JP6687178B1 - 自動車骨格部材 - Google Patents

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Abstract

第一の鋼板10と第二の鋼板20と、第一の鋼板10と第二の鋼板20との界面を接合する第一の溶接金属部40とを備え、第一の鋼板10の引張強さは1.0GPa以上1.6GPa以下であり、第二の鋼板20の引張強さは1.8GPa以上2.5GPa以下であり、第一の鋼板10は溝部18を備え、第二の鋼板20は溝部18に重ね合わされ、第二の鋼板20の第一の溶接金属部40の周囲4mm以内の領域の最低ビッカース硬度は、第二の鋼板20の前記領域の外側の硬度の80%以上である、自動車骨格部材1。

Description

本開示は、自動車骨格部材に関する。
近年、自動車の排気ガスに含まれる二酸化炭素の排出量削減や、燃費向上のため、車体の軽量化が求められている。車体の更なる軽量化を実現するには、例えば、高い強度が必要な箇所の板厚を厚くし、高い強度が必要のない箇所の板厚を薄くするなどして部材形状の最適化を図ることが望ましい。
また、自動車の骨格部材においては、強度のさらなる向上が求められるとともに、衝突時に車体骨格内部を保護するのに必要な衝撃吸収特性のさらなる向上も求められる。
下記特許文献1には、自動車の骨格部材において、本体部材に対し、部分的にレインフォース部材を重合した状態で溶接し、高強度と軽量化を両立する技術が記載されている。また、下記特許文献2には、第一のブランクと第二のブランクを溶接した後、熱間プレス成型する技術が記載されている。
日本国特開2013−71532号公報 日本国特開2013−189173号公報
しかしながら、部材同士を溶接した場合、溶接部の溶接金属部の周辺領域においては、溶接の際の入熱によって、母材とは特性、組織が変化することが知られている。当該周辺領域は、熱影響部(HAZ;Heat Affected Zone)と呼ばれる。
上記特許文献1に記載の技術においては、本体部材とレインフォース部材とのHAZにおける強度低下は考慮されておらず、強度向上の観点から改善の余地があるという問題があった。また、骨格部材に求められる衝撃吸収特性についても改善の余地があるという問題があった。
また、上記特許文献2に記載の技術においては、熱間プレス成型により、HAZにおける強度の改善は期待できるが、部材同士の接合強度において、さらなる改善の余地がある。
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、溶接部を含めた部材全体の強度の向上と衝撃吸収特性の向上をさらに高いレベルで両立させ、さらに、部材同士の接合強度を改善することが可能な、新規かつ改良された骨格部材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示によれば、
第一の鋼板と第二の鋼板と、前記第一の鋼板と前記第二の鋼板との界面を接合する第一の溶接金属部とを備え、
前記第一の鋼板の引張強さは1.0GPa以上1.6GPa以下であり、
前記第二の鋼板の引張強さは1.8GPa以上2.5GPa以下であり、
前記第一の鋼板は溝部を備え、
前記第二の鋼板は前記溝部に重ね合わされ、
前記第二の鋼板の前記第一の溶接金属部の周囲4mm以内の領域の最低ビッカース硬度は、前記第二の鋼板の前記領域の外側の硬度の80%以上である、
自動車骨格部材が提供される。
前記第一の溶接金属部のビッカース硬度は400以上540以下であってもよい。
前記第一の鋼板は前記溝部の外側にフランジ部を備え、
第三の鋼板と、前記第三の鋼板と前記フランジ部との界面を接合する第二の溶接金属部とを備え、
前記第三の鋼板の引張強さは0.45GPa以上、1.6GPa以下であっても良い。
本開示によれば、骨格部材全体の強度の向上と衝撃吸収特性の向上をさらに高いレベルで両立させ、さらに、部材同士の接合強度を改善することが可能な自動車骨格部材が提供される。
本開示の第一の実施形態に係る自動車骨格部材の一例を示す斜視図である。 同実施形態に係る自動車骨格部材の強度比と、第二の鋼板の引張強さとの関係を示すグラフである。 同実施形態に係る自動車骨格部材の一例を示すX−Z平面断面図である。 同実施形態に係る溶接部の一例を示す拡大図である。 従来例に係る溶接部の硬度変化を示すグラフである。 同実施形態に係る溶接部の硬度変化の一例を示すグラフである。 第一の溶接金属部の引張せん断強さを測定する試験の説明図である。 第一の溶接金属部の引張せん断強さを測定した試験の結果を示すグラフである。 同実施形態に係る自動車骨格部材のその他の例を示す斜視図である。 同実施形態に係る自動車骨格部材の製造方法の一例を示す図である。 同実施形態に係る自動車骨格部材の適用される可能性のある自動車骨格部品を示す図である。 Bピラーとして本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す外観斜視図である。 図11AにおけるII−II’断面図である。 Bピラーとして本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す外観斜視図である。 図12AにおけるIII−III’断面図である。 ルーフレールとして本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す外観斜視図である。 ルーフレールとして本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す外観斜視図である。 サイドシルとして、本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す外観斜視図である。 図14AにおけるV−V’断面図である。 リアサイドメンバーとして、本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す分解斜視図である。 図15AにおけるVI−VI’断面図である。 フロアメンバーとして本実施形態に係る自動車骨格部材が適用される一例を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第一の実施形態>
[骨格部材の外観例]
まず、図1を参照して、本開示の第一の実施形態に係る自動車骨格部材1の概略構成について説明する。なお、以下では、「自動車骨格部材」を省略して「骨格部材」と呼ぶことがある。
