JP6701936B2 - 電池状態検出装置、車両、プログラムおよび電池状態検出方法 - Google Patents

電池状態検出装置、車両、プログラムおよび電池状態検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池状態検出装置、車両、プログラムおよび電池状態検出方法に関する。
近年、エンジンで駆動される車両には、アイドリングストップ機能を有するものが増えている。これらの車両においては、車両が停止した際、次にエンジンをクランキング(再起動)する際の蓄電池の状態を推定し、再起動が困難であると推定される場合にはアイドリングストップを行わないようになっている。蓄電池の状態は、蓄電池の電圧、電流等の測定値に基づいて推定されるが、その推定のために、如何なるタイミングの測定値を用いるかが問題になる。
その一例として、下記特許文献1の段落0028には、「まず蓄電装置101の電流Ib・電圧Vbの計測を開始(201)し、大電流放電(スタータ始動)があったことを検知する(202)。その際、電流が所定の最大電流値Imaxまで低下したらクランキング期間が開始されたと判断して電流Ib・電圧Vbのペアの採取を開始し、この採取を電流が所定の最小電流値Iminとなるまでの期間(クランキング期間)の間、継続し、採取した電圧・電流ペア群を記憶する。」と記載されている。
特開2007−223530号公報
上記特許文献1の技術は、蓄電装置101の状態を推定するために、電流値に基づいて、測定値(電圧・電流ペア群)を記憶するタイミング(すなわち、如何なるタイミングの測定値を用いるか)を決定するものである。しかし、電流値の大小に応じてタイミングを決定するよりも、電流値が急峻に、あるいは不連続的に変化したタイミングで測定値を取得し、その測定値を用いる方が蓄電池の状態を正確に推定できることが判明した。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、蓄電池の状態を正確に推定できる電池状態検出装置、車両、プログラムおよび電池状態検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の電池状態検出装置にあっては、蓄電池に流れる電流または前記蓄電池の電圧が、所定時間内に所定値を超える変化があった旨の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する急峻変化条件判定部と、前記急峻変化条件が満たされていることを条件として、前記蓄電池の内部抵抗の前記電流に対する関数である抵抗関数を同定する抵抗関数同定部と、同定された前記抵抗関数R(I)を用いて、前記蓄電池に特定負荷が接続された際の前記電流である特定電流を算出する特定電流算出部と、を有し、前記抵抗関数同定部は、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電流と、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電圧と、高さ方向のスケーリングを調整するスケーリング抵抗とを前記抵抗関数のパラメータとし、前記スケーリング抵抗によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差を求める機能と、前記スケーリング電流を、前記偏差に比例した値で更新し、前記偏差の二乗和が最小になるように前記スケーリング電圧と、前記スケーリング抵抗と、前記スケーリング電流とを求める機能と、
を有することを特徴とする電池状態検出装置。
本発明によれば、蓄電池の状態を正確に推定できる。
本発明の第1実施形態による車両のブロック図である。 電池監視装置のブロック図である。 アイドリングストップ制御ルーチンのフローチャートである。 電池状態監視ルーチンのフローチャートである。 電流Iの波形図の一例である。 (a)SOCが80%、(b)SOCが90%、であるときの電流Iと電圧変化量ΔVの相関図である。 本発明の第2実施形態による車両のブロック図である。 バトラーボルマー方程式による(a)関数F(x)および(b)関数F’(x)のグラフである。
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
次に、図1に示すブロック図を参照し、本発明の第1実施形態による車両1の詳細を説明する。
車両1は、アイドリングストップ機能を有するいわゆるアイドリングストップ車であり、車両1を駆動するエンジン11と、エンジン11に機械的に結合された発電機12と、発電機12から出力された電力を蓄電する蓄電池10と、ライト、空気調和機、スタータ(特定負荷)14a等の電気負荷である補機負荷14と、車両1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit,エンジン制御部、電池状態検出装置)15と、蓄電池10の状態を検知する電池監視装置(電池状態検出装置)30とを有している。蓄電池10としては、例えば鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池等を適用することができる。
ECU15は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアをそれぞれ備えており、ROMには、CPUによって実行されるプログラム(詳細は後述する)や、各種データ等が格納されている。電池監視装置30は、SOC(State of Charge)、SOF(State of Function)等の値を計測する。ここで、SOCとは充電率であり、SOFとはクランキング時(エンジン11の始動時)における蓄電池10の電圧推定値である。
エンジン11を停止させるアイドリングストップ時には、補機負荷14への電力は蓄電池10から供給される。また、車両1の減速時には、タイヤからの回転力で発電機12を回転、動作させ、発電機12によって発生した電気エネルギーを補機負荷14に電力として供給してもよい。また、ECU15は、蓄電池10のSOCが不足している場合には、エンジン11によって発電機12を駆動し、蓄電池10を充電させる。
