JP6693058B2 - 直下型バックライト及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、オンチップ方式においては、光源中に量子ドットを組み込むので、量子ドットが高温に晒されてしまい、量子ドットの変換効率が劣る。また、オンエッジ方式においては、量子ドットを収容した透明チューブを光源と導光板との間に配置するので、サイズが大きくなってしまう。特に、モバイル機器においては、小型化が要求されるので、オンエッジ方式では対応することが難しい。
一方、オンサーフェス方式においては、上記の問題がなく、また従来から用いられてきたバックライト装置を利用することも可能である。このようなことから、現在、オンサーフェス方式で量子ドットをバックライトに組み込むことが検討されているが、オンサーフェス方式においては、発光時に、バックライトの発光領域の周縁部において、光源から発せられた光の色味が発光領域の中央部よりも強く現れてしまうという問題がある。この現象は、量子ドットのようにサイズが小さい(nmサイズ)発光物質を用いた場合により顕著に表れる。例えば、光源として青色光を発する光源を用いた場合には、バックライトの発光領域の周縁部は発光領域の中央部よりも青味が強く現れてしまう(以下、「ブルーイング」と称す)。
具体的には、量子ドットから放出される二次光は360度に均等に拡散する。一方、青色の一次光は指向性を有し拡散方向が均一ではない。また、青色の一次光のうち、第1量子ドット及び第2量子ドットに吸収されずに透過するものも、指向性を有し拡散方向が均一ではない。
したがって、量子ドット含有層を単純に形成してなる量子ドットシートに青色の一次光を入射した場合、透過する光のうち、緑及び赤に相当する二次光は均等拡散である一方、青色の一次光は指向性を有することになる。そして、均等拡散である二次光は高角度まで多くの割合の光が拡散し、量子ドットシートのエッジ領域から光が漏れやすい一方で、一次光は高角度の拡散光の割合が少なく、エッジ領域から光が漏れにくい。このため、エッジ領域は一次光の割合が多くなり、一般に中央部よりも一次光の色味(青味)を帯びることになる。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]のバックライト及び液晶表示装置を提供する。
[1]一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートとを備えたバックライトにおいて、前記量子ドットシートが前記一次光を吸収して二次光を放出する量子ドットを含む量子ドット含有層を有し、前記量子ドットシートが、前記光学板の有効範囲の外周の少なくとも一部を越えて存在するように配置されたバックライト。
[2]前記光源が青に相当する波長の一次光を発し、前記量子ドットが、前記一次光を吸収して緑に相当する波長の二次光を放出する第1量子ドットと、前記一次光を吸収して赤に相当する波長の二次光を放出する第2量子ドットとを含む[1]に記載のバックライト。
[3]前記量子ドットシートが、前記光学板の有効範囲の全外周を越えて存在するように配置された[1]又は[2]に記載のバックライト。
[4]前記光学板の有効範囲の外周を越えて存在する前記量子ドットシートの領域が、前記光学板の有効範囲の端部から2mm以上である[1]〜[3]のいずれかに記載のバックライト。
[5]前記量子ドットシートにおいて、前記光学板の有効範囲の端部から1.0mm間隔の色度(y)の変化率が102.0%以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のバックライト。
[6]前記量子ドットシートの端部が、封止されている[1]〜[5]のいずれかに記載のバックライト。
[7]前記光源は、LED光源である[1]〜[6]のいずれかに記載のバックライト。
[8]バックライトと、液晶パネルとを備えた液晶表示装置において、前記バックライトが[1]〜[7]のいずれかに記載のバックライトである液晶表示装置。
[9]一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートと、液晶パネルとを備えた液晶表示装置において、前記量子ドットシートが前記一次光を吸収して二次光を放出する量子ドットを含む量子ドット含有層と、前記量子ドット含有層の一方の面上又は両面上に設けられた量子ドット用バリアフィルムとを備える量子ドットシートであり、前記量子ドットシートの面積が、前記液晶パネルの有効表示面積より大きい液晶表示装置。
[液晶表示装置]
本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置は、図1に示すように、バックライト10aと、液晶パネル20とを備える。バックライト10a及び液晶パネル20は、ホルダ30aに組み込まれて固定される。
本発明の第1の実施の形態に係るバックライト10aは、図2に示すように、光源1と、光源1に隣接して配置された光学板2と、光学板2の光出射側に配置された量子ドットシート3とを備える。
バックライト10aは、均一な拡散光とするために、拡散フィルム又は拡散層を備えることが好ましい。バックライト10aが拡散フィルムを有さない場合では、量子ドットシート3が拡散層を有することが好ましい。バックライト10aの量子ドットシート3が拡散層を有さない場合では、量子ドットシート3上に拡散フィルムを有することが好ましい。
