本発明を適用した実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172および残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図ともいう)の抽選が実行される作動ゲート(作動口)22が設けられている。センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1の特別図柄(以下、単に第1特図という)の抽選を実行する第1特図始動口23Aが設けてあり、更にその直下位置にはチューリップ式普通電動役物からなり、入球時に第2の特別図柄(以下、単に第2特図という)の抽選が実行される特図の第2特図始動口23Bが設置されている。第2特図始動口23Bは普通電動役物(以下、普電役物または普電という)の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、普図の抽選で当りとなると所定時間開放する構成である。
センターケース200の右側位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り時に開放される第1大入賞口25が設置されている。尚、第1大入賞口25の内部には、遊技球が通過可能な当りゲート26、および当りゲート26への入球を規制する振分部材255が設けられている。
センターケース200の左側斜め下方位置で第1特図始動口23Aの左側位置には複数(4つ)の普通入賞口27が配されている。また、第1特図始動口23Aの直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。また遊技盤2の右下端部には、レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29および普図保留数表示装置291が設けられている。
図3は第1大入賞口25の作動の説明図である。第1大入賞口25は、開閉扉250の開放時に入球した遊技球を装置内へ取り入れる取入口251を備え、これより内部へ取り込まれる。取入口251の直下位置には第1大入賞カウントSW507が設置され、これにより取り込んだ遊技球を検出する。
第1大入賞口25内には下半部の左右両側に、大当りの当り確率を高確率とする「確変」や大当りの当選に有利な「時短」といった特典を機能させるための特定領域である当りゲート26と、特典が機能されない外れゲートとが設置されている。そして、当りゲート26へ向けて遊技球を案内する第1の通路252と、外れゲートへ向けて遊技球を案内する第2の通路253とがそれぞれ左右に設けられ、更に左右方向に揺動可能に設けられた振分部材255により遊技球を第1又は第2の通路252,253へ振り分けるように構成されている。即ち図3(a)に示すように、振分部材255をその先端が右斜め上方へ向く傾斜姿勢とすることで、遊技球を第1の通路252から当りゲート26へ案内する。一方、図3(b)に示すように、振分部材255を左斜め上方へ向く傾斜姿勢とすることで、遊技球を第2の通路252から外れゲートへ案内する。
当りゲート26および外れゲートはそれぞれ遊技球が通過可能な構成である。当りゲート26内には、ゲートを通過する遊技球を検出する特定領域SW508(特定領域検出手段)と、ゲートからの排出を検出する排出SW509(排出検出手段)とが設けられている。外れゲート内には、特定領域を通過せずにハズレとなった遊技球を検出するハズレSW510(ハズレ検出手段)が設けられている。
尚、必ずしも外れゲートは必要なものではなく、第2の通路253を流下するハズレ球をハズレSW510により検出できる構成であればよい。当りゲート26又は外れゲートを通過した遊技球は装置内下端部の開口254から遊技盤内へ取り込まれる。
図4は本パチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図4の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図8では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)および内枠が閉鎖しているか否か検出する前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1特図始動SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2特図始動SW504、普図始動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、第1大入賞口25への入球を検出する第1大入賞カウントSW506、当りゲート26への入球を検出する特定領域SW508、当りゲート26からの排出を検出する排出SW509、外れゲートへの入球を検出するハズレSW510、および普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW511等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29および普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤版中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド512、シャッターソレノイド514および普通電役ソレノイド515が接続されている。そして第1大入賞口ソレノイド512を制御して第1大入賞口25を開放作動せしめる。またシャッターソレノイド514を制御して振分部材255により当りゲート26への第1の通路252を開閉作動せしめ、更に普電役物ソレノイド515を制御して第2特図始動口23Bの普電役物の開閉作動せしめる。主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出するスイッチ524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号および発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射および停止させる。
