JP6700086B2 - 溶融炉の炉底構造 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融炉の炉底構造に関するものである。
従来、図8に示すような溶融炉1の炉底10には耐食性・耐火性に優れた耐火煉瓦が縦横に敷き詰められている。当該耐火煉瓦は、耐火性の目地材によって互いに接着されている。しかしながら、目地材は、耐火煉瓦よりも高温環境下での接着強度が低く、また、耐熱性が低く溶損しやすい。そのため、溶融炉1を高温環境下で使用したとき、耐火煉瓦よりも先に目地材が溶損する。当該目地材が劣化し、溶損することによって、目地に溶融金属又は溶融スラグが浸透し、耐火煉瓦は互いに離間する。このとき、耐火煉瓦は、溶融金属よりも比重が小さいので、炉底10から当該耐火煉瓦が浮き上がってしまう問題がある。
この問題に対する解決策としては、図9〜図17に示すような耐火煉瓦の敷設方法が知られている。
図9〜図11は、和白式と呼ばれる敷設方法である。図9に和白式による炉底100Aの炉底平面図を示し、図10は、図9中のA−A線における断面図、図11は、図9中のB−B線における断面図を示している。
和白式は、図9に示すように、炉底中央部100aから炉底周縁部100bに向かって耐火煉瓦を放射状に敷設する方法である。ここで使用される耐火煉瓦は、図10及び図11に示す炉底断面図に表されているように、前後左右側面が所定の角度で傾斜した傾斜側面を有し、当該傾斜側面の傾斜角度は耐火煉瓦ごとに異なっている。傾斜角度は、炉底中央部100aに配される耐火煉瓦から、炉底周縁部100bに配される耐火煉瓦にかけて次第に大きく傾くように変化が付けられている。そして、耐火煉瓦を炉底中央部100aから炉底周縁部100bに向かって放射状に敷設することによって、図10及び図11に示すように、炉底中央部100a側に配される耐火煉瓦の傾斜側面の上に、炉底周縁部100b側に配される耐火煉瓦の傾斜側面が重ね合わされる。
これによって、隣り合う耐火煉瓦は炉底中央部100aから炉底周縁部100bに向かって押さえ付けられ、浮き上がりを防止することができる。
しかしながら、当該和白式の場合、耐火煉瓦の傾斜角度が、図10及び図11に示すように、それぞれ異なることから、当該耐火煉瓦をそれぞれ所定の位置に配置しなければならず、また傾斜面の摺り合わせ等、施工現場における作業も多く、炉底の敷設に手間がかかる。
図12〜図14は、キー方式と呼ばれる敷設方法である。図12にキー方式による炉底100Bの炉底平面図を示し、図13は、図12中のA−A線における断面図、図14は、図12中のB−B線における断面図を示している。
キー方式は、横方向へ一列に並べた耐火煉瓦列に対して、縦方向は、耐火煉瓦を交互に配して、目地が芋目地にならないようにした馬踏みと呼ばれる敷設方法を元に敷設する方法である。さらに、耐火煉瓦には図13に示すように、前後側面に凹溝101が形成されている。これによって、耐火煉瓦を敷設したとき、図13に示すように、縦方向に隣接する一対の耐火煉瓦の当接する側面では凹溝101,101対向配置される。当該対向配置された凹溝101,101は、図12に示す平面図と図14に示す断面図に表されているように、横方向に連通する貫通孔102を形成する。当該貫通孔102に棒状のキー103を挿通することによって、耐火煉瓦は互いに連結される。
なお、棒状のキー103は、長さが500mm〜1000mmとなるように形成されている。これにより、炉底に敷設した耐火煉瓦によって形成された貫通孔102へ容易に挿入することができる。
また横方向へ一列に並べた耐火煉瓦は、図14に示すように、上記の和白式と同様に傾斜角度に変化を付けた左右側面によって、炉底中央部100a側から炉底周縁部100b側に向かって、内側に配される耐火煉瓦を外側に配した耐火煉瓦が押さえつけるように形成されている。
これによって、横一列に整列された耐火煉瓦は、図14に示すように中央から左右端部に向かって隣接する耐火煉瓦によって押さえ付けられ、さらに横方向に貫通孔102を連通するキー103が縦方向に耐火煉瓦を連結して、耐火煉瓦の浮き上がりを防止している。
しかしながら、当該キー方式にも解決すべき課題がある。当該課題については後述する公報に記載の発明で解決できなかった課題とあわせて、別項で説明する。
図15〜図17は、長尺式と呼ばれる敷設方法である。図15にキー方式による炉底100Cの炉底平面図を示し、図16は、図15中のA−A線における断面図、図17は、図15中のB−B線における断面図を示している。
長尺式は、図15に示すように、主として平面視横辺が平面視縦辺よりも十分に長い略長方形状の長尺耐火煉瓦104を用いる敷設方法である。当該敷設方法では、図15及び図17に示すように、炉底100Cの横方向に沿って2枚の長尺耐火煉瓦104,104が敷き詰められる。これによって、たとえば、図15に示した炉底平面図と図9に示した炉底平面図とを比べると明らかなように、炉内に露出する目地を減らすことができる。そして、長尺耐火煉瓦104,104が炉体内壁に対向する側面104aを、図17に示すように、側壁煉瓦積105で押さえ、当該長尺耐火煉瓦104,104の反内壁側の側面104bが、図15及び図17に示すように、互いに対向するように配置されている。これによって、長尺耐火煉瓦104,104が熱膨張したとき、当該長尺煉瓦104,104は図17に示すように、反内壁側側面104bで互いに衝合するので、耐火煉瓦の浮き上がりを防止することができる。
