例えばキューティクルで覆われた髪の表面のように、表面が平滑ではなく凹凸を有する糸状物にも適用可能である。また、糸状物の横断面は、円形に限られず、楕円形、多角形、又は不規則な形が有り得る。
図1は、本発明による糸状物の切断装置の一例の主要部を概略的に示した外観斜視図である。図1には、本発明の構成及び動作の説明のために設定したxyz軸方向を示している(以下の図でも同様)。以下では、切断対象物である糸状物を「ワーク」と称する。
切断装置は、下部と上部を備えている。下部と上部は直接的に連結されておらず互いに分離している。下部は、移動機構に連結されたベース部1と、ワークWを固定するためのワーク固定部2、3とを有する。上部は、ワークWを切断するブレード41を含むブレード部4を有する。
<ベース部の構成>
ベース部1は、略直方体の台座11と、台座11の上方に水平に設置された板状のベースステージ12と、第1の鉛直位置調整装置13とを有する。第1の鉛直位置調整装置13は、台座11に対するベースステージ12の鉛直方向の位置を調整するために、ベースステージ12を昇降させる。第1の鉛直位置調整装置13は、例えば、台座11とベースステージ12を連結する鉛直方向の精密ボールねじを設け、精密ボールねじを手動又はモータで駆動する構成とする。
台座11の底面は、移動機構の一部である一対の第1レール50に連結されている。第1レール50は、この例では、x軸方向に延在している。したがって、台座11は、第1レール50に沿ってx軸方向に移動可能である。移動機構は、第1レール50上で台座11を移動させるための図示しない駆動部を備えている。駆動部は、例えば精密ボールねじを手動又はモータで駆動する構成とする。台座11のx軸方向の移動によって、ベース部1全体がx軸方向に移動することができる。なお、台座11を所定の方向に移動させる構成は、レールを用いた構造に限られず、多様な構成が可能である。
<ワーク固定部の構成>
ワーク固定部2、3は、ワークWを長さ方向における切断される範囲全体に亘って側面から挟持するためのクランプ部2と、ワークWを長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持するための押上げ部3とから構成されている。ワーク固定部2、3の全ての構成要素は、ベース部1のベースステージ12上に設置されているので、ワーク固定部2、3はベース部1と一体的にx軸方向に移動可能である。
図2は、図1に示した切断装置からブレード部4及び第1レール50等を省略した、切断装置の部分的な外観斜視図である。図3は、図2に示した部分からさらにクランプ部を省略した、切断装置の部分的な外観斜視図である。なお、図1及び図2にはワークWの位置を示しているが、図3にはワークを示していない。
クランプ部2は、一例として、静止部材21と可動部材22とを有する。静止部材21と可動部材22からなる構成は、ワークを挟持するバイス工具に類似している。静止部材21と可動部材22との間に糸状物であるワークWが挟持される。具体的には、静止部材21と可動部材22の互いに対向する鉛直側面(xz面に平行)の間に、ワークWが、長さ方向における切断される範囲全体に亘って挟持される。この場合、ワークWの長さ方向はx軸方向である。
静止部材21はベースステージ12の上面に固定されており、可動部材22はベースステージ12上で静止部材21に対してy軸方向に移動可能である。これによって、静止部材21と可動部材22の間隔を調整可能であり、これらの間にワークWを挟持することができる。言い換えると、静止部材21と可動部材22の間隔によってワークWを挟持する押圧力を調整可能である。可動部材22の移動は、クランプ駆動機構23により行われる。クランプ駆動機構23は、例えば、精密ボールねじを手動又はモータで駆動する構成である。
静止部材21と可動部材22によってクランプ部2を構成することによって、一方の可動部材22のみの移動を制御すればよいので、制御が容易である。しかしながら、ワークWを適切に挟持可能であるならば、2つの可動部材によりクランプ部を構成することもできる。
押上げ部3は、主要な構成要素として押上げ部材35を有する。押上げ部材35は、クランプ部2の静止部材21と可動部材22の間に配置され、ワークWの下方に位置するので、図1及び図2では明確に現れていない。図3では、押上げ部材35の主要部が現れている。
