JP6700010B2 - インクジェット印刷装置およびエッチング金属板の製造装置 - Google Patents

インクジェット印刷装置およびエッチング金属板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット印刷装置およびエッチング金属板の製造装置に関する。
表面の凹凸による意匠性を有する金属板は、エレベータの扉材のような高級感を要する製品の部品として有用である。上記金属板の表面に凹凸を形成するためのエッチングにおける金属板のマスキング方法としては、インクジェット印刷装置によって紫外線(UV)硬化性のインクを金属板に塗布し、当該インクへUVを照射することにより、当該インクの硬化膜による所望のパターン画像を金属板に形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。当該インクジェット印刷装置は、微細なパターン画像を形成することができ、また、インクジェットヘッドの平面方向への移動によって、種々の大きさの金属板にも当該パターン画像を形成することが可能である。
特開2012−162615号公報
上記エッチング金属板は、一般に、意匠性がより求められることから、エッチング金属板の製造装置には、少量多品種の生産に適応可能であることが求められる。このような観点によれば、上記インクジェット印刷装置は、そのインクジェットヘッドがワークの幅方向および長さ方向に相対的に移動可能であることから、ワークの大きさに自在に対応することが可能であり、好ましい。
一方で、インクジェット印刷装置では、通常、適切な印刷を継続するためには、ノズルのチェックの工程やインクジェットヘッドのクリーニング工程などのヘッド保守工程が定期的に実施される。また、上記ヘッド保守工程のためのヘッド保守装置(ノズルチェック装置やヘッドクリーニング装置など)は、通常、印刷時にワークが到達しない位置に配置される。上記ヘッド保守工程の間は、当然、印刷は中断される。
上記のような、ワークの長さ方向および幅方向の両方向にインクジェットヘッドを移動させながらワークの印刷を行う上記インクジェット印刷装置では、上記ヘッド保守装置がワーク上の印刷位置から遠く離れた位置に配置されるので、上記ヘッド保守工程のための印刷の中断時間も長くなる傾向にある。このような傾向は、ワークのサイズが大きくなるほど、あるいは長くなるほどより顕著である。このように、上記インクジェット印刷装置は、特に細長で大きなワークの印刷における生産性を高める観点から、改善の余地が残されている。
本発明は、長尺なワークに対しても高い生産性で印刷物を製造可能なインクジェット印刷装置を提供することを第1の課題とする。
また、本発明は、長尺な金属板に対しても高い生産性でエッチング金属板を製造可能なエッチングの製造装置を提供することを第2の課題とする。
本発明者らは、インクジェットヘッドとワークとの相対的な移動の仕様を、インクジェットヘッドからヘッド保守装置までの距離が一定になるように適切に規定することによって、長尺なワークのヘッド保守工程による印刷の中断時間を一定の時間に抑えられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、少なくとも上記第1の課題を解決するための手段として、インクが塗布されるべきワークに前記インクの液滴を吐出するためのインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに対向し、かつ第1の印刷方向に沿って往復運動自在に配置され、前記インクジェットヘッドに対向する位置に前記ワークを支持するためのワーク移動装置と、前記第1の印刷方向に交差する第2の印刷方向に沿う所望の位置に前記インクジェットヘッドを前記ワーク移動装置に対して支持するヘッド支持装置と、を有するインクジェット印刷装置、を提供する。
また、本発明は、少なくとも上記第2の課題を解決するための手段として、金属板の表面の保護されるべき部分にマスキング剤の硬化膜を作製するためのマスキング装置と、前記硬化膜を有する前記金属板にエッチング処理を行うためのエッチング装置と、エッチング処理された前記金属板から前記硬化膜を除去するためのマスキング硬化膜除去装置と、を有し、前記マスキング装置が前記マスキング剤を前記インクとする上記のインクジェット印刷装置であるエッチング金属板の製造装置、を提供する。
本発明によれば、長尺なワークに対しても高い生産性で印刷物を製造することができ、また、長尺な金属板に対しても高い生産性でエッチング金属板を製造することができる。
本発明の一実施の形態に係るエッチング金属板の製造装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の他の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施の形態に係るエッチング金属板の製造装置の構成を図1に模式的に示す。
エッチング金属板の製造装置100は、図1に示されるように、金属板の搬送装置10を有し、搬送装置10の搬送方向Xに沿って、前処理装置20、マスキング装置30、乾燥機40、エッチング装置50、洗浄装置60、マスキング硬化膜除去装置70、洗浄装置80およびラミネート装置90を有する。金属板は、ワークに該当する。
搬送装置10は、プロセス方向(X方向)に金属板を搬送するための装置であり、例えば図2に示されるように、ローラーテーブルである。搬送装置10は、複数の駆動ローラ101を有し、駆動ローラ101はX方向に並べられており、そのそれぞれは、その軸が搬送方向Xに直交するY方向に沿うように配置されている。搬送装置10は、所望の方向に金属板を搬送することが可能な装置であればよい。搬送装置10の他の例には、ロボットアーム、ベルトコンベア、ターンテーブル、チェーンコンベア、ホイールコンベアおよびボールコンベアが含まれる。