しかしながら、長尺耐火煉瓦104の製造には、技術的な限界がある。そのため、炉底の直径が数mであるならまだしも、高炉のような炉底の直径が20m近く又はそれ以上の超大型炉では、炉底100Cを長尺式で形成することが極めて困難である。
特開2003−139317号公報の電気式灰溶融炉の炉底構造にもまた、上記キー方式と類似した耐火煉瓦の敷設方法が開示されている。当該炉底構造では、比較的長尺の耐火煉瓦が用いられている。当該耐火煉瓦は、長手方向に沿った側面に溝が形成されている。当該溝が対向するように耐火煉瓦を幅方向に沿って隣接させたとき、隣接する耐火煉瓦の長手方向に沿った側面には栓煉瓦挿入空間が形成される。当該栓煉瓦挿入空間に、栓煉瓦を可及的密に嵌入することによって、隣接する耐火煉瓦は連結される。また、耐火煉瓦は、側面視台形状に形成されており、当該耐火煉瓦を交互に反転させることによって、台形脚部の傾斜面同士が互いに当接するように配されている。これによって、耐火煉瓦の浮き上がりを防止している。
特開2003−139317号公報
日本鉄鋼協会編 「鉄鋼製造法 製銑 製鋼 第1分冊」 丸善 1972年
しかしながら、上記の敷設方法、特にキー方式と、引用文献に開示された発明では、下記の通り、本発明が解決すべき課題をいくつか有している。
まず、溶損の進行速度の差が問題となる。溶融炉、特に電気・アークを用いる電気式溶融炉は、炉内温度が1400℃〜1800℃で操業される。そして、電気式溶融炉の熱源である電極やプラズマ発生源の近傍は、炉内の平均温度よりも高温となる。これによって、熱源が配置される炉底中央部は、炉底周縁部よりも高温となる。高温になるほどに耐火物の溶損は進行速度が速くなるので、炉底に敷設される耐火煉瓦は、炉底周縁部よりも炉底中央部の方が溶損による劣化が早く訪れる。
そして、溶損が進むと耐火煉瓦の強度が低下し、耐火煉瓦に亀裂が発生するおそれがある。また、目地材の溶損も炉底中央部の方が早く進行するので、目地材が溶損し、溶融メタル或いは溶融スラグが目地に侵入することによって耐火煉瓦が浮き上がるおそれがある。
このように、溶損は、電極直下部となる炉底中央部から炉底周縁部に向かって同心円状で波及するように進行し、炉底中央部に配されている耐火煉瓦の方が、炉底周縁部に配されている耐火煉瓦よりもはがれやすくなるおそれがある。
次に、熱応力の問題が挙げられる。上記同様、炉底中央部が炉底周縁部よりも高温となることから、電極等の近傍に位置する炉底中央部の耐火煉瓦は、大きく熱膨張し、熱応力が大きくなる。これに対し、電極等から幾分か離れた炉底周縁部の耐火煉瓦は、熱膨張も小さく、熱応力も炉底中央部と比べると比較的小さい。炉底中央部と炉底周縁部の耐火煉瓦で熱膨張率又は熱応力に差が生じると、当該耐火煉瓦は歪んだり亀裂が生じたりして、折損するおそれがある。耐火煉瓦の歪みや折損は、平面視したときの横辺と縦辺の長さが略等しい略正方形状の短尺煉瓦よりも、横辺が縦辺よりも十分に長い略長方形状の長尺煉瓦の方がより顕著に表れる。さらに、耐火煉瓦の歪みや折損とあわせて、上記したように溶損が進行すると、溶損による目地の緩み或いは溶融メタルや溶融スラグの目地侵入とあわせて、耐火煉瓦が浮き上がるおそれがある。
さらに、熱膨張率又は熱応力に差が生じると、図12〜図14に示したキー方式又は特開2003−139317号公報に開示された電気式灰溶融炉の炉底構造のように、キー103又は栓煉瓦と呼ばれる棒体による連結方法では、当該棒体もまた耐火煉瓦同様に、熱応力・熱膨張によって歪んだり亀裂が生じたりして折損するおそれがあり、これによってもまた支えの失った耐火煉瓦が浮き上がるおそれがある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、炉底に敷設した耐火煉瓦の浮き上がりを抑えるようにした溶融炉の炉底構造を提供することである。
請求項1に記載の溶融炉の炉底構造は、耐火煉瓦からなる複数個の小割耐火ブロックを、溶融炉の炉底へ縦横に敷き詰めた溶融炉の炉底構造であって、
隣接する前記小割耐火ブロックの対向する側面に、開口端が互いに対向する嵌合凹部をそれぞれ設け、
当該嵌合凹部に継手部材を嵌合し、隣接する前記小割耐火ブロックを複数個連結して、
長さ方向に沿った両側面が幅方向内側へ互いに傾斜したセンター耐火ベルトと、
当該センター耐火ベルトの傾斜した側面を押さえつけるように傾斜した側面を有する一対のサイド耐火ベルトを形成し、
前記センター耐火ベルトと前記サイド耐火ベルトの長さ方向両端部を、前記溶融炉の炉底周縁部に沿って切除すると共に、