押上げ部3はさらに、押上げ部材35の昇降機構を有する。その昇降機構は、ベースステージ12の上面に固定された一対の固定板31と、一対の固定板31の各々の上方に配置された一対の可動板32と、一対の可動板32の各々の上面に固定された一対の固定具34とを有する。一方の固定板31、可動板32及び固定具34からなる第1の組と、他方の固定板31、可動板32及び固定具34からなる第2の組とが、x軸方向においてクランプ部2を挟むようにそれぞれ配置されている。各固定具34は、押上げ部材35のx軸方向の各端をそれぞれ固定している。各可動板32は、各固定板31に対して鉛直方向に移動可能に設置されている。各可動板32の鉛直位置を調整する第2の鉛直位置調整装置として、一対の鉛直位置調整ハンドル33がそれぞれ設けられている。各可動板32の鉛直位置の調整は、独立して行うことができる。
図4は、一対の固定具34により両端を固定された押上げ部材35を示す斜視図である。押上げ部材35は、例えば薄板状の直方体であり、長さ方向がx軸方向となるようにセットされる。押上げ部材35の上面35aが、糸状物であるワークが載置される面である。押上げ部材35は、ワークを長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持する。上面35aの幅(y軸方向の幅)は、対象とするワークの直径に応じて設定される。例えば直径80μm程度の人毛と、直径200μm程度の馬毛とでは、上面35aの幅の異なる押上げ部材35が用いられる。したがって、多様なワークに対応するために、幅の異なる複数の押上げ部材35を準備しておくことが好ましい。そして、適切な幅をもつ押上げ部材35が、固定具34に固定される。押上げ部材35の側面の幅(z軸方向の幅)は、固定具34により固定できる大きさであればよい。図示の例では、2つの部材からなる固定具34により押上げ部材35の端部を挟み、ボルトとナットで締結している。そして、固定具34の鉛直方向に貫通する孔にボルトを通して、固定具34を図3の可動板32の上面に固定することができる。
押上げ部材35の両端が固定された固定具34の鉛直位置によって、押上げ部材35の上面35aの鉛直位置が決定される。したがって、押上げ部材35の鉛直位置は、図3に示される一対の鉛直位置調整ハンドル33を用いて調整することができる。この場合の鉛直位置は、ベースステージ12を基準とする相対的な鉛直位置である。この鉛直位置調整によって、押上げ部材35の上面35aが水平となるように調整することができる。あるいは、必要に応じて、2つの固定具34に高低差を設けることによって、押上げ部材35の上面35aに僅かな傾斜を設けることもできる。
<ブレード部4の構成>
再び図1を参照して、ブレード部4の構成を説明する。ブレード部4は、ブレード41とその支持機構とを有する。ブレード41は、この例では、平面視において略矩形の本体を有し、x軸方向に傾斜して設置されている。ブレード41の低い方の縁に刃先41aを具備する。この例では、刃先41aはy軸方向に延在している。ブレード41の支持機構は、切断装置のハウジング等(図示せず)に固定されるブレード支持板44と、ブレード支持板44上に設置されy軸方向に延在する第2レール43と、第2レール43上を移動可能なブレード吊下具42とを有する。ブレード吊下具42にブレード41の高い方の縁(刃先41aの反対側)が連結されている。ブレード吊下具42が第2レール43上を移動することによって、ブレード41がy軸方向に移動することができる。これによって、ワークWに対する刃先41aの位置を、刃先41aの延在方向において変更することができる。
ブレード41のy軸方向への移動は、ブレード41を介したワーク同士の汚染を防止するために行われる。例えば、第1のワークを切断した後に第1のワークを取り外して第2のワークをセットして第2のワークを切断する場合、ブレード41を刃先41aの延在方向に所定の距離だけ移動させ、刃先41aの切断ポイントの位置を変更した後に第2のワークの切断を実行する。このように、ブレード吊下具42及び第2レール43は、刃先位置調整装置を構成する。
