JP6686127B2 - 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム - Google Patents

内視鏡用光源装置及び内視鏡システム Download PDF

Info

Publication number
JP6686127B2
JP6686127B2 JP2018500242A JP2018500242A JP6686127B2 JP 6686127 B2 JP6686127 B2 JP 6686127B2 JP 2018500242 A JP2018500242 A JP 2018500242A JP 2018500242 A JP2018500242 A JP 2018500242A JP 6686127 B2 JP6686127 B2 JP 6686127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
light source
optical path
emitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018500242A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017142095A1 (ja
Inventor
邦彦 尾登
邦彦 尾登
文香 横内
文香 横内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Publication of JPWO2017142095A1 publication Critical patent/JPWO2017142095A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6686127B2 publication Critical patent/JP6686127B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/06Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor with illuminating arrangements
    • A61B1/0655Control therefor

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Description

本発明は、被写体に光を照射する内視鏡用光源装置及び内視鏡システムに関する。
照射光の分光強度特性を変化させ、特殊な画像を撮影することが可能な内視鏡システムが知られている。例えば特開2009−165889号公報(以下、「特許文献1」と記す。)に、この種の内視鏡システムに使用される光源装置の具体的構成が記載されている。
特許文献1に記載の内視鏡システムは、キセノンランプと、キセノンランプから射出された照射光の波長帯域を制限する複数の帯域切替フィルタを搭載した光源装置を備えている。帯域切替フィルタは、可視光帯域の光を透過させる通常光観察用フィルタ、赤外領域の光のみを透過させる赤外観察用フィルタ、可視光帯域の光のうち、特定の波長帯域の光を透過させる特殊光観察用フィルタを有している。これらの複数の帯域切替フィルタの1つを照射光の光路に挿入することにより、被写体に照射する照射光の分光強度特性を切り替えることができる。例えば、通常光観察用フィルタを照射光の光路に挿入すると、白色の通常光によって被写体が照明され、通常のカラー撮影画像を得ることができる。また、特殊光観察用フィルタを照射光の光路に挿入すると、生体内の被写体のうち、特定の組織を強調した撮影画像を得ることができる。
特許文献1に記載の光源装置では、光源としてキセノンランプを使用している。一方、近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の固体発光素子の高輝度化が進んでおり、より寿命の長い固体発光素子を光源として使用したいという需要がある。固体発光素子の波長帯域はキセノンランプに比べて狭い。そこで、例えば、青色のLED光を射出するLEDと黄色の蛍光を発する蛍光体を組み合わせて擬似的な白色光を生成している。しかし、このようにLEDと蛍光体を組み合わせるだけでは、通常光の分光強度分布は可視光帯域でフラットとならず、撮影された被写体の撮影画像の色再現性が悪いという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固体発光素子を光源として使用し、被写体の撮影画像の色再現性を向上可能な内視鏡用光源装置及び内視鏡システムを提供することである。
本発明の一実施形態に係る内視鏡用光源装置は、第1の固体発光素子、第1及び第2の蛍光体を有し、第1の固体発光素子から射出される第1の波長帯域の光、第1の蛍光体から発せられる第1の蛍光、及び第2の蛍光体から発せられ、第1の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第2の蛍光を含む照射光を射出する光源部と、照射光のうち特定の波長帯域の光のみを透過させる少なくとも1つの波長制限フィルタと、波長制限フィルタを、照射光の光路に対して挿抜可能に支持するフィルタ挿抜手段と、を備える。この構成において、フィルタ挿抜手段により波長制限フィルタが照射光の光路に挿入されると、照射光が、第1の波長帯域の光と第2の蛍光を含む光にフィルタリングされて内視鏡に供給される。また、フィルタ挿抜手段により波長制限フィルタが照射光の光路から抜去されると、照射光が波長制限フィルタによってフィルタリングされることなく内視鏡に供給される。
このような構成によれば、波長制限フィルタを照射光の光路に挿抜することにより、照射光を、可視光帯域において広い波長帯域を有する通常光と、通常光と比較して狭い波長帯域を有する特殊光との間で切り替えることができる。また、内視鏡用光源装置は、第1の固体発光素子と2つの蛍光体を有しているため、通常光の分光強度分布が可視光帯域においてフラットに近づけられる。これにより、色再現性の高い撮影画像を得ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る内視鏡用光源装置は、所定の撮像周期と同期して回転するターレットを更に備える構成としてもよい。この場合、波長制限フィルタは、夫々異なる分光透過特性を持つ複数の波長制限フィルタを含む。また、ターレットには、複数の波長制限フィルタが周方向に並べて配置されている。ターレットが回転することによって照射光の光路に各波長制限フィルタが順に挿入されると、該照射光が、順次、該光路上に挿入された波長制限フィルタに応じてフィルタリングされて内視鏡に供給される。
また、本発明に一実施形態において、光源部は、例えば、第2の固体発光素子を更に有する。この場合、照射光は、第2の固体発光素子から射出される第2の波長帯域の光を更に含む。
また、本発明に一実施形態において、光源部は、例えば、励起光を射出する励起用固体発光素子を更に有する。この場合、第1の蛍光体は、第1の固体発光素子から射出される第1の波長帯域の光によって励起され、第2の蛍光体は、励起用固体発光素子から射出される励起光によって励起される。
また、本発明に一実施形態において、第1の蛍光体及び第2の蛍光体は、例えば、第1の固体発光素子から射出される第1の波長帯域の光によって励起される。
また、本発明に一実施形態において、第1の蛍光体及び第2の蛍光体は、例えば、第2の固体発光素子から射出される第2の波長帯域の光によって励起される。
また、本発明に一実施形態において、光源部は、例えば、第1の蛍光のピーク波長及び第2の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の蛍光を発する第3の蛍光体を更に有する。この場合、照射光は、第3の蛍光を更に含む。
また、本発明に一実施形態において、光源部は、例えば、第1の固体発光素子と第1の蛍光体を有する第1の光源ユニットと、第2の蛍光体を有する第2の光源ユニットと、第1の光源ユニットから射出された光の光路と第2の光源ユニットから射出された光の光路を合成することにより、照射光を内視鏡に供給する光路合成手段と、を更に備える。
また、本発明に一実施形態において、第1の光源ユニットは、例えば、第1の蛍光体を第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して挿抜可能に支持する蛍光体挿抜手段を更に有する。この場合、フィルタ挿抜手段により波長制限フィルタが照射光の光路に挿入されると、蛍光体挿抜手段は第1の蛍光体を第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去し、フィルタ挿抜手段により波長制限フィルタが照射光の光路から抜去されると、蛍光体挿抜手段は第1の蛍光体を第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入する。
また、本発明に一実施形態に係る内視鏡システムは、上記の内視鏡用光源装置と内視鏡とを備える。
本発明の一実施形態によれば、固体発光素子を光源として使用し、被写体の撮影画像の色再現性を向上可能な内視鏡用光源装置及び内視鏡システムが提供される。
本発明の第1の実施形態に係る電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る波長制限フィルタの分光透過特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る波長制限フィルタの分光透過特性を示す図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の第5の実施形態の変形例に係る波長制限フィルタの分光透過特性を示す図である。 本発明の第5の実施形態の変形例に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。 本発明の別の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。 本発明の別の実施形態に係る内視鏡用光源装置に備えられる回転式ターレットの構成を示す図である。 550nm付近を拡大したヘモグロビンの吸収スペクトルである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として内視鏡用光源装置を備える電子内視鏡システムを例に取り説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置201を備えた電子内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、電子内視鏡システム1は、医療用に特化されたシステムであり、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ300を備えている。
