JP6700762B2 - 新規化合物及び高分子分散剤及びトナー - Google Patents

新規化合物及び高分子分散剤及びトナー Download PDF

Info

Publication number
JP6700762B2
JP6700762B2 JP2015240911A JP2015240911A JP6700762B2 JP 6700762 B2 JP6700762 B2 JP 6700762B2 JP 2015240911 A JP2015240911 A JP 2015240911A JP 2015240911 A JP2015240911 A JP 2015240911A JP 6700762 B2 JP6700762 B2 JP 6700762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
polymer dispersant
parts
polymer
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015240911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016113453A (ja
Inventor
仁 板橋
仁 板橋
晴子 久保
晴子 久保
雄平 照井
雄平 照井
祐 吉田
祐 吉田
鈴香 上野
鈴香 上野
淳子 千頭和
淳子 千頭和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Publication of JP2016113453A publication Critical patent/JP2016113453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6700762B2 publication Critical patent/JP6700762B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、顔料や油溶性染料等の様々な不溶性色材(以下、単に「色材」とも記す)の分散に適した高分子分散剤、及びそれを構成するために用いられる新規な化合物、さらにそれら高分子分散剤を用いたトナーに関する。
従来、色材は、溶媒や樹脂等の媒体(以下、単に「媒体」とも記す)中に分散され、インクや塗料、トナーとして使用されている。このような用途においては、色材が媒体中に均一に分散されている必要があるため、高分子分散剤や界面活性剤などの分散剤が一般的に併用されている。
色材用の一般的な分散剤は、色材への吸着性を有する「吸着部位」と、媒体への親和性を有する「分散部位」とで構成されている。それぞれの部位は、色材や媒体に適合するように設計できることから、これまで様々な分散剤が開発され、報告されている。
色材構造をベースにした吸着部位の構造が数多く開発されている。特許文献1では、吸着部位に色材と同じ構造を導入し、色材への吸着力を向上させたものとして、ベンズイミダゾリノン骨格を含む低分子化合物が提案されている。また、特許文献2では、ベンズイミダゾリノン骨格を含む単量体を重合した高分子化合物が提案されている。さらに、特許文献3では、分子内にベンズイミダゾリノン骨格とアゾ基とを併せ持つ部位がグラフトされたポリマーが提案されている。
特開2003−081948号公報 特開2003−238837号公報 特表2009−501253号公報
しかしながら、ベンズイミダゾリノン骨格は剛直であるため、特許文献1で提案された低分子化合物は溶媒への溶解性が低いものであった。一方、特許文献2で提案された高分子化合物はポリマーであるため、溶媒への溶解性は比較的良好である。しかしながら、ベンズイミダゾリノン骨格の他に色材に対して吸着性を示す部位(例えば、エーテル構造、エステル構造、アミド構造、アミン構造、ウレタン構造、又はウレア構造など、色材が有する親水基と水素結合を形成できる部位)が少ないことから、色材への吸着力が比較的弱いものであった。なお、特許文献3で提案されたポリマーの溶媒への溶解性及び色材への吸着力は、いずれも良好である。しかしながら、このポリマーは着色しているため、分散対象となる色材の色味が若干阻害されやすいといった問題があった。
したがって、本発明の課題とするところは、溶媒への溶解性、色材への吸着力、及び色材分散性に優れているとともに、自己着色性が低減された高分子分散剤を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記高分子分散剤を調製するために用いられる新規な化合物を提供することにある。さらに、本発明の他の課題は、適用可能な色材の選択範囲が広く、着色力が高い上記高分子分散剤を含有するトナーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高分子分散剤の吸着部位に特定の構造を導入することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す化合物が提供される。
[1]下記式(1)で表される化合物。
Figure 0006700762
(前記式(1)中、R及びRは、一方が下記式(I−a)、(I−b)、(II−a)、又は(II−b)で表される重合性官能基、−NH、又は−OHであり、
Figure 0006700762
他方が−Hである。)
[3]前記式(1)中、R及びRの一方が−NHである前記[1]に記載の化合物。
また、本発明によれば、以下に示す高分子分散剤が提供される。
[4]前記[2]に記載の化合物である化合物Aに由来するユニットAと、芳香族ビニルモノマーである化合物Bに由来するユニットB、及びアクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCの少なくともいずれかと、を有する高分子分散剤(以下、「第1の高分子分散剤」とも記す)。
[5]前記化合物Aの分子量を基準とする前記ユニットAの含有量をaモル部、前記化合物Bの分子量を基準とする前記ユニットBの含有量をbモル部、及び前記化合物Cの分子量を基準とする前記ユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E1)の関係を満たす前記[4]に記載の高分子分散剤。
0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E1)
[6]前記[3]に記載の化合物である化合物Aと、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットを含む中間体ポリマーとの反応物である、前記化合物Aに由来するユニットAを有する高分子分散剤(以下、「第2の高分子分散剤」とも記す)。
[7]前記中間体ポリマーが、さらに、芳香族ビニルモノマーである化合物Bに由来するユニットBを含む前記[6]に記載の高分子分散剤。
[8]前記中間体ポリマーが、さらに、アクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCを有する[7]に記載の高分子分散剤。
[9]前記化合物Cにおける前記アクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノマーが、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである[8]に記載の高分子分散剤。
[10]前記化合物Aの分子量を基準とする前記ユニットAの含有量をaモル部、前記化合物Bの分子量を基準とする前記ユニットBの含有量をbモル部、及び前記化合物Cの分子量を基準とする前記ユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E2)の関係を満たす前記[8]に記載の高分子分散剤。
0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E2)
[11]結着樹脂、色材、高分子分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記高分子分散剤が、[4]から[10]のいずれか1項に記載の高分子分散剤であることを特徴とするトナー。
本発明の高分子分散剤は、溶媒への溶解性、色材への吸着力、及び色材分散性に優れているとともに、自己着色性が低減されたものである。また、本発明の化合物を用いれば、溶媒への溶解性、色材への吸着力、及び色材分散性に優れているとともに、自己着色性が低減された高分子分散剤を調製することができる。さらに、本発明の高分子分散剤を用いることにより適用可能な色材の選択範囲が広く、着色力が高いトナーを提供することができる。
<新規化合物、高分子分散剤及びトナー>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の高分子分散剤(第1の高分子分散剤)は、下記式(1)で表される化合物である化合物Aに由来するユニットAと、芳香族ビニルモノマーである化合物Bに由来するユニットB及びアクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCの少なくともいずれかと、を有するポリマー(高分子化合物)である。
また、本発明の高分子分散剤(第2の高分子分散剤)は、下記式(1)で表される化合物である化合物Aと、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットを含む中間体ポリマーとの反応物である、化合物Aに由来するユニットAを有するポリマー(高分子化合物)である。以下、下記式(1)で表される化合物(本発明の化合物)のことを、単に「化合物A」とも記す。