鉛直方向におけるブレード部4とワーク固定部2、3の間の距離は、上述した第1の鉛直位置調整装置13を用いてベースステージ12を昇降させることにより変更することができる。この例では、ブレード部4が静止しており、ワーク固定部2、3がブレード部4に対して昇降する。図1に示すように、切断操作を行うときは、ブレード41とワーク固定部2、3とが鉛直方向において近接するように配置される。ここでの「近接」とは、接触形態も非接触形態も含む。好ましくは、ブレード41の刃先41aが、クランプ部2の静止部材21と可動部材22の上面に接触するように配置され、さらに好ましくは刃先41aが上面を若干押圧するように配置される。このために、ベースステージ12が上昇させられる。逆に、ワークWをセットしたり取り外したりするときは、ベースステージ12を降下させることによってワーク固定部2、3とブレード部4との間に十分な作業空間を確保する。
<切断装置の操作>
図5(a)は、例えば人間の髪であるワークWを切断装置にセットする前の状態を概略的に示した要部斜視図である。クランプ部は、ワークWを長さ方向(x軸方向)における切断される範囲全体に亘って挟持するために、互いに対向する一対の鉛直側面21b、22bを有する。ここでは、鉛直側面21bは静止部材21の一つの側面であり、鉛直側面22bは可動部材22の一つの側面であり、双方ともxz面に平行である。一対の鉛直側面21b、22bは、好ましくは同じ形状の矩形の平坦面である。一対の鉛直側面21b、22bの各上縁21c、22cは、一つの水平面内に互いに平行にx軸方向に延在している。クランプ部はさらに、一対の鉛直側面21b、22bの各上縁21c、22cをそれぞれ含み面一に延在する一対の水平上面21a、22aを具備する。
上縁21c、22cの長さによって、ワークWの切断可能な長さが規定される。本発明の切断装置は、原理的には切断可能な長さに下限も上限もない。切断可能な長さは、例えば少なくとも40mmとすることができ、60〜100mmとすることができ、それ以上の長さとすることもできる。上縁21c、22cの長さは、例えば、所望される切断可能な最大長さに、作業等を考慮した余分の長さを加えて設定する。水平上面21a、22aのy軸方向の幅は、例えば図1に示すように、ブレード41の刃先41aがこれらの水平上面21a、22a上に安定に載置可能であるように設定する。図5(a)に示すように、静止部材21の上面21aと可動部材22の上面22aの形状が異なっていてもよい。
押上げ部材35は、ワークWを長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持するために、一対の鉛直側面21b、22bの間に配置されている。図4に示した押上げ部材35の上面35aは、図5(a)ではクランプ部の水平上面21a、22aよりも下方に位置している。押上げ部材35の両端は、x軸方向においてクランプ部の両側に突出しており、固定具34でそれぞれ固定されている。
図5(b)は、ワークWを切断装置にセットした後の状態の一例を概略的に示した要部斜視図である。この状態において、ワークWは、クランプ部の静止部材21と可動部材22の互いに対向する鉛直側面の間に挟持され、押上げ部材35により下方から支持されている。さらに、挟持されたワークWの一部は、鉛直側面の上縁よりも突出し、すなわち水平上面21a、22aよりも上方に突出している。したがって、ワークWにおける突出していない部分のみが、クランプ部により実質的に挟持されている。図示の例では、ワークWの全長がクランプ部よりも長いために、ワークWの両端部分はクランプ部により把持されていない。しかしながら、このようなセット状態であっても切断操作に支障はない。別の例では、ワークWの全長がクランプ部より短くてもよい。
図5(b)のようにワークWをセットした後、図1に示すように、静止部材21と可動部材22の水平上面21a、22aが、鉛直方向においてブレード41の刃先41aに近接するように配置する。その後、移動機構によりワーク固定部2、3とブレード41とを水平方向に相対的に移動させることによって、ブレード41の刃先41aが、ワークWにおける突出した部分と挟持された部分の境界面を切断する。これによって、ワークWが2つに分割される。図1では、この水平方向の相対的移動は、静止しているブレード41に対して、ワーク固定部2、3がx軸方向にブレード41に向かって移動することによって行われる。別の例では、静止しているワーク固定部2、3に対してブレード41が移動してもよい。さらに別の例では、双方が移動してもよい。
<切断方法の手順>