図1は、本実施形態に係る骨格部材1の一例を示す斜視図である。図1に示すように、骨格部材1は、一例として、図1に示すY方向を長手方向として延在され、短手方向に沿った断面(X−Z平面)視で、Z方向が開口された矩形状となっている部材である。特に、骨格部材1は、短手方向に沿った断面(X−Z平面)視で略ハット形状を有している。骨格部材1は、第一の鋼板10と第二の鋼板20とが、重ね合わされている。第一の鋼板10と第二の鋼板20とは、複数の第一の溶接金属部40を介して溶接されて一体化されている。
第一の鋼板10は、図1におけるX−Z平面断面視で、略ハット形状に形成された部材であって、骨格部材1の外形を成している。第一の鋼板10は、第一の天壁部11と、第一の天壁部11から第一の屈曲部13を介して屈曲された第一の縦壁部15と、第一の縦壁部15の第一の天壁部11側とは反対側の端部から外方へ屈曲されたフランジ部17とを有する。第一の鋼板10は、第一の天壁部11の両側に第一の屈曲部13を介して屈曲された第一の縦壁部15を有することにより構成される溝部18を備えている。また、第一の鋼板10は、溝部18の両外側に配置されたフランジ部17を備えている。
なお、フランジ部17が板状部材(図示せず、後述する第三の鋼板としての板状部材30に相当)と溶接されることによって、骨格部材1は、閉断面形状とすることができる。ここで、図1におけるX−Z平面断面とは、第一の屈曲部13の稜線に垂直な面である。第一の屈曲部13の稜線は、第一の天壁部11の外表面を延在させた仮想面と、第一の縦壁部15の外表面を延在させた仮想面との交線を稜線とする。
第二の鋼板20は、図1におけるX−Z平面断面視で、一方が開口された矩形状に形成されている。第二の鋼板20は、第二の天壁部21と、第二の天壁部21から第二の屈曲部23を介して延在された第二の縦壁部25とを有する。第二の鋼板20は、第一の鋼板10の略ハット形状の内側壁面に重ね合わせて取り付けられて、補強部材として機能する。すなわち、第二の鋼板20が第一の鋼板10の略ハット形状の内側に重ね合わせて取り付けられていることで、骨格部材1の板厚を増やすことができ、骨格部材1全体としての強度が向上する。
第二の鋼板20は、第一の鋼板10の長手方向において、部分的に設けられてもよい。また、第二の鋼板20は、第一の鋼板10の長手方向(図1におけるY方向)に亘って延在されて、設けられてもよい。また、第二の鋼板20は、第一の鋼板10の略ハット形状の外側壁面に設けられてもよい。
第二の鋼板20は、図1におけるX−Z平面断面視で、一方が開口された矩形状に限定されない。例えば、断面L字形状の部材であってもよい。この場合、第二の鋼板20は、第一の鋼板10の第一の屈曲部13の曲げ内側または曲げ外側に、取り付けられる。
第二の鋼板20は溝部18において第一の鋼板10に重ね合わされていればよく、次のいずれの場合でも良い。第二の鋼板20が、第一の鋼板10の第一の天壁部11と両側の第一の縦壁部15の内側または外側に配置される場合。第二の鋼板20が、第一の鋼板10の第一の天壁部11と片方のみの第一の縦壁部15の内側または外側に配置される場合。第二の鋼板20が、第一の鋼板10の第一の天壁部11、第一の縦壁部15の何れかの内側または外側に配置される場合。
第一の鋼板10を構成する材料としては、引張強さで1.0GPa以上、1.6GPa以下の鋼板が挙げられる。また、第一の鋼板10を構成する材料としては、引張強さで1.5GPa以下の鋼板が望ましい。さらに、第一の鋼板10を構成する材料として、引張強さで1.35GPa以下の鋼板が望ましい。なお、本開示でいう第一の鋼板10の引張強さは、後に説明するホットスタンプ工法による硬度制御が行われたのちの引張強さである。第一の鋼板10に使用される鋼板の板厚としては、0.9〜2.3mm程度が挙げられる。また、第一の鋼板10に用いられる鋼板中の炭素成分を0.23質量%以下とすることができる。さらには、第一の鋼板10に用いられる鋼板中の炭素成分を0.16質量%以下とすることができる。鋼板中の炭素成分を低く抑えることで、第一の溶接金属部40の靱性低下を抑制できる。
第二の鋼板20を構成する材料としては、引張強さで1.8GPa以上、2.5GPa以下の鋼板が挙げられる。溶接性の観点では、引張強さが2.15GPa以下が更に望ましい。なお、本開示でいう第二の鋼板20の引張強さは、後に説明するホットスタンプ工法による硬度制御が行われたのちの引張強さである。なお、引張試験サンプルが採取できない場合、引張強さはビッカース硬さを変換して用いてもよい。硬さの変換はJISの硬さ変換表(SAE J 417 1983年改定)を用いればよい。硬さ変換表にない引張強さ2.15GPaはHv618、2.5GPaはHv720とみなす。第二の鋼板20に使用される鋼板の板厚としては、0.9〜2.6mm程度が挙げられる。第二の鋼板20に用いられる鋼材中の炭素成分は、補強材としての強度を確保するために、例えば0.27%以上0.38%以下とすることができる。
第一の鋼板10と第二の鋼板20とは、同一の板厚であってもよく、異なる板厚であってもよい。異なる板厚の場合は、骨格部材1の外形を成す第一の鋼板10を薄い板厚とし、一方、補強部材としての第二の鋼板20を比較的厚くすることで、強度を確保しつつ骨格部材1を全体として軽量化することができる。
[第一の溶接金属部の周辺領域の硬度]
図2を参照して、第二の鋼板20による骨格部材1の強度向上効果について具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る骨格部材1の曲げ強度比と、第二の鋼板20の引張強さとの関係を示すグラフである。図2において、第二の鋼板20の鋼板を、第一の鋼板10に用いられる鋼板の強度クラスの上限である、引張強さが1.6GPaの鋼板とした場合の、骨格部材1の曲げ強度を1として比較対象としている(図2中の白丸)。このとき、第二の鋼板20として、引張強さが1.8GPaの鋼板を用いた場合、骨格部材1の曲げ強度比は、1.15程度の値を示す。すなわち、第二の鋼板20の鋼板を、引張強さが1.8GPa以上とすることで、骨格部材1全体としての強度が向上する。また、第二の鋼板20として、引張強さが2.0GPaの鋼板を用いた場合、骨格部材1の曲げ強度比は、1.23程度の値を示す。さらに、第二の鋼板20として、引張強さが2.5GPaの鋼板を用いた場合、骨格部材1の曲げ強度比は、1.45程度の値を示す。