前記両端部を、前記溶融炉の炉体側壁の下端部で押さえ込むようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の溶融炉の炉底構造は、耐火煉瓦からなる複数個の長尺耐火ブロックを、溶融炉の炉底へ縦横に敷き詰めた溶融炉の炉底構造であって、
隣接する前記長尺耐火ブロックの対向する側面に、開口端が互いに対向する嵌合凹部をそれぞれ設け、
当該嵌合凹部に継手部材を嵌合し、隣接する前記長尺耐火ブロックを複数個連結して前記炉底の大部分を覆う耐火プレートを形成し、
当該耐火プレートの端部が、前記溶融炉の炉体側壁の下端部で押さえ込まれていることを特徴とする。
請求項3に記載の溶融炉の炉底構造は、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、前記嵌合凹部が、前記耐火煉瓦の厚み方向中間部に形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る溶融炉の炉底構造によれば、隣接する耐火煉瓦からなる複数個の小割耐火ブロックの側面に、開口端が互いに対向するように嵌合凹部を設け、当該嵌合凹部に継手部材を嵌合して、隣接する複数個の小割耐火ブロックを連結して、長さ方向に沿った両側面が幅方向内側へ互いに傾斜したセンター耐火ベルトと、当該センター耐火ベルトの傾斜した側面を押さえつけるように傾斜した側面を有する一対のサイド耐火ベルトを形成するようにした。
これによって、炉底中央部と炉底周縁部で小割耐火ブロックにかかる熱応力が異なり、また熱膨張率が相違して、当該小割耐火ブロックが歪んだ場合であっても、隣接する小割耐火ブロックの側面において、継手部材が一点で接合していることから、従来のキー方式のように棒体が歪んだりせず、接合力を維持することができる。そのため、溶損が進行して目地に溶融メタル又は溶融スラグが侵入した場合であっても、継手部材は隣接する小割耐火ブロックを継ぎ合わせることができるので、小割耐火ブロックの浮き上がりを防止することができる。
加えて、複数個の小割耐火ブロックを連結して耐火ベルトを形成するようにした。当該耐火ベルトは、上記したように、過度な熱応力がかかっても、また溶損が進行した場合であっても連結が解除されることが無いので、耐火ベルトを構成する小割耐火ブロックの浮き上がりを防止することができる。また、小割耐火ブロックの数を増減することによって、様々な炉底径に容易に対応することができるので、炉体の製造コストを抑えることができる。
請求項2に係る溶融炉の炉底構造によれば、隣接する耐火煉瓦からなる複数個の長尺耐火ブロックの側面に、開口端が互いに対向するように嵌合凹部を設け、当該嵌合凹部に継手部材を嵌合して、隣接する長尺耐火ブロックを複数個連結して炉底の大部分を覆う耐火プレートを形成するようにした。
これによって、炉底中央部と炉底周縁部で長尺耐火ブロックにかかる熱応力が異なり、また熱膨張率が相違して、当該長尺耐火ブロックが歪んだ場合であっても、隣接する長尺耐火ブロックの側面において、継手部材が一点で接合していることから、従来のキー方式のように棒体が歪んだりせず、接合力を維持することができる。そのため、溶損が進行して目地に溶融メタル又は溶融スラグが侵入した場合であっても、継手部材は隣接する長尺耐火ブロックを継ぎ合わせることができるので、長尺耐火ブロックの浮き上がりを防止することができる。
加えて、複数個の長尺耐火ブロックを連結して、炉底の大部分を覆う耐火プレートを形成するようにした。当該耐火プレートを構成する長尺耐火ブロックは、従来の長尺式の敷設方法と同様に耐火煉瓦の浮き上がりを防止することができ、さらに、上記したように、過度な熱応力がかかっても、また溶損が進行した場合であっても連結が解除されることが無いので、耐火プレートを構成する各長尺耐火ブロックの浮き上がりを防止することができる。また、比較的炉径が小さい溶融炉に適用することによって、耐火煉瓦の数を減らすことができ、炉体の製造コストを抑えることができる。
第1実施例に係る溶融炉の炉底構造の構成の概略を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 第1実施例に係る溶融炉の炉底構造を構成する耐火煉瓦の結合部分を示す分解斜視図である。 第2実施例に係る溶融炉の炉底構造の構成の概略を示す平面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明が実施される溶融炉に係る一例の構成の概略を示す縦断面図である。 従来の和白式による炉底構造の構成の概略を示す平面図である。 図9のA−A線断面図である。 図9のB−B線断面図である。 従来のキー方式による炉底構造の構成の概略を示す平面図である。 図12のA−A線断面図である。 図12のB−B線断面図である。 従来の長尺式による炉底構造の構成の概略を示す平面図である。 図15のA−A線断面図である。 図15のB−B線断面図である。
本発明は、溶融炉、とくに電気式溶融炉の炉底構造として実施されるものである。当該電気式溶融炉の構成の概略を図8に示す。
