JP6694210B2 - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は半導体基板の製造方法に関する。
高品質の半導体発光・電子デバイス等の半導体装置を製造するという観点から、GaN基板に対するニーズが高まっている。
そのGaN基板の製造方法について、例えば、特許文献1には、Si基板上に第1のGaN層を形成し、エッチングでSi基板を除去した後、第1のGaN層の表面に複数の空隙を有するSiを含む薄膜を設け、それらの複数の空隙に露出した第1のGaN層から結晶成長した第2のGaN層を形成するGaN基板の製造方法が開示されている。
特許文献2には、サファイア基板上に第1のGaN層を形成し、その表面に周期的なストライプ状のシリコン窒化膜のマスクを設け、SiNx膜のマスクの間に露出した第1のGaN層から結晶成長した第2のGaN層を形成するGaN基板の製造方法が開示されている。
特許文献3には、サファイア基板上に単結晶の緩衝層を設け、その上にGaN層を形成するGaN基板の製造方法が開示されている。
特許文献4には、サファイア基板上に網目構造の金属膜を形成し、その金属膜の網目を通してGaN層を形成するGaN基板の製造方法が開示されている。
ところで、GaN基板に対するニーズが高まっているにも拘わらず、その市場規模が小さい理由として、GaN基板が高価であること及び結晶品質が十分でないことが挙げられる。GaN基板が高価であるのは、製造工程の煩雑さが原因であり、その煩雑さを省略しようとすると、GaN基板の結晶品質が著しく低下してしまうこととなる。例えば、通常、GaN基板の製造では、結晶成長速度の速いHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法が採用されるが、サファイア基板上にHVPE法で直接的に結晶成長させたGaNは、MOVPE(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法で製造したGaNの結晶品質に遠く及ばない。具体的には、非特許文献1に、GaNの結晶性の指標となるXRC−FWHM(X線ロッキングカーブ半値幅)について、MOVPE法で製造したGaNでは200arcsecであるのに対し、サファイア基板上にHVPE法で直接的に結晶成長させたGaNでは600arcseと、前者の3倍であり、前者と比べて後者の結晶品質が非常に低いことが開示されている。
特開2005−057064号公報 特開2006−237541号公報 特開2007−103955号公報 特開2005−119921号公報
Journal of Crystal Growth 290 (2006) 473-478
本発明の課題は、ベース基板上に結晶品質が良好な半導体層を得ることである。
本発明は、ベース基板の表面を、口径が1〜500nmである多数の開口が形成されたシリコン窒化膜の薄膜で被覆し、前記薄膜の多数の開口から露出した前記ベース基板の表面からHVPE法により400〜700℃でGaNの半導体を堆積させて前記薄膜上にLT-半導体層を形成した後、前記LT-半導体層からHVPE法により900〜1150℃でGaNの半導体を結晶成長させて前記LT-半導体層上にHT-半導体層を形成する半導体基板の製造方法である。
本発明によれば、ベース基板の表面を被覆する薄膜に形成された多数の開口から露出したベース基板の表面から相対的に低温で半導体を堆積させて薄膜上にLT-半導体層を形成した後、LT-半導体層から相対的に高温で半導体を結晶成長させてLT-半導体層上にHT-半導体層を形成することにより、ベース基板上に結晶品質が良好なHT-半導体層を得ることができる。
表面を薄膜で被覆したベース基板の断面図である。 表面を薄膜で被覆したベース基板の斜視図である。 LT-半導体層の形成を示す説明図である。 HVPE装置の構成を示す図である。 HT-半導体層の形成を示す説明図である。 半導体基板の分離を示す説明図である。 半導体発光素子の断面図である。 LT-GaN層及びHT-GaN層の形成のタイミングチャートである。 実施例のHT-GaN層の表面をデジタルカメラで撮影した写真である。 比較例のHT-GaN層の表面をデジタルカメラで撮影した写真である。 実施例のHT-GaN層の表面の顕微鏡観察写真のノマルスキー像である。 比較例のHT-GaN層の表面の顕微鏡観察写真のノマルスキー像である。 実施例のHT-GaN層の表面の走査型電子顕微鏡による観察写真である。 参考例のHT-GaN層の表面の走査型電子顕微鏡による観察写真である。 実施例のHT-GaN層の表面のCL像である。 参考例のHT-GaN層の表面のCL像である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(ベース基板準備)
