以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のコードストッパ装置70及び間仕切り装置(アコーディオンカーテン1)を説明する。尚、本願明細書中、図1に示すアコーディオンカーテン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をアコーディオンカーテン1の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示右方向をアコーディオンカーテン1の右方向(又は右側)、及び、図示左方向をアコーディオンカーテン1の左方向(又は左側)、図示を視認する側をアコーディオンカーテン1の前方向(又は前側)、これに相対して奥側をアコーディオンカーテン1の後方向(又は後側)と定義して説明する。例えば、アコーディオンカーテン1の前後方向と称するときは、図1の正面図においてその図示した正面に対して垂直な方向を云う。また、高さについて言及するときは、アコーディオンカーテン1を設置する床面に対して垂直に延びる上方向の長さを云う。
(アコーディオンカーテンの構成)
まず、本発明による一実施形態のコードストッパ装置70を適用可能な間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の構成を説明する。図1は、本発明による一実施形態のコードストッパ装置70を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の全体構成を示す正面図である。図2は、本発明による一実施形態のコードストッパ装置70を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全閉状態時の上方から見て各要素の配置関係を示す平面図である。図3は、本発明による一実施形態のコードストッパ装置70を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全開状態時の右端側から見て各要素の配置関係を示す側面図である。
図1〜図3に示すように、アコーディオンカーテン1は、ハンガーレール2と、ランナー3及び先頭ランナー4と、取付フレーム5と、操作ユニット6と、移動框7と、固定框8と、コードイコライザ9と、転向滑車ユニット10と、滑車ユニット11,12と、コード調整器13と、間仕切り部材(カーテン材65)及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなるカーテン本体14と、ブラケット15と、本発明に係るコードストッパ装置70と、ソフトクローズ装置80とを主要な構成要素としている。
ハンガーレール2は、カーテン材65を吊下支持するランナー3及び先頭ランナー4が移動可能なように下端側が開口している略四角筒状の部材である。ハンガーレール2の上面にはブラケット15と嵌合する嵌合部が設けられる。したがって、ハンガーレール2の上端面は、このブラケット15を介して天井側の取付面に固定される。尚、ハンガーレール2の下面開口部を形成する端部は、開口を閉じる方向に傾斜して下方に向かい、その縁部は略V字形状として形成される。この略V字状の縁部は、ランナー3及び先頭ランナー4の車輪位置を案内するよう機能する。
ランナー3は、カーテン材65を吊下支持するとともに、ハンガーレール2の内部を移動可能に構成される。
先頭ランナー4は、移動框7の上端部に固着される。より具体的には、先頭ランナー4の下端部には、段付きに折り曲げられたアタッチ部材20が設けられる。アタッチ部材20は、移動框7に固定する固定部23と、先頭ランナー4に固定する吊下部材22と、ハンガーレール2の下面開口部に差し込み、移動框7やカーテン本体14がスライドする際に生じうる先頭ランナー4の回動を抑制するよう機能する回動案内バー21からなる。
また、先頭ランナー4の右端部には、アダプタ25が一体的に設けられ、アダプタ25は、錘コード29の一端が取着されるとともに、弛み防止コード26の一端が取着される。錘コード29の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車31により向きを転向して垂れ下がり、加力手段としての錘部材30に連結されている。弛み防止コード26の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車27により向きを転向し、ハンガーレール2の上部の複数個所に配置されるブラケット15の内側部を挿通し、操作コード42とともにコードイコライザ9に取着される。
取付フレーム5は、上下方向に立設しているフレーム部材であり、操作ユニット6を介してハンガーレール2を固着している。取付フレーム5の左端面は、移動框7の右端面が当接する部分となっている。また、取付フレーム5の内部では、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25から操作ユニット6内の滑車31により向きを転向して垂れ下がる錘コード29が挿通され、錘コード29に連結する錘部材30が収容されている。尚、錘部材30は、カーテン本体14を自動的に閉じるのに利用する質量を有している。ただし、後述するコイルスプリング64の付勢力により、カーテン本体14を自動的に閉じるのに錘部材30の設置を不要とする構成とすることもできる。錘部材30を不要とする際には、取付フレーム5の左右方向の幅を薄型化することにより、カーテン本体14の開空間を拡大させることが可能となる。尚、滑車31は、取付フレーム5の上に設けてもよい。
操作ユニット6は、ハンガーレール2の上端部に固着される。操作ユニット6には、図1の正面図に対して、アコーディオンカーテン1の前側と後側にそれぞれガイドポール41が連結され、図2に示すように、操作コード42の一端側の末端がガイドポール41内部の挿通孔を通り操作グリップ40の内部に取着される。また、操作ユニット6は、操作用プーリ43を備え、操作用プーリ43により、操作コード42の他端側の末端を、ハンガーレール2の上端部にて複数個所に配設させるブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させる。その後、当該操作コード42の他端側の末端は、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9に取着される。
