JP6697009B2 - アクリロイルオキシシランの調製プロセス - Google Patents

アクリロイルオキシシランの調製プロセス Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
なし
本発明は、精製アクリロイルオキシシランを調製するプロセスに関する。より詳細には、本発明は、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒とを含む混合物を、温度及び圧力にかけて、混合物から無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランの一部を蒸発させて、アクリロイルオキシシランを含む精製混合物を調製するプロセスに関する。
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアクリロイルオキシ基を有する不飽和オルガノアルコキシシランは、適当な相間移動触媒の存在下で、アクリル酸ナトリウムなどの不飽和カルボン酸の金属塩によるハロオルガノアルコキシシランの求核置換反応によって調製されてきた。望ましいシラン生成物に加え、このプロセスは、アクリロイルオキシシランと、ハロゲン化金属沈殿物と、未反応の反応物と、を含む、粗混合物を調製する。ハロゲン化金属沈殿物は、食塩水又は水による濾過又は洗浄により除去される。
未反応の出発材料、溶媒、及び望ましくない反応生成物を除去する方法が存在しているものの、これらの方法は、現在アクリロイルオキシシランの使用されている多くの用途において求められるような、未反応の出発材料などの不純物の生成を低レベルに抑えてのアクリロイルオキシシランの調製には適さない。本発明の方法の問題の1つには、出発材料及びアクリロイルオキシシランは近い温度で蒸発することから、蒸留により分離するのが難しいというものがある。更に、出発材料の分離に必要とされる反復蒸留工程は、目的とするアクリロイルオキシシラン生成物の二量体及びその他のオリゴマーの形成を生じてしまい、収率を低下させ、不純物の問題を更に増大させる場合がある。
したがって、アクリロイルオキシシランの二量体及びその他のオリゴマーの形成により収率を低減することなく、所望のアクリロイルオキシシランから未反応の出発材料、溶媒、及び望ましくない反応生成物を迅速に分離する、アクリロイルオキシシランの精製プロセスが必要とされている。
本発明は、アクリロイルオキシシランを精製するプロセスであって、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒とを含む混合物を、混合物から無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランの一部を蒸発させるのに十分な温度及び圧力にかけて、アクリロイルオキシシランを含む精製混合物を生成することを含み、無極性溶媒は、炭素原子を5〜20個有する分枝鎖状アルカン又は炭素原子を5〜20個有する分枝鎖状アルカンの混合物と、炭素原子を5〜14個有する直鎖状アルカンと、を含み、無極性溶媒は、無極性溶媒の重量を基準として5%(重量/重量)未満の芳香族化合物を含む、プロセスを目的とする。
本発明のプロセスは、不飽和樹脂又はポリマー系のためのカップリング剤、有機−無機界面における接着促進剤、及び表面改質剤として使用され得る、精製アクリロイルオキシシランを調製する。
アクリロイルオキシシランを精製するプロセスであって、プロセスは、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒とを含む混合物を、混合物から無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランの一部を蒸発させるのに十分な温度及び圧力にかけて、アクリロイルオキシシランを含む精製混合物を生成することを含み、無極性溶媒は、炭素原子を5〜20個有する分枝鎖状アルカン又は炭素原子を5〜20個有する分枝鎖状アルカンの混合物と、炭素原子を5〜14個有する直鎖状アルカンと、を含み、無極性溶媒は、無極性溶媒の重量を基準として5%(重量/重量)未満の芳香族化合物を含む。
混合物は、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒と、を含む。本明細書で使用するとき、アクリロイルオキシシラン」は、アクリロイルオキシ官能性を含む物質を含むことを意図する。例えば、アクリロイルオキシは、ソルビルオキシ(sorbyloxy)官能基を含み得ることが想到される。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランは、式CR =CRCOORSi(OR 3−n(IV)を有し、式中、Rは、H、RCOOa+、又はC−Cヒドロカルビルであり、Rは、C−Cヒドロカルビレンであり、各Rは、独立して、C−C10ヒドロカルビルであり、各Rは、独立して、H、RCOOa+、又はC−Cヒドロカルビルであり、各Rは、独立して、H、C−Cヒドロカルビル、又はCOORSi(OR 3−nであり、Rは、炭素原子を1〜6個有するヒドロカルビレンであり、nは1〜3の整数であり、Ma+はアルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンであり、aはカチオン電荷であり、かつ1又は2の値を有する。
アクリロイルオキシシランの例としては、
ソルビルオキシメチルジメチルメトキシシラン、γ−ソルビルオキシプロピルメチジメトキシシラン(γ−sorbyloxypropylmethydimethoxysilane)、γ−ソルビルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ソルビルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ソルビルオキシブチルジメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチジメトキシシラン(γ−methacryloyloxypropylmethydimethoxysilane)、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシブチルジメトキシシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルメチルジメトキシシラン、アクリロイルオキシメチルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルブチルジメトキシシラン、δ−アクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、δ−アクリロイルオキシブチルメチルジメトキシシラン、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)フマラート、ビス(γ−トリエトキシシリルプロピル)フマラート、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)マレエート、ビス(γ−トリエトキシシリルプロピル)マレエート、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)イタコネート、ビス(γ−トリエトキシシリルプロピル)イタコネートが挙げられるがこれらに限定されない。