実施形態に係る半導体基板の製造方法では、まず、図1A及びBに示すようなベース基板11を準備する。
ベース基板11としては、例えば、サファイア基板(Alのコランダム構造の単結晶の基板)、SiC基板、Si基板、GaAs基板等が挙げられる。これらのうちサファイア基板が好ましい。ベース基板11の厚さは例えば100μm〜1cmである。
ベース基板11の主面は、a面<{11−20}面>、c面<{0001}面>、m面<{1−100}面>、及びr面<{1−102}面>のいずれであってもよく、また、他の面方位の結晶面であってもよい。本願における「主面」とは、後述の半導体層の積層方向に対して垂直な面をいい、通常は表面における最も広い面である。
ベース基板11の表面は、主面のみで構成されていてもよく、また、凹部側面又は凸部側面を含んでいてもよい。これらの凹部側面或いは凸部側面は、a面<{11−20}面>、c面<{0001}面>、m面<{1−100}面>、及びr面<{1−102}面>のいずれであってもよく、他の面方位の結晶面であってもよい。
(薄膜被覆)
実施形態に係る半導体基板の製造方法では、図1A及びBに示すように、ベース基板11の表面を、多数の開口12aが形成された薄膜12で被覆する。
薄膜12の膜厚は、好ましくはモノレイヤー以上であり、具体的には、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは0.2nm以上であり、また、好ましくは100nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは4nm以下である。薄膜12に形成された開口12aの口径は、好ましくはナノサイズであり、具体的には、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。
薄膜12としては、例えば、シリコン窒化膜(Si)が挙げられる。口径がナノサイズの多数の開口12aが形成されたシリコン窒化膜の薄膜12は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法で堆積時間を例えば1〜10秒程度とすることにより容易に成膜することができる。なお、シリコン窒化膜は、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法で成膜することもできるが、膜厚が均一で品質の良好なシリコン窒化膜を得る観点からは、プラズマCVD法で成膜することが好ましい。
薄膜12は、SiO膜等の酸化膜で構成してもよく、成長炉を工夫すれば、これらはHVPE法で成膜することができる。薄膜12は、その他の誘電体膜で構成してもよく、また、Ti、Ni、Ta、Mo、Cr等の金属膜で構成してもよい。
薄膜12の成膜方法は、プラズマCVD法やHVPE法の他、蒸着法やスパッタリング法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法であってもよい。
(LT-半導体層形成)
実施形態に係る半導体基板の製造方法では、図2に示すように、薄膜12の多数の開口12aから露出したベース基板11の表面から相対的に低温で半導体を堆積させて薄膜12上にLT-半導体層13を形成する。
薄膜12上のLT-半導体層13の厚さは、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。
LT-半導体層13を形成する半導体は、配向性を有する結晶であることが好ましいが、アモルファスライクであってもよい。従って、LT-半導体層13を形成する半導体は、アモルファスライクであってもよいので、有効な形成条件の範囲を非常に広くとることができる。
LT-半導体層13を形成する半導体としては、例えば、GaN、InN、AlN等が挙げられるが、これらのうちGaNが好ましい。
LT-半導体層13の形成方法としては、例えば、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法、MOVPE(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等が挙げられるが、これらのうち堆積速度が速いという観点ではHVPE法が好ましい。
図3はHVPE装置20の一例を示す。
HVPE装置20は、外周にヒータ21aが設けられた反応室21を備えている。