また、操作ユニット6は、滑車27を備え、滑車27により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した弛み防止コード26の他端をコードイコライザ9に取着するべく向きを転向させる。また、操作ユニット6は、滑車31を備え、滑車31により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した錘コード29の他端を錘部材30に連結するべく向きを転向させる。
移動框7は、上下方向に延伸しているフレーム状の部材であり、移動框7の取付フレーム5に当接する右端面にはクッション材7aを有する。移動框7はカーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。これにより、移動框7の内部を外から見えないようにするとともに、操作者の指や手を挟んで損傷させることを防止する。移動框7の上端側では先頭ランナー4を固着しているため、移動框7がハンガーレール2に沿って移動した際には、カーテン本体14が併せて移動することになり、カーテン材65の開閉が行われる。
固定框8は、アコーディオンカーテン1の左端部に設けられている。固定框8は、左壁面に固定され、移動しないように設けられる。尚、固定框8の右端面は、カーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。
コードイコライザ9は、操作コード42の一端及び弛み防止コード26の一端を取着する第1連結部と、2本の牽引コード51a,51b(総括して、「牽引コード51」とも称する)の各一端を取着する第2連結部とを備える。コードイコライザ9は、ブラケット15の内側部を挿通可能な大きさを有し、操作コード42の操作に応じてハンガーレール2の上側部にてその長尺方向に移動可能に設けられる。
転向滑車ユニット10は、固定框8の上端部に固着される。転向滑車ユニット10は、内部に滑車52を備える。コードイコライザ9の一端部に設けられる第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bが滑車52を介して下方に転向してコードストッパ装置70を経た後、牽引コード51aについては滑車ユニット11を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向し、牽引コード51bについては滑車ユニット12を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向する。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。牽引コード51bも同様に、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。尚、転向滑車ユニット10は、ハンガーレール2の左端部に設けてもよい。
滑車ユニット11は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51aをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。
滑車ユニット12は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51bをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51bは、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。
コード調整器13は、移動框7に固着され、カーテン材65が全閉状態時に、滑車ユニット11に対する牽引コード51aの経路がハンガーレール2の長尺方向と略平行となるように牽引コード51aの長さを調整して係止する。また、コード調整器13と同様のコード調整器(図示せず)が、牽引コード51bを同様に係止するよう移動框7に固着される。
操作コード42は、紐状の部材であり、その一端側の末端は操作グリップ40の内部に取り付けられている。一方、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bは、操作コード42よりも直径が小さく設けられている。即ち、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bについては操作者の操作の必要がないが、操作コード42は、操作者の操作に係るものであるため、その直径は大きく設けられている。また、牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過し下方に向かうため、牽引コード51a,51bの直径は、操作コード42の直径よりも小さく設けられている。
ここで、操作コード42、牽引コード51a,51b、及び弛み防止コード26の経路に関して改めて説明する。操作グリップ40側から操作コード42に沿って進行すると、操作コード42は、ガイドポール41の挿通孔を通り、操作用プーリ43によってハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿ってブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させられ、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9の第1連結部に取着される。
