JP2019101191A - 走行データ評価システム、情報処理システム、情報処理サーバ - Google Patents

走行データ評価システム、情報処理システム、情報処理サーバ Download PDF

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【課題】道路形状に適した走行パートを走行データから抽出できる走行データ評価システムを提供すること。【解決手段】移動体9に取り付け可能な測定装置10と、前記測定装置が取得した走行データを取得する情報処理システム30,50と、を有する走行データ評価システム100であって、前記測定装置は、前記走行データを検出する1つ以上の検出手段61、を有し、前記情報処理システムは、前記検出手段が検出した前記走行データを取得する走行データ取得手段87と、前記走行データ取得手段が取得した走行データから前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応する頂点データを特定し、前記頂点データに基づいて道路形状に対応した1つ以上の走行パートを抽出する抽出手段84と、前記抽出手段が抽出した前記走行パートごとに走行データを評価する評価手段83と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、走行データ評価システム、情報処理システム、及び情報処理サーバに関する。
車両等の移動体の運転技術を診断する方法として、移動体に搭載された各種のセンサで走行中の走行データを取得し、走行データの極端な変化から急加速、急ブレーキ、急ハンドルといった好ましくない操作を検出する走行データ評価システムが知られている。
また、ランバイクや自転車等、運転者の動きを動力にして移動する移動体がある。このような移動体は、運転者の運転技術により速度等が大きく変わる。運転者が移動体を走行させて順位を競い合うスポーツや競技も開催されており、運転技術を向上させたいと考える運転者が現状の運転技術を客観的に評価するため、移動体の走行データをセンサなどで数値化することが検討されている。
しかしながら、乗り心地の良さのような走行データが急変するわけではないより詳細な運転技術を評価するためには、移動体が走行する道路形状が判明していないと、移動体の挙動が道路形状に合わせて運転者が運転した結果なのか、不適切な運転によるふらつきなのかを走行データ評価システムが区別することができない。このため、詳細な運転技術の評価は、走行データが直進とカーブ(又は右左折等)のどちらであるかが特定されうる状態で行われることが望まれる。
また、図1に示すように、詳細な運転技術を評価するための定型コースもある。図1(a)は、道路形状を模倣したいくつかの定型コースを示し、図1(b)は拡大された交差点における走行軌跡を示す。例えば、自動車教習所にあるように、定型コースには直進201及びカーブ202など一般の道路によく存在する道路形状に加え、クランク203、一本橋204、スラローム205、S字カーブ206などの特殊な定型コースが設定されている。運転者が移動体を運転して定型コースを走行すると、センサが検出する走行データを走行データ評価システムが取得し、取得した走行データを道路形状と対応付けて、発進→直進、左折、右折、直進→停止等の走行パートに分類する。これにより、道路形状に対し適切な運転が行われたか否かを評価できる。
例えば、右折又は左折などの旋回走行を含む走行パートは、図1(b)に示すように、カーブへ進入する直進走行C1、カーブ中央部C2、及び、カーブから脱出する直進走行C3という走行パートを有する。このため、右折などの旋回走行における運転技術を評価するために、走行データ評価システムはカーブ前後の直進走行C1,C3とカーブ中央部C2を区別して分析する必要がある。すなわち、カーブ中央部C2の開始点と終了点を検出することが望まれる。
従来から、カーブの開始点を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。特許文献1には、走行軌跡から計算した走行曲率が基準曲率以上になったところを旋回開始点とする運転評価システムが開示されている。特許文献2には、カーブの開始点を方位角θの変化量の絶対値で判断する車両用ナビゲーション装置が開示されている。
特開2013−114319号公報 特開平8−61968号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された旋回開始点又はカーブの開始点の検出方法では、道路形状に適した走行パートを走行データから抽出できないおそれがあるという問題がある。図2を用いて説明する。
図2は、右折時の移動体の挙動を走行軌跡と走行データで示す図の一例である。まず、図2(a)は、右折時における移動体の理想的な走行軌跡を示し、図2(b)は理想的な走行軌跡における走行データを示す。理想的な走行軌跡であるため、この走行軌跡はカーブ中央部C2の旋回走行と、カーブ中央部C2の前の直進走行C1、カーブ中央部C2の後の直進走行C3しかない。図2(b)の走行データは角速度ωと方位角θであり、それぞれが時間に対しグラフ化されている。なお、方位角θは右旋回方向を正とする。また、角速度ωの単位は省略した。
理想的な走行軌跡では、カーブ中央部C2の前と後では直進走行C1,C3のみが行われ、カーブ中央部C2では角速度ωが単調増加して単調減少するのみである。このため、走行データ評価システムは、ジャイロセンサが検出する角速度ωが0より大きくなった時をカーブの開始点Sに決定でき、角速度ωが0に戻った時をカーブの終了点Eに決定できる。
図2(c)はカーブ中央部C2の前と後で運転者が逆ハンドルに操舵した場合の走行軌跡を示し、図2(d)はこの時の走行データを示す。このような走行軌跡は運転者が障害物を避けるため交差点を大きく曲がろうとする際にしばしば見られるが、走行経路が長くなるため好ましくはないとされる。図2(c)の走行軌跡は、道路形状に沿った直進走行C1、カーブ中央部C2の直前で運転者が左方向に操舵する左蛇行部211、カーブ中央部C2、カーブ中央部C2の直後に左方向に操舵する左蛇行部212、及び、道路形状に沿った直進走行C3、を有する。
この場合、走行データの角速度ωは増大を開始する前にいったん負値を示してから正値になり、ピークを取り減少を開始した後もいったん負値を示してからゼロに戻っている。特許文献1,2の旋回開始点又はカーブの開始点の検出方法では、左蛇行部211、カーブ中央部C2、左蛇行部212を別のカーブと判断するため、複数のカーブ又はS字カーブであると判断してしまう。このため、詳細な運転技術を評価することが困難になるおそれがある。
図2(e)はカーブ中央部C2の前で移動体がふらついた場合の走行軌跡を示し、図2(f)はこの時の走行データを示す。図2(e)に示すように、カーブ中央部C2の前に運転者が左、右、左に操舵しているため、図2(e)の走行軌跡は左蛇行部213、右蛇行部214、左蛇行部215を有する。特許文献1,2の旋回開始点又はカーブの開始点の検出方法では、左蛇行部213、右蛇行部214、左蛇行部215を別のカーブと判断するため、複数のカーブ又はS字カーブであると判断してしまう。
仮に、図2(a)(b)のように、走行データ評価システムが最初に角速度ωが負値から0に戻った時をカーブ中央部C2の開始点に決定するとしても、図2(f)の走行データの角速度ωは2回、0より大きくなるので、左蛇行部213と右蛇行部214の境界がカーブの開始点であると誤判断するおそれがある。
以上のように、従来の方法では、カーブの開始点Sを正しく検出することが困難な場合があった。
なお、人が方位角θ又は角速度ωのグラフを見て判断すれば、グラフの変化からカーブの開始点と終了点を判断することができるが、人が大量のデータを見て詳細に評価することは時間的、コスト的に現実的でない。
本発明は、上記課題に鑑み、道路形状に適した走行パートを走行データから抽出できる走行データ評価システムを提供することを目的とする。
本発明は、移動体に取り付け可能な測定装置と、前記測定装置が取得した走行データを取得する情報処理システムと、を有する走行データ評価システムであって、
前記測定装置は、前記走行データを検出する1つ以上の検出手段、を有し、前記情報処理システムは、前記検出手段が検出した前記走行データを取得する走行データ取得手段と、前記走行データ取得手段が取得した走行データから前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応する頂点データを特定し、前記頂点データに基づいて道路形状に対応した1つ以上の走行パートを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記走行パートごとに走行データを評価する評価手段と、を有する。
