以下、実施の形態及について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る照明器具100について説明する。
[照明器具の全体構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係る照明器具100の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具100の分解斜視図である。図2は、実施の形態1に係る発光装置10の構成概要を示す平面図である。なお、図1及び図2では、電源回路90が有する部品、及び、複数の発光素子20への電力供給のための配線等の、照明器具100が備える一部の要素についての図示は省略されている。
本実施の形態の照明器具100は、例えば天井に取り付けられるシーリングライトであり、図1における上方(Z軸のプラスの方向)が、天井に対向する床面の方向に相当する。つまり、図1における照明器具100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体110と、器具本体110に取り付けられた発光装置10とを備える。発光装置10は、第一発光モジュール10a及び第二発光モジュール10bを有する。
本実施の形態では、照明器具100はさらに、光源カバー160、照明カバー140、電源回路90、回路カバー120、及びアダプタ108を備えている。
[器具本体及び回路カバー]
図1に示すように、器具本体110は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材である。器具本体110の発光装置10が配置される側の面には、複数のカバー取付部119が器具本体110の周方向に間隔を置いて配置されている。なお、器具本体110の発光装置10が配置される側の面には、例えば、反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
器具本体110の、発光装置10とは反対側には、電源回路90を収容する回路カバー120が配置されている。回路カバー120は、例えば、図示しないネジ等によって器具本体110と結合される。
また、図1に示すように、器具本体110の中央部には、円形状の開口部が形成されており、当該開口部には、回路カバー120に固定された略円筒状の支持部126が挿入される。回路カバー120に固定された支持部126は、例えば、天井面に設けられた照明取付具(例えば、「引掛けシーリング」と呼ばれる)に着脱自在なアダプタ108と嵌め合わせ可能な構造を有している。つまり、照明器具100は、天井面に設けられた引掛けシーリングと、アダプタ108を介して電気的及び機械的に接続される。
電源回路90は、アダプタ108を介して引掛けシーリングから供給される交流電力を、複数の発光素子20の発光に適した特性の直流電力に変換し、図示しない電線を介して発光装置10に供給する。これにより、複数の発光素子20は発光する。なお、当該電線は、器具本体110に設けられた電線孔114を貫通した状態で、電源回路90と発光装置10とを接続する。
電源回路90は、例えば、電解コンデンサもしくはセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、及び、ダイオードもしくは集積回路素子等の半導体素子等を有している。
器具本体110には、図1に示すように、発光装置10が配置される面である配置面112が形成されている。本実施の形態では、発光装置10の形状に応じた環状の平面が配置面112として器具本体110に形成されている。
なお、図1に示す器具本体110に回路カバー120が取り付けられたものが「器具本体」と呼ばれてもよい。つまり、回路カバー120は器具本体110の一部として扱われてもよい。
[発光装置]
図1及び図2に示すように、発光装置10は、第一発光モジュール10a及び第二発光モジュール10bを有する。第一発光モジュール10aは、第一基板11aと、第一基板11aの主面12aに配置された複数の発光素子20とを有する。第二発光モジュール10bは、第二基板11bと、第二基板11bの主面12bに配置された複数の発光素子20とを有する。
上記構成を有する発光装置10は、上述のように、器具本体110の配置面112に配置されている。つまり、本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体110と、器具本体110の配置面112に沿って並んで配置された第一基板11a及び第二基板11bとを備える。
発光装置10は、平面視(第一基板11a及び第二基板11bの厚み方向(本実施の形態ではZ軸方向)から見た場合)における外形が円形(略円形も含む)であり、かつ、中央部に円形の開口部が形成されている。
具体的には、それぞれが半環形状の第一基板11a及び第二基板11bを、配置面112に沿って並べることで、全体として円環状(ドーナツ状)の形状を有する発光装置10が形成されている。なお、本実施の形態では、発光装置10は、2枚の基板(11a、11b)で構成されているが、発光装置10は、それぞれに複数の発光素子20が配置された3枚以上の基板を有してもよい。
第一基板11a及び第二基板11bのそれぞれは、金属配線がパターン形成された、いわゆるプリント基板であり、本実施の形態では、樹脂基板が採用されている。樹脂基板としては、ガラスコンポジット基板及びガラスエポキシ基板等が例示される。
本実施の形態の複数の発光素子20の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、発光装置10は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を基板上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造を有している。
具体的には、第一基板11aの主面12a及び第二基板11bの主面12bに設けられた導体パターン(金属配線、図示せず)のそれぞれに、複数の発光素子20がはんだによって接続されている。つまり、発光装置10が有する複数の発光素子20それぞれは、第一基板11aの主面12a、または、第二基板11bの主面12bに表面実装されている。