コードイコライザ9の第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過する。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51aは、滑車ユニット11により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器13に係止される。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51bも同様に、滑車ユニット12により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)に係止される。コードイコライザ9の第1連結部に取着された弛み防止コード26は、ハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿って操作ユニット6へと向かい、操作ユニット6内の滑車27を介してアダプタ25へと連結される。
これにより、操作グリップ40が操作され、ハンガーレール2の上部では操作コード42が右方向に移動すると、コードイコライザ9も右方向に移動して牽引コード51も移動するため、牽引コード51も移動に併せて移動框7が左方向(カーテン材65の開方向)に移動する。この移動框7の左方向の移動に併せて移動框7の上端部に固着された先頭ランナー4に連結する弛み防止コード26が引張られるため、当該コードイコライザ9の右方向への移動を助力し協働するようになる。
カーテン本体14は、カーテン材65及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなり、この伸縮機構の一端部は移動框7に固定され、その他端部は固定框8に固定されている。より具体的には、図1及び図2に示すように、伸縮機構は、支軸61及び連結軸62を介して回動可能に端部を連結するリンク片60と、複数のコイルスプリング64から構成される。尚、連結軸62は、例えば1つおきの間隔で、ランナー3の吊下部材により吊り下げられている。また、図1に示す例では、この伸縮機構は、上下方向に例えば3セット設けられているが、アコーディオンカーテン1においては、伸縮機構を設ける個数は、2つ以上であれば幾つであってもよい。
複数のコイルスプリング64は、カーテン材65を閉方向に付勢するよう、当該骨組みとして各菱形部分を構成する略平行なリンク片60(前側リンク片と後側リンク片)との間に、カーテン材65の厚さ方向に山形に突出する頂部近傍で連結し、複数個所にて配設されている(図2参照)。移動框7が取付フレーム5に当接している状態から移動框7を開方向に操作すると、当該骨組みが畳み込まれ、複数のコイルスプリング64には付勢力が蓄勢される。この状態で、操作グリップ40を手放すと、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を阻止するクラッチ動作が機能するときは、当該移動框7の停止位置でカーテン材65が開状態に維持される。一方、操作グリップ40を手放すときに、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を許容するクラッチ動作が機能するときは、コイルスプリング64の付勢力により、移動框7が取付フレーム5に当接する全閉状態まで自動的に移動する。
リンク片60の外側には、カーテン材65が取り付けられている。このカーテン材65は、平面状の布状部材や皮状部材となっている。カーテン材65は、伸縮機構や牽引コード51等を覆い、これらが外部から見えないようになっている。
ブラケット15は、取付面に対してハンガーレール2を位置決めして固着するための部材である。このブラケット15は、取付面に固定するための固定部と、当該ブラケット15をハンガーレール2と一体化させるための嵌合部とを有する。この固定部は、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状を有する。
コードストッパ装置70は、その内部を通る牽引コード51の移動作用に伴って(即ち、操作者の操作による操作コード42の移動作用に伴って)、牽引コード51の移動状態を許容するか、又はその移動状態を阻止するようロックするかを切換動作する所謂クラッチ動作を行う装置であり、操作性を高めるために設けられる。尚、本発明による各実施形態のコードストッパ装置70については、詳細に後述する。
ソフトクローズ装置80は、移動框7が取付フレーム5の方向に移動する際に、操作者以外の第三者の指や手を挟んで損傷させることが無いように、移動框7の移動の減速或いは停止を行う緩衝装置(ダンパー装置)である。ソフトクローズ装置80については、アコーディオンカーテン1の機能を実現するために必須の構成要素ではなく、本発明に係るコードストッパ装置70との直接的な関係はないことから、更なる詳細な説明は省略する。
このように構成したアコーディオンカーテン1は、把手を掴んでカーテン本体を引き出す構造ではなく、操作コードを介してカーテン本体を引き出す構造であるため、移動框の移動に伴い操作者が移動する必要もなく、例えば車椅子使用者が正対した状態での引き出し操作も容易となり、操作性が良好となる。
また、操作グリップ40に連結する操作コード42を用いてアコーディオンカーテン1の開閉を直接的に可能とするため、例えば操作コード42による操作を移動框7の駆動へと間接的に伝達する機構を備える間仕切り装置と比して、操作のダイレクト感が生じるため、操作性が良好となる。
(コードストッパ装置の構成)
〔第1実施形態〕
まず、図1、図4乃至図7を参照して、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70を説明する。図4は、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70におけるクラッチ機構72の概略構成を示す分解斜視図である。図5は、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70におけるスライダ71の概略構成を示す透視斜視図である。図6(a)は、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70の概略構成を示す正面図であり、図6(b)は、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70の概略構成を示す断面図である。図7は、本発明による第1実施形態のコードストッパ装置70におけるガイド溝747の説明図である。