このように、第二の鋼板20として、引張強さが1.8GPa以上の鋼板を用いることで、第一の鋼板10として、1.6GPa以下の鋼板を使用しても、骨格部材1の全体の強度を向上させることができる。
一方、第二の鋼板20の引張強さが高くなりすぎると、後述するように、第一の溶接金属部40の硬度が高くなりすぎ、第一の鋼板10と第二の鋼板20との接合強度が低下してしまう恐れがある。そのため、第二の鋼板20の引張強さは、2.5GPa以下とする。
次に、図3を参照して、閉断面に形成された骨格部材1のX−Z平面の断面形状について説明する。図3は、本実施形態に係る骨格部材1の一例を示すX−Z平面の断面図であり、図1におけるI−I’断面図である。ただし、図3に示すように、本実施形態に係る骨格部材1は、第一の鋼板10のフランジ部17が、第三の鋼板としての板状部材30に溶接されることで、閉断面に形成されている。骨格部材1の閉断面の内側には、第二の鋼板20が、設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10と溶接されている。板状部材30(第三の鋼板)とフランジ部17との界面は第二の溶接金属部41によって接合されている。
本実施形態では、第一の溶接金属部40は、第一の鋼板10の第一の天壁部11と第二の鋼板20の第二の天壁部21との界面において、形成されている。また、第一の溶接金属部40は、第一の鋼板10の第一の縦壁部15と第二の鋼板20の第二の縦壁部25との界面において、形成されている。なお、第一の溶接金属部40は、第一の天壁部11と第二の天壁部21との界面または、第一の縦壁部15と第二の縦壁部25との界面の少なくともいずれか一方に形成されていればよい。
第一の溶接金属部40は、X−Z平面において、第一の天壁部11と第二の天壁部21との界面または、第一の縦壁部15と第二の縦壁部25との界面に沿って複数個所に形成されてもよい。また、第一の溶接金属部40は、図1に示すように、骨格部材1の長手方向(図1のY方向)に沿って、複数個所に形成されてもよい。また、第一の溶接金属部40は、点状だけではなく、C字状、コの字状、楕円状、所定の長さを有する線状、ジグザグ状に設けられてもよい。
なお、骨格部材1を閉断面に形成する場合、第二の溶接金属部41は、フランジ部17と板状部材30との界面の任意の位置とすることができ、点状、C字状、コの字状、楕円状、所定の長さを有する線状、ジグザグ状などとすることができる。
第一の溶接金属部40および第二の溶接金属部41は、公知の技術である種々の接合技術を適用することにより、形成され得る。第一の溶接金属部40および第二の溶接金属部41を形成する方法の一例として、スポット溶接、レーザ溶接、スポット溶接とレーザ溶接の併用が挙げられる。
次に、図4と図5A、図5Bを参照して、本実施形態に係る第一の溶接金属部40とその周囲の熱影響部について説明する。図4は、本実施形態に係る第一の溶接金属部40の一例を示す拡大図である。図4に示すように、第一の溶接金属部40は、第一の鋼板10と第二の鋼板20とが重ね合わされた界面において、第一の鋼板10の母材と第二の鋼板20の母材とが、互いに溶融凝固して、形成された部分である。すなわち、第一の鋼板10と第二の鋼板20とが、第一の溶接金属部40によって、互いに重ね合わされた界面で溶接されている。
ここで、従来、溶接により母材同士が溶融凝固した領域(いわゆるナゲット部)の周辺領域においては、溶接の際の入熱によって、母材とは特性、組織が変化することが知られている。当該周辺領域は、熱影響部(HAZ;Heat Affected Zone)と呼ばれる。溶接対象の部材がマルテンサイト組織を含む鋼板である場合には、この熱影響部での入熱に伴う温度上昇により、部分的に焼き戻し軟化が生じる。この結果、熱影響部での硬度が母材に対して低下する場合がある。このような熱影響部での硬度低下は、溶接後の部材が荷重を受けた場合の破断の起点となり、部材全体の強度に大きく影響する可能性がある。
本発明者らは、特に溶接対象となる部材が、異なる引張強さを有する高張力鋼板である場合、強度の違いによって、熱影響部における硬度差の影響が大きくなることを見出した。すなわち、比較的強度の高い鋼板においては、元々の母材の硬度が十分高いので、熱影響部の硬度低下幅が大きくなる傾向にある。一方、強度が低い鋼板では、熱影響部での硬度低下幅は、強度の高い鋼板に比べれば、低く抑えられる。従って、互いに強度の異なる部材同士が溶接された場合、より強度の高い鋼板側の熱影響部での硬度低下が、相対的に著しいものとなる。さらに、部材の補強を目的として、強度の異なる部材同士の溶接がされた場合、補強分を見越して、より大きな荷重の生じる条件で使用されることが想定される。そのような場合には、熱影響部での硬度低下は、部材全体の強度により大きな影響を与える可能性がある。
実際の溶接部での硬度変化について、図5Aを参照して説明する。図5Aは、従来例に係る溶接部及びその周辺の硬度変化の一例を示すグラフである。溶接部の硬度測定条件としては、以下の通りである。
骨格部材の第一の溶接金属部の近傍を含む試料の板面に垂直な断面を採取し、測定面の試料調製を行い、硬度試験に供する。測定面の調製方法は、JIS Z 2244に準じて実施する。#600から#1500の炭化珪素ペーパーを使用して測定面を研磨した後、粒度1μmから6μmのダイヤモンドパウダーをアルコール等の希釈液や純水に分散させた液体を使用して鏡面に仕上げ、ピクラールで腐食しナゲットを出現させる。硬度試験は、JIS Z 2244に記載の方法で実施する。測定面が調製された試料に対し、ビッカース硬度試験機を用いて、硬度の測定が実施される。試料断面における、第一の鋼板10と第二の鋼板20との重ね合わせ面から0.2mmの位置において、第一の溶接金属部の全域から母材側までに亘って、荷重1kgfで、測定ピッチ0.25mmで硬度を測定する。図4の連続したドット50に測定箇所を模式的に示す。
各測定点での硬度を、第一の溶接金属部40(ナゲットに相当)の中心位置を原点とした場合の距離に応じてプロットしたのが、図5Aのグラフである。
図5Aに示すように、第一の溶接金属部40の硬度は、第一の鋼板10の硬度と第二の鋼板20の硬度とのほぼ平均値であり、例えば500Hv程度である。また、第一の鋼板10の母材側の硬度は、例えば400Hv程度である。また、第二の鋼板20の母材側の硬度は、例えば600Hv程度である。