図6及び図7を参照して、本発明による糸状物の切断方法の手順の一例を説明する。
先ず、図6を参照して、ワークWのセット工程の例を説明する。図6では、ワーク固定部の要部のみを示している。ブレード部は、この時点ではワーク固定部の上方に離れているので図示しない。
図6(a)〜(d)はそれぞれ、左図には可動部材22と押上げ部材35とワークWとを含む側面図(静止部材21は省略)を、右図には左図に対応する静止部材21及び可動部材22と押上げ部材35とワークWとを含むI−I断面図を、それぞれ模式的に示している。なお、分かり易くするために、ワークWは、実際よりも長さに対して直径を拡大して描いている。
図6(a)において、先ず、可動部材22を静止部材21からy軸方向に適切な距離d1だけ離れた位置に配置する。押上げ部材35は昇降のみを行うので、静止部材21の鉛直側面21bに当接して配置されている。距離d1は、y軸方向における押上げ部材35の幅及びワークWの直径のいずれよりも大きく、かつ、ワークWが押上げ部材35と可動部材22の隙間に脱落しない程度とする。鉛直側面21b、22bの上縁21c、22cから押上げ部材35の上面35aまでの距離d2は、ワークWの直径よりも大きくしておく。このとき、2つの鉛直側面21b、22bと押上げ部材35の上面35aとによって、矩形断面で上方に開口する溝状空間が形成される。この溝状空間内にワークWを嵌め込む。嵌め込まれたワークWは、この時点では、その全体が水平上面21a、22aよりも下方に位置している。
次に、図6(b)において、可動部材22を静止部材21の方に近づける(白矢印参照)。この操作は、ワークWのいわば仮固定であり、ワークWが溝状空間から脱出しないために行う。すなわち、ワークWが脱出しない程度に、比較的小さい押圧力でワークWを挟持すれば十分である。また、このときの押圧力は、後述する図6(c)の押上げ部材35の上昇動作を妨げない程度とする。
その後、図6(c)において、押上げ部材35をz軸方向に上昇させる(白矢印参照)。この操作は、ワークWの一部を鉛直側面21b、22bの上縁21c、22cよりも突出させるために行う。z軸方向におけるワークWの突出部分の高さd3は、後述する図6(d)の最終的なセット状態において、適切な突出部分の高さが得られるように設定する。高さd3は、例えば、ワークWの寸法及び特性等に応じて経験的に設定される。また、この操作では、押上げ部材35の上面35aは水平に調整されるとは限らない。例えば、ワークWの直径が長さ方向において変化する場合(例えば、次第に細くなる糸状物等)、上面35aに傾斜を設けることもできる。
最後に、図6(d)において、可動部材22を、静止部材21の方にさらに近づける(白矢印参照)。この操作は、ワークWを確実に挟持するために行う。ワークWは、静止部材21と可動部材22の双方から押圧力を受ける。可動部材22が押上げ部材35に当接する位置が、可動部材22が静止部材21に最も近づく位置である。このとき、ワークWに及ぼす押圧力は最大となる。可動部材22の最終位置は、ワークWを潰さずにかつ確実に挟持できる適切な押圧力を考慮して設定される。柔軟性のあるワークWは、押圧力によって横断面の形状が多少変形する。切断中にワークWが溝状空間から脱出しないように、セット完了状態におけるワークWの突出部分の高さd4と挟持部分の深さd5との割合を考慮する。好ましくは、ワークWにおける突出部分の高さd4よりも挟持部分の深さd5を大きくする。例えばd4:d5=4:6に設定する。
図6(a)〜(d)における位置決め操作を効率的かつ正確に行うために、ワークWの近傍をカメラでモニタリングし、モニター画面に拡大された画像を表示し、目で確認しながら操作を行うことが好ましい。これらの位置決め操作は、手動制御でも自動制御でも行うことができる。
図6(a)〜(d)の位置決め操作を、コンピュータを用いた自動制御によって行う場合、可動部材22のy軸方向移動及び押上げ部材35のz軸方向移動における単位移動距離を、例えば0.1〜10μmとすることができ、例えば1μmとすることができる。但し、これらの範囲及び数値に限定されない。
図7は、図6に続いて行われる切断操作の一例を説明するための概略図である。図7(a)の概略側面図(静止部材21は省略)であり、図7(b)は、(a)に対応する概略平面図である(静止部材21も図示)。図7(a)(b)では、ワークWをセットしたワーク固定部を、ブレード41の方に上昇させる(白矢印参照)。