第1実施形態のコードストッパ装置70は、図6に示すように、スライダ71とクラッチ機構72とを備えるように構成される。スライダ71は、牽引コード51の移動方向に回転可能な滑車76を有し、牽引コード51に対して滑車76をスプリング(圧縮バネ)73の付勢力により押圧する機能を有する(図1参照)。クラッチ機構72は、牽引コード51の移動方向に回転可能なドラム74を有する(後述するように、ドラム74は、回転ドラム74a及びブレーキドラム74bの2重ドラム構造を有する。)。このドラム74は、操作コード42の所定の移動作用に伴って牽引コード51の移動状態を阻止するか、又は移動状態を許容するクラッチ動作の機能を有する。また、ドラム74は牽引コード51に対して該滑車76の対向側に配置される(図1参照)。尚、第1実施形態のクラッチ機構72は固定框8に固定され、スライダ71はクラッチ機構72に対して左右方向への移動が可能なように案内される。したがって、滑車76とドラム74との間に挿通する牽引コード51は当該スプリング73の付勢力により押圧される。
まず、図4を参照して、第1実施形態のクラッチ機構72について説明する。クラッチ機構72が有するドラム74は、略円柱状に構成され、2重ドラム構造を有し、牽引コード51に当接する外側には回転ドラム74aが位置し、内側にはブレーキドラム74bが位置している。回転ドラム74aの外表面は高摩擦性の表面形状746を有し、その内表面は高摺動性の表面形状を有する。また、回転ドラム74aの内表面には当該回転ドラム74aの軸方向(即ち、アコーディオンカーテン1の前後方向)にクラッチボール75の移動を案内する案内溝745が設けられる。また、ブレーキドラム74bの外表面も高摺動性の表面形状を有し、その表面には、ガイド溝747が形成されている。
ドラム74の組み付けは、まず、ブレーキドラム74bのガイド溝747の任意箇所にクラッチボール75を載置し、該クラッチボール75の位置に案内溝745の位置を合わせてブレーキドラム74bを回転ドラム74a内に収容する。続いて、ドラムキャップ741の案内溝用蓋部744の位置を回転ドラム74aの案内溝745の位置に合わせて、ドラムキャップ741の嵌合用突起部742と回転ドラム74aの嵌合用受部743とを嵌合させることにより、ドラムキャップ741を回転ドラム74aに嵌着し一体化する。このように構成されたドラム74では、クラッチボール75が当該案内溝745に規制された状態でガイド溝747上を移動可能にすることで、回転ドラム74aがブレーキドラム74bに対して相対回転可能となっている。
ドラムキャップ741が回転ドラム74aに嵌着された状態で一体化したドラム74の略円状の両側面からは、ブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられた中心軸部748及び案内軸部749が突出するように構成される。略円柱状の中心軸部748は、ブレーキドラム74bの中心軸上にて両側面にそれぞれ設けられる。また、略円柱状の案内軸部749は、ブレーキドラム74bの中心軸とその外周との間の位置に、当該中心軸と略平行な軸上の両側面にそれぞれ設けられる。
ここで、第1実施形態のコードストッパ装置70においては、中心軸部748と案内軸部749は、それぞれ略同一径で、且つ略円柱形状の長さも略同一となるように構成され、したがって、ドラム74の略円状の両側面から略同一の長さで突出するように構成されている。
そして、図4に示すように、クラッチ機構72の本体の側壁部に設けられた係合溝725に中心軸部748が係合するよう、中心軸部748及び案内軸部749を係合用案内溝724に合わせて、クラッチ機構72の本体の上方から、その収容部723に当該ドラム74を収容させる。ドラム74の中心軸部748がクラッチ機構72の係合溝725に係合した状態は、意図的に取り外さない限り容易には外れないようになっている。したがって、第1実施形態では、案内軸部749と係合用案内溝724との作用により、ブレーキドラム74bは、クラッチ機構72に対して回転不能に支持される。
また、クラッチ機構72の一側面には、所定の取付ネジにより、取付孔722を経て固定框8へと固定可能とする固定台部721が設けられ、この固定台部721には、スプリング(圧縮バネ)73を位置決めして係合させるための圧縮バネ用突起部726が2箇所に設けられている。また、それぞれの圧縮バネ用突起部726に位置決めされる各スプリング73が、当該クラッチ機構72における内側に配置して係合させるスライダ71側の圧縮バネ用突起部715にも位置決めして係合するよう、クラッチ機構72の側壁部には側壁開口部727が2箇所に設けられている。
そして、このようにドラム74を収容したクラッチ機構72には、その上下方向に牽引コード51を挿通可能とするためのコード挿通用開口部728が設けられている。また、クラッチ機構72の前後側壁部のそれぞれには、左右方向へのスライダ71の相対移動を可能とする態様で、スライダ71側の係合用突起部714と係合させるための係合孔729が2箇所ずつ設けられている。
次に、図5を参照して、第1実施形態のスライダ71について説明する。スライダ71は、その内部に滑車76を有する。滑車76は、その回転軸76aがスライダ71の内壁側に設けられた係合溝712に係合させることで、回転可能に設置されている。また、スライダ71は、その内部に当該ドラム74を収容可能な空間部711を有し、且つスライダ71の側壁が、クラッチ機構72の内側に収まるように形成されている。
また、スライダ71の前後側壁部のそれぞれには、クラッチ機構72に対する左右方向へのスライダ71の相対移動を可能とする態様で、クラッチ機構72の係合孔729と係合させるための係合用突起部714が2箇所ずつ設けられている。また、ドラム74の両側面にて突出する中心軸部748及び案内軸部749が当該相対移動を阻害しないよう、スライダ71の前後側壁部のそれぞれには、略四角状の係合溝713が形成されている。