また、第一基板11a及び第二基板11bのそれぞれには、第一基板11aと第二基板11bとを電気的に接続するための電極が設けられている。具体的には、第一基板11aは電極15a及び16aを有し、第二基板11bは電極15b及び16bを有する。
なお、図2では、各電極(15a、15b、16a、16b)を他の要素と識別しやすいように各電極(15a、15b、16a、16b)にドットを付して示している。このことは、後述する図11〜図14に示される平面図においても同じである。
第一基板11aにおいて、主面12aに配置された複数の発光素子20は、例えば直列に接続されており、直列に接続された発光素子20の列の一端に、金属配線を介して電極15aが接続されている。また、直列に接続された発光素子20の列の他端に、金属配線を介して電極16aが接続されている。
第二基板11bにおいても同様に、主面12bに配置された複数の発光素子20は、例えば直列に接続されており、直列に接続された発光素子20の列の一端に、金属配線を介して電極15bが接続されている。また、直列に接続された発光素子20の列の他端に、金属配線を介して電極16bが接続されている。
上記構成を有する第一基板11a及び第二基板11bは、導通部材170によって電気的に接続されている。具体的には、第一基板11aの電極15aと、第二基板11bの16bとに金属製の導通部材170が接触することで第一基板11a及び第二基板11bが電気的に接続される。さらに、第一基板11aの電極16aと、第二基板11bの15bとに金属製の導通部材170が接触することで第一基板11a及び第二基板11bが電気的に接続される。
また、第一基板11a及び第二基板11bの一方に、電源回路90から供給される直流電力を受け取るコネクタ(図示せず)が設けられている。例えば、第一基板11aにおいて金属配線を介して複数の発光素子20と直列にコネクタが接続されている。これにより、2つの導通部材170により直列に接続された、第一基板11a上及び第二基板11b上の複数の発光素子20に、電源回路90から供給される直流電力が与えられ、複数の発光素子20は発光する。
本実施の形態では、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続する2つの導通部材170は光源カバー160に備えられており、発光装置10に対して光源カバー160を配置することで、第一基板11a及び第二基板11bの間の導通のための配線が完了する。第一基板11a及び第二基板11bの間の導通の仕組みの詳細については、図3及び図4を用いて後述する。
なお、発光装置10が有する複数の発光素子20の電気的な接続の態様に特に限定はない。例えば、直列接続されたn(nは2以上の整数)個の発光素子20のグループ(発光素子20群)を複数形成し、これら複数の発光素子20群を並列に接続してもよい。例えば、2つの導通部材170の一方に、電源回路90の高電位電極を接続し、2つの導通部材170の他方に電源回路90の低電位電極を接続することで、第一基板11aの発光素子20群と、第二基板11bの発光素子20群とを並列に接続してもよい。なお、導通部材を介して発光装置10に電力を供給する構成の一例については、図10等を用いて後述する。
上記構成を有する発光装置10が器具本体110に取り付けられる場合、図1に示すように、配置面112に第一基板11a及び第二基板11bの裏面が接触した状態で取り付けられる。これにより、第一基板11a及び第二基板11bそれぞれにおいて複数の発光素子20が発する熱が、器具本体110を介して効率よく外部に放出される。
また、本実施の形態では、3つのネジ66によって、光源カバー160と発光装置10(第一発光モジュール10a及び第二発光モジュール10b)とが、器具本体110にとも締めされる。
なお、発光装置10の器具本体110への固定方法に特に限定はなく、例えば、器具本体110に設けられた複数の爪が、第一基板11a及び第二基板11bに引っ掛けられることで、発光装置10が器具本体110に固定されてもよい。
[光源カバー]
図1に示すように、光源カバー160は、発光装置10の複数の発光素子20を覆う部材であり、透光性を有する(例えば透明の)樹脂等で形成されている。光源カバー160は、ドーナツ状に形成されており、環状に配置された複数の発光素子20を一括して覆う状態で配置されている。
本実施の形態では、上述のように、光源カバー160に2つの導通部材170が備えられており、2つの導通部材170のそれぞれは、第一基板11a及び第二基板11bの電気的な接続に用いられる。なお、光源カバー160は、器具本体110に固定された固定部材の一例である。
また、光源カバー160は、複数の発光素子20それぞれから放出された光を拡散させる機能を有してもよく、また、主として複数の発光素子20を保護するために配置されてもよい。
また、光源カバー160は、上述のように、3つのネジ66によって、発光装置10とともに、器具本体110に取り付けられる。なお、光源カバー160の器具本体110への固定方法に特に限定はなく、例えば、器具本体110に設けられた複数の爪が、光源カバー160に引っ掛けられることで、発光装置10が器具本体110に固定されてもよい。
また、例えば、光源カバー160に設けられた複数の凸部が、第一基板11a及び第二基板11bに設けられた孔または切り欠きに挿入されることで、光源カバー160、並びに、第一基板11a及び第二基板11bの一方が、他方の位置決めのための部材として機能してもよい。
[照明カバー]
照明カバー140は、器具本体110の発光装置10等が取り付けられた側を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。照明カバー140は、例えば乳白色の樹脂で形成されており、各発光素子20からの光を拡散して外部に放出することができる。また、照明カバー140の開口部(図示せず)には、複数の突起(図示せず)が形成されている。これらの複数の突起をそれぞれ器具本体110に設けられた複数のカバー取付部119に引っ掛けることにより、照明カバー140が器具本体110に着脱自在に取り付けられる。