次に、図2に示すブロック図を参照し、電池監視装置30の詳細構成を説明する。電池監視装置30は、蓄電池10の出力電圧を測定する電圧センサ31と、蓄電池10に流れる電流を測定する電流センサ32と、CPU33と、各種データを格納するRAM34と、CPU33によって実行される制御プログラム(詳細は後述する)を記憶するROM35と、ECU15とCPU33との通信を仲介する通信ドライバ36と、蓄電池10の温度Tを測定する温度センサ37と、を有している。各センサ31,32,37は、ADコンバータを含んでおり、CPU33に対して測定値をデジタル値として供給する。
図2において、CPU33の内部は、上記制御プログラムによって実現される主な機能を示している。急峻変化条件判定部301は、蓄電池10に流れる電流Iが急峻に変化したか否かを判定するものである。抵抗関数同定部302は、蓄電池10の内部抵抗である抵抗関数R(I)(詳細は後述する)を同定するものである。また、クランキング電流算出部(特定電流算出部)304は、クランキング時(エンジン11の始動時)における電流Iすなわちクランキング電流(特定電流)Icを推定するものである。また、電圧推定部306は、クランキング電流Icに基づいてSOFを推定するものである。
ECU15と電池監視装置30とは通信線16を介して接続されている。ここで、通信線16は、CAN(Controller Area Network)等を用いて構成してもよい。また、電流センサ32は、ホール素子やシャント抵抗器等を用いて構成することができる。
〈第1実施形態の動作〉
(ECU15の動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、図3は、ECU15で実行されるアイドリングストップ制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、車両1にキーを差し込み、イグニッションをオンにした際に起動され、キーをオフにするまで継続される。
図3において処理がステップS2に進むと、車両1の車両速度が正値から零値に変化したか否かが判定される。車両1が継続して走行中である場合、あるいは車両1が継続して停止中である場合は「No」と判定され、ステップS2のループが繰り返される。一方、車両速度が正値から零値に変化すると、「Yes」と判定され処理はステップS4に進む。ここでは、ECU15は、電池監視装置30からSOFを受信する。
次に、処理がステップS6に進むと、ECU15は、SOFが所定の最低電圧を超えているか否かを判定する。なお、最低電圧とは、アイドリングストップを許容する最低電圧である。ここで「No」と判定されると、処理はステップS2に戻り、アイドリングを続行したままステップS2が繰り返し実行される。一方、ステップS6において「Yes」と判定されると、処理はステップS8に進み、ECU15はアイドリングをストップする。すなわち、エンジン11を停止させる。
次に、処理がステップS10に進むと、ECU15は、再び、電池監視装置30からSOFを受信する。次に、処理がステップS12に進むと、SOFが最低電圧を超えているか否かが再び判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS14に進み、車両1のブレーキペダルがオフ状態であるか否かが判定される。ここで「No」と判定されると、処理はステップS10に戻る。以後、SOFが最低電圧を超え、ブレーキペダルがオン状態(運転者が踏んでいる状態)である限り、アイドリングストップ状態のままステップS10〜S14のループが繰り返される。
ここで、SOFが最低電圧以下になった場合、またはブレーキペダルがオフ状態になった場合は、処理はステップS16に進み、アイドリングストップ状態が解除される。すなわち、エンジン11が再起動される。その後、処理はステップS2に戻り、上述した動作が繰り返される。
(電池監視装置30の動作)
次に、図4は、電池監視装置30で実行される電池状態監視ルーチンのフローチャートである。本ルーチンも、車両1にキーを差し込み、イグニッションをオンにした際に起動され、キーをオフにするまで継続される。
図4において処理がステップS101に進むと、急峻変化条件判定部301(図2参照)は、現在時刻が測定タイミングに至ったか否かを判定する。なお、「測定タイミング」とは、例えば数ミリ秒程度のサンプリング周期毎のタイミングである。サンプリング周期は、0.1秒以下の周期にすることが望ましく、0.01秒以下の周期にすることがより望ましい。ここで「No」と判定されると、現在時刻が測定タイミングに至るまで、ステップS101にて処理が待機する。
ステップS101において「Yes」と判定されると、処理はステップS102に進み、急峻変化条件判定部301は各種の値を測定する。すなわち、電圧センサ31、電流センサ32、温度センサ37を介して、蓄電池10の電圧V、電流I、温度Tを取得する。次に、処理がステップS103に進むと、急峻変化条件判定部301は、電流変化量ΔI(今回の測定タイミングにおける電流Iから前回の測定タイミングにおける電流Iを減算した値)の絶対値が、電流差閾値ΔIthを超えているか否かを判定する。すなわち、電流Iが急峻に変化したか否かを判定される。以下、この条件(|ΔI|>ΔIth)を「急峻変化条件(|ΔI|>ΔIth)」と呼ぶ。閾値ΔIthは、例えば、20[A]にするとよい。閾値ΔIthは、より好ましくは50[A]以上の値にするとよく、さらに好ましくは100[A]以上の値にするとよい。
急峻変化条件判定部301がステップS103において「Yes」と判定すると、処理はステップS104に進む。ステップS104において、抵抗関数同定部302は、今回の測定タイミングと、前回の測定タイミングにおける電圧V、電流I、温度Tのデータを、RAM34内の所定のバッファ領域に蓄積する。なお、抵抗関数同定部302は、バッファ領域が満杯になると、蓄積されたデータは古い順に破棄する。
次に、処理がステップS106に進むと、抵抗関数同定部302は抵抗関数R(I)をアップデートする。ここで、抵抗関数R(I)とは、蓄電池10の内部抵抗であるが、該内部抵抗は電流Iに応じて変化するため、「抵抗関数」と呼ぶ。
具体的には、抵抗関数R(I)は、下式(1)によって表現される。