また、クラッチ機構72におけるそれぞれの圧縮バネ用突起部726に位置決めされる各スプリング73が、クラッチ機構72のそれぞれの側壁開口部727を介してスライダ71を押圧するよう付勢可能とするために、スライダ71の一側壁部にて各スプリング73を位置決めして係合するための圧縮バネ用突起部715が2箇所に設けられている。
そして、このように空間部711にてクラッチ機構72のドラム74を収容可能とするスライダ71には、その上下方向に牽引コード51を挿通可能とするための上側開口部717と底側開口部718が設けられている。
このように、スライダ71とクラッチ機構72とを係合させることで、第1実施形態のコードストッパ装置70は、図6に示すように構成される。そして、図6(a)に示すように、第1実施形態のコードストッパ装置70では、係合溝725に係合した中心軸部748を有するブレーキドラム74bは、案内軸部749と係合用案内溝724との作用により、クラッチ機構72に対して回転不能に支持され、クラッチ機構72は、固定台部721により固定框8へと固定される。そして、係合用突起部714が左右方向へのスライダ71の相対移動を可能とする態様で係合孔729に係合され、スプリング73の付勢力により、スライダ71が図示する右方向に付勢されることにより、図6(b)に示すように、牽引コード51が、滑車76とドラム74(クラッチボール75を挟む回転ドラム74a及びブレーキドラム74b)との間に挿通された状態で押圧される。これにより、その内部を通る牽引コード51の移動作用に伴って(即ち、操作者の操作による操作コード42の移動作用に伴って)、牽引コード51の移動状態を許容するか、又はその移動状態を阻止するようロックするかを切換動作するクラッチ動作が可能に構成される。
次に、クラッチ動作を実現するクラッチボール75とガイド溝747の動作に関して説明する。クラッチ動作に係るクラッチボール75とガイド溝747の形態は、例えば、回転ドラム74aの代わりに巻取軸として、後述する移動溝747aの代わりに引き上げ溝及び引下げ溝として構成される特公平6−013825号公報、或いは特許第3124716号明細書等に開示される内容と同様とすることができる。ここでは、この技法を応用して構成した第1実施形態のコードストッパ装置70のクラッチ動作に関して、図7を参照しながら説明する。
上述したように、回転ドラム74aの内表面とブレーキドラム74bの外表面との間の位置にクラッチボール75が配置され、このため、回転ドラム74aの内表面には当該回転ドラム74aの軸方向(即ち、アコーディオンカーテン1の前後方向)にクラッチボール75の移動を案内する案内溝745が設けられている。また、ブレーキドラム74bの外表面には当該クラッチ動作を作用させるガイド溝747が設けられている。図7は、ブレーキドラム74bの外表面の一周分の展開状態を示している。図7において、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げ、牽引コード51が上方に移動する方向(カーテン材65の開方向)に移動するときは、クラッチボール75は矢印A方向へ移動し、操作グリップ40を手放して、コイルスプリング64の付勢力により牽引コード51が下方に移動するときは、矢印B方向へ移動するものとする。
ガイド溝747は、当該ドラム74の回転方向に沿って、クラッチボール75の移動を拘束しない移動溝747aと、クラッチボール75の移動を拘束するストップ溝747bが形成され、ストップ溝747bから移動溝747aへとクラッチボール75が移動可能な戻り溝747cが形成されている。
したがって、クラッチボール75は、当該回転ドラム74aの案内溝745によって規制された状態でブレーキドラム74bのガイド溝747内を移動可能に案内されるようになっている。
その動作について説明するに、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げるときは、クラッチボール75がガイド溝747の一部を構成する移動溝747a(クラッチボール75の移動を拘束しない溝)内を周回して、コードストッパ装置70の内部を挿通する牽引コード51が上方に移動する方向(カーテン材65の開方向)への回転ドラム74aの回転が許容される。ここで、クラッチボール75が当該移動溝747a内に位置している状態から操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動しはじめ、クラッチボール75がガイド溝747の一部を構成するストップ溝747b(クラッチボール75の移動を拘束する溝)内へ移動してストップ溝747b内の終点部747dに係合すると、当該回転ドラム74aの回転が阻止され、カーテン材65が所望位置に停止される。
続いて、クラッチボール75が当該終点部747dに係合してカーテン材65が所望位置に停止している状態から、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗してわずかに引き下げ回転ドラム74aを所定角度の範囲内で回転させた後に、操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により、牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動してクラッチボール75が戻り溝747cを経て当該移動溝747aに移動し、回転ドラム74aの回転に伴ってクラッチボール75が当該移動溝747a内を周回するようになり、カーテン材65が閉方向に自動的に移動する。
また、カーテン材65が所望位置に停止している状態から、更に操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げ、回転ドラム74aを所定角度以上回転させるときは、クラッチボール75は当該ストップ溝747bから戻り溝747cを経て当該移動溝747a内に移動し回転ドラム74aの回転が許容され、この状態で操作グリップ40を手放すと、コイルスプリング64の付勢力による回転ドラム74aの回転により、クラッチボール75がストップ溝747b内に移動して、カーテン材65の移動が停止される。