[基板間の導通について]
次に、図3及び図4を参照し、本実施の形態に係る照明器具100における、第一基板11aと第二基板11bとの間の導通のための構造について説明する。
図3は、実施の形態1における第一基板11aと第二基板11bとの境界付近の第1の断面図である。図4は、実施の形態1における第一基板11aと第二基板11bとの境界付近の第2の断面図である。
具体的には、図3及び図4では、照明器具100の一部の断面であって、図2におけるIII−III線の位置における断面が図示されている。また、図3では、光源カバー160が器具本体110に取り付けられる前の状態が図示されており、図4では、光源カバー160が器具本体110に取り付けられた状態が図示されている。
本実施の形態に係る照明器具100において、それぞれに複数の発光素子20が配置された第一基板11a及び第二基板11bは、図1〜図4に示すように、器具本体110の配置面112に沿って並んで配置されている。このように配置された第一基板11a及び第二基板11bを備える照明器具100はさらに、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続し、かつ、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる導通部材170を備えている。
この構成によれば、例えば、比較的に多い数の発光素子20を、2枚の基板に分散して配置することができるため、各基板のサイズを大きくすることなく、照明器具100の全光束を増加させることができる。
例えば、第一基板11a及び第二基板11bの組み合わせ(図2参照)に相当するサイズ及び形状の、1枚の円環状の基板を作製する場合、例えば矩形の材料から円環状の基板を切り出すため、無駄となる材料が比較的に多くなる。一方、本実施の形態では、それぞれが半環形状の第一基板11a及び第二基板11bを組み合わせることで、比較的に大きな円環状の基板が構成されるため、無駄となる材料の量が抑制される。また、例えば、基板が大型化することにより、発光素子20の機械実装が困難になる等の問題も生じない。
さらに、照明器具100において、導通部材170は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえるよう配置される。そのため、第一基板11a及び第二基板11bのそれぞれには、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続するための電極があればよく、コネクタ等の部品は不要である。また、コネクタと電線とを接続する場合のような手作業ではなく、自動機械による導通部材170の配置を行うことができる。また、導通部材170の配置後には、導通部材170が、例えば、第一基板11a及び第二基板11bの一方に対する他方の位置決め部材としても機能する。
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、それぞれに複数の発光素子20が配置された複数の基板(第一基板11a及び第二基板11b)を備える照明器具100であって、効率よく製造することができる照明器具100である。
また、導通部材170の高さ(主面12a及び12bからの高さ)を比較的に小さくすることが可能であるため、例えば、主面12a及び12bに基板間の導通のためのコネクタを設ける場合よりも、複数の発光素子20からの光の遮光量を低減することができる。
また、照明器具100はさらに、器具本体110に固定された固定部材を備え、導通部材170は、固定部材によって押さえられることで、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる。
具体的には、本実施の形態では、導通部材170は、図4に示すように、固定部材としての光源カバー160によって押さえられる。これにより、導通部材170は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる。より詳細には、光源カバー160は、導通部材170を第一基板11a及び第二基板11bに押し当てるように、器具本体110にネジ留めされている。
このように、器具本体110に固定される部材を利用して導通部材170を配置することで、例えば、導通部材170の配置のための部品を別途用いる必要がない。また、固定部材と器具本体110との間の固定力(本実施の形態では、光源カバー160をネジ留めすることによる螺合力)を利用して、導通部材170を第一基板11a及び第二基板11bに押し当てることができる。これにより、例えば、導通部材170による第一基板11a及び第二基板11bの間の電気的接続の信頼性が向上する。
また、透光性を有する光源カバー160は、複数の発光素子20(本実施の形態では、発光装置10が備える全ての発光素子20)を覆うように配置されており、導通部材170の一部は、光源カバー160に埋設されている。
つまり、第一基板11a及び第二基板11bの近くに配置される部材である光源カバー160に導通部材170が備えられる。これにより、例えば、光源カバー160の固定力を、導通部材170の第一基板11a及び第二基板11bへの押し当て力として効率よく利用することができる。
また、導通部材170の一部が、光源カバー160に埋設されることで、例えば、導通部材170の厚み(Z軸方向の幅)が比較的に大きい場合であっても、その厚みの少なくとも一部を光源カバー160の肉厚内に吸収することができる。
本実施の形態では、導通部材170は光源カバー160と一体化されている。具体的には、金属製の導通部材170と樹脂製の光源カバー160とがインサート成型されている。これにより、導通部材170を備える光源カバー160を、単一の部品として扱うことができる。このことは、例えば、照明器具100の組み立て効率の向上の観点から有利である。