Figure 0006700762
前記式(1)中、R及びRは、一方が重合性官能基、−NH、又は−OHであり、他方が−Hである。
(化合物A)
化合物Aを原料として用いて高分子分散剤を合成すると、得られる高分子分散剤の構造中に色材に対する高い吸着性能を示す吸着部位が形成される。以下、その理由について説明する。式(1)に示すように、化合物Aは、色材を構成する構造の1種であるベンズイミダゾリノン骨格をその分子構造中に含む。このため、化合物Aを用いて合成される本発明の高分子分散剤は、色材に対して高い親和性を示す。また、化合物Aは、その分子構造の中央部分にシクロヘキサンジオンが導入されているために対称性が高い。さらに、化合物Aは、その分子構造中にジケトンやアミドに由来するC=O結合及びN−H結合を複数有する。このため、化合物Aを用いて合成される本発明の高分子分散剤は、色材が持つ親水基と強く水素結合することが可能である。したがって、本発明の高分子分散剤は色材に対して高い吸着性を示す。
(R、Rの構造)
一般式(1)中のR及びRは、一方が重合性官能基、−NH、又は−OHであり、他方が−Hである。R及びRの一方が重合性官能基である場合、化合物Aは他のモノマーと共重合することができる。重合性官能基は、反応性の高い官能基であることが好ましく、さらには化合物Aの溶解性に影響しない官能基であることが好ましい。重合性官能基は、下記式(I−a)、(I−b)、(II−a)、又は(II−b)で表されることが好ましい。
Figure 0006700762
及びRの一方が−NH(アミノ基)又は−OH(水酸基)である場合、これらの官能基は、活性水素を含むために高分子化合物に導入(付加)可能な反応点として機能する。化合物Aを合成するときの選択性や活性水素の反応性の観点から、R及びRの一方は−NH(アミノ基)であることが好ましい。
及びRは、一方のみが重合性官能基、−NH、又は−OHであればよい。言い換えると、R及びRの両方が重合性官能基、−NH、又は−OHであることは好ましくない。R及びRの両方が重合性官能基等であると、ベンゼン環上の隣接した位置に反応点を有することになり、立体障害によって反応性が低下しやすくなるためである。
以上の通り、化合物Aの分子構造中にはベンズイミダゾリノン骨格や複数の水素結合性基が存在するため、高分子分散剤の分子構造中の化合物Aに由来するユニットA、Aは、色材に対して高い吸着性を示す部位となる。
(化合物Aの合成方法)
本発明の化合物(化合物A)は、従来公知の合成方法によって合成することが可能である。例えば、以下に示すスキーム(1)、(2)及び(3)にしたがって合成することができる。なお、合成方法における条件、例えば、反応温度、反応時間、使用する溶媒や触媒等の種類、及び合成後の精製方法などは、目的物に合わせて適宜選択すればよい。合成した化合物Aの分子構造は、NMR(核磁気共鳴装置)、IR(赤外分光光度計)、及びMS(質量分析装置)等を用いて同定することができる。
Figure 0006700762
Figure 0006700762
Figure 0006700762
化合物Aの具体例としては、下記式A(1)〜A(9)で表される化合物A(1)〜A(9)を挙げることができる。但し、本発明の高分子分散剤を合成するために用いられる化合物は、以下の化合物A(1)〜A(9)に限定されるものではない。
Figure 0006700762
Figure 0006700762
本発明の高分子分散剤を合成する際に用いる化合物Aとしては、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を用いればよい。なお、1種類の化合物Aを用いてもよいし、異なる構造の化合物Aを複数併用してもよい。
(化合物B)
ユニットB及びBを構成する化合物Bは、色材を分散させる媒体に対して親和性を有する芳香族ビニルモノマーであればよい。化合物Bの具体例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどを挙げることができる。これらの化合物Bは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化合物Bは、使用する媒体によって適宜選択すればよい。
(化合物C)
ユニットC及びCを構成する化合物Cは、色材を分散させる媒体に対して親和性を有するアクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーであればよい。化合物Cの具体例としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ベンジル、およびメタクリル酸、メタクリル酸エステル、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジルなどを挙げることができる。これらの化合物Cは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化合物Cは、使用する媒体によって適宜選択すればよい。
(第1の高分子分散剤の合成方法)
本発明の第1の高分子分散剤は、前述の化合物A(5)〜A(9)のような重合性官能基を有する化合物Aと、化合物B及び化合物Cの少なくともいずれかとを、公知の重合方法により共重合させることによって合成することができる。この重合方法としては、ラジカル重合法、リビングラジカル重合法、アニオン重合法、及びカチオン重合などが挙げられる。なお、合成方法における条件、例えば、反応温度、反応時間、使用する溶媒や触媒等の種類、及び合成後の精製方法などは、目的物に合わせて適宜選択すればよい。第1の高分子分散剤は、化合物Aに由来するユニットAと、化合物Bに由来するユニットB及び化合物Cに由来するユニットCの少なくともいずれかとが、ランダム状態で存在するものであっても、ブロック状態で存在するものであってもよい。得られた第1の高分子分散剤の構造等については、NMRやIRによる官能基の定性・定量、及び各種クロマトグラフィーによる解析などで同定することができる。
(第1の高分子分散剤の物性)
本発明の第1の高分子分散剤は、化合物Aの分子量を基準とするユニットAの含有量をaモル部、化合物Bの分子量を基準とするユニットBの含有量をbモル部、及び化合物Cの分子量を基準とするユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E1)の関係を満たすことが好ましい。
0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E1)
本発明の第1の高分子分散剤は、上記式(E1)の関係を満たすことで、吸着部位の量と分散部位の量とのバランスが良好となる。このため、色材への高い吸着力と、媒体中での色材の安定した分散性とを達成することができる。
(第2の高分子分散剤の合成方法)
本発明の第2の高分子分散剤は、前述の化合物A(1)〜A(4)のような、−NHや−OH等の活性水素を含む官能基を置換基として有する化合物Aを、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットを含む中間体ポリマーに反応させることによって合成することができる。例えば、予め重合して得られたユニットB及びアクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットを有する中間体ポリマーのうち、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットの少なくとも一部に化合物Aを反応させれば、ポリマー鎖中に化合物Aに由来するユニットAを導入することができる。上記中間体ポリマーは、さらに、アクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCを有していてもよい。この化合物Cにおけるアクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであることが好ましい。
化合物Aの使用量(モル数)を、中間体ポリマー中のアクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットのモル数よりも少なくすることで、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットの一部にユニットAを導入することができる。
第2の高分子分散剤は、化合物Aに由来するユニットAと、化合物Bに由来するユニットBと、化合物Cに由来するユニットCとが、ランダム状態で存在するものであっても、ブロック状態で存在するものであってよい。得られた第2の高分子分散剤の構造等については、NMRやIRによる官能基の定性・定量、及び各種クロマトグラフィーによる解析などで同定することができる。
(第2の高分子分散剤の物性)
本発明の第2の高分子分散剤は、化合物Aの分子量を基準とするユニットAの含有量をaモル部、化合物Bの分子量を基準とするユニットBの含有量をbモル部、及び化合物Cの分子量を基準とするユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E2)の関係を満たすことが好ましい。
0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E2)
本発明の第2の高分子分散剤は、上記式(E2)の関係を満たすことで、吸着部位の量と分散部位の量とのバランスが良好となる。このため、色材への高い吸着力と、媒体中での色材の安定した分散性とを達成することができる。