以上のように構成した第1実施形態のコードストッパ装置70によれば、所定のコードにより間仕切り部材の駆動を円滑化した間仕切り装置(例えば、アコーディオンカーテン1)にて、意図的にコードの移動を阻止可能とするクラッチ動作のロック時を除き、各種コードの全てについて滑車に対する滑りが許容されるため、当該ロックに必要な係止力を従来技術に比べて抑えた付勢力のスプリング73を構成することができ、操作者の操作力の増大化を生じることなく、良好な操作性を維持することが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、図1、図8乃至図13を参照して、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70を説明する。図8は、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70におけるクラッチ機構72の概略構成を示す分解斜視図である。図9は、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70におけるスライダ71の概略構成を示す透視斜視図である。図10(a)は、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70の概略構成を示す正面図であり、図10(b)は、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70の概略構成を示す断面図である。図11乃至図13は、本発明による第2実施形態のコードストッパ装置70の動作に関する説明図である。尚、第1実施形態と同様な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付している。
まず、図8に示すように、第2実施形態のコードストッパ装置70におけるクラッチ機構72の構成は、第1実施形態のブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられた案内軸部749の代わりに、案内軸部749aが第2実施形態のブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられている点を除き、同一の構成となっている。
また、図9に示すように、第2実施形態のコードストッパ装置70におけるスライダ71の構成は、スライダ71の前後側壁部のそれぞれに形成されていた略四角状の係合溝713の代わりに、略鉤状の係合溝713aがスライダ71の前後側壁部のそれぞれに形成されている点を除き、同一の構成となっている。
図8を参照するに、ドラムキャップ741が回転ドラム74aに嵌着された状態で一体化されたドラム74の略円状の両側面からは、ブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられた中心軸部748及び案内軸部749aが突出するように構成される。略円柱状の中心軸部748は、ブレーキドラム74bの中心軸上にて両側面にそれぞれ設けられる。また、略円柱状の案内軸部749aは、ブレーキドラム74bの中心軸とその外周との間の位置に、当該中心軸と略平行な軸上の両側面にそれぞれ設けられる。
ここで、第2実施形態のコードストッパ装置70においては、中心軸部748と案内軸部749aは、それぞれ略同一径ではあるが、案内軸部749aの略円柱形状の長さは、中心軸部748の略円柱形状の長さよりも短く、クラッチ機構72の本体の側壁部に設けられた係合溝725に中心軸部748が係合する状態では、案内軸部749aは係合用案内溝724に係合しない(案内軸部749aは、スライダ71の略鉤状の係合溝713aに対してのみ係合する)。したがって、この状態においてブレーキドラム74bは、クラッチ機構72に対して回転可能に支持される点で、第1実施形態とは相違する。
そして、図9を参照するに、第2実施形態のスライダ71は、当該案内軸部749aが略鉤状の係合溝713aに対して、クラッチ機構72に対する左右方向へのスライダ71の相対移動を可能に係合するよう構成されるが、中心軸部748は、略鉤状の係合溝713aに対して当該相対移動を不能に係合するよう構成される。この場合のブレーキドラム74bの動作については詳細に後述する。
第2実施形態のコードストッパ装置70においても、図10(a)に示すように、スプリング73の付勢力により、スライダ71が図示する右方向に付勢されることにより、図10(b)に示すように、牽引コード51が、滑車76とドラム74(クラッチボール75を挟む回転ドラム74a及びブレーキドラム74b)との間に挿通され、押圧される。
ただし、第2実施形態のコードストッパ装置70においては、案内軸部749aが係合用案内溝724に係合せず、スライダ71の略鉤状の係合溝713aに対してのみ係合するように構成されるため、図11に示すように、スライダ71をクラッチ機構72に組み込んだ状態と比較して、当該クラッチ動作におけるロック時では、回転ドラム74aがわずかに回転し、この回転ドラム74aの回転に伴い中心軸部748及び案内軸部749aが略鉤状の係合溝713aに案内され、ドラム74自体がクラッチ機構72に対して相対回動する。即ち、当該クラッチ動作におけるロック時では、中心軸部748及び案内軸部749aがスライダ71を引っ張るように機能する。
このような中心軸部748及び案内軸部749aの機能は、牽引コード51の移動状態を許容する駆動時と、その移動状態を阻止するロック時との間でも作用し、図12に示すように、当該駆動時に比較して、ロック時では、中心軸部748及び案内軸部749aがスライダ71を引っ張るように機能し、牽引コード51を滑車76とドラム74との間で押圧する付勢力を助力するようになる。図13は、スライダ71とクラッチ機構72の組み込み時、牽引コード51の移動状態を許容する駆動時、及びその移動状態を阻止するロック時について、その状態対比図を示している。
