JP6699797B2 - シリコン単結晶インゴットの製造方法およびシリコン単結晶インゴット - Google Patents

シリコン単結晶インゴットの製造方法およびシリコン単結晶インゴット Download PDF

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Description

本発明は、シリコン単結晶インゴットの製造方法およびシリコン単結晶インゴットに関する。特に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)用のn型シリコンウェーハの製造に供して好適な、Sb(アンチモン)またはAs(ヒ素)をn型ドーパントとする、n型のシリコン単結晶インゴットの製造方法およびそれにより製造されるシリコン単結晶インゴットに関する。
半導体デバイスの基板として使用されるシリコンウェーハは、シリコン単結晶インゴットを薄くスライスし、平面研削(ラッピング)工程、エッチング工程および鏡面研磨(ポリッシング)工程を経て最終洗浄することにより製造される。そして、300mm以上の大口径のシリコン単結晶は、チョクラルスキー(CZ;Czochralski)法により製造するのが一般的である。CZ法を用いるシリコン単結晶引き上げ炉は、CZ炉とも呼ばれる。
半導体デバイスの中でも、パワーデバイスの一種である絶縁ゲートバイポーラトランジスター(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)は、大電力制御に適したゲート電圧駆動型スイッチング素子であり、電車、電力、車載用などに用いられている。IGBTなどのパワーデバイス用途では、浮遊帯溶融(FZ:Floating Zone)法およびMCZ(Magnetic field applied Czochralski)法による直径200mmのP(リン)をドープしたn型シリコン単結晶インゴットをスライスしたn型シリコンウェーハが現状用いられている。
ここで、FZ法により育成されるシリコン単結晶インゴットではシリコン原料となるシリコン融液が連続的に供給される。また、ガスドープFZ法による場合には、さらに融液保持部近傍にドーパントガスが吹き付けによって連続かつ定量的に供給される。いずれの場合も、インゴットの直胴部のほぼ全てにおいて抵抗率を一定にできる。そのため、図1に示すように、FZ法により育成されるシリコン単結晶インゴットであれば、直胴部のほぼ全てを製品として用いることができる。しかしながらFZ結晶の育成技術は非常に難易度が高く、現状、FZ法により安定的に製造可能なシリコン単結晶インゴットの直径は150mmが主流であり、最近になってようやく直径200mmに置き換わりつつある状況であり、特に直径300mmの大口径のシリコン単結晶インゴットを製造することは、FZ法では非常に困難であると考えられている。
一方、CZ法またはMCZ法を用いた、パワーデバイス用のn型のシリコン単結晶インゴットにおいて実用的に用いられているドーパントは、一般的にPである。こうしたPドープのシリコン単結晶インゴットから得られるn型シリコンウェーハは、例えば抵抗率50[Ω・cm]±10%の仕様に対して、現状の歩留はせいぜい10%程度である(図1参照)。この理由は、Pは偏析係数が1未満であるため、シリコン単結晶の引き上げを進めるにつれて融液中のP濃度(n型ドーパント濃度)が高くなり、徐々に低抵抗化が進むためである。Pの偏析係数0.35はB(ボロン)の偏析係数0.8に比べて大幅に小さく、結晶全長で狙いの抵抗範囲となる結晶を育成する場合では、p型のシリコン単結晶インゴットに比べてn型のシリコン単結晶インゴットの歩留まりは低くなってしまう。そのためn型のシリコン単結晶インゴットの歩留まりを改善するための手法が鋭意検討されてきた。
そこで、偏析係数はPよりもさらに小さいものの、蒸発速度[atoms/sec]がPよりも格段に速いSb(アンチモン)またはAs(ヒ素)をn型ドーパントに用いることが提案されている。CZ炉のチャンバ内の圧力を減圧してn型ドーパントの蒸発を促進し、当該n型ドーパントの偏析を補償することで、シリコン単結晶インゴットの平均抵抗率の公差を小さくできる。
これに対して本願出願人は、特許文献1において、揮発性ドーパントとしてSb(アンチモン)またはAs(ヒ素)を添加したシリコン融液からチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引き上げることにより垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハを製造する方法であって、前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、前記シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させる垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法を提案している。
特許文献1に記載されるように、シリコン融液の表面は蒸発した揮発性ドーパント含有ガスの濃度が高いため、シリコン融液中の揮発性ドーパントの蒸発速度はCZ炉のチャンバ内の圧力だけでなく、Arガスの流量によっても大きく左右される。そこで、特許文献1に記載の技術により、融液表面を流れるArガスの流量を制御することで揮発性ドーパントの蒸発速度を制御し、その結果ドーパントの偏析を補償することができる。
特開2010−59032号公報
さて、IGBTなどのパワーデバイス用シリコンウェーハにおいて許容される抵抗の公差は非常に狭く、従来は平均抵抗率に対して±10%の公差であったところ、近年では、±8%程度にすることが求められており、今後は公差を±7%以下にすることが求められつつある。特許文献1に記載の技術によりn型ドーパントの蒸発速度をある程度は制御できるようになったものの、今後求められる公差を結晶成長方向に歩留まり高く達成するには改良の余地がある。
そこで本発明は、上記諸課題に鑑み、パワーデバイスに供して好適な、平均抵抗率に対する公差の小さいn型で高抵抗のシリコン単結晶インゴットの製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した。以下、本明細書において、SbおよびAsを総称して単に「n型ドーパント」と言う。図2を用いてシリコン融液中のn型ドーパントの濃度と蒸発速度(蒸発量)との関係を説明する。