電気式溶融炉1は、炉本体1aに垂下される黒鉛電極2を備えている。黒鉛電極2は、直流の場合は1本、交流の場合は3本が炉内中央部に吊下されている。図1に一点鎖線で示した黒鉛電極2は、交流電気式溶融炉の例を示したものである。なお、直流電気式溶融炉の場合、吊り下げられた黒鉛電極とは対極の電極が炉底中央部に設けられる。
黒鉛電極2に所定の高電圧が印加されると、黒鉛電極2間にはアーク電流が発生し、当該黒鉛電極2は、所定の温度、たとえば、1400℃〜1800℃で発熱する熱源となる。そして、当該熱源は、炉内に投入された灰・ダスト3を溶融する。溶融された灰・ダスト3は、溶融メタル4と溶融スラグ5となり、溶融メタル4は炉底に沈殿し、その上に溶融スラグ5が浮上する。溶融メタル4をメタル出湯口6から排出し、溶融スラグ5をスラグ出湯口7から排出することによって、灰・ダスト3からメタルとスラグを分離精製することができる。
なお、本発明の炉底構造が適用される電気式溶融炉1は、炉外径が2.5m〜6m前後で、炉内温度が1500℃〜1800℃となるタイプと、炉底の面積が比較的小さなものから大きなものまで、それぞれ適用可能である。
以下、本発明について、第1実施例と第2実施例を挙げて説明する。第1実施例に記載の炉底構造は、請求項1〜請求項5に記載の発明に係る炉底10に関するものである。第2実施例に記載の炉底構造は、請求項1、請求項2、並びに請求項6及び請求項7に記載の発明に係る炉底10Aに関するものである。
第1実施例に係る溶融炉の炉底構造を、添付した図面にしたがって説明する。図1は、第1実施例に係る炉底構造の構成の概略を示す平面図、図2は図1に示したA−A線の断面図、図3は図1に示したB−B線の断面図である。なお、以下、図1をはじめとした平面図の上下方向を縦方向とし、左右方向を横方向とする。
炉底10は、図1に示すように、複数個の耐火煉瓦11が炉底中央部10aから炉底周縁部10bに亘って縦横に敷き詰められている。
耐火煉瓦11は、ブロック状の炭素質煉瓦又はカーボン煉瓦からなる。炭素質煉瓦又はカーボン煉瓦は、炭素又は黒鉛を主体として構成された煉瓦であって、耐熱性、耐摩耗性、高温強度、高熱伝導性などに際立った特性を備える煉瓦である。一方、炭素質煉瓦又はカーボン煉瓦は、高温環境下では空気、酸素、炭素ガス、一酸化炭素ガス、水蒸気などによって酸化されやすい。
耐火煉瓦11は、図1に示すように、炉底の縦方向中央部近傍で横方向に沿って配置された3本の耐火ベルト12と、当該耐火ベルト12と炉底周縁部10bとの隙間を埋める充填ブロック群13とからなる。なお、炉底10の面積に応じて耐火ベルト12の本数は、増減可能であるし、耐火煉瓦11の大きさに合わせてもまた耐火ベルト12の本数は増減可能である。
耐火ベルト12のうち、図1に示すように、耐火ベルト12aは、3個の小割耐火ブロック14と、左右両端に配された2つの異形小割耐火ブロック15a,15bとからなる。同様に、図1に示すように、耐火ベルト12b及び耐火ベルト12cは、4個の小割耐火ブロック14と、左右両端に配された異形小割耐火ブロックから形成されている。このように形成された3本の耐火ベルト12a,12b,12cは、図2に示すように、図1のA−A線断面図に表される側面視形状が相違している。この相違点に関する説明は後述する。
小割耐火ブロック14は、平面視矩形状に形成した耐火煉瓦11からなる。なお、当該小割耐火ブロック14は、平面視略正方形状に形成することが好ましい。これによって、小割耐火ブロック14に加わる熱応力を均一化することができる。さらに、小割耐火ブロック14は、図2及び図3に示すように、左右側面の厚み方向中間部に嵌合凹部16がそれぞれ形成されている。嵌合凹部16は、当該嵌合凹部16の開口端が左右に隣り合う小割耐火ブロック14で対向するように形成されている。
異形小割耐火ブロック15a,15bは、耐火煉瓦11の所定部位を切除して形成されている。切除して形成された異形小割耐火ブロック15a,15bの切欠端面は、炉底周縁部10bのカーブした壁面に対向するように形成されている。切欠端面の反対側の側面には、小割耐火ブロック14と同様に、嵌合凹部16が形成されている。
嵌合凹部16は、隣接する小割耐火ブロック14の対向する側面において対向配置されたとき、図1〜図3に示すように、側面に対して垂直な略円柱形の空間を形成する。当該空間には、図4に示すように、略円柱形状の継手部材17が嵌合されている。継手部材17は、隣接する小割耐火ブロック14を嵌合凹部16を介して連結するように形成されている。
なお、本実施例において、継手部材17は、図4に示すように、横断面が円形の略円柱形状としたが、これに限定されるものでは無い。継手部材17は、たとえば、横断面が楕円形状の円柱であっても良いし、横断面が多角形状の角柱であっても良い。このような円柱又は角柱からなる柱状体を継手とする場合には、図4に示すように、当該柱状体の高さ方向が、嵌合凹部16が形成された側面に対して垂直をなすように当該嵌合凹部16へ嵌合されることが好ましい。また、柱状体だけでは無く、球体又は断面が略楕円形状の略長楕球体を継手としても良い。