前処理装置20は、マスキング剤が塗布される金属板に、マスキング剤の塗布に好適な処理を施すための装置である。前処理装置20は、例えば、下地処理液を金属板に塗布するためのノズルと、下地処理液が塗布された金属板を乾燥させる乾燥装置とを有する。上記下地処理液は、マスキング剤の金属板への密着性を高める成分の溶液または分散液であり、例えば、脱脂用無機アルカリ洗浄液、脱脂用有機アルカリ洗浄液、または、金属汚れを溶解除去するための無機酸性洗浄液、である。
マスキング装置30は、金属板の表面の保護されるべき部分にマスキング剤の硬化膜を作製するためのインクジェット印刷装置である。マスキング装置30は、図2に示されるように、印刷ステージ301、移動テーブル302、搬送ローラ303、架台304、インクジェットヘッド305、ノズルチェック装置306、ヘッドクリーニング装置307およびUVランプ308を有する。
印刷ステージ301は、搬送装置10の一部とインクジェット印刷のための種々の装置および部材とを支持する部分である。
移動テーブル302は、X方向に沿って図2の実線部から破線部までの間を往復運動可能に配置されている。移動テーブル302は、インクジェットヘッド305に対向し、かつ第1の印刷方向(X方向)に沿って往復運動自在に配置され、インクジェットヘッド305に対向する位置にワーク(金属板)を支持するための装置である。
移動テーブル302は、例えばバキュームテーブルであり、矩形のチャンバと、その上面に開口する複数の通気口と、当該チャンバ内への給気または当該チャンバ内からの排気によって上記チャンバ内の圧力を調整するための圧力調整装置と、上記チャンバを往復運動させる往復運動機構と、によって構成されている。上記通気口は、X方向およびY方向において規則的に配列している。
上記往復運動機構は、例えば、リニアモータ式アクチュエータである。上記往復運動機構は、上記チャンバをX方向に沿って往復運動可能な装置の中から適宜に選ぶことが可能である。上記往復運動機構の他の例には、ラックアンドピニオン機構が含まれる。
なお、上記ワーク移動装置は、インクジェットヘッド305に対してワークをX方向に沿って往復運動自在に支持可能な装置の中から適宜に選ぶことが可能である。上記ワーク移動装置の他の例には、ロボットアームが含まれる。
搬送ローラ303は、搬送装置10上の金属板を搬送装置10から移動テーブル302に搬送し、または移動テーブル302上の金属板を搬送装置10上へ搬送するための駆動ローラである。
架台304は、例えば、搬送装置10および印刷ステージ301をY方向に沿って跨ぐガントリー型の台である。インクジェットヘッド305は、Y方向に移動自在に架台304に配置されている。
架台304は、インクジェットヘッド305をY方向における任意の位置に案内するためのガイドとなっており、インクジェットヘッド305をY方向の所望の位置に移動、支持可能な往復運動機構を含む。架台304は、X方向に交差する第2の印刷方向(Y方向)に沿ってインクジェットヘッドを上記ワーク移動装置に対して往復運動自在に支持するヘッド支持装置に該当する。上記往復運動機構は、架台304に支持されているインクジェットヘッド305をY方向に沿って移動自在な装置の中から適宜に選ぶことが可能である。当該往復運動機構の例には、ラックアンドピニオン機構、リニアモータ式アクチュエータが含まれる。
インクジェットヘッド305は、インクが塗布されるべきワークにインクの液滴を吐出するための装置である。インクジェットヘッド305には、複数のインクジェットノズルを有する公知のインクジェットヘッドを利用することができる。
インクジェットヘッド305は、そのX方向における一端側に、UVランプ3051を有する。UVランプ3051は、X方向におけるインクジェットヘッド305の後方にインクジェットヘッド305と一体的に配置され、上記ワーク上のインクを硬化させる活性エネルギー線を当該ワーク上のインクに照射するための活性エネルギー線照射装置に該当する。UVランプ3051は、例えば、UV発光ダイオードである。
活性エネルギー線は、上記インクを硬化させる電磁波の中からインクの硬化性に基づいて適宜に選ぶことが可能である。紫外線以外の活性エネルギー線の例には、赤外線、可視光線、X線、電子線、アルファ線、ベータ線およびガンマ線が含まれる。また、UVランプ3051は、活性エネルギー線の種類に応じて適宜に選ぶことが可能であり、発光ダイオード以外のUVランプ3051の例には、ガリウムランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管および冷陰極管が含まれる。
インクジェットヘッド305に供給されるインクは、マスキング剤である。マスキング剤は、金属への十分な密着性と硬化性とを有するインク組成物の中から適宜に選ぶことが可能である。上記マスキング剤には、例えば、特許文献1に記載のインクジェットインキ組成物を用いることができる。
ノズルチェック装置306は、Y方向におけるインクジェットヘッド305の往復運動経路の一端に配置されている。具体的には、ノズルチェック装置306は、駆動ローラ101間であって架台304の一端部の下方に配置されている。ノズルチェック装置306は、インクジェットノズルからのインクの吐出が設定通りか否かを検査するための装置であり、例えば、公知のように、PETシートなどの透明シートと、当該透明シートに印刷されたテスト用のパターンの適否を判定する装置と、によって構成される。