ここで、本実施の形態に係る導通部材170は、図3及び図4に示すように、本体部171と、本体部171から配置面112の側に突出した第一接続部172a及び第二接続部172bとを有する。また、第一接続部172a及び第二接続部172bのそれぞれには、複数の突起が形成されている。これにより、図4に示すように、第一接続部172aの突起が第一基板11aの電極15aに食い込み、その結果、導通部材170と電極15aとの接触面積の拡大及び接続の信頼性の向上等の効果が得られる。また、第二接続部172bも同様に突起が第二基板11bの電極16bに食い込み、その結果、導通部材170と電極16bとの接触面積の拡大及び接続の信頼性の向上等の効果が得られる。
なお、上記構成を有する導通部材170は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金等の金属体を切削加工することで作製される。このことは、後述する導通部材180等の他の導通部材についても同じである。
また、導通部材170の形状は、図3及び図4に示す形状に限定されない。導通部材170は、例えば金属板を折り曲げることで形成されてもよく、この場合、導通部材170は、電極15a及び電極16bのそれぞれに面接触する部分を有してもよい。
また、導通部材170として、棒状または平板状などの単純な形状の金属体が採用されてもよい。導通部材170の下部の全体が光源カバー160から露出する場合、第一基板11aと第二基板11bとの間に、導通部材170と器具本体110との導通を防ぐための絶縁部材が配置されてもよい。
また、導通部材170が光源カバー160等の固定部材に備えられる場合、固定部材は、例えば、導通部材170を第一基板11a及び第二基板11bに向けて付勢する弾性部材を有してもよい。
図5は、導通部材170を付勢する弾性部材168を有する光源カバー160の一部を示す断面図である。
例えば図5に示すように、光源カバー160に、導通部材170及び弾性部材168を収容する空間を形成する収容部161を設ける。収容部161には弾性部材168及び導通部材170が収容される。なお、導通部材170は、例えば、収容部161の前後方向(Y軸方向)の内面に設けられた爪(図示せず)に引っ掛かることで、通常では、収容部161から取り外れない構造になっている。
また、弾性部材168は、例えば押しばねであり、この場合、弾性部材168は、光源カバー160が器具本体110に固定された場合に、導通部材170が弾性部材168の方向に押し上げられることで縮む。その結果、弾性部材168に復元力が生じ、この復元力によって導通部材170が第一基板11a及び第二基板11bに向けて付勢される。
このように、光源カバー160が、導通部材170を、第一基板11a及び第二基板11bに向けて付勢する弾性部材168を有することで、導通部材170の第一基板11a及び第二基板11bへの押圧状態の維持がより確実化される。
例えば、樹脂製である光源カバー160は、経年劣化等に起因して第一基板11a及び第二基板11bから離れる方向に変形する可能性もある。この場合、縮んでいた弾性部材168はわずかに伸びる。しかし、弾性部材168の長さが自然長まで戻らない限り、弾性部材168が、導通部材170を第一基板11a及び第二基板11bに向けて付勢する状態が維持される。つまり、導通部材170による、第一基板11a及び第二基板11bの電気的な接続の信頼性がより向上される。
なお、弾性部材168の種類に特に限定はなく、つるまきばねもしくは板ばね等の金属製のばね、または、エラストマーで形成された部材等が、弾性部材168として採用され得る。また、導通部材170の一部が、弾性部材168として機能してもよい。つまり、導通部材170と弾性部材168とが一体化されていてもよい。言い換えると、弾性部材168が導通部材170として機能してもよい。例えば、弾性部材168である1つの金属製のばねが、固定部材である光源カバー160に押されることで、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえてもよい。この場合、当該ばねを介して第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続することも可能である。
ここで、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続し、かつ、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる導通部材は、図3及び図4に示される態様とは異なる態様で、照明器具100に備えられてもよい。そこで、以下に、導通部材170に関する各種の変形例を、上記実施の形態1との差分を中心に説明する。
(変形例1)
図6は、実施の形態1の変形例1に係る導通部材180の構成を示す第1の断面図であり、図7は、実施の形態1の変形例1に係る導通部材180の構成を示す第2の断面図である。なお、図6及び図7では、導通部材180およびその周辺の部材のみを図示し、その他の部材の図示は省略されている。このことは、後述する図8〜図11にも適用される。
また、図6では、導通部材180がかしめられる前の状態が図示されており、図7では、導通部材180がかしめられた状態が図示されている。
本変形例に係る導通部材180は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる押さえ部181と、第一基板11a及び第二基板11bの間の位置において当該厚み方向にかしめられた状態で配置された軸部182とを有する。
本変形例に係る導通部材180は、押さえ部181と軸部182とを一体に備える部材である。軸部182の先端面と、器具本体110との間には例えば樹脂またはガラス繊維等を素材とする絶縁部材185が配置されており、これにより、導通部材180と器具本体110との間は電気的に絶縁される。また、器具本体110には、絶縁部材185を収容する凹部112aが形成されている。