R(I)=(V0/I0)×F(I/I0;α)×I0/I+R0 …式(1)
式(1)において、αは定数、V0は縦方向スケーリング電圧I0は横方向スケーリング電流(スケーリング電流)、R0は高さスケーリング抵抗である。また、電流Iは、充電方向を正値とする。また、関数F(x;α)は、「x=exp{−(1−α)F}−exp{−αF}」となる関数である。関数F(x;α)は、バトラーボルマー方程式と呼ばれ、液抵抗分の電圧を示す式である。
式(1)においては、縦方向スケーリング電圧V0および横方向スケーリング電流I0によって縦、横方向のスケーリングを調整し、高さスケーリング抵抗R0で高さ方向のスケーリングを調整する。
ここで、関数F(x;α)の微分値である関数F’(x;α)は下式(2)で表されるため、関数F(x;α)は、下式(3)に示すニュートン法による漸化式で計算することができる。
F’=1/{(1−α)x+exp(−αF)} …式(2)

F[n+1]=F[n]−{exp((1−α)F[n])−exp(−αF[n])−x}/{ (1−α)exp((1−α)F[n])+αexp(−αF[n])} …式(3)

但し、式(3)において、xが関数F(x;α)の変曲点以下である場合は、F[0]=2arcsinh(x/2)とし、xが関数F(x;α)の変曲点を超える場合は、F[0]=ln(|x|)/(1−α)にするとよい。ここで、関数F(x;α)の変曲点は、(2−1/α)×(1/α−1)(2α-1)である。
抵抗関数R(I)のアップデートに際して電流Iが急峻に変化した時のデータを用いる理由は、分極の影響を避けつつ、正確なデータを取得できるためである。ここで、電流Iが急峻に変化する前の電流I、電圧VをIa、Vaとし、電流Iが急峻に変化した後の電流I、電圧VをIb、Vbとすると、電圧誤差をEとしたときのその二乗誤差E2は、下式(4)によって求められる。

2=|V0×{F(Ia/I0;α)− F(Ib/I0;α)}+R0×(Ia−Ib)−(Va−Vb)|2 …式(4)
ステップS106にて「抵抗関数R(I)をアップデートする」とは、望ましくは「V0,I0,R0,αを同定する(最適化する)こと」である。但し、定数αを最適化すると演算時間が不足する場合には、αは所定値、例えば0.69(または0.5から0.9までの値のいずれか)に固定してもよい。定数αを固定すると、式(4)における未知数は、パラメータV0,I0,R0の三者になる。過去のデータも含めて式(4)の二乗誤差の総和を最小にしするならば、過去n回(nは3以上の自然数)の、急峻変化条件が満たされた際のデータを用いて、下式(5)に示す総和誤差Emを最小化させるV0,I0,R0を同定するとよい。ここで、過去n回とは電流不連続な急峻変化条件となるデータの時刻が連続的なものを1群と数え、n群以上のデータを指すものとする。このデータ群の例は後述する。
Em=Σ|V0×{F(Ia(j)/I0;α)− F(Ib(j)/I0;α)}+R0×(Ia(j)−Ib(j))−(Va(j)−Vb(j))|2 …式(5)
(但し、j=1,2,…,n)

換言すると、ステップS106は、抵抗関数R(I)のパラメータV0,I0,R0に基づいて、高さスケーリング抵抗R0によって求めた電圧降下実際の電圧降下との偏差(R0×(Ia−Ib)−(Va−Vb))を求め、横方向スケーリング電流I0を偏差に比例した値(微小値)で更新し、偏差の二乗和(Em)が最小になるように、パラメータV0,I0,R0を求めていることになる。
抵抗関数同定部302は、ステップS106を実行する毎にV0,I0,R0を更新してゆくが、ステップS106を最初に実行する際には、直前のクランキング時のデータ、または前回キーオフした時の値を初期値として用いるとよい。また、横方向スケーリング電流I0の初期値については、所定値(例えば20[A])を用いてもよい。工場出荷時には横方向スケーリング電流I0として所定値(例えば20[A])を設定し、式(5)を繰り返し演算することにより、V0,I0,R0を設定するとよい。
ステップS106が終了すると、処理はステップS101に戻る。以後、急峻変化条件(|ΔI|>ΔIth)が満たされる限り、測定タイミング毎に抵抗関数R(I)がアップデートされる。その後、急峻変化条件が満たされなくなると、ステップS103において「No」と判定され、処理はステップS108に進む。ステップS108では、クランキング電流算出部304(図2参照)は、非定常開放電圧OCVを算出する。ここで、開放電圧とは、蓄電池10が開放状態である場合の電圧Vを指し、非定常開放電圧OCVとは、分極電圧を含めた開放電圧を指す。
非定常開放電圧OCVは、下式(6)によって求められる。

OCV=V−R(I)×I …式(6)

ここで、電圧Vおよび電流Iは、電圧センサ31および電流センサ32で得られた測定値である。抵抗関数R(I)は、式(1)に示した通りである。
次に、処理がステップS110に進むと、クランキング電流算出部304は、下式(7)に基づいて、クランキングにおける電流I(以下、クランキング電流Icという)を推定する。

R(Ic)×Ic+r0×Ic=OCV …式(7)

ここで、r0は、補機負荷14に含まれるスタータ14aの抵抗値(以下、スタータ抵抗値(特定負荷抵抗値)という)である。なお、スタータ抵抗値r0は、配線抵抗を含む値である。スタータ抵抗値r0は、温度Tによって変化するため、クランキング時毎に計算することが望ましい。例えば、直前のクランキング時における電圧Vの最低値を電圧Vstとし、該電圧Vstが現れた際の電流Iを電流Istとすると、スタータ抵抗値r0は「r0=Vst/Ist」によって求めるとよい。
ところで、上式(7)は下式(8)のように変形できるため、式(8)の非線形方程式を解くことにより、クランキング電流Icを求めることができる。