道路形状に適した走行パートを走行データから抽出できる走行データ評価システムを提供することができる。
詳細な運転技術を評価するための一例の定型コースを示す図である。 右折時の移動体の挙動を走行軌跡と走行データで示す図の一例である。 走行データ評価システムの概略を説明する図の一例である。 走行データ評価システムの構成図の一例である。 測定装置のハードウェア構成例を示す図である。 情報処理装置のハードウェア構成図の一例である。 走行データ評価システムにおける測定装置、情報処理装置、及び、サーバの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。 情報処理装置が表示する各種の画面の一例を示す図である。 情報処理装置が表示する各種の画面の一例を示す図である。 測定装置が走行データを情報処理装置に送信する手順を示すシーケンス図の一例である。 情報処理装置がサーバに分析要求を送信し、分析結果を取得する手順を示すシーケンス図の一例である。 サーバが行う分析処理の手順を示すフローチャート図の一例である。 前処理部が走行データからカーブ中央部の走行データを抽出する手順を示すフローチャート図の一例である。 頂点データ、最小変化データの特定を説明する図の一例である。 カーブ中央部を説明する図の一例である。 交差点に進入前に左に蛇行した走行データの角速度と方位角を示す図の一例である。 S字カーブにおけるカーブ中央部の抽出を説明する図の一例である。 クランクにおけるカーブ中央部の抽出を説明する図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の走行データ評価システムの概略を簡単に説明する。
図3は、走行データ評価システムの概略を説明する図の一例である。図3(a)は、走行データ評価システムが走行データから道路形状に適した走行パートを抽出する手順を示すフローチャート図の一例である。図3(b)は走行データに対し図3(a)の方法で特定された頂点データP、最小変化データM1,及び、最小変化データM2をそれぞれ示す。
S1.走行データ評価システムは時系列の走行データからカーブの頂点に対応する頂点データPを特定する。方位角θの変化速度が相対的に最も大きい(方位角θが最も速く変化する)走行データを頂点データPとする。
S2.頂点データPよりも時間的に前の走行データから方位角θの変化量が最少になる最小変化データM1を特定する。これを走行データにおけるカーブの開始点Sとする。
S3.頂点データPよりも時間的に後の走行データから方位角θの変化量が最少になる最小変化データM2を特定する。これを走行データにおけるカーブの終了点Eとする。
図3(b)に示すように、最小変化データM1から最小変化データM2までがカーブ中央部C2であるので、直進走行C1,C3に蛇行やふらつきがあっても走行データ評価システムはカーブ中央部C2の走行データを抽出できる。また、最小変化データM1より前の走行データは直進走行C1、最小変化データM2よりも後の走行データは直進走行C3であるので、直進走行の走行データを抽出できる。
したがって、直進走行を含めずにカーブ中央部C2の走行データ(速度等)を評価することが可能となる。また、カーブ中央部C2の前の直進走行C1におけるふらつきの有無、カーブの開始点Sへの進入速度等を評価でき、カーブ中央部C2の後の直進走行C3における速度ふらつきの有無、カーブの終了点Eの出口速度等を評価できる。このように、走行データ評価システムは走行データから道路形状に適した走行パートを抽出し、走行パートごとに走行データを適切に評価できる。
<用語について>
移動体とは、人力又は動力により移動する物をいう。路面を車輪又は歩行により移動してもよい。車輪の数は1輪以上であればよい。歩行による移動するものとして例えば歩行型のロボットがある。車輪により移動するものとして、例えばランバイク(ペダルはあってもなくてもよい)、自転車、ストライダ、一輪車、三輪車などがある。
また、移動体には運転者が直接、乗車する他、ラジコンのように操縦者が操縦するタイプも含む。この場合も測定装置が取り付けられれば同様に走行データが取得される。また、本実施形態では人間の動きが動力となる移動体を例に説明するが、移動体はエンジンを搭載した車両(自動二輪車を含む)でもよい。
また、移動体が進路を変更する道路形状とは、移動体が道路に沿って走行するために少なくとも一時的に方位角が変化する道路形状をいう。例えば、カーブ、右折、左折、進路変更等である。
走行データの評価とは、移動体の運転に関する運転者のスキルを推定したり、見積もったり、又は、数値化したりすること等をいう。例えば、速度に関する評価、初速加速度に関する評価などがある。本実施形態では評価の結果をレベルという用語で説明する。レベルは運転技術の高低である。
後述する関係者は主に運転者の親類、友人等であるが、本実施形態では情報処理装置のユーザとなる場合がある。また、運転者は、人、者、操作者、パイロット、操縦者、ユーザ等、移動体に適した呼び名で呼ばれてよい。
<構成例>
図4は、走行データ評価システム100の構成図の一例である。走行データ評価システム100は、測定装置10、情報処理装置30、及び、サーバ50を有する。測定装置10は移動体9に取り付け可能であり、運転者8による移動体9の運転のスキルを評価する上で好適な走行データを検出する1つ以上のセンサを有する。一例として、このようなセンサとしては加速度センサ、ジャイロセンサ、及び、回転センサがある。図4では、移動体9のチェーンチューブに測定装置10が取り付けられているが、測定装置10の取り付け位置は図示された位置に限られない。しかしながら、回転センサはスポークに取り付けられた磁石の離接(接近したり離れたりする)を検出するため、スポークの近くに取り付けられることが好ましい。また、測定装置10が正しい姿勢で移動体9に取り付けられないと進行方向や姿勢等を情報処理装置30が正しく判断できないため、垂直に取り付けられ、更に運転の邪魔にならない位置に取り付けられることが好ましい。
測定装置10と磁石はそれぞれ別々に移動体9への脱着が可能であり、移動体9に取り付けられた状態と取り外された状態を取り得る。したがって、測定装置10と磁石はそれぞれ単体で又は1組の組み物として流通することが多い。しかしながら、測定装置10と磁石20が移動体9に取り付けられた状態で移動体9と共に流通してもよい。
測定装置10と情報処理装置30は少なくとも無線で通信し、好ましくは有線での通信も可能になっている。測定装置10と情報処理装置30は、移動体9が走行コースを走行中に通信できることが好ましいため、数十メートル(例えば、30メートル)程度の距離で通信が可能な通信方式で通信する。例えば、Bluetooth(登録商標)、又は、Bluetooth Low Energy(登録商標)などが挙げられる。この他、無線LAN、又は、ZigBee(登録商標)等の通信方式が採用されてもよい。あるいは、携帯電話網等で接続されたネットワーク上の中継サーバを介して測定装置10と情報処理装置30が通信してもよい。
一方、測定装置10と情報処理装置30がある程度の距離を無線で通信可能でなくてもよい。また、一切の無線通信ができなくてもよい。1回の走行で測定装置10が取得する走行データの容量はそれほど大きいものではないので、測定装置10が走行中の走行データを記憶しておく。走行中に記憶された走行データは、走行後に、測定装置10が情報処理装置30に送信する。送信には、Bluetoothや無線LANの他、NFC(Near Filed Communication)などの近距離無線通信が採用されてもよいし、有線で通信してもよい。あるいは、測定装置10に装着された着脱式のメモリカードを情報処理装置30が装着して走行データを読み取ることで走行データを取得してもよい。
また、情報処理装置30が測定装置10を兼ねることも可能である。この場合、情報処理装置30が測定装置10と同様のセンサを備える。したがって、測定装置10が不要になる。
情報処理装置30は走行データの取得、サーバ50との通信、及び、各種の画面表示(ユーザインタフェースの提供)等を行う。情報処理装置30では走行データに関する処理を行うアプリ(以下、スキル評価アプリという)が動作している。スキル評価アプリはブラウザでも走行データ評価システムに専用のアプリでもよい。スキル評価アプリは、プログラム配信用のサーバから情報処理装置30にダウンロードされてもよいし、記憶媒体に記憶された状態で配布されてもよい。また、測定装置10及び磁石20の少なくとも一方と共に配布されてもよい。
