JP6694663B2 - 溶融Al系めっき鋼帯およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融Al系めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。詳しくは、スパングルサイズが微細であり表面肌の美麗な溶融Al系めっき鋼板およびその製造方法に関する。
溶融アルミニウム系めっき鋼板(溶融Al系めっき鋼板)は、鋼板のもつ耐食性および耐熱性を向上させるために、鋼板の表層にアルミニウムを主成分とするめっきを溶融めっき法によって施しためっき鋼板である。溶融Al系めっき鋼板は、自動車排ガス部材、燃焼機器部材など、耐熱用途を中心に広く使用されている。
ところで、溶融Al系めっき鋼板は、めっき層の表面に、アルミニウムの凝固組織であるデンドライト(樹枝状晶)に起因するスパングル模様が出現する。スパングル模様は、独特の幾何学模様または花柄模様であり、スパングル模様を形成する個々の領域(スパングル)は、上記デンドライトにてなっている。
スパングルは、めっき後にアルミニウムが凝固する過程で成長する。その成長は、先ずスパングル核が生成し、次にスパングル核から一次デンドライトアームが成長し、続いて一次デンドライトアームから二次デンドライトアームが発生して進行する。隣接するスパングル同士がぶつかることによりデンドライトアームの成長が止まるので、めっき層中のスパングル核が多いほどスパングルの個数が多くなり、1個あたりのスパングルサイズは微細なものとなる。
このスパングルの存在は、溶融Al系めっき鋼板の耐食性などの品質に何ら悪影響を及ぼすものではないが、市場では、スパングルサイズが微細でスパングル模様の目立たない表面肌を有する溶融Al系めっき鋼板が好まれている。
そこで、例えば、めっき層がアルミニウム−亜鉛合金である溶融アルミニウム−亜鉛めっき鋼板では、微細スパングルを形成させることを目的に、スパングル核として作用する物質を増加させるために、めっき浴中にTi、Zr、Nb、B、ホウ化アルミニウム(AlB、AlB12)等のホウ化物、炭化チタニウム(TiC)、ホウ化チタニウム(TiB)、またはチタニウムアルミナイド(TiAl)を添加する製造方法が提案されている。このような製造方法について、例えば特許文献1〜3に記載されている。
特開2004−115908号公報(2004年4月15日公開) 特開2006−22409号公報(2006年1月26日公開) 特許第3751879号公報(2005年12月16日発行) 特許第5591414号公報(2014年9月17日発行) 特許第6069558号公報(2017年2月1日発行)
しかしながら、上記の方法を溶融Al系めっき鋼板に適用した場合、以下のような問題がある。
すなわち、アルミニウム(比重:2.7)は比較的軽量な金属であるため、溶融アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴の比重は、アルミニウムと亜鉛(比重:7.1)とが混合した浴湯であるアルミニウム−亜鉛めっき浴よりも幾分か低い。そのため、Ti、Nb、炭化チタニウム(TiC)、ホウ化チタニウム(TiB)、およびチタニウムアルミナイド(TiAl)等の、溶融Al系めっき浴よりも比重が高い物質は、溶融Al系めっき浴の底部への沈降性が高く、溶融Al系めっき浴中に均一に分散させることが困難である。それゆえ、工業的な連続操業のように、溶融Al系めっき鋼板を連続的に製造する場合、溶融Al系めっき鋼板の表面に微細なスパングルを安定的に形成させることが困難であるという問題がある。
特許文献4には、めっき層のB含有量が0.002〜0.080質量%の溶融Al系めっき鋼板が示されている。しかし、この文献に開示された技術は、溶融Al系めっき鋼板のめっき層の表面にBが偏在することにより、めっき層と金型との摺動性を向上し、めっき層の耐カジリ性を改善するものである。特許文献4には溶融Al系めっき鋼板の表面に微細なスパングルを形成することについては何ら記載されておらず、スパングルの微細化に関して格別の効果は得られていない。
また、特許文献5には、めっき層中の平均B濃度および平均K濃度の両方を所定の範囲内に調整することにより、溶融Al系めっき鋼板の表面に微細なスパングルを形成する技術が記載されている。この技術によれば、溶融Al系めっき鋼板のめっき層にBおよびKのいずれかを単独添加する場合よりも、添加元素によるスパングルの微細化効果を高め得る。しかし、スパングルサイズをより一層微細化することには対応し難い。
本発明の一態様は、このような現状に鑑み、スパングルサイズが微細化された溶融Al系めっき鋼板を、従来とは異なる方法により製造する方法および、当該方法によって製造された溶融Al系めっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、溶融Al系めっき鋼板のスパングルサイズを微細化する方法について種々検討する中で、以下の知見を得て本発明を想到した。
すなわち、本発明者らは、溶融Al系めっき浴へのB等の添加元素の添加量、およびめっき設備における製造条件(パラメータ)等が同様であっても、めっきラインが異なると、製造後の溶融Al系めっき鋼板のスパングル密度が互いに異なる場合があることに着目した。つまり、溶融Al系めっき浴中へ添加した元素が、該めっき浴を用いて製造した溶融Al系めっき鋼板のめっき層に及ぼすスパングルサイズの微細化効果に差が生じる場合がある。
本発明者らは、この現象が生じる理由について検証した結果、以下の(i)および(ii)のことを見出した。(i)溶融Al系めっき浴中の不純物濃度がめっきライン毎に異なることにより、該めっき浴中に含まれるBの内、スパングルサイズの微細化に有効に働くBの量が変動している。(ii)溶融Al系めっき浴中の不純物濃度は、溶融Al系めっき浴の建浴に用いるAl地金の品位(純度)による影響が大きい。
本発明者らは、この知見に基づいて鋭意検討し、特に、溶融Al系めっき浴中のTi濃度およびV濃度が、スパングルサイズの微細化効果に影響を与えることを見出した。そして、B添加によるスパングルサイズの微細化効果がより一層大きく発現するために適切な溶融Al系めっき浴および溶融Al系めっき層の成分組成の範囲を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板は、基材鋼板の表面に、平均B濃度が0.005質量%以上、かつ平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%以下である組成の溶融Al系めっき層を有することを特徴としている。