上記のa、b、c、a、b及びcの値は、高分子分散剤のGPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィ)測定及びNMR測定により算出することができる。具体的には、GPCにより算出される高分子分散剤の重量平均分子量と、H−NMRにより算出される各ユニットの比とから算出することができる。
本発明の高分子分散剤の重量平均分子量は、5,000〜200,000であることが好ましく、7,000〜50,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000以上である場合、分散剤の排除体積効果により色材間凝集を抑制できるため、着色力が向上しやすい。一方、重量平均分子量が200,000以下では、分散剤を介した色材同士の架橋が起こりにくいため、着色力が向上しやすい。より好ましくは、7,000以上50,000以下の範囲である。分散剤の重量平均分子量は、重合時における温度や反応時間を変更することにより、制御できる。
(色材)
本発明の高分子分散剤を用いれば、媒体と、この媒体中に高分子分散剤によって分散された色材とを含有する色材分散体を製造することができる。本発明の高分子分散剤を適用しうる好適な色材としては、従来公知の不溶性色材などがある。色材の具体例としては、ブラック/イエロー/マゼンタ/シアン系の顔料や油溶性染料を挙げることができる。
ブラック系の顔料及び油溶性染料の具体例としては、以下商品名で、Raven760Ultra、Raven1060Ultra、Raven1080、Raven1100Ultra、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500Ultra、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000ULTRAII、Raven1190ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製);
BlackPearlsL、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1300、Monarch1400(以上、キャボット社製);
ColorBlackFW1、ColorBlackFW2、ColorBlackFW200、ColorBlack18、ColorBlackS160、ColorBlackS170、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack6、SpecialBlack550、Printex35、Printex45、Printex55、Printex85、Printex95、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上、デグッサ社製);
No.25、No.33、No.40、No.45、No.47、No.52、No.900、No.970、No.2200B、No.2300、No.2400B、MCF−88、MA600、MA77、MA8、MA100、MA230、MA220(以上、三菱化学社製)等の顔料、C.I.ソルベントブラック3、5、7、8、14、17、19、20、22、24、26、27、28、29、43、45等を挙げることができる。
イエロー系の顔料及び油溶性染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物等を挙げることができる。より具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180等の顔料;C.I.ソルベントイエロー1、2、3、13、14、19、21、22、29、36、37、38、39、40、42、43、44、45、47、62、63、71、76、79、81、82、83:1、85、86、88、151等の油溶性染料を挙げることができる。
マゼンタ系の顔料及び油溶性染料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等をあげることができる。より具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等の顔料;C.I.ソルベントレッド8、27、35、36、37、38、39、40、49、58、60、65、69、81、83:1、86、89、91、92、97、99、100、109、118、119、122、127、218等の油溶性染料を挙げることができる。
シアン系の顔料及び油溶性染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等を挙げることができる。より具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等の顔料;C.I.ソルベントブルー14、24、25、26、34、37、38、39、42、43、44、45、48、52、53、55、59、67、70等の油溶性染料を挙げることができる。これらの顔料及び油溶性染料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(媒体)
本発明の分散剤を用いれば、媒体と、この媒体中に分散剤によって分散された色材とを含有する色材分散体を製造することができる。色材を分散させる媒体の種類は特に限定されず、インクや塗料、トナーに従来使用されている非水溶性有機溶媒、水や水溶性有機溶媒、重合性単量体、及び樹脂等を、単独又は混合して用いることができる。
前記媒体として使用可能な非水溶性有機溶媒の具体例としては、トルエン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン等を挙げることができる。
水溶性有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等のジオール類;1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール等のトリオール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;グリセリン、ジメチルスルホキシキド、グリセリンモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジアセトンアルコール、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
前記媒体として使用可能な重合性単量体の具体例としては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン等のエン系単量体、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、アクリル酸アミドまたはメタクリル酸アミド等のアミド系単量体などを挙げることができる。
(添加剤)
本発明の高分子分散剤を使用して得られる色材分散体には、上記した成分の他に、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤などの各種の添加剤を添加してもよい。
(高分子分散剤の使用比率)
上記のような色材を媒体中に分散させる際に用いる高分子分散剤の量は、色材100質量部に対して、0.05質量部〜200質量部であることが好ましく、0.1質量部〜100質量部であることがさらに好ましい。
(トナー)
本発明のトナーについて説明する。本発明のトナーは結着樹脂、色材と前記高分子分散剤とを含有するトナー粒子を有するトナーである。
本発明のトナーに用いることができる色材は、前記本発明の高分子分散剤に適用可能な色材と同様のものが使用可能である。
また本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、ビニル系樹脂、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及び、それらの部分構造が結合した複合樹脂など公知の樹脂を用いることができる。
ビニル系樹脂は、ラジカル重合が可能なビニル系単量体を重合することにより得られる樹脂である。
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及びp−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及びジビニルエーテルが挙げられる。
これらは単独あるいは二種以上組み合わせて使用することができる。
また、ポリエステル樹脂を生成するために用いられるモノマーとしては、上記分散剤の分散部位がポリエステル構造である場合において説明した多価カルボン酸とポリオールが用いられる。
さらに本発明で用いることができる結着樹脂としては、前記ポリマーの部分構造が共存した複合ポリマーを挙げることができる。具体的には、ポリエステル主鎖にビニル系ポリマー構造がグラフト化する場合、あるいはポリエステル構造とビニル系ポリマー構造がブロックで結合した構造を有する複合ポリマーを挙げることができる。
(色材分散体の製造方法)
色材分散体は、例えば、本発明の高分子分散剤と色材を媒体中で混練することによって製造することができる。なお、以下に示す方法によって色材分散体を製造すると、色材への高分子分散剤の吸着性がより向上し、安定性の高いものとなるために好ましい。
まず、高分子分散剤と色材を媒体中で混練し、高分子分散剤中の化合物Aに由来するユニットAまたはAで構成される吸着部位を色材表面に吸着させる。次いで、分散機を使用して機械的せん断力を加えることで、色材を均一な微粒子に分散させる。媒体が有機溶媒である場合には、必要に応じて有機溶媒を減圧などの常法にて除去し、高分子分散剤を色材表面に固定化してもよい。また、媒体が重合性単量体である場合には、必要に応じて重合性単量体を重合し、高分子分散剤を色材表面に固定化してもよい。さらに、必要に応じて濾過、遠心分離、及び乾燥などを行えば、色材分散体を得ることができる。
