JP6690343B2 - 測定装置、測定方法、及び測定プログラム - Google Patents
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Description
そこで、本発明の課題は、走行時においても離地に関するデータを精度良く測定することである。
生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定装置が提供される。
測定装置における測定方法であって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、を有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定方法が提供される。
測定装置における測定プログラムであって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、を有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出させるとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出させ、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出させ、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得させることを特徴とする測定プログラムが提供される。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示すように、測定装置1は、本体部2と、ベルト部3とを有しており、ベルト部3によって、ユーザの腰の位置で本体部2が固定されている。ここで、左右方向をX軸とし、前後方向をY軸とし、上下方向をZ軸とする。X軸においては左手方向を正、右手方向を負とする。Y軸においては進行方向逆向きを正とし、進行方向を負とする。Z軸においては上方向を正、下方向を負とする。
図2に示すように本体部2は、加速度センサ4、通信部5、表示部6、操作部7、及びこれらを制御する制御部8を備えて構成されている。
加速度センサ4は、互いに直交する3軸方向の加速度を測定し、測定した加速度に対応する3軸方向の加速度信号を制御部8に出力するようになっている。
通信部5は、取得したデータを制御部8による制御に基づいて外部の情報端末に出力するものであり、例えばUSB端子などの有線式の通信部や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格を採用した通信部である。
表示部6は、取得したデータを制御部8による制御に基づいて表示するものであり、例えば液晶パネルなどである。
操作部7は、電源のON/OFFを切り替える電源ボタン(図示省略)、データ取得の開始/停止を指示する開始/停止ボタン(図示省略)、表示内容を切り替える表示切替ボタン(図示省略)等を備えており、この操作部7からの指示に基づいて制御部8は各部を制御するようになっている。
具体的には、制御部8は、加速度センサ4から出力される3軸方向の加速度信号を所定のサンプリング周期(例えば、200Hz)でサンプリングして、RAM中に記憶し、サンプリングした加速度信号を周知の手法により前後方向、左右方向、上下方向それぞれの加速度信号に変換し、変換後の前後方向、左右方向、上下方向のそれぞれの時間軸に対する波形を作成する。そして制御部8は、前後方向、左右方向、上下方向それぞれの加速度信号の波形に基づいて、ランニング動作におけるサイクルの各局面のデータを算出する。
図3は、測定処理の流れを示すフローチャートである。
なお、この処理ではユーザが所定距離だけ走った分の前後方向、左右方向、上下方向それぞれの加速度信号が、処理の実行前に取得されている場合を例示して説明する。例えば、開始/停止ボタンが操作されることによってデータ取得が開始されてから、ユーザが所定距離だけ走り終わり、開始/停止ボタンが再度操作されデータ取得が停止されると、制御部8は上記測定処理に関するプログラムを読み出して実行する。
図5、及び図7〜11は、前後方向、左右方向、及び上下方向の加速度信号の波形の一部分を例示的に抜き出して示すグラフである。以下の説明では、上記測定処理に加速度信号の波形がどう用いられているかを、図5、及び図7〜11を参照して説明する。また、本実施形態では、図5、及び図7〜11に示す部分にのみ上記測定処理が施される場合を例示して説明するが、当該測定処理は、前後方向、左右方向、及び上下方向それぞれの加速度信号の波形の全体を対象として実行される。
これにより、ランニング動作におけるサイクルの各局面のデータ(着地タイミング、最下点タイミング、離地タイミング、最高点タイミング、及び接地時間)が算出されて、制御部8は測定処理を終了する。
図4は、着地タイミング設定処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、前後方向、左右方向、及び上下方向の加速度信号の波形の一部分を例示的に抜き出して示すグラフである。以下の説明では、着地タイミング設定処理に加速度信号の波形がどう用いられているかを、図5を参照して説明する。また、本実施形態では、図5に示す部分にのみ着地タイミング設定処理が施される場合を例示して説明するが、着地タイミング設定処理は、前後方向、左右方向、及び上下方向それぞれの加速度信号の波形の全体を対象として実行される。
次いで、制御部8は、平滑化後の上下方向の加速度信号AccZ2の波形の極大値Zmaxを求め、この極大値Zmaxを示すタイミングを基準タイミング(第四基準タイミング)として時間軸を分割する(ステップS12)。図5では、極大値Zmaxに基づいて線P1,P2,P3で時間軸を分割している。この線P1と,線P2の間の分割領域、線P2と線P3との間の分割領域を第一分割領域R1と称す。