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタンやジョグダイヤルの操作を検出する遊技SW15などの操作信号が入力される。そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
次にパチンコ機の作動を説明する。パチンコ機は、始動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、普図表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2特図始動口23Bへの入賞が可能となる。
第1又は第2特図始動口23A,23Bへの入賞があると、これらに起因して乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて第1特図又は第2特図の当否判定を行い、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。第1特図又は第2特図の何れのときも判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,28A,28Bに大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する構成である。尚、演出図柄表示装置21には特図に対応する擬似演出図柄が表示される。
大当り遊技は、第1大入賞口25を開放し所定の時間または入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。そして、第1大入賞口25の当りゲート26への入球があれば、大当り遊技後の遊技状態を大当りの当選確率が高確率となる確率変動(確変)遊技および普図の当選が高確率となり普電役物の平均開放時間が長くなり特図の変動時間が短縮される時間短縮(時短)遊技へと移行する基本構成である。
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込
みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1および第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、第1および第2特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、第1および第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、第1および第2特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。図7に示す「始動入賞処理」は、第1特図始動口23A、第2特図始動口23Bに遊技球が入球したとき、又は普図の作動ゲート22を遊技球が通過したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に格納(記憶)する。そして記憶した乱数が予め設定された値か否かについて、当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、各特図始動口23A,23Bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。以後、第1特図始動口23Aに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2特図始動口23Bに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、作動ゲート22を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶とする。尚、本実施形態における記憶可能な保留記憶数は第1保留記憶、第2保留記憶、普図保留記憶、各4個ずつである。
当該「始動入賞処理」は、先ず、第1特図始動SW503により第1特図始動口23Aへの入球を検出したか否か判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S206の処理に移行する。入球が有れば(S200:yes)、主制御装置40に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S201)。上限値であれば(S201:no)、S206に進み、上限値未満であれば(S201:yes)、抽出した大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S202)。
続いて、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S203)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ判定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。これらの判定を行うことによって、記憶した乱数値は遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。S204の処理では、前記先読判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置42に送信し、続くS205の処理で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
次に、S206の処理では、第2特図始動SW504により第2特図始動口23Bへの入球を検出したか否か判定する。入球が無ければ(S206:no)S212の処理に移行する。入球が有れば(S206:yes)、主制御装置40に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S207)。上限値であれば(S207:no)、S212に進み、上限値未満であれば(S207:yes)、抽出した大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S208)。