ワーク固定部の上昇操作によって、ブレード41の刃先41aと、クランプ部の静止部材21及び可動部材22の水平上面21a、22aとが、鉛直方向において近接する。このとき、好ましくは刃先41aがクランプ部の水平上面21a、22aに接触して配置され、より好ましくは水平上面21a、22aに対して若干押圧力を及ぼすように配置される。
別の例として、刃先41aが、水平上面21a、22aと非接触に、例えば数μm程度の隙間を介して配置されてもよい。非接触配置では、刃先41aと水平上面21a、22aとの間の摩擦を生じないという利点がある。
図7(a)の位置決め操作においても、上述したカメラによるモニタリングを利用することが好ましい。この操作も、手動でも自動制御でも行うことができる。図7(b)に示すように、ブレード41の刃先41aは、平面視において静止部材21及び可動部材22の鉛直側面21b、22bの各上縁21c、22cと交差するように配置されている。この例では、刃先41aが、平面視において各上縁21c、22cと垂直に配置されている。
その後、図7(c)に示すように、ワーク固定部をブレード41に対して水平方向に(ここではx軸方向に)移動させる(白矢印参照)。この操作によって、ワークWがブレード41の刃先41aにより長さ方向に切断される。この例では、ブレード41は静止したままである。好ましくは刃先41aがクランプ部の水平上面21a、22aに接触し、さらに好ましくは水平上面21a、22aに対して若干押圧力を付加することによって、ワークWの切断中、刃先41aがワークWを溝状空間内に押し付ける作用を及ぼす。すなわち、切断により残されたワークWの挟持部分が溝状空間から脱出しないという効果が得られる。その一方、切断により切り取られたワークWの突出部分は、傾斜したブレード41の上面に沿ってめくれあがる。
ワーク固定部とブレード41との水平方向への相対的移動の速度は、自動制御の場合、例えば0.1mm/秒〜100mm/秒の範囲で行うことができる。但し、この範囲に限定されない。また、ワーク固定部とブレード41との相対的移動は、手動で行うこともできる。
図8は、図7に示した切断操作とは異なる切断操作の例を示した概略平面図である。ブレード41の刃先41aは、図7と同様に平面視において静止部材21及び可動部材22の各上縁21c、22cと垂直に配置されている。この例では、ワーク固定部とブレード41との水平方向への相対的移動が、静止部材21及び可動部材22の各上縁21c、22cに対して所定の角度αをなす方向に行われる。すなわち、相対的移動の移動ベクトルが、x軸方向の成分に加えてy軸方向の成分を有する。角度αは、好ましくは0°より大きく10°以下であるが、この範囲に限定されない。これによって、ワークWは、刃先41aによって斜め切りにされることになるので、より円滑に切断されかつより良好な切断面を得ることができる。図8では、ワークWが毛髪の場合の長さ方向の切断面を模式的に示している。この切断によって、毛髪の髄質cを長さ方向に亘って連続的に露出させることができる。
図8において、相対的移動における移動ベクトルのy軸成分は、多様な構成によって実現することができる。例えば、図1に示した第1レール50を、x軸方向に設ける替わりにx軸方向に対し角度αをなす方向に設けることによって、ワーク固定部を図8に示した方向に移動させることができる。別の例として、ワーク固定部がx軸方向の移動のみを行い、ブレード41がy軸方向の移動を行うように構成してもよい。このために、例えば図1に示した構成において、切断操作時にブレード41を静止させる替わりに、ブレード41をブレード支持板44上の第2レール43に沿って移動させるように構成する。
図9は、上述した切断装置とは異なる例を示した概略平面図である。この例では、ブレード41の刃先41aが、 平面視において静止部材21及び可動部材22の各上縁21c、22cと垂直ではなく、所定の角度βをなして交差している。なお、ワーク固定部とブレード41との水平方向への相対的移動はx軸方向に行ってもよく、図8に示した例と同様にx軸方向に対して傾斜した方向に行ってもよい。角度βは、好ましくは0°より大きく10°以下であるが、この範囲に限定されない。この例においても、ワークWが刃先41aによって斜め切りにされる効果が得られる。