次いで、制御部8は、各第一分割領域R1内にある高さ位置波形Tの極大値Tmaxを示すタイミングを基準タイミング(第一基準タイミング)として時間軸を分割する。図5では、極大値Tmaxに基づいて線P4,P5,P6で時間軸を分割している。この線P4,P5,P6を歩の切れ目(例えば奇数歩目と偶数歩目の境界)に設定する(ステップS14)。この線P4,P5,P6で分割された領域を第二分割領域と称す。なお、説明の便宜上、以下においては、連続する二つの第二分割領域のうち、先(時間的に前)の方を「先の第二分割領域R21」とし、後(時間的に後)の方を「後の第二分割領域R22」とする。
図5では、先の第二分割領域R21に正の極大値Ymaxが一つあり、後の第二分割領域R22に正の極大値Ymaxが二つある場合を例示している。
ここで、着地時においてはその着地動作による衝撃によって減速するために、前後方向の加速度信号AccYの波形には正の値にピーク(極大値)が生じることになる。この正の極大値Ymaxが、進行方向に対して減速を示す極値である。
しかし、走り方や速度によっては同様のピークが複数生じることもある。換言すると、着地時においては前後方向の加速度信号AccYの波形に少なくとも一つは正の極大値が生じることになる。このため、ステップS16では、正の極大値が一つであるか否かを判断している。なお、本実施形態では、前後方向の加速度信号AccYは、進行方向逆向きを正とし、進行方向を負としているため、前後方向の加速度信号AccYの波形における減速を示す極値が正の極大値Ymaxとなっているが、正負が逆の場合は減速を示す極値が負の極小値となる。
具体的には、制御部8は、後の第二分割領域R22の前半部分内において、所定間隔内に左右方向の加速度信号AccXの波形の極値Xm1,Xm2,Xm3が三つ存在し、なおかつ当該三つの極値Xm1,Xm2,Xm3のうち隣接する極値Xm1,Xm2,Xm3の差分が所定値以上であると、左右のブレを示す波形として認定する。そして、制御部8は三つの極値Xm1,Xm2,Xm3のうち最初に発生した極値Xm1に近い正の極大値Ymaxを特定する。
なお、「所定間隔」や、「所定値」については、実験やシミュレーションなどにより得られた値が用いられる。具体的には所定間隔としては40〜100msの範囲に収まる値が好ましく、70msがより好ましい。また、所定値としては5〜15m/s2の範囲に収まる値が好ましく、10m/s2がより好ましい。
図6は、離地タイミング設定処理の流れを示すフローチャートである。
図7、図9、図10は、前後方向、及び上下方向の加速度信号の波形の一部分を例示的に抜き出して示すグラフである。
図8は、図7に示すグラフのうち、28.9秒から29.1秒の間の一部分を拡大したグラフである。
以下の説明では、離地タイミング設定処理に加速度信号の波形がどう用いられているかを、図7〜図10を参照して説明する。また、本実施形態では、図7〜図10に示す部分にのみ離地タイミング設定処理が施される場合を例示して説明するが、離地タイミング設定処理は、前後方向、及び上下方向それぞれの加速度信号の波形の全体を対象として実行される。
具体的には、制御部8は、前後方向の加速度信号AccYに対して、タップ数が11〜15(ここで、タップ数はサンプリング周波数が200Hzであって、サンプリング周期が5msである場合のサンプル数であって、移動平均を算出する期間が対象とする信号の前後25〜35msの期間(第1期間)である場合に対応する)の三角移動平均(第一の移動平均)を算出し、当該三角移動平均による平滑化処理後の第1信号(以下、FAccY_2と称す)を求めるとともに、タップ数が3〜5(タップ数はサンプリング周波数が200Hzである場合のサンプル数であって、移動平均を算出する期間が対象とする信号の前後5〜10msの期間(第2期間)である場合に対応する)の三角移動平均(第二の移動平均)を算出し、当該三角移動平均による平滑化処理後の第2信号(以下、FAccY_1と称する)を求める。ここで、三角移動平均は対象とする信号のノイズを低減する効果を有するものであり、周知の手法である。この三角移動平均による平滑化処理においては、タップ数(サンプル数)を多くする程、信号が平滑化される効果が大きくなる。
ここで、プラスゼロクロスタイミング(ZC)を探索するに際して、図8の破線の丸で囲った領域に示すように、離地前にも、AccYの値がノイズや体の動き方によって負から正に急峻に変化するタイミングが発生してしまう場合がある。そして、タップ数が比較的小さいFAccY_1ではこの急峻な変化が残っていて、同様に負から正に急峻に変化する。これに対して、図8に示すように、タップ数が比較的大きいFAccY_2では、AccYやFAccY_1では負から正に急峻に変化する場合であっても、この急峻な変化が緩和されて、負から正に変化するタイミングは現れないようになる。そこで、本実施形態では、タップ数を比較的大きくしたFAccY_2を用いることによって、プラスゼロクロスタイミング(ZC)を適正に探索することができるようにしている。なお、上記のタップ数はサンプリング周波数が200Hzでサンプリング周期が5msの場合であり、タップ数は加速度信号のサンプリング周波数によって変化する。また、サンプリング数、サンプリング期間は上記の値に限定されるものではなく、上記の値の近傍であればよい。
ステップS27において、このときの変数nが示すサンプリングタイミングが第三基準タイミング(LMX)でないと判定された場合(ステップS27;NO)、ステップS25へ戻り、制御部8は、ステップS25以降の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS27において、このときの変数nが示すサンプリングタイミングが第三基準タイミング(LMX)であると判定された場合(ステップS27;YES)、すなわち、第二基準タイミング(ZC)と第三基準タイミング(LMX)との間において、上記差分が閾値TH未満であるという条件が満たされなかった場合、制御部8は、図9に示すように、当該第三基準タイミング(LMX)を離地タイミングとして設定し(ステップS28)、離地タイミング設定処理を終了する。