(分散機)
色材分散体を製造する際に用いる分散機の種類は特に限定されず、一般に使用されている分散機を使用することができる。分散機の具体例としては、ボールミル、ビーズミル、超音波分散機、ペイントシェーカー、サンドミル、ホモジナイザー、振動ボールミル、ロールミル、ホモミキサー、商品名「マイクロフルイダイザー」(マイクロフルイデックス社製)、商品名「ナノマイザー」(ナノマイザー社製)等を挙げることができる。
(トナーの製法)
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナー粒子は、例えば以下の公知の方法により製造可能である。結着樹脂を得るための重合性単量体、色材、高分子分散剤、及び必要に応じて離型剤等を含む重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁させて、重合性単量体を重合する懸濁重合法。結着樹脂、色材、高分子分散剤などを含有する各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法。結着樹脂を乳化して分散した分散液と、色材及び高分子分散剤の分散液並びに必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法。結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、色材及び高分子分散剤の分散液並びに必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法。結着樹脂、色材、高分子分散剤及び必要に応じて離型剤等の溶液を水系媒体中に懸濁させて造粒する溶解懸濁法。
また、本発明のトナーは、荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物などの有機金属化合物、スルホン酸基やカルボキシ基を有する荷電制御樹脂などが挙げられる。
本発明において、トナーの画質向上のために、外添剤がトナー粒子に外部添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、または酸化アルミニウム微粉体のような無機微粉体が好適に用いられる。これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物の疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、本発明のトナーは必要に応じて、前記以外の外添剤をトナー粒子に混合してもよい。
無機微粉体の総添加量は、トナー粒子100.0質量部に対して、1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、文中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
<化合物Aの合成>
以下に示す手順にしたがって、表1に示す構造を有する化合物A(1)〜A(9)を合成した。合成した中間体及び目的物の分子構造は、NMR(核磁気共鳴装置、商品名「ECA400」、日本電子社製)を用いて確認した。
Figure 0006700762
(化合物A(1)の合成)
[中間体(1)の合成]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、セプタムラバー、及び温度計を取り付けた3つ口フラスコ内で、1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジカルボン酸ジメチル2.28部(0.010モル)及び5−アミノ−2−ベンズイミダゾリノン1.49部(0.010モル)をN,N−ジメチルホルムアミド20.0部(0.274モル)に溶解させた。その後、加熱したオイルバスに3つ口フラスコを設置し、内温を100℃として反応を開始した。8時間反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去し、得られた残渣に水50部(2.78モル)を投入した。析出物をろ過して、下記式で表される中間体(1)を得た(収率85%)。
Figure 0006700762
[化合物A(1)の合成]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、及び温度計を取り付けた3つ口フラスコ内に、中間体(1)1.73部(5.01ミリモル)、1,3−フェニレンジアミン1.62部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド20.0部(0.274モル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに3つ口フラスコを設置し、内温を100℃として反応を開始した。8時間反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去し、得られた残渣に水50.0部(2.78モル)を投入した。析出物をろ過して化合物A(1)を得た(収率82%)。
(化合物A(2)の合成)
1,3−フェニレンジアミンを1,4−フェニレンジアミンに変更したこと以外は、前述の「化合物A(1)の合成」と同様の方法で化合物A(2)を合成した。
(化合物A(3)の合成)
1,3−フェニレンジアミンをm−アミノフェノールに変更したこと以外は、前述の「化合物A(1)の合成」と同様の方法で化合物A(3)を合成した。
(化合物A(4)の合成)
1,3−フェニレンジアミンをp−アミノフェノールに変更したこと以外は、前述の「化合物A(1)の合成」と同様の方法で化合物A(4)を合成した。
(化合物A(5)の合成)
撹拌子を入れたナス型フラスコ内に、化合物A(1)2.11部(5.01ミリモル)、ピリジン1.19部(15.0ミリモル)、及びN,N−ジメチルホルムアミド20.0部(0.274モル)を入れた後、ガラス製三方コックで密栓した。撹拌して内容物が溶解状態となったことを確認した後、氷水冷却した。冷却した溶液を引き続き撹拌しながら密栓を解除し、メタクリロイルクロリド0.784部(7.50ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下後、速やかに密栓して引き続き撹拌し、氷冷下で30分反応させた後、室温で2時間反応させた。反応後、水1.00部(55.6ミリモル)を添加して過剰なメタクリル酸クロリドをメタクリル酸とした後、反応液を減圧留去した。残渣に水50.0部(2.78モル)を投入し、析出物をろ過して化合物A(5)を得た(収率78%)。
(化合物A(6)の合成)
化合物A(1)を化合物A(3)に変更したこと以外は、前述の「化合物A(5)の合成」と同様の方法で化合物A(6)を合成した。
(化合物A(7)の合成)
化合物A(1)を化合物A(3)変更したこと、及びメタクリロイルクロリドをアクリロイルクロリドに変更したこと以外は、前述の「化合物A(5)の合成」と同様の方法で化合物A(7)を合成した。
(化合物A(8)の合成)
メタクリロイルクロリドをアクリロイルクロリドに変更したこと以外は、前述の「化合物A(5)の合成」と同様の方法で化合物A(8)を合成した。
(化合物A(9)の合成)
化合物A(1)を化合物A(2)に変更したこと以外は、前述の「化合物A(5)の合成」と同様の方法で化合物A(9)を合成した。
<高分子分散剤の合成>
(実施例1:高分子分散剤P1)
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、スチレン15.6部(0.150モル)、化合物A(5)7.34部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド50部(0.560モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル0.270部(1.64ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィ、商品名「HLC8220」、東ソー社製)で分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止して高分子分散剤P1を得た。
得られた高分子分散剤P1を貧溶媒であるメタノール中で固液分離して精製した後、NMR及びGPC(検出器RIと検出器UVの2種類を測定した)を用いて重量平均分子量を測定した。また、分光光度計(商品名「U−3310」、日立社製)を用いて380nmにおけるUV吸収量を測定し、化合物A(5)の分子量を基準とするユニットAの含有量a(モル部)を算出した。さらに、スチレンの分子量を基準とするユニットBの含有量b(モル部)及びa/(b+c)の値を算出した。算出した結果を表2に示す。また、得られた高分子分散剤P1のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
(実施例2:高分子分散剤P2)