このアクリロイルオキシシランは、当該技術分野において既知の方法により調製され得る。一実施形態では、アクリロイルオキシシランは、式[CR =CRCOOa+(I)を有するカルボン酸の金属塩を、50〜160℃の温度にて、触媒の存在下、及び水の存在下、炭素原子を1〜5個有するアルコールの存在下、又は水と、炭素原子を1〜5個有するアルコールと組み合わせの存在下で、式XRSi(OR 3−n(II)を有するハロオルガノアルコキシシランと反応させて、アクリロイルオキシシランと、式Ma+ (III)を有する金属ハロゲン化物とを含む混合物を形成する[式中、Rは、H、RCOOMa、又はC−Cヒドロカルビルであり、各Rは、独立して、R又は[COO]Maであり、Ma+は、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンであり、aは、1又は2であり、Xは、ハロであり、Rは、C−Cヒドロカルビレンであり、各Rは、独立して、C−C10ヒドロカルビルであり、各Rは、独立して、Rであり、かつnは1〜3の整数である]ことにより調製される。
不飽和カルボン酸の金属塩は、式:
[CR =CRCOOa−a+(I)を有する。Ma+により表されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンの例としては、Li、Na、K、Mg2+、及びCa2+が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、Ma+は、Na又はKである。
及びRによって表されるヒドロカルビル基は、典型的には1〜6個の炭素原子、あるいは1〜4個の炭素原子、あるいは1〜3個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基など、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基など、アリール基、例えば、フェニル基など、アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、及びプロペニル基など、並びにアルキニル基、例えば、エチニル基及びプロピニル基が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、1つのR基は水素であり、1つのR基はプロペニル(すなわち、CHCHCH−)である。
不飽和カルボン酸の金属塩の例としては、これらに限定されるものではないが、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、エタクリル酸ナトリウム(すなわち2−メチレンブタン酸ナトリウム)、クロトン酸ナトリウム、イソクロトン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、エタクリル酸カリウム(すなわち2−メチレンブタン酸カリウム)、クロトン酸カリウム、イソクロトン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウム、エタクリル酸マグネシウム、クロトン酸マグネシウム、イソクロトン酸マグネシウム、ソルビン酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸カルシウム、エタクリル酸カルシウム、クロトン酸カルシウム、イソクロトン酸カルシウム、及びソルビン酸カルシウム、フマル酸一ナトリウム、フマル酸二ナトリウム、マレイン酸一ナトリウム、マレイン酸二ナトリウム、イタコン酸一ナトリウム、イタコン酸二ナトリウム、フマル酸一カリウム、フマル酸二カリウム、マレイン酸一カリウム、マレイン酸二カリウム、イタコン酸一カリウム、イタコン酸二カリウムが挙げられる。
不飽和カルボン酸の金属塩の調製プロセスは当該技術分野では周知のものであり、これらの化合物の多くが市販されている。例えば、不飽和カルボン酸の金属塩は、温度を25℃以下に保ちつつ不飽和カルボン酸をNaOEtのエタノール溶液に滴下した後、1時間攪拌することによって調製することができる。
ハロオルガノアルコキシシランは、式XRSi(OR 3−n(II)[式中、Xはハロである]を有する。Xによって表されるハロ原子の例としては、−F、−Cl、−Br、及び−Iが挙げられる。
によって表されるヒドロカルビレン基は、典型的には1〜6個の炭素原子、あるいは2〜4個の炭素原子、あるいは3個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有するヒドロカルビレン基は、分枝又は非分枝構造を有し得る。ヒドロカルビレン基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1−メチルエチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、1−メチルブチレン基、1−エチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、ヘキシレン基、又はこれらに類するヒドロカルビレン基が挙げられる。
で表わされるヒドロカルビル基は、典型的には、1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子、あるいは1〜4個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。ヒドロカルビル基の例としては、例えば、R及びRについて上記に所与のもの、及びアルキル、例えば、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシルなど、シクロアルキル、例えば、メチルシクロヘキシルなど、アリール、例えば、ナフチルなど、アルカリール、例えば、トリル及びキシリルなど、アラルキル、例えば、ベンジル及びフェニルエチルなど、並びにアラルケニル、例えば、スチリル及びシンナミルなどが挙げられる。
によって表されるヒドロカルビル基は、典型的には1〜6個の炭素原子、あるいは1〜4個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有する非環式ヒドロカルビル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。ヒドロカルビル基の例としては、限定するものではないが、R及びRについて所与の実施例が挙げられる。
式(II)のハロオルガノアルコキシシランの例としては、これらに限定されるものではないが、クロロメチルジメチルメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルエチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルエチルジエトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、3−ヨードプロピルトリエトキシシランが挙げられる。一実施形態では、式(II)のハロオルガノアルコキシシランは、3−クロロプロピルトリメトキシシラン又は3−クロロプロピルトリエトキシシランである。
ハロオルガノアルコキシシランの調製プロセスは当該技術分野で知られており、これらの化合物のうち多くのものは市販されている。