プロセッサ200は、システムコントローラ21及びタイミングコントローラ22を備えている。システムコントローラ21は、メモリ23に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡システム1全体を統合的に制御する。また、システムコントローラ21は、操作パネル24に接続されている。システムコントローラ21は、操作パネル24より入力される術者からの指示に応じて、電子内視鏡システム1の各動作及び各動作のためのパラメータを変更する。術者による入力指示には、例えば電子内視鏡システム1の観察モードの切替指示がある。観察モードには、通常観察モード、特殊観察モードがある。各観察モードについての詳細は後述する。タイミングコントローラ22は、各部の動作のタイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡システム1内の各回路に出力する。
プロセッサ200は、光源装置201を備えている。図2に、本発明の第1の実施形態に係る光源装置201のブロック図を示す。光源装置201は、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112を備えている。第1、第2の光源ユニット111、112はそれぞれ、第1、第2光源駆動回路141、142によって個別に発光制御される。
本実施形態では、光源装置201がプロセッサ200内に備えられているが、別の実施形態では、光源装置201は、プロセッサ200(より正確には、画像処理装置を構成する部分)と別体の装置であってもよい。
第1の光源ユニット111は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)111aと、青色蛍光体111bとを有している。青色蛍光体111bは、紫色LED111aから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長430〜550nm)の蛍光を発する。
青色蛍光体111bは、蛍光体挿抜機構151により、光路上に挿抜可能に支持されている。詳しくは、青色蛍光体111bは、観察モードに応じて、紫色LED111aから射出された紫色LED光の光路に挿入又は抜去される。図2に実線で示すように、青色蛍光体111bが紫色LED光の光路上に挿入されている場合、青色蛍光体111bは青色の蛍光を発する。これにより、光源ユニット111からは、紫色LED光と青色の蛍光の両方が射出される。また、図2に点線で示すように、青色蛍光体111bが紫色LED光の光路から抜去されている場合、青色蛍光体111bは励起されず、蛍光を発しない。そのため、光源ユニット111からは、紫色LED光のみが射出される。
第2の光源ユニット112は、青色の波長帯域(例えば、波長が420〜480nm)の光を射出する青色LED112aと、黄色蛍光体112bとを有している。黄色蛍光体112bは、青色LED112aから射出された青色LED光によって励起され、黄色の波長帯域(例えば、波長が420〜700nm)の蛍光を発する。黄色蛍光体112bは青色LED112aの発光面上に取り付けられており、青色蛍光体111bとは異なり、青色LED光の光路上に挿抜可能ではない。
各光源ユニット111、112の光の射出方向の前方にはそれぞれ、コリメートレンズ121、122が配置されている。第1の光源ユニット111から射出された光は、コリメートレンズ121によって平行光に変換され、ダイクロイックミラー131に入射される。また、第2の光源ユニット112から射出された光は、コリメートレンズ122によって平行光に変換され、ダイクロイックミラー131に入射される。ダイクロイックミラー131は、第1の光源ユニット111から射出された光の光路と、第2の光源ユニット112から射出された光の光路とを合成する。詳しくは、ダイクロイックミラー131は、波長520nm付近にカットオフ波長を有しており、カットオフ波長よりも短い波長の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長の光を反射する特性を有している。そのため、第1の光源ユニット111から射出された紫色LED光や青色の蛍光はダイクロイックミラー131を透過する。また、第2の光源ユニット112から射出された黄色の蛍光はダイクロイックミラー131で反射される。これにより、第1の光源ユニット111から射出された光と第2の光源ユニット112から射出された光の光路が合成される。ダイクロイックミラー131によって光路が合成された光は、照射光Lとして波長制限フィルタ161に向かって射出される。
波長制限フィルタ161は、特定の波長帯域の光のみを透過させる特性を有する。図3は、波長制限フィルタ161の分光透過特性T161を示している。図3に示されるグラフの横軸は波長(nm)を示し、縦軸は透過率を示している。図3に示すように、波長制限フィルタ161は、波長415nm付近(より詳細には390nm〜430nm)及び波長550nm付近(より詳細には520nm〜580nm)の光に対する透過率は略1(100%)であり、それ以外の波長帯域の光に対する透過率は略0(0%)である。
波長制限フィルタ161は、フィルタ挿抜機構171によって、照射光Lの光路に対して挿抜可能支持されている。電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、図2に点線で示すように、波長制限フィルタ161は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ161で波長が制限されることなく、光源装置201から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、図2に実線で示すように、波長制限フィルタ161は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置201から射出される。
図4は、光源装置201のうち、各光源ユニット111、112、ダイクロイックミラー131、波長制限フィルタ161のみを概念的に示したブロック図である。青色蛍光体111bは、紫色LED111aとは別体であるため、図4において、青色蛍光体111bと紫色LED111aは、別々のブロックで示されている。一方、黄色蛍光体112bは、青色LED112aの発光面に取り付けられており、青色LED112aと一体に構成されているため、図4において、黄色蛍光体112bと青色LED112aは、一つのブロックで示されている。
また、ダイクロイックミラー131は、波長の異なる光の光路を合成するものである。そのため、図4において、ダイクロイックミラー131は、加算記号「+」で示されている。図4において、各光源ユニット111、112の前方に配置されたコリメートレンズ121、122は省略されている。
図4において、各矢印は光の光路を示している。図4に示す例では、第1の光源ユニット111の紫色LED111aから射出された紫色LED光と、青色蛍光体111bが発した青色の蛍光が同一の光路で射出される。また、第2の光源ユニット112の青色LEDから射出された青色LED光と、黄色蛍光体が発した黄色の蛍光が同一の光路で射出される。第1の光源ユニット111から射出された光の光路と第2の光源ユニット112から射出された光の光路は、ダイクロイックミラー131で合成される。ダイクロイックミラー131で光路が合成された光は、光源装置201から、照射光Lとして射出される。
図1に示すように、光源装置201から射出された照射光Lは、集光レンズ25によりLCB(Light Carrying Bundle)11の入射端面に集光されてLCB11内に入射される。
LCB11内に入射された照射光Lは、LCB11内を伝播する。LCB11内を伝播した照射光Lは、電子スコープ100の先端に配置されたLCB11の射出端面から射出され、配光レンズ12を介して被写体に照射される。配光レンズ12からの照射光Lによって照射された被写体からの戻り光は、対物レンズ13を介して固体撮像素子14の受光面上で光学像を結ぶ。
固体撮像素子14は、ベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子14は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の画像信号を生成して出力する。なお、固体撮像素子14は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。固体撮像素子14はまた、補色系フィルタを搭載したものであってもよい。
電子スコープ100の接続部内には、ドライバ信号処理回路15が備えられている。ドライバ信号処理回路15には、配光レンズ12からの光によって照射された被写体の画像信号がフレーム周期で固体撮像素子14から入力される。フレーム周期は、例えば、1/30秒である。ドライバ信号処理回路15は、固体撮像素子14から入力される画像信号に対して所定の処理を施してプロセッサ200の前段信号処理回路26に出力する。
ドライバ信号処理回路15はまた、メモリ16にアクセスして電子スコープ100の固有情報を読み出す。メモリ16に記録される電子スコープ100の固有情報には、例えば、固体撮像素子14の画素数や感度、動作可能なフレームレート、型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路15は、メモリ16から読み出された固有情報をシステムコントローラ21に出力する。
システムコントローラ21は、電子スコープ100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ21は、生成された制御信号を用いて、プロセッサ200に接続されている電子スコープ100に適した処理がなされるようにプロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
タイミングコントローラ22は、システムコントローラ21によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路15にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路15は、タイミングコントローラ22から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子14をプロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。
前段信号処理回路26は、ドライバ信号処理回路15から1フレーム周期で入力される画像信号に対してデモザイク処理、マトリックス演算、Y/C分離等の所定の信号処理を施して、画像メモリ27に出力する。
画像メモリ27は、前段信号処理回路26から入力される画像信号をバッファし、タイミングコントローラ22によるタイミング制御に従い、後段信号処理回路28に出力する。