ステップS29の判定処理でAccZの値が所定値C1未満であるか否かを判定しているのは、足が地面に設置している間は、AccZの値が正側すなわち上向きになっており、AccZの値が所定値C1以上である場合(例えば、図9の破線の丸で囲った領域参照)は、足はまだ地面に接していると想定されるためである。ここで、所定値C1は、重力加速度9.80665m/s2よりも若干大きい値(例えば、12m/s2)とする。
また、ステップS29の判定処理でFAccY_1の値が特定値C2以上であるか否かを判定しているのは、FAccY_1の極大値に対して、FAccY_1の値が非常に小さい場合(図10の破線の丸で囲った領域参照)は、そのタイミングにおいてAccYの上昇率が0になっていたとしても、まだ足が地面から離れていないと想定されるためであり、離地タイミングでは、比較的大きな速度の変化(減少)が生じると想定されるためである。ここで、特定値C2は、第二基準タイミング(ZC)から第二分割領域の後端(例えば、図7の線L2参照)までの範囲におけるFAccY_1の値の最大値に所定の係数(例えば、40〜60%)を掛けた値とする。
一方、ステップS29において、上記判定条件を満たしていると判定された場合(ステップS29;YES)、制御部8は、このときの変数nが示すサンプリングタイミング(図8及び図10参照)を離地タイミングとして設定し(ステップS30)、離地タイミング設定処理を終了する。
図12に示すように、接地時間の相関係数[Cor]は0.896であり、本実施形態の測定装置1により算出された接地時間において高い相関が認められた。
また、フォースプレートにより測定された接地時間と、本実施形態の測定装置1とは離地タイミングの設定方法が異なる従来の測定装置により算出された接地時間と、の相関係数は0.856であり、本実施形態の測定装置1により算出された接地時間は、従来に比べて、より高い相関が得られて測定精度が向上しているといえる。
ここで、従来の測定装置は、着地タイミングの設定方法に関しては、本実施形態の測定装置1と同じ方法を採用している。一方、離地タイミングに関しては、第二分割領域(図7の線L1,L2で分割された領域)のうちの後半部分で、前後方向の加速度信号AccYの値が負から正、つまり加速から減速へと変化した後の前後方向の加速度信号AccYの波形における最初の正の極大値を探索し、当該最初の正の極大値が存在した場合には、その位置(時間)を離地タイミングとする一方、最初の正の極大値が存在しなかった場合には、第二分割領域の92〜97%の範囲に収まる所定地点を離地タイミングとしている。
つまり、本実施形態の測定装置1と従来の測定装置とでは、接地時間を算出する際、離地タイミングの値だけが異なっていることから、接地時間の相関が従来に比べて高い本実施形態の測定装置1では離地タイミングの検出の精度が向上しているといえる。
図13に示すように、接地時間の相関係数[Cor]は0.892であり、本実施形態の測定装置1により算出された接地時間において高い相関が認められた。
また、光学測定装置により算出された接地時間と、上述の従来の測定装置により算出された接地時間と、の相関係数は0.756であり、この場合においても、本実施形態の測定装置1により算出された接地時間は、従来に比べて、より高い相関が得られて測定精度が向上しているといえる。
つまり、図13の散布図から導出された相関係数と、上述の従来の測定装置における相関係数と、の関係からしても接地時間の相関が従来に比べて高い本実施形態の測定装置1では離地タイミングの検出の精度が向上しているといえる。
これにより、ランニング動作におけるサイクルの各局面に照らし、腰の回転量の変化を比較評価することができるようになる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定装置。
<請求項2>
前記第1期間は25〜35ms、前記第2期間は5〜10msに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
<請求項3>
前記制御部は、前記加速度信号をサンプリングタイミング毎に取り込み、
前記第1信号における前記移動平均は、前記第1期間における複数の前記サンプリングタイミングでの前記加速度信号の値による三角移動平均であり、
前記第2信号における前記移動平均は、前記第2期間における複数の前記サンプリングタイミングでの前記加速度信号の値による三角移動平均であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
<請求項4>
前記制御部は、
前記第3信号の時間軸に対する波形が極大値を示す複数の第一基準タイミングを抽出し、
隣接する2つの前記第一基準タイミング間の後半の期間内において、前記第1信号の値が前記進行方向の値から前記進行方向の逆方向の値となった第二基準タイミングと、前記第二基準タイミングより時間的に後で、前記第1信号の時間軸に対する波形が前記進行方向の逆方向で極大値を示す第三基準タイミングと、を抽出し、
前記第二基準タイミングと前記第三基準タイミングとの間を第1探索期間として、前記第2信号の値と、前記第2信号の値と前記第2加速度信号の値との相互関係と、に基づいて前記生体の足が離地したタイミングと推定される第1タイミングを前記第1探索期間において探索し、前記探索により前記第1タイミングが求められたとき、前記第1タイミングを前記離地タイミングとして取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の測定装置。
<請求項5>
前記制御部は、
前記第1探索期間に含まれる複数の前記サンプリングタイミングにおいて、第一条件、第二条件及び第三条件の全てを満たす特定のサンプリングタイミングを前記第1タイミングとして探索し、前記探索により求められた前記特定のサンプリングタイミングを前記離地タイミングとし、