V0×F(Ic/I0;α)+(R0+r0)×Ic=OCV …式(8)
式(8)内のクランキング電流Icは、式(9)に示す、関数x(n)を用いたニュートン法による漸化式で計算することができる。

x(n+1)=x(n)−{exp(x(n))−1+(Ax(n)−B)exp(αx(n))}/{ (1−α)exp(x(n))+α+Aexp(αx(n))} …式(9)
但し、式(9)において、
A=V0/(R0+r0)であり、
B=OCV/(R0+r0)である。
Bが関数F(x;α)の変曲点以下である場合は、x(0)=arcsinh(B/2)/Bとすればよく、Bが関数F(x;α)の変曲点を超える場合は、x(0)=ln(|B|)/(1−α)とするとよい。上述したように、関数F(x;α)の変曲点は(2−1/α)×(1/α−1)(2α-1)である。
クランキング電流算出部304は、「Ic={OCV−V0×x(n+1)}/(R0+r0)」によってクランキング電流Icを推定する。なお、「x(n+1)」は、適切な範囲で式(9)が収束したときの「n+1」である。例えば、|x(n+1)−x(n)|<1e-6の収束条件を充足したときの関数x(n+1)を用いるとよい。
ステップS110においてクランキング電流Icが算出されると、次に処理はステップS112に進み、電圧推定部306は、クランキング電流Icと、スタータ抵抗値r0とに基づいて、下式(10)に基づいてSOF、すなわちクランキング時における電圧Vの推定値を算出する。

SOF=Ic×r0 …式(10)
次に、処理がステップS114に進むと、電圧推定部306は、算出したSOFを出力(送信)する。電圧推定部306は、SOFを通信ドライバ36に記憶させ、ECU15によって、随時読み出すことが可能な状態にする。以上の処理が終了すると、処理はステップS101に戻り、ステップS101以降の処理が繰り返される。
ここで、本実施形態における電流Iの波形図の一例を図5に示す。図5において、時刻t2以前の区間は、アイドリングストップ状態であるとする。この区間では、スタータ14aを除く補機負荷14に小電流が供給されているため、電流Iは零より僅かに小さい値(放電状態)になっている。時刻t2には、アイドリングストップが解除された、すなわちエンジン11の始動が開始されたこととする。スタータ14aに大きな電流が流れるため、電流Iは急激に下がり、時刻t4には電流Iは極小値に達している。ここで、前述した「データ群」とは、t2からt4を1群、t6からt8を1群、t10からt12をそれぞれ1群としたものである。前述した抵抗関数の最適化には過去の3群以上のデータを全て使用する。
エンジン11がクランキングされた後、時刻t6には電流Iが負値から正値(充電状態)に戻り、時刻t8には電流Iに極大値が現れる。すなわち、充電電流が最大になる。時刻t8以降は、蓄電池10のSOCが徐々に上昇するため、電流Iも徐々に低下している。時刻t10には、車両1が停止したため、アイドリングストップが開始される。すなわち、エンジン11が停止するため、電流Iは急峻に低下し、時刻t12には零値に達している。その後は、時刻t2以前と同様に、スタータ14aを除く補機負荷14に小電流が供給される状態になる。
図5において、時刻t2〜t8、時刻t10〜t12の区間は、電流Iの変化が比較的大きいので、ステップS103の急峻変化条件(|ΔI|>ΔIth)が満たされる可能性が多く、ステップS106にて抵抗関数R(I)がアップデートされる傾向が強い。逆に、他の区間は、電流Iの変化が比較的小さいので、急峻変化条件が満たされない可能性が高く、ステップS112にてSOFが算出される傾向が強くなる。
〈実測データ〉
本実施形態によるデータを図6(a),(b)に示す。図6(a),(b)は、SOCがそれぞれ80%、90%であるときに、軽自動車用鉛蓄電池に0[A]から所定の電流I(図示の例では−300〜100[A])までステップ応答させたときの電圧変化量をΔVとし、縦軸に電圧変化量ΔV、横軸を電流Iとした相関図である。
黒塗りの正方形(◆)が実測データであり、実線の曲線がバトラーボルマーの式(関数F(x;α))に基づいて算出した理論値である。図6(a),(b)では、実測データが理論値にほぼ一致していることが判る。この理由として、硫酸による抵抗は液のためバトラーボルマー式に従い、それに線形抵抗(主に金属鉛と二酸化鉛)が直列に繋がっているためであると考えられる。また、定数αは0.5より大きくなるが、その理由は、鉛蓄電池は充電し難いためであると考えられる。
以上のように、本実施形態によれば、急峻変化条件が充足された場合(ステップS103において「Yes」と判定された場合)に、ステップS104〜S106にて抵抗関数R(I)をアップデートし、それ以外の場合にステップS108〜S114を介してSOFを算出するため、精密な抵抗関数(R(I))を得ることができ、蓄電池10の状態を正確に推定できる。
[第2実施形態]
次に、図7に示すブロック図を参照し、本発明の第2実施形態による車両2の詳細を説明する。
本実施形態の車両2は、第1実施形態の車両1における電池監視装置30に代えて、測定部40が設けられている点で相違する。測定部40は、電圧センサ31、電流センサ32、温度センサ37等のセンサ(図1参照)を有しており、これらセンサの検出信号はECU15に供給される。
本実施形態においては、ECU15においてアイドリングストップ制御ルーチン(図3)および電池状態監視ルーチン(図4)が別プロセスで並列して実行される。本実施形態によれば、第1実施形態においてECU15および電池監視装置30の双方で実行されていた処理内容がECU15のみで実行できるため、第1実施形態の効果に加えて、装置の実装スペースを節約できるという効果を奏する。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
○上記各実施形態においては、抵抗関数R(I)をアップデートする急峻変化条件は「|ΔI|>ΔIthが成立すること」であった(ステップS103)。
しかし、電圧Vの変化を測定し、電圧変化量ΔVの絶対値が電圧閾値ΔVthを超える場合に、急峻変化条件を満たすことにしてもよい。
○また、急峻変化条件として、例えば「|dI/dt|>|I|/(R0×C)が成立すること」を適用してもよい。ここで、R0は高さスケーリング抵抗であり、Cは分極容量である。分極容量Cとしては予め設定した値、例えば「100ファラッド」にしてもよい。
○また、「急峻変化条件」は、「所定の期間内であること」であってもよい。ここで、「所定の期間」とは、電流変化量ΔIが閾値ΔIthを超える傾向が強いと予測される期間である。より具体的には、「クランキング中の期間」(図5における時刻t2〜t4)、「クランキングの後、充電に至るまでの期間」(同時刻t4〜t6)、および「アイドリングストップの開始期間」(同時刻t10〜t12)を「所定の期間」として、抵抗関数R(I)をアップデートしてもよい。
また、「上記各期間内(時刻t2〜t4、t4〜t6、t10〜t12)であること」と、「|ΔI|>ΔIthが成立すること」との双方を充足した場合に急峻変化条件が満たされることとしてもよい。
○また、抵抗関数R(I)の同定のためには、特に、絶対値が大きい負値の電流Iが得られる期間のデータを重視することが望ましいため、上記各期間のうち、電流Iが負値である期間のデータのみを用いるようにしてもよい。また、「クランキング中の期間」(同時刻t2〜t4)のデータのみを用いてもよい。なお、特にクランキング中は、複数の測定タイミングで連続して急峻変化条件が満たされる場合が多い。この場合も、測定タイミング毎にステップS104,S106を実行し、抵抗関数R(I)をアップデートしてもよく、連続した複数の測定タイミングのデータを1セットのデータ(セットデータ)として扱ってもよい。
○また、充電状態から放電または電流零になる時には、ガッシングにより抵抗が大きくなることがある。このような場合は、「アイドリングストップの開始期間」(同時刻t10〜t12)は、上記「所定の期間」から除外してもよい。
○上述した式(5)に基づいて総和誤差Emを最小化させることは、計算量が大きくなるため、計算量を削減したい場合には、計算内容を簡略化するとよい。例えば、直近の「クランキング中の期間」、「クランキングの後、充電に至るまでの期間」、および「アイドリングストップの開始期間」の3期間のセットデータを用いて、次の式(11)によって、V0,I0,R0を更新してもよい。
e(j)=V0×{F(Ia(j)/I0;α)− F(Ib(j)/I0;α)}+R0×(Ia(j)−Ib(j))−(Va(j)−Vb(j)),