後段信号処理回路28は、画像メモリ27から入力される画像信号を処理してモニタ表示用の画面データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、被写体の画像がモニタ300の表示画面に表示される。
本実施形態の電子内視鏡システム1は、通常観察モードと特殊観察モードを含む複数の観察モードを有している。各観察モードは、観察する被写体によって手動又は自動で切り替えられる。例えば、被写体を通常光で照明して観察したい場合は、観察モードが通常観察モードに切り替えられる。なお、通常光は、例えば、白色光や擬似白色光である。白色光は可視光帯域においてフラットな分光強度分布を有する。擬似白色光は、分光強度分布はフラットではなく、複数の波長帯域の光が混色されている。また、例えば、被写体を特殊光で照明することによって特定の生体組織が強調された撮影画像を得たい場合は、観察モードが特殊観察モードに切り替えられる。
なお、特殊光は、例えば、鮮鋭なピークを特定波長に持つ狭帯域光であって、特定の生体組織に対して吸光度の高い光である。特定波長の光には、例えば、表層血管に対して吸光度の高い415nm付近(例えば415±5nm)の光、表層よりも深い中層の血管に対して吸光度の高い550nm付近(例えば550±5nm)の光、中層よりも深い深層の血管に対して吸光度の高い650nm付近(例えば650±5nm)の光が挙げられる。なお、波長の長い光ほど生体組織への深達度が深くなる。そのため、415nm付近、550nm付近、650nm付近の狭帯域光の順に、深達する層域が深くなっている。以下では、特殊観察モードで強調される生体組織が、表層血管である場合について主に説明する。
表層血管内にはヘモグロビンを含む血液が流れている。ヘモグロビンは、波長415nm付近と550nm付近に吸光度のピークを有することが知られている。そのため、被写体に対して表層血管を強調するのに適した特殊光(具体的には、他の波長帯域よりもヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が高い光)を照射することにより、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。波長550nm付近の強度が高い特殊光は、表層血管に対しても比較的高い吸光度を持っている。言い換えると、波長550nm付近の強度が高い特殊光も表層血管の強調表示に寄与する。そのため、波長415nm付近の光と共に、ヘモグロビンの吸光度のもう一つのピークとなる波長550nm付近の強度が高い特殊光を照射することにより、表層血管が強調された状態を維持しつつ、撮影画像の輝度を明るくすることができる。
すなわち、特殊観察モードでは、特定波長にピークを持つ狭帯域光(特殊光)を用いることにより、通常観察モードでは観察することが難しい血管(表層や中層、深層等の各層域の血管)の走行状態を明瞭に把握するのに適した狭帯域観察を行うことができる。狭帯域観察を行うことにより、癌等の病変の早期発見に有用な情報が得られる。
図5は、各観察モードにおいて、光源装置201から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。図5(a)は、通常観察モードにおける照射光L(通常光)の分光強度分布を示し、図5(b)は、特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示している。図5に示される分光強度分布の横軸は波長(nm)を示し、縦軸は照射光Lの強度を示している。なお、縦軸は、強度の最大値が1となるように規格化されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体111bが光路上に挿入された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ161は、照射光Lの光路上から抜去される。
第1の光源ユニット111から射出される光の分光強度分布D111は、波長約415nmと波長約470nmにピークを有している。なお本願において、この特定の波長のうち最も強度が高い波長をピーク波長と称する。例えば、強度のピークが2つ以上あった場合には、そのうち最も高い強度を持つ波長をピーク波長という。分光強度分布D111の強度のピークとなる2つの波長はそれぞれ、紫色LED111aから射出される光のピーク波長と、青色蛍光体111bが発する蛍光の分光強度分布のピーク波長である。
第2の光源ユニット112から射出される光の分光強度分布D112は、波長約450nmと波長約600nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、青色LED112aから射出される光の分強度分布のピーク波長と、黄色蛍光体112bが発する蛍光の分光強度分布のピーク波長である。
なお、図5(a)に示す分光強度分布D111は、紫色LED光と青色の蛍光のピーク強度が略同じであるが、本発明はこれに限定されない。第1の光源ユニット111から射出される紫色LED光と青色の蛍光の強度の比率は、青色蛍光体111bの種類や使用量を変更することによって自由に変更することができる。また、図5(a)に示す分光強度分布D112は、青色LED光と比較して黄色の蛍光の強度の比率が大きいが、本発明はこれに限定されない。第2の光源ユニット112から射出される青色LED光と黄色の蛍光の比率は、黄色蛍光体112bの種類や使用量を変更することによって自由に変更することができる。
また、図5(a)に示す分光強度分布D111、D112は、強度の最大値が1に揃えられているが、本発明はこれに限定されない。各光源ユニット111、112から射出される光の強度比は、観察する被写体や撮影モード、術者の好みに応じて任意に設定することができる。
また、図5(a)には、ダイクロイックミラー131のカットオフ波長λ131が点線で示されている。ダイクロイックミラー131は、カットオフ波長λ131が約520nmであり、カットオフ波長λ131よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長λ131以上の波長帯域の光を反射する。そのため、図5(a)に示される分光強度分布D111のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー131を透過し、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー131で反射される。また、図5(a)に示される分光強度分布D112のうち、実線で示されるカットオフ波長λ131以上の波長帯域の光がダイクロイックミラー131で反射され、破線で示されるカットオフ波長λ131よりも波長帯域の光がダイクロイックミラー131を透過する。
これにより、ダイクロイックミラー131で、各光源ユニット111、112から射出された光の光路が合成され、光源装置201からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図5(a)に示す分光強度分布D111、D112のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。
本実施形態では、広い波長帯域を有し、且つ、波長帯域の異なる2つの蛍光体111b、112bを有している。そのため、照射光L(通常光)の分光強度分布は、蛍光体を使用しない場合や、1種類の蛍光体のみを有する場合に比べて、可視光帯域においてフラットに近づく。これにより、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体が照明され、色再現性の高いカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体111bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ161は、照射光Lの光路上に挿入される。
図5(b)には、各光源ユニット111、112から射出される光の強度分布と、波長制限フィルタ161の分光透過特性T161が示されている。光源装置201から照射光L(特殊光)として射出される光は、ダイクロイックミラー131で光路が合成され、且つ、波長制限フィルタ161を透過した光である。そのため、照射光L(特殊光)の分光強度分布は、図5(b)に示す分光強度分布D111、D112のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。
電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体111bが光路上から抜去されることにより、紫色LED111aから射出された光が青色蛍光体111bを励起するために使用されないため、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の強度を高くすることができる。また、波長制限フィルタ161により、第2の光源ユニット112から射出される光のうち、ヘモグロビンの吸光度のもう一つのピークとなる波長550nm付近の光のみが被写体に照射される。これにより、表層血管が強調された状態を維持しつつ、撮影画像の輝度を上げることができる。
また、各光源ユニット111、112から射出された光は、ダイクロイックミラー131によってその光路が合成される。このとき、各光源ユニット111、112から射出される光の波長帯域は互いに異なるため、ダイクロイックミラー131での光路の合成時において、光量の損失を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態では、波長制限フィルタ161を照射光Lの光路上に挿抜することによって、光源装置201から射出される照射光Lの分光強度分布を切り替えている。これにより、プロセッサ200は、所望の照射光Lの分光強度分布に合わせて、複数の光源装置201を有している必要がなく、プロセッサ200の構成の簡素化や小型化が可能である。
なお、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、図5(b)に示すように、分光強度分布D111とD112のピーク強度はいずれも1に揃えられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、特殊観察モードでは、第2の光源ユニット112は、通常観察モード時よりも、駆動電流を小さくし、強度が低くなるように発光駆動されてもよい。これにより、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、より表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