図2は一般的なCZ炉の要部を示すものであり、シリコン融液10が石英坩堝21に貯留されており、ヒーター90により加熱されながらシリコン単結晶インゴット1が引き上げられる様子を示す。なお、図2において、石英坩堝21はカーボン坩堝22により保持された二重構造である。引き上げ中、シリコン単結晶インゴット1には、単位固化率当たりにdCs(fs)の量でn型ドーパントが取り込まれると共に、シリコン融液10には、単位固化率当たりでdCL(fs)の量のドーパントが取り残されることになる。また、シリコン融液10からは、単位時間当たりにdCvの量でドーパントが蒸発する。なお、本明細書において「固化率」とは、原料質量(すなわち、引き上げ前のシリコン融液10の質量)に対する引き上げ中のシリコン単結晶インゴット1の重量の比を意味する。
特許文献1に記載の揮発性のn型ドーパントを用いるn型シリコン単結晶の育成において、結晶の成長方向における抵抗率の公差をさらに低減するためには、シリコン融液中のn型ドーパント濃度を理想的には常に一定に保持するよう制御すればよいと本発明者らは考えた。このような制御を行うためには、偏析により融液中に濃化していくn型ドーパントと当量のn型ドーパントの単体または化合物を融液表面から蒸発させることが必要である。そこで、結晶引き上げ中のn型ドーパントの蒸発速度(単位時間当たりの蒸発量)を一定に維持することを本発明者らはまず検討した。なお、融液からのn型ドーパントの蒸発は、ドーパント元素単体、または酸化アンチモン(Sb)もしくは酸化ヒ素(As)などの形態での蒸発だと考えられる。こうした酸化物は、原料であるシリコンと、石英坩堝21から溶出した酸素が結合してシリコン融液内で生成され、ガスの形態でシリコン融液10から排出される。
ここで、融液表面上のn型ドーパントの蒸発速度は、直接的には融液直上のArガス流速に依存する。これは、気液界面近傍での気層側の濃度境界層(ここでは、拡散のみで物質移動が可能)におけるSb化合物またはAs化合物の濃度勾配が、濃度境界層直上でのArガス流速に依存するためである。すなわち、Arガス流速が速くなるとSb化合物またはAs化合物の濃度勾配が大きくなり、融液から蒸発するSb化合物またはAs化合物の蒸発量も多くなる。このように、n型ドーパントの蒸発速度、すなわちSb化合物またはAs化合物の蒸発速度を制御するためには、シリコン融液直上でのArガス流速を制御する必要がある。
CZ炉の構造上、シリコン融液直上でのAr流速それ自体を直接操作することは難しい。そこで、CZ炉のチャンバ内の圧力、チャンバ内に供給するArガス流量、ならびに、Arガスの誘導部およびシリコン融液面の間隔(以下、「ギャップ」と言う。)などを制御することで、融液表面上のAr流速を間接的に制御することとなる。なお、Ar流速はチャンバ内圧力に対して逆比例の関係があり、Ar流量に対しては正比例の関係があり、ギャップに対しては逆比例の関係があることから、ドーパントの蒸発速度も同様の関係となる。
CZ炉による結晶引き上げ中、シリコン単結晶インゴットの引き上げ速度およびシリコン単結晶インゴットの直径は常に一定ではなく、経時的に変動する。さらに、シリコン単結晶インゴットの引き上げ速度はインゴット直径制御のための操作パラメーターでもあるため、引き上げの進行に伴ってCZ炉内の熱環境の変化に追随して変化させる必要がある。すなわち、熱環境の変化に起因してシリコンの結晶成長速度も変化するため、実際の引き上げ速度も変化する。このように、たとえAr流速を一定に維持しn型ドーパントの蒸発速度を一定にできたとしても、引き上げ速度が変動すると、一定の結晶長または固化率となるのに要する時間が変動する。そのため、シリコン融液から単位固化率当たりに蒸発するドーパント量も変動することになり、融液中のドーパント濃度は一定にならず変化し、結果的にシリコン単結晶インゴット中のドーパント濃度が結晶成長方向に変動することとなる。
図2を再び参照する。こうした引き上げ速度の経時的変化を考慮すると、SbまたはAsなどのn型ドーパントの単位時間当たりの蒸発量dCV[atoms/sec]を一定に制御したとしても、シリコン融液10中のn型ドーパントの濃度を一定にすることはできず、シリコン単結晶インゴット1中のドーパント濃度も結晶成長方向に一定にはならない。したがって、n型ドーパントの蒸発量は引き上げ速度に追随して変化させる必要がある。
そこで、本発明者らは、n型ドーパントの蒸発量に関して、単位時間当たりの蒸発量である蒸発速度[atoms/sec]を制御するのではなく、単位固化率当たりの蒸発量[atoms/単位固化率]を一定量に維持することをまず着想した。単位固化率当たりのドーパント蒸発量dCv(fs)が単位固化率当たりにシリコン融液10中に取り残されるドーパント量dCL(fs)と等量となれば、時間的変動要因に依存することなくシリコン融液10中のn型ドーパントの濃度を一定に制御することが可能となる。
こうして、単位固化率当たりの蒸発量[atoms/単位固化率]を一定に制御することにより、融液中のドーパント濃度を一定とすることができることを本発明者らは知見した。こうすることで、シリコン単結晶インゴットのドーパント濃度も結晶成長方向に一定とすることができる。したがって、シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向における抵抗率の公差を従来に比べて大幅に小さくすることができることを見出した。また、結晶引き上げ中に単位固化率当たりの蒸発量を所望に変化させれば、結晶成長方向に任意の抵抗率を有するシリコン単結晶インゴットを得ることもできる。上記知見に基づき完成した本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)シリコン融液を貯留する坩堝と、該坩堝を収容するチャンバと、該チャンバ内の圧力を調整する圧力調整部と、前記シリコン融液からシリコン単結晶インゴットを引き上げる引き上げ部と、前記チャンバ内にArガスを供給するガス供給部と、前記シリコン融液の表面の上方に配置され、前記Arガスが前記シリコン融液の表面に沿って流れるよう案内する誘導部と、を有するシリコン単結晶引き上げ炉を用いて、シリコン単結晶インゴットを製造する方法であって、
前記シリコン融液にはSbまたはAsよりなるn型ドーパントが添加され、
前記シリコン単結晶インゴットをチョクラルスキー法によって引き上げる引き上げ工程と、
該引き上げ工程を行いながら、前記チャンバ内の圧力、前記Arガスの流量、ならびに前記誘導部および前記シリコン融液の間隔の少なくともいずれか1つを含む引き上げ条件値を調整することで、前記シリコン融液から前記n型ドーパントが蒸発するときの単位固化率当たりの蒸発量を、単位固化率当たりの目標蒸発量の範囲内に維持するようにする蒸発量制御工程と、を含むことを特徴とするシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(2)前記目標蒸発量が結晶成長方向において一定である、上記(1)に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(3)前記引き上げ工程に先立ち、