情報処理装置30は、スキル評価アプリが動作するものであればよいが、具体的にはスマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、腕時計型やサングラス型などのウェアラブルPC等の可搬性に有利なものが挙げられる。ただし、デスクトップ型PCなど据置型の情報処理装置30であってもよい。
情報処理装置30とサーバ50はネットワークNを介して通信する。ネットワークNは例えばインターネットであるが、インターネットに接続するための回線事業者(キャリア)の通信網、及び、プロバイダのネットワーク等が含まれてよい。情報処理装置30とサーバ50は有線で通信してもよい。
サーバ50は、走行データの評価に関する処理を行う情報処理装置の一例である。サーバ50は、情報処理装置30から送信された走行データを分析して、分析結果を情報処理装置30に送信する。また、サーバ50は各運転者8が遂行中のミッション(練習方法、課題)を管理しており、ミッションの完了により報酬を提供する。また、複数の運転者8のレベルを比較してランキングを公表したりする。
サーバ50が行う走行データの評価に関する処理を情報処理装置30のスキル評価アプリが実行してもよい。この場合、サーバ50は不要になり、サーバ50との通信も不要になる。しかしながら、スキル評価アプリの負荷が増大したり、サーバ50のアップデートの代わりにスキル評価アプリのアップデートが必要になったりするおそれがある。このように、サーバ50の機能の1つ以上又は全体を情報処理装置30が実行してもよく、情報処理装置30とサーバ50は1つの情報処理システム又は1つの装置と見なすことができる。
サーバ50はクラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。クラウドコンピューティングの具体的な形態に、例えば、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、及び、SaaS(Software as a Service)があるが、本実施形態ではどのような形態でもよい。また、クラウドコンピューティングに対応することなく所定の機器がサーバ50として動作してもよい。
<ハードウェア例>
<<測定装置のハードウェア例>>
図5は、測定装置10のハードウェア構成例を示す図である。測定装置10は、一例として加速度センサ11、ジャイロセンサ12、回転センサ13、メモリ14、制御部15、近距離通信ユニット16、バッテリ17、及び、電源スイッチ18を有する。なお、図5では測定装置10が有する主要な要素を示したに過ぎず、図示する以外の要素を有していてもよい。
加速度センサ11は測定装置10の上下方向、前後方向、及び、左右方向の加速度を検出する3軸の加速度センサ11である。したがって、測定装置10が取り付けられた移動体9の上下、前後、左右の揺れを検出できる。このように多方向の加速度を検出できることで、様々な走行データを取得できる。
ジャイロセンサ12は、少なくともヨー角の角速度ωを検出する角速度センサである。制御部15が角速度ωを積分することでヨー角を測定できる。この他、移動体9の姿勢の変化をより詳細に取得するために、測定装置10が取り付けられた移動体9のロール角、ピッチング角を検出できるとなおよい。
回転センサ13は、移動体9の車輪の回転を検出するセンサである。まず、移動体9のスポーク21の1つ以上に磁石20が固定される。磁石20は、測定装置10が移動体9に取り付けられた際に回転センサ13による磁石20の検出範囲を通過するようにスポーク21に取り付けられる。回転センサ13の一形態としてはマグネットスイッチがある。マグネットスイッチは磁石20の接近によりONとなり、離間によりOFFとなるスイッチである(あるいはこの逆でもよい)。また、別の形態として磁気センサがある。磁気センサは、磁石20や電流が発生する磁気や地磁気などの大きさ及び方向を検知する。磁気センサの場合、磁石20を検出したと制御部15が判断する磁力の閾値をある程度、任意にメーカ等が設定できるため、回転センサ13と磁石20の距離(最接近時)が大きくても車輪の回転を検出しやすくなる。また、回転方向を検出することが可能な磁気センサも存在する。回転センサ13は磁石20を検出したタイミングで"1"というデータを生成し、それ以外のタイミングで"0"というデータを生成する。情報処理装置30(又はサーバ50)は単位時間当たりに"1"が何個あるかによって回転速度を算出し、回転速度に車輪の円周の長さを乗じて走行距離を算出できる。
制御部15は、測定装置10の動作の全体を制御する。制御部15は例えばCPU,RAM、及びプログラムを記憶するROM等を有している。制御部15は、測定装置10の動作モード(簡易測定モード、高精度モード、転倒判断モード、省エネモード等)を制御し、それぞれの動作モードで決まっている図5に示す測定装置10の構成要素に走行データを検出させる。また、走行データが検出されると近距離通信ユニット16に対し走行データを情報処理装置30に送信させる。また、制御部15は動作モードで決まった構成要素に電力を供給するようバッテリ17を制御する。
各動作モードで動作するセンサの一例は以下のようになる。
・簡易測定モード:回転センサ13のみが動作。後述する速度モニタボタン315の押下により始まる動作モードである。回転センサ13のデータにより速度と走行距離がリアルタイムにモニタされる。
・高精度モード:全てのセンサが動作。後述する開始ボタン334の押下により始まる動作モードである。
・転倒判断モード:加速度センサ11のみが動作し転倒の有無を判断する動作モードである。例えば、簡易測定モード又は高精度モードで動作中であるが、回転センサ13が長時間、回転を検出しなくなった場合に、情報処理装置30が制御信号を送信して転倒判断モードに移行する。転倒判断モードでは加速度センサ11が検出した加速度により転倒の有無が判断される。
・省エネモード:情報処理装置30との通信のみを行う動作モードである。省エネモードは多段階のステータスを有していてもよい。例えば、自動的に電源がOFFとなってもよい。
メモリ14は、加速度センサ11、ジャイロセンサ12、及び、回転センサ13が検出した走行データを記憶する記憶手段である。例えば、不揮発性のフラッシュメモリであるが、電源が供給されている間だけ情報を保持する揮発性メモリでもよい。メモリ14は着脱可能でもよい。制御部15は、近距離通信ユニット16が情報処理装置30と通信を確立している場合に、メモリ14に記憶された走行データを情報処理装置30に送信させる。送信した走行データは削除するか又は上書きされ、再度、送信されないようになっている。測定装置10は、リアルタイムに送信したり、1回以上の走行ごとに送信したり、又は、運転者8又は関係者7の操作に応じて情報処理装置30に送信することができる。通信が困難な程度に測定装置10と情報処理装置30との距離が大きくなったり、電波が弱くなったりしても走行データを記憶できるように、メモリ14は1回以上(好ましくは複数回)の走行の走行データを保持する容量を有することが好ましい。
近距離通信ユニット16は、情報処理装置30と無線で通信する通信装置である。上記のように、通信方式としてはBluetoothなどがある。測定装置10が初めて情報処理装置30と通信する際には、スキル評価アプリがペアリング用のIDの入力を運転者8又は関係者7に要求する。IDは測定装置10に固有の識別情報であり、測定装置10に同梱されている。これにより測定装置10と情報処理装置30はペアリングして、通信を確立する。通信が確立すると、近距離通信ユニット16は相手の死活を監視して、相手からの応答がないと通信の切断を検出する。
バッテリ17は測定装置10が動作するための電源である。一次電池でも二次電池でもよい。電源スイッチ18のオンによりバッテリ17から制御部15に電力が供給され制御部15にリセットがかかり、制御部15がプログラムを読み込むことで測定装置10が起動する。起動した制御部15は近距離通信ユニット16に情報処理装置30と通信させる。このように、測定装置10の起動により又は運転者8若しくは関係者7の操作により、情報処理装置30と自動的に通信を開始できる。
<<情報処理装置のハードウェア例>>
図6は、情報処理装置30のハードウェア構成図の一例である。情報処理装置30は、ハードウェア構成として入力装置31、表示装置32、近距離通信ユニット33、遠距離通信ユニット34、ROM35、RAM36、補助記憶装置37、及び、CPU39を有する。なお、図6では情報処理装置30が有する主要な要素を示したに過ぎず、図示する以外の要素を有していてもよい。
CPU39は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM35には、情報処理装置30の起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM36は、CPU39での処理の結果を一時的に記憶したり、プログラムやデータを記憶したりする作業エリアである。