ここで、母材側の硬度とは、溶接条件により定まる第一の溶接金属部40からの熱影響による特性変化がない領域(第一の溶接金属部40から十分に離れた位置)における硬度の平均値である。母材側の硬度は、溶接前の各部材の有する硬度と同程度の値となる。また、第一の溶接金属部の硬度とは、第一の溶接金属部40(ナゲット)における硬度の平均値を指す。
図5Aに示すように、上述の通り、第一の鋼板10および第二の鋼板20のいずれも、第一の溶接金属部40の周辺に存在する熱影響部61において、硬度が部分的に低下している。熱影響部61の範囲は、第一の溶接金属部40の端部より4mm外側までの範囲内にある。
ここで、部分的に硬度が低下した部分とは、硬度変化の測定結果において、硬度低下によるピークを示す部分であり、測定誤差等の変化を除いた有意な硬度低下を指す。具体的には、例えば、絶対値で25Hv以上の硬度低下を指す。
第一の鋼板10の熱影響部61における硬度は、第一の鋼板10の母材の硬度から部分的に大きく低下している(X=約3mm〜4mm、X=約−4mm〜−3.5mmの位置)。硬度差の絶対値は、最大で80Hv程度である。
第二の鋼板20の熱影響部61における硬度は、第二の鋼板20の母材の硬度から部分的に大きく低下している(X=約3mm〜5mm、X=約−5.5mm〜−3.5mm)。硬度差の絶対値は、最大で200Hv程度である。
これらの第一の鋼板10および第二の鋼板20での硬度低下が、部材全体の強度に大きな影響を与える可能性がある。特に、第二の鋼板20における硬度低下が、部材全体の強度に大きな影響を与える可能性がある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、第一の溶接金属部40周辺における硬度低下を抑制することを想到した。特に、本発明者らは、第一の溶接金属部40の入熱による影響を低減するための後述する所定の処理を行って、本実施形態に係る第一の溶接金属部40の周辺領域の硬度を制御した。
以下に、図5Bを参照しながら、本実施形態に係る溶接部(第一の溶接金属部40およびその周辺)の硬度変化について説明する。図5Bは、本実施形態に係る第一の溶接金属部40およびその周辺の硬度変化の一例を示すグラフである。硬度測定の条件は、図5Aの場合と同様である。
図5Bに示すように、第一の溶接金属部40の硬度、第一の鋼板10の母材側の硬度および、第二の鋼板20の母材側の硬度は、いずれも図5Aの場合と同程度である。
ここで、上述の通り、本実施形態に係る第一の溶接金属部40の周辺においては、溶接時の入熱による硬度低下などの影響を低減する処理がされる。その結果、第一の溶接金属部40の周辺には、従来の熱影響部61の代わりに、熱影響部61に対応する周辺領域62が存在する。当該周辺領域62の範囲は、第一の溶接金属部40の周縁に沿って、第一の溶接金属部40の端部より4mm外側までの範囲とする。
第一の溶接金属部40の端部は、上述した第一の溶接金属部40の硬度測定条件における腐食処理によって視認できる第一の溶接金属部40の境界線を指す。具体的に、溶接方法がスポット溶接の場合は、第一の溶接金属部40と母材との境界である。また、レーザ溶接の場合は、第一の溶接金属部40の幅方向端部の境界である。
図5Bに示すように、本実施形態に係る第一の鋼板10の周辺領域62における硬度は、第一の鋼板10の母材の硬度に対し、部分的に大きく低下していない。換言すれば、本実施形態に係る第一の鋼板10の周辺領域62における硬度の下限値は、第一の鋼板10の母材の硬度以上となっている。
また、図5Bに示すように、本実施形態に係る第二の鋼板20の周辺領域62における硬度は、第二の鋼板20の母材の硬度に対し、部分的に大きく低下していない。すなわち、第二の鋼板20の周辺領域62における硬度は、600Hv程度であり、第二の鋼板20の母材の硬度と同等となっている。具体的に、図5Bに示すように、本実施形態に係る第二の鋼板20の周辺領域62における硬度の下限値と、第二の鋼板20の母材との硬度差は、絶対値で100Hv以下に収まっている。
さらに、第二の鋼板20の周辺領域62の硬度の下限値と第二の鋼板20の母材の硬度の関係について把握するため、周辺領域62の硬度の下限値と第二の鋼板20の母材の硬度との割合が、周辺領域62における破断の発生に与える影響について調査した。
調査のための実験条件は以下の通りである。サイズが1.6t×25mm×200mmの引張強さが1.3GPaの鋼板からなる第一試験片の中央部に、サイズが1.3t×25mm×25mmの引張強さが1.8GPaの鋼板からなる第二試験片を重ね合わせてスポット溶接し、引張試験片を複数作成した。各試験片に対してスポット溶接後に、適宜条件を変えながら加熱処理をし、周辺領域62における硬度の下限値/母材硬度(%)の異なる試験片とした。これらの試験片について引張試験を速度10mm/minで実施し、破断後に破断面を観察して、破断態様を評価した。以下の表1に結果をまとめた。
Figure 0006687178
表1に示すように、第二の鋼板20の周辺領域62における硬度の下限値(最低ビッカース硬度)が、第二の鋼板20の母材の硬度に対して80%より小さい値となる場合、骨格部材1に衝撃荷重が加えられると、周辺領域62において破断が生じた。一方、第二の鋼板20の周辺領域62における硬度の下限値が、第二の鋼板20の硬度に対して、80%以上である場合、骨格部材1に衝撃荷重が加えられても、周辺領域62において破断が生じなかった。
従って、本実施形態に係る第二の鋼板20の周辺領域62における硬度の下限値(最低ビッカース硬度)が、第二の鋼板20の母材の硬度に対して、80%以上とされることで、骨格部材1全体として、強度が向上することが分かった。特に、第二の鋼板20の周辺領域62の硬度の下限値(最低ビッカース硬度)が、第二の鋼板20の母材の硬度に対して、90%以上とされてもよい。以上、周辺領域62の硬度の下限値と第二の鋼板20の硬度との割合が、周辺領域62における破断の発生に与える影響について説明した。
本実施形態に係る第一の溶接金属部40と母材との間の熱影響部61、周辺領域62の硬度の制御は、公知の技術である種々の表面処理、表面加工または熱処理技術を適用することにより行われる。硬度制御の方法の一例として、後述する、溶接後のホットスタンプ工法による硬度制御が挙げられる。
[第一の溶接金属部の硬度]
また、第二の鋼板20の周辺領域62における硬度の下限値(最低ビッカース硬度)を制御することに加えて、第一の溶接金属部40のビッカース硬度が所定の範囲内とされることも重要である。すなわち、第一の溶接金属部40では、第一の鋼板10と第二の鋼板20が溶融して凝固するため、第一の溶接金属部40の硬度は、第一の鋼板10の硬度と第二の鋼板20の硬度とのほぼ平均値と推定できる。