なお、量子ドットシートの量子ドット含有層中に、第1量子ドット及び第2量子ドットの一方のみを含有する場合、青に相当する波長の一次光を放出する発光体からなる一次光源に加えて、補助光源を有することが好ましい。具体的には、量子ドット含有層中に第1量子ドットのみを含有する場合には、緑色に相当する波長の光を放出する発光体を補助光源として用いることが好ましい。また、量子ドット含有層中に第2量子ドットのみを含有する場合には、赤色に相当する波長の光を放出する発光体を補助光源として用いることが好ましい。
量子ドットシート3は、量子ドット及びバインダ樹脂を含む量子ドット層と、量子ドット層の入光面及び出光面に形成された一対のバリアフィルムとを備えている。
量子ドット含有層の厚さは、1〜150μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、1〜70μmであることがさらに好ましい。量子ドット層の膜厚がこの範囲であれば、液晶表示装置の軽量化および薄化に適しており、また、量子ドット層の厚みの振れ(製造公差)による色ムラを抑制できる。
量子ドットとしては、青に相当する波長の一次光を吸収して赤に相当する波長の二次光を放出する第1量子ドット、及び青に相当する波長の一次光を吸収して緑に相当する波長の二次光を放出する第2量子ドットの少なくとも一種を含むことが好ましく、第1量子ドット及び第2量子ドットの両方を含むことがより好ましい。
青に相当する波長の一次光は、ピーク波長が380〜480nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が450nmであることがより好ましい。また、緑に相当する波長の二次光は、ピーク波長が495〜570nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が528nmであることがより好ましい。赤に相当する波長の二次光は、ピーク波長が620〜750nmの範囲であることが好ましく、ピーク波長が637nmであることがより好ましい。
上記の中でも、機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。
光透過性基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
量子ドット(Quantum dot)は、半導体のナノメートルサイズの微粒子で、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、半導体ナノ粒子とか、半導体ナノ結晶とも呼ばれるものである。
量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。例えば、既に述べたような、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子と、ドーパントを有する半導体微粒子がある。本発明における量子ドットとしては、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子及びドーパントを有する半導体微粒子のいずれも用いることができ、共に優れた色純度を得ることができる。
なお、量子ドット含有層中に、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、及び緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドット以外の量子ドットを含有してもよい。
量子ドットの含有量は、量子ドット含有層の厚み、バックライトにおける光のリサイクル率、目的とする色味等に応じて適宜調整する。
さらに、ドーパントを有する半導体微粒子からなる量子ドットとしては、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag+、Cu+のような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることもできる。
量子ドットのコアとなる材料としては、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合にシェルを構成する半導体としては、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。
このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は0.5〜20nmの範囲であることが好ましく、特に1〜10nmの範囲であることが好ましい。なお、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
まず、2枚のバリアフィルムを用意し、バリアフィルムの片面(例えば、バリアフィルムが基材フィルムとバリア層から構成されている場合には、バリア層側の面とは反対側の面)に、光硬化性の光拡散層用組成物を塗布し、乾燥させて、光拡散層用組成物の塗膜を形成する。そして、この塗膜に、紫外線を照射して、塗膜を硬化させて、光拡散層を形成し、これにより、光拡散層付きバリアフィルムを形成する。次いで、一方の光拡散層付きバリアフィルムの光拡散層側の面とは反対側の面に、量子ドット、光重合化合物および溶剤等を含む量子ドット層用組成物を塗布し、乾燥させて、量子ドット層用組成物の塗膜を形成する。次いで、この塗膜に光拡散層付きバリアフィルムの光拡散層側の面とは反対側の面が接するように、この塗膜上に光拡層付きバリアフィルムを配置し、紫外線を照射して、塗膜を硬化させて、量子ドット層を形成して、これにより、量子ドットシートが得られる。