このような構成の導通部材180は、例えば、第一基板11a及び第二基板11bのそれぞれが、ネジ等によって器具本体110に固定された状態で、軸部182が、第一基板11a及び第二基板11bの間に挿入されてカシメ機によってかしめられる。その結果、図7に示すように、導通部材180は、押さえ部181が、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる状態となる。具体的には、押さえ部181は、第一基板11aの電極15a及び第二基板11bの電極16bに押し当てられる。
また、軸部182は、かしめられて径方向に膨張することにより、第一基板11a及び第二基板11bに挟まれた状態となる。これにより、導通部材180は、第一基板11a及び第二基板11bの電気的な接続を維持した状態で固定される。
このように、本変形例に係る導通部材180は、第一基板11a及び第二基板11bに対し、カシメ機によって取り付けることができる。つまり、照明器具100への導通部材180の組み込みの自動化が可能である。したがって、導通部材180を備える照明器具100は、効率よく製造することができる。
また、導通部材180が図7に示すように固定された場合、例えば、第一基板11a及び第二基板11bの一方は他方の動きを規制することができる。このことは、第一基板11a及び第二基板11bの器具本体110への固定のための部材(ネジまたは爪等)の数の抑制に寄与する。
また、導通部材180は、光源カバー160等の固定部材が存在していない位置であっても、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続することができる。そのため、導通部材180が固定部材に備えられる場合と比較すると、例えば、導通部材180の配置位置についての自由度が高い。
なお、押さえ部181の、電極15a及び16bに対向する部分のそれぞれに、例えば、実施の形態1に係る導通部材170の第一接続部172a及び第二接続部172bが有するような複数の突起(例えば図3参照)を設けてもよい。これにより、導通部材180と電極15a及び16bとの接触面積の拡大及び接続の信頼性の向上等の効果が得られる。
(変形例2)
図8は、実施の形態1の変形例2に係る導通部材190の構成を示す第1の断面図であり、図9は、実施の形態1の変形例2に係る導通部材190の構成を示す第2の断面図である。なお、図8では、導通部材190が固定される前の状態が図示されており、図9では、導通部材190が固定された状態が図示されている。
本変形例に係る器具本体110は、配置面112の、平面視における第一基板11a及び第二基板11bの間の位置に形成された開口部113と、開口部113に挿入された、固定穴196aを有する雌部材196とを備える。また、導通部材190は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる押さえ部191と、雌部材196の固定穴196aに挿入された状態で固定された軸部192とを有する。
本変形例に係る導通部材190は、押さえ部191と軸部192とを一体に備える部材である。また、雌部材196は、導通部材190と同じく銅または銅合金等の金属を素材とする部材であり、例えば樹脂またはガラス繊維等を素材とする絶縁部材195を介して開口部113に配置されている。具体的には、雌部材196は、絶縁部材195の挿入孔195aに挿入された状態で、開口部113に配置される。
雌部材196が有する固定穴196aの内径は、軸部192が挿入される前において、軸部192の最大外径以下の大きさである。つまり、導通部材190の軸部192は、例えば圧入機によって固定穴196aに圧入され、これにより、導通部材190及び雌部材196が器具本体110に固定される。
また、導通部材190の軸部192が固定穴196aに圧入されることで、導通部材190の押さえ部191は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえる状態となる。具体的には、押さえ部191は、第一基板11aの電極15a及び第二基板11bの電極16bに押してられ、この状態で軸部192が固定される。これにより、導通部材190は、第一基板11a及び第二基板11bの電気的な接続を維持した状態で固定される。
このように、本変形例に係る導通部材190は、第一基板11a及び第二基板11bに対し、圧入機によって取り付けることができる。つまり、照明器具100への導通部材190の組み込みの自動化が可能である。したがって、導通部材190を備える照明器具100は、効率よく製造することができる。
また、導通部材190が図9に示すように固定された場合、導通部材190は、例えば、第一基板11a及び第二基板11bの両方を一括して器具本体110に固定する部材としても機能する。このことは、第一基板11a及び第二基板11bの器具本体110への固定のための部材(ネジまたは爪等)の数の抑制に寄与する。
また、導通部材190は、光源カバー160等の固定部材が存在していない位置であっても、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続することができる。そのため、導通部材190が固定部材に備えられる場合と比較すると、例えば、導通部材190の配置位置についての自由度が高い。
なお、押さえ部191の、電極15a及び16bに対向する部分のそれぞれに、例えば、実施の形態1に係る導通部材170の第一接続部172a及び第二接続部172bが有するような複数の突起(例えば図3参照)を設けてもよい。これにより、導通部材190と電極15a及び16bとの接触面積の拡大及び接続の信頼性の向上等の効果が得られる。
また、本変形例において、導通部材190の軸部192が圧入される固定穴196aは無底の穴であるが、固定穴196aは、下方が閉じられた有底の穴であってもよい。
ここで、固定穴196aが無底の穴である場合、軸部192の先端部分を、器具本体110の裏側(電源回路90が配置されている側)に突出させることも可能である。この場合、例えば、軸部192を利用して、電源回路90からの電力を、第一基板11a及び第二基板11bに供給してもよい。
図10は、実施の形態1の変形例2に係る導通部材190と電源回路90とが接続された構成を示す図である。