前記シリコン単結晶引き上げ炉を用いて評価用シリコン単結晶インゴットを1本以上作製する工程と、
該評価用シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向の抵抗率の推移に基づき、前記シリコン単結晶引き上げ炉における前記n型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量の推移を求める工程と、をさらに含み、
前記蒸発量制御工程において、前記求めた前記蒸発量の推移を用いて前記引き上げ条件値を増減させる、上記(1)または(2)に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(4)前記引き上げ工程を行いながら前記n型ドーパントの前記単位固化率当たりの蒸発量を測定する測定工程をさらに含み、
前記蒸発量制御工程において、前記測定した前記単位固化率当たりの蒸発量が前記目標蒸発量の範囲内に維持するように前記引き上げ条件値を調整させる、上記(1)または(2)に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(5)前記測定工程では、前記Arガスの排出口側での、前記Arガスと共に排出される前記n型ドーパントの濃度を測定する、上記(4)に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(6)前記測定工程では、引き上げ中の前記シリコン単結晶インゴットの直径および引き上げ長を測定し、この測定に基づく固化率と、前記Arガスに含まれる前記n型ドーパントの濃度とに基づき、前記単位固化率当たりの蒸発量を算出する、上記(5)に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
(7)SbまたはAsをn型ドーパントとするシリコン単結晶インゴットであって、
抵抗率が10Ω・cm以上1000Ω・cmの範囲内であり、結晶径が200mm以上であり、
前記シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向における、該シリコン単結晶インゴットの40%以上が、仕様抵抗率の±7%の範囲内にあることを特徴とするシリコン単結晶インゴット。
なお仕様抵抗率とは単結晶インゴット生産時の設定抵抗率をいう。
本発明によれば、パワーデバイスに供して好適な、結晶成長方向における抵抗率の公差の小さいn型で高抵抗のシリコン単結晶インゴットの製造方法の提供することができる。
従来技術により得られるCZ法およびFZ法シリコン単結晶インゴットの、結晶成長方向における抵抗率の推移および公差を説明する模式図である。 本発明者らの検討による、CZ炉におけるn型ドーパントの蒸発量を説明する模式図である。 模擬実験例1において本発明者らが検討したモデル式[1]を説明するための模式図である。 模擬実験例1において本発明者らが検討したモデル式[1]を説明するための模式図である。 模擬実験例1における初期融液中Sb濃度とSb蒸発速度との関係を示すグラフである。 模擬実験例1における固化率に対する結晶中のドーパント濃度および抵抗率の関係を示すグラフであり、試験例1のグラフを示す。 模擬実験例1における固化率に対する結晶中のドーパント濃度および抵抗率の関係を示すグラフであり、試験例2のグラフを示す。 模擬実験例1における固化率に対する結晶中のドーパント濃度および抵抗率の関係を示すグラフであり、試験例3のグラフを示す。 模擬実験例1における固化率に対する結晶中のドーパント濃度および抵抗率の関係を示すグラフであり、試験例4のグラフを示す。 本発明の一実施形態に用いるシリコン単結晶引き上げ炉を示す模式図である。 本発明の好適実施形態におけるインサイチュ(in-situ)で蒸発量を制御する手法を説明する模式図である。 実施例における引き上げ速度の設定速度(プログラム)と速度マージンおよび平均引き上げ速度、および、引き上げ後の引き上げ速度の実績の経時変化を説明する模式図である。 実施例の事前試験による炉内圧と、結晶中のSb濃度との関係を示すグラフである。 実施例の事前試験による引き上げ条件値と単位固化率当たりのSb蒸発量との関係を示すグラフであり、炉内圧に対してのグラフである。 実施例の事前試験による引き上げ条件値と単位固化率当たりのSb蒸発量との関係を示すグラフであり、Ar流量に対してのグラフである。 実施例の事前試験による引き上げ条件値と単位固化率当たりのSb蒸発量との関係を示すグラフであり、ギャップに対してのグラフである。 実施例において用いた引き上げ速度および炉内圧の固化率の関数として設定されたプログラムを示すグラフである。 実施例において作製したシリコン単結晶インゴットの結晶成長方向における抵抗率の分布を示すグラフである。
実施形態の詳細な説明に先立ち、まず、本発明を完成させるに至った本発明者らの模擬実験例を説明する。
(模擬実験例)
本実験例では、下記式[1]に従うn型ドーパントが蒸発を伴って偏析する現象の一次元モデル式を用いて、n型ドーパントの(単位時間当たりの)蒸発速度[atoms/sec]を検討した。
Figure 0006699797
図3A,Bを参照しつつ、上記式[1]の1次元モデルを説明する。これら図3A,Bは、凝固プロセスの不純物偏析の一次元モデル(但し、不純物蒸発は外部への一定速度とする)を示す図である。結晶(S)、融液(L)の2相を考え、全原料(W0[g])の重量率を「1」とし、各相の重量分率をそれぞれfS、fLとする。また、各相の不純物濃度を、それぞれCS(x)、CL[atoms/cm3]とする。結晶中の不純物であるn型ドーパント分布は凝固相分率(固化率)の関数となり、融液中は均一濃度と考える。凝固開始時(fS=0)の融液中不純物濃度をC0[atoms/cm3]とおく(図3A)。図3Bにおいて、Δfsの結晶成長が進む間に、融液よりp(p=dQ/dfs, p>0、Qは蒸発量[atoms])の不純物蒸発がある。なお、ρsは固体の密度であり、keは蒸発なしの場合のドーパントの偏析係数である。