補助記憶装置37は、各種データ及びプログラム37pを格納する不揮発性の記憶手段である。このプログラム37pにはOS、通信ソフト、及び、スキル評価アプリが含まれる。入力装置31は、例えばタッチパネル及びハードキーである。表示装置32は、液晶や有機ELなどのディスプレイ装置である。
情報処理装置30の近距離通信ユニット33は測定装置10の近距離通信ユニット16と同様の機能を有する。遠距離通信ユニット34は、3G、4G、LTEなどの通信方式で基地局に接続し、基地局を介してネットワークNに接続してサーバ50との通信を行う。遠距離通信ユニット34は無線LANやWiMaxなどの通信方式で通信してもよい。
この他、情報処理装置30は、マイク、カメラ、外部I/F、加速度センサ、方位センサ(磁気センサ)、GPS(Global Positioning System)受信装置等を有していてもよい。
情報処理装置30の補助記憶装置37に記憶されているプログラム37p(スキル評価アプリ)は、プログラム配信用のサーバからダウンロードすることで配布されてもよいし、不図示の記憶媒体に記憶された状態で配布されてもよい。
なお、サーバ50のハードウェア構成は一般的なサーバ装置(一般的な情報処理装置)と同様であるものとし、相違があるとしても本実施形態の説明において支障がないものとする。
<機能について>
図7を用いて測定装置10、情報処理装置30、及び、サーバ50が有する機能を説明する。図7は、走行データ評価システム100における測定装置10、情報処理装置30、及び、サーバ50の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
<<測定装置>>
測定装置10は、走行データ検出部61、制御実行部62、走行データ送信部63、及び、制御信号受信部64を有する。測定装置10が有するこれらの各機能は、測定装置10が有する制御部15がプログラムを実行し測定装置10の各構成要素を制御することにより実現される機能又は手段である。
走行データ検出部61は、加速度センサ11、ジャイロセンサ12、及び、回転センサ13の動作により実現される機能であり、加速度、角速度ω、及び回転速度の走行データを検出する。走行データ送信部63は走行データを情報処理装置30に送信する。送信のタイミングは上記のように様々であるが、後述する制御信号により1回の走行の開始と終了(1回分の走行データ)が分かるようになっている。
制御信号受信部64は、情報処理装置30から制御信号を受信する。制御信号は、例えば、測定開始、中止、指定したセンサの起動/停止、及び測定終了である。この他にも各種の制御信号があってよい。制御実行部62は、制御信号に基づいて測定装置10を制御する。制御信号に応じて動作モードを決定し、走行データの取得の開始、終了等を行う。例えば、測定開始の制御信号により測定装置10の動作モードを高精度モードに移行させ、走行データ検出部61に走行データの検出を開始させる。測定終了の制御信号により走行データ検出部61に走行データの検出を停止させ、測定装置10の動作モードを省エネモードに移行させる。
<<情報処理装置>>
情報処理装置30は走行データ取得部71、画面表示部72、制御信号送信部73、ランキング取得部74、分析要求部75、分析結果取得部76、操作受付部77、及び、ログイン要求部78を有する。情報処理装置30が有するこれらの各機能は、情報処理装置30が有するCPU39が補助記憶装置37からRAM36に展開されたプログラム37pを実行し情報処理装置30が有する各構成要素を制御することにより実現される機能又は手段である。
走行データ取得部71は測定装置10から走行データを取得する。走行データの取得は、運転者又は関係者7の操作によりスキル評価アプリが測定中になることで行われる。リアルタイムに走行データが送信される場合、走行データ取得部71が走行データを取得中であることは、運転者8は走行中であることになる(関係者7と運転者8のコミュニケーションがうまくいかず運転者が走行していないなどの状況は生じうる)。走行データ取得部71が走行データの取得中に電波強度が低下した場合、通信が再度確立すると走行データを取得する。リアルタイムではなく測定装置10が走行データを保持しておく場合、例えば、測定装置10の電源スイッチ18のONで走行データの取得を開始しOFFで終了する。そして、通信が確立し、運転者8又は関係者7の操作によりスキル評価アプリが測定中になると走行データを取得する。なお、測定装置10がデータ転送用のスイッチを有してもよい。
走行データ取得部71は1回分の走行データを走行データ保持部79に記憶させる。走行データ保持部79には1つ以上の走行データが時系列に保持される。すなわち、測定開始から測定終了まで、時刻(絶対時刻でも相対時刻でもよい)に対応付けて回転速度、加速度、及び、角速度ωの各データが保持される。
分析要求部75は走行データ保持部79に保持された走行データを含む分析要求をサーバ50に送信する。分析要求部75は1回の走行分の走行データ(走行開始から走行終了まで)をまとめて走行データをサーバ50に送信する。後述する走行コースも送信される。分析要求部75は1回の送信で複数回の走行分の走行データを送信することもできる。
分析結果取得部76は、サーバ50から分析結果を取得する。詳細は後述されるが、分析結果は例えば、運転スキルの評価要素ごとの運転者8のレベル、ミッション、ミッションの進捗状況、及び、ミッションが完了した旨等である。また、分析結果取得部76は、この他の各種の情報を取得できる。
画面表示部72は、情報処理装置30の表示装置32に各種の画面を表示する。これらの画面の一例を図8、図9に示す。また、画面表示部72は操作受付部77が受け付けた操作に応じて、画面を遷移させる。操作受付部77は、情報処理装置30に対する運転者8又は関係者7の各種の操作を受け付ける。操作受付部77が受け付けた操作内容は画面表示部72、制御信号送信部73及びログイン要求部78等に送出される。
制御信号送信部73は、例えば操作内容に応じた制御信号を測定装置10に送信する。上記のように制御信号は例えば、測定開始、中止、指定したセンサの起動/停止、測定終了などである。ログイン要求部78は運転者8又は関係者7の識別情報とパスワード(アカウント情報)と共にログイン要求をサーバ50に送信する。ログインとは、サーバ50が提供するサービスを利用する際に、予め登録しておいたアカウント情報を用いて個々人のデータにアクセスする認証行為をいう。ログオンという場合もある。識別情報はメールアドレスでもよいし、スキル評価アプリのIDでもよい。識別情報とパスワードは運転者又は関係者7が情報処理装置30に入力してもよいし、情報処理装置30が記憶しておいてもよい。
ランキング取得部74は評価要素ごとのレベルに基づいて判断された運転者8の順位をサーバ50から取得する。運転者8の順位を伝える情報をランキング情報という。
<<サーバ>>
サーバ50は、ランキング処理部81、情報生成部82、レベル決定部83、前処理部84、認証部85、分析結果送信部86、及び、分析要求取得部87を有する。サーバ50が有するこれらの各機能は、サーバ50が有するCPUが補助記憶装置からRAMに展開されたプログラムを実行しサーバ50が有する各構成要素を制御することにより実現される機能又は手段である。
また、サーバ50は、ユーザ情報DB91、レベル決定テーブルDB92、及び、走行パートテーブルDB93を有する。これらはサーバ50が使用できるHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、及び、RAM等に構築される記憶手段である。
Figure 2019101191
表1は走行パートテーブルDB93が記憶する走行パートテーブルの一例である。走行パートテーブルは、前処理部84が走行コースからどのような走行パートを抽出するかを決定するために使用される。走行パートテーブルには、走行コースが有する走行パートが走行コースごとに設定されている。走行コースの一例は表1に示すが、主に、直進のみの走行コース(ストレート)、1回だけ旋回走行する走行コース(ヘアピン、コーナー、L字、右左折)、2回旋回する走行コース(S字カーブ)、直進と2回の旋回を含む走行コース(クランク)がある。直進のみのストレート以外の走行コースは、右旋回と左旋回で別に扱われる。これは、前処理部84がカーブ中央部C2を抽出する際にふらつきなどを旋回であると誤検出するおそれを低減するためである。
Figure 2019101191