継手部材17の他に、異形小割ブロック15a,15bと、各小割耐火ブロック14との間には、耐熱性に優れた目地材(図示略)が介在している。当該目地材は、継手部材17とあわせて、異形小割ブロック15a,15b、並びに各小割耐火ブロック14を互いに接合している。
これによって、図1及び図3に示すように、耐火ベルト12aは、左右両端の異形小割ブロック15a,15bの間に3個の小割耐火ブロック14を連結させて形成することができる。すなわち、継手部材17で連結する小割耐火ブロック14の個数を増減し、左右両端の異形小割ブロック15a,15bを炉底周縁部10bの壁面形状にあわせて形成することによって、種々多様な炉底形状にあわせて耐火ベルト12を形成することができる。
耐火ベルト12のうち、図1及び図3に示すように、耐火ベルト12aは、異形小割ブロック15a,15bの切欠端面が炉底周縁部10bの壁面に対向するように配置されている。円弧状の炉体1a外殻と直線的な断面を有する切欠端面との隙間には、スタンプ材18が充填されている。スタンプ材18は、耐火ベルト12が高温環境下で熱膨張したとき、当該熱膨張を吸収可能な素材からなる。
耐火ベルト12aの左右両端に配された異形小割ブロック15a,15bの切欠端面側は、側壁煉瓦積19によって上方から押さえ付けられている。
このように、横方向に沿って継手部材17で複数個の小割耐火ブロック14と左右両端の異形小割耐火ブロック15a,15bを連結し、各ブロック間を目地材で充填して接合して所定の強度を持たせたうえで、左右両端を側壁煉瓦積19で下方へ付勢することによって、図3に示すように、耐火ベルト12aを成す横方向に組まれた耐火煉瓦11の浮き上がりを防止することができる。耐火ベルト12b,12cは、耐火ベルト12aと同様の構成であることから説明を省略する。
耐火ベルト12は、図1に示すように、センター耐火ベルト12aと、その縦方向に沿って前後に配置されたサイド耐火ベルト12b,12cからなる。図2に示すように、センター耐火ベルト12aを構成する小割耐火ブロック14aは、側面視断面図が台形状に形成されている。一方、サイド耐火ベルト12b,12cを構成する小割耐火ブロック14b,14cは、図2に示すように、側面視断面図が四辺形状に形成されている。小割耐火ブロック14b,14cの長手方向に沿った側面の傾斜角度は、図2に示すように、小割耐火ブロック14a側の側面よりも、反小割耐火ブロック14a側の側面の方が大きくなるように形成されている。そして、図2に示すように、小割耐火ブロック14aの長手方向に沿った傾斜側面は、縦方向に沿ってその前後に配置した小割耐火ブロック14b,14cの対向する長手方向に沿った傾斜側面によって押さえつけられるように、それぞれ目地材(図示略)を介して当接されている。
図1に示すように、センター耐火ベルト12aを炉底中央部10aに配し、縦方向に沿ってその前後にサイド耐火ベルト12b,12cを配置したとき、センター耐火ベルト12aを構成する小割耐火ブロック14と、サイド耐火ベルト12b,12cを構成する小割耐火ブロック14は、縦方向に沿って隣接する当該小割耐火ブロック間が芋目地にならないように互い違いに配置された、いわゆる馬踏みと呼ばれる手法で敷設されている。これによって、耐火煉瓦11は、縦方向に目地が連通しておらず、当該目地に充填されている目地材を緩みにくくすることができる。
さらに上記のように、センター耐火ベルト12aの縦方向に沿って、その前後にサイド耐火ベルト12b,12cを配置した場合、図2に示すように、センター耐火ベルト12aを構成する小割耐火ブロック14aの傾斜した前後側面は、対向するサイド耐火ベルト12b,12cを構成する小割耐火ブロック14b,14cのそれぞれの傾斜した側面で押さえ付けられるように形成されている。すなわち、高温環境下で目地が溶損等で緩み、センター耐火ベルト12aが、溶融メタル中に浮き上がろうとするとき、当該センター耐火ベルト12aは前後に配置されたサイド耐火ベルト12b,12cの傾斜側面によって押さえつけられるので、当該センター耐火ベルト12aの浮き上がりを防止することができる。
充填ブロック群13は、耐火煉瓦11の所定部位を切除して形成された複数個の異形耐火ブロック13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jからなり、図1に示すように、縦方向に沿ってサイド耐火ベルト12b,12cと炉底周縁部10bとの間に形成された略半弓型状の隙間を埋めるように形成されている。
充填ブロック群13,13は、図1に示すように、サイド耐火ベルト12b,12cと対向する側面が傾斜している。すなわち、図2に示すように、異形耐火ブロック13cと小割耐火ブロック14bの対向する側面と、異形耐火ブロック13hと小割耐火ブロック14cの対向する側面は、それぞれ傾斜して当接している。