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、化合物A(5)7.34部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド50部(0.684モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル0.270部(1.64ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。NMR及びGPCによりモニタリングしながら重合を進め、化合物A(5)が70%消費されたことを確認した後、スチレン15.6部(0.150モル)を投入し、さらに内温80℃で撹拌した。GPCで分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止して高分子分散剤P2を得た。
得られた高分子分散剤P2を貧溶媒であるメタノール中で固液分離することによって精製し、NMR及びGPCを用いて重量平均分子量(検出器RIと検出器UVの2種類を測定した)を測定した。また、分光光度計を用いて高分子分散剤P2の380nmにおけるUV吸収量を測定し、化合物A(5)の分子量を基準とするユニットAの含有量a(モル部)を算出した。さらに、スチレンの分子量を基準とするユニットBの含有量b(モル部)及びa/(b+c)の値を算出した。算出した結果を表2に示す。得られた高分子分散剤P2のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。なお、化合物A(5)が70%消費されるまで単独重合したことから、化合物A(5)に由来するユニットAの一部はブロック状態であると考えられる。このため、表2中、高分子分散剤P2のポリマータイプは「ブロック」と表記した。
(実施例3〜20及び36〜46:高分子分散剤P3〜P20及びP36〜P46)
表2に示す種類(名称)の化合物A、化合物B、及び化合物Cを、それぞれの量を適宜変更して使用したこと以外は、前述の「実施例1:高分子分散剤P1」と同様の方法で高分子分散剤P3〜P20及びP36〜P46を合成した。合成した各高分子分散剤のユニットAの含有量a(モル部)、ユニットBの含有量b(モル部)、ユニットCの含有量c(モル部)、ポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
Figure 0006700762
(実施例21:高分子分散剤P21)
[Step1]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、スチレン15.6部(0.150モル)、メタクリル酸1.29部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド50部(0.560モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル0.270部(1.64ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィ、商品名「HLC8220」、東ソー社製)で分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止して中間体ポリマー(1)を得た。得られた中間体ポリマー(1)を貧溶媒であるメタノール中で固液分離して精製した。NMR及びGPC(検出器RIと検出器UVの2種類を測定した)を用いて中間体ポリマー(1)を分析したところ、重量平均分子量は15,000であった。
[Step2]
撹拌子を入れたナス型フラスコ内に中間体ポリマー(1)5.00部(0.333ミリモル)とトルエン50.0部(0.543モル)を投入し、ガラス製三方コックで密栓した。撹拌して内容物が溶解状態となったことを確認した後、窒素置換してから氷冷して撹拌した。反応容器の密栓を解除して塩化オキサリル1.27部(10.0ミリモル)を滴下後、速やかに密栓して引き続き撹拌した。氷冷下で30分反応させた後、室温で2時間反応させた。N,N−ジメチルホルムアミド30.0部(0.410モル)を投入した後、トルエンと過剰な塩化オキサリルを減圧留去し、反応液中の溶媒をN,N−ジメチルホルムアミドに置換した。ガラス製三方コックで密栓した後、反応容器を氷浴内に設置して冷却しながら撹拌した。反応容器の密栓を解除して化合物A(1)1.60部(3.80ミリモル)を投入した。速やかに密栓し、引き続き撹拌して氷冷下で30分反応させた。その後、室温で2時間反応させて高分子分散剤P21を得た。
得られた高分子分散剤P21を貧溶媒であるメタノール中で固液分離して精製した後、NMR及びGPC(検出器RIと検出器UVの2種類を測定した)を用いて重量平均分子量を測定した。また、分光光度計を用いて高分子分散剤P21の380nmにおけるUV吸収量を測定し、化合物A(1)の分子量を基準とするユニットAの含有量a(モル部)を算出した。さらに、スチレンの分子量を基準とするユニットBの含有量b(モル部)及びa/(b+c)の値を算出した。算出した結果を表4に示す。また、得られた高分子分散剤P21のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表4に示す。
(実施例22〜35:高分子分散剤P22〜P35)
Step1で用いた中間体ポリマー及びStep2で用いた化合物Aを、それぞれの量と種類を適宜変更して使用したこと以外は、前述の「実施例21:高分子分散剤P21」と同様の方法で高分子分散剤P22〜P35を合成した。使用した中間体ポリマーの組成を表3に示す。また、合成した各高分子分散剤のユニットAの含有量a(モル部)、ユニットBの含有量b(モル部)、ユニットCの含有量c(モル部)、ポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表4に示す。
Figure 0006700762
Figure 0006700762
(比較例1〜4:高分子分散剤P47〜P50)
表5に示す種類(名称)の化合物A、化合物B、及び化合物Cを、それぞれの量を適宜変更して使用したこと以外は、前述の「実施例1:高分子分散剤P1」と同様の方法で高分子分散剤P47〜P50を合成した。高分子分散剤P49に関しては、GPCの検出器RIの測定値から重量平均分子量を算出した。これは、他の高分子分散剤のGPCの検出器RIのデータと検出器UVのデータの相関関係にズレがなかったことから使用した。高分子分散剤P47、P48及びP50については、NMR及びGPC(検出器RIと検出器UVの2種類を測定した)を用いて重量平均分子量を測定し、各高分子分散剤のユニットAの含有量a(モル部)、ユニットBの含有量b(モル部)、ユニットCの含有量c(モル部)を算出した。これらのユニットAの含有量a(モル部)、ユニットBの含有量b(モル部)、ユニットCの含有量c(モル部)、ポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表5に示す。
Figure 0006700762
(比較例5:分散剤P51)
[化合物Xの合成]
特許文献1(特開2003−081948号公報)の合成例1の記載を参考にして、下記式(X)で表される化合物Xを合成した。
Figure 0006700762
[メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマーの合成]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、メタクリル酸ベンジル127部(0.720モル)、メタクリル酸24.1部(0.280モル)、N,N−ジメチルホルムアミド500部(6.84モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル3.31部(20.1ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。GPCで分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止し、メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマーを得た。得られたメタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマーを透析法にて精製した。NMR及びGPCを用いて測定したメタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマーの重量平均分子量は30,000であった。また、メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマー中の、メタクリル酸ベンジルに由来するユニットとメタクリル酸に由来するユニットのモル比は72/28であった。
[分散剤P51の調製]
得られた化合物X1.90部(4.54ミリモル)、メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマー100部(3.33ミリモル)、及びテトラヒドロフラン−メタノール混合液(体積比で1:1)40部をロールミルで混合した。混合後、溶媒を除去することにより分散剤P51を得た。分散剤P51については、説明の便宜上、「高分子分散剤P51」と記す。なお、化合物Xの量x(モル部)は4.54、メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマー中のユニットBの含有量b(モル部)は0である。メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマー中のユニットCの含有量c(モル部)は、化合物Xがポリマー中のメタクリル酸部分とイオン吸着していると考えられるため、c=3.33×(72+28)−4.54=328と算出することができる。ここから算出されるx/(b+c)の値は0.014であった。また、混合比率より、化合物Xとメタクリル酸ベンジル−メタクリル酸ポリマーとの複合体の重量平均分子量(Mw)を30,570とした。得られた高分子分散剤P51のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表6に示す。