反応室21にはガス供給系22が設けられている。ガス供給系22は、GaClガス供給部23、窒素源ガス供給部24、及びキャリアガス供給部25を有する。GaClガス供給部23は、反応室21内に設けられた金属Gaの融液を貯留するためのリザーバ23a、反応室21内に外部から導入されてリザーバ23aに接続されたHClガス供給管23b、及びリザーバ23aから延びて反応室21内で開口したGaClガス供給管23cで構成されている。窒素源ガス供給部24及びキャリアガス供給部25は、それぞれガス供給管で構成されている。なお、GaClガス供給部23のHClガス供給管23b、窒素源ガス供給部24、及びキャリアガス供給部25は、それぞれのガス供給源から延びている。
GaClガス供給部23では、HClガス供給管23bからリザーバ23aにHClガスが供給され、そのHClガスがリザーバ23a内の融解したGaと接触して反応することによりGaClガスを生成し、そのGaClガスを、GaClガス供給管23cを介して反応室21内に供給するように構成されている。窒素源ガス供給部24及びキャリアガス供給部25は、それぞれ窒素源ガス及びキャリアガスを反応室21内に供給するように構成されている。なお、GaClガス供給部23、窒素源ガス供給部24、及びキャリアガス供給部25のそれぞれのガス流量はマスフローコントローラにより制御されている。
反応室21には、ベース基板11を支持する基板支持部26が設けられている。また、反応室21からは外部に管状のガス排出部27が延びている。
以上の構成のHVPE装置20を用いてGaNのLT-半導体層13を形成する場合、薄膜12で表面を被覆したベース基板11を基板支持部26にセットした後、まず、キャリアガス供給部25からキャリアガスを供給しながらサーマルクリーニングを行うことが好ましい。キャリアガスとしては、例えば、Hガス、Nガス等が挙げられる。キャリアガスは、単一種だけを用いても、また、複数種を用いても、どちらでもよい。薄膜12を保護する観点からは、単一種のNガスを用いることが好ましい。同様の観点から、サーマルクリーニングの間、窒素源ガス供給部24からキャリアガスとして窒素源ガス(NHガス)も供給することが好ましい。クリーニング温度は例えば900〜1150℃であり、クリーニング時間は例えば1〜20分である。
その後、反応室21内に、キャリアガス供給部25からのキャリアガスの供給を継続しながら、GaClガス供給部23からGaClガス、及び窒素源ガス供給部24から窒素源ガスをそれぞれ供給し、GaClと窒素源とを反応させる。
窒素源ガスとしては、例えばNHガス等が挙げられる。窒素源ガスは、単一種だけを用いても、また、複数種を用いても、どちらでもよい。
LT-半導体層13を形成する成長条件として、反応室21内の温度、つまり、成長温度は、好ましくは400℃以上、より好ましくは500℃以上であり、また、好ましくは700℃以下、より好ましくは600℃以下である。反応室21内の圧力は、好ましくは1×10〜2×10Pa、より好ましくは5×10〜1.5×10Paである。V(窒素源ガス)/III(GaClガス)の流量比は、好ましくは1〜40、より好ましくは5〜20である。
(HT-半導体層形成)
実施形態に係る半導体基板の製造方法では、図4に示すように、LT-半導体層13を形成した後、LT-半導体層13から相対的に高温で半導体を結晶成長させてLT-半導体層13上にHT-半導体層14を形成する。
HT-半導体層14を形成する半導体は、配向性を有する結晶であり、その主面は、a面<{11−20}面>、c面<{0001}面>、m面<{1−100}面>、及びr面<{1−102}面>のいずれであってもよく、また、他の面方位の結晶面であってもよく、更に、極性面であっても、非極性面であっても、半極性面であっても、いずれでもよい。
HT-半導体層14を形成する半導体としては、例えば、GaN、InN、AlN等が挙げられるが、これらのうちGaNが好ましい。
HT-半導体層14の形成方法としては、例えば、HVPE法、MOVPE法、MBE法等が挙げられるが、これらのうち結晶成長速度が速いという観点からはHVPE法が好ましい。HT-半導体層14の形成方法は、LT-半導体層13の形成方法と同一であることが好ましい。
図3に示すHVPE装置20を用いてGaNのLT-半導体層13を形成した後、その上にGaNのHT-半導体層14を形成する場合、反応室21内を昇温し、反応室21内に、GaClガス供給部23からGaClガス、窒素源ガス供給部24から窒素源ガス、及びキャリアガス供給部25からキャリアガスをそれぞれ供給し、GaClと窒素源とを反応させる。
窒素源ガス及びキャリアガスとしては、LT-半導体層13の形成に用いたのと同一のものを用いることが好ましい。