続いて、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S209)。第1保留記憶と同様に、大当り決定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ判定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。これらの判定を行うことによって、記憶した乱数値は遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。S210の処理では、前記先読判定結果から第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置42に送信し、続くS211の処理で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
次にS212の処理では、普通図柄作動SW505により通過ゲート22の通過があったか否か確認する。ゲート通過が無ければ(S212:no)リターンする。ゲート通過が有れば(S212:yes)、主制御装置40に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S213)。上限値であれば(S213:no)、リターンする。上限値未満であれば(S213:yes)、抽出した当り決定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S214)。加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信し(S215)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1および第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置21上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本パチンコ機では、演出図柄表示装置21では普図の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置42に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物のロング開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図8,9,10,11に基づいて主制御装置40で実行される「特図当否判定処理」について説明する。この処理は、主制御装置40が第1又は第2始動口23A,23Bへの入球時に取得した大当り決定用乱数と抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か確変状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定し、判定結果が大当りなら、大当り図柄決定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し、決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の遊技内容や大当り遊技後の遊技状態の種別が決定される。
図8に示すように特図当否判定処理では先ず、条件装置が未作動か否かを確認する(S300)。これは大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特図の抽選で当選した場合(取得した大当り決定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。条件装置が未作動であれば(S300:yes)、特図が変動停止中であるか否かの確認(S301)、確定図柄の非表示期間であるかであるか否かの確認(S302)が行われる。
S301、S302の両処理が肯定判定なら(S301:yes、S302:yes)、図9のS310に移行し、第2保留記憶があるか否かを確認する。第2保留記憶が有れば(S310:yes)、S312に移行する。第2保留記憶が無ければ(S310:no)、第1保留記憶があるか否かを確認する(S311)。第1保留記憶が無ければ(S311:no)特別遊技処理に移行する。第1保留記憶が有れば(S311:yes)、S312の処理に移行する。このようにS310とS311の処理により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
続くS312の処理では、当否判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。次に、このように減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S313)。
S314の大当り決定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り決定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り決定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/358.1148)用と高確率用(1/37.6855)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の確変状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS315の処理では、S314の比較処理に基づいて当否判定が大当りか否かの確認を行う。大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。続くS317の処理では大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づいて、例えば、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、大当り遊技の開放パターン(ラウンドの総数、第1大入賞口25の開放態様)等の設定がなされる。