また、本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板は、前記溶融Al系めっき層の表面に存在するスパングル結晶核が、該溶融Al系めっき層の表面積1cmあたり100個以上であることを特徴としている。
本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板は、基材鋼板の表面に溶融Al系めっき層を有し、前記溶融Al系めっき層の成分組成における平均B濃度(質量%)を[B]、平均Ti濃度(質量%)を[Ti]、平均V濃度(質量%)を[V]と表したとき、
[B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]
の関係を満足し、前記溶融Al系めっき層の表面に存在するスパングル結晶核が、該溶融Al系めっき層の表面積1cmあたり500個以上であることを特徴としている。
本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板の製造方法は、アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、B濃度が0.005質量%以上、かつTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下となるように調製するめっき浴調製工程と、前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼板を浸漬および通過させるめっき工程とを含み、前記めっき浴調製工程では、TiおよびVの含有量が低減されたAl地金を少なくとも一部に用いることによりAl浴湯を製造するとともに、該Al浴湯にB供給源を添加して前記溶融Al系めっき浴を調製することを特徴としている。
本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板の製造方法は、アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、該溶融Al系めっき浴中のB濃度(質量%)を[B]、Ti濃度(質量%)を[Ti]、V濃度(質量%)を[V]と表したとき、
[B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]・・・(1)
の関係を満足するように調製するめっき浴調製工程と、前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼板を浸漬および通過させるめっき工程とを含み、前記めっき浴調製工程では、Al地金を用いて作製したAl浴湯に、該Al浴湯中のTi濃度およびV濃度に基づいて、少なくとも上記式(1)を満足するB濃度となるようにB供給源を添加することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、スパングルサイズが微細化された溶融Al系めっき鋼板を、従来とは異なる方法により製造する方法および、当該方法によって製造された溶融Al系めっき鋼板を提供することができる。
連続的に溶融Al系めっき鋼板を製造するめっき設備が備えるアルミポットの構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における溶融Al系めっき鋼板について、めっき層の極表面を研磨してデンドライト組織を観察可能とした後の光学顕微鏡写真を示す図である 本発明の実施の形態における溶融Al系めっき浴の調製方法の一例について説明するための概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載は発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」とは、A以上B以下であることを示している。
以下の説明においては、本発明の実施の形態における溶融Al系めっき鋼板、およびその製造方法の説明に先立って、本発明の知見の概略的な説明をする。
(発明の知見の概略的な説明)
前述したように、溶融Al系めっき層の表面には、通常、デンドライトに起因するスパングル模様が出現する。スパングルサイズが微細でスパングル模様の目立たない表面肌を呈する溶融Al系めっき鋼板を製造するため、これまで様々なアプローチが行われてきた。例えば、めっき処理後の溶融Al系めっき鋼板に多数パス回数のスキンパス圧延を行うといった、後処理としての表面加工を行う方法がある。しかし、そのような方法は大掛かりな装置または特別な工程を必要とし、製造コストを増大させる。
そのため、溶融Al系めっき層の表面に形成される個々のスパングルサイズを微細化することによって、上記スパングル模様を目立たなくする方法が考えられてきた。スパングルサイズを微細にするには、スパングルの成長初期に形成されるスパングル核の密度を高くすればよい。つまり、スパングル核を不均質核生成させることが考えられる。
例えば、基材鋼板をめっき浴に浸漬し通過させてめっき浴から引き上げた後、未凝固状態のめっき層表面に、微細なミストまたは金属酸化物粉末を噴霧する技術が知られている。しかし、これらの方法では、連続式溶融Alめっきラインにおいて、鋼板のバタつきによって安定して微細化ができなかったり、噴霧処理を行う装置および該処理を監視する装置が必要であったりする。
そのため、前述したように、めっき浴中にスパングル核として作用する物質を添加する技術が提案されてきた。これによれば、基材鋼板を、成分を調整しためっき浴に浸漬し通過させることにより微細なスパングルが得られるため、低コストであり利便性が高い。しかしながら、溶融アルミニウム−亜鉛めっき鋼板に適用されている技術を溶融Al系めっき鋼板の製造に適用した場合、前述したような問題(比重差によるめっき浴の底部への沈降)があった。
このような状況の中、本発明者らは、近年、めっき浴中に所定の範囲内の濃度のBとKとを共添加することにより、スパングルサイズが微細な溶融Al系めっき鋼板を製造する技術を得た(特許文献5参照)。そして、この技術を用いて工業的な生産を試みた結果、以下の現象が生じた。