図10に示す照明器具100は、複数の発光素子20に電力を供給するための電源回路90を備え、導通部材190の軸部192は、電源回路90と接続されている。
具体的には、導通部材190の軸部192は、器具本体110の裏側に突出した状態で固定されている。また、軸部192の先端部が挿し込まれる位置に、速結端子95が配置されている。速結端子95には、電源回路90の高電位電極及び低電位電極の一方が接続されている。なお、この場合、第一基板11a及び第二基板11bの少なくとも一方には、図示しない電線により、電源回路90の高電位電極及び低電位電極の他方が接続される。
この構成によれば、導通部材190を介して、電源回路90から第一基板11a及び第二基板11b(発光装置10)への電力供給が行われる。また、例えば、電源回路90が収容される回路カバー120の、器具本体110の開口部113に対向する位置に、速結端子95が固定される。この場合、例えば、導通部材190が取り付けられた器具本体110に回路カバー120が取り付けられることで、電源回路90の高電位電極及び低電位電極の一方と、第一基板11a及び第二基板11bとの電気的な接続作業が完了する。
なお、照明器具100は、例えば、導通部材190と速結端子95との組を、もう一組備えてもよい。この場合、2つの導通部材190を介して、電源回路90からの電力を第一基板11a及び第二基板11bに供給することができる。
つまり、2つの速結端子95の一方に、電源回路90の高電位電極を接続し、2つの速結端子95の他方に、電源回路90の低電位電極を接続する。また、図10に示すように、第一基板11aの電極15a及び第二基板11bの電極16bを接続する位置に導通部材190を配置する。さらに、第一基板11aの電極16a及び第二基板11bの電極15bを接続する位置(例えば図2参照)にも、導通部材190を配置する。
また、2つの導通部材190に対向する位置に2つの速結端子95が配置されるように、これら2つの速結端子95を回路カバー120に固定する。これにより、器具本体110への回路カバー120の取付作業を行うことで、電源回路90と、第一基板11a及び第二基板11bとの電気的な接続作業も完了する。つまり、電源回路90と発光装置10とを結線する作業を別途行う必要はない。なお、この場合、第一基板11aの発光素子20群及び第二基板11bの発光素子20群は、例えば並列に接続され、電源回路90からの供給電力によって発光する。
このように、図10に示す照明器具100は、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえ、かつ、一部が器具本体110を貫通して配置される導通部材190を備える。これにより、例えば、電源回路90から第一基板11a及び第二基板11bへの電力供給のための配線(結線)作業を効率化することができる。
(変形例3)
図11は、実施の形態1の変形例3に係る導通部材200の構成を示す断面図である。
本変形例に係る照明器具100が備える第一基板11c及び第二基板11dは、上記実施の形態1に係る第一基板11a及び第二基板11bよりも薄い。具体的には、本変形例に係る第一基板11c及び第二基板11dのそれぞれはフレキシブル基板である。フレキシブル基板は可撓性を有する樹脂シートにプリント配線を施したものであり、厚みが例えば数十μm〜100μm程度の基板である。また、本変形例において、器具本体111は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂により形成されている。
このように比較的に薄い第一基板11c及び第二基板11dに対し、導通部材200が配置されることで、第一基板11c及び第二基板11dの電気的な接続と器具本体111への固定とがなされている。
具体的には、本変形例に係る導通部材200は、本体部201と、本体部201から配置面112の側に突出した第一接続部202a及び第二接続部202bを有する。第一接続部202aは、第一基板11cを貫通した状態で器具本体111に固定されており、第二接続部202bは、第二基板11dを貫通した状態で器具本体111に固定されている。
より詳細には、第一接続部202a及び第二接続部202bそれぞれの先端は、尖った形状を有しており、第一接続部202aは、第一基板11cの電極15a及び基材(樹脂シート)を貫通して器具本体111に刺さっている。また、第二接続部202bは、第二基板11dの電極16b及び基材(樹脂シート)を貫通して器具本体111に刺さっている。これにより、導通部材200は、器具本体111に固定され、かつ、導通部材200により第一基板11c及び第二基板11dが電気的に接続される。また、本変形例では、主として本体部201によって、第一基板11c及び第二基板11dが厚み方向に押さえられる。
上記構成の導通部材200の器具本体111への取り付け作業は、導通部材200を、器具本体111の方向に押圧する機械で行うことが可能である。つまり、照明器具100への導通部材200の組み込みの自動化が可能である。したがって、導通部材200を備える照明器具100は、効率よく製造することができる。
また、導通部材200が図11に示すように固定された場合、導通部材200は、例えば、第一基板11c及び第二基板11dの両方を一括して器具本体111に固定する部材としても機能する。このことは、第一基板11c及び第二基板11dの器具本体111への固定のための部材(ネジまたは爪等)の数の抑制に寄与する。
また、導通部材200は、光源カバー160等の固定部材が存在していない位置であっても、第一基板11a及び第二基板11bを電気的に接続することができる。そのため、導通部材200が固定部材に備えられる場合と比較すると、例えば、導通部材200の配置位置についての自由度が高い。
なお、導通部材200と電極15aとの接触面積を増加させるために、例えば、第一接続部202aの根元に環状の金属板を配置してもよい。同様に、導通部材200と電極16bとの接触面積を増加させるために、例えば、第二接続部202bの根元に、環状の金属板を配置してもよい。また、環状の金属板は、導通部材200と一体化されていてもよく、別部品として、導通部材200に嵌められてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2として、上記実施の形態1の変形例2に係る導通部材190が、発光装置の中央部に配置された照明器具101の構成について説明する。