また、本実施形態では、青色蛍光体111bは、蛍光体挿抜機構151により、光路上に挿抜可能に支持されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、青色蛍光体111bは光路上に挿抜可能ではなく、紫色LED111aの発光面上に取り付けられていてもよい。この場合、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、第1の光源ユニット111から青色の蛍光も射出される。しかし、この青色の蛍光は波長制限フィルタ161でカットされるため、青色の蛍光によって表層血管の強調効果が低下してしまうことはない。
なお、本実施形態において用いられる蛍光体には下記のものが例示として挙げられる。大分類として、酸化物系蛍光体と窒化物系蛍光体が挙げられる。
《酸化物系蛍光体》
〈黄色蛍光体〉
・YAl12(イットリウムアルミニウム酸化物)を母体結晶とする黄色蛍光体
〈緑色蛍光体〉
・CaScSi12(カルシウムスカンジウムケイ素酸化物)を母体結晶としてCeを付活させた緑色蛍光体
・CaSc(カルシウムスカンジウム酸化物)を母体結晶としてCeを付活させた緑色蛍光体
《窒化物系蛍光体》
〈赤色蛍光体〉
・母体結晶としてEuを付活させたカルシウムアルミニウムケイ素窒化物(CaAlSiN)にケイ素酸窒化物(SiO)を固溶させた赤色蛍光体
〈その他の蛍光体〉
・母体となるセラミックス結晶に希土類元素等の発光を担う金属イオンを微量添加したサイアロン蛍光体、α型窒化ケイ素(Si)結晶の固溶体であるα−サイアロン蛍光体、窒化カルシウムアルミニウムケイ素(CaAlSiN)蛍光体など
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第2の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
図6は、第2の実施形態に係る光源装置202のうち、光源ユニット、ダイクロイックミラー、波長制限フィルタのみを概念的に示したブロック図である。光源装置202は、第1の光源ユニット211、第2の光源ユニット212、ダイクロイックミラー231、波長制限フィルタ261を備えている。各光源ユニット211、212はそれぞれ、図示省略された第1光源駆動回路、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
第1の光源ユニット211は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LED211aと、青色蛍光体211bとを有している。青色蛍光体211bは、紫色LED211aから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長430〜550nm)の蛍光を発する。青色蛍光体211bは、不図示の蛍光体挿抜機構により、紫色LED211aから射出された紫色LED光の光路に対して挿抜可能に支持されている。
第2の光源ユニット212は、青色の波長帯域(例えば、波長が420〜480nm)の光を射出する青色LED、緑色蛍光体、赤色蛍光体を有している。緑色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。緑色蛍光体と赤色蛍光体は、青色LED光の射出方向に沿って並べて配置されていてもよく、青色LED光の射出方向と垂直な方向に並べて配置されていてもよい。また、緑色蛍光体と赤色蛍光体は、その材料が混ぜ合わせられ、一つの蛍光体として作成されたものであってもよい。
各光源ユニット211、212の射出方向の前方にはそれぞれ、図示省略されたコリメートレンズが配置されている。第1の光源ユニット211から射出された光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー231に入射される。また、第2の光源ユニット212から射出された光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー231に入射される。ダイクロイックミラー231は、第1の光源ユニット211から射出された光の光路と第2の光源ユニット212から射出された光の光路を合成する。ダイクロイックミラー231で光路が合成された光は、照射光Lとして波長制限フィルタ261に向かって射出される。波長制限フィルタ261の分光透過特性は、第1の実施形態の波長制限フィルタ161の分光透過特性と同じである。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ261は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ261で波長が制限されることなく、光源装置202から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ261は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置202から射出される。
図7は、図5と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置202から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図7(b)には、波長制限フィルタ261の分光透過特性T261も示されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体211bが光路上に挿入された上で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ261は、照射光Lの光路上から抜去される。
第1の光源ユニット211から射出される光の分光強度分布D211は、波長約415nmと波長約470nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、紫色LED211aから射出される光の分強度分布のピーク波長と、青色蛍光体211bが発する蛍光の分光強度分布のピーク波長である。
第2の光源ユニット212から射出される光の分光強度分布D212は、波長約450nm、約550nm、約650nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、青色LED光、緑色蛍光体が発する蛍光、赤色蛍光体が発する蛍光の分強度分布のピーク波長である。
また、図7(a)には、ダイクロイックミラー231のカットオフ波長λ231が点線で示されている。ダイクロイックミラー231は、カットオフ波長λ231が約510nmであり、カットオフ波長λ231よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長λ231以上の波長帯域の光を反射する。そのため、図7(a)に示される分光強度分布D211のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231を透過し、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231で反射される。また、図7(a)に示される分光強度分布D212のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231で反射され、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231を透過する。
これにより、ダイクロイックミラー231で、各光源ユニット211、212から射出された光の光路が合成され、光源装置202からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図7(a)に示す分光強度分布D211、D212のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体211bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ261は、照射光Lの光路上に挿入される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
また、第2の光源ユニット212は、緑色と赤色の2つの蛍光体を有している。そのため、電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合の照射光L(通常光)の分光強度分布は、第2の光源ユニット212が1つの蛍光体を有している場合よりも、可視領域においてフラットに近づく。これにより、通常観察モードにおいて、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体を照明することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第3の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
図8は、第3の実施形態に係る光源装置203のうち、光源ユニット、ダイクロイックミラー、波長制限フィルタのみを概念的に示したブロック図である。光源装置203は、第1の光源ユニット311、第2の光源ユニット312、ダイクロイックミラー331、波長制限フィルタ361を備えている。各光源ユニット311、312はそれぞれ、図示省略された第1光源駆動回路、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
第1の光源ユニット311は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDである。第2の光源ユニット312は、蛍光体LED312aと赤色蛍光体312bとを有している。蛍光体LED312aは、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜490nm)の光を射出する青色LEDと、青色LEDの発光面上に取り付けられた緑色蛍光体を有している。この緑色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が460〜600nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体312bは、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体312bは、不図示の蛍光体挿抜機構により、青色LEDから射出される光の光路に対して挿抜可能に支持されている。