下記表1に示す育成条件において、シリコン単結晶インゴットの狙い抵抗率をそれぞれ30、50、100、200、250、300、350[Ω・cm]とし、結晶成長方向において狙い抵抗率が一定になるように初期の融液中ドーパント濃度とドーパントの蒸発速度とを上記式[1]を用いて求めた。なお、n型ドーパントはSbとし、keとしてSbの偏析係数0.023を、ρsとしてSiの密度2.33[g/cm3]を用いた。ここで、インゴット中の抵抗率(すなわち、ドーパント濃度)を一定にするためには、引き上げ速度一定とし、初期の融液中Sbドーパント濃度を結晶成長中、常に維持するように、ドーパントの蒸発速度を一定にする必要がある。結果は下記表2,表3のとおりであり、融液中の初期Sb濃度と蒸発速度を表2,表3記載のとおりにした場合に得られた結晶中のドーパント濃度から換算した実績抵抗率[Ω・cm]は、狙い抵抗率とほぼ一致するものであった。また、異なる引き上げ速度に対しても、狙いの抵抗率の結晶を育成する場合には、同様の方法で初期の融液中Sb濃度と蒸発速度の設定条件を求めることができる。
Figure 0006699797

Figure 0006699797
Figure 0006699797
なお、表2,表3から、図4に示す融液中初期Sb濃度と、Sb蒸発速度との関係が得られ、対数プロットで直線関係となる。また引き上げ速度が異なる場合、この関係は平行にずれることとなる。
(試験例1,2)
引き上げ速度を上記計算と同様に1.0[mm/min]で一定とし、初期融液中Sb濃度およびSb蒸発速度を表2における狙い抵抗率30[Ω・cm](試験例1)および狙い抵抗率50[Ω・cm](試験例2)の値に設定し、式[1]を用いて、試験例1,2のそれぞれの場合での結晶成長方向におけるドーパント濃度および抵抗率の分布を計算した。試験例1,2の結果を図5A,Bにそれぞれ示す。図5Aおよび図5Bにそれぞれ示されるように、融液中への偏析によるドーパントの増加分と融液表面からのドーパント化合物の蒸発量が一致するため、融液中のドーパント濃度が一定に維持され、結晶軸方向に結晶中のドーパント濃度および抵抗率が狙い抵抗率とほぼ一致して一定になる。なお、図5A,Bには蒸発がない(すなわち、偏析のみ)と仮定した場合の結果も併せて示す。蒸発がない場合と比較すると、ドーパント濃度および抵抗率の維持に関して格段の差が認められる。このことは後述の図6A,Bも同様である。
(試験例3,4)
一方、表1の引き上げ速度と異なる場合、すなわち引き上げ速度が1.2[mm/min](試験例3)および0.8[mm/min](試験例4)のそれぞれの場合に、表2の狙い抵抗率50[Ω・cm]の設定条件である融液中初期Sb濃度:4.1×1015[atoms/cm3]、Sb蒸発速度:2.05×1015[atoms/cm3]と同じ値を設定して、結晶成長方向におけるドーパント濃度および抵抗率の分布を計算した。試験例3、4の結果を図6A,Bにそれぞれ示す。図6A,Bから、これらの引き上げ速度の場合には、結晶成長方向のドーパント濃度、すなわち抵抗率を一定にすることはできないことが確認される。なお、図6A,Bには蒸発がない(すなわち、偏析のみ)と仮定した場合の結果も併せて示す。
試験例3の場合(図6A)、表2の狙い抵抗率50[Ω・cm]の設定条件における初期融液中Sb濃度およびSb蒸発速度を同じにしても、引き上げ速度が速いため、単位時間当たりの偏析によるドーパントの増加量が、単位時間当たりのドーパント蒸発量よりも多くなる。そのため、融液中のSb濃度が結晶成長に伴って増加し、インゴット中のドーパント濃度も増加することになる。
また、試験例4の場合(図6B)、表2の狙い抵抗率50[Ω・cm]の設定条件における初期融液中Sb濃度およびSb蒸発速度を同じにしても、引き上げ速度が遅いため、単位時間当たりの偏析によるドーパントの増加量が、単位時間当たりのドーパントの蒸発量よりも少なくなる。そのため、融液中のSb濃度が結晶成長に伴って減少し、インゴット中のドーパント濃度も減少することになる。
試験例3,4のように、引き上げ速度が所定の値からずれると、単位時間当たりの偏析によって融液中に濃化されるドーパントの増加量が変動する。一方、単位時間当たりにシリコン融液表面から蒸発するドーパントの蒸発量は変化しない。このため、ドーパントの濃化量と、ドーパントの蒸発量とのバランスが崩れる。そのため、融液中のドーパント濃度は結晶成長に伴って一定に保てなくなり、結晶中のドーパント濃度も一定に維持できなくなる。
以上の結果を踏まえると、単にn型ドーパントの蒸発速度を一定速度に維持するだけでは不十分であり、既述のとおり、インゴットの引き上げ速度の変動に追従してn型ドーパントの蒸発量を制御すれば、時間的変動要因に依存することなくシリコン融液10中のn型ドーパントの濃度を一定に制御することが可能となることが判明した。以下、この模擬実験結果に基づき、本発明の実施形態について説明する。
(シリコン単結晶インゴットの製造方法)
本発明の一実施形態に従うシリコン単結晶インゴットの製造方法は、図7に模式的に図示するシリコン単結晶引き上げ炉100を用いて行うことができる。このシリコン単結晶引き上げ炉100は、シリコン融液10を貯留する坩堝20と、該坩堝20を収容するチャンバ30と、該チャンバ30内の圧力(以下、「炉内圧」)を調整する圧力調整部40と、シリコン融液10からシリコン単結晶インゴット1(以下、「インゴット1」と略記する)を引き上げる引き上げ部50と、チャンバ30内にArガスを供給するガス供給部60と、シリコン融液10の表面の上方に配置され、Arガスがシリコン融液10の表面に沿って流れるよう案内する誘導部70とを有し、さらに必要に応じてその他の構成を有する。ここで、シリコン単結晶引き上げ炉100において、シリコン融液10にはSbまたはAsよりなるn型ドーパント(以下、単に「n型ドーパント」と略記する)が添加される。
そして、本実施形態による製造方法は、シリコン単結晶インゴット1をチョクラルスキー法によって引き上げる引き上げ工程と、該引き上げ工程を行いながら、チャンバ30内の圧力(すなわち、炉内圧)、Arガスの流量、ならびに誘導部70およびシリコン融液10の間隔(以下、「ギャップ」と略記する。)Gの少なくともいずれか1つを含む引き上げ条件値を調整することで、シリコン融液10からn型ドーパントが蒸発するときの単位固化率当たりの蒸発量を、単位固化率当たりの目標蒸発量の範囲内に維持する蒸発量制御工程と、を含む。
