JP6697310B2 - 駐車装置 - Google Patents
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Description
機械式立体駐車装置は、自動車を立体的に駐車させる装置である。代表的な機械式立体駐車装置は、自動車を載置するパレットと、このパレットを昇降させる昇降装置を有している。また装置内に自動車を出し入れする車両出入り部がある。
そして車両出入り部から機械式立体駐車装置内に自動車を導入し、パレットに自動車を載置し、パレットを昇降して所定の階に自動車を配置する。
またパズル式立体駐車装置と称されるものは、パレットを昇降させるだけでなく、パレットを横行させる機能も有している。
立体駐車装置は、例えば特許文献1に開示されている。
立体駐車装置のパレットはこの様に上下に昇降するので、昇降時に人が立ち入ると危険である。
例えばパレットに人が乗っている状態でパレットを昇降させると、パレットの揺れによって人が転ぶことがある。またパレットを上昇させる際に建屋とパレットとの間に体が挟まれる危険もある。
またパレットが上階の位置にあり、自動車を出庫するためにパレットを降下させる際、パレットの降下位置に人が入るのは危険である。
そのため車両出入り部には特許文献2の様にゲートが設けられていることが多い。
上下に昇降する形式のゲートの代表的な機構は、チェーンやワイヤー等の昇降用索条体をゲートに接続してゲートを吊り下げ、モータでチェーン等を巻き上げてゲートを上昇させるものである。
この問題を解決する方策として、図9の様なバランスチェーン106を装着したゲート200が知られている。
バランスチェーン106は、図9の様に、構造物110に両端が固定されたものである。即ちバランスチェーン106は、一端側がゲート200の一方の縦辺107近傍の下の下側固定部115で構造物110に固定され、他端側をゲート200の他方の横辺108近傍の上の上側固定部116で構造物110に固定されている。
バランスチェーン106の係合経路は次の通りである。
即ちバランスチェーン106は、一端側がゲート200の一方の縦辺107近傍の下の下側固定部115に固定され、上に立ち上がって前記縦辺107側に設けられたバランス用スプロケット111に上側から係合して方向を水平方向に変え、ゲート200の上辺121に沿ってのびる。そしてゲート200の他方の横辺108側に設けられたバランス用スプロケット112に下側から係合して方向を垂直方向に変え、上側固定部116に至り、バランスチェーン106の他端側が上側固定部116に固定されている。
ここで、チェーン120によって構成される昇降用索条体は、ゲート200の一方の縦辺107近傍を上方に持ち上げる。
そのためゲート200は、矢印Aの様に、チェーン120によって左側(縦辺107側)が上方に向かって荷重を受ける。
一方、ゲート200の右側(横辺108側)に注目すると、バランスチェーン106のバランス用スプロケット112と上側固定部116間によって、ゲート200は上方に向かって荷重を受ける。
そのため昇降用索条体たるチェーン120によってゲート200の左側が上方に荷重を受け、バランスチェーン106の右側によってゲート200の右側が上方に荷重を受ける。そのためゲート200に掛かる左右の荷重がバランスし、ゲート200の上辺121は水平姿勢を保つ。
具体的に説明すると、図10(a)の様にゲート200を側面側から見た際に、図10(a)の様に垂直であるべき縦辺107,108が、図10(b)の様に傾斜姿勢となってしまう。そのためゲート200を昇降させる際に、ゲート200が構造物110に片当たり状態となり、ゲート200の昇降が円滑性を欠くこととなる。
即ちゲート200を昇降させる際に、ゲート200の一部が構造物110に局所的に強く当たり、ゲート200の動きが不安定となる。
また、「実質的に一致」とは、両垂線が完全に一致している場合はもちろん含まれているが、両垂線の位置が多少ずれている場合も含まれている。すなわち、両垂線が、昇降用索条体の外接円の直径の範囲で離間している場合も含まれている。
よって、ゲートが周辺の他の部材と接触しにくく、他の部材との間に作用する摩擦力の低減化を図ることができる。その結果、ゲートを駆動するのに要する消費電力を最小限に抑制することができる。
また、溝状の断面形状部を有する一対の支柱を有し、当該一対の支柱によって囲まれる空間をゲートが昇降し、昇降用索条体及びバランス用索条体が各支柱の溝状の部位内を通過するので、格納空間に対して車両が出入りする際に、昇降用索条体とバランス用索条体が邪魔にならない。すなわち、車両が格納空間に対して円滑に出入りすることができる。
請求項4に記載の発明では、昇降用索条体のゲートに対する接続位置が、バランス用索条体の下方にのびる部分と係合するバランス用回転体の中心と、ゲートの幅方向で実質的に一致している。すなわち、昇降用索条体のゲートに対する接続位置は、バランス用索条体の下方にのびる部分と係合するバランス用回転体の中心の実質的に真上にある。