(比較例6:高分子分散剤P52)
[化合物Yの合成]
特許文献2(特開2003−238837号公報)の合成例1の記載を参考にして、下記式(Y)で表される化合物Yを合成した。
Figure 0006700762
[高分子分散剤P52の合成]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、スチレン15.6部(0.150モル)、化合物Y4.56部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド50部(0.684モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル0.185部(1.13ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。GPCで分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止し、高分子分散剤P52を得た。
得られた高分子分散剤P52を貧溶媒であるメタノール中で固液分離することによって精製した後、NMR及びGPCを用いて重量平均分子量を測定した。また、分光光度計を用いて480nmにおけるUV吸収量を測定し、化合物Yの分子量を基準とするユニットYの含有量y(モル部)を算出した。さらに、スチレンの分子量を基準とするユニットBの含有量b(モル部)及びy/(b+c)の値を算出した。算出した結果を表6に示す。また、得られた高分子分散剤P52のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表6に示す。
(比較例7:高分子分散剤P53)
[化合物Zの合成]
特許文献3(特表2009−501253号公報)の記載を参考にして、下記式(Z)で表される化合物Zを合成した。
Figure 0006700762
[高分子分散剤P53の合成]
撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、窒素導入管、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコ内を窒素置換した後、スチレン15.6部(0.150モル)、化合物Z7.40部(15.0ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド50部(0.684モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル0.277部(1.69ミリモル)を投入して撹拌した。その後、加熱したオイルバスに4つ口フラスコを設置し、内温を80℃として撹拌した。GPCで分子量をモニタリングしながら重合を進め、分子量が所望の値に達したところで氷水冷却して反応を停止して高分子分散剤P53を得た。
得られた高分子分散剤P53を貧溶媒であるメタノール中で固液分離することによって精製し、NMR及びGPCを用いて重量平均分子量を測定した。また、分光光度計を用いて高分子分散剤P53の380nmにおけるUV吸収量を測定し、化合物Zの分子量を基準とするユニットZの含有量z(モル部)を算出した。さらに、スチレンの分子量を基準とするユニットBの含有量b(モル部)及びz/(b+c)の値を算出した。算出した結果を表6に示す。また、得られた高分子分散剤P53のポリマータイプ、及び重量平均分子量(Mw)を表6に示す。
Figure 0006700762
以下にブラックトナー粒子の3つの製造例を示す。
<トナー粒子1の製造例1>
[着色剤分散液1の調製工程]
・スチレン 100.0部
・カーボンブラック(CB) 20.0部
Nipex35(Orion Engineerred Carbons社製)
・高分子分散剤P1 4.0部
前記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液1を調製した。
[トナー組成物溶解液1の調製工程]
・着色剤分散液1 40.0部
・スチレン 33.5部
・n−ブチルアクリレート 24.5部
・パラフィンワックス 10.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
前記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液1を得た。
[トナー粒子の分散液の調製工程]
T.K.ホモミクサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水710部に0.1M−NaPO水溶液450部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウムを含む水系媒体を得た。得られた水系媒体に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4部を溶解させた。次に、トナー組成物溶解液1へ重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液8部を溶解し、十分に混合したのち前記水系媒体へ投入した。これを、温度62℃、窒素雰囲気下において、12,000rpmで10分間撹拌して重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度75℃に昇温し、7.5時間重合を行い、重合反応を終了した。次いで、減圧下で残存モノマーを留去し、水系媒体を冷却しトナー粒子の分散液を得た。
トナー粒子の分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウムを溶解させた。これを加圧濾過器にて、固液分離を行い、トナーケーキを得た。イオン交換水を用いた洗浄操作を5回繰り返したのち乾燥し、ブラックトナー粒子(トナー粒子1)を得た。
<トナー粒子2の製造例2>
[着色剤分散液2の調製工程]
・トルエン 350.0部
・カーボンブラック(CB) 56.0部
Nipex35(Orion Engineerred Carbons社製)
・高分子分散剤P1 11.2部
前記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液2を調製した。
[トナー組成物溶解液2の調製工程]
・着色剤分散液2 250.0部
・スチレンアクリル樹脂 490.0部
(スチレン:n−ブチルアクリレート=75:25(質量比)の共重合物)(Mw=28,000、Tg=57℃)
・パラフィンワックス 50.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
前記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に分散し、トナー組成物溶解液2を得た。
[トナー粒子分散液2の調製工程]
T.K.ホモミクサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水1200部に0.5M−NaPO水溶液300部を投入した。その後、12,000rpmに調整して60℃に加温した。その後、1.0M−CaCl水溶液25.7部を徐々に添加してリン酸カルシウムを含む水系媒体を得た。得られた水系媒体に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を溶解させた。
次に、トナー組成物溶解液2を前記水系媒体へ投入した。これを、温度65℃、窒素雰囲気下において、12,000rpmで30分間撹拌してトナー組成物溶解液2の粒子を造粒した。次いで、減圧下で溶媒のトルエンを留去し、水系媒体を冷却しトナー粒子分散液2を得た。
得られたトナー粒子分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウムを溶解させた。これを加圧濾過器にて固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を用いて洗浄操作を5回繰り返したのち乾燥し、ブラックトナー粒子(トナー粒子2)を得た。
<トナー粒子3の製造例3>
・スチレンアクリル樹脂 98.0部
(スチレン:n−ブチルアクリレート=75:25(質量比)の共重合物)(Mw=28,000、Tg=57℃)
・カーボンブラック(CB) 8.0部
(Nipex35(Orion Engineerred Carbons社製)
・パラフィンワックス 10.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
・高分子分散剤P1 1.6部
前記の処方の材料を、FMミキサ(日本コークス工業社製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて2mm以下に粗粉砕し、粗粉砕物を得た。
得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業社製;ターボミルT250−RS型)を用いて微粉砕した。その後、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、ブラックトナー粒子(トナー粒子3)を得た。
次にマゼンタトナー粒子の製造例を示す。
<トナー粒子4の製造例4>
[着色剤分散液3の調製工程]
・スチレン 100.0部
・ピグメントレッド122 (PR−122) 16.7部
(Toner Magenta E[クラリアント社製])
・高分子分散剤P1 3.33部