V0(n+1)=V0(n)−ε×Σe(j)×{F(Ia(j)/I0;α)− F(Ib(j)/I0;α)},

R0(n+1)=R0(n)−ε×Σe(j)×{ Ia(j)−Ib(j)},

1/I0(n+1)=1/I0(n)−ε×V0(n)×Σe(j)×{F’(Ia(j)/I0;α)− F’(Ib(j)/I0;α)}
…式(11)
式(11)は、Σ|e(j)|2が例えば1e-6以下になるまで複数回繰り返す。εは予め定められた微小定数(例えば1e-3)としてもよいし、εはアップデート回数nの逆数としてもよい。V0,I0,R0の初期値は前回のアップデート時の値をそのま使用してもよい。また、αも変化させる場合には式(11)でなく、式(5)をαとI0で偏微分して最急降下またはニュートン法を用いて計算させてもよい。ここでFと、αとI0によるFの偏微分値とは、予め数値的に計算してテーブル等に保持してもよい。
○上述した式(11)は、V0,I0,R0の三者を若干ずつ変化させるものであったが、これに代えて、横方向スケーリング電流I0を若干ずつ変化させ、I0からV0,R0を求めるようにしてもよい。その一例を式(12)に示す。式(12)においては、I0を固定の元とし、最小二乗法でR0,V0を求めるものである。また、式(12)は、R0,V0の二次元連立方程式のため、該連立方程式を解くことでR0,V0を求める。
Figure 0006701936
○上記各実施形態においては、高さスケーリング抵抗R0は可変であることとしたが、例えば、蓄電池10が鉛蓄電池である場合、高さスケーリング抵抗R0は主として金属鉛と二酸化鉛によるものと考えることができる。この場合、高さスケーリング抵抗R0を温度Tの関数として同定し、V0,I0を漸化式に基づいて同定してもよい。より具体的には、これは上式(11)において高さスケーリング抵抗R0を更新しない、ということであるから、上式(12)に代えて、下式(13)を適用するとよい。
Figure 0006701936
○上記各実施形態においては、式(7)、式(8)に基づいてクランキング電流Icを算出する際、分極抵抗値は無視していた。しかし、分極抵抗値を加味したほうが望ましい場合もあるため、分極抵抗値を加味した計算方法について述べる。クランキング時には、車両1,2の車種にもよるが、放電電流が300[A]程度になる。その際、分極によって生じるインピーダンスは、近似的に抵抗成分のみと考えることができる。
その際の分極抵抗値をrとすると、「r×クランキング電流Ic」が、次回のクランキング時における非定常開放電圧OCVの誤差になる。これは、クランキングによって電圧Vが最低電圧となるとき、実績電流Ir、推定電流Ie、抵抗関数R(I)を用いると、下式(14)によって分極抵抗値rを表すことができる。

r=R(I)×(Ie/Ir−1) …式(14)
従って、クランキング後に式(14)に基づいて分極抵抗値rを求め、次回のクランキング時には、上述した式(7)に代えて、下式(15)に基づいてクランキング電流Icを推定するとよい。

