JP6710993B2 - 超高分子量ポリエチレン粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
極限溶液粘度=係数K×粘度平均分子量Mv×係数α
(係数K;6.20×10−4、係数α;0.70)
また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、Mw/Mnとして示される分子量分布が4以上7以下のものであり、特に機械的特性に優れるものとなることから4以上6.5以下のものであることが好ましい。ここで、Mw/Mnが4未満である場合、得られる粒子は成形加工性に劣るものとなる。一方、Mw/Mnが7を越えるものである場合、得られる粒子は機械的特性に劣るものとなる。なお、本発明におけるMw/Mnは、例えば、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィによる溶出曲線を標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
撹拌レイノルズ数=流体の密度×撹拌速度×撹拌径÷流体の粘度
撹拌に用いる撹拌機の羽根形状としては、例えばアンカー翼、タービン翼、プロペラ翼などを使用できる。パドル翼やリボン翼は十分な撹拌レイノルズ数を得るうえで不十分である場合がある。
触媒活性は、チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A)1g当たりの重合体生成量(g)で表わす。
溶媒デカリン、ウベロードを用い135℃で測定した溶液の極限粘度を測定し、次に示す粘度式によりMvを求めた。
極限溶液粘度=係数K×粘度平均分子量Mv×係数α
(係数K;6.20×10−4、係数α;0.70)
〜重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)〜
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては(商品名)150C ALC/GPC(Waters社製)を用い、カラムとしては(商品名)GMH−HR−H(S)(東ソー(株)製)を用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1−クロロナフタレンを用いて測定した。測定試料は0.08mg/ミリリットルの濃度で調製し、200マイクロリットル注入し測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料(絶対分子量=2600〜8640000の範囲)を用いて校正されている。
得られた超高分子量ポリエチレン粒子をJIS Z−8801の篩(目開き1000〜75μm)によって分級し、分級結果を確率対数紙の横軸に粒子径を縦軸に重量積算値をプロットし最小二乗法によって近似直線を算出し求めた。具体的には、重量積算値50%に対する粒径が平均粒径であり、重量積算値84%に対する粒径と平均粒径の比の対数値を標準偏差としたまた、粗大粒子の割合としては、粒径400μmより大きい重合体粒子の割合(重量%)で示した。
得られた超高分子量ポリエチレン粒子を用いて圧縮成形により衝撃強度測定試験片を作成し、シャルピー衝撃試験機を用いてその衝撃強度を測定した。測定条件はJIS K6936−2に準じた。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A1)の調製)
撹拌装置を備えた1000mlのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)およびチタンテトラブトキシド45g(0.13モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.7モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃で2時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、均一溶液680mlを得た。この溶液の密度は0.695kg/m3、粘性係数は0.60cPであり、これら値を撹拌レイノルズ数を算出する際に用いた。
内容積2リットルのステンレススチ−ル製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A1)10.3mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージし超高分子量ポリエチレンを回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a1))
撹拌レイノルズ数を19000となるように撹拌を行った以外は、実施例1と同様の方法にてチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(B1)を得た。すなわち、実施例1で得た均一溶液100mlgを別途用意した500mlガラスフラスコに入れ、撹拌速度を100rpm、撹拌レイノルズ数19000において、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液107mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a1)を得た。組成を誘電結合プラズマ発光分光分析装置にて分析したところチタン含有量は8.8wt%であった。
実施例1と同様の方法によりエチレンの重合を行った。すなわち2lのオートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a1)11.2mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージしポリエチレンを回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a2)の調製)
撹拌レイノルズ数を39000とした以外は、実施例1と同様の方法でチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a2)を得た。すなわち、実施例1で得た均一溶液100mlgを別途用意した500mlガラスフラスコに入れ、撹拌速度を200rpm、撹拌レイノルズ数39000において、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液106mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a2)を得た。組成を誘電結合プラズマ発光分光分析装置にて分析したところチタン含有量は8.8wt%であった。
実施例1と同様の方法によりポリエチレンの重合を行った。すなわち2リットルのオートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(a2)10.8mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージしポリエチレンを回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A2)