アクリロイルオキシシランの調製プロセスは、水、1〜5個の炭素原子を含むアルコール、又は1〜5個の炭素原子を含むアルコールと水との混合物の存在下での反応において使用された出発材料を反応させることにより実施され得る。水は、脱イオン水又は蒸留水であってよく、あるいはその他の反応物中に存在する水であってよい。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランを形成する反応は、炭素原子を1〜5個含む、あるいは炭素原子を1〜3個含む、あるいは炭素原子を1個含むアルコールの存在下でのものである。一実施形態では、アルコールは、式ROHのものであり、式中、Rは、炭素原子を1〜5個含むヒドロカルビル基である。少なくとも3個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル基Rは、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。
によって表されるヒドロカルビル基の例としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられるがこれらに限定されない。
1〜5個の炭素原子を有するアルコールは、可能であれば第一級、第二級、又は第三級アルコールであってよく、あるいは第一級又は第二級アルコールであってよく、あるいは第一級アルコールであってよい。1〜5個の炭素原子を有するアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、及びイソペンタノールが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、アルコールはメタノールである。本発明に好適なアルコールは市販されている。
アクリロイルオキシシランを生成するのに使用する触媒は、不飽和カルボン酸の金属塩とハロオルガノアルコキシシランとの間の反応において触媒として機能してアクリロイルオキシシランを形成することが知られる任意の触媒であり、あるいは、触媒は相間移動触媒であり、かかる相間移動触媒は、不飽和カルボン酸の金属塩とハロオルガノアルコキシシランとの間の求核置換反応において固液相間移動触媒として機能してアクリロイルオキシシランを形成することが知られる任意の相間移動触媒である。
触媒の例としては、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノナ−5−エンなどのアミン類である相間移動触媒、第四級アンモニウム化合物、例えば、トリブチルメチルアンモニウムクロリド、トリエチルセチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド、ALIQUAT(登録商標)336[トリス(n−C−及びC10−アルキル)メチルアンモニウムクロリド]、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド又はブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、メチルトリブチルアンモニウムブロミド、及びメチルトリブチルアンモニウムクロリドなど、第四級ホスホニウム化合物、例えば、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロリド、メチルトリ−n−ブチルホスホニウムクロリド、メチルトリ−n−ブチルホスホニウムブロミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムクロリド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリド、及びメチルトリフェニルホスホニウムブロミドなどが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムクロリド又はブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、又はテトラ−n−ブチルホスホニウムブロミドである。一実施形態では、触媒の組み合わせが使用される。
触媒、例えば、相間移動触媒などは、当該技術分野で既知のプロセスにより製造される。これらの化合物の多くは市販されている。
アクリロイルオキシシランの調製プロセスは共触媒を含んでよく、あるいは本発明のプロセスは、金属塩である、あるいはヨウ化物との金属塩である、あるいはヨウ化カリウムである共触媒を更に含んでよい。
アクリロイルオキシシランの調製プロセスは、場合により、1種以上のフリーラジカル阻害剤の存在下で実施され得る。本明細書で使用するとき、「阻害剤」とは、フリーラジカル重合反応を阻害する化合物のことである。
阻害剤の例としては、これらに限定されるものではないが、エチレンジアミン四酢酸などのアミン類、N,N’−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、及びフェノチアジンなどの芳香族アミン類、キノン類、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのヒドロキノン類、2,6−ジ−tertブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)メチルフェノール、及びブチル化ヒドロキシトルエンなどの立体障害フェノール、並びに安定フリーラジカルが挙げられる。
阻害剤は、当該技術分野では周知のプロセスによって製造される。これらの阻害剤の多くは市販されている。
アクリロイルオキシシランを生成する反応は、任意選択的に、無極性溶媒の存在下で実施することもでき、あるいは反応は、無極性溶媒の存在下のものである。
アクリロイルオキシシランを精製するための反応を実施するための反応器は、相間移動触媒の存在下で不飽和カルボン酸の金属塩をハロオルガノアルコキシシランと反応させるのに適した任意の好適な反応器であってよい。例えば、ガラス製の丸底フラスコを使用することができる。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランの生成に使用される反応物は反応器に任意の順番で添加される。あるいは、不飽和カルボン酸の金属塩と、触媒と、一部のハロオルガノアルコキシシランと、存在させる場合、アルコール、水、共触媒、阻害剤、及び無極性溶媒とを反応器に加え、加熱した後、残りのハロオルガノアルコキシシランを反応器に加える。あるいは、不飽和カルボン酸の金属塩と、触媒と、存在させる場合アルコール、水、阻害剤、及び無極性溶媒と、をそれぞれ100%と、ハロオルガノアルコキシシランの一部を反応器に加え、加熱した後、残りのハロオルガノアルコキシシランを反応器に加える。本明細書で使用するとき、ハロオルガノアルコキシシランを指して使用される「一部の」は、プロセスに加えられるハロオルガノアルコキシシランの総モル量の最大で75%、あるいは50%、あるいは30%〜55%を意味する。本明細書で使用するとき、本発明のプロセスにおいて添加されるハロオルガノアルコキシシランを指して使用される「残りの」は、プロセスに加えるハロオルガノアルコキシシランの総モル量からハロオルガノアルコキシシランの一部を予め抜き出して反応器に加えた後、プロセスに加えるべく残されているハロオルガノアルコキシシランの量を意味し、あるいはプロセスに加えられるハロオルガノアルコキシシランの総モル量を基準として最大で75%、あるいは最大で45%、あるいは最大で25%のハロオルガノアルコキシシランを意味する。