上述したように、骨格部材1の全体の強度を向上させるためには、補強部材として用いる第二の鋼板20の引張強さが高ければ高いほど有効である。しかしながら、第一の溶接金属部40の硬度は、第一の鋼板10の硬度と第二の鋼板20の硬度とのほぼ平均値となるため、第二の鋼板20の引張強さが高くなると、比例して第一の溶接金属部40の硬度も高くなる関係にある。その結果、第一の溶接金属部40の硬度が高くなりすぎて靭性が劣化し、骨格部材1に外力が加わった際に、第一の溶接金属部40が破断してしまう心配がある。
そこで、本開示では、第二の鋼板20の引張強さが2.5GPa以下とされることにより、第一の溶接金属部40の硬度が高くなりすぎることによる靭性の劣化が回避される。
図6に示すように、いずれも平板状の第一の鋼板10と第二の鋼板20とを第一の溶接金属部40で接合した。第一の溶接金属部40の直径(ナゲット径)は6.3mmである。そして、第一の鋼板10と第二の鋼板20とを互いに引っ張り、引張せん断強さ(kN)を測定した。結果を表2、図7に示す。
Figure 0006687178
第一の溶接金属部40における靭性の劣化の指標として、引張せん断強さが20.0kNを合格ラインとした。第一の溶接金属部40の硬度が400〜540の範囲にあるマークD、E、F、Gでは、引張せん断応力が20.0kN以上となり、合格ラインを満足した。一方、第一の溶接金属部40の硬度が400未満であるマークA、B、C、および、第一の溶接金属部40の硬度が540を超えるマークH、Iでは、引張せん断応力が20.0kN未満となった。
(作用効果)
本実施形態によれば、比較的強度の低い鋼板からなる第一の鋼板10と、比較的強度の高い鋼板からなる第二の鋼板20とを溶接し、骨格部材1として強度を向上しつつ、さらに第一の溶接金属部40において硬度低下を回避したので、強度の高い鋼板による補強効果を十分に発揮することができる。さらに、本実施形態において、従来の熱影響部に代わり、第一の溶接金属部40の端部より4mm外側までの領域における硬度の変化を制御した。この結果、第一の溶接金属部40の周辺に熱影響部の強度低下域が生じないため、衝突時に強度低下域を起点に部材が破断することなく、第一の鋼板10と第二の鋼板20との溶接による強度向上効果を最大限に発揮させることができる。
本実施形態によれば、骨格部材1の外形部分が、比較的強度の低い第一の鋼板10で形成されている。この結果、骨格部材1に衝撃荷重が入力された場合に、骨格部材1が破断せずに大きく変形するので、衝撃吸収エネルギを大きくすることができる。
本実施形態によれば、第二の鋼板20の引張強さが2.5GPa以下とされることにより、第一の溶接金属部40の硬度が400〜540の範囲となり、靭性が向上する。このため、第一の鋼板10と第二の鋼板20との接合強度が増し、骨格部材1に衝撃荷重が入力された場合においても、第一の鋼板10と第二の鋼板20との接合状態を維持できる。このため、骨格部材1が破断せずに大きく変形することができるので、衝撃吸収エネルギをより大きくすることができる。
[変形例]
次に、本実施形態に係る骨格部材1の変形例について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る骨格部材1のその他の例を示す斜視図である。本変形例は、上述した実施形態と、第二の鋼板20の第二の縦壁部25の端縁の形状で相違する。なお、本変形例のその他の構成は、上述の実施形態と共通するので説明は省略する。
図8に示すように、本変形例において、第一の鋼板10は、図6におけるX−Z平面断面視において略ハット形状を有する。第二の鋼板20は、X−Z平面断面視で、一方が開口された矩形状を有している。第二の鋼板20は、第一の鋼板10の内側壁面に取り付けられている。
第二の鋼板20は、第二の縦壁部25の端縁が、骨格部材1の長手方向(Y方向)に沿って交互に凹凸を繰り返す波型形状となっている。すなわち、第二の鋼板20において、第二の縦壁部25の延在方向(Z方向)長さが周期的に変化している。第二の縦壁部25の凸の部分には、第一の溶接金属部40が形成され、第一の溶接金属部40を介して第一の鋼板10と第二の鋼板20とが溶接されている。
本変形例では、第二の鋼板20の第二の縦壁部25の端縁が凹凸を有するので、凹部の分だけ軽量化を図ることができる。さらに、第二の鋼板20の第二の縦壁部25の凸部に第一の溶接金属部40が形成されているので、凹部により長手方向からの応力の伝達が分断されて、第一の溶接金属部40への応力集中が軽減される。以上、本実施形態に係る骨格部材1の変形例について説明した。
[ホットスタンプ工法]
次に、図9を参照しながら、本実施形態に係る骨格部材1の製造方法の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る骨格部材の製造方法の一例を示す図である。図9に示すように、まず、第一の鋼板10と、第二の鋼板20とが、ブランク材(平板部材)として用意される。続いて、第一の鋼板10と第二の鋼板20とが、第一の溶接金属部40を介して、互いに溶接される。第一の溶接金属部40を介して一体化された第一の鋼板10と第二の鋼板20とから成るブランク材は、加熱炉において、約900℃のオーステナイト領域まで加熱される。その後、ブランク材は、ホットスタンプ工法により、所定の形状に成形されるとともに、焼き入れされて、骨格部材1が形成される。この時、加熱・焼き入れ工程により第一の溶接金属部40の熱影響部の硬度が所定の範囲内に制御される。続いて、ショットブラストが施され、鋼板表面のスケールが除去される。なお、鋼板において、アルミ系めっき、亜鉛系めっきなど、めっき処理が施されている場合は、ショットブラスト工程は不要である。
一般に、焼き入れ後の引張強さが1.6GPa以下の鋼板は、熱間プレス材用鋼板(ホットスタンプ工法に用いられる鋼板)には採用されないことが多い。なぜなら、引張強さ1.6GPa以下の領域では冷間高強度鋼板を冷間プレスする方法が、経済的に有利だからである。引張強さが1.5GPa以下、更には、1.35GPa以下であれば、熱間プレス材用鋼板はなおさら採用されない。