図12は、実施の形態2に係る照明器具101の構成概要を示す分解図である。なお、図12では、導通部材190の固定に用いられる雌部材196、及び、雌部材196と器具本体115とを絶縁する絶縁部材195の図示は省略されている。その他、回路カバー及び光源カバー等の部材の図示も省略されている。また、図12では、発光装置30は平面図で表されており、導通部材190は側面図で表されており、器具本体115は、開口部118を通る平面における断面図で表されている。
図12に示すように、本実施の形態に係る照明器具101は、器具本体115と、発光装置30と、導通部材190とを備える。発光装置30は、それぞれに複数の発光素子20が配置された第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cを有する。
つまり、照明器具101は、複数の発光素子が配置された第三基板14cであって、配置面116に沿って、第一基板14a及び第二基板14bの少なくとも一方と隣り合うように配置された第三基板14cを備える。本実施の形態では、第三基板14cは、第一基板14a及び第二基板14bのそれぞれと隣り合うように配置されている。
また、導通部材190は、第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cを電気的に接続し、かつ、第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cを厚み方向に押さえる。つまり、本実施の形態に係る導通部材190は、第三基板14cを、第一基板14a及び第二基板14bと電気的に接続し、かつ、第三基板14cを厚み方向に押さえる。
なお、上記の「厚み方向」は、発光装置30が配置面116に配置された場合における第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cの板厚の方向であり、本変形例ではZ軸方向である。
本実施の形態に係る照明器具101は、複数の発光素子20に電力を供給するための電源回路90を備え、導通部材190の軸部192は、電源回路90と電気的に接続される。また、導通部材190は、第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cを厚み方向に押さえる押さえ部191を有する。押さえ部191は、第一基板14aの電極15a、第二基板14bの電極15b、及び、第三基板14cの電極15cに押し当てられる。また、導通部材190は、軸部192を有し、軸部192は、雌部材196の固定穴196aに挿入された状態で固定される(図10参照)。また、軸部192は、器具本体115を貫通し、電源回路90と接続される。
具体的には、導通部材190の軸部192の先端部は速結端子95に挿し込まれる。速結端子95には、電源回路90の高電位電極及び低電位電極の一方が接続されている。この場合、第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14cのうちの少なくとも一つには、図示しない電線により、電源回路90の高電位電極及び低電位電極の他方が接続される。
この構成によれば、図10を用いて説明したように、電源回路90から複数の基板(本実施の形態では第一基板14a、第二基板14b、及び、第三基板14c)への電力供給のための配線(結線)作業を効率化することができる。
また、本実施の形態では、扇形の3つの基板(14a、14b、14c)により、平面視において、全体として円形の発光装置30が形成されており、その円形の中央領域50に、導通部材190の押さえ部191が配置される。つまり、導通部材190は、第一基板14a、第二基板14b及び第三基板14cを一括して器具本体115に固定する部材としても機能する。また、導通部材190は、発光装置30の中央領域50を器具本体115の配置面116に向けて押すため、第一基板14a、第二基板14b及び第三基板14cがバランスよく押さえられる。
なお、照明器具101は、中央領域50以外の位置に、第一基板14a、第二基板14b及び第三基板14cのうちの2枚の基板を電気的に接続する導通部材190を備えてもよい。
例えば、第一基板14a及び第二基板14bの間に、導通部材190の軸部192が挿入されるように導通部材190を配置することで、第一基板14a及び第二基板14bを電気的に接続し、かつ、厚み方向に押さえてもよい。この場合、例えば、第一基板14a及び第二基板14bの間の軸部192を介して電源回路90から発光装置30への電力供給が行われてもよい。
また、導通部材190によって電気的に接続される基板の枚数は3枚には限定されず、2枚であってもよく、また、4枚以上であってもよい。
図13は、導通部材190を中心として4枚の基板が配置されることで構成された発光装置31を示す平面図である。図14は、導通部材190を中心として2枚の基板が配置されることで構成された発光装置32を示す平面図である。
図13に示す発光装置31は、それぞれに複数の発光素子20が配置された、第一基板17a、第二基板17b、第三基板17c、及び第四基板17dを有する。これら4枚の基板(17a、17b、17c、17d)のそれぞれは、略正方形であり、行列状に並べられることで全体として正方形の発光装置31が構成される。
また、発光装置31の中央領域51には、4枚の基板(17a、17b、17c、17d)の電極15a、15b、15c、及び15dが配置され、かつ、導通部材190の押さえ部191(図12参照)が押し当てられる。これにより、例えば、4枚の基板(17a、17b、17c、17d)のそれぞれに、導通部材190を介して電力を供給することができる。