そのため、ゲートの幅方向の一方側における、ゲートの上方に作用する力と下方に作用する力によっては、ゲートにモーメントが作用しない。そのため、ゲートの幅方向のバランスをとり易い。すなわち、昇降用索条体のゲートに対する接続位置が、一方側のバランス用回転体の中心よりもゲートの幅方向の外側又は内側に偏っていないため、ゲートが幅方向に傾きにくい。
図1に示す様に、駐車装置1は、4階建ての機械式立体駐車装置であり、複数台の自動車(車両)を駐車することができる格納空間2を有している。
格納空間2には、自動車を載置する載置台25が複数設けられている。各載置台25は、図示しない駆動機構によって左右方向と上下方向にパズル式に移動が可能である。
また、駐車装置1の1階(地上階)部分には、格納空間2に自動車を出入りさせる車両出入り部3a〜3dが設けられている。
本実施形態では、車両出入り部3(3a〜3d)が駐車装置1の地上階の4箇所に設けられており、支柱21,22にH型鋼が採用されている。
離間した一対のH型鋼で構成された支柱21,22の各溝部23と、当該離間して対向する支柱21,22の間の空間によって、一つの車両出入り部3(例えば車両出入り部3a)の空間24(一対の支柱によって囲まれる空間)が構成されている。空間24は、支柱21,22と、図6に示す破線で仕切られた空間であり、ゲート4が昇降移動する空間である。
昇降装置5(昇降手段)は、駆動輪18(駆動側回転体)、従動輪19(従動側回転体)、モータ20(駆動装置)、及び昇降用索条体7を備えている。
駆動輪18(駆動側回転体),従動輪19(従動側回転体),モータ20(駆動装置)によって、昇降用索条体7を移動させる昇降駆動機構8が構成されている。
駆動輪18は、支柱22における、ゲート4の揚程以上の高さ位置(高所)に設置されており、モータ20で回転駆動される。また、支柱22の下部(低所)には従動輪19(従動側回転体)が設けられている。
さらに、支柱22には、駆動輪18よりも若干下の高さ位置にリミットスイッチ51が設けられている。
また、ゲート4が全閉となるときにリミットスイッチ51によって検出される別の位置決め片を昇降用索条体7に設けてもよい。
下部固定部52は、支柱22の溝部23内の低所に設けられている。すなわち下部固定部52は、全閉状態となったゲート4の上部フレーム28(スプロケット9a)の高さより低い高さ位置に配置されている。上部固定部53は、全開状態となったゲート4(スプロケット9b)よりも高い位置に配置されている。
支柱22側に設けられた下部固定部52と、支柱21側に設けられた上部固定部53は、支柱21と支柱22を最短距離で結ぶ同一の鉛直面内に配置されている。
ゲート4は、車両出入り部3を遮蔽することができる幅と所定の厚さを有している。図2に示す様に、ゲート4は、2つの縦フレーム26a,26b,下部フレーム27,上部フレーム28,本体部29等を有している。
図5に示す様に、ガイドローラ30,31の円周面には各々環状溝30a,31aが設けられている。ガイドローラ30,31は軸32,42を備えている。軸32,42は、軸受部材33,43を介して縦フレーム26a,26bに固定されている。すなわち、ガイドローラ30,31は、軸32,42を中心に回転可能に縦フレーム26a,26bに固定されている。
図2に示す様に、出庫方向(入庫方向とは逆方向)から見て左側の縦フレーム26aには、ガイドローラ31よりも下の部位に固定部材44が設けられている。固定部材44は、昇降用索条体7の端部を固定する機能を有している。
上部フレーム28と各縦フレーム26a,26bは、溶接又はボルト締め等の固定手段で固定されている。
また、縦フレーム26aの中間部分には、昇降用索条体7の他端を固定する固定部材44が設けられている。固定部材40と固定部材44は、同一鉛直線上に配置されている。
図3に示す様に、バランス機構部6は、バランス用索条体10とスプロケット9a,9b(バランス用回転体)を有している。
スプロケット9a,9bは、ゲート4の上部フレーム28の空間16の両端付近に設けられている。すなわち、スプロケット9a,9bは、ゲート4の幅方向に間隔を置いて設けられている。
また、図3,図4に示す様に、スプロケット9aの一部は、開口17aから幅方向に突出しており、スプロケット9bの一部は、開口17bから幅方向に突出している。すなわち、スプロケット9aは、図3,図4で見てゲート4の左端から突出しており、スプロケット9bは、図3,図4で見てゲート4の右端から突出している。
換言すると、垂線V1と垂線V2は、ゲート4の厚さ方向(図5における左右方向)に一致した位置にある。すなわち、固定部材40に連結された昇降用索条体7の垂線V1と、スプロケット9aの中心12を通る垂線V2は、図5に示す様に、ゲート4の厚さ方向に一致している。
軸35a,35bは、両端支持されている。