自動車等の骨格部材の剛性を部分的に高めるために、剛性を高める箇所に、第一の鋼板に第二の鋼板を重ね合わせることが行われている。このとき、焼き入れされた(熱間プレスされた)鋼板同士を重ね合わせて溶接すると、溶接金属部の周囲が軟化する。すなわち、溶接金属部の周囲にHAZ軟化部が出現する。HAZ軟化部があると、自動車等の骨格部材に荷重が付与されたとき、HAZ軟化部から骨格部材が壊れやすくなる。これを避けるために、本開示では、あらかじめ第一の鋼板10と第二の鋼板20を重ね合わせて溶接することで作成した熱間プレス用鋼板を予め用意しておき、熱間プレス(ホットスタンプ)する。これにより、溶接したときに生じたHAZ軟化部を、熱間プレス(ホットスタンプ)時の焼入れで消失させることができる。
但し、HAZ軟化部を消失させたとしても、焼き入れ後において第一の溶接金属部40の硬度が高すぎると、自動車等の骨格部材1に荷重が付与されたとき、第一の溶接金属部40が破断し、骨格部材1が壊れやすくなる。これを避けるに、本開示では、第一の溶接金属部40が焼入れされても硬度が高くなりすぎないように、第一の鋼板10の引張強さを比較的低くするとともに、第二の鋼板20の引張強さに上限を設定した。焼き入れ後(ホットスタンプされた後)の第一の鋼板10の引張強さが1.0GPa〜1.6GPa、焼き入れ後(ホットスタンプされた後)の第二の鋼板20の引張強さが1.8GPa〜2.6GPaの組み合わせであれば、第一の溶接金属部40の硬度が高くなりすぎるのを避けることができる。すなわち、通常はホットスタンプには使用されない引張強さが1.6GPa以下になる鋼板を、第一の溶接金属部40に使用すれば、第一の溶接金属部40の硬度が高くなりすぎるのを避けることができる。引張強さが1.5GPa以下、更には、1.35GPa以下であれば、より高い効果を示す。
なお、焼き入れ後(ホットスタンプされた後)の第一の溶接金属部40の硬さがビッカース硬度で400〜540Hvであれば望ましい。
[第三の鋼板との関係]
本開示の骨格部材1は、先に図3で説明したように、閉断面に形成されていても良い。閉断面とする場合、第三の鋼板としての板状部材30が、第一の鋼板10のフランジ部17に溶接される。このため、第一の鋼板10のフランジ部17と板状部材30との界面に、第二の溶接金属部41が存在する。
通常、第一の鋼板10のフランジ部17と板状部材30との溶接は、熱間プレス(ホットスタンプ)の後に行われる。そのため、第一の鋼板10のフランジ部17および板状部材30において、第二の溶接金属部41の近傍に熱影響部(HAZ;Heat Affected Zone)が出現する。
しかしながら、先に図5Aにも示したように、第一の鋼板10の引張強さは1.0GPa〜1.6GPaと比較的低い値であるため、第一の鋼板10においては、HAZによる強度低下の影響は少なくできる。また同様に、第三の鋼板としての板状部材30の引張強さを0.45〜1.6GPaと比較的低い値とすることにより、板状部材30においても、HAZによる強度低下の影響は少なくできる。より好適には板状部材30の引張強さは、0.6〜1.35GPaであり、最適には0.6〜1.25GPaである。
なお、板状部材30は一般にクロージングプレートとも呼ばれる。板状部材30(クロージングプレート)は引張強さが低くても骨格部材1全体の性能(初期荷重,衝撃エネルギー吸収性能)は下がりにくい。また、第一の鋼板10と板状部材30に、比較的引張強さの低い、炭素含有量の低い鋼板を用いることで、第一の鋼板10のフランジ部17と板状部材30との溶接も良好となり、両者間の接合強度が向上する。
本実施形態によれば、骨格部材1の外形部分を比較的強度の低い第一の鋼板10で形成し、第一の鋼板10のフランジ部17で板状部材30に溶接されて、骨格部材1が閉断面として形成される。第一の鋼板10の強度が比較的低く設定されているから、フランジ部17の溶接における熱影響部での硬度低下を軽減できる。この結果、第一の鋼板10と板状部材30との溶接強度を高めることができる。すなわち、骨格部材1において、第一の鋼板10と板状部材30との溶接箇所を起点とした破壊の発生を抑制することができ、骨格部材1の強度を向上させることができる。
[本開示の実施形態に係る骨格部材の適用例]
以上、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明した。ここから、図10〜図15Cを参照して本開示の実施形態に係る骨格部材の適用例について説明する。図10は、本開示実施形態に係る骨格部材1が適用される一例としての自動車骨格100を示す図である。骨格部材1は、キャビン骨格または衝撃吸収骨格として自動車骨格100を構成し得る。キャビン骨格としての骨格部材1の適用例は、ルーフセンタリンフォース201、ルーフレール203、Bピラー207、サイドシル209、トンネル211、Aピラーロア213、Aピラーアッパー215、キックリーンフォース227、フロアクロスメンバ229、アンダーリーンフォース231、フロントヘッダ233等が挙げられる。
また、衝撃吸収骨格としての骨格部材1の適用例は、リアサイドメンバー205、エプロンアッパメンバ217、バンパリーンフォース219、クラッシュボックス221、フロントサイドメンバー223等が挙げられる。
図11Aは、Bピラー207aとして本実施形態に係る骨格部材1が適用される一例を示す外観斜視図である。また、図11Bは、図11AにおけるII−II’断面図である。図10および図11Aに示すように、Bピラー207aは、車両の側面において、前部座席と後部座席の間でフロアとルーフの間を結合する柱状部材である。Bピラー207aにおいて、本実施形態に係る骨格部材1が、フロアとルーフを結合する部分に使用される。
図11Bに示すように、Bピラー207aは、断面視で略ハット形状の第一の鋼板10のフランジ部が第三の鋼板としての相手部材70に溶接されることで、閉断面に形成されている。Bピラー207の閉断面の内側には、断面視で一方が開口した矩形状の第二の鋼板20が設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の内側壁面に溶接されている。相手部材70は、一例として、板幅方向に沿った断面視で両端にフランジ部と、各フランジ部に隣接するとともに閉断面外側へ突出した2つの突出部とを有している。さらに、相手部材70において、2つの突出部間を平板部が接続している。
Bピラー207aは、第一の鋼板10側が車体外側となり、相手部材70側が車体内側となるように、配置されている。なお、Bピラー207aの車体外側には、第一の鋼板10を外方から覆う、第四の部材としてのカバー部材がさらに設けられてもよい。