HT-半導体層14を形成する結晶成長条件として、反応室21内の温度、つまり、結晶成長温度は、LT-半導体層13の形成時の結晶成長温度よりも高く、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上であり、また、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1150℃以下である。反応室21内の圧力は、好ましくは1×10〜2×10Pa、より好ましくは5×10〜1.5×10Paである。反応室21内の圧力は、LT-半導体層13の形成時の圧力条件と同一であることが好ましい。
なお、HT-半導体層14を形成させた後、その表面を平坦化させるために研磨を行ってもよい。
(半導体基板の分離)
実施形態に係る半導体基板の製造方法では、ベース基板11からLT-半導体層13及びHT-半導体層14、又は、HT-GaN層14を分離して、図5に示すように半導体基板10を作製する。半導体基板10の厚さは例えば200〜1000μmである。このベース基板11からの半導体基板10の分離は、それらの熱膨張係数の相違を利用することにより容易に行うことができる。
なお、ベース基板11上にLT-半導体層13及びHT-半導体層14が形成されたものをそのまま半導体基板とすることもできる。
半導体基板10は、例えば、発光ダイオードや半導体レーザなどの半導体発光素子、太陽電池、電子デバイス等の半導体装置の製造に用いられる。例えば、図6に示すような半導体発光素子Lを製造する場合、半導体基板10上に、MOVPE法等でn型半導体層15、多重量子井戸層16、及びp型半導体層17を順に形成した後、部分的に反応性イオンエッチング等でn型半導体層15を露出させ、スパッタリング法等でn型半導体層15上にn型電極18及びp型半導体層17上にp型電極19をそれぞれ形成すればよい。
以上に説明した実施形態に係る半導体基板の製造方法によれば、ベース基板11の表面を被覆する薄膜12に形成された多数の開口12aから露出したベース基板11の表面から相対的に低温で半導体を堆積させて薄膜12上にLT-半導体層13を形成した後、LT-半導体層13から相対的に高温で半導体を結晶成長させてLT-半導体層13上にHT-半導体層14を形成することにより、ベース基板11上に結晶品質が良好なHT-半導体層14を得ることができる。従って、これにより、結晶品質が良好で、大口径で、且つ低コストの半導体基板を製造することができる。
また、本来HVPE法は、厚膜を堆積させるのに長けた方法であり、薄膜の堆積には適しない。MOVPE法で低温においてGaNの薄膜を成膜する場合、その膜厚は30nmが最適といわれているが、HVPE法でその膜厚を制御することは難しく、更にその上に条件を合わせてHVPE法で高温において厚膜のGaN膜を最適化して成膜することには困難を伴う。しかしながら、実施形態に係る半導体基板の製造方法によれば、HVPE法で薄膜12上に形成されたLT-半導体層13は、三次元の核形成を促すこととなり、HVPE法でHT-半導体層14が好適に結晶成長するバッファ層として機能する。つまり、HVPE法で薄膜12上にLT-半導体層13を形成することにより、ベース基板上に直接的に半導体を結晶成長させる場合における堆積条件の最適化と同様の効果を得ることができる。従って、実施形態に係る半導体基板の製造方法は、HVPE法でのLT-半導体層13及びHT-半導体層14の形成に特に有効である。
(GaN基板の作製)
<実施例>
表面が主面のc面であるサファイア基板を準備した。
このサファイア基板をPECVD装置にセットし、プラズマCVD法で、その表面をシリコン窒化膜の薄膜で被覆した。シリコン窒化膜の成膜条件は、成膜時間を2秒、RF電力を100W、SiHガスを20%及びNガスを80%含有する混合ガスの流量を13sccm(SiHガスの流量2.6sccm)、Nガスの流量を890sccm、Hガスの流量を380sccm、アッパーヒーターの温度を150℃、及びダウンヒーターの温度を300℃とした。成膜されたシリコン窒化膜の薄膜は、厚さが0.1〜10nmであり、口径が概ね10〜100nmのナノサイズの多数の開口が形成されたものであった。
次に、このサファイア基板をHVPE装置に移し、HVPE法で、シリコン窒化膜の薄膜上にLT-GaN層及びHT-GaN層を形成した。具体的には、図7に示すタイミングに従って各処理を行った。
まず、サファイア基板をHVPE装置にセットした後、反応室内にキャリアガスとしてのNガスを20slm及びNHガスを8slmの流量でそれぞれ供給しながら70分間をかけて反応室内の温度を1000℃まで昇温し、その状態を5分間保持してシリコン窒化膜の薄膜で表面を被覆したサファイア基板のサーマルクリーニングを行った。
続いて、60分間をかけて反応室内の温度を600℃まで下げ、GaClガスの供給を開始し、その状態を10秒間保持してシリコン窒化膜の薄膜上にGaNを堆積させてLT-GaN層を形成した。このとき、NHガスの流量を8slm及びGaClガスの流量を0.8slmとした(V/III=10)。LT-GaN層の厚さは30nmであった。