アクリロイルオキシシランを生成するプロセスにおける反応物質の添加速度は制御可能である。望ましくない発熱を予防し、かつ加工性を改良するため、ハロオルガノアルコキシシランは、少しずつ反応器及び不飽和カルボン酸の金属塩に導入され得る。
アクリロイルオキシシランを生成する反応は、典型的には、50〜160℃、あるいは、80〜140℃、あるいは80〜130℃、あるいは80〜100℃、あるいは85〜95℃の温度、かつ0〜1000kPag、あるいは50〜200kPag、あるいは80〜150kPagの圧力、あるいは大気圧にて実施される。反応物質を、典型的には周囲温度で上記で述べたように合わせた後、かかる混合物を上記温度及び圧力下に置く。
アクリロイルオキシシランを生成する反応は、典型的には、ハロオルガノアルコキシシランの少なくとも50%(w/w)が反応するまで、あるいはハロオルガノアルコキシシランの少なくとも80%が反応するまで、あるいはハロオルガノアルコキシシランの90〜100%が反応するまで行われる。ハロオルガノアルコキシシランの反応の進行状態は、例えばガスクロマトグラフィー(GC)などの当該技術分野では周知の標準的なプロセスによって測定することができる。
典型的には、アクリロイルオキシシランの生成反応の実施に必要とされる時間は、少なくとも30分間、あるいは60〜6000分間、あるいは120〜1000分間、あるいは600〜720分間である。
アクリロイルオキシシランの生成反応における、ハロオルガノアルコキシシランに対する不飽和カルボン酸の金属塩のモル比は、典型的には0.5〜1.5:1、あるいは0.9〜1.1:1、あるいは1〜1.05:1である。
相間移動触媒は、アクリロイルオキシシランの生成反応における触媒有効量で使用され得る。本明細書で使用するとき、「触媒有効量」とは、ハロオルガノアルコキシシランと不飽和カルボン酸の塩との間の求核置換反応を触媒してアクリロイルオキシシランを生成する量のことである。例えば、触媒有効量は、相間移動触媒と、ハロオルガノアルコキシシランと、不飽和カルボン酸の塩と、ミネラルスピリットとの合計重量を基準として少なくとも0.001%(w/w)、あるいは0.005〜0.5%、あるいは0.01〜0.05%(w/w)である。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランの生成反応は、水の存在下でのものであり、あるいは反応の全材料の重量を基準として少なくとも100ppmw、あるいは少なくとも2000ppw、あるいは100〜2400ppmw、あるいは3500〜5000ppmwの水の存在下でのものである。反応における水の量は、反応における全ての材料によりもたらされる水の量を考慮して、他の材料の量が所望されるよりも少ない場合には追加の水を加えることにより、あるいは水の量が所望されるよりも多い場合には当該技術分野で既知の方法で反応における1種以上の材料から水を除去することにより、所望のバランスで、当該施術分野で既知のプロセスによりもたらされる。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランの生成反応は、上記のアルコールの存在下で実施され、あるいはアルコール重量及び反応におけるその他の全ての材料の重量を基準として少なくとも80ppmw、あるいは80〜6400ppmw、あるいは80〜4800ppmwの上記のアルコールの存在下で実施される。反応におけるアルコールの量は、反応における全ての材料によりもたらされるアルコールの量を考慮して、他の材料の量が所望されるよりも少ない場合には追加のアルコールを加えることにより、あるいはアルコールの量が所望されるよりも多い場合には当該技術分野で既知の方法で反応における1種以上の材料からアルコールを除去することにより、所望のバランスで、当該施術分野で既知のプロセスによりもたらされる。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランの生成反応は、水及び上記アルコールの存在下で実施され、あるいは100〜5000ppmwの水、及び80〜6400ppmwのアルコール、あるいは100〜1200ppmwの水、及び80〜4800ppmwのアルコール、あるいは1000ppmの水〜4800ppmwの水、及び80〜1000ppmwのアルコール、あるいは400〜800ppmwの水、及び4500〜5000ppmwのアルコール、あるいは2100〜3500ppmwの水、及び3100〜3500ppmwのメタノールの存在下で実施され、ここで、ppmwは、反応における全材料の重量を基準として計算される。存在する水及びアルコール量は、各材料について上記のものと同じ方法で達成される。
添加される場合、アクリロイルオキシシラン生成反応の阻害剤は、阻害剤と、ハロオルガノアルコキシシランと、不飽和カルボン酸の金属塩と、アルコールとの合計重量を基準として、典型的に1〜10,000ppmw、あるいは10〜2500ppmw、あるいは1800〜2400ppmwである。
無極性溶媒は、ハロオルガノアルコキシシランの除去性を向上させるのに十分な量で、アクリロイルオキシシランの生成反応に存在し、あるいは無極性溶媒と、アクリロイルオキシシランと、金属ハロゲン化物との合計重量を基準として10〜90%(w/w)、あるいは15〜80%(w/w)、あるいは25〜60%(w/w)存在する。
アクリロイルオキシシランの生成反応における共触媒は、触媒有効量で存在する。共触媒に関し本明細書で使用するとき、触媒有効量は、カルボン酸の金属塩と、ハロオルガノアルコキシシランとの反応において共触媒として作用させるのに十分な量であり、あるいは触媒有効量は、触媒に対する比が0.01〜10(触媒/共触媒)、あるいは0.1〜5、あるいは0.25〜2、あるいは0.4〜1.1になる量である。
アクリロイルオキシシランの生成反応は、典型的には不活性ガス雰囲気で実施されるものの、大気中で実施されてもよい。不活性ガスとは、反応条件下で反応混合物中に存在する各成分との反応性を有さない気体である。不活性ガスの例としては、窒素及びアルゴンがある。
アクリロイルオキシシランの生成反応によって、アクリロイルオキシシランと、式Ma+ (III)[式中、Xはハロゲン化物アニオンである]を有する金属ハロゲン化物とを含む混合物が生成される。本明細書で使用するとき、「アクリロイルオキシシラン」は、必ずしも式をもとにアクリロイルオキシシランと呼称されなくてもよいものの、アクリロイルオキシ官能性を含む材料を含むことが意図される。例えば、アクリロイルオキシは、ソルビルオキシ(sorbyloxy)官能基を含み得ることが想到される。
金属ハロゲン化物は、式Ma+ (III)[式中、M及びaは、不飽和カルボン酸の金属塩について上記に定義及び例示したものであり、Xはハロゲン化物アニオンである]によるものである。ハロゲン化物アニオンの例としては、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、及びヨウ化物イオンが挙げられる。金属ハロゲン化物の例としては、これらに限定されるものではないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、及びヨウ化カルシウムが挙げられる。