前記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液3を調製した。
[トナー組成物溶解液3の調製工程]
・着色剤分散液3 53.9部
・スチレン 19.6部
・n−ブチルアクリレート 24.5部
・パラフィンワックス 10.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
前記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液3を得た。
以降、トナー粒子製造例1と同様にしてマゼンタトナー粒子(トナー粒子4)を得た。
次にシアントナー粒子の製造例を示す。
<トナー粒子5の製造例5>
[着色剤分散液4の調製工程]
・スチレン 100.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 16.7部
・高分子分散剤P1 3.33部
前記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液4を調製した。
[トナー組成物溶解液4の調製工程]
・着色剤分散液4 53.9部
・スチレン 19.6部
・n−ブチルアクリレート 24.5部
・パラフィンワックス 10.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
前記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液4を得た。
以降、トナー粒子製造例1と同様にしてシアントナー粒子(トナー粒子5)を得た。
以下にイエロートナー粒子の製造例を示す。
<トナー粒子6の製造例6>
[着色剤分散液5の調製工程]
・スチレン 100.0部
・ピグメントイエロー155 (PY−155) 16.7部
(Peliotol Yellow D1155[BASF社製])
・高分子分散剤P1 3.33部
前記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行い、着色剤分散液5を調製した。
[トナー組成物溶解液5の調製工程]
・着色剤分散液5 53.9部
・スチレン 19.6部
・n−ブチルアクリレート 24.5部
・パラフィンワックス 10.0部
(HNP−9:日本精蝋社製、融点75℃)
前記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に分散し、トナー組成物溶解液5を得た。以降、トナー粒子製造例1と同様にしてイエロートナー粒子(トナー粒子6)を得た。
<トナー粒子7〜58の製造例>
表7に示す、処方および製造方法により、トナー粒子7〜58を得た。
得られたトナー粒子1〜58の処方(顔料および分散剤)と物性(粒径)について表7に示す。
Figure 0006700762
CB:カーボンブラック
Pig1:C.I.ピグメントレッド122
Pig2:C.I.ピグメントブルー15:3
Pig3:C.I.ピグメントイエロー155
(実施例101〜151、比較例101〜107:トナー1〜58の製造例)
得られたトナー粒子1〜58、100.0部と、疎水性シリカ微粉体1.5部とを三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機社製)でそれぞれ300秒間混合し、トナー1〜58を得た。なお、用いたシリカ微粉体はヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体であり、一次粒子の数平均粒径(D1)は10nmである。
<化合物、高分子分散剤、トナーの評価>
得られた化合物、高分子分散剤およびトナーの評価を以下のように行った。
<化合物Aの評価>
(色材への吸着性)
N,N−ジメチルホルムアミド20部に化合物A(A(1)〜A(9))0.2部を溶解し、溶液(O)を調製した。この溶液(O)10部に色材としてカーボンブラック1部を加え、30分間超音波分散を行った。室温で1時間静置した後、遠心分離(10000rpm、10分間)して上澄み液を回収した。溶液(O)及び上澄み液にN,N−ジメチルホルムアミドをそれぞれ加えてサンプル毎に同じ希釈倍率に希釈し、380nmの波長における吸光度測定を行った。化合物X、化合物Y、及び化合物Zについても、前述の化合物Aの場合と同様にして測定を行った。但し、化合物Xと化合物Yについては480nm、化合物Zについては380nmの波長における吸光度をそれぞれ測定した。そして、下記式(E3)より吸着率を算出し、以下に示す評価基準にしたがって各化合物の色材への吸着性を評価した。結果を表8に示す。
吸着率(%)=(1−P/Q)×100 (E3)
P:上澄み液の希釈液の吸光度
Q:溶液(O)の希釈液の吸光度
[評価基準]
A:吸着率95%以上
B:吸着率90%以上95%未満
C:吸着率90%未満
(着色性)
前記溶液(O)にN,N−ジメチルホルムアミドを加えて1000倍に希釈し、300nm〜700nmの吸光度を測定した。測定範囲における最大吸光度から以下の評価基準にしたがって着色性を評価した。結果を表8に示す。
[評価基準]
A:最大吸光度が0.010未満
B:最大級光度が0.010以上0.050未満
C:最大吸光度が0.050以上
Figure 0006700762
表8に示す結果から明らかなように、化合物Aは吸着性に優れているとともに、着色性が低減された化合物であった。
<高分子分散剤の評価>
(媒体への溶解性)
評価用媒体20部に高分子分散剤(P1〜P53)0.25部を添加し、以下に示す評価基準にしたがって高分子分散剤の溶解性を評価した。使用した評価用媒体の種類と結果を表9−1及び9−2に示す。
[評価基準]
A:易溶(手振り混合で溶解)
B:可溶(撹拌により溶解)
C:可溶(超音波、加熱等の使用により溶解)
D:不溶物が残る
(色材への吸着性)
評価用媒体20部に高分子分散剤(P1〜P53)0.25部を溶解し、高分子分散剤の溶液(S)を調製した。この溶液(S)10部に対象色材1部を加え、30分間超音波分散を行った。室温で1時間静置した後、遠心分離(20000rpm、10分間)して上澄み液を回収した。なお、高分子分散剤P49は、分散が不良であるとともに、上澄み液はほぼ透明かつ色材がほぼ沈殿していた。このため、高分子分散剤P49の評価は中断した。溶液(S)及び上澄み液に評価用媒体をそれぞれ加えてサンプル毎に同じ希釈倍率に希釈し、高分子分散剤P48〜50は280nm、高分子分散剤P51とP52は480nm、それ以外は380nmの波長における吸光度を測定した。そして、下記式(E4)より吸着率を算出し、以下に示す評価基準にしたがって高分子分散剤の色材への吸着性を評価した。結果を表9−1及び9−2に示す。
吸着率(%)=(1−T/U)×100 (E4)
T:上澄み液の希釈液の吸光度
U:溶液(S)の希釈液の吸光度
[評価基準]
A:吸着率95%以上
B:吸着率90%以上95%未満
C:吸着率80%以上90%未満
D:吸着率80%未満
(色材分散性)
評価用媒体20部に高分子分散剤(P1〜P53)0.25部を溶解し、高分子分散剤の溶液(V)を調製した。この溶液(V)10部に対象色材1部を加え、30分間超音波分散を行った後、室温で1時間静置して色材分散体を得た。得られた色材分散体を密閉状態とし、60℃で2週間保存する保存試験を行った。また、保存試験の前後で色材の体積平均粒子径を、粒度分析計(商品名「マイクロトラックUPA−EX250」、日機装社製)を用いて測定した。そして、下記式(E5)より粒子径増加率を算出し、以下示す評価基準にしたがって高分子分散剤の色材分散性を評価した。結果を表9−1及び9−2に示す。
Figure 0006700762
[評価基準]
A:粒子径増加率(%)が10%未満である。
B:粒子径増加率(%)が10%以上20%未満である。
C:粒子径増加率(%)が20%以上50%未満である。
D:粒子径増加率(%)が50%以上である。
Figure 0006700762
Figure 0006700762
表9−1及び9−2に示す結果から明らかなように、実施例の高分子分散剤P1〜P46は、いずれも媒体に対する溶解性が良好であり、かつ、色材への吸着性に優れたものであった。さらに、実施例の高分子分散剤P1〜P46は、有機溶媒中で優れた色材分散性を示すものであった。
また、実施例の高分子分散剤は若干黄色に着色しているものの、比較例7の高分子分散剤P53よりもはるかに薄く、自己着色性が低減されたものであった。
(トナーの着色力評価)
市販のカラーレーザープリンタSatera LBP7700C(キヤノン(株)社製)用のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1〜58(150g)を充填した。また、Satera LBP7700C(キヤノン(株)社製)を一部改造し、定着機を外して未定着画像を出力できるように変更し、さらに一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造した。前記カートリッジをプリンターに装着し、トナー載り量が0.30mg/cmとなるように設定して、転写材中央に6.5cm×14.0cmの長方形のベタ画像の出力を行い評価画像とした。転写材は、レターサイズのHP LASERJET PAPER(ヒューレットパッカード社製、90.0g/m)を用いた。