ヘッドクリーニング装置307は、Y方向におけるインクジェットヘッド305の往復運動経路の他端に配置されている。具体的には、ヘッドクリーニング装置307は、Y方向における移動テーブル302よりも他端側であって架台304の他端部の下方に配置されている。ヘッドクリーニング装置307は、インクジェットノズルの詰まりを除去するための装置であり、例えば、公知のクリーニング装置を利用することが可能である。
ノズルチェック装置306およびヘッドクリーニング装置307は、いずれも、Y方向におけるインクジェットヘッド305の往復運動経路上に配置された、インクジェットヘッド305の所期の動作を維持するためのヘッド保守装置に該当する。当該ヘッド保守装置は、インクジェットヘッド305の所期の動作を維持するための検査または作業を実施可能な装置の中から適宜に選ぶことが可能である。上記ヘッド保守装置には、インクジェットヘッド表面のワイピング装置、および、溶剤に浸漬することによるワイピングゴムの洗浄装置、が含まれる。
UVランプ308は、前述した活性エネルギー線照射装置に該当し、例えば、ガリウムランプである。UVランプ308は、搬送装置10の、X方向における搬送ローラ303よりも下流側において、搬送装置10上に、搬送装置10によって搬送されている金属板に紫外線(UV)を照射するように配置されている。
乾燥機40は、マスキングされた金属板に残存する水分や溶剤などの揮発成分を除去するための装置である。また、金属板を加熱することにより、マスキング剤を硬化させる際に発生した残留応力を除去してマスキング層と金属板の密着性を向上させる効果もある。乾燥機40は、搬送されている金属板を乾燥可能な装置であることが好ましく、当該乾燥機の例には、熱風乾燥機、(遠、中または近)赤外線ヒータおよび誘導加熱装置が含まれる。
エッチング装置50は、上記硬化膜を有する金属板にエッチング処理を行うための装置である。エッチング装置50は、例えば、上記金属板の上記硬化膜側の表面に塩酸水溶液を噴霧するための塩酸槽と、第2塩化鉄水溶液を当該表面に噴霧するための、X方向に並ぶ複数のエッチング槽と、金属板のエッチングされた表面を洗浄するための洗浄液を噴霧するノズルと、エッチングによって生じたスマットを上記表面から除去するためのスマット除去装置とを有する。上記洗浄液は、例えば、エッチング液を20〜50倍に希釈した液である。
上記塩酸水溶液および塩化第2鉄水溶液は、いずれもエッチング液であり、当該エッチング液の他の例には、塩化第2銅水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液およびリン酸水溶液が含まれる。また、上記スマット除去装置は、例えば回転ロールブラシである。
洗浄装置60は、エッチング処理後の上記金属板を水洗するための装置である。洗浄装置60は、例えば、上記金属板の表面に水を噴霧するためのノズルと、上記表面の水を除去するためのエアナイフとを有する。
マスキング硬化膜除去装置70は、エッチング処理された金属板からマスキング剤の硬化膜を除去するための装置である。マスキング硬化膜除去装置70は、例えば、上記硬化膜を膨潤させる膨潤液を金属板に噴霧するためのノズル、金属板に噴霧された膨潤液を回収するための膨潤液回収槽、硬化膜の膨潤により生じた、膨潤液回収槽中の膨潤液(回収液)中の硬化膜片を捕集し、回収液から取り出すためのメッシュベルトコンベア、膨潤液回収槽から排出された回収液中の浮遊物を捕集するためのストレーナ、浮遊物が除去された回収液の組成を検査するための検査装置、組成が検査された回収液が収容される調整槽、膨潤液の原液を収容する原液槽、および、メッシュベルトコンベアで捕集された硬化膜片を収容するための硬化膜片回収槽、を有する。
洗浄装置80は、硬化膜が除去された金属板を洗浄するための装置である。洗浄装置80は、例えば、洗浄液(例えば水)を金属板に噴霧するためのノズル、当該金属板から流れ落ちる洗浄水を収容するための洗浄水回収槽、当該金属板の表面を擦るためのブラシ、洗浄水回収槽から排出された洗浄水中の固形物を捕集するためのストレーナ、および、ストレーナによって固形分が除去された洗浄水へ必要に応じて水を補充するための新水供給管、を有する。
ラミネート装置90は、エッチングされた洗浄済みの金属板の表面に、傷付き防止用のフィルムを貼り合わせるための装置である。
次に、エッチング金属板の製造装置100の作動状況を説明する。
金属板は、搬送装置10によって、例えば0.3〜5.0m/minの速度で搬送される。金属板は、所定の大きさを有する、平面形状が長方形の板であり、例えば、長さが2〜5mであり、幅が1〜1.5mであり、厚さが0.5〜3.0mmである。金属板の材料は、エッチング可能な公知の金属および合金から適宜に決めることが可能であり、例えばステンレス鋼である。
金属板は、その長手方向が搬送方向に沿う向きで搬送装置10によって上記の速度で前処理装置20に搬送される。前処理装置20を通過している金属板の、エッチングされるべき表面(例えば上面)に、前処理装置20から下地処理液が塗布され、下地処理液が塗布された金属板は、前処理装置20の下流側の部分に配置されている乾燥装置によって乾燥される。下地処理液には、その目的に応じた公知の処理液を用いることができ、例えば、マスキング剤の密着性向上の目的であれば、下記組成の下地処理液が用いられる。金属板の上記乾燥における乾燥温度は、例えば金属板の温度で60〜80℃である。
水酸化ナトリウム 28質量部
炭酸ナトリウム 13質量部
水 59質量部