大当り図柄は、図12に示すように、第1特図(特別図柄1)では「図柄A,B,C,D」の4種類の図柄から一つの図柄が決定される。第2特図(特別図柄2)では、「図柄E,F,G,H」の4種類の図柄から一つの図柄が決定される。
第1特図の大当り図柄のうち図柄Aおよび図柄Cは20%の割合で選択され、図柄Bおよび図柄Dは30%の割合で選択される。第2特図の大当り図柄のうち図柄Eおよび図柄Gは20%の割合で選択され、図柄Bおよび図柄Dは30%の割合で選択される。各図柄の右欄に示されているのは開始インターバルである。ここで開始インターバルは、大当り図柄が確定表示されてから、第1大入賞口25が開放されるまでの時間を指すものとする。
図9に戻って大当りの設定後、S318で前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ図柄の選択を行う。次にS318の処理に移行して、特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
大当りであってもハズレであってもS318の処理に続いて、S320の処理において、前記当否判定の結果を示すデータ(大当り図柄の種類、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置42に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいて特別図柄を変動表示させる処理を行い、特別遊技処理に移行する。従って、サブ統合制御装置42は前記変動指示コマンドを受信することにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
図8のS301の処理において特図が変動中であれば(S301:no)、図10のS330に移行する。S330の処理において、特図の変動時間(S318で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを確認し、変動時間の経過が確認できれば(S330:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置42に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bを制御してS316又はS319で決定した図柄を確定表示させる(S331)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置42は演出図柄制御装置43に予め決めておいた特図に対応する擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置43は、その信号により演出図柄表示装置21を制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
続くS332の処理において、確定表示した特図が大当り図柄であるか否かを確認する。大当り図柄であれば(S332:yes)、S333の確定図柄表示設定処理において大当りの開始インターバルの設定を行う。この開始インターバルは、図12に示したように大当り図柄及び図柄の変動開始時の遊技状態に基づいて決定される。例えば、大当り図柄が図柄Aであり、図柄の変動開始時の遊技状態が低確率かつ時短無(非時短ともいう)であれば、開始インターバルは10秒となる。また、大当り図柄が図柄Gであり、図柄の変動開始時の遊技状態が高確率かつ時短であれば、開始インターバルは3秒となる。図13には高確率かつ時短無の状態が示されているが、これは仕様上のもので、本実施例の遊技機には存在しない状態となっている。
図10に戻る。S334の処理において前記大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を実行する。続くS335の処理において、遊技状態が確変状態であることを示す「確変フラグ」、および時短フラグをともに「0」にリセットするとともに、確変の継続期間を計る「確変カウンタ」、および時短の継続期間を計る「時短カウンタ」のカウントを「0」にリセットする。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットし、特別遊技処理へ移行する。続くS336のシャッター開放処理では、大当り図柄が確定表示されてから(つまり開始インターバルが開始してから)2秒後に、シャッターソレノイド514を制御して、振分部材255を右斜め上向き姿勢にする。右斜め上向き姿勢にされた振分部材255は、8.5秒経過すると左斜め上向き姿勢に戻される。S332の処理で、大当り図柄でないと判定された場合は(S332:no)、S337の処理で確定図柄を表示する表示時間の設定を行う。続くS338の処理において、確変フラグが「1」であるか否かを確認し、確変フラグが「1」であれば(S338:yes)、確変カウンタを減算し(S339)、減算した確変カウンタの値が「0」あるか否かを確認する(S340)。確変カウンタの値が「0」であれば(S340:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S341)。
続くS342の処理において、時短フラグが「1」であるか否かを確認し、時短フラグが「1」であれば(S342:yes)、時短カウンタを減算し(S343)、減算した時短カウンタの値が「0」あるか否かを確認する(S344)。時短カウンタの値が「0」であれば(S344:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S345)。その後、「特別遊技処理」に移行する。
図8に戻ってS302の処理において確定図柄が表示中であれば(S302:no)、図11に示すS350の処理においてS318の処理で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。表示時間が終了であれば(S350:yes)、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bを制御して特図の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置42に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行う(S351)。その後、特別遊技処理に移行する。