撹拌レイノルズ数を116000とした以外は、実施例1と同様の方法にてチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A2)を得た。すなわち、実施例1で得た均一溶液100mlg(マグネシウム成分として0.048モル含む)を別途用意した500mlガラスフラスコに入れ、撹拌速度を600rpm、撹拌レイノルズ数116000において、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液106mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A2)を得た。組成を誘電結合プラズマ発光分光分析装置にて分析したところチタン含有量は8.5wt%であった。
実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン粒子の製造を行った。すなわち2リットルのオートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A2)9.8mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージし超高分子量ポリエチレン粒子を回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A3))
i−ブチルアルミニウムジクロライドに代えてエチルアルミニウムクロライドを用い、撹拌レイノルズ数を232000とした以外は、実施例1と同様の方法によりチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A3)を得た。すなわち、実施例1で得た均一溶液100mlg(マグネシウム成分として0.048モル含む)を別途用意した500mlステンレス製容器(撹拌直径0.1m)に入れ、撹拌速度を1200rpm、撹拌レイノルズ数232000において、45℃でエチルアルミニウムクロライド0.19モルを含むヘキサン溶液40mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A3)を得た。組成を誘電結合プラズマ発光分光分析装置にて分析したところチタン含有量は9.5wt%であった。
実施例1と同様の方法により超高分子量ポリエチレン粒子の製造を行った。すなわち2リットルのオートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A3)10.5mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージし超高分子量ポリエチレン粒子を回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A4)
撹拌装置を備えた1000mlのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)およびチタンテトラブトキシド224g(0.66モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.7モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃で2時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、均一溶液860mlを得た。この溶液の密度は0.76kg/m3、粘性係数は0.68cPであり、これら値を撹拌レイノルズ数を算出する際に用いた。
内容積2リットルのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A4)15.3mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージし、超高分子量ポリエチレン粒子を回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
(チタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A5))
撹拌装置を備えた1000mlのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)およびチタンテトラブトキシド45g(0.13モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ヘキサノール71g(0.7モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃で2時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、均一溶液690mlを得た。この溶液の密度は0.72kg/m3、粘性係数は0.64cPであり、これら値を撹拌レイノルズ数を算出する際に用いた。
内容積2リットルのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、有機アルミニウム触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得たチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A5)10.3mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスをパージし、超高分子量ポリエチレン粒子を回収し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
実施例1で調整したチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A1)を用いて、分子量調節剤として水素を用いて超高分子量ポリエチレン粒子の製造をおこなった。
実施例1で調整したチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A1)を用いて、分子量調節剤として水素を実施例6より多く用いて超高分子量ポリエチレン粒子の製造をおこなった。
実施例1で調整したチタン・マグネシウム含有固体触媒成分(A1)を用いて、分子量調節剤として水素を実施例7より多く用いてポリエチレン粒子の製造をおこなった。
Claims (1)
- 粘度平均分子量(Mv)が50万以上700万以下、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以上7以下、平均粒径が50μm以上200μm以下、粒径の標準偏差が0.2以下である超高分子量ポリエチレン粒子を製造する際に、(A)金属マグネシウムとアルコール、チタンテトラアルコレートを加熱・熟成した成分にハロゲン化アルミニウム化合物を撹拌レイノルズ数50000以上の撹拌下に反応させて得られるチタン・マグネシウム含有固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム触媒成分とからなる触媒系の存在下に、重合温度50〜90℃、水素濃度0〜10%にてエチレンの重合を行うことを特徴とする超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法。
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JP2016021398A JP6710993B2 (ja) | 2016-02-08 | 2016-02-08 | 超高分子量ポリエチレン粒子およびその製造方法 |
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