R(Ic)×Ic+(r+r0)×Ic=OCV …式(15)

なお、式(15)において、r0はスタータ抵抗値、rはクランキング時の分極抵抗値、OCVは非定常開放電圧である。もしくは、“クランキング時最低電圧補正電圧=OCV推定値×定数1+クランキング中の電荷×定数2+定数3”としてもよい。定数1、定数2、定数3は過去のクランキング時のデータより最小二乗で推定してもよい。クランキング時最低電圧補正電圧の過去実績値とは、クランキング開始電圧―クランキング中最低電圧とし、クランキング中の電荷は、クランキング開始から最低クランキング電圧を与えるまでの電流積分とする。この場合、推定SOFは、式(10)にクランキング時最低電圧補正電圧を加えたものとして出力させる。
○上記各実施形態において、電池監視装置30またはECU15はSOC、SOF等を演算したが、これらに加えてSOH(State Of Health)を算出するようにしてもよい。ここで、SOHとは蓄電池10の劣化状態を表す指標であり、「(満充電容量/初期満充電容量)×100%」で定義される。SOHの計算方法としては、例えば特開2005−259624号公報に掲載されたものを適用するとよい。
○上記各実施形態においては、関数F(x;α)およびその微分である関数F’(x;α)を演算によって求めたが、関数F(x;α)およびF’(x;α)は、テーブルとして、ROM35(図2参照)に記憶させてもよい。定数αを「0.69」に固定した場合における関数F(x)および関数F’(x)のグラフを図8(a),(b)に示す。なお、これらのグラフを表すテーブルには、離散的な値を記憶させ、線形補間またはスプライン補間等を用いて関数F(x)または関数F’(x)を求めるようにしてもよい。
この場合、下式(16)の漸化式によってクランキング電流Icを求めるとよい。