表2は、レベル決定テーブルDB92が記憶するレベル決定テーブルの一例である。レベル決定テーブルは、走行パートに対しどのような評価要素のレベルが決定されるかが登録されている。例えば、走行パートが直進走行又はカーブ中央部の場合、平均推進力、最大推進力、ピッチ数、平均ストライド、最高速度、及び、初速加速度の各レベルが決定される。また、走行パートが直進走行の場合、ふらつきのレベルが決定される。また、走行パートがカーブ中央部C2の場合、平均速度、最高速度、進入速度、及び出口速度のレベルが決定される。なお、最高速度は各走行パートで1回算出されればよい。
走行パートと評価要素の対応は一例に過ぎず、走行コースの全体でレベルを決定してもよいし、カーブ中央部C2では平均速度と最高速度のみのレベルを決定してもよい。また、1〜5の5段階のレベルが決定されるのも一例に過ぎず、10段階(又はこれ以上)でもよいし、3段階でもよい。
Figure 2019101191
表3はユーザ情報DB91が記憶するユーザ情報テーブルの一例である。ユーザ情報テーブルは、各運転者8に関する情報を有している。ニックネームは運転者8の愛称である。本名であってもよい。識別情報とパスワードは運転者8又は関係者7のアカウントである。最新レベルは、運転者8の最新の(現在の)評価要素ごとのレベルである。現在のミッションは、運転者8が現在、遂行しているミッションの内容である。ミッションとは、移動体の運転に関するスキルを向上させるために実行すべきことである。例えば、練習方法や課題ということができる。ミッションの進捗状況は、現在のミッションがどのくらい進捗したかを示す。現在のミッションは複数あってもよく、その場合、ミッションの進捗状況はミッションごとに管理される。
図7に戻って説明する。認証部85は、ユーザ情報DB91に予め保持する運転者8(又は関係者7でもよい)の識別情報とパスワードと同じ識別情報とパスワードがログイン要求に含まれているか否かにより、認証が成立するか否かを判断する。認証が成立することで、運転者8又は関係者7を特定することができる。
分析要求取得部87は、情報処理装置30から少なくとも1回分の走行データを含む分析要求を取得し、前処理部84に送出する。この時、走行コースも送信される。前処理部84は走行パートテーブルDB93を参照して走行データに対する前処理を行う。前処理とは走行データを走行パートに分類することを言う。詳細は後述される。
レベル決定部83は走行パートごとの走行データを分析して、表2に示した評価要素ごとに運転者8の運転スキルに関するレベルを決定する。なお、レベル決定部83は決定したレベルに予め対応付けられたミッションを決定する。具体的には練習方法と称してよい。レベル決定部83は、レベルとミッションを情報生成部82に送出し、また、ユーザ情報DBに登録する。
情報生成部82は、現在のレベル、ミッション、ミッションの進捗状況、及び、ミッションが完了した旨に応じて、情報処理装置30に送信する分析結果を生成する。例えば、評価要素ごとのレベルをチャート図に変換したり、ミッションに関するテキストデータを生成したりする。分析結果は分析結果送信部86に送出され、分析結果送信部86は分析結果を情報処理装置30に送信する。スキル評価アプリがブラウザの場合はHTMLやXMLで分析結果を生成する。
ランキング処理部81はユーザ情報DB91に記憶されたユーザ情報の最新レベルに基づいて、複数の運転者8の走行スキルを順位付ける。例えば、評価要素ごとに運転者8が何位であるかを特定し情報処理装置30に送信する。なお、ランキングには、単にレベルの大小だけでなく、走行時間や走行頻度が考慮されてよい。
<画面例>
図8、図9は、情報処理装置30が表示する各種の画面の一例を示す。図8(a)はスキル評価アプリの初期画面301を示す。初期画面301は運転者8又は関係者7がスキル評価アプリを起動した直後に表示される画面である。初期画面301は、ログインボタン302とユーザ登録ボタン303を有する。ログインボタン302は運転者8又は関係者7がサーバ50にログインするためのボタンであり、ユーザ登録ボタン303は新たにユーザ登録するためのボタンである。
図8(b)は現在ステータス画面311を示す。現在ステータス画面311は運転者8又は関係者7がログインすると表示される。現在ステータス画面311は、バッチ欄312、レベル欄313、練習するボタン314、及び、速度モニタボタン315を有する。バッチ欄312は、運転者8が過去に取得したバッチの一覧を表示する。このバッチ(のアイコン)がミッションの完了により与えられる報酬である。レベル欄313には評価要素ごとの現在のレベルが表示される。練習するボタン314は、運転者8又は関係者7が走行コースを選択するコース選択画面321を表示させるためのボタンである。速度モニタボタン315は、情報処理装置30が移動体9の速度と距離をリアルタイムにモニタするボタンである。
図8(c)はコース選択画面321を示す。コース選択画面321は運転者8又は関係者7が練習するボタン314を押下すると表示される。コース選択画面321は1つ以上のコース選択ボタン322を有している。コース選択ボタン322は予め用意されたコースを運転者8又は関係者7が選択するためのボタンである。カーブ中央部C2を含む走行コースには旋回方向を示す「右又は左」とラジオボタン323が表示される。運転者又は関係者7は右又は左のいずれかのラジオボタン323も選択する。
選択された走行コース(「右又は左」の選択結果を含む)は走行データと共にサーバ50に送信され、走行パートの抽出に使用される。サーバ50が走行コースに基づいて走行データを分析することで、ふらつきなどがあっても走行データを分析しやすくなる。
図8(d)はコース確認画面331を示す。コース確認画面331は運転者8又は関係者7がコースを選択すると表示される。コース確認画面331はコース形状欄332、戻るボタン333、及び、開始ボタン334を有する。コース形状欄332は運転者8がこれから走行するコースのおよその形状、距離等を画像や写真で示す欄である。戻るボタン333はコース選択画面321に戻るためのボタンである。開始ボタン334は測定装置10が走行データの取得を開始するボタンである。運転者8は開始ボタン334の押下により走行を開始する(例えば、関係者7が開始ボタン334を押下すると共に関係者7が「スタート」のような指示を出し、これにより運転者8が走行を開始する。)。
図9(a)は測定中画面341を示す。測定中画面341は開始ボタン334が押下されると表示される。この画面の間、情報処理装置30は測定装置10が送信する走行データを取得する。測定中画面341は中止ボタン342と終了ボタン343を有する。中止ボタン342は、走行データの取得を中止するためのボタンであり、測定装置10に中止を指示する制御信号が送信される。情報処理装置30は途中まで取得された走行データを破棄しコース確認画面331に戻る。終了ボタン343は、運転者8が走行コースの走行を完了した際に運転者8又は関係者7が押下するボタンである。これにより、1回の走行分の走行データが取得される。
図9(b)は分析確認画面351を示す。分析確認画面351は終了ボタン343が押下されると表示される。分析確認画面351はいいえボタン352とはいボタン353を有する。いいえボタン352は走行データの分析をしないと運転者8又は関係者7が判断した場合に押下され、はいボタン353は走行データを分析する場合に押下される。いいえボタン352が押下されると情報処理装置30は走行データを破棄し、はいボタン353が押下されると情報処理装置30は走行データを含む分析要求をサーバ50に送信する。
図9(c)は分析中画面361を示す。分析中画面361は、はいボタン353が押下されると表示される。分析中画面361は中止ボタン362を有する。中止ボタン362は運転者8又は関係者7が分析を途中で中止するためのボタンである。中止ボタン362が押下されるとサーバ50は分析を中止する。
図9(d)は分析結果画面371を示す。分析結果画面371は、サーバ50から分析結果を取得すると表示される。分析結果画面371は、分析結果を表示するための画面であり、運転スキルの評価要素ごとに運転者8のレベルをチャート図などで表示する。分析結果画面371はミッション提示ボタン372を有する。ミッション提示ボタン372は現在のミッションを提示するためのボタンである。なお、ミッション提示ボタン372は現在ステータス画面311等にも表示されることが好ましい。
図9(e)はミッション画面381を示す。ミッション画面381は、ミッション提示ボタン372が押下されると表示される。ミッション画面381は現在のミッション欄382、及び進捗状況欄383を有する。現在のミッション欄382には、運転者8のレベルに応じて決定された1つ以上のミッションが表示される。ミッションは複数あってもよい。運転者8は複数のミッションを並行に進めることができる。進捗状況欄383にはミッションがどのくらい進んでいるかが表示される。ミッションが決定された直後は0回である。