図10は、本発明による切断装置を用いて人間の毛髪を長さ方向に切断しているときの写真を示している。図11は、図10の主要部の拡大写真である。図10の写真内に、大凡の寸法を示している。本発明の切断装置及び切断方法によれば、原理的に長さの制限なく毛髪を長さ方向に切断することができる。ワークWから分離された2つの断片は、いずれも利用することが可能である。加えて、本発明の装置及び方法は、常温で行うことができる。すなわち冷却装置や液体窒素等は不要である。また、切断される毛髪等のワークをそのまま装置にセットすることができる。すなわち、ワークに対する包埋処理等の前処理は、不要である。
図12は、本発明による切断装置により切断された人間の毛髪の断面写真である。図12の写真内に、大凡の寸法を示している。本発明の切断装置及び切断方法によれば、極めて平滑な長さ方向の切断面を得ることができる。また、切断面の中央には長さ方向に延びる髄質が現れている。毛髪をカミソリ刃を用いて手で切断した場合、断面には多くのささくれや凹凸できるが、本発明の装置及び方法により得られた毛髪の断面は、ささくれもなく平坦である。また、手で切断する場合、毛髪の髄質に沿って切断することは極めて困難であるが、本発明の装置及び方法では、40mm以上の長さ亘って毛髪の髄質を露出させることができる。
本発明の装置を用いて切断された毛髪は、その後、特別な処理を施すことなく質量分析イメージング(MSI)分析装置にそのまま供することが可能である。それによって、毛髪の長さ方向に亘る連続的な髄質の情報を短時間で得ることができ、可視化することができる。
本発明の切断装置及び切断方法は、従来は不可能とされてきた糸状物の長さ方向における切断、特に40mm以上の長さでの切断を可能とする。原理的には、切断可能な長さには上限がない。また、個人の技能に関係なく誰でも容易に装置を操作することができる。本発明の装置及び方法は、毛髪分析に限らず、多様な技術分野において利用可能である。
1:ベース部
11:台座
12:ベースステージ
13:第1の鉛直位置調整装置
2:クランプ部
21:静止部材
21a:水平上面
21b:鉛直側面
21c:上縁
22:可動部材
22a:水平上面
22b:鉛直側面
22c:上縁
23:クランプ駆動部
3:押上げ部
31:固定板
32:可動板
33:鉛直位置調整ハンドル(第2の鉛直位置調整装置)
34:固定具
35:押上げ部材
35a:上面
4:ブレード部
41:ブレード
41a:刃先
42:ブレード吊下具
43:第2レール
44:ブレード支持板
50:第1レール

Claims (14)

  1. 糸状物であるワーク(W)を長さ方向に切断するための装置であって、
    前記ワーク(W)を固定するためのワーク固定部(2、3)と、
    前記ワーク(W)を切断するためのブレード(41)と、
    前記ワーク(W)を切断するとき、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを水平方向に相対的に移動させる移動機構(50)と、を備え、
    前記ワーク固定部(2、3)が、
    前記ワーク(W)を長さ方向における切断される範囲全体に亘って挟持するために、互いに対向する一対の鉛直側面(21b、21b)と、
    前記ワーク(W)を長さ方向における切断される範囲全体に亘って下方から支持するために、前記一対の鉛直側面(21b、21b)の間に配置された押上げ部材(35)と、を有することを特徴とする糸状物の切断装置。
  2. 前記ワーク(W)を切断するとき、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とが鉛直方向において近接し、かつ、前記ブレード(41)の刃先(41a)が平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)と交差するように配置可能であることを特徴とする請求項1に記載の糸状物の切断装置。
  3. 前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)をそれぞれ含み面一に延在する一対の水平上面(21a、22a)を具備し、