次に主制御装置40が実行する「特別遊技処理」を、図14ないし図17に基づいて説明する。「特別遊技処理」は大当り遊技の進行を制御する処理である。図14に示すように、先ず、大当りフラグに基づいて条件装置が作動しているか否かを確認する(S400)。条件装置が作動していれば(S400:yes)、第1大入賞口25が閉鎖中か否かを確認する(S401)。閉鎖中であれば(S401:yes)、大当り遊技の開始演出中か否かを確認する(S402)。大当り遊技の開始演出中であれば(S402:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを確認する(S403)。この時間が前記開始インターバルに相当する。演出が終了する時間であれば(S403:yes)、第1大入賞口25を開放する大入賞口開放処理(S404)を行い、リターンする。演出が終了する時間でなければ(S403:no)、そのままリターンする。
S402の処理で大当り遊技の開始演出中でなければ(S402:no)、S405の処理においてインターバル中か否か判定する。このインターバルとは、大当り遊技において、第1大入賞口25が閉じてから、再度第1大入賞口25が開放されるまでの時間である。インターバル中であれば(S405:yes)、次にS406の処理においてインターバルが終了する時間か否かを判定する(S406)。終了する時間であれば(S406:yes)、第1大入賞口25を開放する大入賞口開放処理を行い(S408)、リターンする。
インターバルが終了する時間でなければ(S406:no)そのままリターンする。
S405の処理においてインターバル中でなければ(S405:no)、非大当り遊技の終了演出中であるか否かを確認し(S411)、前記終了演出中であれば(S411:yes)、サブ統合制御装置42に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S412)、リターンする。
大当り開始演出処理(S412)では、主制御装置40はサブ統合制御装置42に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、パチンコ機に設けられた各種LED、ランプ113を大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音声をスピーカ112から出力させたりする。また、サブ統合制御装置42は、演出図柄制御装置43に信号を送信し、演出図柄表示装置21において大当り開始演出を表示させる。
S401において第1大入賞口25が開放中であれば(S401:no)、図15のS420に移行する。S420では開放中の大当り遊技が第1ラウンドであるか否かを確認する。第1ラウンドであれば(S420:yes)、S421の処理において、当りゲート26へ遊技球の入球があったことを示す「特典フラグ」が「0」であるか否かを確認する。「特典フラグ」は主制御装置40が記憶する値であり、値が「1」なら既に当りゲート26に遊技球が入球したことを示し、「0」なら当りゲート26に入球していないことを示す。
特典フラグが「0」であれば(S421:yes)、当りゲート26への入球があり特定領域SW508が遊技球を検出したか否か確認し(S422)、そうであれば(S422:yes)、特典フラグに「1」を設定し(S423)、シャッターソレノイド514の駆動を終了して振分部材255を前記左斜め上向き姿勢に戻して第1の通路252を閉じる開放終了処理を行う(S424)。なお、振分部材255を左斜め上向き姿勢にして第1の通路252を閉じることを、単に振分部材255を閉じるともいう。逆に振分部材255を右斜め上向き姿勢にすることを、振分部材255を開放するともいう。
S424の処理、又はS420、S421、S422の否定判定(S420:no、S421:no、S422:no)に続いては、図16のS430に移行する。S430では、作動(開放)中の第1大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(9個)未満か否かを確認する。規定数未満であれば(S430:yes)、第1大入賞口25の最大開放時間が経過したか否かを判定し(S431)、経過していなければ(S431:no)リターンする。
S430の処理で入球数が規定数以上(S430:no)又は、S431の処理で大入賞口の開放時間が経過していなければ(S431:yes)、続くS432の処理において開放中の第1大入賞口25を閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う。S432の処理後は、該処理で終了したラウンドが最終の第13ラウンド目であったか否か確認する(S433)。
第13ラウンド目であれば(S433:yes)、S434の処理においてサブ統合制御装置42に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する。大当り終了演出処理は、S412(図14)の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置40からサブ統合制御装置42に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられた各種LED、ランプ113や演出図柄表示装置21において大当りの終了演出を行うための処理である。続くS435の処理において条件装置の停止処理を行う。S433の処理で開放を終了したラウンドが第13ラウンド目でなければ(S433:no)、インターバル処理を開始し(S436)、リターンする。
S435の処理の後、図17に示すようにS440の処理において、特典フラグが「1」であるか否かを確認する。特典フラグが「1」であれば(S440:yes)、当りゲート26へ遊技球が入球したことが確認され、続くS441の処理において大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態とする確変フラグに「1」をセットするとともに、確変状態の継続期間を計る確変カウンタに「160」をセットする(S442)。これにより大当り遊技終了後、第1又は第2特図の図柄変動が160回に達すまで確変遊技状態となる。また続くS443の処理において大当り遊技終了後に遊技状態を時短状態とする時短フラグに「1」をセットするとともに、時短状態の継続期間を計る時短カウンタに「160」をセットする(S444)。これにより大当り遊技終了後、第1又は第2特図の図柄変動が160回に達すまで時短遊技状態となる。