LBP7700Cの外部定着機を用いて、出力した評価画像をプロセススピード280mm/sec、150℃で定着し、画像濃度を測定して着色力を評価した。尚、画像濃度の測定には「X−Riteカラー反射濃度系(color refledtion densitometer X−Rite404A)」を用いて測定した。原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、ベタ画像の右上、左上、中央、右下、左下の5点の濃度を測定し、平均値を画像濃度とした。評価基準は以下の通りであり、C以上を本発明の効果が得られているレベルとした。各トナーの結果を表10に示す。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.30以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.30未満
D:画像濃度が1.20未満
Figure 0006700762
表10の結果より、本発明の高分子分散剤を用いたトナー1〜51は、比較例の高分子分散剤を用いたトナー52〜57と比べて、着色力に優れていることが判明した。
一方、高分子分散剤P53を用いたトナー58については着色力はCランクとやや良好であったが、高分子分散剤P1を用いたトナー4の場合と比べ、色相角のずれが観測された。
具体的にはトナー4とトナー58の濃度違いの画像を準備し、SpectroScan Transmission(Gretag Macbeth社製)により、それぞれa*、b*、(c*=√(a*+b*))を測定し、近似曲線を得る。両者のc*が75となるときのa*、b*の値を比較したところ、トナー4に比べ、トナー58のb*値が大きくプラス方向に変化していた(黄身にシフトしていた)。
本発明の高分子分散剤は、従来の分散剤に比して、溶媒への溶解性、色材への吸着力、及び色材の分散性に優れており、種類の異なる色材に対しても広く適用可能な分散剤である。
また、本発明の化合物及び重合性化合物は、前記分散剤を調製する上で有用な化合物である。本発明の分散剤は、塗料、粉体塗料やトナーなどに利用され、優れた着色力を発揮する。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 0006700762
    (前記式(1)中、R及びRは、一方が下記式(I−a)、(I−b)、(II−a)、又は(II−b)で表される重合性官能基、−NH、又は−OHであり、
    Figure 0006700762
    他方が−Hである。)
  2. 前記式(1)中、R及びRの一方が−NHである請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項に記載の化合物である化合物Aに由来するユニットAと、
    芳香族ビニルモノマーである化合物Bに由来するユニットB、及びアクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCの少なくともいずれかと、を有する高分子分散剤。
  4. 前記化合物Aの分子量を基準とする前記ユニットAの含有量をaモル部、前記化合物Bの分子量を基準とする前記ユニットBの含有量をbモル部、及び前記化合物Cの分子量を基準とする前記ユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E1)の関係を満たす請求項に記載の高分子分散剤。
    0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E1)
  5. 請求項に記載の化合物である化合物Aと、アクリル酸またはメタクリル酸に由来するユニットを含む中間体ポリマーとの反応物である、前記化合物Aに由来するユニットAを有する高分子分散剤。
  6. 前記中間体ポリマーが、さらに、芳香族ビニルモノマーである化合物Bに由来するユニットBを含む請求項に記載の高分子分散剤。
  7. 前記中間体ポリマーが、さらに、アクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーである化合物Cに由来するユニットCを有する請求項に記載の高分子分散剤。
  8. 前記化合物Cにおける前記アクリル酸系モノマーまたはメタクリル酸系モノマーが、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである、請求項記載の高分子分散剤。
  9. 前記化合物Aの分子量を基準とする前記ユニットAの含有量をaモル部、前記化合物Bの分子量を基準とする前記ユニットBの含有量をbモル部、及び前記化合物Cの分子量を基準とする前記ユニットCの含有量をcモル部とした場合に、下記式(E2)の関係を満たす請求項またはに記載の高分子分散剤。
    0.01≦a/(b+c)≦2.00 (E2)
  10. 結着樹脂、色材、高分子分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該高分子分散剤が、請求項からのいずれか1項に記載の高分子分散剤であることを特徴とするトナー。
JP2015240911A 2014-12-12 2015-12-10 新規化合物及び高分子分散剤及びトナー Active JP6700762B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014251544 2014-12-12
JP2014251544 2014-12-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016113453A JP2016113453A (ja) 2016-06-23
JP6700762B2 true JP6700762B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=56140851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015240911A Active JP6700762B2 (ja) 2014-12-12 2015-12-10 新規化合物及び高分子分散剤及びトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6700762B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016113453A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7981973B2 (en) Toner process
JP5569549B2 (ja) 着色剤の製造方法、着色剤組成物、トナー、インクジェット記録用インクおよびカラーフィルタ
KR20130099870A (ko) 토너
KR20110023831A (ko) 아크릴수지 처리안료 조성물, 안료 분산액, 그 제조방법 및 사용
JP5520867B2 (ja) 顔料着色剤組成物及び該組成物を含有してなるカラーフィルター用顔料着色剤組成物
CN105283808B (zh) 静电荷图像显像用调色剂
TWI500643B (zh) A block copolymer containing a phosphate group, a pigment dispersant, and a pigment colorant composition
JP2013203887A (ja) 顔料着色剤組成物、カラーフィルター用着色剤、高分子分散剤及び該高分子分散剤の製造方法
JP6463042B2 (ja) アゾ骨格構造を有する化合物、顔料分散剤、顔料組成物、顔料分散体及びトナー
JP2010265451A (ja) 顔料及びその製造法、顔料分散体、イエロートナー
JP2001089682A (ja) 複合顔料、着色組成物及び画像記録剤
US6368399B1 (en) Composite pigments, coloring compositions, and image recording substances
JP6639158B2 (ja) 化合物、又はその互変異性体
JP2014132324A (ja) 液体現像剤
JP2013161066A (ja) トナー用離型剤およびこれらの離型剤を用いたトナー
JP6700762B2 (ja) 新規化合物及び高分子分散剤及びトナー
JP3670148B2 (ja) 画像記録用着色組成物及び画像記録剤
JP2003255606A (ja) 白色トナーの製造方法
CN103443712A (zh) 品红色调色剂
EP3001839B1 (en) Compound having azo skeleton, pigment dispersant, pigment composition, pigment dispersion, and toner
JP2006126440A (ja) 静電荷現像用トナー
CN105924556B (zh) 包含酞菁结构的聚合物、制备聚合物的方法、颜料组合物、颜料分散体和调色剂
WO2018021250A1 (ja) マゼンタトナー
JP5200740B2 (ja) トナー用着色剤、トナー用着色剤の製造方法及びトナー並びに現像剤
JP4754062B2 (ja) 樹脂粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151210

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171214

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200501

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6700762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151