光学板2の有効範囲の外周の少なくとも一部を越えて存在するような量子ドットシート3の配置とは、量子ドットシート3側の垂直方向から観察した場合に、光学板2の有効範囲の外周の少なくとも一部が見えないように量子ドットシート3が配置されていることをいう。光学板2の有効範囲の全外周を越えて存在するような量子ドットシート3が配置とは、図3に示すように、量子ドットシート3側の垂直方向から観察した場合に、光学板2の有効範囲の全外周が見えないように量子ドットシート3が配置されていることをいう。
光学板2の有効範囲の外周のうち、光学板2の有効範囲の外周を越えて量子ドットシート3が存在する比率は、ブルーイングを解消するという観点から、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
量子ドットシート3を上述の配置とした場合は、光学板2とエッジを揃えて配置した場合及び光学板2がはみ出すように配置された場合において生じる、量子ドットシート3のエッジ領域の色味が青味を帯びてしまい白色にならないという問題(ブルーイング)を解消することができる。
光学板2の有効範囲の外周を越えて存在する量子ドットシート3の領域は、ブルーイングを解消するという観点から、光学板2の有効範囲の端部から2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。なお、光学板2の有効範囲の外周を越えて存在する量子ドットシート3の少なくとも一部は、光学板2のエッジで折り曲がっていても構わない。
量子ドットシート3の外周が四角形及び多角形等の直線によりなる場合の色度(y)の測定は、外周をなす辺の2等分長付近の位置であり、かつ、光学板2の観察面側の有効範囲の端部から、当該外周をなす辺と対向する辺の2等分長付近の位置に向かって、1.0mm間隔で色度を測定する。また、量子ドットシート3の外周が円系及び楕円形等の曲線によりなる場合の色度(y)の測定は、外周をなす辺の一部であり、かつ、光学板2の観察面側の有効範囲の端部から、当該外周をなす辺の一部と対向する位置に向かって、1.0mm間隔で色度を測定する。
色度(y)の変化率の測定方法は、まず、上述したように、光学板2の有効範囲の端部から1.0mm間隔で色度(y)を測定する。次いで、測定した色度(y)のうち、隣接する測定部の色度(y)を選択する。ここで、端部に近い側の測定部での色度(y)の値をy1とし、内部側での測定部での色度(y)の値をy2とする。そして、選択した色度(y)の値y1及びy2から、色度(y)の変化率としてのy1/y2を算出する。
色度(y)の変化率が上記規定値以下であることにより、急激な色味の変化がなく、人間の目では徐々に変化する色味を認識し難いので、量子ドットシート3のエッジ領域で生じる青味の認識を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態の変形例に係るバックライト10bとして、図4に示すような直下型のバックライトを採用することができる。
反射型偏光分離シート6としては、3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、反射型偏光分離シート6としては、「DBEF」以外にも、Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」及び日東電工社から入手可能な「APCF」付き偏光板、或いはワイヤーグリッド偏光子等を用いることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る液晶パネル20は、偏光板及びカラーフィルター等を備える。液晶パネル20は、特に限定されず、一般的に液晶表示装置の液晶パネルとして公知のものを用いることができる。例えば、液晶層の上下をガラス板で挟んだ一般的な構造を有する液晶パネル、具体的には、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものを用いることができる。
カラーフィルターの形成方法は、所定の色に着色したインキ組成物を調整して、着色パターン毎に印刷することによって形成する方法や、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成する方法が挙げられる。
液晶表示装置100の表示画像は、バックライト10aから照射された白色光がカラーフィルターを透過することでカラー表示される。液晶表示装置100は、量子ドットによるバックライトのスペクトルと適合するカラーフィルターを用いることで、明るさと効率に優れ、非常に鮮明な色を生成するディスプレイを実現することができる。
本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置100bは、図5に示すように、液晶パネル20の有効表示面積Aである場合に、図6に示すように、量子ドットシート3の面積が、液晶パネル20の有効表示面積Aより大きい点が、第1の実施の形態に係る液晶表示装置100aと異なる。ここで、液晶パネル20の有効表示面積Aとは、液晶パネル20における画像を表示できる領域をいう。
なお、第2の実施の形態に係る液晶表示装置100bは、上述の異なる点以外は、第1の実施の形態に係る液晶表示装置100aと実質的に同様であるので、同様である点については記載を省略する。
つまり、第2の実施の形態に係る液晶表示装置100bによれば、量子ドットシートのエッジ領域から放出する光を用いることがないので、量子ドットシート3の面積が光学板2の有効範囲の面積と略同一であっても構わない。