引き上げ工程は、CZ法を用いて行う従来公知の手法により行うことができる。本実施形態では、この引き上げ工程を行いながら、インゴットの引き上げ1に追従して、n型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量[atoms/単位固化率]を目標蒸発量の範囲内に維持する蒸発量制御工程を行うことが特徴的な工程の一つとなる。なお、蒸発量制御工程において「単位固化率当たりの蒸発量を単位固化率当たりの目標蒸発量の範囲内に維持する」とは、数学的な意味で一定量に維持することを意味するのではなく、蒸発量が所望の蒸発量範囲内に維持するために、引き上げ条件値のいずれか1つまたは2つ以上を制御することを意味する。例えば、目標蒸発量を所望の単位固化率当たりの蒸発量A[atoms/単位固化率]とした場合、A±10%の範囲内での蒸発量の変動を維持するよう制御を行うことは、「単位固化率当たりの蒸発量を単位固化率当たりの目標蒸発量の範囲内に維持する」ことに含まれ、A±8%の範囲内での蒸発量の変動を維持するよう制御を行うことが好ましく、A±7%の範囲内での蒸発量の変動を維持するよう制御を行うことがより好ましい。
なお、単位固化率当たりの目標蒸発量は結晶成長方向において一定であることが好ましい。結晶成長方向の全域において、抵抗率をほぼ一定にすることができるためである。しかしながら、引き上げ中の結晶長に応じて単位固化率当たりの目標蒸発量を漸増または漸減、あるいは結晶長ごとに区分して単位固化率当たりの目標蒸発量を増減させてもよい。こうすることで、結晶成長方向において任意の抵抗率を有する単結晶シリコンインゴットを得ることができる。
蒸発量制御工程は、概ね以下の2とおりの手法により行うことができる。第1に、あらかじめn型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量と、上記引き上げ条件値との対応関係を求めておき、当該対応関係を次バッチ以降の引き上げ時に適用する。以下、この第1の方式を「バッチ間制御方式」と言う。第2に、引き上げ中にインサイチュ(in-situ)でn型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量を測定し、この蒸発量を1回の引き上げ処理中に制御する手法である。以下、この第2の方式を「インサイチュ制御方式」と言う。
<バッチ間制御方式>
本実施形態にバッチ間制御方式を適用する場合、引き上げ工程に先立ち、シリコン単結晶引き上げ炉100を用いて評価用シリコン単結晶インゴットを1本以上作製する工程と、該評価用シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向の抵抗率の推移に基づき、シリコン単結晶引き上げ炉100におけるn型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量の推移を求める工程と、をさらに含むことが好ましい。そして、蒸発量制御工程において、こうして求めた蒸発量の推移を用いて引き上げ条件値を増減させることが好ましい。以下、各工程の詳細を説明する。
評価用シリコン単結晶インゴットを作製する工程では、引き上げ工程における引き上げ速度の設定プログラムを用いつつ、炉内圧、Arガスの流量、およびギャップGの少なくともいずれかの条件値を1以上調整して評価用シリコン単結晶インゴット(以下、「評価用インゴット」)を作製する。
次に、こうして作製した評価用インゴットを結晶成長方向に分析して、結晶成長方向のドーパント濃度または抵抗率の推移を固化率の関数として求める。この推移から、シリコン単結晶引き上げ炉100におけるn型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量の推移(すなわち、固化率の関数としての蒸発量)を算出することができるため、評価用インゴット作成時の炉内圧、Arガスの流量、およびギャップGを含む条件値による単位固化率当たりの蒸発量への影響を確認することができる。
そして、既述のとおり、Ar流速は炉内圧に対して逆比例の関係があり、Ar流量に対しては正比例の関係があり、ギャップに対しては逆比例の関係がある。そこで、評価用インゴットの固化率に沿ってのドーパントの蒸発量が目標蒸発量の範囲内を維持するように蒸発量を増減する、あるいは維持する、あるいは減少させるよう、引き上げ中での上記条件値を固化率に沿って変更すればよい。
具体的には、ドーパントの蒸発量を増加させる場合には炉内圧を減圧する、Ar流量を増やす、およびギャップGを小さくするのいずれか1つまたは2つ以上を行えばよい。なお、これら3つの制御因子の全てを蒸発を促進する方向に必ずしも調整する必要はなく、例えばAr流速を増やしつつ、微調整のために炉内圧を加圧し、さらにギャップGを増減して調整を行うなどしてもよい。
逆に、ドーパントの蒸発量を減少させる場合には逆に、炉内圧を加圧するか、Ar流量を減らす、およびギャップGを大きくするかのいずれか1つまたは2つ以上を行えばよい。 また、これら3つの制御因子の全てを蒸発を抑制する方向に必ずしも調整する必要はなく、例えばAr流速を減らしつつ、微調整のために炉内圧を減圧し、さらにギャップGを増減して調整を行うなどしてもよい。
また、評価用インゴットの固化率に沿って所定のタイミングにおいてドーパントの蒸発量が一定量であるのであれば、そのタイミングでは上記条件値を維持すればよい。蒸発量制御工程ではこのようにして条件値を適正化し、引き上げ工程において試験用インゴット時の条件値から改良した条件値でインゴット1の引き上げを行う。
なお、条件値を変えて評価用インゴットを複数本作製し、複数本の評価用インゴットに基づき蒸発量制御工程において、こうして求めた蒸発量の推移を用いて引き上げ条件値を増減させることが好ましい。n型ドーパントが蒸発するときの単位固化率当たりの蒸発量をより精度良く目標蒸発量の範囲内を維持するように制御することができる。
また、以下のようにしても、n型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量を制御することができる。この場合、実際に評価用インゴットを作製してもよいし、数値計算により各パラメーターを求めてもよい。
<1>まず、図9に示すように、対象とする結晶種の平均引き上げ速度(またはその近傍値)に引き上げ速度を固定し、Ar流量およびギャップGを、使用するCZ炉の標準の値に固定して、炉内圧を変量して複数の評価用インゴットを育成する。
<2>それぞれの評価用インゴット中の結晶成長方向の抵抗率C(fs)を計測する。(fsは固化率)
<3>偏析の関係式(C(fs)=k(fs)、k:蒸発がない場合の偏析係数)から、シリコン融液10中のドーパント濃度C(fs)を求める。
<4>さらに、初期の融液中のドーパント濃度をC0として、蒸発がない場合の融液中のドーパント濃度:CL 0(fs)=C0(1-fs)ke-1と上記<3>で求めたC(fs)の差から、単位固化率当たりの蒸発量dCv(fs)を求める。