    前記ワーク(W)を切断するとき、前記ブレード(41)の刃先(41a)が前記一対の水平上面(21a、22a)に接触するように、前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを配置可能であることを特徴とする請求項2に記載の糸状物の切断装置。
  4. 前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)の方向に対して0°より大きく10°以下の角度(α)をなす方向に前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを相対的に移動させることを特徴とする請求項2又は3に記載の糸状物の切断装置。
  5. 前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)の方向に前記ワーク固定部(2、3)と前記ブレード(41)とを相対的に移動させることを特徴とする請求項2又は3に記載の糸状物の切断装置。
  6. 前記ワーク(W)を切断するとき、前記移動機構(50)が、静止している前記ブレード(41)に対して前記ワーク固定部(2、3)を移動させることを特徴とする請求項4又は5に記載の糸状物の切断装置。
  7. 前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)に対する前記押上げ部材(35)の鉛直方向の位置を調整するための第1の鉛直位置調整装置(32、33)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  8. 前記ブレード(41)に対する前記ワーク固定部(2、3)の鉛直方向の位置を調整するための第2の鉛直位置調整装置(12、13)を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  9. 前記ブレード(41)の刃先(41a)の延在方向において、前記ワーク固定部(2、3)に対する前記ブレード(41)の位置を変更するための刃先位置調整装置(42、43)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  10. 一方の前記鉛直側面(21b)と一方の前記水平上面(22a)とを具備する静止部材(21)と、他方の前記鉛直側面(22b)と他方の前記水平上面(22a)とを具備する可動部材(22)とを有し、前記可動部材(22)を前記静止部材(21)に対して移動可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  11. 前記ワーク(W)が、人間若しくは動物の毛、合成若しくは天然の繊維、又は、中空糸であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  12. 前記ワーク(W)が、最大直径1mm以下の糸状物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  13. 前記ワーク(W)の長さ方向における切断される範囲が、少なくとも40mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の糸状物の切断装置。
  14. 糸状物であるワーク(W)を長さ方向に切断するための方法であって、
    前記ワーク(W)を互いに対向する一対の鉛直側面(21b、22b)の間に嵌め込むステップと、
    嵌め込まれた前記ワーク(W)の一部を前記鉛直側面(21b、22b)の上縁(21c、22c)から突出させるように下方から押し上げるステップと、
    前記ワーク(W)を前記一対の鉛直側面(21b、22b)により挟持するステップと、
    前記ワークとブレード(41)とを鉛直方向において近接させると共に、前記ブレード(41)の刃先(41a)が平面視において前記一対の鉛直側面(21b、22b)の各上縁(21c、22c)と交差するように前記ブレード(41)を配置するステップと、
    前記ワーク(W)と前記ブレード(41)とを水平方向に相対的に移動させることにより、前記ワーク(W)における前記上縁(21c、22c)から突出した部分を、前記ワーク(W)における挟持されている部分から切り離すステップと、を含むことを特徴とする糸状物の切断方法。
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