<動作手順>
図10は、測定装置10が走行データを情報処理装置30に送信する手順を示すシーケンス図の一例である。測定装置10は移動体9に取り付けられており、スキル評価アプリは情報処理装置30にインストールされている。
S1:運転者8又は関係者7は情報処理装置30を操作してスキル評価アプリを起動させる。
S2:すでにユーザ登録は完了しているものとして、運転者8又は関係者7は初期画面301でログインボタン302を押下し、ログイン要求部78がログイン要求(識別情報とパスワード)をサーバ50に送信する。本実施形態ではログインできたものとする。
S3:また、運転者8又は関係者7は測定装置10の電源スイッチ18を押下し、測定装置10を起動させる。
S4:起動した測定装置10の近距離通信ユニット16はペアリングしたことがある情報処理装置30と自動的に通信を確立する。
S5:情報処理装置30の操作受付部77は、運転者8又は関係者7の操作を受け付け画面表示部72が各種の画面を表示させ、コース確認画面331で開始ボタン334(測定開始)の押下を受け付ける。
S6:これにより、情報処理装置30の制御信号送信部73は制御信号(測定開始)を送信する。
S7:測定装置10の制御信号受信部64は制御信号(測定開始)を受信し、測定のため、制御実行部62は必要であれば動作モードを高精度モードに切り替える。必要であればとは、起動直後の測定装置10が高精度モードであれば、制御信号の受信までに省エネモードに移行した場合である。また、起動直後の測定装置10が省エネモードであれば、動作モードの切り替えが必要になる。
S8:測定装置10の制御実行部62は走行データ検出部61に走行データの検出を開始させる。走行データ検出部61は走行データの検出を開始する。
S9:測定装置10の走行データ送信部63は、走行データ検出部61が検出した走行データを適宜、情報処理装置30に送信する。通信が途切れた場合は、通信が再開した場合に送信すればよい。
S10:情報処理装置30の走行データ取得部71は走行データを取得し、走行データ保持部79に記憶しておく。
S11:運転者8が走行コースの走行を終了したと運転者8又は関係者7が判断すると、運転者8又は関係者7は測定中画面341で終了ボタン343を押下する。操作受付部77はこの操作を受け付ける。
S12:これにより、情報処理装置30の制御信号送信部73は制御信号(測定終了)を送信する。
S13:測定装置10の制御信号受信部64は制御信号(測定終了)を受信し、制御実行部62は走行データ検出部61に走行データの検出を停止させ、動作モードを省エネモードに切り替える。必ずしも省エネモードに切り替えなくてもよい。
図11は、情報処理装置30がサーバ50に分析要求を送信し、分析結果を取得する手順を示すシーケンス図の一例である。図11の処理は図10に続いて実行される。
S21:運転者8又は関係者7は走行の様子などからレベルを決定するにふさわしいか等を考慮して、分析するかどうかを判断する。本実施形態では分析するものとして説明する。運転者8又は関係者7は分析確認画面351ではいボタン353を押下する。操作受付部77はこの操作を受け付ける。
S22:情報処理装置30の分析要求部75は走行データ保持部79の走行データを含む分析要求と走行コースをサーバ50に送信する。
S23:サーバ50の分析要求取得部87は分析要求と走行コースを取得し、サーバ50が分析を開始する。分析の手順は図12にて説明する。
S24:サーバ50の分析結果送信部86は分析結果を情報処理装置30に送信する。
S25:情報処理装置30の分析結果取得部76は分析結果を取得し、画面表示部72が分析結果画面371を表示装置32に表示する。すなわち、運転スキルの評価要素ごとのレベル、及び、ミッションを表示する。
<分析処理>
図12は、サーバが行う分析処理の手順を示すフローチャート図の一例である。
まず、前処理部84は、情報処理装置30から送信された走行コースに対応付けられた走行パートを走行パートテーブルから読み出すことで1つ以上の走行パートを決定する(S101)。例えば、右折という走行コースでは直進走行(前)、カーブ中央部(右旋回)、及び、直進走行(後)という3つの走行パートが決定される。
次に、前処理部84は走行パートにカーブ中央部が含まれるか否かを判断する(S102)。カーブ中央部が含まれるか否かはステップS101で決定した走行パートから明らかである。
走行パートにカーブ中央部C2が含まれる場合、前処理部84は走行データを走行パートに分類する(S103)。カーブ中央部C2が含まれる走行データを走行パートに分類することは、走行データをカーブ中央部C2とそれ以外の走行データに分類すること、又は、走行データからカーブ中央部C2に対応する走行データを抽出することである。この処理の詳細については図13等を用いて説明する。
走行パートにカーブ中央部C2が含まれない場合、走行データは直進走行のみを含むはずであるが何らかの前処理を行ってもよい。
次に、レベル決定部83が走行パートに対応付けられた評価要素ごとにレベルを決定する(S104)。すなわち、表2のレベル決定テーブルを参照して、直進走行の走行パートに対し、平均推進力、最大推進力、ピッチ数、平均ストライド、最高速度、初速加速度、及び、ふらつきの各レベルを決定し、カーブ中央部C2の走行パートに対しこれら(ふらつきを除く)とカーブ中央部C2を走行時の平均速度、最高速度、進入速度及び出口速度を決定する。決定した値に応じて1〜5の5段階に区分することでレベルを決定する。評価要素ごとのレベルの決定方法の一例を以下に示す。
・平均推進力、最大推進力:加速度に係数を乗じることで算出される。係数は、例えば運転者8と移動体9の重量の合計であるが、およその値でよい。また、加速度そのものを推進力としてもよい。
・ピッチ数:ピッチ数は走行時に何回、運転者8が足で地面をけったかという数である。運転者8は左右の足で交互に地面をけるため、移動体9にはロール運動が生じる。レベル決定部83は左右方向の加速度に着目し、正値からゼロ点を超えて負値になる回数、及び、負値からゼロ点を超えて正値になる回数をカウントする。高周波成分を除去してから行うなど前処理を行ってもよい。
・平均ストライド:ストライドは地面を1回けった時にどのくらい進むかを示す。走行距離÷ピッチ数で算出される。走行距離は、回転センサ13が検出する回転速度に係数(車輪の円周の長さ)を乗じることで算出される。
・最高速度:直進走行時における走行距離÷走行に要した時間で算出される。走行に要した時間は、各走行パートの時間である。
・初速加速度:スタートから1秒後の加速度である。
・ふらつき:左右の加速度の絶対値の合計である。あるいは、ヨー角の角速度ωがゼロを挟んで変化した際に正負の角速度ωの絶対値の合計である。
・カーブ中央部C2の平均速度、最高速度:カーブ中央部C2の走行データの走行速度の平均、又は、最高速度でよい。
・進入速度:カーブ中央部C2の走行データの最初の速度
・出口速度:カーブ中央部C2の走行データの最後の速度
<カーブ中央部C2の抽出>
図13は、前処理部84が走行データからカーブ中央部C2の走行データを抽出する手順を示すフローチャート図の一例である。また、図13の説明では、適宜、図14を参照して説明する。図14は頂点データP、最小変化データM1,M2の特定を説明する図の一例である。
前処理部84は角速度センサのデータから方位角θ(ヨー角)を時系列に算出する(S201)。図14(a)は走行データにおける方位角θの値を時系列に示す。方位角θは走行の開始時を0度とする。走行コースが右折の場合、方位角θは0度から正の90度くらいまで変化する。
前処理部84は方位角θのある範囲に何個の方位角θのデータがあるかをカウントする(S202)。図14(b)は一例として方位角θを10度ごと区分し、各10度の範囲に含まれる方位角θのデータ数をカウントしたカウント数を示す。例えば、−10度未満の方位角θの数は0個、−10度以上0度未満の方位角θの数は12個(以下略)、のようにカウントされる。なお、10度を範囲とするのは一例に過ぎず、5度を範囲としてもよいし、20度を範囲としてもよい。これら以外を範囲としてもよい。
次に、前処理部84は走行データと共に入力された旋回方向の方位角θ(正負)を特定する(S203)。これにより、カーブ中央部C2以外で運転者が蛇行した場合に蛇行部をカーブ中央部C2と誤判断することを抑制できる。詳細を図16にて説明する。