したがって、以上のように構成した第2実施形態のコードストッパ装置70によれば、所定のコードにより間仕切り部材の駆動を円滑化した間仕切り装置(例えば、アコーディオンカーテン1)にて、意図的にコードの移動を阻止可能とするクラッチ動作のロック時を除き、各種コードの全てについて滑車に対する滑りが許容されるため、当該ロックに必要な係止力を従来技術に比べて抑えた付勢力とすることができるだけでなく、第1実施形態よりも軽減させた付勢力のスプリング73で構成することができ、操作者の操作力の増大化を更に抑制させ、良好な操作性を維持することが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、図14及び図15を参照して、本発明による第3実施形態のコードストッパ装置70を説明する。図14は、本発明による第3実施形態のコードストッパ装置70の概略構成を示す分解斜視図である。図15は、本発明による第3実施形態のコードストッパ装置70の構成に関する説明図である。尚、第1及び第2実施形態と同様な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付している。
前述した第1及び第2実施形態のコードストッパ装置70では、クラッチ機構72が固定框8に固定され、スライダ71がクラッチ機構72に対して相対移動する例を説明したが、第3実施形態のコードストッパ装置70は、スライダ71が固定框8に固定され、且つ、クラッチ機構72として構成せず、ドラム74を直接、スライダ71に組み付けるようにして構成される。
まず、図14に示すように、第3実施形態のコードストッパ装置70におけるドラム74では、案内軸部749b,749cがブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられる。この案内軸部749b,749cを支軸として、スライダ71の両側壁部のそれぞれに設けられている2つの係合溝713c,713dに係合させることにより、ドラム74がスライダ71に対してわずかに回動可能に支持される。また、圧縮バネ73aとして、肩部731を基軸として、腕状に下方に延びた後、更に上方に折り曲げられ鉤状の端部732を有するように構成される。
そして、第3実施形態のコードストッパ装置70におけるスライダ71の構成は、第1及び第2実施形態とは相違して、固定框8に固定するための固定台部719が設けられている点、2つの係合溝713c,713dが形成されている略コの字状の側壁部で構成されている点、滑車76がその回転軸76aを支軸として左右方向にスライド可能にスライダ71の内部に支持され、圧縮バネ73aの付勢力を蓄勢した状態で滑車76の回転軸76aに圧縮バネ73aの鉤状の端部732を掛装することにより、対向するドラム74に対して押圧するように構成されている点、及び、圧縮バネ73aの肩部731を掛装する引掛部715aが形成されている点を除き、略同一の構成となっている。また、このスライダ71には、形状が異なるものの第1及び第2実施形態と同様に、その上下方向に牽引コード51を挿通可能とするための開口部718aが設けられている。
図14を参照するに、ドラムキャップ741が回転ドラム74aに嵌着された状態で一体化されたドラム74の略円状の両側面からは、ブレーキドラム74bの両側面にそれぞれ設けられた案内軸部749b,749cが突出するように構成される。案内軸部749b,749cは、それぞれ略同一径で、且つその長さも略同一である(ただし、異なる径、及び異なる長さとしてもよい)。案内軸部749b,749cは、ブレーキドラム74bの中心軸とその外周との間の位置に対称に配置され、当該中心軸と略平行な軸上の両側面にそれぞれ設けられる。
図15を参照するに、第3実施形態のスライダ71は、その内側にドラム74の本体を収容して、圧縮バネ73aの付勢力により、ドラム74に対して滑車76を押圧するように構成されている。これにより、牽引コード51が、滑車76とドラム74(クラッチボール75を挟む回転ドラム74a及びブレーキドラム74b)との間で押圧される。そして、案内軸部749b,749cを支軸として、スライダ71の両側壁部のそれぞれに設けられている2つの係合溝713c,713dに係合させることにより、ドラム74がスライダ71に対してわずかに回動可能となっている。
尚、案内軸部749b,749cは、ドラム74とは別個の部材として構成し、ドラム74の両側面の対応箇所に係合孔を設けておき、ドラム74をスライダ71に組み込んだ後に、差し込むことで図15に示すような形態とするよう構成することもできる。
したがって、第3実施形態のコードストッパ装置70においては、ドラム74をスライダ71に組み込んだ状態と比較して、当該クラッチ動作におけるロック時では、回転ドラム74aがわずかに回転し、この回転ドラム74aの回転に伴い、案内軸部749cが係合溝713dに支持された支軸として、案内軸部749bが係合溝713cで回動可能に案内され、ドラム74自体がスライダ71の本体に対して相対回動する。即ち、当該クラッチ動作におけるロック時では、案内軸部749b,749cがドラム74自体をスライダ71側の滑車76に押し付けるように機能する。
このような案内軸部749b,749cの機能は、牽引コード51の移動状態を許容する駆動時と、その移動状態を阻止するロック時との間でも作用し、当該駆動時に比較して、ロック時では、案内軸部749b,749cがドラム74自体をスライダ71側の滑車76に押し付ける ように機能し、牽引コード51を滑車76とドラム74との間で押圧する付勢力を助力するようになる。
したがって、以上のように構成した第3実施形態のコードストッパ装置70によれば、所定のコードにより間仕切り部材の駆動を円滑化した間仕切り装置(例えば、アコーディオンカーテン1)にて、意図的にコードの移動を阻止可能とするクラッチ動作のロック時を除き、各種コードの全てについて滑車に対する滑りが許容されるため、当該ロックに必要な係止力を従来技術に比べて抑えた付勢力とすることができるだけでなく、第1実施形態よりも軽減させた付勢力の圧縮バネ73aで構成することができ、操作者の操作力の増大化を更に抑制させ、良好な操作性を維持することが可能となる。