前記第一条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値と、当該特定のサンプリングタイミングから1サンプリングタイミングだけ前のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値との差分が閾値より小さい値であることであり、前記第二条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2加速度信号の値が所定値より小さい値であることであり、前記第三条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値が、前記第1探索期間内での前記第2信号の値の最大値に所定の係数を掛けた特定値より大きい値であることであることを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
<請求項6>
前記閾値は、0.5〜1.0m/s2に設定され、前記所定値は、重力加速度より大きい値に設定され、前記所定の係数は、0.4〜0.6の値に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
<請求項7>
前記制御部は、前記第1探索期間における前記探索おいて、前記第1タイミングが求められなかったとき、前記第三基準タイミングを前記離地タイミングとして取得することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の測定装置。
<請求項8>
前記制御部は、
前記第2加速度信号に対し平滑化処理を行った第4信号を算出し、
前記第4信号の時間軸に対する波形が極大値を示す複数の第四基準タイミングを抽出し、
前記第一基準タイミングと、前記第一基準タイミングより時間的に後で、前記第一基準タイミングに最も近い前記第四タイミングとの間を第2探索期間とし、
前記第2探索期間において、前記第1加速度信号の時間軸に対する波形における前記進行方向に対する減速動作の極値のタイミングを探索し、前記探索により求められた前記極値のタイミングに基づく第2タイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足が着地したタイミングと推定される着地タイミングとして取得し、
前記第3信号の前記波形が極小値を示すタイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足の着地中に前記生体の腰が最も低い位置となった最下点タイミングとして取得し、
前記第一基準タイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足が地面から離れた後に前記腰が最も高い位置となった最高点タイミングとして取得することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の測定装置。
<請求項9>
測定装置における測定方法であって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサを有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定方法。
<請求項10>
測定装置における測定プログラムであって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応加速度信号を出力する加速度センサを有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出させるとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出させ、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出させ、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得させることを特徴とする測定プログラム。
2 本体部
3 ベルト部
4 加速度センサ
5 通信部
6 表示部
7 操作部
8 制御部
Claims (10)
- 生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、
前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定装置。 - 前記第1期間は25〜35ms、前記第2期間は5〜10msに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
- 前記制御部は、前記加速度信号をサンプリングタイミング毎に取り込み、
前記第1信号における前記移動平均は、前記第1期間における複数の前記サンプリングタイミングでの前記加速度信号の値による三角移動平均であり、
前記第2信号における前記移動平均は、前記第2期間における複数の前記サンプリングタイミングでの前記加速度信号の値による三角移動平均であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。 - 前記制御部は、
前記第3信号の時間軸に対する波形が極大値を示す複数の第一基準タイミングを抽出し、
隣接する2つの前記第一基準タイミング間の後半の期間内において、前記第1信号の値が前記進行方向の値から前記進行方向の逆方向の値となった第二基準タイミングと、前記第二基準タイミングより時間的に後で、前記第1信号の時間軸に対する波形が前記進行方向の逆方向で極大値を示す第三基準タイミングと、を抽出し、
前記第二基準タイミングと前記第三基準タイミングとの間を第1探索期間として、前記第2信号の値と、前記第2信号の値と前記第2加速度信号の値との相互関係と、に基づいて前記生体の足が離地したタイミングと推定される第1タイミングを前記第1探索期間において探索し、前記探索により前記第1タイミングが求められたとき、前記第1タイミングを前記離地タイミングとして取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の測定装置。 - 前記制御部は、