次に、前処理部84はカウント数が最小の範囲の中央値を頂点データPに決定する(S204)。図14(b)を参照すると、カウント数が最も少ないのは40度以上50度未満の範囲であるため、まず、40度以上50度未満の範囲を決定する。図14(b)ではカウント数が1なので、頂点データPは一意に定まる。カウント数が最も少ない範囲のカウント数が2以上で奇数の場合は中央値を頂点データPに決定し、2以上で偶数の場合は2つの中央値のいずれか一方を頂点データPに決定する。
図14(c)は、図14(b)の範囲ごとのカウント数をグラフ化したものである。グラフ化するとウント数が最小の範囲が明確になる。測定データのサンプリング周期が一定であれば、角速度ωが大きいほど範囲のカウント数が小さくなる。したがって、最もカウント数が少ない範囲で角速度ωが最も大きく変化しており、この範囲がカーブ中央部C2の頂点であると推定できる。カーブ中央部C2の頂点とは旋回走行の中央点である。このように、前処理部84はカウント数が相対的に少ない範囲を決定することでカーブ中央部C2の頂点を決定できる。
次に、前処理部84は頂点データPより前にある方位角θの変化量が0又は増加し始める方位角θを特定しこれを最小変化データM1に決定する(S205)。変化量とは隣接した2つの方位角θの差である。図14(a)を参照して説明する。頂点データPは方位角θが46度のデータである。これよりも前の方位角θのデータで変化量が0になるのは方位角θが−2度のデータである。したがって、方位角θが−2度のデータが最小変化データM1となる。頂点データPより前にある方位角θの変化量が0になることは、旋回走行に入る前に方位角θが最後に安定した状態となったことを意味するため、カーブの開始点Sであると判断できる。
なお、変化量が増加し始めるとは、隣接した2つの方位角θの差が徐々に大きくなり始めることをいう。すなわち、方位角θの変化速度が極小値を取る。このような状況は蛇行したり、カーブが連続したりしている場合に起こりうる。例えば、時間的に遡った時の方位角が0、−1、−2、−4、−7であるとすると−2から−4で増加し始めている。0、1、2、4、7の場合は2から4で増加し始めている。
次に、前処理部84は頂点データPより後にある方位角θの変化量が0又は増加し始める方位角θのデータを特定しこれを最小変化データM2に決定する(S206)。図14(a)を参照して説明する。頂点データPは方位角θが46度のデータである。これよりも後の方位角θのデータで変化量が0になるのは方位角θが88度のデータである。したがって、方位角θが88度のデータが最小変化データM2となる。頂点データPより後にある方位角θの変化量が0になることは、旋回走行後に方位角θが最初に安定した状態となったことを意味するため、カーブの終了点Eであると判断できる。変化量が増加し始めることの意味は最小変化データM1と同様である(方位角の変化速度が極小値を取る)。
図15は、前処理部84が抽出するカーブ中央部C2を説明する図である。なお、図15(a)は走行軌跡を示し、図15(b)は角速度ωと方位角θを示す。図15(a)は図2(e)と同じ図である。図15(a)に示すように、移動体9がカーブ中央部C2の前でふらついた。図15(b)はこの時の走行データを示す。図15(a)に示すように、カーブ中央部C2の前に運転者が左、右、左に操舵しているため、図15(a)の走行軌跡は左蛇行部213、右蛇行部214、左蛇行部215を有する。このため、走行データの角速度ωは負値、正値、負値を示してから増大を開始している。
本実施形態の走行データ評価システム100は、旋回方向を判断するので、まず頂点データPが含まれる走行データを絞り込むことができる(右折の場合は方位角が正)。そして、例えば10度ごとのカウント値が相対的に最も少ない範囲を決定するので、例えば、右蛇行部214の走行データは選択されない(蛇行では角度が大きく変化しないので10度の範囲内に蛇行時の全ての走行データが含まれやすい。したがって、範囲の方位角のカウント数が大きくなる傾向になる。)。また、角速度ωから算出した方位角θが安定したところをカーブの開始点Sと終了点Eに決定するので、カーブ中央部C2の走行データを抽出できる。
すなわち、走行軌跡に蛇行やふらつきがあっても走行データ評価システム100は、相対的にカーブの頂点を特定し、そこから方位角の変化量が少なくなるカーブの開始点Sと終了点Eを特定するので、蛇行やふらつきがあってもからカーブ中央部C2を抽出できる。
なお、走行データにおいてカーブ中央部C2の前の直進走行も抽出されるが、本来、直進走行であるべき走行データに左蛇行部213、右蛇行部214、及び、左蛇行部215が存在する。このような直進走行の走行データは、ふらつきと判断されるので、レベル決定部83は低いレベルを決定する。
また、前処理部84は、角速度ωに基づいてカーブ中央部C2の頂点を特定してもよい。この場合も旋回方向に応じて角速度ωの正負を選択し、角速度(絶対値)が最も早くなる走行データを特定する。方位角θの変化速度が最も大きくなる走行データは、角速度ωが最も大きくなる場合が多いためである。
<旋回方向を考慮する意義>
本実施形態では、カーブ中央部C2を含む走行コースでは旋回方向も使用して前処理部84がカーブ中央部C2の走行データを抽出する。仮に、旋回方向が指定されない場合は以下のような不都合が生じる場合がある。
図16は交差点に進入前に左に蛇行した走行データの角速度ωと方位角θを示す。カウント数が最も少ない範囲は、方位角θの変化が最も大きい範囲であるが、このような範囲が複数、存在する場合がある。方位角θの変化が最も大きいことは、図16の走行データで方位角θの傾きが大きくなることを意味するが、図16に示すように走行データが方位角θの大きな傾きを2箇所以上、有する場合は、前処理部84は一意に頂点データPを決定できない。
そこで、本実施形態の前処理部84は、運転者8又は関係者7が入力した旋回方向を利用する。すなわち、前処理部84は、旋回方向によって決まる符号の方位角θを有し、更に、カウント数が最小の範囲を特定する。例えば、右旋回で正の方位角θが算出されるものとする。運転者8又は関係者7が入力した旋回方向が右旋回の場合、正の方位角θを有し、更に、カウント数が最小の範囲を特定する。運転者又は関係者が入力した旋回方向が左旋回の場合、負の方位角θを有し、更に、カウント数が最小の範囲を特定する。
これにより、ふらつきなどにより、運転者がカーブ中央部C2と同様の蛇行をカーブ中央部C2以外で行っても、カーブ中央部C2を抽出しやすくなる。
なお、角速度ωが最も大きい走行データにより頂点データPを特定する場合は、旋回方向によって決まる符号の角速度ωを有し、角速度ω(絶対値)が最も大きい走行データを頂点データPに特定する。
<S字カーブ、クランク>
本実施形態の走行データ評価システムは、走行コースの形状(旋回方向)が判明していれば、あらゆる角度のカーブ及び複合カーブ(クランク、S字カーブ等)を同様のアルゴリズムで抽出することができる。
図17はS字カーブにおけるカーブ中央部C2の抽出を説明する図の一例である。図17(a)はS字カーブで抽出される範囲ごとのカウント数を示し、図17(b)はS字カーブの形状を示し、図17(c)はS字カーブのA〜Eの位置と方位角θの対応を示す。このS字カーブは左旋回の次に右旋回する形状である。1回目の旋回である左旋回の際、方位角θはマイナスである。また、右旋回の際も方位角θはマイナスである。前処理部84は、方位角θのデータ数を範囲ごとにカウントし、方位角θがマイナスで、カウント数が最も少ない範囲と次に少ない範囲を特定する。それぞれの範囲から頂点データP1,P2を特定する。頂点データP1よりも前にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM1、頂点データP1よりも後にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM2を特定する。また、頂点データP2よりも前にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM1(1回目の左旋回の最小変化データM2と一致してもよい)、頂点データP2よりも後にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM2を特定する。
このように、走行コースの形状(旋回方向)が判明していれば、S字カーブのような複雑な走行コースでも、前処理部84は相対的に頂点データPを特定するので2つのカーブ中央部C2を抽出できる。なお、単に、カウント数が最も少ない範囲と次に少ない範囲を特定するのではなく、走行データを前半と後半に分け、それぞれからカウント数が最も少ない範囲を特定してもよい。