続いて、図12Aは、Bピラー207bとして本実施形態に係る骨格部材1が適用されるその他の例を示す外観斜視図である。また、図12Bは、図12AにおけるIII−III’断面図である。図12Aおよび図12Bに示すように、Bピラー207bは、断面視で略ハット形状の第一の鋼板10のフランジ部が第三の鋼板としての相手部材70に溶接されることで、閉断面に形成されている。Bピラー207bの閉断面の外側には、断面視で一方が開口した矩形状の第二の鋼板20が、設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の外側壁面に溶接されている。なお、図12Aに示される形態では、第一の鋼板10の下部は、第一の鋼板10より引張強さの低い第四の鋼板71とレーザで突き合わせ溶接72された構造となっている。これにより、側面衝突時にBピラー207bの下部である第四の鋼板71が変形することで、衝突エネルギーが効率よく吸収される。第一の鋼板10と第四の鋼板71は、例えばテーラードブランク材(TWB)をプレス成形したものである。なお、第一の鋼板10と第四の鋼板は、部分的に重ね合わされスポット溶接されていても良い。
その他の構成は、図11Aおよび図11Bに示したBピラー207aと同様であるので、説明は省略する。なお、図11Aに示したBピラー207aについても、第一の鋼板10の下部は図12Aと同様に、第一の鋼板10より引張強さの低い第四の鋼板と溶接されていてもよい。
続いて、図13Aは、ルーフレール203として本実施形態に係る骨格部材1が適用される一例を示す外観斜視図である。また、図13Bは、図13AにおけるIV−IV’断面図である。図10および図13Aに示すように、ルーフレール203は、車体前後方向に延在された、ルーフの車体幅方向の側部を形成している柱状部材である。本実施形態に係る骨格部材1が、ルーフレール203に適用される。
図13Bに示すように、ルーフレール203は、断面視で略C字形状の第一の鋼板10の端部が第三の鋼板としての相手部材70に溶接されることで、閉断面に形成されている。ルーフレール203の閉断面の内側には、断面視で一方が開口した矩形状の第二の鋼板20が、設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の内側壁面と溶接されている。
ルーフレール203は、第一の鋼板10側が車体外側となり、相手部材70側が車体内側となるように配置されている。相手部材70は、一例として、板幅方向の複数箇所で曲げられて、板幅方向に沿った断面視で閉断面外側へ凸となる湾曲形状とされている。また、相手部材70には、幅方向の一端が屈曲され、フランジ部が形成されている。なお、車体外側には、第一の鋼板10を外方から覆う、第四の部材としてのカバー部材80がさらに設けられてもよい。
続いて、図14Aは、サイドシル209として、本実施形態に係る骨格部材1が適用される一例を示す外観斜視図である。また、図14Bは、図14AにおけるV−V’断面図である。図10および図14Aに示すように、サイドシル209は、車体側面の下部にあって車体前後方向に延在された柱状部材である。本実施形態に係る骨格部材1が、サイドシル209に適用される。
図14Bに示すように、サイドシル209は、断面視で略ハット形状の第一の鋼板10のフランジ部が第三の鋼板としての相手部材70に溶接されることで、閉断面に形成されている。サイドシル209の閉断面の内側には、断面視でL字形状に形成された第二の鋼板20が設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の屈曲部の内側壁面と溶接されている。
サイドシル209は、第一の鋼板10側が、車体外側となり、相手部材70側が車体内側となるように、配置されている。相手部材70は、断面視で略ハット形状に形成されている。なお、車体外側には、第一の鋼板10を外方から覆う、第四の部材としてのカバー部材80がさらに設けられてもよい。
続いて、図15Aは、リアサイドメンバー205として、本実施形態に係る骨格部材1が適用される一例を示す分解斜視図である。また、図15Bは、図15AにおけるVI−VI’断面図である。また、図15Cは、フロアメンバー237として本実施形態に係る骨格部材が適用される一例を示す断面図である。フロアメンバー237は、車体下面において、車体前後方向又は車体幅方向に延在され、フロアを形成する柱状部材である。リアサイドメンバー205は、特に車体後方において、フロアを形成する柱状部材である。本実施形態に係る骨格部材1が、リアサイドメンバー205または、フロアメンバー237に適用される。
図15Aおよび図15Bに示すように、断面視で略ハット形状の第一の鋼板10の内側には、断面視で一方が開口した矩形状の第二の鋼板20が、設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の内側壁面と溶接されている。
また、図15Cに示すように、フロアメンバー237は、第一の鋼板10のフランジ部が第三の鋼板としての相手部材70に溶接されることで、閉断面に形成されている。フロアメンバー237の閉断面の内側には、第二の鋼板20(フロントサイドメンバーキック部からつながる部材)が、設けられている。第二の鋼板20は、第一の溶接金属部40を介して、第一の鋼板10の内側壁面と溶接されている。また、相手部材70は、断面視で略ハット形状に形成されている。さらに、第一の鋼板10と相手部材70との間には、板状部材30(フロアーパネル)がさらに設けられている。なお、相手部材70を外方から覆う、第四の部材としてのカバー部材がさらに設けられてもよい。
以上説明したように、骨格部材1がキャビン骨格または衝撃吸収骨格として使用されることで、骨格部材1は十分な耐荷重を有するので、衝突時の変形を低減できる。また、骨格部材1は、変形能も向上されており、自動車骨格100へ側面衝突等の入力があった場合にも十分な変形により衝撃を吸収し、骨格内部を保護することができる。以上、本開示の実施形態に係る骨格部材の適用例について説明した。
本実施形態に係る骨格部材1の特性を評価するために、本実施形態に係る骨格部材1を実際に作成し、様々な観点から特性評価を行った。骨格部材1の断面構成は図3に示すものとし、骨格部材1の高さ(図3におけるZ方向)は60mm、骨格部材1の幅(図3におけるX方向)は80mm、骨格部材1の長さ(図中3におけるY方向)は800mmとした。実施例は、第一の鋼板10として1.2GPaの鋼板を使用し、第二の鋼板20として1.8GPaの鋼板を使用し、第一の鋼板10と第二の鋼板20とを所定の条件でスポット溶接したブランク材を、略ハット形状にホットスタンプ工法で成形した。さらに、略ハット形状のフランジ部17を板状部材30と溶接し、閉断面の骨格部材1とした。