これによって、図2に示すように、小割耐火ブロック14b,14cの傾斜した前後側面は、対向する異形耐火ブロック13c,13hのそれぞれの傾斜した側面で押さえ付けられるように形成されている。すなわち、高温環境下で目地が溶損等で緩み、サイド耐火ベルト12b,12cが、溶融メタル中に浮き上がろうとするとき、当該サイド耐火ベルト12b,12cは前後に配置された充填ブロック群13,13の傾斜側面によって押さえつけられるので、当該サイド耐火ベルト12b,12cの浮き上がりを防止することができる。
以上、センター耐火ベルト12a、及びサイド耐火ベルト12b,12c、並びに充填ブロック群13として構成される耐火煉瓦11は、図1及び図2に示すように、縦方向に沿って前後の炉底周縁部10bから炉底中央部10aに向かって、当該耐火煉瓦11の前後側面の上縁が炉底中央部10a側に倒れ込むように傾斜角が付けられてる。
これによって、各部位の耐火煉瓦11が熱膨張した場合であっても、内側に配置されている耐火煉瓦11の上方に外側に配置されている耐火煉瓦11が迫り上がって、内側の耐火煉瓦11を押さえつけることができる。
また、図1及び図8に示すように、黒鉛電極2は炉底中央部10aの上方に配置されるので、炉底中央部10aは、炉底周縁部10bよりも高温に晒され、より早く溶損が進行する。
このように、炉底中央部10aから溶損が進行した場合であっても、図2に示すように、炉底周縁部10b側に配置された充填ブロック群13,13は電極2から遠く側壁煉瓦積19によって押さえつけられている面積比率が大きいことから、浮き上がり難くなっている。当該充填ブロック群13,13の炉底中央部10a側の側面が、サイド耐火ベルト12b,12cの炉底周縁部10b側の側面を押さえつけることによって、当該サイド耐火ベルト12b,12cは浮き上がり難くなると共に高温環境下で熱膨張した際には炉底中央部側10aが若干せり上がる。このとき、サイド耐火ベルト12b,12cの若干せり上がった炉底中央部側10aの側面は、センター耐火ベルト12aの両側面をそれぞれ上方から押さえつける。
これによって、炉底中央部10aから溶損が進行した場合であっても、センター耐火ベルト12aとして炉底中央部10aに配置されている耐火煉瓦11の浮き上がりを防止することができる。
そして、第1実施例に記載の溶融炉の炉底構造によれば、耐火ベルト12は、複数個の小割耐火ブロック14と左右両端に配した異形小割耐火ブロック15a,15bを継手部材17によって連結して形成される。すなわち、小割耐火ブロック14の個数を増減することで、耐火煉瓦11を敷設する炉底10の炉底内径に耐火ベルト12の長さを容易に合わせることができる。
また、第1実施例に記載の溶融炉の炉底構造によれば、耐火ベルト12を継手部材17で連結するようにした。これは、小割耐火ブロック14又は異形小割ブロック15a,15bの側面をそれぞれ点で連結するものである。これによって、小割耐火ブロック14又は異形小割ブロック15a,15bが熱膨張したり、炉底中央部10a近傍と炉底周縁部10bとの温度差から耐火ベルト12の中央部と両端部で熱応力の差が生じ、小割耐火ブロック14又は異形小割ブロック15a,15bが歪んだり湾曲したりした場合であっても、従来のキー方式のように、側面に沿って形成した溝に棒体を嵌合するものでは無いので、継手部材17は、亀裂が生じたり折損したりすることがない。そのため、隣接する小割耐火ブロック14又は異形小割ブロック15a,15b同士の接合力を維持することができるので、小割耐火ブロック14又は異形小割ブロック15a,15bを構成する耐火煉瓦11が浮き上がることを防止することができる。
さらに、第1実施例に記載の溶融炉の炉底構造によれば、炉底中央部10aを中心に縦方向に沿った炉底10の中間にセンター耐火ベルト12aを配置して、その前後にサイド耐火ベルト12b,12cを配置するようにした。これにより、センター耐火ベルト12aの位置決めをすれば、後は容易にサイド耐火ベルト12b,12cの位置が定まるので、炉底10の施工を容易に行うことができる。
第2実施例に係る溶融炉の炉底構造を、添付した図面にしたがって説明する。図5は、第2実施例に係る炉底構造の構成の概略を示す平面図、図6は図5に示したA−A線の断面図、図7は図5に示したB−B線の断面図である。
炉底10Aは、図5に示すように、複数個の耐火煉瓦11が炉底中央部10aから炉底周縁部10bに亘って縦横に敷き詰められている。
耐火煉瓦11は、ブロック状の炭素質煉瓦又はカーボン煉瓦からなり、第1実施例と同様であるから説明を省略する。
図5に示すように、炉底に敷設される耐火煉瓦11は、複数個連結して形成した耐火プレート20,21と、当該耐火プレート20,21でカバーできない隙間を埋める充填ブロック23とからなる。2枚の耐火プレート20,21は、炉底中央部10aから炉底周縁部10bにかけて炉底10の大部分を覆うように形成されている。
耐火プレート20は、炉底中央部10a側に配した3本の長尺耐火ブロック22a,22b,22cと、当該長尺耐火ブロック22a,22b,22cと炉底周縁部10bとの間を埋める異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nとを複数個の継手部材17でそれぞれ連結形成してなる。