本発明のプロセスは、アクリロイルオキシシランと金属ハロゲン化物とを含む混合物から金属ハロゲン化物の少なくとも一部を除去する工程を更に含み得る。本明細書において使用するとき、「一部」とは、アクリロイルオキシシラン中の金属ハロゲン化物を下記に述べる範囲内にまで減少させるのに十分な量のことを意味する。例えば、一部とは、典型的には、混合物中の金属ハロゲン化物の最初の量の少なくとも50%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも99.99%である。
金属ハロゲン化物は、有機物質から固体金属ハロゲン化物を除去するための当該技術分野では周知のプロセスによって、アクリロイルオキシシランと金属ハロゲン化物とを含む混合物から除去することができる。金属ハロゲン化物は、例えば、濾過、傾斜、洗浄、又は濾過、傾斜及び洗浄の組み合わせによって除去することができる。一実施形態では、金属ハロゲン化物は、濾過又は傾斜によって除去される。別の実施形態では、金属ハロゲン化物は、金属ハロゲン化物からアクリロイルオキシシランをデカンテーションによって除去した後、金属ハロゲン化物を食塩水で洗浄することによって除去する。
アクリロイルオキシシランと金属ハロゲン化物とを含む混合物から金属ハロゲン化物の少なくとも一部を除去する工程の後、アクリロイルオキシシランは、アクリロイルオキシシランの重量を基準として典型的には10,000重量百万分率(ppmw)未満、あるいは1〜1000ppmw、あるいは10〜100ppmwの金属ハロゲン化物を有する。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物中のハロオルガノアルコキシシランは、アクリロイルオキシシランの製造プロセスに記載の通りのものである。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物中の無極性溶媒の誘電率は10未満、あるいは5未満、あるいは1〜5である。
一実施形態では、無極性溶媒は分枝鎖状アルカンを含み、あるいは分枝鎖状アルカンと直鎖状アルカンとを含み、あるいは2種以上の分枝鎖状アルカンと直鎖状アルカンとを含む。分枝鎖状アルカンは、5〜20個、あるいは6〜16個、あるいは6〜13個の炭素原子を有する。一実施形態では、分枝鎖状アルカンは、分枝鎖状アルカンの混合物を含み、あるいは混合物のうち25〜35%(w/w)が10〜13個の炭素原子を有する分枝状アルカンの混合物であり、かつ混合物のうち65〜75%(w/w)が9〜11個の炭素原子を有する分枝鎖状アルカンである分枝鎖状アルカンの混合物を含む。
直鎖状アルカンは、5〜14個、あるいは6〜14個、あるいは6〜13個、あるいは6〜10個、あるいは7個の炭素原子を有する。直鎖状アルカンは、直鎖状アルカンの混合物であってよい。
一実施形態では、無極性溶媒は、無極性溶媒中の全ての炭化水素の重量を基準として、5%(w/w)未満、あるいは1%(w/w)未満、あるいは0.5%(w/w)未満、あるいは500ppm(重量基準)未満の芳香族炭化水素を含む。
無極性溶媒は、無極性溶媒の合計量を基準として0〜99.5%(w/w)、あるいは80〜99%(w/w)、あるいは90〜99%(w/w)、あるいは90〜98%(w/w)の直鎖状アルカン、あるいはn−ヘプタンを含む。
無極性溶媒は、無極性溶媒の合計量を基準として0.5〜100%(w/w)、あるいは1〜20%(w/w)、あるいは1〜10%(w/w)、あるいは1〜8%(w/w)、あるいは3〜8%(w/w)の分枝鎖状アルカンを更に含む。
一実施形態では、分枝鎖状アルカン及び直鎖状アルカンの沸点は50〜250℃、あるいは50〜220℃、あるいは60〜240℃、あるいは65〜230℃である。
無極性溶媒の密度は、25℃で1ミリリットルあたり1.0グラム(g/mL)未満、あるいは0.6〜0.9g/mL、あるいは0.65〜0.75g/mLである。
直鎖状アルカンの例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、及びn−ペンタデカンが挙げられるがこれらに限定されない。分枝鎖状アルカンの例としては、ISOPAR G FLUIDなどの商標名ISOPAR(登録商標)として市販されているものなどの、炭素原子を6〜16個、あるいは炭素原子を6〜13個、あるいは炭素原子を9〜13個有する分枝状アルカン、あるいはイソアルカン、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、無極性溶媒は、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキサン、cis−シクロオクテン、tert−ブチルメチルエーテル、及びジ−n−ブチルエーテルが挙げられるがこれらに限定されない追加成分を含有してもよい。
一実施形態では、無極性溶媒は、6〜13個の炭素原子を含み、沸点が65〜230℃であるアルカンの混合物(商標名ISOPAR(登録商標)G FLUIDで市販)、あるいはヘプタン、あるいは6〜13の炭素原子を含み、沸点が65〜230℃である直鎖状アルカン及び分枝鎖状アルカンの混合物(商標名ISOPAR(登録商標)G FLUIDで市販)である。
アクリロイルオキシシラン、ハロオルガノアルコキシシラン、及び無極性溶媒の混合物は、ハロオルガノアルコキシシランが未反応の出発材料、及び無極性溶媒、又はこれらの成分であり、アクリロイルオキシシランの生成プロセスに含められる、アクリロイルオキシシランの製造プロセスで製造することができる。この場合、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、アクリロイルオキシシランの生成反応の完了後、及び/又はそれ以降の濾過、洗浄、若しくは蒸留、又はこれらの組み合わせなどの精製工程後の粗反応生成物の混合物であってよい。あるいは、混合物は、アクリロイルオキシシランの生成反応後、但し何らかの精製工程の前若しくは後に、アクリロイルオキシシラン及びハロオルガノアルコキシシランに無極性溶媒を添加することにより調製してもよく、あるいは混合物は、アクリロイルオキシシラン及びハロオルガノアルコキシシランの混合物を蒸留、洗浄、及び/又は濾過などの初回の精製プロセスにかけた後にアクリロイルオキシシラン及びハロオルガノアルコキシシランの混合物に無極性溶媒を添加することにより調製してもよく、あるいは混合物は、アクリロイルオキシシラン及びハロオルガノアルコキシシランの混合物を溶媒などの不純物を蒸発させるような初期の精製プロセスにかけた後にアクリロイルオキシシラン及びハロオルガノアルコキシシランの混合物に無極性溶媒を添加することにより調製してもよい。アクリロイルオキシシランを調製するプロセス後に無極性溶媒が添加されるとき、プロセスに使用される溶媒は、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物の生成前に除去されてもされなくてもよい。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、混合物の重量を基準として0〜5%(w/w)、あるいは0〜1%(w/w)、あるいは0〜0.1%(w/w)、あるいは0.01〜5%(w/w)、あるいは0.01〜1%(w/w)、あるいは0.01〜0.1%(w/w)のハロオルガノアルコキシシランを含む。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、混合物の重量を基準として60〜100%(w/w)、あるいは85〜100%(w/w)、あるいは97〜100%(w/w)、あるいは60〜99.5%(w/w)、あるいは85〜99.5%(w/w)、あるいは97〜99.5%(w/w)のアクリロイルオキシシランを含む。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、混合物の重量を基準として0.05〜40%(w/w)、あるいは0.05〜30%(w/w)、あるいは0.05〜5%(w/w)、あるいは0.05〜0.5%(w/w)、あるいは1〜8%(w/w)の無極性溶媒を含む。