<5>単位固化率当たりの蒸発量dCv(fs)を平均化して、平均の単位固化率当たりの蒸発量と炉内圧との関係を決める。
<6>同様にして、図9に示すように対象とする結晶種の平均引き上げ速度(またはその近傍値)に引き上げ速度を固定し、炉内圧およびギャップGを、使用するCZ炉の標準の値に固定して、Ar流速を変量にして複数の評価用インゴットを育成し、上記<2>から<5>までの手順を実施して、平均の単位固化率当たりの蒸発量とAr流量との関係を決める。
<7>同様にして、図9に示すように、対象とする結晶種の平均引き上げ速度(またはその近傍値)に引き上げ速度を固定し、炉内圧およびAr流量を、使用するCZ炉の標準の値に固定して、ギャップGを変量して複数の結晶を育成し、上記<2>から<5>までの手順を実施して、平均の単位固化率当たりの蒸発量とギャップGとの関係を決める。
<8>上記の平均の単位固化率当たりの蒸発量と炉内圧との関係を用いて、引き上げ対象となるインゴット1の固化率の関数としての引き上げ速度プログラムに対応する、固化率の関数としての炉内圧のプログラムを設定する。
<9>上記<8>にて設定した引き上げ速度プログラム、および、炉内圧プログラムを用いて引き上げ対象となるインゴット1の引き上げを実施する。
<10>こうして作成したインゴット1において、所望の抵抗率からのずれがあった場合には、このインゴット1を評価用インゴットとみなして、炉内圧を主操作パラメーターとし、Ar流量またはギャップGを微調整の操作パラメーターとして、より精度の高い圧力、Ar流量、ギャップに関する引き上げ時のプログラムを設定し、当該条件の下、インゴット1の引き上げを行う。
<インサイチュ制御方式>
バッチ間制御方式に替えて、インサイチュ制御方式を用いることも好ましい。原理上、より確実にn型ドーパントの蒸発量を目標蒸発量の範囲内に維持するように制御できると考えられる。
本実施形態にインサイチュ制御方式を適用する場合、引き上げ工程を行いながらn型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量を測定する測定工程をさらに含み、蒸発量制御工程において、測定した単位固化率当たりの蒸発量が目標蒸発量の範囲内に維持するように引き上げ条件値を調整することが好ましい。
ここで、上記測定工程では、Arガスの排出口側でのArガスと共に排出されるn型ドーパントの濃度を測定することが好ましい。
こうした測定工程を行うには、シリコン単結晶引き上げ炉100のArガスの排出口側に赤外分光法や質量分析法による測定を行う測定部81を設け、この測定部81によりArガスとともに排出されるn型ドーパントのガス分析を行うことができる。測定部81としては、例えば、四重極形質量分析計(QMS)を用いることができる。n型ドーパントがSbの場合、ArガスにはSbはSb単体、SbOおよびSbなどの形態で含まれるため、たとえばSbOのガス濃度を分析すればよい。例えば、インゴット1の育成初期からのSbOのガス濃度を一定とすれば、単位固化率当たりの蒸発量も一定量に維持できる。n型ドーパントの蒸発量を制御するには、バッチ間制御方式において既述のとおりであり、引き上げ条件値のいずれか1つまたは2つ以上を調整すればよい。
また、上記測定工程では、引き上げ中のインゴット1の直径および引き上げ長を測定し、この測定に基づく固化率と、Arガスに含まれるn型ドーパントの濃度とに基づき、単位固化率当たりの蒸発量を測定することが好ましい。なお、引き上げ中のインゴット1の直径および引き上げ長さは、図7に図示しない直径計測用のCCDカメラによって成長中の直径の値を、また、引き上げ長に相当するワイヤー52の巻き取り長を制御部80を用いて測定することができる。こうすることで、より厳密に、育成中の固化率に応じての蒸発量の制御が可能となる。
図8の模式図を用いて、本実施形態の好適な測定工程についてより詳細に説明する。引き上げ中のシリコン単結晶引き上げ炉100から、インゴット1の直径および引き上げ長を測定することで、引き上げ時点での固化率およびその変化率が定まる。上述の測定部81を用いれば、シリコン単結晶引き上げ炉100によるn型ドーパントの単位時間当たりの蒸発量(蒸発速度)またはそれに相当する値を測定することができる。測定した固化率と、n型ドーパントの蒸発速度とから、単位固化率当たりのn型ドーパントの蒸発量をインサイチュで評価することができる。したがって、インサイチュで評価した単位固化率当たりのn型ドーパントの蒸発量が目標蒸発量の範囲内から外れそうな場合には、そのずれを補償するように炉内圧、Ar流量およびギャップGのいずれかを調整して蒸発量を制御すればよい。
上述したバッチ間制御方式およびインサイチュ制御方式を組み合わせて、本実施形態に従うシリコン単結晶インゴットの製造方法を行うことも好ましい。
本実施形態に従うと、Sb化合物またはAs化合物の蒸発を制御することによって、n型シリコン単結晶インゴット1の結晶軸方向での抵抗歩留を向上でき、さらに、結晶コストを低減することができる。積極的にSbまたはAsなどの揮発性のn型ドーパントの化合物の蒸発を促進するため、シリコン融液10表面上のAr流速を増大させることになり、結果的に炭素汚染(ヒーターなどの炭素部材と、融液から揮発したSiOとの反応によって生成したCOガスの融液への逆流による融液への再溶解と蓄積による)の抑制効果も期待できる。
なお、本実施形態はSbおよびAsのいずれをn型ドーパントとする場合にも適用可能であるが、Sbを用いる場合に供してより効果的である。Sbは蒸発速度がAsよりも格段に速いためである。
以下、シリコン単結晶引き上げ炉100の各構成の具体的な態様について述べるが、本発明は以下の態様になんら限定されるものではない。
シリコン融液10は、シリコン単結晶インゴット1の原料である。一般的にはポリシリコンが原料であり、坩堝20の外周に設けられるヒーター90などにより原料を加熱して溶解して、融液の状態を維持する。シリコン融液にはn型ドーパントの他、窒素が添加されていてもよい。
坩堝20はシリコン融液10を貯留し、一般的には内側を石英坩堝、外側をカーボン坩堝とする二重構造とすることができる。坩堝20の下端部には昇降回転機構21を設けることができる。
坩堝20の下端部には、図示しない昇降回転機構が設けられる。昇降回転機構は制御部80を介して昇降および回転することができ、ギャップGを制御することもできる。一般的に昇降回転機構21の回転方向は、引き上げ部50の回転方向の逆方向に回転する。