比較例1は、骨格部材1の外形を成す部材および、補強部材として1.8GPaの鋼板を使用した。まず各部材をホットスタンプ工法により、略ハット形状に成形してから、スポット溶接し、一体化した。さらに、略ハット形状のフランジ部を板状部材と溶接して閉断面の骨格部材とした。
比較例2は、単一の1.8GPaの鋼板を略ハット形状に成形し、フランジ部において部分焼き戻しを行って、硬度を低減した。さらに、ハット形状の部材をフランジ部において板状部材と溶接し、閉断面の骨格部材とした。なお、板材部材には780MPa級の鋼板を用いた。
これらの骨格部材について、溶接部周辺の硬度を測定した。また、骨格部材の両端に曲げモーメントを付与する圧壊試験を実施した。表3に評価結果をまとめた。
Figure 0006687178
表3に示すように、比較例1は、二つの部材を溶接したことで、骨格部材としての剛性は十分であり、OK評価となった。一方、比較例1は、二つの部材間の接合強度の観点からは、スポット溶接時の入熱により、第一の溶接金属部40の周辺の熱影響部の硬度低下が生じ、接合強度は十分な値が得られず、NG評価となった。また、比較例1において、略ハット形状のフランジ部と板状部材とを溶接したところ、第一の溶接金属部40の周辺の熱影響部での硬度低下と第一の溶接金属部40の強度低下が著しく、NG評価となった。これは、比較例1での略ハット形状部材が1.8GPaの鋼板から成り、熱影響部の軟化が著しいこと、鋼板中の炭素成分が比較的高いことから第一の溶接金属部40の脆化が大きいことが原因と考えられる。また、比較例1において、略ハット形状部材の縦壁部は、1.8GPaの鋼板であり、高強度であるが、変形能が小さいため、大きく変形せずに縦壁部で割れが発生し、NG評価となった。
また、比較例2は、単一の部材を略ハット形状に成形したので、剛性は不十分であり、NG評価となった。また、比較例2は、単一の部材であるため、部材間の接合強度は評価できなかった。比較例2において、略ハット形状のフランジ部と板状部材とを溶接したところ、フランジ部を部分的に焼き戻したことにより、溶接金属部の周辺において局所的な硬度の低下を避けることができ、OK評価となった。比較例2において、略ハット形状の縦壁部は、1.8GPaの鋼板であり、高強度であるが、変形能が小さいため、大きく変形せずに縦壁部で割れが発生し、NG評価となった。
実施例は、二つの部材を溶接したことで、骨格部材1全体としての剛性は十分であり、OK評価となった。また、実施例は、二つの部材間の接合強度の観点からは、第一の溶接金属部40の周辺領域62の硬度変化を所定の範囲内に設定したので、硬度低下が生じておらず、接合強度は十分な値となり、OK評価となった。また、実施例において、第一の鋼板10と板状部材30とを溶接したところ、フランジ部17は、1.2GPaの鋼板であり、フランジ部17での第二の溶接金属部41の周囲の熱影響部での硬度低下を軽減することができた。また、第一の鋼板10は、比較的炭素成分が少ないことから、フランジ部17での第二の溶接金属部41の靱性低下を抑制することができた。従って、板状部材30との接合強度は低下せず、OK評価となった。実施例において、第一の縦壁部15も、1.2GPaの鋼板であり、変形能が大きいため、衝撃荷重に対して大きく変形し、衝撃吸収エネルギが大きかったことから、OK評価となった。このように、本実施形態に係る骨格部材1が、種々の観点から高い性能を有することが示された。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、フランジ部17が板状部材30に溶接されるとしたが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、フランジ部17を介さず、第一の縦壁部15の端部が直接溶接されるようにしてもよい。また、例えば、板状部材30ではなく、相手部材がフランジ部を有する断面ハット形状の部材であって、本実施形態に係る骨格部材1のフランジ部17が、相手部材のフランジ部と溶接されてもよい。板状部材30は、一例として、板厚が0.6mm〜2.6mm、引張強さが270MPa〜1600MPaの1枚以上の成形された鋼板が挙げられる。板状部材30の鋼板表面は、非めっきでもよく、亜鉛系めっき、アルミ系めっき等のめっき処理がされていてもよい。また、溶接法としてはスポット溶接、レーザ溶接、アーク溶接、スポット溶接とレーザ溶接の併用、スポット溶接とアーク溶接の併用、スポット溶接とボルト、ねじ、リベットなどの機械的接合の併用、スポット溶接とシーラー剤もしくは接着剤の併用が挙げられる。また、このときの第二の溶接金属部41は、点状だけではなく、C字状、コの字状、楕円状、所定の長さを有する線状、ジグザグ状に設けられてもよい。
1 骨格部材
10 第一の鋼板
11 第一の天壁部
13 第一の屈曲部
15 第一の縦壁部
17 フランジ部
18 溝部
20 第二の鋼板
21 第二の天壁部
23 第二の屈曲部
25 第二の縦壁部
30 板状部材(第三の鋼板)
40 第一の溶接金属部
41 第二の溶接金属部
62 周辺領域(領域)
70 相手部材(第三の鋼板)

Claims (3)

  1. 第一の鋼板と第二の鋼板と、前記第一の鋼板と前記第二の鋼板との界面を接合する第一の溶接金属部とを備え、
    前記第一の鋼板の引張強さは1.0GPa以上1.6GPa以下であり、
    前記第二の鋼板の引張強さは1.8GPa以上2.5GPa以下であり、
    前記第一の鋼板は溝部を備え、
    前記第二の鋼板は前記溝部に重ね合わされ、
    前記第二の鋼板の前記第一の溶接金属部の周囲4mm以内の領域の最低ビッカース硬度は、前記第二の鋼板の前記領域の外側の硬度の80%以上である、
    自動車骨格部材。
  2. 前記第一の溶接金属部のビッカース硬度は400以上540以下である請求項1の自動車骨格部材。
  3. 前記第一の鋼板は前記溝部の外側にフランジ部を備え、
    第三の鋼板と、前記第三の鋼板と前記フランジ部との界面を接合する第二の溶接金属部とを備え、
    前記第三の鋼板の引張強さは0.45GPa以上、1.6GPa以下である、
    請求項1又は2の自動車骨格部材。
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