一実施形態では、アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、最大で20%(w/w)、あるいは最大で10%(w/w)、あるいは最大で5%、あるいは最大で0.5、あるいは0.01〜0.5の、低沸点材料、例えば、メタノール、エタノール、又はプロパノールなど、あるいは高沸点材料、例えば、アクリロイルオキシシランの二量体又はその他のオリゴマーなどを含んでもよい。
プロセスは、混合物のある成分を他の成分から蒸発及び分離する装置で実施される。当業者であれば、適切な装置を選択することができ、かつかかる装置の使用方法を理解可能である。例えば、プロセスは、蒸留装置、短経路蒸留ユニット、ワイプト・フィルム・エバポレータ(wiped film evaporator)(WFE)/薄膜式エバポレータ(TFE)、又はフォーリング・フィルム・エバポレータ(FFE)で実施され得る。これらの種類の装置は当業界で周知のものである。これらのエバポレータは、同じ種類のエバポレータ又は異なる種類のエバポレータと併せて連続して使用してもよい。例えば、フォーリング・フィルム・エバポレータは、WFEと連続して使用され得る。
本明細書で使用するとき、短経路蒸留ユニットは、内蔵コンデンサと加熱表面上に材料の薄膜を形成するワイパーブレードとを採用した熱的分離法を用いる装置を指す。WFE/TFEは、短経路蒸留ユニットと類似しているものの、内蔵コンデンサの採用は必須ではない。WFEも、表面積を最大化し、熱接触時間を最低限に抑えるべく薄膜を形成するためのローターブレードを使用するが、多くのWFEは外部コンデンサを利用する。フォーリング・フィルム・エバポレータは、典型的には、薄膜及び加熱表面も含み、加熱表面は垂直シリンダであるもののその形状は異なっていてもよく、但し、フォーリング・フィルム・エバポレータは、フィルムの形成にブレード又はワイパーを使用しない。典型的には真空装置も蒸発装置に組み込まれる。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物は、混合物に熱を適用することによる温度条件にかけられる。温度は、無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランの一部を混合物から蒸発させるための圧力条件下で十分なものであり、あるいは50〜230℃、あるいは90〜210℃、あるいは130〜190℃である。当業者であれば、上記の分離のために設計された装置において混合物を加熱する方法を理解しているであろう。熱は電気素子又は潜熱蒸気(potentially steam)又はその他の伝熱流体により提供され得る。
アクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物がかけられる圧力は、かかる温度条件下で混合物から無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランの一部を蒸発させるのに十分なものであり、あるいはかかる圧力は、0〜大気圧、あるいは0〜102kPa、あるいは0〜14kPa、あるいは0〜4kPa、あるいは>0〜102kPa、あるいは>0〜14kPa、あるいは>0〜4kPaである。大気圧未満の圧力を達成するためには、真空ポンプを使用することができる。当業者であれば、大気圧未満に圧力を低減する方法を理解しているであろう。圧力は絶対圧である。
蒸発時間は加熱、温度、及び圧力条件(より低い温度及び圧力の場合には、無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランを混合物から蒸発させるのにより多くの時間が必要とされる)、蒸発させる材料の量、並びにプロセスを実施するのに使用される装置によって異なる。蒸発時間は、無極性溶媒、ハロオルガノアルコキシシラン、又は無極性溶媒及びハロオルガノアルコキシシランを混合物から蒸発させるのに十分なものであり、あるいは時間は0.01秒〜15時間、あるいは5秒〜11時間、あるいは1分間〜6時間である。当業者であれば、蒸発の所要時間を決定する方法を理解しているであろう。
エバポレータ内でのアクリロイルオキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒との混合物の流量は、温度条件及び圧力条件、エバポレータの大きさ、同じ又は異なるエバポレータにおいて反復され得るプロセス数によって異なる。当業者であれば、副生成物の形成などといった条件変化に付随する負の特性を最低限に抑えつつ分離を最適化するようの流量、温度及び圧力を調整する方法を認識するであろう。例えば、流量を増加することで温度を上げることが可能な場合があり、圧力を低下又は真空度を高めることで温度を下げることが可能である。一実施形態では、流量は、1平方メートル毎に、1時間当たり10〜100キログラム(kg/hr・m)、あるいは30〜70kg/hr・m、あるいは50〜70kg/hr・mである。
精製プロセスは、同じ又は異なる温度条件及び圧力条件で反復してもよい。
本発明の精製プロセスは、バッチ式、半連続式、又は連続式のプロセスとすることができる。
アクリロイルオキシシランの精製混合物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として85〜100%(w/w)、あるいは85〜98%(w/w)、あるいは97〜100%(w/w)、あるいは97〜98%(w/w)、あるいは97〜99.5%のアクリロイルオキシシランを含む。
アクリロイルオキシシランを含む精製混合物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として0〜1%(w/w)、あるいは0〜0.1%(w/w)、あるいは0.01〜0.1%(w/w)のハロオルガノアルコキシシランを含む。
アクリロイルオキシシランを含む精製混合物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として5%(w/w)、あるいは最大で0.5%(w/w)、あるいは1〜0.5%(w/w)、あるいは0.01〜0.5%(w/w)の無極性溶媒を含む。
プロセスは、アクリロイルオキシシランを蒸発させるのに十分な温度条件及び圧力条件に精製混合物をかけること、蒸発したアクリロイルオキシシランを凝縮させること、並びに凝縮させたアクリロイルオキシシランを回収して最終的な精製アクリロイルオキシシラン生成物を生成すること、を更に含み得る。当業者であれば、アクリロイルオキシシランを蒸発させるのに必要とされる温度条件及び圧力条件を決定する方法を認識するであろう。一実施形態では、アクリロイルオキシシランを蒸発させる温度条件及び圧力条件は、アクリロイルオキシシランと、無極性溶媒と、ハロオルガノアルコキシシランとの混合物に関し上記の通りのものである。