Ic(n+1)=Ic(n)−{V0×F(Ic(n)/I0)+(r0+R0)×Ic(n)−OCV}/{V0×F’(Ic(n)/I0)/I0+(r0+R0)}
…式(16)
○また、抵抗関数R(I)をアップデートする急峻変化条件として、「|ε(I)/ΔI|+|ε(V)/ΔV|<δ/2を満たすこと」を採用してもよい。ここでΔIは、現在の測定タイミングにおける電流Iと前回の(1サンプリング周期前の)電流Iとの偏差である。また、ε(I)は、電流センサ32の誤差であり、例えば0.1[A]である。また、ε(V)は、電圧センサ31の誤差であり、例えば、30[mV]である。誤差ε(I),ε(V)は、量子化誤差、ゲイン誤差、ホワイトノイズ等を含む。但し、オフセット誤差は、計測値の差分でキャンセルされるため、特に考慮しなくてもよい。
また、δは|ΔV/ΔI|の目標誤差であり、例えば5%にするとよい。例えば、ε(I)=0.1[A]、ε(V)=30[mV]、目標誤差δ=0.05とすると、「|0.1/ΔI|+|0.03/ΔV|<0.025」となるとき、急峻変化条件を満たすものと判定される。換言すると、「|0.1/ΔI|+|0.03/ΔV|≧0.025」となる場合のデータを使用すると、抵抗関数R(I)の誤差が大きくなる。但し、目標誤差δは、状況に応じて、10%にしてもよく、20%にしてもよい。
○また、電圧センサ31の誤差ε(V)が小さい場合には、誤差ε(V)を無視し、電流センサ32のε(I)に着目して、抵抗関数R(I)のアップデート条件を定めてもよい。すなわち、「|ε(I)/ΔI|<δ/2を満たすこと」を急峻変化条件として採用してもよい。例えば、誤差ε(I)が0.1[A]であって、目標誤差δを0.01としたとき、「|ΔI|>20[A]」が急峻変化条件になる。換言すると、「|ΔI|≦20[A]」となる場合のデータを使用すると、抵抗関数R(I)の誤差が大きくなる。この場合も、目標誤差δは、状況に応じて、10%にしてもよく、20%にしてもよい。
○上記各実施形態においては、測定タイミング間の電流Iの電流変化量ΔIを用いて急峻変化条件を満たしたか否かを判定したが、微分回路を設けて電流Iの微分値を出力し、「この微分値が所定値を超えたこと」を急峻変化条件としてもよい。
○上記各実施形態におけるECU15、電池監視装置30のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、図3,図4に示したフローチャートに係るプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
○図3,図4に示した処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
[構成・効果の総括]
以上のように、各実施形態における電池状態検出装置(15,30)は、
蓄電池(10)に流れる電流(I)または蓄電池(10)の電圧(V)が、所定時間内に所定値を超える変化があった旨の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する急峻変化条件判定部(301)と、
急峻変化条件が満たされていることを条件として、蓄電池(10)の内部抵抗の電流(I)に対する関数である抵抗関数(R(I))を同定する抵抗関数同定部(302)と、
同定された抵抗関数(R(I))を用いて、蓄電池(10)に特定負荷(14a)が接続された際の電流(I)である特定電流(Ic)を算出する特定電流算出部(304)と、
を有することを特徴とする。
これにより、急峻変化条件が生じた場合に抵抗関数(R(I))を同定することができ、精密な抵抗関数(R(I))を得ることによって蓄電池の状態を正確に推定できる。
また、特定負荷(14a)は、車両(1,2)に搭載されたエンジン(11)を始動するものであり、
特定電流(Ic)は、車両(1,2)が停止した際にエンジン(11)を停止させ、しかる後にエンジン(11)を始動した場合に特定負荷(14a)に流れる電流であり、
電池状態検出装置(15,30)は、
特定電流(Ic)に基づいて、エンジン(11)を始動した際の電圧(V)の推定値である電圧推定値(SOF)を算出する電圧推定部(306)と、
電圧推定値(SOF)に基づいて、起動中のエンジン(11)の停止の可否、または停止しているエンジン(11)の始動の要否を判定するエンジン制御部(15)と、
をさらに有することを特徴とする。
これにより、エンジン(11)の停止の可否、または、停止しているエンジン(11)の始動の要否を適切に判定することができる。
また、急峻変化条件判定部(301)は、
エンジン(11)の始動を開始した後に電流(I)に極小値が現れるまでの期間(t2〜t4)、電流(I)に極小値が現れた後に電流(I)が零になるまでの期間(t4〜t6)、または、エンジン(11)が停止された後に電流(I)が零になるまでの期間(t10〜t12)のうち、一または複数の期間において、急峻変化条件を満たしたものと判定する
ことを特徴とする。
これにより、適切な期間内に抵抗関数(R(I))を同定することができる。
また、抵抗関数同定部(302)は、抵抗関数(R(I))を、バトラーボルマー式に基づいて算出し、
スケーリング電流(I0)と、スケーリング電圧(V0)と、スケーリング抵抗(R0)とを抵抗関数(R(I))のパラメータとし、スケーリング抵抗(R0)によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差(E)を求める機能と、
スケーリング電流(I0)を、偏差(E)に比例した値(微小値)で更新し、偏差(E)の二乗和(Em)が最小になるようにスケーリング電圧(V0)と、スケーリング抵抗(R0)と、スケーリング電流(I0)とを求める機能と、
を有することを特徴とする。
これにより、正確なスケーリング電圧(V0)、スケーリング抵抗(R0)およびスケーリング電流(I0)を求めることができる。
また、特定電流算出部(304)は、蓄電池(10)の非定常開放電圧(OCV)を推定する機能と、非定常開放電圧(OCV)に基づいて特定電流(Ic)を算出する機能と、特定電流(Ic)に基づいて、蓄電池(10)に特定負荷(14a)が接続された際の蓄電池(10)の電圧推定値(SOF)を算出する機能と、
を有することを特徴とする
これにより、エンジン(11)の停止の可否、または、停止しているエンジン(11)の始動の要否を適切に判定することができる。
また、特定電流算出部(304)は、非定常開放電圧(OCV)を、現在の電圧(V)と、現在の電流(I)と、バトラーボルマー式と、スケーリング抵抗(R0)とに基づいて推定する
ことを特徴とする。
これにより、非定常開放電圧(OCV)を正確に推定することができる。
また、特定電流算出部(304)は、特定負荷(14a)に蓄電池(10)を接続した際の蓄電池(10)の電圧(V)と、特定負荷(14a)に流れた実際の電流(I)とに基づいて、特定負荷(14a)の抵抗値である特定負荷抵抗値(r0)を算出する機能を有する
ことを特徴とする。
これにより、特定負荷抵抗値(r0)を正確に算出することができ、蓄電池(10)の状態をより正確に検出することができる。
また、特定電流算出部(304)は、特定負荷(14a)に蓄電池(10)を接続した際に蓄電池(10)に流れる電流(I)と、事前に求めた特定電流(Ic)とに基づいて、蓄電池(10)の分極抵抗値(r)を求める機能と、
分極抵抗値(r)に基づいて、次回に特定負荷(14a)を蓄電池(10)に接続する際の特定電流(Ic)の推定値を更新する
ことを特徴とする。
これにより、特定電流(Ic)を正確に推定でき、蓄電池(10)の状態をより正確に検出することができる。
1,2 車両
10 蓄電池
11 エンジンン
12 発電機
14 補記負荷
14a スタータ(特定負荷)
15 ECU(エンジン制御部、電池状態検出装置)
30 電池監視装置(電池状態検出装置)
301 急峻変化条件判定部(急峻変化条件判定手段)
302 抵抗関数同定部(抵抗関数同定手段)
304 クランキング電流算出部(特定電流算出部、特定電流算出手段)
306 電圧推定部(電圧推定手段)
ΔIth (閾値)
I0 横方向スケーリング電流(スケーリング電流)
Ic クランキング電流(特定電流)
r0 スタータ抵抗値(特定負荷抵抗値)

Claims (12)