なお、発光装置31に対してさらに1以上の導通部材190を配置してもよい。例えば、第一基板17aと第二基板17bとの間、及び、第三基板17cと第四基板17dとの間のそれぞれに、導通部材190を配置してもよい。これにより、Y軸方向に並ぶ合計3つの導通部材190によって、発光装置31を器具本体115(図12参照)に固定することができる。また、この場合、4枚の基板(17a、17b、17c、17d)それぞれが有する発光素子20群(つまり、4つの発光素子20群)を並列に接続して、これら発光素子20群に、合計3つの導通部材190を介して電源回路90からの電力を供給することが可能である。
また、中央領域51に配置される導通部材190には電源回路90を接続せずに、Y軸方向の両端の導通部材190の一方に電源回路90の低電位電極を接続し、当該両端の導通部材190の他方に電源回路90の高電位電極を接続してもよい。これにより、並列に接続された2枚の基板(17a、17b)の発光素子20群と、並列に接続された2枚の基板(17c、17d)の発光素子20群とを直列に接続して、電源回路90からの電力を供給することができる。
図14に示す発光装置32は、それぞれに複数の発光素子20が配置された、第一基板18a及び第二基板18bを有する。これら2枚の基板(18a、18b)のそれぞれは、平面視における形状が長方形であり、かつ長手方向に並べられることで、平面視においてX軸方向に長尺状の発光装置32が構成される。このような構成の発光装置32は、例えば、直管形LEDランプの光源として採用される。
また、発光装置32の中央領域52には、2枚の基板(18a、18b)の電極15a及び15bが配置され、かつ、導通部材190の押さえ部191(図12参照)が押し当てられる。これにより、2枚の基板(18a、18b)のそれぞれに、導通部材190を介して電力を供給することができる。
なお、発光装置32に対してさらに1以上の導通部材190を配置してもよい。例えば、第一基板18aの右端、及び、第二基板18bの左端のそれぞれに導通部材190を配置してもよい。これにより、X軸方向に並ぶ合計3つの導通部材190によって、発光装置32を長尺状の器具本体(図示せず)に固定することができる。また、この場合、2枚の基板(18a、18b)それぞれが有する発光素子20群(つまり、2つの発光素子20群)を並列に接続して、これら発光素子20群に、合計3つの導通部材190を介して電源回路90からの電力を供給することが可能である。
また、中央領域52に配置される導通部材190には電源回路90を接続せずに、X軸方向の両端の導通部材190の一方に電源回路90の低電位電極を接続し、当該両端の導通部材190の他方に電源回路90の高電位電極を接続してもよい。これにより、第一基板18aの発光素子20群と、第二基板18bの発光素子20群とを直列に接続して、電源回路90からの電力を供給することができる。
(他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態1及び2に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態1及び2に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態1または2に各種の変形を施してもよい。
例えば、実施の形態1において、導通部材170は、固定部材である光源カバー160に押さえられることで、第一基板11a及び第二基板11bを厚み方向に押さえるとした。しかし、導通部材170を押さえる固定部材は、光源カバー以外であってもよい。例えば、電源回路90が、第一基板11a及び第二基板11bの上方(主面12a、12bの側)に配置される場合、電源回路90または電源回路90を覆うカバーによって、導通部材170が押さえられてもよい。
その他、例えば、第一基板11a及び第二基板11b端部のみを器具本体110に向けて押さえることで第一基板11a及び第二基板11bを器具本体110に固定する樹脂部材に、導通部材170が押さえられてもよい。
つまり、第一基板11a及び第二基板11bを器具本体110の方向に押さえ得る位置及び形状を有する部材を、導通部材170を押さえる部材として利用することで、導通部材170のための専用部品を作製する必要がない。
また、光源カバー160等の固定部材に押さえられる導通部材170が、器具本体110を貫通する軸部を有してもよい。この場合、例えば図10に示すように、速結端子95を用いて導通部材170と電源回路90とを電気的に接続することができる。これにより、例えば、電源回路90から第一基板11a及び第二基板11bへの電力供給のための配線(結線)作業を効率化することができる。
また、器具本体110は、アルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材であるとしたが、器具本体110は、PBT等の絶縁性樹脂の成型品であってもよい。器具本体110の素材は、器具本体110耐熱性、強度、または製造コスト等に応じて、適宜決定されてもよい。
また、例えば、固定部材に押さえられる導通部材170と、固定部材を必要としない導通部材180、190、または200とを併用してもよい。例えば、隣り合う2基板の電気的接続のために導通部材170を用い、当該2基板への電力供給のために導通部材190を用いてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、発光素子20としてLEDチップがパッケージ化されたLED素子が例示された。しかしながら、発光素子20は、LEDチップそのものであってもよい。つまり、発光装置30等の発光装置は、基板にLEDチップが直接実装されたCOB(Chip On Board)構造の発光装置であってもよい。
また、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子が、発光素子20として採用されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、及び、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。