各光源ユニット311、312の射出方向の前方にはそれぞれ、図示省略されたコリメートレンズが配置されている。第1の光源ユニット311から射出された紫色LED光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー331に入射される。また、第2の光源ユニット312から射出された光、すなわち、青色LED光と、緑色及び赤色の蛍光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー331に入射される。ダイクロイックミラー331は、第1の光源ユニット311から射出された光の光路と第2の光源ユニット312から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー331で光路が合成された光は、照射光Lとして波長制限フィルタ361に向かって射出される。波長制限フィルタ361の分光透過特性は、第1の実施形態の波長制限フィルタ161の分光透過特性と同じである。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ361は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ361で波長が制限されることなく、光源装置203から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ361は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置203から射出される。
図9は、図5と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置203から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図9(b)には、波長制限フィルタ361の分光透過特性T361も示されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、赤色蛍光体312bが光路上に挿入された上で、光源ユニット311と光源ユニット312の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ361は、照射光Lの光路上から抜去される。
第1の光源ユニット311から射出される光の分光強度分布D311は、約415nmをピーク波長とする急峻な強度分布を有している。第2の光源ユニット312から射出される光の分光強度分布D312は、波長約470nm、約550nm、約630nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、青色LED光、緑色の蛍光、赤色の蛍光の分強度分布のピーク波長である。
また、図9(a)には、ダイクロイックミラー331のカットオフ波長λ331が点線で示されている。ダイクロイックミラー331は、カットオフ波長λ331が約430nmであり、カットオフ波長λ331よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長λ331以上の波長帯域の光を反射する。そのため、図9(a)に示される分光強度分布D311のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー331を透過し、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー331で反射される。また、図9(a)に示される分光強度分布D312のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー331で反射され、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー331を透過する。
このように、ダイクロイックミラー331で、各光源ユニット311、312から射出された光の光路が合成されることにより、光源装置203からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図9(a)に示す分光強度分布D311、D312のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、赤色蛍光体312bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット311と第2の光源ユニット312の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ361は、照射光Lの光路上に挿入される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
また、第2の光源ユニット312は、緑色と赤色の2つの蛍光体を有している。そのため、電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合の照射光L(通常光)の分光強度分布は、第2の光源ユニット312が1つの蛍光体を有している場合よりも、可視領域においてフラットに近づく。これにより、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体を照明することができる。
また、本実施形態では、赤色蛍光体312bは、蛍光体挿抜機構により、光路上に挿抜可能に支持されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、赤色蛍光体312bは光路上に挿抜可能ではなく、青色LEDの発光面上に、緑色LEDと共に、取り付けられていてもよい。この場合、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、第2の光源ユニット312から赤色の蛍光も射出される。しかし、この赤色の蛍光は波長制限フィルタ361でカットされるため、赤色の蛍光によって表層血管の強調効果が低下してしまうことはない。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る光源装置204のうち、光源ユニット、ダイクロイックミラー、波長制限フィルタのみを概念的に示したブロック図である。第4の実施形態にかかる光源装置204も、第1の実施形態に係る光源装置201と同様に、例えば、電子内視鏡システム1において使用される。
図10に示すように、光源装置204は、第1〜第3の光源ユニット411〜413、第1、第2のダイクロイックミラー431、432、波長制限フィルタ461を備えている。各光源ユニット411〜413はそれぞれ、図示省略された第1〜第3光源駆動回路によって個別に発光制御される。
第1の光源ユニット411は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDと、紫色LED光によって励起され、青色(例えば、波長が430〜490nm)の蛍光を発する青色蛍光体を有する。第2の光源ユニット412は、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜470nm)の光を射出する青色LEDと、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、黄色の波長帯域(例えば、波長が500〜720nm)の蛍光を発する黄色蛍光体を有する。第3の光源ユニット413は、赤色の波長帯域(例えば、波長が620〜680nm)の光を射出する赤色LEDである。
各光源ユニット411〜413の射出方向の前方にはそれぞれ、図示省略されたコリメートレンズが配置されている。第1の光源ユニット411から射出された紫色LED光及び青色の蛍光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー431に入射される。また、第2の光源ユニット412から射出された青色LED光及び黄色の蛍光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー431に入射される。ダイクロイックミラー431は、第1の光源ユニット411から射出された光の光路と第2の光源ユニット412から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー431で光路が合成された光は、ダイクロイックミラー432に入射される。
また、第3の光源ユニット413から射出された赤色LED光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー432に入射される。ダイクロイックミラー432は、ダイクロイックミラー431から入射された光の光路と第3の光源ユニット413から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー432で光路が合成された光は照射光Lとして波長制限フィルタ461に向かって射出される。波長制限フィルタ461の分光透過特性は、第1の実施形態の波長制限フィルタ161の分光透過特性と同じである。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ461は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ461で波長が制限されることなく、光源装置204から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ461は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置204から射出される。
図11は、図5と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置204から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図11(b)には、波長制限フィルタ461の分光透過特性T461も示されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、第1〜第3の光源ユニット411〜413が全て発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ461は、照射光Lの光路上から抜去される。
第1の光源ユニット411の分光強度分布D411は、波長約415nm、470nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、紫色LED光と青色の蛍光のピーク波長である。ここで、分光強度分布D411のうち、波長約415nmのピークの高さは、波長約470nmのピークの高さよりも高くなるように設定されている。第2の光源ユニット412の分光強度分布D412は、約450nm、600nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、青色LED光と黄色の蛍光のピーク波長である。第3の光源ユニット413の分光強度分布D413は、約650nmをピーク波長とする急峻な強度分布を有している。