前処理(下地処理)された金属板は、搬送装置10によってマスキング装置30に搬送される。当該金属板は、搬送ローラ303によって、搬送装置10上から印刷ステージ301の上流側の位置(図2の実線で示される位置)にある移動テーブル302上に搬送される。架台304よりも上流側の駆動ローラ101および搬送ローラ303は、ワークの搬送方向の上流側からワークを搬送し、次いで上記ワーク移動装置の往復運動経路の一端側に配置されているワーク移動装置へ、当該搬送方向に交差する方向(Y方向)に沿ってワークを搬送するための第1のワーク搬送装置に該当する。
移動テーブル302上に搬送された金属板は、移動テーブル302のチャンバ内の排気によってチャンバ内が負圧になり、上記通気口からチャンバ内への吸気が発生することにより、移動テーブル302上に固定される。
インクジェットヘッド305は、Y方向における印刷開始位置、例えば、印刷位置におけるY方向における一端(印刷位置Y1)に移動し、固定される。そして、移動テーブル302がX方向に沿って、上流側の位置から下流側の位置(図2の破線で示される位置)まで連続して移動し、インクジェットヘッド305は、印刷位置Y1において形成すべき画像に応じてインク(マスキング剤)の液滴を金属板に吐出し、当該印刷位置Y1における金属板の上面のエッチングされない部分(エッチング時に保護されるべき部分)にマスキング剤を塗布する。金属板上のマスキング剤には、マスキング剤の液滴の吐出の直後に、UVランプ3051から紫外線が照射され、それにより、当該マスキング剤が硬化する。
移動テーブル302が下流側へ移動して印刷位置Y1におけるX方向への印刷が終了すると、移動テーブル302は、上流側へ移動し、インクジェットヘッド305は、Y方向における次なる印刷位置(印刷位置Y2)に移動し、固定される。そして、印刷位置Y1における印刷と同様に、移動テーブル302を下流側に移動させながら、インクジェットヘッド305からマスキング剤の液滴を金属板に吐出するとともにUVランプ3051から金属板上のマスキング剤に紫外線を照射して、印刷位置Y2におけるX方向への印刷を行う。こうして、Y方向における印刷位置にインクジェットヘッド305を固定しながら、X方向に金属板を移動させることによって、インクジェットヘッド305を金属板に対して相対的に金属板の表面全体に走査させ、金属板の表面の印刷を行う。
印刷開始時または印刷中の特定の間隔で、ヘッド保守工程が行われる。ヘッド保守工程では、まず、移動テーブル302のX方向への移動が一時停止する。そして、インクジェットヘッド305がY方向における一端側にあるノズルチェック装置306まで移動する。そして、インクジェットヘッド305のノズルの吐出の適否がチェックされる。
上記ノズルからのマスキング剤の液滴の吐出に問題が発見されなかった場合には、インクジェットヘッド305は、一時停止したときのY方向における印刷位置に戻る。そして、移動テーブル302がX方向に動きだし、インクジェットヘッド305からマスキング剤の液滴が吐出され、こうして一時停止した上記印刷位置から印刷が再開される。
上記ノズルからのマスキング剤の液滴の吐出に問題が発見された場合には、インクジェットヘッド305は、ノズルチェック装置306の位置からY方向における他端側にあるヘッドクリーニング装置307まで移動する。そして、ヘッドのクリーニングが行われ、ノズルの詰まりが除かれる。そして、インクジェットヘッド305は、再度、ノズルチェック装置306まで移動してノズルのチェックを受ける。そして、問題が解消したことが確認されれば、上記のようにして、一時停止した上記印刷位置からの印刷が再開される。
上記マスキング剤は、活性エネルギー線の照射によって硬化する性質を有し、インクジェットヘッド305から吐出可能な液状の組成物である。上記マスキング剤には、特許文献1に記載のインクジェットインキ組成物が好適に用いられ、例えば、下記組成を有する。下記光重合開始剤1は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであり、光重合開始剤2はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドである。
りん酸水素ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル] 6.0質量部
りん酸二水素2−(メタクリロイルオキシ)エチル 5.0質量部
ジプロピレングリコールジアクリレート 10.0質量部
ジメチルアクリルアミド 15.0質量部
イソボルニルアクリレート 44.5質量部
2−アクリロイルオキシエチルコハク酸 5.5質量部
光重合開始剤1 9.0質量部
光重合開始剤2 5.0質量部
上記のようにして、マスキング剤が塗布(印刷)された金属板は、上記下流側の位置に到着する。そして、上記チャンバへの給気によって当該チャンバ内が正圧になり、上記通気口からエアが噴出することによって、移動テーブル302上の金属板が搬送ローラ303上に搬送され、搬送ローラ303によって搬送装置10上に搬送される。架台304よりも下流側の駆動ローラ101および搬送ローラ303は、上記ワーク移動装置の往復運動経路の他端側に配置されている上記ワーク移動装置に支持されているワークをY方向に沿って搬送し、次いでX方向の下流側にワークをさらに搬送するための第2のワーク搬送装置に該当する。
搬送装置10に搬送された上記金属板の上面には、搬送装置10による搬送に伴い、UVランプ308からUVが照射され、その結果、金属板上のインクが完全に硬化する。こうして、上記金属板の上面に印刷されたマスキング剤が硬化し、金属板の表面の保護されるべき部分にマスキング剤の硬化膜が作製される。