すなわち、溶融Al系めっき鋼板の製造設備を備える複数の拠点にて製造した溶融Al系めっき鋼板を互いに比較したとき、以下のことがいえる。異なる拠点(めっきライン)で製造した溶融Al系めっき鋼板は、めっき浴への添加元素の濃度、および設備における製造条件等が同様であっても、スパングル密度が互いに異なる場合がある。そのため、所定の範囲内の濃度のBとKとを共添加しためっき浴を用いて溶融Al系めっき鋼板を製造するとき、該溶融Al系めっき鋼板は、スパングル密度が所望の値となり難い。また、溶融Al系めっき鋼板のスパングルサイズとしては、より一層微細化することが要望される。これらの点で、特許文献5に記載の技術には改良の余地がある。
本発明者らは、上記のようなスパングル密度が安定しない現象が生じる要因について種々検討した。
ここで、溶融Al系めっき鋼板を連続して製造する設備が備える、溶融Al系めっき浴が貯留されるめっき釜(アルミポット)について、図1を参照して説明する。図1は、連続的に溶融Al系めっき鋼板を製造するめっき設備が備えるアルミポット4の構成を概略的に示す断面図である。なお、上記めっき設備は、一般的な構成(公知の構成)であってよい。記載の簡略化のために、上記めっき設備に関する詳細な説明は省略する。
図1に示すように、基材鋼板1が、焼鈍設備(図示せず)から、筒状の設備であるスナウト2内を通って、外気から遮断されて溶融Al系めっき浴3中に浸漬される。この溶融Al系めっき浴3は、アルミポット4内に貯留されている。溶融Al系めっき浴3中には複数のシンクロール5が設けられており、該シンクロール5は、基材鋼板1が溶融Al系めっき浴3を通過するように、基材鋼板1の進行を導いている。
複数の上記めっき設備について、本発明者らは、溶融Al系めっき鋼板を製造した後に、溶融Al系めっき浴3中の元素濃度を測定した。具体的には、アルミポット4内の複数箇所について、および浴中の深さを変えて溶融Al系めっき浴3の一部を採取した。該採取した浴に含まれる元素濃度を、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)を用いて分析した。その結果、アルミポット4内の溶融Al系めっき浴3の各部でB濃度がばらついていたり、溶融Al系めっき浴3の底部のB濃度が比較的高くなっていたりする場合があることがわかった。また、複数のめっき設備について、溶融Al系めっき浴3の不純物濃度が互いに異なることがある。
さらに調査を行い、溶融Al系めっき浴3の成分組成(B濃度および不純物濃度)と、溶融Al系めっき鋼板のスパングル密度との関係について理解することを試みた。その結果、溶融Al系めっき浴3が含み得る各種の不純物の内、特にTiおよびVの濃度が、溶融Al系めっき鋼板のスパングル密度に大きく影響することを見出した。
溶融Al系めっき浴3の建浴には、アルミ地金(Al地金)が用いられる。このAl地金としては、例えば、ボーキサイトを原料として製錬して得られる一次製錬Al地金(以下、低級Al地金と称することがある)が用いられ得る。また、他のAl地金として、例えば、一次製錬のAl地金を更に精錬して得られる二次精錬Al地金(以下、高純度Al地金と称することがある)が用いられ得る。
低級Al地金には、各種の不純物が比較的高い濃度にて含まれる。この低級Al地金を用いて溶融Al系めっき浴3を建浴する場合、低級Al地金に由来してTiおよびVが溶融Al系めっき浴3中に混入し得る。本発明者らは、このようなAl地金中の不純物成分としてのTiおよびVに起因して問題が生じ得るという知見を得た。
上記の知見に基づいて検討した結果、B濃度が0.005質量%以上、かつTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下である溶融Al系めっき浴3を用いて溶融Al系めっき鋼板を製造すると、Kを添加の有無に関わらず、優れたスパングル微細化効果が発現することを見出した。この場合、高純度Al地金を用いて溶融Al系めっき浴3を建浴すればよい。
また、更なる検討の結果、詳しくは後述するように、低級Al地金を用いた場合であっても、溶融Al系めっき浴3中のTiおよびVの濃度に基づいて所定量以上のB濃度に調製した溶融Al系めっき浴3を用いることにより、溶融Al系めっき鋼板のスパングルサイズを高度に微細化することができることも見出した。
溶融Al系めっき浴3中のTiおよびVの濃度とB濃度との関係によって優れたスパングル微細化効果が発現する要因については明らかでは無い。また、この場合、BとKを共添加することを要しない。
溶融Al系めっき浴3中のTiおよびVは、該浴中のBと反応し、TiBおよびVB等の化合物を形成することが考えられる。この場合、TiBおよびVB等は溶融Al系めっき浴3の底部に沈降し、めっき層中に含まれるB濃度を低下させ得る。また、溶融Al系めっき浴3は、シンクロール5の回転および基材鋼板1の通板によって撹拌されるので、溶融Al系めっき層にはTiBおよびVB等が多少含まれ得る。
TiBおよびVBは、溶融Alが凝固する際にスパングル結晶核として働く効果が、B単独またはホウ化アルミと比較して劣ることが考えられる。
いずれにせよ、溶融Al系めっき浴3中のTiおよびVの濃度が高いほど、溶融Al系めっき浴3中のBによるスパングル微細化効果は低下する。このことは、スパングルの微細化に寄与する(スパングル結晶核として働く)B濃度が低下すると表現することができる。以下では、このようなB濃度のことを有効B濃度と称することがある。
〔実施形態1〕
本実施の形態では、高純度Al地金を使用して製造される本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板およびその製造方法について説明する。
(溶融Al系めっき鋼板)
本実施形態の溶融Al系めっき鋼板について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態における溶融Al系めっき鋼板について、めっき層の極表面を研磨してデンドライト組織を観察可能とした後の光学顕微鏡写真を示す図である。