また、図11(a)には、ダイクロイックミラー431、432のカットオフ波長λ431、λ432が点線で示されている。カットオフ波長λ431、λ432はそれぞれ、520nm、630nmである。何れのダイクロイックミラー431、432も、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。このダイクロイックミラー431、432により、各光源ユニット411〜413から射出された光の光路が合成される。なお、第2の光源ユニット412から射出される光のうち、約450nmのピーク波長を有する青色LED光は、カットオフ波長λ431よりも短いため、ダイクロイックミラー431で光路が合成される光には含まれない。
このように、ダイクロイックミラー431、432で、各光源ユニット411〜413から射出された光の光路が合成されることにより、光源装置204からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図11(a)に示す分光強度分布D411〜D413のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、第1の光源ユニット411及び第2の光源ユニット412が発光駆動され、第3の光源ユニット413は発光駆動されない。また、このとき、波長制限フィルタ461は、照射光Lの光路上に挿入される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
なお、電子内視鏡システム1によって撮影される体腔内の生体組織は、通常、血液によって全体的に赤味を帯びている。そのため、特殊観察モード時に赤色の光を生体組織に照射すると、撮影画像全体が赤味を帯び、表層血管の強調効果が得られにくい。本実施形態では、特殊観察モード時に赤色LED(第3の光源ユニット413)は発光駆動されないため、表層血管の強調効果が低減することを防止することができる。
また、第4の実施形態では、第2の光源ユニット412は、黄色蛍光体を有しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の光源ユニット412は、黄色蛍光体の代わりに、550nm付近にピーク波長を有する緑色蛍光体を有していてもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第5の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
図12は、第5の実施形態に係る光源装置205のうち、光源ユニット、ダイクロイックミラー、波長制限フィルタのみを概念的に示したブロック図である。光源装置205は、第1の光源ユニット511、第2の光源ユニット512、ダイクロイックミラー531、波長制限フィルタ561を備えている。各光源ユニット511、512はそれぞれ、図示省略された第1、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
第1の光源ユニット511は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDと、紫色LEDの発光面上に取り付けられた緑色蛍光体及び青色蛍光体を有している。緑色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。青色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜550nm)の蛍光を発する。
第2の光源ユニット512は、赤色の波長帯域(例えば、波長が620〜680nm)の光を射出する赤色LEDである。ダイクロイックミラー531は、第1の光源ユニット511から射出された光の光路と第2の光源ユニット512から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー531で光路が合成された光は、照射光Lとして波長制限フィルタ561に向かって射出される。波長制限フィルタ561の分光透過特性は、第1の実施形態の波長制限フィルタ161の分光透過特性と同じである。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ561は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ561で波長が制限されることなく、光源装置205から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ561は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置205から射出される。
図13は、図5と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置205から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図13(b)には、波長制限フィルタ561の分光透過特性T561も示されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、第1、第2の光源ユニット511、512が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ561は、照射光Lの光路上から抜去される。
第1の光源ユニット511から射出される光の分光強度分布D511は、波長約415nm、約470nm、約550nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、紫色LEDから射出される紫色LED光、青色蛍光体が発する蛍光、緑色蛍光体が発する蛍光のピーク波長である。第2の光源ユニット512から射出される光の分光強度分布D512は、約650nmをピーク波長とする強度分布を有している。
また、図13(a)には、ダイクロイックミラー531のカットオフ波長λ531が点線で示されている。カットオフ波長λ531は620nmである。ダイクロイックミラー531は、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。このダイクロイックミラー531により、第1の光源ユニット511及び第2の光源ユニット512から射出された光の光路が合成され、照射光Lとして射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、第1の光源ユニット511のみが発光駆動され、第2の光源ユニット512は発光駆動されない。また、このとき、波長制限フィルタ561は、照射光Lの光路上に挿入される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第6の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
図14は、第6の実施形態に係る光源装置206のうち、光源ユニット及び波長制限フィルタのみを概念的に示したブロック図である。光源装置206は、光源ユニット611と波長制限フィルタ661を備えている。光源ユニット611は、図示省略された光源駆動回路によって発光制御される。
光源ユニット611は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LED、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体を有している。青色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜550nm)の蛍光を発する。緑色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。光源ユニット611から射出された光は、照射光Lとして波長制限フィルタ661に向かって射出される。波長制限フィルタ661の分光透過特性は、第1の実施形態の波長制限フィルタ161の分光透過特性と同じである。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ661は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ661で波長が制限されることなく、光源装置206から射出される。一方、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ661は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近及び波長550nm付近の光のみが光源装置205から射出される。
図15は、図5と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置206から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図15(b)には、波長制限フィルタ661の分光透過特性T661も示されている。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ661が照射光Lの光路上から抜去された上で、光源ユニット611が発光駆動される。
光源ユニット611から射出される光の分光強度分布D611は、波長約415nm、約470nm、約550nm、約650nmにピークを有している。この4つの波長はそれぞれ、紫色LEDから射出される紫色LED光、青色蛍光体が発する蛍光、緑色蛍光体が発する蛍光、赤色蛍光体が発する蛍光のピーク波長である。光源ユニット611から射出された光は、照射光L(通常光)として被写体に照射される。これにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ661が照射光Lの光路上に挿入された上で、光源ユニット611が発光駆動される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。例えば、上記各実施形態では、固体発光素子としてLEDを想定している。本発明はこれに限定するものではなく、LD(Laser Diode)を固体発光素子として採用することも可能である。
図16は、第3の実施形態の変形例に係る波長制限フィルタの分光透過特性を示している。本変形例では、2つの波長制限フィルタ(波長制限フィルタ361A、361B)が備えられている。図16(a)は、波長制限フィルタ361Aの分光透過特性T361Aを示し、図16(b)は、波長制限フィルタ361Bの分光透過特性T361Bを示している。
図16(a)に示されるように、波長制限フィルタ361Aは、波長415nm付近(より詳細には390nm〜430nm)の光に対する透過率が略1(100%)であり、それ以外の波長帯域の光に対する透過率が略0(0%)である。図16(b)に示されるように、波長制限フィルタ361Bは、波長550nm付近(より詳細には520nm〜580nm)の光に対する透過率が略1(100%)であり、それ以外の波長帯域の光に対する透過率が略0(0%)である。