チャンバ30の底部にはArガス排出口を設けることができ、チャンバの上方にはArガス供給口を設けることができる。図7はこの態様を図示するものであるが、配置関係はこの例になんら制限されない。Arガスはバルブ41から供給することができ、バルブ42から排出することができる。バルブ41,42および真空ポンプ43は本実施形態における圧力調整部40となる。バルブ41の上流には、Arガスの供給源を設置することができ、当該供給源がガス供給部60となる。
引き上げ部50はワイヤー巻き取り機構51、ワイヤー巻き取り機構51により巻き取られる引き上げワイヤー52および種結晶を保持するシードチャック53を有することができる。
誘導部70は、シリコン単結晶引き上げ炉100は熱遮蔽部材71のシリコン融液10側の先端部としてもよいが、該先端部に誘導板として設けることも好ましい。誘導板による案内によりシリコン融液10の表面に沿ってArガスが外側へ誘導されやすくなり、流速を制御しやすい。この場合、ギャップは融液表面と誘導板との間隔とする。熱遮蔽部材71は、シリコンインゴット1の加熱を防止すると共にシリコン融液10の温度変動を抑制する。なお、図7と異なり、誘導部70は鋭角状の形状であってもよい。
シリコン単結晶引き上げ炉100は制御部80を有することができ、該制御部80により昇降回転機構21、引き上げ部50、ガス供給部60、測定部81を制御することで既述の引き上げ条件値を制御することができる。
測定部81は、前述のとおり赤外分光法や質量分析法により、n型ドーパントを構成元素とするドーパントガスのガス濃度の測定を行う。測定部81としては、質量分析計を用いることが好ましく、例えば四重極形質量分析計(QMS)を用いることができる。大流量のガスを高速分離でき、装置を小型化できるためである。他にも赤外分光計測定機を用いることもできる。測定部をバルブ42の上流の配管に連結するよう設けることが好ましい。なお図示しないが、測定部81でガス分析が行われたガスは、バルブ42とポンプ43との間に回収することができる。
また、図7には図示しないが、シリコン単結晶引き上げ炉100は従来公知のヒーター、磁場供給装置などを有することもできる。
また、引き上げ工程において、インゴット1の成長速度をv[mm/分]とし、インゴット1の単結晶成長時の融点から1350℃の温度勾配をG[℃/mm]としたときの比v/Gを例えば0.22〜0.27程度に制御することが好ましい。v/Gがこの範囲を超えるとCOPおよびVoid(ボイド)が発生しやすくなり、この範囲を下回ると転位クラスターが発生しやすくなるためである。
また、引き上げ工程において、炉内に窒素濃度2×1013[atoms/cm3]以上1×1015[atoms/cm3]以下で窒素ドープすることが好ましい。また、引き上げ工程において、炉内に水素ガスをArガスに対して3%以上8%以下添加することで、水素ドープすることも好ましい。このとき、v/Gの範囲は、窒素または水素をドープしない条件で、v/Gの傾斜引き上げ(より具体的には、結晶成長方向全長に渡って、引き上げ速度をV字形状、または、W字形状になるように変量する)を行い、COPまたはVoid、および、転位クラスターの発生しないv/G範囲を決定し、上記のv/G範囲で窒素、または、水素をドープすることが好ましい。
さらに、インゴット1の格子間酸素Oiの濃度[Oi]の範囲を、[Oi]≦6×1017[atoms/cm3](ASTM F−121(1979)、以下同様)とすることが好ましく、[Oi]≦4×1017[atoms/cm3]とすることがより好ましく、[Oi]≦1×1017[atoms/cm3]とすることが特に好ましい。[Oi]≦6×1017[atoms/cm3]であれば、酸素および窒素に起因するドナーが発生しない。また、[Oi]≦4×1017[atoms/cm3]であれば、as-grownおよび酸素析出物顕在化熱処理(780℃/3hr、さらに1000℃/16時間、O2雰囲気)後に赤外トモグラフ法(検出下限サイズ:〜25nm)によって酸素析出物が検出されない。さらに、[Oi]≦1×1017[atoms/cm3]であれば、as-grownおよび酸素析出物顕在化熱処理(780℃/3hr、さらに1000℃/16時間、O2雰囲気)後にRIE(Reactive Ion Etching)法(検出下限サイズ:5nm〜7nm)によっても酸素析出物が検出されない。格子間酸素濃度は坩堝20の回転速度を調整することにより制御することができる。
(シリコン単結晶インゴット)
上記製造方法の実施形態により、SbまたはAsをn型ドーパントとするシリコン単結晶インゴットであって、抵抗率が10Ω・cm以上1000Ω・cmの範囲内であり、結晶径が200mm以上であり、シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向における、該シリコン単結晶インゴットの40%以上が、仕様抵抗率の±7%の範囲内にあることを特徴とするシリコン単結晶インゴットを製造することができる。パワーデバイスに供して好適な、結晶成長方向における抵抗率の公差の小さいn型で高抵抗のシリコン単結晶インゴットを実現することができる。ただし、抵抗率はインゴットの内、製品範囲外となるネック部、クラウン部およびテール部等を除外して直胴部のみの抵抗率を対象とする。
また、抵抗率は50Ω・cm以上とすることができる。また、結晶径を300mm以上とすることもできる。結晶成長方向におけるシリコン単結晶インゴットの40%以上を仕様抵抗率の±7%の範囲内とすることもできる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするため、以下の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。
既述のバッチ間制御方式における<1>〜<10>の手順に従い、Sbをn型ドーパントとするシリコン単結晶インゴットを作製した。
<1>図9に示すように、実際に引き上げを行うインゴット1の平均引き上げ速度(図9の2点鎖線)に引き上げ速度を固定し、Ar流量およびギャップGも、使用するCZ炉の標準の一定値に固定し、炉内圧を変量させて7本の試験用インゴットを育成した場合の試験用インゴット中のドーパント濃度を求めた。炉内圧はそれぞれ10,15,20,25,30,40,100torrである。
なお、前掲の表1の育成条件の下、炉内圧を20torr、狙い抵抗を50Ω・cmとした場合にシリコン融液中および試験用インゴット中のドーパント濃度が一定になるように、初期の融液中Sbドーパント濃度および蒸発速度を設定した。すなわち、平均引き上げ速度は1.0[mm/min]であり、融液中ドーパント濃度は4.1×1015[atoms/cm3]であり、蒸発速度は2.01×1015[atoms/sec]である。