  1. 蓄電池に流れる電流または前記蓄電池の電圧が、所定時間内に所定値を超える変化があった旨の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する急峻変化条件判定部と、
    前記急峻変化条件が満たされていることを条件として、前記蓄電池の内部抵抗の前記電流に対する関数である抵抗関数を同定する抵抗関数同定部と、
    同定された前記抵抗関数を用いて、前記蓄電池に特定負荷が接続された際の前記電流である特定電流を算出する特定電流算出部と、
    を有し、
    前記抵抗関数同定部は、
    縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電流と、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電圧と、高さ方向のスケーリングを調整するスケーリング抵抗とを前記抵抗関数のパラメータとし、前記スケーリング抵抗によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差を求める機能と、
    前記スケーリング電流を、前記偏差に比例した値で更新し、前記偏差の二乗和が最小になるように前記スケーリング電圧と、前記スケーリング抵抗と、前記スケーリング電流とを求める機能と、
    を有することを特徴とする電池状態検出装置。
  2. 前記特定負荷は、車両に搭載されたエンジンを始動するものであり、
    前記特定電流は、前記車両が停止した際に前記エンジンを停止させ、しかる後に前記エンジンを始動した場合に前記特定負荷に流れる前記電流であり、
    前記特定電流に基づいて、前記エンジンを始動した際の前記電圧の推定値である電圧推定値を算出する電圧推定部と、
    前記電圧推定値に基づいて、起動中の前記エンジンの停止の可否、または停止している前記エンジンの始動の要否を判定するエンジン制御部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
  3. 前記急峻変化条件判定部は、
    前記エンジンの始動を開始した後に前記電流に極小値が現れるまでの期間、前記電流に前記極小値が現れた後に前記電流が零になるまでの期間、または、前記エンジンが停止された後に前記電流が零になるまでの期間のうち、一または複数の期間において、前記急峻変化条件を満たしたものと判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電池状態検出装置。
  4. 前記抵抗関数同定部は、前記抵抗関数を、バトラーボルマー式に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電池状態検出装置。
  5. 前記特定電流算出部は、前記蓄電池の非定常開放電圧を推定する機能と、前記非定常開放電圧に基づいて前記特定電流を算出する機能と、前記特定電流に基づいて、前記蓄電池に前記特定負荷が接続された際の前記蓄電池の電圧推定値を算出する機能と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
  6. 前記特定電流算出部は、前記非定常開放電圧を、現在の前記電圧と、現在の前記電流と、バトラーボルマー式と、前記スケーリング抵抗とに基づいて推定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電池状態検出装置。
  7. 前記特定電流算出部は、前記特定負荷に前記蓄電池を接続した際の前記蓄電池の前記電圧と、前記特定負荷に流れた実際の前記電流とに基づいて、前記特定負荷の抵抗値である特定負荷抵抗値を算出する機能を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電池状態検出装置。
  8. 前記特定電流算出部は、前記特定負荷に前記蓄電池を接続した際に前記蓄電池に流れる前記電流と、事前に求めた前記特定電流とに基づいて、前記蓄電池の分極抵抗値を求める機能と、
    前記分極抵抗値に基づいて、次回に前記特定負荷を前記蓄電池に接続する際の前記特定電流の推定値を更新する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電池状態検出装置。
  9. 前記急峻変化条件は、0.1秒以下の期間内に、前記蓄電池に流れる前記電流に20アンペア以上の変化が生じたという条件である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
  10. 蓄電池と、
    前記蓄電池を適宜充電するエンジンと、
    前記蓄電池に流れる電流または前記蓄電池の電圧が、所定の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する急峻変化条件判定部と、
    前記急峻変化条件が満たされていることを条件として、前記蓄電池の内部抵抗の前記電流に対する関数である抵抗関数を同定する抵抗関数同定部と、
    同定された前記抵抗関数を用いて、前記蓄電池に特定負荷が接続された際の前記電流である特定電流を算出する特定電流算出部と、
    を有し、
    前記抵抗関数同定部は、
    縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電流と、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電圧と、高さ方向のスケーリングを調整するスケーリング抵抗とを前記抵抗関数のパラメータとし、前記スケーリング抵抗によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差を求める機能と、
    前記スケーリング電流を、前記偏差に比例した値で更新し、前記偏差の二乗和が最小になるように前記スケーリング電圧と、前記スケーリング抵抗と、前記スケーリング電流とを求める機能と、
    を有することを特徴とする車両。
  11. コンピュータを、
    蓄電池に流れる電流または前記蓄電池の電圧が、所定の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する急峻変化条件判定手段、
    前記急峻変化条件が満たされていることを条件として、前記蓄電池の内部抵抗の前記電流に対する関数である抵抗関数を同定する抵抗関数同定手段、
    同定された前記抵抗関数を用いて、前記蓄電池に特定負荷が接続された際の前記電流である特定電流を算出する特定電流算出手段、
    として機能させ、
    前記抵抗関数同定手段を、
    縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電流と、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電圧と、高さ方向のスケーリングを調整するスケーリング抵抗とを前記抵抗関数のパラメータとし、前記スケーリング抵抗によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差を求める手段、
    前記スケーリング電流を、前記偏差に比例した値で更新し、前記偏差の二乗和が最小になるように前記スケーリング電圧と、前記スケーリング抵抗と、前記スケーリング電流とを求める手段、
    として機能させるためのプログラム。
  12. 蓄電池に流れる電流または前記蓄電池の電圧が、所定の急峻変化条件を満たしているか否かを判定する過程と、
    前記急峻変化条件が満たされていることを条件として、前記蓄電池の内部抵抗の前記電流に対する関数である抵抗関数を同定する抵抗関数同定過程と、
    同定された前記抵抗関数を用いて、前記蓄電池に特定負荷が接続された際の前記電流である特定電流を算出する過程と、
    を有し、
    前記抵抗関数同定過程は、
    縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電流と、縦、横方向のスケーリングを調整するスケーリング電圧と、高さ方向のスケーリングを調整するスケーリング抵抗とを前記抵抗関数のパラメータとし、前記スケーリング抵抗によって求めた電圧降下と実際の電圧降下との偏差を求める過程と、
    前記スケーリング電流を、前記偏差に比例した値で更新し、前記偏差の二乗和が最小になるように前記スケーリング電圧と、前記スケーリング抵抗と、前記スケーリング電流とを求める過程と、
    を有することを特徴とする電池状態検出方法。
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