このように、マスキング装置30では、ワークの上記搬送方向および上記第1の印刷方向は、いずれもX方向であるとともにワークの長手方向に平行であり、上記搬送方向に交差する方向および上記第2の印刷方向は、いずれもY方向であるとともにワークの短手方向に平行となっている。
上記のようにしてマスキングされた金属板は、搬送装置10によって乾燥機40に搬送されて乾燥され、エッチング装置50に搬送される。当該金属板は、エッチング装置50において、搬送装置10によって上記の速度で搬送されながら、当該金属板の上面へ、まず塩酸が噴霧され、次いで塩化第2鉄の水溶液が噴霧される。そして、エッチング装置50の下流側の部分に配置された上記スマット除去装置によって、エッチング処理によって生じた上記金属板の上面上の固形物(スマット)が当該上面から除去される。エッチング処理は、例えば50〜80℃で行われる。こうして、上記硬化膜を有する金属板にエッチング処理が行われる。
エッチング処理が施された金属板は、搬送装置10によって洗浄装置60に搬送される。洗浄装置60において、上記金属板は、搬送装置10によって上記の速度で搬送されながら、上記上面へ水が噴霧され、次いでエアナイフからエアが噴出されることによって上記上面上の水が吹き飛ばされる。こうして、上記金属板の上面が洗浄される。
エッチング処理された上面が洗浄された金属板は、搬送装置10によってマスキング硬化膜除去装置70に搬送される。マスキング硬化膜除去装置70において、搬送装置10によって上記の速度で搬送されている金属板の上面には、所望の温度(例えば50〜80℃)の膨潤液がノズルから噴霧され、塗布される。
上記膨潤液は、上記硬化膜を膨潤させることができる液である。たとえば、上記膨潤液は、上記硬化膜に浸透し、あるいは上記硬化膜と金属板の表面との界面に侵入し、上記硬化膜を上記金属板の表面から剥離させる液である。上記膨潤液は、上記硬化膜の組成に応じて適宜に選択され、例えば、マスキング剤の硬化性材料が上記の多官能(メタ)アクリル酸系の化合物を含む場合では、ベンジルアルコールを含有する液体であることが好ましく、例えば下記組成を有する。
ベンジルアルコール 35質量部
2,4−キシレンスルホン酸ナトリウム 15質量部
水 50質量部
上記膨潤液において、ベンジルアルコールは、主に、上記硬化膜に対する溶剤であり、膨潤液におけるベンジルアルコールの含有量は、25〜65質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。2,4−キシレンスルホン酸ナトリウムは、界面活性剤であり、当該界面活性剤は、主に、ベンジルアルコールの水への可溶化剤である。当該界面活性剤の他の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびステアリルトリメチルアンモニウムクロライドが含まれる。
上記膨潤液における上記界面活性剤の含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。上記水は、上記膨潤液における液媒である。膨潤液における水の含有量は、20〜60質量%であることが好ましく、40〜55質量%であることがより好ましい。また、ベンジルアルコールに対する水の含有量比(質量比)は、0.3〜2.5であることが好ましく、1.2〜2.0であることがより好ましい。
なお、上記膨潤液は、上記硬化膜の膨潤による除去が実現される範囲において、他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、硬化膜の溶解に寄与しない程度(例えば1.0質量%未満)の苛性アルカリ、および、イソプロピルアルコールやブチルセロソルブなどのアルコール系溶剤、が含まれる。
なお、上記組成の膨潤液の温度は、70℃以下であることが好ましい。当該膨潤液の温度が70℃を超えると、水の蒸発速度が速くなり、膨潤液の組成が変化し、その結果、剥離性能の低下が懸念されるので好ましくない。
上記金属板の上面に塗布された膨潤液は、金属板がマスキング硬化膜除去装置70内を搬送されている間に、上記硬化膜を膨潤、剥離させ、そして硬化膜片とともに上記膨潤液回収槽へ流れ落ちる。こうして、エッチング処理された金属板から上記硬化膜が除去される。
上記膨潤液回収槽に収容された膨潤液(回収液)は、上記液だまり部へ導かれ、回収液中の硬化膜片は、上記メッシュベルトコンベアのメッシュベルトに掬い取られて捕集され、上記硬化膜片回収槽に搬送され、収容される。上記硬化膜片が捕集された上記回収液は、上記膨潤液回収槽からストレーナを経て上記検査装置に送られ、上記調整槽に収容される。そして、上記検査装置で検出された回収液の組成に応じて、膨潤液の材料のうちの不足の材料が上記原液槽から供給される。そして、上記調整槽にて温度および組成が調整された回収液は、上記ノズルに供給され、膨潤液として再利用される。
硬化膜が除去された金属板は、搬送装置10によって洗浄装置80に搬送される。搬送装置10によって上記の速度で搬送されている金属板のエッチング処理された表面(上面)には、洗浄液としての水が上記ノズルから噴霧され、また、上記上面は、回転駆動する上記ブラシによって擦られて洗浄される。洗浄水は、上記洗浄液回収槽に回収され、上記ストレーナを経て上記ノズルに送られて、洗浄液として再利用される。なお、膨潤液の組成は、再利用を容易かつ確実に行う観点から、簡素であることがより好ましい。
洗浄された金属板は、必要に応じて、例えば不図示のエアナイフ下に搬送され、金属板上面の不要な水が当該上面から除去される。こうして、所期の凹凸を有するようにエッチングされ、洗浄された金属板は、搬送装置10によって上記の速度でラミネート装置90に搬送される。