<2>それぞれの試験用インゴットの結晶成長方向の抵抗率から、試験用インゴットのドーパント濃度CS(fs)を固化率の関数として求めた(fs:固化率)。得られた結果を、図10に示す。
<3>偏析の関係式(CS(fs)= k0CL(fs)、k0:蒸発がない場合の平衡偏析係数)から、シリコン融液中のドーパント濃度CL(fs)を固化率の関数として求めた。
<4>さらに、初期の融液中のドーパント濃度をC0として、蒸発がない場合の融液中のドーパント濃度:CL 0(fs)=C0(1-fs)ke-1と上記<3>で求めたシリコン融液中のドーパント濃度CL(fs)から、単位固化率当たりの蒸発量dCv(fs)を固化率の関数として求めた。
<5>蒸発量dCv(fs)を平均化して、図11Aに示すように平均化された単位固化率当たりの蒸発量と炉内圧との関係を求めた。
<6>同様にして、実際に引き上げを行うインゴット1の引き上げ速度の平均引き上げ速度に引き上げ速度を固定し、炉内圧およびギャップを、使用するCZ炉の標準の値に固定して、Ar流速を変量して複数の評価用インゴットを育成し、上記<2>から<5>までの手順を実施して、平均の単位固化率当たりの蒸発量とAr流量との関係を求めた。図11Bにこの関係の模式図を示す。
<7>同様にして、実際に引き上げを行うインゴット1の引き上げ速度の平均引き上げ速度に引き上げ速度を、使用するCZ炉の標準の値に固定し、炉内圧、Ar流量を固定して、ギャップGを変量して複数の結晶を育成し、上記<2>から<5>までの手順を実施して、平均の単位固化率当たりの蒸発量とギャップGとの関係をを求めた。図11Cにこの関係の模式図を示す。
<8>上記の平均の単位固化率当たりの蒸発量と炉内圧との関係(図11A)、平均の単位固化率当たりの蒸発量とAr流量との関係(図11B)、および、平均の単位固化率当たりの蒸発量とギャップGとの関係(図11C)を用いて、図12に示すように実際に引き上げを行うインゴット1の、固化率の関数としての引き上げ速度のプログラムに対応する固化率の関数としての炉内圧のプログラムを作成し、シリコン単結晶引き上げ炉100の制御部80に設定した。
<9>設定された引き上げ速度のプログラムおよび、炉内圧のプログラムを用いて、インゴット1の引き上げを実施した。
<10>引き上げ後のインゴット1の抵抗率分布(1回目)を図13に示す。図1を踏まえると、従来の公差よりは大幅な改善が認められたものの、所望の抵抗率の公差内(50[Ω・cm]±7%)からのずれがあったため、炉内圧を主操作パラメーターとし、Ar流量およびGapを微調整の操作パラメーターとして、より精度の高い圧力、Ar流量、Gapに関するプログラムを再度設定し、次バッチ(2回目)の引き上げに適用したところ、更に高精度のドーパント蒸発制御が可能となり、抵抗率を目標とする公差内で制御できることが確認できた。なお、1回目のインゴットでは結晶成長方向において約50%が仕様抵抗率の±7%の範囲内にあることが確認でき、2回目のインゴットは結晶成長方向において100%(全て)が仕様抵抗率の±7%の範囲内にあることが確認できた。
本発明によれば、パワーデバイスに供して好適な、結晶成長方向における抵抗率の公差の小さいn型で高抵抗のシリコン単結晶インゴットの製造方法を提供することができる。
1 シリコン単結晶インゴット
10 シリコン融液
20 坩堝
30 チャンバ
40 圧力調整部
50 引き上げ部
60 Arガス供給部
70 誘導部
80 制御部
81 測定部

Claims (6)

  1. シリコン融液を貯留する坩堝と、該坩堝を収容するチャンバと、該チャンバ内の圧力を調整する圧力調整部と、前記シリコン融液からシリコン単結晶インゴットを引き上げる引き上げ部と、前記チャンバ内にArガスを供給するガス供給部と、前記シリコン融液の表面の上方に配置され、前記Arガスが前記シリコン融液の表面に沿って流れるよう案内する誘導部と、を有するシリコン単結晶引き上げ炉を用いて、シリコン単結晶インゴットを製造する方法であって、
    前記シリコン融液にはSbまたはAsよりなるn型ドーパントが添加され、
    前記シリコン単結晶インゴットをチョクラルスキー法によって引き上げる引き上げ工程と、
    該引き上げ工程を行いながら、前記チャンバ内の圧力、前記Arガスの流量、ならびに前記誘導部および前記シリコン融液の間隔の少なくともいずれか1つを含む引き上げ条件値を調整することで、前記シリコン融液から前記n型ドーパントが蒸発するときの単位固化率当たりの蒸発量を、単位固化率当たりの目標蒸発量の範囲内に維持するようにする蒸発量制御工程と、を含むことを特徴とするシリコン単結晶インゴットの製造方法。
  2. 前記目標蒸発量が結晶成長方向において一定である、請求項1に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
  3. 前記引き上げ工程に先立ち、
    前記シリコン単結晶引き上げ炉を用いて評価用シリコン単結晶インゴットを1本以上作製する工程と、
    該評価用シリコン単結晶インゴットの結晶成長方向の抵抗率の推移に基づき、前記シリコン単結晶引き上げ炉における前記n型ドーパントの単位固化率当たりの蒸発量の推移を求める工程と、をさらに含み、
    前記蒸発量制御工程において、前記求めた前記蒸発量の推移を用いて前記引き上げ条件値を増減させる、請求項1または2に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
  4. 前記引き上げ工程を行いながら前記n型ドーパントの前記単位固化率当たりの蒸発量を測定する測定工程をさらに含み、
    前記蒸発量制御工程において、前記測定した前記単位固化率当たりの蒸発量が前記目標蒸発量の範囲内に維持するように前記引き上げ条件値を調整する、請求項1または2に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
  5. 前記測定工程では、前記Arガスの排出口側での、前記Arガスと共に排出される前記n型ドーパントの濃度を測定する、請求項4に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
  6. 前記測定工程では、引き上げ中の前記シリコン単結晶インゴットの直径および引き上げ長を測定し、この測定に基づく固化率と、前記Arガスに含まれる前記n型ドーパントの濃度とに基づき、前記単位固化率当たりの蒸発量を算出する、請求項5に記載のシリコン単結晶インゴットの製造方法。
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