溶融Al系めっき鋼板は、概略的には、アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴に基材鋼板を浸漬および通過させ、基材鋼板の表面に溶融Al系めっき層を形成させて製造される(前述の図1参照)。溶融Al系めっき層の表面には、図2に示すように、スパングル結晶核10から成長したデンドライトが存在する。溶融Al系めっき層の表面のスパングル結晶核の密度については後述する。
(基材鋼板)
基材鋼板は、従来から溶融Al系めっき鋼板のめっき原板として適用されている鋼種をはじめ、用途に応じて種々の鋼種の中から選択することができる。例えば、耐食性を重視する用途ではステンレス鋼板を適用すればよい。基材鋼板の板厚は、限定されないが、例えば0.4〜3.2mmとすることができる。また、本明細書において、基材鋼板(鋼板)との用語は、基材鋼帯(鋼帯)を含む意味で用いる。
(Al−Fe系合金層)
上記基材鋼板の鋼素地と溶融Al系めっき層との間(界面)には、AlとFeとの相互拡散によってAl−Fe系合金層も形成される。
Al−Fe系合金層は、Al−Fe系金属間化合物を主体とするものである。ここで、溶融Al系めっき浴にはSiが添加されていることが好ましく、Siを含有する溶融Al系めっき浴を通過させて形成されるAl−Fe系合金層中にはSiが多く含まれる。本明細書ではSiを含有しないAl−Fe系合金層と、Siを含有するいわゆるAl−Fe−Si系合金層とを一括してAl−Fe系合金層と呼んでいる。Al−Fe系合金層は脆い金属間化合物で構成されることから、その厚さが増大するとめっき層の密着性が低下し、プレス加工性を阻害する要因となる。プレス加工性の観点からはAl−Fe系合金層の厚さは薄いほど好ましいが、過剰に薄くすることは工程負荷を増大させ不経済となる。通常、Al−Fe系合金層の平均厚さは0.5μm以上の範囲とすればよい。
(溶融Al系めっき層の組成)
溶融Al系めっき層の化学組成は、めっき浴組成とほぼ同じになる。従って、溶融Al系めっき層の組成は、めっき浴組成を制御することによって調整することができる。
溶融Al系めっき層とは、基材鋼板の表面に形成されためっき層であって、Al−Fe系合金層を含んで意味する。溶融Al系めっき鋼板の最表面の酸化アルミニウム層については、非常に薄い層であるため特に問題とならないが、溶融Al系めっき層に含まれるものとする。なお、溶融Al系めっき鋼板の表面に、例えば、後処理として有機被膜等の被膜層がさらに形成されている場合には、該被膜層は、溶融Al系めっき層に当然含まれない。
それゆえ、本明細書において、溶融Al系めっき層の「平均濃度」とは、溶融Al系めっき鋼板において、基材鋼板の表面から溶融Al系めっき層の外表面までの深さ方向を平均した濃度を意味している。具体的には、後述するように、平均濃度は、溶融Al系めっき層を全て溶解した溶液を測定溶液として濃度分析することにより測定される。
溶融Al系めっき層に含まれるB、Ti、Vは、該めっき層中における偏在を平均化して濃度が求められる。また、それらの濃度は、どのような化合物等の態様にて存在するかに関わらず測定される。
本実施形態の溶融Al系めっき鋼板が有する溶融Al系めっき層は、Alを主成分として、少なくともBを含むが、それ以外の元素を含んでいてもよい。
ホウ化物を形成する元素は、有効B濃度を低減させ得る。そのため、スパングル微細化効果を低下させ得る。それゆえ、溶融Al系めっき層の成分比率は、質量%で、Ti:0〜0.02%、V:0〜0.02%、Cr:0〜0.2%、Mn:0〜0.01%、Zr:0〜0.001%の範囲内であることが望ましい。
特に、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板は、溶融Al系めっき浴の建浴に高純度Al地金を用いることにより、TiおよびVの合計濃度は0.03質量%以下となっている。これにより、有効B濃度を高めることができ、優れたスパングル微細化効果が発現する。
また、TiおよびVの合計濃度は、0.005質量%以下であることがより好ましい。この場合、Bによるスパングル微細化効果をより一層高めることができる。
Siは溶融Alが凝固する際のAl−Fe系合金層の成長を抑制するために有効な添加元素である。また、溶融Al系めっき浴にSiを添加すると、該めっき浴の融点が低下するので、めっき温度の低減に有効である。めっき浴中のSi含有量が1.0質量%未満の場合、溶融めっき時にAlとFeの相互拡散によりAl−Fe系合金層が厚く生成するため、プレス成形等の加工時にめっき剥離発生の原因となる。一方、12.0質量%を超えるSi含有量とした場合、めっき層が硬化し曲げ加工部のめっき割れを抑制できなくなり、曲げ加工部の耐食性が低下する。そのため、めっき浴中のSi含有量は、1.0〜12.0質量%であることが好ましい。特に、Si含有量を3.0質量%未満とすると、めっき層の凝固時に生成するSi相の量が減少するとともに、初晶Al相が軟質化し、曲げ加工性を重視する用途ではより効果的である。
また、Feは、基材鋼板、めっき釜の構成部材等から溶融Al系めっき浴に混入する。そのため、通常、溶融Al系めっき層のFe含有量は0.05質量%以上となる。Fe含有量は3.0質量%まで許容されるが、2.5質量%以下であることがより好ましい。
溶融Al系めっき鋼板は、Kを含んでいてもよい。めっき浴中のK含有量は、0.02質量%以下であることが好ましい。めっき層中のK含有量が0.02質量%を超えると、溶融Al系めっき鋼板の耐食性が低下し得る。
上記以外の元素として、溶融Al系めっき浴にはSr、Na、Ca、Sb、P、Mg、等の元素が必要に応じて意図的に添加されることがあり、また原料などから混入することもある。本実施形態の溶融Al系めっき鋼板においても、これら従来一般的に許容される元素を含有しても問題ない。具体的には、例えば、質量%でSr:0〜0.2%、Na:0〜0.1%、Ca:0〜0.1%、Sb:0〜0.6%、P:0〜0.2%、Mg:0〜5.0%の含有量範囲を例示することができる。
以上の元素以外の残部は、Alおよび不可避的不純物とすればよい。
(有利な点)
前述したように、本実施形態における溶融Al系めっき鋼板は、基材鋼板の表面に、平均B濃度が0.005質量%以上、かつ平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%以下である組成の溶融Al系めっき層を有することを特徴としている。