長尺耐火ブロック22a,22b,22cは、長手方向に沿った横辺が、幅方向に沿った縦辺より長く形成された略長方形状の耐火煉瓦11からなり、炉底周縁部10bと対向する側の一部が切除されている。長尺耐火ブロック22a,22b,22cは、横辺側の側面の厚み方向中間部の所定箇所に少なくとも一つの嵌合凹部16が形成されている。
長尺耐火ブロック22aは、異形耐火ブロック13k,13lと対向する後側面に2つの嵌合凹部16が形成され、長尺耐火ブロック22bと対向する前側面には、1つの嵌合凹部16が形成されている。
長尺耐火ブロック22bの前後側面には、それぞれ1つの嵌合凹部16が形成され、当該嵌合凹部の開口端は、長尺耐火ブロック22aの前側面、長尺耐火ブロック22cの後側面に形成した嵌合凹部16の開口端と対向するように形成されている。
長尺耐火ブロック22cは、異形耐火ブロック13m,13nと対向する前側面に2つの嵌合凹部16が形成され、長尺耐火ブロック22bと対向する後側面には、1つの嵌合凹部16が形成されている。
異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nは、長尺耐火ブロック22a,22cと対向する前後側面の所定箇所に嵌合凹部16が形成されている。
上記の各位置に設けた嵌合凹部16は、第1実施例と同様に継手部材17が嵌合可能に形成されている。当該継手部材17を嵌合凹部に嵌合したとき、長尺耐火ブロック22a,22b,22c及び異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nは縦方向に沿って連結され、耐火プレート20が形成される。
継手部材17は、第1実施例と同様であるから説明を省略する。
耐火プレート21は、3本の長尺耐火ブロック22d,22e,22fを複数個の継手部材17でそれぞれ連結形成してなる。
長尺耐火ブロック22d,22e,22fもまた、長手方向に沿った横辺が、幅方向に沿った縦辺より長く形成された略長方形状の耐火煉瓦11からなり、炉底周縁部10bと対向する側の一部が切除されている。長尺耐火ブロック22d,22e,22fは、それぞれ対向する横辺側の前後側面の厚み方向中間部の所定箇所に嵌合凹部16が形成されている。
嵌合凹部16は、上記と同様に、継手部材17が嵌合可能に形成されている。当該継手部材17を嵌合凹部16に嵌合したとき、長尺耐火ブロック22d,22e,22fは縦方向に沿って連結され、耐火プレート21が形成される。
充填ブロック23a,23b,23c,23dは、耐火プレート20,21の側面と炉底周縁部10bとの間に形成される隙間の形状にあわせて、略矩形状の耐火煉瓦11の角隅部を切除したり、当該耐火煉瓦11を斜めに半割して形成されている。
充填ブロック23aは、耐火プレート21の左後方で長尺耐火ブロック22aと異形耐火ブロック13kによって形成された扇形状の隙間へ、当該隙間を埋めるように配置されている。
充填ブロック23aと同様に、充填ブロック23b,23c,23dもまた、長尺耐火ブロック22c,22d,22fと異形耐火ブロック13l,13m,13nによって形成された扇形状の隙間へ、当該隙間を埋めるように配置されている。充填ブロック23a,23b,23c,23dは、図6又は図7に示す溶融炉1の側壁煉瓦積19によって上方から押さえつけられており、これによって、充填ブロック23a,23b,23c,23dの浮き上がりを防止することができる。
第2実施例にかかる溶融炉の炉底構造によれば、耐火プレート20,21を複数の長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22fを用いて構成した。これにより敷設した耐火プレート20,21に係る耐火煉瓦11の目地数を減らすことができる。これによって、溶融炉1内に露出する目地を少なくすることができるので、耐火煉瓦11よりも耐熱性に劣る目地が緩むことの影響を最小限に抑えることができる。また、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22fが熱膨張した場合であっても、スタンプ材18によって当該熱膨張を吸収し、さらに反炉体内壁側面で長尺耐火ブロック22aと長尺耐火ブロック22d、長尺耐火ブロック22bと長尺耐火ブロック22e、そして長尺耐火ブロック22cと長尺耐火ブロック22fが互いに衝合しあうので、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22fの浮き上がりを防止することができる。
また、第2実施例に係る溶融炉の炉底構造によれば、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22fの長手方向に沿った横辺に少なくとも一つの嵌合凹部16を設けて、当該嵌合凹部16に継手部材17を嵌合して、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22f及び異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nを連結して耐火プレート20,21を構成するようにした。