次いで、反応室内へのGaClガスの供給を停止し、60分間をかけて反応室内の温度を1040℃まで昇温し、再び反応室内へのNHガス及びGaClガスの供給を開始し、その状態を15分間保持してLT-GaN層上にGaNを結晶成長させてHT-GaN層を形成した。このとき、反応室内にNHガスを8slmの流量で供給すると共に、GaClガスを0.8slmの流量で供給した(V/III=10)。HT-GaN層の厚さは30μmであった。
そして、反応室内へのGaClガスの供給を停止し、反応室内の温度を室温まで下げた後、反応室内へのアンモニア、キャリアガスの供給を停止し、LT-GaN層及びHT-GaN層が形成されたサファイア基板を取り出した。
<比較例>
表面が主面のc面であるサファイア基板を用い、その表面上にHVPE法でLT-GaN層及びHT-GaN層を形成した。
<参考例>
表面が主面のc面であるサファイア基板を用い、その表面上に良好な結晶品質を得ることができるMOVPE法でLT-GaN層及びHT-GaN層を形成した。
(評価方法及びその結果)
<表面観察>
図8A及びBは、実施例及び比較例のHT-GaN層の表面をデジタルカメラで撮影した写真を示す。図9A及びBは、実施例及び比較例のHT-GaN層の表面の顕微鏡観察写真のノマルスキー像を示す。
これらによれば、表面をシリコン窒化膜の薄膜で被覆したサファイア基板を用いてHVPE法でLT-GaN層及びHT-GaN層を形成した実施例では、GaNが平坦に結晶成長し、表面が鏡面であるのに対し、サファイア基板の表面に直接的にHVPE法でLT-GaN層及びHT-GaN層を形成した比較例では、GaNが三次元的に結晶成長し、表面が劣悪な凹凸面であることが分かる。
図10A及びBは、実施例及び参考例のHT-GaN層の表面の走査型電子顕微鏡による観察写真を示す。図11A及びBは、実施例及び参考例のHT-GaN層の表面のCL像を示す。
これらによれば、実施例は参考例と同等レベルの良好な結晶品質のHT-GaN層を有することが分かる。なお、実施例の暗点密度は3.6×10cm−2であり、参考例の暗点密度は3.6×10cm−2であった。
<XRC−FWHM>
実施例、比較例、及び参考例のそれぞれについて、対称面(002)のXRC−FWHMを求めた。なお、実施例及び参考例のそれぞれについて、非対称面(102)のXRC−FWHMを求めた。表1はその結果を示す。
これによれば、実施例のHT-GaN層の結晶品質は、参考例よりも若干劣ってはいるものの、比較例よりも著しく優れることが分かる。
本発明は半導体基板の製造方法の技術分野について有用である。
L 半導体発光素子
10 半導体基板
11 ベース基板
12 薄膜
12a 開口
13 LT-半導体層
14 HT-半導体層
15 n型半導体層
16 多重量子井戸層
17 p型半導体層
18 n型電極
19 p型電極
20 HVPE装置
21 反応室
21a ヒータ
22 ガス供給系
23 GaClガス供給部
23a リザーバ
23b HClガス供給管
23c GaClガス供給管
24 窒素源ガス供給部
25 キャリアガス供給部
26 基板支持部
27 ガス排出部

Claims (4)

  1. ベース基板の表面を、口径が1〜500nmである多数の開口が形成されたシリコン窒化膜の薄膜で被覆し、前記薄膜の多数の開口から露出した前記ベース基板の表面からHVPE法により400〜700℃でGaNの半導体を堆積させて前記薄膜上にLT-半導体層を形成した後、前記LT-半導体層からHVPE法により900〜1150℃でGaNの半導体を結晶成長させて前記LT-半導体層上にHT-半導体層を形成する半導体基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載された半導体基板の製造方法において、
    前記薄膜が厚さ0.1〜100nmである半導体基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載された半導体基板の製造方法において、
    前記LT-半導体層を形成する前に、Nガス及びNHガスを供給しながら、前記薄膜で表面を被覆した前記ベース基板をサーマルクリーニングする半導体基板の製造方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載された半導体基板の製造方法において、
    前記ベース基板がサファイア基板である半導体基板の製造方法。
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