ラミネート装置90は、エッチングされた金属板の表面に、傷付き防止用のフィルムを貼り合わせる。ラミネート装置90を通過している金属板の上面には、当該フィルムが供給され、例えばローラによって密着し、カッターによって切断される。こうして、エッチング金属板が製造される。
前述したように、一般にインクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドの目詰まりを防止するために定期的にフラッシング(インクの捨て打ち)とヘッドクリーニングが行われる。
ここで、移動テーブル302を固定して金属板の長手方向(X方向)にインクジェットヘッド305を移動させて印刷する第1の場合を想定する。第1の場合、ヘッドクリーニングおよびフラッシングするための待避位置(ヘッド保守装置の位置)は、金属板が固定されるべき場所から外れた位置になることから、当該退避位置へのインクジェットヘッド305の移動距離は、長くなる。また、インクジェットヘッド305を移動させるための装置、例えばリニアモータガイド(リニアモータ式アクチュエータ)、による、往復移動経路の両端でのインクジェットヘッド305の加速および減速が必要となる。第1の場合では、これらの移動およびそのための加速、減速のための時間が必要である。特に、上記リニアモータガイドは、一般に寸動には不向きであるので、十分な加速および減速が必要となり、それらのための時間が、寸動自在な装置に比べてより多く必要になる。
また、移動テーブル302を固定して、金属板の短手方向(Y方向)にインクジェットヘッド305を移動させて印刷する第2の場合を想定する。第2の場合、Y方向にインクジェットヘッド305を移動させるので、X方向にインクジェットヘッド305を移動させる第1の場合よりも、インクジェットヘッド305の往復移動回数が多くなり、同時に加速および減速の回数が多くなる。このため、第2の場合では、加速、減速のための時間が第1の場合に比べてより一層多く必要になる。また、第2の場合も第1の場合と同様に、上記退避位置は、金属板が固定されるべき場所から外れた位置になることから、当該退避位置へのインクジェットヘッド305の移動距離は、長くなる。
このように、第1の場合および第2の場合のいずれも、ヘッド保守工程のためのインクジェットヘッド305の移動時間が相当に必要であり、当該移動時間は、インクジェット印刷およびエッチング金属板の製造にとっては間接的な作業時間であり、生産性の観点からは時間のロスになる。なお、第1の場合よりも第2の場合の方が、時間のロスがより多い。
これに対して、マスキング装置30では、金属板を載せた移動テーブル302が高速で移動することによってインクジェット印刷を行う。X方向については、金属板のサイズに合わせて移動テーブル302の移動距離を設定することが可能である。また、Y方向については、架台304におけるインクジェットヘッド305の配置(移動範囲)を金属板の幅に合わせて設定可能である。よって、金属板のサイズの違いに対応することが可能である。
また、マスキング装置30では、X方向に対して、インクヘッドジェット305を固定し、移動テーブル302を動かし、かつインクジェットヘッド305のX方向への移動(スキャン移動)がない。よって、印刷位置がヘッド保守工程におけるインクジェットヘッド305の待避位置が、印刷位置の常にY方向の特定の位置にあるので、当該印刷位置に近く、また、印刷位置ごとに一定の距離にある。よって、ヘッドの保守のための行くジェットヘッド305の移動距離が短く、移動による時間のロスが一定であり、かつ上記第1および第2の場合に比べて当該時間のロスがより一層少ない。
さらに、マスキング装置30では、Y方向へのインクジェットヘッド305の高速移動を要しない。したがって、インクジェットヘッド305の頻繁な加速および減速が生じない。よって、インクジェットヘッド305の移動による時間のロスが生じない。上記のような時間のロスが削減されるので、ワークが長尺であり、また大きいことによる印刷効率の変動(低下)が抑制される。
また、マスキング装置30では、移動テーブル302の往復運動方向がX方向であることから、搬送装置10による金属板の一直線状の搬送経路に対して併設することが可能である。このため、インクジェット印刷工程を除いた金属板の搬送経路を直線状にすることが可能である。エッチング金属板は、一般に、一直線状に搬送されながら連続して製造される。このため、マスキング装置30を既存のエッチング金属板の製造装置に容易に組み込むことが可能である。
上記の説明から明らかなように、上記インクジェット印刷装置は、インク(マスキング剤)が塗布されるべきワーク(金属板)に上記インクの液滴を吐出するためのインクジェットヘッド(インクジェットヘッド305)と、当該インクジェットヘッドに対向し、かつ第1の印刷方向(X方向)に沿って往復運動自在に配置され、上記インクジェットヘッドに対向する位置に上記ワークを支持するためのワーク移動装置(移動テーブル302)と、上記第1の印刷方向に交差する第2の印刷方向(Y方向)に沿う所望の位置に上記インクジェットヘッドを上記ワーク移動装置に対して支持するヘッド支持装置(架台304)とを有する。よって、インクジェット印刷装置は、固定されているワークに対してインクジェットヘッドを移動させて印刷するインクジェット印刷装置に比べて、長尺なワークに対しても高い生産性で印刷物を製造することができる。