ここで、耐火プレート20,21が高温環境下の熱応力によって歪んだり、又は亀裂が生じて折損した場合であっても、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22f及び異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nの側面を継手部材17で点として結合しているので、熱応力の影響を抑えることができる。
これによって、長尺耐火ブロック22a,22b,22c,22d,22e,22f及び異形耐火ブロック13k,13l,13m,13nの結合力を維持して、耐火煉瓦11の浮き上がりを防止することができる。
さらに、第1実施例及び第2実施例に係る溶融炉の炉底構造によれば、炉底直径の大きさ、ひいては炉の大きさに合わせて炉底に耐火煉瓦11を敷設する最適な方法を選択することができる。すなわち、炉外径がΦ2.5m〜Φ6m前後の溶融炉だけではなく、Φ8m〜Φ19mまたはそれ以上の大型炉についても適用することができる。
また、耐火煉瓦11の対向する側面を嵌合凹部16と継手部材17によって点で接合するようにした。これによって、耐火煉瓦11や目地の溶損による影響、又は耐火煉瓦11の熱膨張或いは熱応力による影響を最小限に抑えることができる。これによって、炉内温度が1400℃〜1600℃前後で長期間稼働させて熱応力の変化が小さな高炉のみならず、溶融炉のような、乾燥焦熱が3日〜1週間前後で、1500℃〜1800℃のの超高温環境下で1週間〜半年前後操業され、熱応力の変化が大きい場合であっても耐火煉瓦11の浮き上がりを防止することができる。
10,10A…炉底、10a…炉底中央部、10b…炉底周縁部、
11…耐火煉瓦、
12…耐火ベルト、
12a…センター耐火ベルト、12b,12c…サイド耐火ベルト、
13…充填ブロック群、
13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j,13k,13l,13m13n…異形耐火ブロック、
14…小割耐火ブロック、14a…センター耐火ベルト12aを構成する小割耐火ブロック、14b,14c…サイド耐火ベルト12b,12cを構成する小割耐火ブロック
15a,15b…異形小割耐火ブロック、
16…嵌合凹部、17…継手部材、
18…スタンプ材、
19…側壁煉瓦積、
20,21…耐火プレート、
22a,22b,22c,22d,22e,22f…長尺耐火ブロック、
23a,23b,23c,23d…充填ブロック、

1…電気式溶融炉、1a…炉本体、2…黒鉛電極、3…灰・ダスト、4…溶融メタル、5…溶融スラグ、6…メタル出湯口、7…スラグ出湯口、

100a…炉底中央部(従来例)、100b…炉底周縁部(従来例)、
100A…和白式炉底、100B…キー方式炉底、100C…長尺式炉底、
101…凹溝、102…貫通孔、103…キー、
104…長尺耐火煉瓦、104a…炉体内壁側側面、104b…反炉体内壁側側面、
105…側壁煉瓦積(従来例)。

Claims (3)

  1. 耐火煉瓦からなる複数個の小割耐火ブロックを、溶融炉の炉底へ縦横に敷き詰めた溶融炉の炉底構造であって、
    隣接する前記小割耐火ブロックの対向する側面に、開口端が互いに対向する嵌合凹部をそれぞれ設け、
    当該嵌合凹部に継手部材を嵌合し、隣接する前記小割耐火ブロックを複数個連結して、
    長さ方向に沿った両側面が幅方向内側へ互いに傾斜したセンター耐火ベルトと、
    当該センター耐火ベルトの傾斜した側面を押さえつけるように傾斜した側面を有する一対のサイド耐火ベルトを形成し、
    前記センター耐火ベルトと前記サイド耐火ベルトの長さ方向両端部を、前記溶融炉の炉底周縁部に沿って切除すると共に、
    前記両端部を、前記溶融炉の炉体側壁の下端部で押さえ込むようにしたことを特徴とする溶融炉の炉底構造。
  2. 耐火煉瓦からなる複数個の長尺耐火ブロックを、溶融炉の炉底へ縦横に敷き詰めた溶融炉の炉底構造であって、
    隣接する前記長尺耐火ブロックの対向する側面に、開口端が互いに対向する嵌合凹部をそれぞれ設け、
    当該嵌合凹部に継手部材を嵌合し、隣接する前記長尺耐火ブロックを複数個連結して前記炉底の大部分を覆う耐火プレートを形成し、
    当該耐火プレートの端部が、前記溶融炉の炉体側壁の下端部で押さえ込まれていることを特徴とする溶融炉の炉底構造。
  3. 前記嵌合凹部が、前記耐火煉瓦の厚み方向中間部に形成されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の溶融炉の炉底構造。
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