一方、S440の処理で特典フラグが「1」でなければ(S440:no)、当りゲート26への入球が無いため、続くS445の処理において特典フラグをそれぞれ「0」にリセットし、続くS446の処理において、S441ないしS445の処理で設定された前記大当り遊技後の遊技状態を、演出図柄表示装置21上で報知するための指示信号を、演出図柄制御装置21に送信し、リターンする。
尚、サブ統合制御装置42では、受信した状態指定コマンドに基づいて、各種演出制御を実行する。また前記状態指定コマンドを送信する処理は、当該大当り遊技終了のタイミングに限らず、特図の変動開始時、更に変動終了時にも行うようにしてもよい。このようにすることで、遊技状態の切り替わるタイミングに先立って、変更する状態指定コマンドを送信することができ、サブ統合制御装置42が実行する演出上の不具合を防止することができる。本処理では、大当り遊技で当りゲート26への入球がなければ、確変状態および時短状態にならないが、これに限らず、大当り遊技で当りゲート26への入球がなくても、大当り遊技終了後に時短のみを付与するようにしてもよい。
開始インターバルと、第1大入賞口25および振分部材255の動作との関係について図18を用いて説明する。なお、本図では当りゲート26に入球しないものとして振分部材255の動作を図示している。まず図18(a)は、開始インターバルが10秒の場合の第1大入賞口25と振分部材255の動作を示すタイムチャートである。特別図柄の変動が停止すると確定時間を経て条件装置および役物連続作動装置がオンとなる。この時点(図中のA)から振分装置は動作を開始する。ここで振分装置とは、主制御装置40からのコマンドにより駆動されるシャッターソレノイド514および振分部材255を主要部として構成されるものを指す。振分装置が動作を開始することにより、振分部材255は一定動作を行う。S333の確定図柄表示設定処理において、開始インターバル(初回インターバルともいう)が10秒に設定されると、時点Aから10秒後に第1大入賞口25が開放される。一方、振分部材255は、S336の処理で開始インターバルの開始から2秒後に右斜め上向き姿勢にされ、第1大入賞口25に入賞した遊技球を当りゲート26へ案内する状態となる。この状態を図18では「作動」と表記している。 前述のように、右斜め上向き姿勢にされた振分部材255は、8.5秒経過すると左斜め上向き姿勢にされる。開始インターバルが10秒の場合、第1大入賞口25が開放されるタイミングが左斜め上向き姿勢に戻されるタイミングの2秒+8.5秒−10秒=0.5秒前であるため、第1大入賞口25に入賞した遊技球が当りゲート26に入るのはほぼ不可能である。
図18(b)は、開始インターバルが3秒の場合の第1大入賞口25と振分部材255の動作を示すタイムチャートである。なお、図18(a)との違いを強調するために、正しい縮尺で表現されていない。確定図柄表示設定処理(S333)において、開始インターバルが3秒に設定されると、大当り図柄が確定表示されてから3秒後に第1大入賞口25が開放される。一方、振分部材255は、S335の処理で右斜め上向き姿勢にされるが、これは前述の様に一定動作であり、開始インターバルとは無関係に行われる。開始インターバルが3秒の場合、第1大入賞口25が図18(a)よりも7秒早く開放されるので、第1大入賞口25が開放中かつ振分部材255が当りゲート26側(右斜め上向き姿勢)となっている期間が7.5秒あり、ゲート第1大入賞口25に入賞した遊技球が当りゲート26に入ることが可能となっている。
大当り図柄が、図柄C,D,G,Hのいずれかであった場合は、開始インターバルが3秒であるため、第1大入賞口25および振分部材255の動作は図18(b)のような関係となり、遊技球が当りゲート26に入ることができ、大当り遊技後の状態は確変および時短となる。
一方、大当り図柄が、図柄A,B,E,Fのいずれかであった場合は、各図柄を確定表示することとなる図柄変動の開始時の遊技状態に応じて、大当たり遊技の終了後の遊技状態が決定する。大当り図柄が図柄Aであった場合は、図柄変動の開始時(以下、単に「開始時」という)が時短であれば大当り遊技後は確変および時短となり、開始時が時短でなければ大当り終了後の状態は確変でも時短でもなくなる。大当り図柄が図柄Bまたは図柄Fであれば、開始時が低確率であった場合、大当り終了後の状態は確変でも時短でもなくなり、開始時が高確率であった場合は大当り遊技後に確変および時短となる。大当り図柄が図柄Eであれば、開始時が時短でも高確率でもない場合に限り、大当り遊技後も同じ状態、すなわち時短でも高確率でもない状態となり、それ以外の場合は大当り終了後の状態は確変かつ時短となる。
以上の関係を、大当り遊技中に遊技球が当りゲート26に入ることができる状態になるか否かに関し、特別図柄ごとにまとめたのが図13である。第1特図の場合、開始時が低確率かつ時短無であれば、開始インターバルが3秒となるのは図柄Cと図柄Dの場合であるから、遊技球が当りゲート26に入ることができる状態になる確率は図12により20%+30%=50%となる。なお、低確率かつ時短無の状態を通常状態ともいう。開始時が高確率かつ時短無であれば、開始インターバルが3秒となるのは図柄Bと図柄Cと図柄Dの場合であるから、図12により30%+20%+30%=80%となる。以下、同様にして、開始時が低確率かつ時短(時短有)であれば、図12により20%+20%+30%=70%となり、開始時が高確率かつ時短であれば、図柄がA〜Dのいずれであっても開始インターバルが3秒であるから100%となる。第2特図の場合は、開始時が高確率かつ時短無の場合のみが異なり、図柄がE〜Hのいずれであっても開始インターバルが3秒であるから100%となる。
ところで、通常状態から大当りとなった場合、その大当りは初当りであるが故、殆どの場合、特別図柄1により発生するものとなる。なぜなら通常状態では、普図の当選が低確率であり、普電の平均開放時間も短いため、普電への入賞が困難だからである。しかも、単発打ちは禁止されている店が多いので、大当りが発生した状態では第1保留記憶が存在する場合が多いと考えられる。