また、第2の印刷方向における上記インクジェットヘッドの移動経路上に、上記インクジェットヘッドの所期の動作を維持するためのヘッド保守装置(ノズルチェック装置306およびヘッドクリーニング装置307)をさらに有することは、上記インクジェットヘッドの保守にかかる時間の短縮に有利であり、よって、上記印刷物の生産性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記第1の印刷方向における上記インクジェットヘッドの後方に上記インクジェットヘッドと一体的に配置され、上記ワーク上のインクを硬化させる活性エネルギー線を上記ワーク上の上記インクに照射するための活性エネルギー線照射装置(UVランプ3051)をさらに有することは、ワーク上でのインクの濡れ拡がりが抑制されるので、高画質の印刷物を製造する観点からより効果的であり、ワークが金属板のように、上記インクが浸透しない(ワーク上に単独で吐出されたインクの液滴が液滴のまま乾燥する)非浸透性のワークである場合により一層効果的である。
また、上記ワーク移動装置が、上記第1の印刷方向における長さは2m以上であり、上記第2の印刷方向における長さは1m以上である上記ワークを支持可能に構成されていることは、上記のインクジェットヘッドの保守のための時間の短縮効果をより高める観点からより一層効果的である。
また、上記インクジェット印刷装置において、上記第1の印刷方向が上記ワークの長手方向であり、上記第2の印刷方向が上記ワークの短手方向であり、また、インクジェット印刷装置が、上記ワークの長手方向(X方向)に沿って上記ワークを搬送し、次いで上記ワーク移動装置の往復運動経路の一端側に配置されている上記ワーク移動装置へ上記ワークの短手方向(Y方向)に沿って上記ワークを搬送するための第1のワーク搬送装置と、上記ワーク移動装置の往復運動経路の他端側に配置されている上記ワーク移動装置に支持されている上記ワークを上記ワークの短手方向に沿って搬送し、次いで上記ワークの長手方向に沿って上記ワークを搬出するための第2のワーク搬送装置とをさらに有することは、ワークの一直線状の搬送経路に対して容易に併設可能であることから、既存の設備(エッチング金属板の製造装置、塗装金属板の製造装置、その他の金属板の製造、処理または加工装置)への組み込みを容易にする観点からより一層効果的である。
また、インクジェット印刷装置は、前述したように、上記第1の印刷方向に対して固定されており、上記第2の印刷方向における第1の印刷位置に固定されているインクジェットヘッドから上記ワークを第1の印刷方向に移動させながら当該ワークにインクの液滴を吐出して、ワークの第1の印刷方向に沿う部分を印刷する工程と、上記インクジェットヘッドを上記第2の印刷方向に移動させて当該第2の印刷方向における第2の印刷位置に上記インクジェットヘッドを配置する工程と、上記インクジェットヘッドの第2の印刷方向における往復運動経路中にある上記ヘッド保守装置によって上記インクジェットヘッドの保守を行う工程と、を含むインクジェット印刷方法を行うことができる。
また、上記エッチング金属板の製造装置は、金属板の表面の保護されるべき部分にマスキング剤の硬化膜を作製するためのマスキング装置30(230)と、上記硬化膜を有する上記金属板にエッチング処理を行うためのエッチング装置50と、エッチング処理された上記金属板から上記硬化膜を除去するためのマスキング硬化膜除去装置70とを有し、マスキング装置30(230)が上記インクジェット印刷装置である。よって、上記エッチング金属板の製造装置は、インクジェット印刷により金属板のマスキング処理を行う従来のエッチング金属板の製造装置に比べて、長尺な金属板に対しても高い生産性でエッチング金属板を製造することができる。
なお、上記インクジェット印刷装置は、上記エッチング金属板の製造装置以外にも適用可能であり、単独で上記ワークの印刷に適用可能である。上記インクジェット印刷装置に適用可能な上記ワークの金属板以外の例には、コート紙、PETフィルムなどの樹脂フィルム、樹脂シートおよび樹脂成形体が含まれる。
また、UVランプ3051は、二つの異なる波長領域の活性エネルギー線を金属板上のインクの液滴に照射するように、第1の波長領域の活性エネルギー線を照射する第1の照射装置と、第2の波長領域の活性エネルギー線を照射する第2の照射装置とを含んでいてもよい。当該第2の照射装置による活性エネルギー線の照射は、上記第1の照射装置による活性エネルギー線の照射と同時であってもよいし、後であってもよい。UVランプ3051が上記第1の照射装置および第2の照射装置を含むことは、例えばインクの液滴内部での硬化不足を防止する観点から効果的である。
また、インクジェットヘッド305は、X方向において反転可能なように回動可能に架台304に取り付けられていてもよい。あるいは、UVランプ3051は、X方向におけるインクジェットノズルの両側のそれぞれに配置されていてもよい。上記の構成によれば、X方向における往路だけでなく復路においても印刷が可能となり、金属板(ワーク)の印刷効率およびエッチング金属板の生産性を高める観点からより有利である。
また、上記ヘッド保守装置は、Y方向における一側にのみ配置されていてもよい。このような配置は、ヘッドの保守工程にかかる時間を短縮する観点からより有利である。
なお、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置およびエッチング金属板の製造装置は、上記第1の印刷方向がY方向に構成することも可能である。このようなエッチング金属板の製造装置におけるマスキング装置は、例えば、図3に示される。マスキング装置230は、図3に示されるように、移動テーブル302がY方向に往復運動可能である点、および、架台304が、移動テーブル302の往復運動経路のY方向における中央部に、X方向において移動テーブル302を跨いで配置されており、第1の搬送方向と第2の搬送方向とが平行だが一直線上にはない点、以外は、前述したマスキング装置30と同様に構成されている。