溶融Al系めっき層のB含有量並びにTiおよびV含有量が上記規定範囲内にあるとき、該めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核が100個以上とすることができる。これにより、めっき層の表面に微細なスパングルが十分に形成された表面外観の美麗な溶融Al系めっき鋼板とすることができる。
ここで、再び図2を参照して、スパングル結晶核の密度について説明する。図2に示すように、それぞれのスパングルのサイズは一定ではなく、不揃いなものとなっている。しかし、例えば光学顕微鏡で見た場合に、スパングル結晶核10を見分けることはできる。
そのため、ある視野面積に存在するスパングル結晶核10の個数を計測すれば、該視野面積あたりのスパングル結晶核10の個数がわかる。これに基づいて、溶融Al系めっき層の表面積1cmあたりのスパングル結晶核10の大まかな個数に換算することができる。ただし、この計測方法は一例であって、その他の方法によって計測することを除外するものではない。
また、上記溶融Al系めっき鋼板は、めっき層にBおよびKの共添加を必要とせず、従来とは異なる方法により得られる。そして、溶融Al系めっき浴のB濃度を調整することによって有効B濃度を調整することができる。そのため、該めっき浴を通板して得られる溶融Al系めっき鋼板のスパングル密度は、めっき浴中のB濃度に対応するように変化する傾向を示す。そのため、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板は、スパングル密度を制御し易い。
ここで、溶融Al系めっき層の平均B濃度が0.005質量%未満の場合には、十分なスパングル微細化効果を得ることができない。また、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板は、平均B濃度が0.005質量%以上であっても、平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%を超えると、十分なスパングル微細化効果を得ることができないことがある。
一方、溶融Al系めっき層の平均B濃度が0.50質量%を超えると、スパングル微細化効果が飽和するため、それ以上平均B濃度を増加させても優位性は認められない。また、溶融Al系めっき層の平均B濃度が3.0質量%を超えると耐食性が低下し得る。
そのため、溶融Al系めっき鋼板の耐食性の観点からすると、溶融Al系めっき鋼板は、溶融Al系めっき層の平均B濃度が0.005〜3.0質量%であり、平均K濃度が0.02質量%以下であり、かつ平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%以下であることが好ましい。これによれば、表面外観が美麗かつ耐食性に優れた溶融Al系めっき鋼板とすることができる。
なお、上述のように、溶融Al系めっき層の平均B濃度は、濃度がある程度増大するとスパングル微細化効果が飽和するため、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板においては必ずしも濃度の上限を設ける必要がない。
また、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板は、溶融Al系めっき層の平均B濃度は、0.03質量%以上であることが好ましい。この場合、溶融Al系めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核が500個以上とすることができる。その結果、表面外観のより一層美麗な溶融Al系めっき鋼板とすることができる。
なお、溶融Al系めっき鋼板の溶融Al系めっき層は、両面に設けられていることに限定されず、基材鋼板の少なくとも片面に設けられていればよい。
(溶融Al系めっき鋼板の製造方法)
本実施形態における溶融Al系めっき鋼板の製造方法について、図3に基づいて以下に説明する。図3は、本実施形態における溶融Al系めっき浴の調製方法の一例について説明するための概略図である。
本実施形態における溶融Al系めっき鋼板は、B、TiおよびVの濃度を調整しためっき浴を用いて、溶融めっき法により製造することができる。例えば、実験ラインで製造すること、および一般的な連続Alめっき製造工程(製造装置)にて製造することができる。他にも、当業者に知られている任意の溶融Al系めっき鋼板の製造方法に本発明を適用して、本発明の実施の形態における溶融Al系めっき鋼板を製造することができる。
本実施形態における溶融Al系めっき鋼板の製造方法は、アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、B濃度が0.005質量%以上、かつTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下となるように調製するめっき浴調製工程と、前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼板を浸漬および通過させるめっき工程とを含む。
溶融Al系めっき浴の組成が、上記めっき工程後の溶融Al系めっき層の各成分の平均濃度とほぼ同じになるため、この構成により、平均B濃度が0.005質量%以上、かつ平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%以下である組成の溶融Al系めっき層を有する溶融Al系めっき鋼板を製造することができる。
(めっき浴調製工程)
一般に、連続的に溶融Al系めっき鋼板を製造するめっき設備において、アルミポット4(図1参照)の付近にプリメルトポット6が設けられていることがある。プリメルトポット6内にて、アルミニウム鋳塊および添加物質を溶解することにより、アルミポット4に供給するための組成調整めっき浴3aが作製される。なお、以下に説明すること以外の、上記めっき設備の具体的な態様は特に限定されないため、図示および説明を省略する。
図3の左側に示すように、めっき浴調製工程では、先ず、高純度Al地金20をプリメルトポット6内で溶融させてアルミ浴湯(溶融Al)とする。この高純度Al地金20は、例えば、一次製錬された低級Al地金をさらに精製することにより製造された市販のAl地金である。高純度Al地金20は、低級Al地金よりもTiおよびVの含有量が低減されている。例えば、高純度Al地金20は、TiおよびVを合計した含有量が0.02質量%以下である。