前記初当りの当り図柄が図柄Cや図柄D であれば、大当たり後に確変および時短が発生する。時短が発生することにより、普電が長時間開放され、第1特図始動口23Aよりも第2特図始動口23Bに容易に入賞するようになる。しかも、第1特別図柄の保留よりも第2特別図柄の保留の方が優先的に消化されるので、時短が発生すると、主に第2特別図柄が変動し、第2大当り遊技の方が発生しやすい状態となる。開始インターバルを度外視し、確変の発生・非発生に着目すれば、時短無の状態では第1特別図柄が専ら変動し、時短状態では主に第2特別図柄が変動するのは従来の遊技機と同様である。ただし従来の遊技機では、当り図柄により大当り後に確変が発生するか否かが決定されていたので、時短であるか否かに関わらず、大当たり後に同じ遊技状態を発生させる。例えば、低確率かつ時短無で第1特別図柄が当った場合に、図13に示すように50%の確率で確変および時短が発生する仕様であれば、低確率かつ時短有の状態で当っても、確変および時短が発生する確率は50%である。そして高確率かつ時短無で第1特別図柄が当った場合に、80%の確率で確変および時短が発生する仕様(図13参照)であれば、高確率かつ時短有であっても、確変および時短が発生する確率は80%である。
たとえ大当たり後に時短が発生しても、第1大当り遊技が発生してしまう場合がある。なぜなら、第2保留記憶の方が優先的に消化されるとはいえ、大当り後に直ちに普電が長時間開放されるわけではない。特にパチンコ機1では作動ゲート22が遊技領域の左側、第1大入賞口25が遊技領域の右側に存在するので、大当り中に普図保留記憶が新たに発生することは殆どなく、したがって普図保留記憶を全て消化する可能性がある。この場合、普電を開放させるには、大当り遊技の終了後に左打ちに戻し、作動ゲート22に遊技球を通過させ、普通図柄を変動させ、該変動が終了し、普通図柄が当選してやっと普電が開放される。この間に第1特別図柄が変動し、当ってしまう可能性がある。確変状態であるが故、この可能性は決して低くない。そして当り図柄が図柄Aであれば、確変および時短が終了してしまう。
この点、パチンコ機1によれば、大当り直後に時短となった場合には、たとえ図柄Aで当ったとしても、開始インターバルが3秒となるため、第1大入賞口25の開放タイミングと振分部材255の動作タイミングが図18(b)に示したようなものとなり、第1大入賞口25に入賞した遊技球は容易に当りゲート26に到達することができる。また、大当たり後に確変および時短が発生し、第2保留記憶を発生させたとしても、その時点で第1保留記憶が存在したり、その後あらたに第1保留記憶が発生したりする場合もある。こうした場合、トイレなどの理由で遊技機を離れる際には、第2保留記憶が消化され、第1保留記憶も消化されることになる。この場合にも、確変および時短状態であるので第1大当り遊技の開始インターバルは当り図柄によらず3秒となり、第2大当り遊技と同様、大当り後に100%の確率で確変および時短が発生することとなる。
なお、この遊技機は、低確率で時短無の状態では、第1特別図柄と第2特別図柄で確変移行率を同じにすることで、通常時から、第2特別図柄を変動さえても意味がないため、通常状態時に第2特図始動口23Bを狙って、いきなり有利な大当たりを得ようとする、本来とは異なる遊技性を発揮させてしまうのを防ぐことが可能となっている。
また、第2大当たり遊技の方が第1大当たり遊技よりも有利であると、第2特図始動口23Bを狙われる可能性が高くなるが、同じにすることで、遊技者がリスクを冒すメリットがなくなるため、不正の抑止効果も発揮できる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S202およびS208の処理が本発明の「乱数抽出手段」に相当し、第1特図表示装置28Aおよび第2特図表示装置28Bが本発明の「当否判定報知手段」に相当し、S315の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、S404の処理が本発明の「大当り遊技発生決定手段」に相当し、ハズレSW510が本発明の「特定領域以外の箇所」に相当し、S333の処理が本発明の「開始インターバル設定手段」に相当する。
[実施例2]
次に本発明を適用した第2の実施例のパチンコ機について図19〜図21に基づいて説明する。本実施例のパチンコ機の基本構成は、実施例1のパチンコ機のそれとほぼ同一であるため、相違点を中心に説明する。
図19に実施例2のパチンコ機の遊技盤を示す。実施例1との違いは、第2特図始動口23Bの下に第2大入賞口24を備えたことである。第2大入賞口24の内部には当りゲート26に相当する構成はなく、第2大入賞口24に入球した遊技球を第1大入賞口25の当りゲート26に誘導する構成も存在しない。従って、第2大入賞口24に入球したことに起因して確変や時短が大当り後に発生することはない。
図20に実施例2のパチンコ機の電気的構成を示す。実施例1との違いは、主制御装置40に、遊技盤中継端子板531を介して、第2大入賞口24への入球を検出する第2大入賞カウントSW507と、第1大入賞口ソレノイド513が接続されていることである。
図21に実施例2のパチンコ機の特別遊技処理の第1のフローチャートを示す。実施例1との違いは、S406においてインターバルが終了する時間であると判定された場合に第2大入賞口24を開放(S408)する点と、これに伴い、S404が第1大入賞口25を開放する処理であることが明示された点である。つまり、本実施例のパチンコ機では第1ラウンドでは第1大入賞口25を開放し、第2〜第13ラウンドでは第2大入賞口24を開放する。
そして第1ラウンドにおいては、実施例1と同様に図12に従って開始インターバルを設定する。従って、実施例1のパチンコ機と同様の効果を有する。また、このように大入賞口を分けることで、明確に当りゲート26への入球が決定するラウンドであることを把握させることができる。
ここで、第1大入賞口25が本発明の「特定領域を備えた大入賞口」に相当し、第2大入賞口24が本発明の「特定領域を備えない大入賞口」に相当する。
[他の実施例]