上記の形態は、幅方向に大きなワークの印刷に有利であり、また、併設された既存の二本の製造ラインを利用してエッチング金属板の製造装置を構築するのにより有利である。
以上の説明から明らかなように、上記インクジェット印刷装置は、金属板のような非浸透性のワークに高精細な画像を形成するのに適しており、上記エッチング金属板の製造装置は、高精細なエッチングが施されたエッチング金属板を低コストで、かつ高い生産性で製造するのに適している。
上記インクジェット印刷装置は、大判のワークへの印刷において、インクジェットヘッドの保守にかかる時間のさらなる短縮が可能であり、このようなワークの印刷物およびそれを利用する製品の生産性をより一層高めることができる。よって、上記ワークの印刷物およびエッチング金属板の生産性のさらなる向上とこれらのさらなる普及とが期待される。
10 搬送装置
20 前処理装置
30、230 マスキング装置
40 乾燥機
50 エッチング装置
60、80 洗浄装置
70 マスキング硬化膜除去装置
90 ラミネート装置
100 エッチング金属板の製造装置
101 駆動ローラ
301 印刷ステージ
302 移動テーブル
303 搬送ローラ
304 架台
305 インクジェットヘッド
306 ノズルチェック装置
307 ヘッドクリーニング装置
308、3051 UVランプ

Claims (7)

  1. インクが塗布されるべきワークに前記インクの液滴を吐出するためのインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに対向し、かつ第1の印刷方向に沿って往復運動自在に配置され、前記インクジェットヘッドに対向する位置に前記ワークを支持するためのワーク移動装置と、
    前記第1の印刷方向に交差する第2の印刷方向に沿う所望の位置に前記インクジェットヘッドを前記ワーク移動装置に対して支持するヘッド支持装置と、
    を有し、
    前記第2の印刷方向における所定の位置に前記インクジェットヘッドを固定した状態で、前記ワーク移動装置を前記第1の印刷方向の一方の側から他方の側に移動させるときは、前記インクジェットヘッドから前記インクの液滴を吐出させることにより、前記ワーク上の所定の領域に前記インクを塗布し、前記ワーク移動装置を前記第1の印刷方向の前記他方の側から前記一方の側に移動させるときは、前記インクジェットヘッドから前記インクの液滴を吐出させない操作を、前記第2の印刷方向における一端から他端に向かって前記インクジェットヘッドが固定される位置を変えるごとに1回ずつ行う、
    インクジェット印刷装置。
  2. 前記インクジェットヘッドの前記第2の印刷方向上に、前記インクジェットヘッドの所期の動作を維持するためのヘッド保守装置をさらに有する、
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記ヘッド保守装置は、前記第2の印刷方向の他端側に配置されたヘッドクリーニング装置を含む、
    請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記第1の印刷方向における前記インクジェットヘッドの前記ワーク移動装置の移動方向側に前記インクジェットヘッドと一体的に配置され、前記ワーク上のインクを硬化させる活性エネルギー線を前記ワーク上の前記インクに照射するための活性エネルギー線照射装置をさらに有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記ワーク移動装置は、前記第1の印刷方向における長さは2m以上であり、前記第2の印刷方向における長さは1m以上である前記ワークを支持可能に構成されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記第1の印刷方向が前記ワークの長手方向であるとともに、前記第2の印刷方向が前記ワークの短手方向であり、
    前記ワーク移動装置の往復運動経路外において前記ワークの長手方向に沿って前記ワークを搬送し、次いで前記ワークの短手方向に沿って前記ワーク移動装置の往復運動経路の一端側に配置されている前記ワーク移動装置へ前記ワークを搬送するための第1のワーク搬送装置と、
    前記ワーク移動装置の往復運動経路の他端側に配置されている前記ワーク移動装置に支持されている前記ワークを前記ワークの短手方向に沿って搬送し、次いで前記ワーク移動装置の往復運動経路外において前記ワークの長手方向に沿って前記ワークを搬出するための第2のワーク搬送装置と、
    をさらに有する、
    請求項5に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 金属板の表面の保護されるべき部分にマスキング剤の硬化膜を作製するためのマスキング装置と、
    前記硬化膜を有する前記金属板にエッチング処理を行うためのエッチング装置と、
    エッチング処理された前記金属板から前記硬化膜を除去するためのマスキング硬化膜除去装置と、
    を有し、
    前記マスキング装置は、前記マスキング剤を前記インクとする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置である、
    エッチング金属板の製造装置。
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