アクリロイルオキシシランを蒸発させるのに使用される装置は、アクリロイルオキシシランと、無極性溶媒と、ハロオルガノアルコキシシランとの混合物を、無極性溶媒及び/又はハロオルガノアルコキシシランを蒸発させる条件にかけることに関し上記する通りのものである。
最終的な精製アクリロイルオキシシラン生成物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として85〜100%(w/w)、あるいは85〜98%(w/w)、あるいは97〜100%(w/w)、あるいは97〜98%(w/w)、あるいは97〜99.5%のアクリロイルオキシシランを含んでもよい。
最終的な精製アクリロイルオキシシラン生成物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として0〜1%(w/w)、あるいは0〜0.1%(w/w)、あるいは0.01〜0.1%(w/w)のハロオルガノアルコキシシランを含んでもよい。
最終的な精製アクリロイルオキシシラン生成物は、アクリロイルオキシシラン中の全材料の重量を基準として5%(w/w)、あるいは最大で0.5%(w/w)、あるいは1〜0.5%(w/w)、あるいは0.01〜0.5%(w/w)の無極性溶媒を含んでもよい。
本発明のプロセスは、精製アクリロイルオキシシランを製造する。本発明のアクリロイルオキシシランは、不飽和樹脂又はポリマーシステムのカップリング剤、有機/無機界面の接着促進剤、及び表面改質剤として使用され得る。
下記の実施例は、本発明の方法をよりよく説明するために示されるものであり、添付の「特許請求の範囲」内において示される発明を制限するものと考えられるべきではない。別途記載がない限り、実施例中に記載される全ての部及び比率(%)は重量に基づくものである。以下の表に、実施例で使用される略語を記載する。
アクリロイルオキシシランの調製
ジャケットを装備し、機械攪拌機、温度計、及びコンデンサを取り付けた5Lのバッフル反応器に980gのIsopar Gと、1000gのソルビン酸カリウムと、1320gのCPTMSとを入れた。安定剤PTZ(2.4g)と、BHT(2.3g)と、EDTA−Na(2.3g)と、TBAB(36.5g)とを順に加えた。反応器の内容物を10分間混合した後、表1に示す通り実施例のいくつかに水を加えた。表1に示す通りの様々な量でメタノールも加えた。これは、CPTMSを蒸留してメタノールを初期量から0.84%減少させることにより、あるいは追加のメタノールをCPTMSに加えることにより行った。表1に示す所望の全メタノール濃度を達成するため、望ましいメタノール濃度でCPTMSを反応器に加えた。反応器を設定温度まで加熱した後、反応が完了するまで、大気圧下で5〜10時間温度を一定に維持した。反応を完了するのに必要とされる時間は、メタノール濃度及び水濃度に加え、温度に依存して様々である。次に、加圧フィルタを使用して反応の内容物を濾過し、塩化カリウムを除去した。表1に示す通り、同じ手順、及び濾過装置などの機器を使用して、メタノール濃度、水濃度、及び反応温度の変動以外に、表1の全ての試行を行った。
一般精製手法
ガラス製の2番の短経路蒸留ユニットを使用した。短経路蒸留ユニットカラムの外側には金属製の加熱パネルを使用して、システムに熱を供給した。熱電対及び温度制御機を使用して、短経路蒸留ユニットの下半分のガラスと金属パネルとの界面の温度を制御した。真空ポンプ及び真空制御装置を使用して、システムにおける圧力を制御した。蠕動ポンプを使用して、30mL/分の速度で材料を短経路蒸留ユニットに供給した。冷却流を内蔵コンデンサに供給し、温度を0℃に維持した。ワイパーブレードはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とし、約1200RPMの速度に設定した。粗アクリロイルオキシシランを精製するため、システム内を2回〜4回通過させ、蒸留した。
精製する粗アクリロイルオキシシランは、アクリロイルオキシシランの調製について上記した一般手順を用い調製した。短経路蒸留ユニットを通過させる各段階の蒸留により、2つの画分、すなわち蒸留物及び残渣が得られる。残渣は、蒸発せずに短経路蒸留ユニットの壁をつたって落ち、底部に捕集される。蒸留物を蒸発させ、内蔵コンデンサで凝縮させて、別のフラスコに捕集した。内蔵コンデンサでは凝縮しなかったなんらかの蒸気の捕集にはドライアイスによるコールドトラップを使用した。Isopar G以外に存在している材料に対した重量%で、精製プロセス中にIsopar Gを添加した(すなわち、溶媒の全てはIsopar Gではなく、ハロオルガノアルコキシシラン、アクリロイルオキシシラン、及び任意のその他の材料が材料中に存在する)。表中の結果により、第1段階の蒸留により、出発物質の30%に該当する大部分の溶媒が除去されたことが示される。更なる溶媒留去により、残留している溶媒、CPTMS、及びその他の低沸点材料を除去した。精製した成果物を蒸発させ、高沸点の不純物から精製物を更に分離した後、かかる生成物を同一の装置内で凝縮させた。各段階の蒸留の完了後に、蒸留物及び残渣をGCにより分析した。各実験間で溶媒組成物、温度、圧力を変更したことを除き、各実験には同じ手法及び出発材料を使用した。結果及びパラメーターを以下の実施例に掲載する。
本例は、上記に概説したプロセスを用いアクリロイルオキシシランを精製するための単一の溶媒系の有効性を比較する。この実施例では、LBは、ほぼ100%(w/w)のIsopar G溶媒(上段のボックス列)又はヘプタン溶媒(下段のボックス列)のいずれかと、微量(最大0.5%(w/w))のメタノールとからなる。左端のボックスには、短経路蒸留ユニットを通す第1段階前の出発材料の組成を表す。2番目のボックスには、短経路蒸留ユニットを通した第1段階後の組成を表し、3番目のボックスには第2段階後の組成を表す。4番目及び最後のボックスには、短経路蒸留ユニットを通した第3段階後の蒸留物の組成を表す。掲載する条件は、短経路蒸留ユニットを通過させる各段階中の温度及び圧力を表す。掲載する収率は、各回のパスに固有のものである。第1及び第2のパスに関し、収率は、短経路蒸留ユニットに供給され残渣として残ったものの重量%である。第3のパスに関し、収率は、短経路蒸留ユニットに供給され、蒸留物として短経路蒸留ユニットから排出されたものの重量%である。
本例では、粗アクリロイルオキシシラン生成物の初回パス後に、アクリロイルオキシシランの精製のためにIsopar Gを添加することの有効性を、粗アクリロイルオキシシラン生成物の初回パス前に、Gを添加されていないヘプタン100%の溶媒システムにIsopar Gを添加することの有効性と比較する。ボックス群の最初の列には100%(w/w)ヘプタン溶媒(Isopar Gの添加なし)を示す。ボックス群の第2の列には、出発時の粗アクリロイルオキシシランを、上掲の条件にて短経路蒸留ユニットに通して初回の精製パスを行った後で、残渣に5%のIsopar Gを添加した場合の結果を示す。ボックス群の第3の列には、短経路蒸留ユニットを通過させるいずれかのパスの前に粗アクリロイルオキシシランに5%(w/w)のIsopar Gを添加した場合の結果を示す。アクリロイルオキシシランは、最終的に、残留する高沸点材料から蒸発しない。Isopar Gを添加する場合、示されるGC結果は、Isopar Gの添加前のものである。示される第1段階及び第2段階の収率は、各段階に固有のものであり、短経路蒸留ユニットに供給され、残渣として残ったものの重量%である。第2段階の収率は、第2段階後の残渣の全量を、第1段階前の、Isopar Gを含まない出発材料の量で除算したものである。