本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示装置100cは、図7に示すように、ホルダ30bが液晶パネル20の有効表示面積A以外を覆う張出し部31を有する点が異なる点が、第1又は第2の実施の形態に係る液晶表示装置100a、100bと異なる。張出し部31は、量子ドットシート3のエッジ領域から照射された液晶パネル20の該当箇所を覆うことで、量子ドットシート3のエッジ領域からの光の放出を遮り、液晶パネル20の有効表示面積Aに制限する。
なお、第3の実施の形態に係る液晶表示装置100cは、上述の異なる点以外は、第1又は第2の実施の形態に係る液晶表示装置100a、100bと実質的に同様であるので、同様である点については記載を省略する。
張出し部31は、量子ドットシート3のエッジから2mm以上張り出す形状であることが好ましく、5mm以上張り出す形状であることがより好ましい。張出し部31が上記距離以上張り出していることで、量子ドットシート3のブルーイングの生じるエッジ発光領域を覆うことができ、ブルーイングの生じるエッジ発光領域から放出する光を遮ることができる。
つまり、第3の実施の形態に係る液晶表示装置100cによれば、量子ドットシートのエッジ領域から放出する光を用いることがないので、量子ドットシート3の面積が光学板2の有効範囲の面積と略同一であっても構わない。
また、第3の実施の形態に係る液晶表示装置100cによれば、バックライト10cの面積が液晶パネル20の有効表示面積と略同一であっても構わない。
<バックライト>
1.量子ドットの作製
技術文献「Journal of American Chemical Society.2007,129,15432−15433」に記載されている方法を参照し、蛍光スペクトルのピーク波長が637nmのInP/ZnSコアシェル型量子ドット(第1量子ドット)、及び蛍光スペクトルのピーク波長が528nmのInP/ZnSコアシェル型量子ドット(第2量子ドット)を作製した。
厚み12μmの二軸延伸PETフィルム331aの一方の面上に、PVD法にて厚みSiOXを蒸着し、膜厚20nmの無機バリア層332aを形成し、バリアフィルム330aを得た。次いで、厚み50μmの二軸延伸PETフィルム341aの一方の面上に、下記処方の光拡散層塗布液a1を乾燥後の厚みが11μmとなるように塗布、乾燥した後、紫外線照射して光拡散層342aを形成し、光拡散フィルム340aを得た。次いで、厚み50μmの二軸延伸PETフィルム321aと、バリアフィルム330aと、光拡散フィルム340aとを、前記の順番で厚み3μmの接着剤層351a、352aを介して積層し、積層体361を得た(図8参照)。バリアフィルム330aと光拡散フィルム340aとは、両者の二軸延伸PETフィルム側の面が対向するようにして貼り合わせた。次いで、上記と同様の作業により積層体362を得た。
次いで、積層体361の二軸延伸PETフィルム側の面に、下記処方の量子ドット含有層塗布液b1を乾燥後の厚みが100μmとなるように塗布、乾燥し、電離放射線未照射の量子ドット含有層310を形成した。
次いで、電離放射線未照射の量子ドット含有層310と、積層体362の二軸延伸PETフィルム側の面とを対向させて貼り合わせ、積層体361の光拡散層側から紫外線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、実施例1,2及び比較例1,2の量子ドットシートを得た。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 30部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・ウレタンアクリレート 70部
(日本合成化学社製、UV1700B)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・アクリル樹脂系拡散粒子 100部
(平均粒子径3μm)
・希釈溶剤 500部
・イソノニルアクリレート 100部
(単官能モノマー、屈折率1.45)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・第1量子ドット 0.2部
・第2量子ドット 0.2部
・希釈溶剤 5部
光源に青色LEDを用いている市販の液晶表示装置(対角7インチ)を分解し、バックライトを取り出した。バックライトはエッジライト型であり、導光板の下方に反射板、導光板の上方に光拡散フィルム、プリズムシート2枚を有するものであった。なお、2枚のプリズムシートは、下側のものと上側のものとでストライプラインが直交するものであった。
上記バックライトから光拡散フィルムを取り除き、導光板とプリズムシートとの間に、実施例1,2及び比較例1,2の量子ドット含有シートを配置して、実施例1,2及び比較例1,2のバックライトを得た。
実施例1におけるバックライトは、図9に示すように、導光板の一側面が入光面となるように導光板を配置するとともに、導光板(光学板2)の出光面上に、量子ドットシート3、プリズムシート5a、プリズムシート5bをこの順で配置し、また導光板(光学板2)の背面に反射シート4を配置し、バックライト装置を得た。量子ドットシート3のサイズは、縦107mm、横159mmとし、量子ドットシート3は導光板(光学板2)の光源1側の有効範囲より5mm(t1)張出し、導光板(光学板2)の光源1逆側の有効範囲から2mm(t2)張出して配置して設置した。プリズムシート5a、プリズムシート5bのサイズは量子ドットシート3と同じとしたそれぞれのプリズムシート5a、5bのストライプライン方向は、直行する向きに配置した。プリズムシート5a、5bは量子ドットシート3と同様に張出して配置した。