波長制限フィルタ361A及び361Bは、フィルタ挿抜機構171と同様の挿抜機構により、照射光Lの光路に対して挿抜可能支持されている。本変形例では、3つの観察モード(通常観察モード、第1特殊観察モード、第2特殊観察モード)がある。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ361A及び361Bは、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ361A及び361Bで波長が制限されることなく、光源装置203から射出される。
電子内視鏡システム1が第1特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ361Aは、照射光Lの光路に挿入され、波長制限フィルタ361Bは、照射光Lの光路に挿入されない。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近の光のみが光源装置203から射出される。
電子内視鏡システム1が第2特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ361Bは、照射光Lの光路に挿入され、波長制限フィルタ361Aは、照射光Lの光路に挿入されない。この場合、照射光Lのうち、波長550nm付近の光のみが光源装置203から射出される。
図17は、図5と同様の図であり、本変形例の各観察モードにおいて、光源装置203から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。図17(a)は、通常観察モードにおける照射光L(通常光)の分光強度分布を示し、図17(b)は、第1特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示し、図17(c)は、第2特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示している。なお、図17(b)、図17(c)には、それぞれ、波長制限フィルタ361Aの分光透過特性T361A、波長制限フィルタ361Bの分光透過特性T361Bも示されている。
通常観察モード時の動作は、図8及び図9を用いて説明した第3の実施形態と同じである。そのため、通常観察モード時は、図9(a)と同じ分光特性を持つ照射光L(通常光)、すなわち紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光Lが射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
電子内視鏡システム1が第1特殊観察モードである場合、赤色蛍光体312bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット311と第2の光源ユニット312の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ361Aが照射光Lの光路上に挿入され、波長制限フィルタ361Bが照射光Lの光路上に抜去される。これにより、図17(b)に示されるように、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち波長415nm付近のみにピークを持つ狭帯域光となり)、主に表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
電子内視鏡システム1が第2特殊観察モードである場合、赤色蛍光体312bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット311と第2の光源ユニット312の両方が発光駆動される。また、このとき、波長制限フィルタ361Bが照射光Lの光路上に挿入され、波長制限フィルタ361Aが照射光Lの光路上に抜去される。これにより、図17(c)に示されるように、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグビンの吸光度のピークとなる波長550nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち波長550nm付近のみにピークを持つ狭帯域光となり)、主に中層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
このように、本変形例では、第1特殊観察モードにおいて、主に表層血管を強調した撮影画像を得ることができ、第2特殊観察モードにおいて、主に中層血管を強調した撮影画像を得ることができる。すなわち、本変形例では、第1特殊観察モードと第2特殊観察モードとを切り替えることにより、所望の層域(第1特殊観察モードでは表層、第2特殊観察モードでは中層)の血管を重点的に強調した画像を観察することができる。
図18は、第5の実施形態の変形例に係る波長制限フィルタ561’の分光透過特性T561’を示している。図18に示されるように、本変形例に係る波長制限フィルタ561’は、波長415nm付近(より詳細には390nm〜430nm)、波長550nm付近(より詳細には520nm〜580nm)及び波長650nm付近(より詳細には620nm〜680nm)の光に対する透過率が略1(100%)であり、それ以外の波長帯域の光に対する透過率が略0(0%)である。
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、波長制限フィルタ561’は、照射光Lの光路から抜去される。この場合、照射光Lは、波長制限フィルタ561’で波長が制限されることなく、光源装置205から射出される。
電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、波長制限フィルタ561’は、照射光Lの光路に挿入される。この場合、照射光Lのうち、波長415nm付近、波長550nm付近及び波長650nm付近の光のみが光源装置205から射出される。
図19は、図5と同様の図であり、本変形例の各観察モードにおいて、光源装置205から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。なお、図19(b)には、波長制限フィルタ561’の分光透過特性T561’も示されている。
通常観察モード時の動作は、図12及び図13を用いて説明した第5の実施形態と同じである。そのため、通常観察モード時は、図13(a)と同じ分光特性を持つ照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、第1、第2の光源ユニット511、512が発光駆動される。また、波長制限フィルタ561は、照射光Lの光路上に挿入される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近及び650nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、主に表層血管と深層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
上記の実施形態に係る電子内視鏡システムでは、特殊光(狭帯域光)を用いて血管を強調した狭帯域観察画像を生成して表示する構成が採用されているが、別の実施形態に係る電子内視鏡システムでは、波長域の異なる光で撮像した複数の画像に基づいて被写体の生体情報(具体的には酸素飽和度)を定量的に分析して画像化する構成が採用されてもよい。
図20に、別の実施形態に係る光源装置207のブロック図を示す。別の実施形態については、便宜上、第2の実施形態をベースに説明する。図20に示されるように、光源装置207は、第2の実施形態に係る光源装置202に対し、波長制限フィルタ261を回転式ターレット400に代えると共にフィルタ回転機構430を追加した構成となっている。回転式ターレット400は、フィルタ挿抜機構171により、照射光Lの光路に対して挿抜可能支持されている。
図21は、回転式ターレット400の構成を示す図である。図21に示されるように、回転式ターレット400の中心に形成された軸受孔には、フィルタ回転機構430を構成するDCモータのモータ軸432が圧入されている。回転式ターレット400は、フィルタ回転機構430により、モータ軸432周りに回転動作可能に軸支されている。なお、フィルタ回転機構430には周知の構成が採用されるため、フィルタ回転機構430に関する、ここでの詳細な説明は省略する。
回転式ターレット400には、4つの開口が周方向に並べて形成されている。各開口には、夫々異なる分光特性を持つフィルタが配置されている。具体的には、波長制限フィルタ261’、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2、狭帯域観察用フィルタFs3が配置されている。別の実施形態では、回転式ターレット400を用いることにより、通常観察モードによる通常観察画像及び特殊観察モードによる狭帯域観察画像に加えて、酸素飽和度観察モードによる酸素飽和度分布画像を表示することが可能となっている。
ここで、ヘモグロビンの分光特性と、本実施形態における酸素飽和度の計算原理について説明する。
図22に、550nm付近のヘモグロビンの吸収スペクトルを示す。ヘモグロビンは、550nm付近にポルフィリンに由来するQ帯と呼ばれる強い吸収帯を有している。ヘモグロビンの吸収スペクトルは、酸素飽和度(全ヘモグロビンのうち酸素化ヘモグロビンが占める割合)に応じて変化する。図22における実線の波形は、酸素飽和度が100%の場合の(すなわち、酸素化ヘモグロビンHbOの)吸収スペクトルを示し、長破線の波形は、酸素飽和度が0%の場合の(すなわち、還元ヘモグロビンHbの)吸収スペクトルを示す。また、短破線は、その中間の酸素飽和度(10、20、30、・・・90%)におけるヘモグロビン(酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの混合物)の吸収スペクトルを示す。
図22に示されるように、Q帯において、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンは互いに異なるピーク波長を有している。具体的には、酸素化ヘモグロビンは、波長542nm付近に吸収ピークP1を有しており、波長578nm付近に吸収ピークP3を有している。一方、還元ヘモグロビンは、558nm付近に吸収ピークP2を有している。図22は、各成分(酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン)の濃度の和が一定となる2成分系の吸収スペクトルであるため、各成分の濃度(すなわち酸素飽和度)によらず吸収が一定となる等吸収点E1、E2、E3、E4が現れる。