前記実施例において用いられた種々の数値は一例であり、当り確率、開始インターバルの値、大当り遊技を構成するラウンド数などは、本発明の趣旨に反さない限りいかようにも変更可能なものである。
前記いずれの実施例においても、開始インターバルが長い(前記実施例では10秒)場合に当りゲート26に入球せず、開始インターバルが短い(前記実施例では3秒)場合に当りゲート26に入球する構成であったが、この長短の関係を逆にしてもよい。また、前記実施例はいずれも特別図柄を第1特図、第2特図の2種類備えた遊技機であったが、1種類のみの遊技機に適用してもよい。
前記実施例では、通常状態において第1大当り遊技後に確変が発生するか否かは、第1ラウンドで当りゲート26に入るか否かにより決定していた(入れば発生)が、これ以外の方法によってもよい。例えば、特定のラウンド(例:第10ラウンド)の開始に起因して、シャッターソレノイド514を動作するようにし、特定のラウンドは第1大入賞口25(実施例2では第2大入賞口24)を、長時間開放(入賞容易)する第1大当りと、短時間開放(入賞困難)する第2大当りを備えることにより、特定のラウンドで確変の移行の有無を決定する構成としてもよい。この当りの種類は、予め定められた大当り図柄により決定され、遊技状態により変化がないものとし、少なくとも、第1特別図柄の入球困難図柄(前記実施例では非時短状態では開始インターバルが10秒となる図柄)が決定された場合においては特定のラウンドで確変か否かを決定できる契機とすることが考えられる。これに反し、開始インターバルの時間により、決定する構成であると1ラウンド目で確変に移行するか否かが分かってしまうため、大当り中に楽しみを出しづらいが、前記のようにすることで、特定のラウンドが経過するまで、確変に移行するか否かを把握できないため、大当たり中に長時間開放する当たりであるか否かといった演出を実行することが可能となる。
このようにしても時短が作動している場合は入球困難図柄の開始インターバルが入球容易なもの(前記実施例では3秒)になるので、時短時に第1特別図柄で当ってしまったとしても、確変に移行しない当りが発生するのを防ぐことができる(第1実施例の構成)。
また、本実施例では、大当たり開始を契機にシャッターソレノイド514が一回当りゲート26へ振り分けを変えるだけであったが、最初の切り替えが終わった後にも予め定められたタイミングで振り分けを切り替えることとしてもよい。この場合、最初の当りゲート26への振り分け時間よりも短い時間とすることが望ましく、当りゲート26への入球は困難であることが望ましい。そして、最初の切り替え時に確変口に入っていなかった場合に、当りゲート26へ入球させることができれば、入球時や所定のラウンド時又は大当たり終了時に確変に移行することを報知することが考えられる。また、この構成は第2実施例においても第1ラウンド以外にも第2大入賞口24を開放するラウンドを備えることで実施できる。
またいずれの実施例においても、当りゲート26を通過すると、確変および時短が発生したが、確変のみが発生する遊技機に本発明を適用してもよい。また、当りゲート26を通過しなかった場合に時短を発生させてもよい。振分部材225は、開始インターバルの開始から2秒後に稼働するものであったが、開始インターバルと同時に稼働するように構成し直してもよい。この態様において、大当り直後に確変を発生させる場合は、開始インターバルをもっと短く(例えば5秒)するか、あるいは振分部材225が開放されている時間をもっと長く(例:20秒)することにより、当りゲート26に入球可能な時間を確保することになる。なお、前記実施例では、図柄の変動開始時の遊技状態が時短か否かに応じて、図柄Aで当った際の開始インターバルが変化したが、時短以外の遊技状態に応じて変化させても構わない。
また、前記実施例では、開始インターバルは長短2種類のみであったが、3種類以上にしてもよい。例えば短い開始インターバルとして3秒、長い開始インターバルとして10秒、中程度の長さの開始インターバルとして7秒を設定する。開始インターバルが3秒、または7秒の場合は当りゲート26に入球可能であり、10秒の場合は入球不可能となる。開始インターバルとして3秒が設定されると、速やかに第1大入賞口25が開放され、ほぼ確実に当りゲート26に入球できるという遊技者の幸運を祝福する演出などを行い、開始インターバルが10秒の場合は、なかなか第1大入賞口25が開放されないことにより当りゲート26に入球するのが困難であることを遊技者に告げる演出などを行う。開始インターバルが7秒の場合は、10秒の場合と同様、なかなか第1大入賞口25が開かず、当りゲート26に入球できないと思わせた後、7秒で第1大入賞口25が開いて当りゲート26に入球可能になった、という復活演出を行うことが考えられる。
また、前記実施例では開始インターバルを、S333の確定図柄表示設定処理において設定していたが、別のタイミングで設定してもよい。例えば、パチンコ機1においては、特別図柄の変動中に遊技状態が変化することがないので、特別図柄の変動開始時の時短フラグに応じて開始インターバルを設定しても、前記実施例と同じ結果となる。従って、図柄変動の開始直前や該開始の直後に設定してもよいし、可能であれば図柄変動中に開始インターバルを設定してもよい。
またいずれの実施例においても、第1大当り遊技と第2大当り遊技の内容の有利さの違いは、当りゲート26に入球可能となる確率(高確率で時短無の場合、第1大当り遊技が80%、第2大当り遊技が100%。なお、それ以外の遊技状態では同じ確率)にあったが、有利さの違いをそれ以外のものにしてもよい。例えば、第2大当り遊技の方が、ラウンド数が多い大当り遊技が多いとか、大当り遊技の終了後に付与される時短の回数が多いとか、これらの組み合わせにしてもよい。第1大当り遊技と第2大当り遊技の間で、確変となる可能性に差がない場合、本発明は、その有利さを得られない代わりに、大当り後の確変を遊技者に付与するものとなる。
更に、本発明は、封入式パチンコ機(パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入されており、該遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、再度発射する遊技機)に適用することも可能である。