実施例2は、実施例1における量子ドットシート3のサイズは、縦104mm、横159mmとし、t1を2mmにした以外は実施例1と同様とした。
参考例1は、実施例1における量子ドットシート3のサイズは、縦103mm、横159mmとし、t1を1mmにした以外は実施例1と同様とした。
比較例1は、図10に示すように、実施例1における量子ドットシート3のサイズは、縦102mm、横159mmとし、t1を0mmにした以外は実施例1と同様とした。
実施例1、2、参考例1及び比較例1に係るバックライト装置において、発光時の発光領域の周縁部(光学板2の光源1側の辺の2等分長付近の位置であり、かつ、光学板2の観察面側の端)を、バックライト装置の観察面側の法線方向から、色度を分光放射計(製品名「SR−UL2」、トプコン社製)を用いて測定した。また、バックライト装置の中央部の色度を測定した。評価結果を表1に示す。
暗室において、実施例1、2、参考例1及び比較例1に係るバックライト装置における発光時の発光領域の周縁部(端と端から5mm付近の位置との間の部分)および中央部を目視で観察し、周縁部の色味が中央部の色味に比べて際立っているか観察した。評価基準は以下の通りとした。評価結果を表1に示す。
○:周縁部の色味が中央部の色味と同等または若干異なっていたが実用上問題のないレベルであった。
△:周縁部の色味が中央部の色味と若干異なっていて実使用上の限界となるレベルであった。
×:周縁部の色味が中央部の色味に比べて際立っていた。
色度(y)の変化率は、株式会社トプコン製「分光測定装置SR−UL2」を用いて1.0mm間隔で色度(y)を測定し、それぞれの間隔での変化率を算出した。
実施例1における色度(y)の変化率は、図9に示す測定箇所Aから測定箇所Bへ向かって一定箇所について算出した。
比較例1における色度(y)の変化率は、図9に示す測定箇所A’から測定箇所B’へ向かって一定箇所について算出した。ここで測定箇所A、A’は、実施例1、比較例1におけるバックライト装置で、発光時の発光領域の周縁部(光学板2の光源1側の辺の2等分長付近の位置であり、かつ、光学板2の観察面側の端)である。測定箇所B、B’は測定箇所A、A’と対向する位置関係にある光学板2の観察面側の端である。
結果を表2に示す。
2…光学板
3…量子ドットシート
4…反射板
5…プリズムシート
6…反射型偏光分離シート
10a〜10c…バックライト
20…液晶パネル
30a、30b…ホルダ
31…張出し部
100a〜100c…液晶表示装置
D…光学板の有効範囲
A…液晶パネルの有効表示面積
Claims (9)
- 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、拡散のための光学板(ただし、導光板を除く)と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートとを備えた直下型バックライトにおいて、
前記光源は、前記光学板の光出射側の面と反対側の面側に配置され、
前記量子ドットシートが前記一次光を吸収して二次光を放出する量子ドットを含む量子ドット含有層を有し、
前記量子ドットシートが、前記光学板の有効範囲の外周の少なくとも一部を越えて存在するように配置された直下型バックライト。 - 前記光源が青に相当する波長の一次光を発し、
前記量子ドットが、前記一次光を吸収して緑に相当する波長の二次光を放出する第1量子ドットと、前記一次光を吸収して赤に相当する波長の二次光を放出する第2量子ドットとを含む請求項1に記載の直下型バックライト。 - 前記量子ドットシートが、前記光学板の有効範囲の全外周を越えて存在するように配置された請求項1又は2に記載の直下型バックライト。
- 前記光学板の有効範囲の外周を越えて存在する前記量子ドットシートの領域が、前記光学板の有効範囲の端部から2mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の直下型バックライト。
- 前記量子ドットシートにおいて、前記光学板の有効範囲の端部から1.0mm間隔の色度(y)の変化率が102.0%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の直下型バックライト。
- 前記量子ドットシートの端部が、封止されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の直下型バックライト。
- 前記光源は、LED光源である請求項1〜6のいずれか1項に記載の直下型バックライト。
- バックライトと、液晶パネルとを備えた液晶表示装置において、前記バックライトが請求項1〜7のいずれか1項に記載の直下型バックライトである液晶表示装置。
- 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、拡散のための光学板(ただし、導光板を除く)と、前記光学板の光出射側に配置された量子ドットシートとを含む直下型バックライトと、液晶パネルとを備えた液晶表示装置において、
前記光源は、前記光学板の光出射側の面と反対側の面側に配置され、
前記量子ドットシートが前記一次光を吸収して二次光を放出する量子ドットを含む量子ドット含有層と、前記量子ドット含有層の一方の面上又は両面上に設けられた量子ドット用バリアフィルムとを備える量子ドットシートであり、
前記量子ドットシートの面積が、前記液晶パネルの有効表示面積より大きい液晶表示装置。
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