次に、プリメルトポット6内の溶融Alに、B供給源30を添加する。このB供給源30は、例えば、Bを含むアルミニウム母合金(Al−B地金)であってよい。或いは、B供給源30は、B単独、またはAlB若しくはAlB12等のホウ化アルミニウムのようなホウ化物であってもよい。溶融Al中のB濃度を調節することができれば、B供給源30の具体的な物質および態様は特に限定されない。
また、プリメルトポット6内の溶融Alに、他の元素を適宜添加してよい。例えば、Siを含むアルミニウム母合金(Al−Si地金)を添加することにより、Si濃度を調整することができる。他の元素についても、その元素のアルミニウム母合金を添加する、または他の公知の方法を用いることにより、濃度を調節することができる。
以上のようにして、所望の組成の組成調整めっき浴3aを製造する。
次いで、図3の右側に示すように、組成調整めっき浴3aをアルミポット4内に投入して、B、Ti、およびV含有量が本発明の規定範囲内にある溶融Al系めっき浴3を建浴する。この溶融Al系めっき浴3としては、B、Ti、およびV以外の成分濃度は色々なバリエーションがあってよく、例えば、Al−9%Si浴、または純Al浴であってよい。
溶融Al系めっき浴3がAl−9%Si浴である場合、めっき浴調製工程では、高純度Al地金20としてAl−9%Si地金を用いることができる。
なお、プリメルトポット6を用いることなく、アルミポット4内にてめっき浴の組成を調整して、B、Ti、およびV含有量が本発明の規定範囲内にある溶融Al系めっき浴3を建浴してもよい。或いは、プリメルトポット6にて調製した組成調整めっき浴3aを一旦冷却した固体物(インゴット)を、アルミポット4内に投入してもよい。
また、高純度Al地金20を少なくとも一部に用いることによりAl浴湯を製造すればよく、高純度Al地金20の使用量は特に限定されない。溶融Al系めっき浴3の組成が、溶融Al系めっき浴3中のTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下となるように調整されていればよい。
溶融Al系めっき浴3の組成は、一例としては、以下のようにして調べる。所望の濃度となるように計算した量の各種の物質を添加した後の溶融Al系めっき浴3を、加熱保持した後に撹拌して一部採取して測定用試料とする。該測定用試料の成分を分析し、得られた結果を溶融Al系めっき浴3の組成として採用する。
(めっき工程)
めっき工程では、図3の右側に示すように、溶融Al系めっき浴3に、基材鋼板1を浸漬および通過させる。その後、図示を省略する一般的な後処理を行う。これにより、めっき層の表面に微細なスパングルが安定的に形成された溶融Al系めっき鋼板を連続的に製造することができる。
なお、めっき工程において、溶融Al系めっき浴3に基材鋼板1が連続して通板することにより、溶融Al系めっき浴3が撹拌される。そのため、溶融Al系めっき浴3中にて生成したTiBおよびVB等の化合物は、完全に溶融Al系めっき浴3の底部に沈降せず、溶融Al系めっき層中に一部取り込まれ得る。この場合、溶融Al系めっき層の組成としては、平均Ti濃度および平均V濃度が溶融Al系めっき浴3の組成よりも低くなることはあるが、高くなることはない。そのため、溶融Al系めっき浴3中のTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下とすることにより、溶融Al系めっき層における平均Ti濃度および平均V濃度はそれ以下とすることができる。
〔実施例1〕
本実施形態における実施例を以下に示す。
表1に示す化学組成を有する板厚0.8mmの冷延焼鈍鋼板を基材鋼板として、めっき実験設備を用いて、次に説明するように準備した溶融Al系めっき浴に基材鋼板を浸漬し、引き上げて、所定の冷却速度にてめっき層を凝固させることにより、実験ラインにて溶融Al系めっき鋼板(供試材)を作製した。また、溶融Al系めっき鋼板を作製した条件を表2に示す。
Figure 0006694663
Figure 0006694663
めっき浴成分の調整は、表3に示すアルミ地金A〜Fを用いて以下のように行った。アルミ地金A(高純度Al地金)およびアルミ地金B(Al−9%Si地金)を主として溶融Alを作製した。アルミ地金C(Al−20%Si地金)を用いてSi濃度を、アルミ地金D(Al−4%B(ボロン)地金)を用いてB(ボロン)濃度を調整した。アルミ地金E(Al−5%Ti地金)を用いてTi濃度を、アルミ地金F(Al−5%V地金)を用いてV濃度を調整した。基材鋼板と同じ冷延鋼板を用いてFe濃度を調整した。
Figure 0006694663
アルミ地金A〜Fの配合割合を変えることにより、めっき浴の組成としては、Si濃度を0〜15質量%、Fe濃度を2.0質量%、Bを0〜0.5質量%、Tiを0.0001〜0.1質量%、Vを0.0002〜0.1質量%の範囲内で調整した。また、Kは、アルミ地金D〜Fに由来して混入する。
得られた溶融Al系めっき鋼板について、以下の調査を行った。
(めっき層中成分のICPによる分析)
めっき層の成分を定量することにより、めっき浴中の成分を定量することができる。まず、次の手順によりめっき層を溶解させた。
上記種々の組成の溶融Al系めっき浴を用いて作製した各供試材を所定の大きさに切り出して、各供試材の切り出し片を作製した。この各供試材の切り出し片をそれぞれ、濃度25%のNaOH溶液(10ml)に投入して静置し、加温してめっき層を溶液に完全に溶解させた。めっき層が全て溶解したことを確認した後、めっき層が溶解除去された切り出し片を溶液から取り出した。次に、この溶液をさらに加温し、液体を蒸発乾固させ、蒸発乾固物を得た。この蒸発乾固物を、混酸(硝酸40mlと塩酸10mlの混合溶液)を用いて加温しながら溶解させ、超純水を加えて250mlに定容した。このようにして、各供試材の切り出し片から得た定容後の溶液を、それぞれ各供試材の組成測定溶液とした。
その後、この各供試材の組成測定溶液について、それぞれ次の2通りの定量分析を行ってめっき層の組成を求めた。
誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES法)により、Si、B、Ti、Vの定量分析を行った。また、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により、Kの定量分析を行った。
(めっき層表面のスパングル結晶核の個数)
各供試材の表面をバフ研磨して、めっき層の表面から深さ5μmまでの極表層を平滑化することにより、デンドライト組織を観察可能にした。そして、光学顕微鏡により、めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核の個数を算出した。以下の基準で表面外観を評価し、◎評価および○評価を合格とした。
◎:めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核が500個以上
○:同100個以上500個未満
×:同50個以上100個未満
××:同50個未満。
(めっき層の耐食性)
各供試材の未処理の溶融Al系めっき層について、JIS Z2371:2000に規定される、中性塩水噴霧試験(NSS試験)を行い、白錆発生面積率を測定した。以下の基準でめっき層の耐食性を評価し、○評価を合格と判定した。
○:白錆発生面積率0%以上5%未満
×:同5%以上。
以上の結果を表4に示す。
Figure 0006694663
表4のNo.1〜18に示すように、めっき層の組成が本発明の範囲内にある実施例では、めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核(スパングル密度)が100個以上となる。本実施例から、本発明によりめっき層の表面に微細なスパングルが安定的かつ十分に形成された表面外観が美麗な溶融Al系めっき鋼板が得られることがわかる。また、めっき層の平均Ti+V濃度が0.03質量%以下であれば、平均B濃度が多くなるほど、有効B濃度が増えることによりスパングル密度が増大する傾向がある。よって、めっき層中の平均B濃度を制御することにより、スパングル密度を調節することが容易であるとともに、スパングルサイズをより一層高度に微細化することができる。
No.11およびNo.16の実施例では、めっき層中のK濃度が高いことからSST試験の白さび発生面積が5%以上となったと推測される。
一方、比較例No.19とNo.21では、TiおよびV濃度の合計は0.03質量%以下であるものの、B濃度が0.005質量%よりも低いため、スパングル微細化効果を得られていない。
比較例No.20、No.22については、TiとV濃度の合計が0.03質量%以上であり、B濃度が0.005質量%より低いため、スパングル微細化効果を得られていない。比較例No.23〜No.30では、B濃度が0.005質量%以上であるものの、TiとV濃度の合計が0.03質量%以上であるため、スパングル微細化効果を得られていない。
なお、表4のNo.1〜30に示すように、めっき層中の平均Si濃度は、本発明の効果に格別影響を及ぼさない。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
前記実施形態1では、TiおよびVの含有量が低減されたAl地金を用いて、溶融Al系めっき浴3のB、TiおよびV濃度を所定の範囲内に調整していた。一般に、このようなAl地金は、製造コストが高くなるために、低級Al地金よりも高価である。本実施形態では、低級Al地金使用して製造される本発明の一態様における溶融Al系めっき鋼板およびその製造方法について説明する。
(溶融Al系めっき鋼板)
前述したような発明の知見に基づいて本発明者ら検討した結果、以下の条件を満たすことにより、スパングルサイズが高度に微細化(スパングル密度が500個/cm以上)された溶融Al系めっき鋼板を得ることができることを見出した。
具体的には、本実施形態の溶融Al系めっき鋼板は、溶融Al系めっき層の成分組成における平均B濃度(質量%)を[B]、平均Ti濃度(質量%)を[Ti]、平均V濃度(質量%)を[V]と表したとき、下記式(1)
[B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]・・・(1)
の関係を満足するようになっている。
めっき浴中のTiとVは、めっき浴中のBと反応し、その熱力学的安定性から、それぞれTiBおよびVBが形成される。該ホウ化物におけるBのTiまたはVに対する質量比(原子)は、TiBで0.45、VBで0.42となる。従って、Ti、Vにより消耗するB量としては、0.45×[Ti]+0.42×[V]となる。
(溶融Al系めっき鋼板の製造方法)
本実施形態における溶融Al系めっき鋼板の製造方法について、以下に説明する。
本実施形態の溶融Al系めっき鋼板の製造方法は、アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、該溶融Al系めっき浴中のB濃度(質量%)を[B]、Ti濃度(質量%)を[Ti]、V濃度(質量%)を[V]と表したとき、
[B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]・・・(1)
の関係を満足するように調製するめっき浴調製工程と、前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼板を浸漬および通過させるめっき工程とを含む。
(めっき浴調製工程)
前記実施形態1にて図3を用いて説明したことと同様に、プリメルトポット6内にてアルミニウム鋳塊および添加物質を溶解することにより、アルミポット4に供給するための組成調整めっき浴3aが作製される。
本実施形態では、低級Al地金をプリメルトポット6内で溶融させて溶融Alとする。この低級Al地金は、例えば、ボーキサイトを原料として、バイヤー法およびホール・エルー法を用いて一次製錬されたAl地金である。その他の方法で一次製錬されたAl地金であってもよい。
低級Al地金を用いて作製した溶融Al中のTiおよびVの濃度に基づいて、上記式(1)の関係を満たすように所定量以上のB供給源を添加することにより、アルミポット4に供給するための組成調整めっき浴3aを作製する。
次いで、組成調整めっき浴3aをアルミポット4内に投入して、B含有量が本発明の規定範囲内にある溶融Al系めっき浴3を建浴する。