すなわち、本実施形態では、上部フレーム28の両端付近に支持板37a,37bが固定されている。支持板37a,37bは、上部フレーム28の断面略コの字の開口部分を閉塞している。すなわち、支持板37a,37bは、垂直壁部15と離間して対向する部材である。なお、図3では、支持板37a,37bの描写は省略している。
軸35a,35bは、垂直壁部15と支持板37a,37bの間に配されて、図示しない軸受を介して回転可能に両端支持されている。すなわち軸35a,35bは、上部フレーム28に回転可能に支持されている。
すなわち、図5に示す様に、昇降用索条体7の一端が、ゲート4の上部フレーム28側の固定部材40に固定されており、昇降用索条体7の他端が、ゲート4の一方側の縦フレーム26の固定部材44に固定されている。昇降用索条体7は、上方では駆動輪18に懸架されており、下方では従動輪19に懸架されている。昇降用索条体7には張力が作用している。
昇降用索条体7がゲート4に付与する力は、垂線V1に沿って上方向に作用しており、バランス用索条体10がゲート4に付与する力は、垂線V2に沿って下方向に作用しており、垂線V1と垂線V2は、昇降用索条体7の外接円13の範囲内にある。そのため、昇降用索条体7がゲート4に付与する力と、バランス用索条体10がゲート4に付与する力とを釣り合わせることができる。すなわち、昇降用索条体7による上方向の力が相対的に大きい場合にはゲート4が上昇し、バランス用索条体10による下方向の力が相対的に大きい場合にはゲート4が下降し、両力が釣り合っているときにはゲート4は停止している。
2 格納空間
3 車両出入り部
4 ゲート
4a ゲートの一端側
4b ゲートの他端側
5 昇降手段
6 バランス手段
7 昇降用索条体
8 昇降駆動機構
9a,9bバランス用回転体
10 バランス用索条体
12 バランス用回転体の中心
13 昇降用索条体の外接円
14 ゲートの水平壁
15 ゲートの垂直壁
16 水平壁と垂直壁とで仕切られた空間
17a,17b 水平壁と垂直壁とで仕切られた空間の水平方向左右の開口
18 駆動側回転体
19 従動側回転体
20 駆動装置
21,22 支柱
23 支柱の溝状の部位
24 支柱で囲まれた空間
40 固定部(接続位置)
Claims (4)
- 車両を格納する格納空間と、車両出入り部を遮蔽することが可能な幅と所定の厚さを有し前記車両出入り部を開閉するゲートと、前記ゲートを昇降する昇降手段と、前記ゲートの姿勢を安定させるバランス手段を有し
前記昇降手段は、前記ゲートに直接的または間接的に接続された昇降用索条体と昇降用索条体を移動させる昇降駆動機構を有し、
前記バランス手段は、少なくとも2個のバランス用回転体と、バランス用索条体を有し、前記2個のバランス用回転体は前記ゲートの一部に幅方向に距離をあけて設置されており、
前記バランス用索条体の中間部分が前記2個のバランス用回転体と係合すると共にバランス用索条体の前記係合部分を離れた部位の一方側は前記ゲートの幅方向の一端側であって下方にのび、バランス用索条体の前記係合部分を離れた部位の他方側は前記ゲートの幅方向の他端側であって上方にのびる駐車装置において、
前記昇降用索条体の前記ゲートに対する接続位置を通過する垂線と、当該接続位置に近い側のバランス用回転体の中心を通る垂線とが実質的に一致していることを特徴とする駐車装置。 - 前記ゲートは水平壁と当該水平壁に対して垂直に垂下する垂下壁を有し、前記水平壁と垂下壁によって囲まれる空間があり当該空間の水平方向の両端が開口し、
バランス用索条体の中間部分は前記空間内にあって一方の開口から入って他方の開口に抜ける状態で設置され、
前記空間に前記2個のバランス用回転体があり、前記バランス用索条体は一方のバランス用回転体の上側及び他方のバランス用回転体の下側と係合し、
昇降用索条体はゲートの前記水平壁に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。 - 前記昇降駆動機構は、駆動側回転体と、従動側回転体と、前記駆動側回転体を回転させる駆動装置を有し、
前記昇降用索条体は、両端がある状態または環状であって無端であり、昇降用索条体の両端または中間部がゲートに接続され、中間部が前記駆動側回転体と、従動側回転体に掛け渡されており、
溝状の断面形状部を有する一対の支柱を有し、当該一対の支柱によって囲まれる空間を前記ゲートが昇降し、前記昇降用索条体及びバランス用索条体が前記各支柱の溝状の断面形状部内を通過することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車装置。 - 昇降用索条体の前記ゲートに対する接続位置は、バランス用索条体の下方にのびる部分と係合するバランス用回転体の中心と、ゲートの幅方向で実質的に一致していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駐車装置。
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