次に、コードストッパ装置70の性能をより向上させるために、滑車52とコードストッパ装置70との間に(より具体的には、リンク片60(蝶番)とコードストッパ装置70との間に)、新たに、滑車ユニット90及びコードガイド91を設ける例を説明する。図16は、本発明による別実施形態の間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の部分拡大図である。また、図17は、本発明による別実施形態の間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の説明図である。図18は、当該別実施形態の間仕切り装置の効果説明図である。尚、図1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図1に示す実施形態においては、全閉時にリンク片60(蝶番)が畳み込まれ、牽引コード51と接触しうる。牽引コード51が接触した状態では、牽引コード51に弛みやヨレが生じ、コードストッパ装置70による牽引コード51の係止力が不安定になってしまうおそれがある。
そこで、図16及び図17に示すように、本実施形態では、図1に示す実施形態に対して、滑車52とコードストッパ装置70との間に、新たに、滑車ユニット90及びコードガイド91を設けるように構成されている。
滑車ユニット90は、滑車52から垂下される牽引コード51(牽引コード51a,51b)を、右方向に寄せるように機能する。即ち、滑車ユニット90を介して垂下げされる牽引コード51は、鉛直方向から所定角度を為して(若干斜めに)、コードストッパ装置70に挿通され、これによりコードストッパ装置70の回転ドラム74aに対して、常時安定して、より当接するようになる。尚、滑車ユニット11,12と同一の形態とすることができる。また、滑車ユニット90の代わりに、例えば棒状の部材とすることもできる。したがって、滑車ユニット90、或いは同等の作用・効果を生じさせる部材は、コードストッパ装置70に対して、鉛直方向から所定角度を為して所定のコード(本例では、牽引コード51)を挿入させる傾斜挿入手段として機能する。
コードガイド91は、図17に示すように、牽引コード51a,51bのうちいずれか一方を挿通し、他方を非挿通とすることで、牽引コード51a,51bがヨレない状態でコードストッパ装置70に挿通されるように機能する。本例では、コードガイド91は、壁面に打ち付け可能なU字状ピンの金具で構成されているが、樹脂材料で構成して取付ネジで固定框8に取り付ける構成とすることや、滑車ユニット90の下方にコードガイド91が位置するよう、滑車ユニット90とコードガイド91を一体化させた構成とすることもできる。尚、牽引コード51を3本以上とするときなど複数本で構成するときは、当該複数本の牽引コード51の各々を区分けしてコードストッパ装置70に挿入させるようにするのが好適である。したがって、U字状ピンで構成されるコードガイド91、或いは同等の作用・効果を生じさせる部材又は機能部は、複数本の所定のコード(本例では、牽引コード51a,51b)の各々を区分けしてコードストッパ装置70に挿入させる案内手段として機能する。
以下、本実施形態の作用・効果について、より詳細に説明する。図18は、図17と対比可能な態様で、図1に示す実施形態における全閉時の状態例を示すことにより、図16に示す間仕切り装置の効果を説明する図である。図18を参照するに、滑車52から垂下される牽引コード51(牽引コード51a,51b)を、直接、コードストッパ装置70に挿通する態様では、全閉時にリンク片60(蝶番)が畳み込まれた状態では、リンク片60(蝶番)と牽引コード51が接触し、牽引コード51が接触した状態となると、コードストッパ装置70の滑車76側に負荷がかかることや、コードストッパ装置70の回転ドラム74aに当接する面積が安定化せず、更には、牽引コード51a,51bに弛みやヨレが生じてしまうなど、コードストッパ装置70による牽引コード51の係止力が不安定になってしまうおそれがある。
そこで、図17に示しているように、コードストッパ装置70を通過する牽引コード51が、コードストッパ装置70の滑車76側でなく回転ドラム74a側に、固定框8(垂直に設置)よりも若干斜めに挿入されるように滑車ユニット90を設けることで、コードストッパ装置70による牽引コード51の係止力がより安定化するようになる。また、この斜めの状態がカーテン本体14の開閉状態に関係なく維持されるため、牽引コード51の位置を一定に保つことができ、コードストッパ装置70による牽引コード51の係止力が常時安定化するようになる。このように、牽引コード51は鉛直方向でなく、操作側に少し斜めにした状態でコードストッパ装置70に挿通させることが望ましい。これにより、リンク片60(蝶番)が牽引コード51と接触しても、コードストッパ装置70への牽引コード51の挿通位置は一定となり、コードストッパ装置70の動作が確実に実施されるようになる。
また、複数本の牽引コード51a,51bの各々を区分け挿通するU字状ピン等のコードガイド91を設けることで、牽引コード51a,51bの弛みやヨレを確実に防止することが可能となり、コードストッパ装置70による牽引コード51に対する係止力の不安定要素となりうる要因を解消することができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、スプリング73や圧縮バネ73aの形態は、同様な作用効果を生じる形態であれば如何なる態様でもよい。また、第1及び第2実施形態においてスプリング73を2箇所に設ける例を説明したが、1箇所でもよい。
また、前述の実施形態の例では、ガイド溝747、スライダ71、ドラム74の各中心軸や案内軸、及びクラッチ機構72の形状について、特定の形態について説明したが、同様な作用効果を生じる形態であれば如何なる態様でもよい。
また、回転ドラム74の各軸部の形状も同様な作用効果を生じる形態であれば如何なる態様でもよい。