なお、プリメルトポット6を用いることなく、アルミポット4内にてめっき浴の組成を調整して、B含有量が本発明の規定範囲内にある溶融Al系めっき浴3を建浴してもよい。或いは、プリメルトポット6にて調製した組成調整めっき浴3aを一旦冷却した固体物(インゴット)を、アルミポット4内に投入してもよい。
また、低級Al地金と高純度Al地金とを混合して用いて、溶融Al系めっき浴3を建浴してもよい。
(めっき工程)
めっき工程では、前記実施形態1にて図3を用いて説明したことと同様に、溶融Al系めっき浴3に、基材鋼板1を浸漬および通過させる。その後、図示を省略する一般的な後処理を行う。これにより、めっき層の表面に微細なスパングルが安定的に形成された溶融Al系めっき鋼板を連続的に製造することができる。
上記の方法によれば、高純度Al地金よりも安価な低級Al地金を用いて、スパングルサイズが高度に微細化された溶融Al系めっき鋼板を製造することができる。そのため、溶融Al系めっき鋼板の製造コストを低減することができる。
〔実施例2〕
本実施形態における実施例を以下に示す。
前記実施例1に記載の表1に示す化学組成を有する板厚0.8mmの冷延焼鈍鋼板を基材鋼板とし、前記実施例1に記載の表2の条件にて溶融Al系めっき鋼板(供試材)を作製した。
また、前記実施例1に記載の表3に示すアルミ地金A〜Fを用いてめっき浴成分の調整を行った。また、得られた溶融Al系めっき鋼板について、前記実施例1と同様に調査を行った。
その結果を表5に示す。
Figure 0006694663
表5のNo.31〜41に示すように、めっき層の組成が本発明の範囲内にある実施例では、めっき層の表面積1cmあたりに存在するスパングル結晶核(スパングル密度)が500個以上となる。本実施例から、本発明によりめっき層の表面に微細なスパングルが安定的かつ十分に形成された表面外観が美麗な溶融Al系めっき鋼板が得られることがわかる。また、前記実施例1と同様に、めっき層中の平均B濃度が多くなるほど、有効B濃度が増えることによりスパングル密度が増大する傾向がある。よって、めっき層中の平均B濃度を制御することにより、スパングル密度を調節することが容易であるとともに、スパングルサイズをより一層高度に微細化することができる。
一方、比較例No.42〜50は比較例であり、めっき層中のB濃度は、下記式を満たしていない。
[B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]
そのため、スパングル密度は500個/cm未満となる。なお、前記実施例1の表4に記載のNo.11〜12、No.14〜18も本実施例の範囲内である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 基材鋼板
3 溶融Al系めっき浴
10 スパングル結晶核
20 高純度Al地金
30 B供給源

Claims (4)

  1. めっき層の表面にアルミニウムの凝固組織であるデンドライトに起因するスパングル模様が出現している溶融Al系めっき鋼帯の製造方法であって、
    アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、B濃度が0.005質量%以上、かつTi濃度およびV濃度の合計が0.03質量%以下となるように調製するめっき浴調製工程と、
    前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼連続的に浸漬および通過させるめっき工程とを含み、
    前記めっき浴調製工程では、TiおよびVの含有量が低減されたAl地金を少なくとも一部に用いることによりAl浴湯を製造するとともに、該Al浴湯にB供給源を添加して前記溶融Al系めっき浴を調製し、
    前記溶融Al系めっき鋼帯を連続的に製造することを特徴とする溶融Al系めっき鋼の製造方法。
  2. めっき層の表面にアルミニウムの凝固組織であるデンドライトに起因するスパングル模様が出現している溶融Al系めっき鋼帯の製造方法であって、
    アルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき浴を、該溶融Al系めっき浴中のB濃度(質量%)を[B]、Ti濃度(質量%)を[Ti]、V濃度(質量%)を[V]と表したとき、
    [B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]・・・(1)
    の関係を満足するように調製するめっき浴調製工程と、
    前記調製された溶融Al系めっき浴に、基材鋼連続的に浸漬および通過させるめっき工程とを含み、
    前記めっき浴調製工程では、Al地金を用いて作製したAl浴湯に、該Al浴湯中のTi濃度およびV濃度に基づいて、少なくとも上記式(1)を満足するB濃度となるようにB供給源を添加して前記溶融Al系めっき浴を調製し、
    前記溶融Al系めっき鋼帯を連続的に製造することを特徴とする溶融Al系めっき鋼の製造方法。
  3. 請求項1に記載の溶融Al系めっき鋼帯の製造方法によって製造された溶融Al系めっき鋼帯であって、
    基材鋼帯の表面に、平均B濃度が0.005質量%以上、かつ平均Ti濃度および平均V濃度の合計が0.03質量%以下でありアルミニウムを主成分とする組成の溶融Al系めっき層を有し、
    前記溶融Al系めっき層の表面に存在するスパングル結晶核が、該溶融Al系めっき層の表面積1cm あたり100個以上であることを特徴とする溶融Al系めっき鋼帯。
  4. 請求項2に記載の溶融Al系めっき鋼帯の製造方法によって製造された溶融Al系めっき鋼帯であって、
    基材鋼帯の表面にアルミニウムを主成分とする溶融Al系めっき層を有し、
    前記溶融Al系めっき層の成分組成における平均B濃度(質量%)を[B]、平均Ti濃度(質量%)を[Ti]、平均V濃度(質量%)を[V]と表したとき、
    [B]≧0.017+0.45×[Ti]+0.42×[V]・・・(1)
    の関係を満足し、
    前記溶融Al系めっき層の表面に存在するスパングル結晶核が、該溶融Al系めっき層の表面積1cm あたり500個以上であることを特徴とする溶融Al系めっき鋼帯。
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