前記第3信号の時間軸に対する波形が極大値を示す複数の第一基準タイミングを抽出し、
隣接する2つの前記第一基準タイミング間の後半の期間内において、前記第1信号の値が前記進行方向の値から前記進行方向の逆方向の値となった第二基準タイミングと、前記第二基準タイミングより時間的に後で、前記第1信号の時間軸に対する波形が前記進行方向の逆方向で極大値を示す第三基準タイミングと、を抽出し、
前記第二基準タイミングと前記第三基準タイミングとの間を第1探索期間として、前記第2信号の値と、前記第2信号の値と前記第2加速度信号の値との相互関係と、に基づいて前記生体の足が離地したタイミングと推定される第1タイミングを前記第1探索期間において探索し、前記探索により前記第1タイミングが求められたとき、前記第1タイミングを前記離地タイミングとして取得し、
前記第1探索期間に含まれる複数の前記サンプリングタイミングにおいて、第一条件、第二条件及び第三条件の全てを満たす特定のサンプリングタイミングを前記第1タイミングとして探索し、前記探索により求められた前記特定のサンプリングタイミングを前記離地タイミングとし、
前記第一条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値と、当該特定のサンプリングタイミングから1サンプリングタイミングだけ前のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値との差分が閾値より小さい値であることであり、前記第二条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2加速度信号の値が所定値より小さい値であることであり、前記第三条件は、前記特定のサンプリングタイミングでの前記第2信号の値が、前記第1探索期間内での前記第2信号の値の最大値に所定の係数を掛けた特定値より大きい値であることであることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。 - 前記閾値は、0.5〜1.0m/s2に設定され、前記所定値は、重力加速度より大きい値に設定され、前記所定の係数は、0.4〜0.6の値に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
- 前記制御部は、前記第1探索期間における前記探索おいて、前記第1タイミングが求められなかったとき、前記第三基準タイミングを前記離地タイミングとして取得することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の測定装置。
- 前記制御部は、
前記第2加速度信号に対し平滑化処理を行った第4信号を算出し、
前記第4信号の時間軸に対する波形が極大値を示す複数の第四基準タイミングを抽出し、
前記第一基準タイミングと、前記第一基準タイミングより時間的に後で、前記第一基準タイミングに最も近い前記第四基準タイミングとの間を第2探索期間とし、
前記第2探索期間において、前記第1加速度信号の時間軸に対する波形における前記進行方向に対する減速動作の極値のタイミングを探索し、前記探索により求められた前記極値のタイミングに基づく第2タイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足が着地したタイミングと推定される着地タイミングとして取得し、
前記第3信号の前記波形が極小値を示すタイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足の着地中に前記生体の腰が最も低い位置となった最下点タイミングとして取得し、
前記第一基準タイミングを、前記動作タイミングにおける、前記足が地面から離れた後に前記腰が最も高い位置となった最高点タイミングとして取得することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の測定装置。 - 測定装置における測定方法であって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、を有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出するとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出し、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出し、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得することを特徴とする測定方法。 - 測定装置における測定プログラムであって、
前記測定装置は、生体に装着され、前記生体の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に対応する加速度信号を出力する加速度センサと、前記生体が進行方向に移動しているときに前記加速度信号に基づいて、前記生体の足の動きに関する少なくとも一つの動作タイミングを取得する制御部と、を有し、
前記加速度信号に基づいて、前記進行方向の加速度信号を第1加速度信号として算出させるとともに、上下方向の加速度信号を第2加速度信号として算出させ、
前記第1加速度信号の第1期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第1信号と、前記第1加速度信号の前記第1期間より短い第2期間の移動平均を用いて前記第1加速度信号を平滑化した第2信号と、前記第2加速度信号を二度積分した第3信号と、を算出させ、
前記第1信号、前記第2信号及び前記第3信号に基づいて、前記生体の足が離地したタイミングと推定される離地タイミングを前記動作タイミングとして取得させることを特徴とする測定プログラム。
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