図18はクランクにおけるカーブ中央部C2の抽出を説明する図の一例である。図18(a)はクランクで抽出される範囲ごとのカウント数を示し、図18(b)はクランクの形状を示し、図18(c)はクランクのA〜Dの位置と方位角θの対応を示す。このクランクは右旋回の次に左旋回する形状である。1回目の旋回の右旋回の際、方位角θはプラスである。また、左旋回の際も方位角θはプラスである。前処理部84は、方位角θのデータ数を範囲ごとにカウントし、方位角θがプラスで、カウント数が最も少ない範囲と次に少ない範囲を特定する。それぞれの範囲から頂点データP1,P2を特定し、頂点データP1よりも前にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM1、頂点データP1よりも後にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM2を特定する。同様に、頂点データP2よりも前にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM1、頂点データP2よりも後にあり方位角θの変化量がゼロ又は増加し始める最小変化データM2を特定する。
このように、走行コースの形状(旋回方向)が判明していれば、クランクのような複雑な走行コースでも前処理部84は相対的に頂点データPを特定するので2つのカーブ中央部C2を抽出できる。なお、単に、カウント数が最も少ない範囲と次に少ない範囲を特定するのではなく、走行データを前半と後半に分け、それぞれからカウント数が最も少ない範囲を特定してもよい。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の走行データ評価システムは、走行軌跡に蛇行やふらつきがあっても、相対的に決定したカーブの頂点からカーブ中央部C2を抽出するので、蛇行やふらつきがあってもカーブの開始点、終了点を特定し、走行データから道路形状に応じた走行パートを抽出できる。したがって、取得した走行データを道路形状に対応付けて、走行パートごとに適切な運転が行われたか否かを評価できる。
また、原則的にジャイロセンサのヨー角の角速度のみで走行パートへの分類が可能になる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態ではサーバ50が走行データを走行パートに分類したが、サーバ50が有する前処理部84を情報処理装置30が有し、情報処理装置30がカーブ中央部C2等を抽出する処理を行ってもよい。
また、本実施形態では走行パートの分類に際し運転者又は関係者が入力した旋回方向を参照することとしたが、旋回が1回の道路形状では旋回方向はなくてもよい。例えば、この場合、カウント数が最小の範囲のうち、方位角の絶対値が最も大きい範囲を頂点データPに特定する。
また、図7などの構成例は、測定装置10、情報処理装置30、及びサーバ50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。測定装置10、情報処理装置30、及びサーバ50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
また、情報処理装置30の機能の一部をサーバ50が有したり、サーバ50の機能の一部を情報処理装置30が有したりしてもよい。
なお、走行データ検出部61は検出手段の一例であり、分析要求取得部87は走行データ取得手段の一例であり、前処理部84は抽出手段の一例であり、レベル決定部83は評価手段の一例である。走行データ送信部63は走行データ送信手段の一例であり、走行データ取得部71は第二の走行データ取得手段の一例であり、分析要求部75は送信手段の一例であり、分析結果取得部76は分析結果取得手段の一例であり、画面表示部72は出力手段の一例である。情報処理装置30は特許請求の範囲の請求項10の情報処理装置の一例であり、サーバ50は請求項10の情報処理サーバの一例である。
8 :運転者
9 :移動体
10 :測定装置
30 :情報処理装置
50 :サーバ
100 :走行データ評価システム

Claims (10)

  1. 移動体に取り付け可能な測定装置と、前記測定装置が取得した走行データを取得する情報処理システムと、を有する走行データ評価システムであって、
    前記測定装置は、
    前記走行データを検出する1つ以上の検出手段、を有し、
    前記情報処理システムは、
    前記検出手段が検出した前記走行データを取得する走行データ取得手段と、
    前記走行データ取得手段が取得した走行データから前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応する頂点データを特定し、前記頂点データに基づいて道路形状に対応した1つ以上の走行パートを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記走行パートごとに走行データを評価する評価手段と、
    を有する走行データ評価システム。
  2. 前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応するデータは、前記移動体の進行方向が最も速く変化するデータであることを特徴とする請求項1に記載の走行データ評価システム。
  3. 前記検出手段の1つは方位角が変化する角速度を検出し、
    前記抽出手段は、前記走行データに含まれる前記角速度から算出した方位角の変化速度が最も大きい走行データを前記頂点データに特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行データ評価システム。
  4. 前記抽出手段は、前記走行データに含まれる前記角速度から算出した方位角を方位角の範囲に区分して前記範囲ごとの方位角の数をカウントし、前記方位角の数が最も少ない前記範囲から前記頂点データを特定することを特徴とする請求項3に記載の走行データ評価システム。
  5. 前記検出手段の1つは方位角が変化する角速度を検出し、
    前記抽出手段は、前記走行データに含まれる前記角速度の絶対値が最も大きい走行データを前記頂点データに特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行データ評価システム。
  6. 前記抽出手段は、前記頂点データよりも時間的に前の前記方位角の変化量が最も小さくなる前記走行データを前記移動体が進路を変更する道路形状の開始点として特定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の走行データ評価システム。
  7. 前記抽出手段は、前記頂点データよりも時間的に後の前記方位角の変化量が最も小さくなる前記走行データを前記移動体が進路を変更する道路形状の終了点として特定することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の走行データ評価システム。
  8. 前記走行データ取得手段は前記走行データと共に、前記移動体が進路を変更する道路形状の旋回方向に関する情報を取得し、
    前記抽出手段は、前記旋回方向に対応する前記方位角であって、前記走行データに含まれる方位角の変化速度が最も大きい走行データを前記頂点データに特定することを特徴とする請求項3又は4に記載の走行データ評価システム。
  9. 移動体に取り付け可能な測定装置が取得した走行データを取得する情報処理システムであって、
    前記測定装置が検出した前記走行データを取得する走行データ取得手段と、
    前記走行データ取得手段が取得した走行データから前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応する頂点データを特定し、前記頂点データに基づいて道路形状に対応した1つ以上の走行パートを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記走行パートごとに走行データを評価する評価手段と、
    を有することを特徴とする情報処理システム。
  10. 移動体に取り付け可能な測定装置が取得した走行データを取得する情報処理装置と、ネットワークを介して通信する情報処理サーバであって、
    前記情報処理装置が取得した前記測定装置により検出された走行データを取得する走行データ取得手段と、
    前記走行データ取得手段が取得した走行データから前記移動体が進路を変更する道路形状の頂点に対応する頂点データを特定し、前記頂点データに基づいて道路形状に対応した1つ以上の走行パートを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記走行パートごとに走行データを評価する評価手段と、
    を有することを特徴とする情報処理サーバ。
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