この例は、100%(w/w)ヘプタン溶媒システムによる精製を、粗アクリロイルオキシシランを精製する短経路蒸留ユニットにおける第1段階後にIsopar Gをヘプタン溶媒システムに添加した場合の精製を比較する。ボックス群の第1の列は、100%ヘプタンシステムの場合の結果を示す。ボックス群の第2の列には、粗アクリロイルオキシシランを短経路蒸留ユニットに通過させる第1段階後に、5%(w/w)のIsopar Gを添加した場合の結果を示す。Isopar Gを添加する場合、示されるGC結果は、Isopar Gの添加前のものである。示される第1段階及び第2段階の収率は、各段階に固有のものであり、短経路蒸留ユニットに供給され、残渣として残ったものの重量%である。第2段階の収率は、第2段階後の残渣の全量を、第1段階前の、Isopar Gを含まない出発材料の量で除算したものである。

Claims (11)

  1. アクリロイルオキシ基を有する不飽和オルガノアルコキシシランを精製するプロセスであって、アクリロイルオキシ基を有する不飽和オルガノアルコキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒と、を含む混合物を、前記混合物から前記無極性溶媒、前記ハロオルガノアルコキシシラン、又は前記無極性溶媒及び前記ハロオルガノアルコキシシランの一部を蒸発させるのに十分な温度及び圧力にかけて、前記不飽和オルガノアルコキシシランを含む精製混合物を生成することを含み、前記無極性溶媒は、前記無極性溶媒中の分枝鎖状アルカン及び直鎖状アルカンの重量を基準として、0.5〜15%(w/w)の炭素原子を5〜20個有する分枝鎖状アルカンと、85〜99.5%(w/w)の炭素原子を5〜14個有する直鎖状アルカンの混合物を含み、前記無極性溶媒は、前記無極性溶媒の重量を基準として5%(w/w)未満の芳香族化合物を含み、
    前記不飽和オルガノアルコキシシランが、式CR =CR COOR Si(OR 3−n (IV)を有し、前記ハロオルガノアルコキシシランが、、式XR Si(OR 3−n (II)を有する[式中、R はH、R COO a+ 、又はC −C ヒドロカルビルであり、R はC −C ヒドロカルビレンであり、各R は、独立してC −C 10 ヒドロカルビルであり、各R は、独立してR であり、各R は、独立してH、C −C ヒドロカルビル、又はCOOR Si(OR 3−n であり、R は、炭素原子を1〜6個有するヒドロカルビレンであり、nは1〜3の整数であり、M a+ は、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンであり、aはカチオン電荷であり、かつ1又は2の値を有し、Xは−F、−Cl、−Br、又は−Iである]、プロセス。
  2. 前記プロセスが、前記精製混合物を、アクリロイルオキシ基を有する不飽和オルガノアルコキシシランと、ハロオルガノアルコキシシランと、無極性溶媒と、を含む前記混合物として用い、1回以上反復される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記不飽和オルガノアルコキシシランを蒸発させるのに十分な温度及び圧力に前記精製混合物をかけること、前記蒸発した不飽和オルガノアルコキシシランを凝縮させること、並びに前記凝縮させた不飽和オルガノアルコキシシランを回収して最終的な精製したアクリロイルオキシ基を有する不飽和オルガノアルコキシシラン生成物を生成すること、を更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスが、薄膜式エバポレータ、ワイプト・フィルム・エバポレータ、フォーリング・フィルム・エバポレータ、短経路蒸留ユニット、又は一連の、薄膜式エバポレータ、ワイプト・フィルム・エバポレータ、フォーリング・フィルム・エバポレータ、短経路蒸留ユニットを用い実施される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記精製混合物が、前記薄膜式エバポレータ、ワイプト・フィルム・エバポレータ、フォーリング・フィルム・エバポレータ、又は短経路蒸留ユニットの排出口から、同じ又は異なる薄膜式エバポレータ、ワイプト・フィルム・エバポレータ、フォーリング・フィルム・エバポレータ、又は短経路蒸留ユニットの取込口に輸送されて、前記精製混合物の加熱が実施され、前記プロセスが反復される、請求項2に記載のプロセス。
  6. 前記混合物又は前記精製混合物が、前記薄膜式エバポレータ、前記ワイプト・フィルム・エバポレータ、前記フォーリング・フィルム・エバポレータ、前記短経路蒸留ユニットを10〜100kg/hr・mの流量で通過する、請求項4又は5に記載のプロセス。
  7. 前記温度が50℃〜230℃であり、前記圧力が0〜102kPaである、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記不飽和オルガノアルコキシシランが、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ソルビルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ソルビルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ソルビルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)フマラート、又はビス(γ−トリエトキシシリルプロピル)フマラートである、請求項に記載のプロセス。
  9. 前記不飽和オルガノアルコキシシランと、前記ハロオルガノアルコキシシランと、前記無極性溶媒と、を含む前記混合物が、i)前記不飽和オルガノアルコキシシランを形成する反応中に、5〜20個の炭素原子を有する分枝鎖状アルカンを組み合わせること、ii)前記不飽和オルガノアルコキシシランを生成する前記反応後に、5〜20個の炭素原子を有する分枝鎖状アルカンを、前記不飽和オルガノアルコキシシラン及び前記ハロオルガノアルコキシシランと組み合わせること、又はiii)前記不飽和オルガノアルコキシシランを生成する前記反応後、及び前記反応により形成された前記不飽和オルガノアルコキシシランを初回の精製プロセスにかけた後に、5〜20個の炭素原子を有する分枝鎖状アルカンを、前記不飽和オルガノアルコキシシラン及び前記ハロオルガノアルコキシシランと組み合わせること、により形成されることを含む、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記直鎖状アルカンがn−ヘプタンであり、無極性溶媒が、8〜14個の炭素原子を有する分枝鎖状アルカンの混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記温度及び圧力が、ある段階のプロセス反復と、他の段階とで異なる、請求項2又は3に記載のプロセス。
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