以下の説明では、等吸収点E1とE2とで挟まれた波長領域を「波長域R1」と記し、等吸収点E2とE3とで挟まれた波長領域を「波長域R2」と記し、等吸収点E3とE4とで挟まれた波長領域を「波長域R3」と記す。また、等吸収点E1とE4とで挟まれた波長領域(すなわち波長域R1、R2及びR3を合わせたもの)を「波長域R0」と記す。
なお、波長域R0は、528nm〜584nmである。波長域R2は、546nm〜570nmである。
図22に示されるように、隣接する等吸収点間では、酸素飽和度に対して吸収が単調に増加又は減少する。また、隣接する等吸収点間では、ヘモグロビンの吸収は、酸素飽和度に対してほぼ線形的に変化する。
具体的には、波長域R1、R3におけるヘモグロビンの吸収AR1、AR3は酸素化ヘモグロビンの濃度(酸素飽和度)に対して線形的に単調増加し、波長域R2におけるヘモグロビンの吸収AR2は還元ヘモグロビンの濃度(1−酸素飽和度)に対して線形的に単調増加する。従って、次式(1)により定義される指標Xは、酸素化ヘモグロビンの濃度(酸素飽和度)に対して線形的に単調増加する。
(式1)
X=(AR1+AR3)−AR2
従って、予め実験的に酸素飽和度と指標Xとの定量的な関係を取得すれば、指標Xの値から酸素飽和度を計算することができる。
第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1は、550nm帯の光を選択的に透過させる光バンドパスフィルタである。図22に示されるように、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1は、等吸収点E1からE4までの波長域(すなわち、波長域R0)の光を低損失で透過させ、それ以外の波長領域の光を遮蔽する分光特性を持つ。第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2は、等吸収点E2からE3までの波長域(すなわち、波長域R2)の光を低損失で透過させ、それ以外の波長領域の光を遮蔽する分光特性を持つ。
波長制限フィルタ261’は、波長制限フィルタ261と同一の分光透過特性を持つ。狭帯域観察用フィルタFs3は、特定の生体組織(主に深層血管)に対して吸光度の高い650nm帯(630〜650nm)の光のみを透過させる分光透過特性を持つ。
このように、回転式ターレット400には、波長を制限する4つ(第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2、狭帯域観察用フィルタFs3及び波長制限フィルタ261’)のフィルタが4つ配置されている。すなわち、回転式ターレット400には、夫々異なる分光透過特性を持つ波長制限フィルタが複数(4つ)配置されている。
通常観察モード時は、回転式ターレット400が照射光Lの光路から抜去されると共に青色蛍光体211bが光路上に挿入された状態で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。すなわち、通常観察モード時の動作は、図6及び図7を用いて説明した第2の実施形態と同じである。そのため、通常観察モード時は、図7(a)と同じ分光特性を持つ照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
特殊観察モード時は、回転式ターレット400が照射光Lの光路上に挿入されると共に青色蛍光体211bが光路上から抜去された状態で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。このとき、回転式ターレット400は、波長制限フィルタ261’が照射光Lの光路上に位置する状態で停止する。すなわち、特殊観察モード時の動作も、図6及び図7を用いて説明した第2の実施形態と同じである。そのため、特殊観察モード時は、図7(b)と同じ分光特性を持つ照射光L(通常光)が射出される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近(及び550nm付近)の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管(及び中層血管)が強調された撮影画像を得ることができる。
酸素飽和度観察モード時は、回転式ターレット400が照射光Lの光路上に挿入されると共に青色蛍光体211bが光路上から抜去された状態で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。このとき、フィルタ回転機構430は、波長制限フィルタ261’、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2、狭帯域観察用フィルタFs3の各フィルタが照射光Lの光路上にフレームレートと同期(撮像周期と同期)したタイミングで順次挿入されるように、4フレームで一回転する周期で回転式ターレット400を回転駆動する。
回転式ターレット400には、貫通孔402が形成されている。システムコントローラ21は、フィルタ回転機構430を構成するフォトインタラプタ434による貫通孔402の検出タイミングに基づいて回転式ターレット400の回転位相を検知して調整する。これにより、回転式ターレット400は、酸素飽和度観察モード中、一定速度(4フレームで一回転する周期)で回転駆動する。
これにより、被写体には、波長制限フィルタ261’、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2、狭帯域観察用フィルタFs3の各フィルタに応じてフィルタリングされた照射光Lが順次照射される。そのため、後段信号処理回路28には、波長制限フィルタ261’、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2、狭帯域観察用フィルタFs3の各フィルタによってフィルタリングされた照射光Lに対応する画像信号が順次入力される。
後段信号処理回路28は、上記式(1)を用いて、画像メモリ27より入力される第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1に対応する画像信号及び第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2に対応する画像信号から指標Xを計算する。
後段信号処理回路28が備える不揮発性メモリ(不図示)には、予め実験的に取得されたヘモグロビンの酸素飽和度と指標Xの値との定量的関係を示す数値表が記憶されている。後段信号処理回路28は、この数値表を参照して、上記式(1)を用いて算出された指標Xの値に対応する酸素飽和度SatO(x,y)を取得する。後段信号処理回路28は、取得された酸素飽和度SatO(x,y)に所定の定数を乗じた値を各画素(x,y)の画素値とする画像データ(酸素飽和度分布画像データ)を生成する。
また、後段信号処理回路28は、画像メモリ27より入力される波長制限フィルタ261’に対応する画像信号を用いて狭帯域観察画像データ(レートは落ちるが、特殊観察モード時と同じ画像)を生成する。
また、後段信号処理回路28は、画像メモリ27より入力される狭帯域観察用フィルタFs3に対応する画像信号を用いて狭帯域観察画像データを生成する。
後段信号処理回路28は、酸素飽和度分布画像データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、酸素飽和度分布画像がモニタ300の表示画面に表示される。
別の実施形態では、第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2の各フィルタによる照射光Lが、緑色蛍光体によって発せられた蛍光を用いて生成されている。これにより、酸素飽和度の計算精度が向上するため、病変部の診断を補助するのにより一層好適な酸素飽和度分布画像が得られる。第1の酸素飽和度観察用フィルタFs1、第2の酸素飽和度観察用フィルタFs2の各フィルタによる照射光Lを、黄色蛍光体によって発せられた蛍光を用いて生成した場合にも同様に、酸素飽和度の計算精度が向上する効果が得られる。
後段信号処理回路28は、酸素飽和度分布画像データに加えて狭帯域観察画像データを所定のビデオフォーマット信号に変換してもよい。この場合、酸素飽和度分布画像に加えて狭帯域観察画像がモニタ300の表示画面に表示される。
なお、酸素飽和度を定量的に分析して画像化する技術については、例えば国際公開第2014/192781号パンフレットに、より具体的な例示が開示されている。

Claims (8)

  1. 第1の固体発光素子、第1及び第2の蛍光体を有し、前記第1の固体発光素子から射出される第1の波長帯域の光、前記第1の蛍光体から発せられる第1の蛍光、及び前記第2の蛍光体から発せられ、前記第1の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第2の蛍光を含む照射光を射出可能な光源部と、
    特定の生体構造に対する吸光度の高い第1の波長帯域を含む特定の波長帯域の光のみを透過させる少なくとも1つの波長制限フィルタと、
    前記波長制限フィルタを、前記照射光の光路に対して挿抜可能に支持するフィルタ挿抜手段と、
    前記第1の蛍光体を前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して挿抜可能に支持する蛍光体挿抜手段と、
    を備え、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路に挿入されると、前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去され、前記第1の波長帯域の光及び前記第2の蛍光を含む光が前記波長制限フィルタによって前記特定の波長帯域の光にフィルタリングされて内視鏡に供給され、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路から抜去されると、前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入され、前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される前記第1の波長帯域の光によって励起されて前記第1の蛍光を発し、前記照射光が前記波長制限フィルタによってフィルタリングされることなく前記内視鏡に供給される、
    内視鏡用光源装置。
  2. 所定の撮像周期と同期して回転するターレット
    を更に備え、
    前記少なくとも1つの波長制限フィルタは、
    夫々異なる分光透過特性を持つ複数の波長制限フィルタを含み、
    前記ターレットには、前記複数の波長制限フィルタが周方向に並べて配置されており、
    前記ターレットが回転することによって前記照射光の光路に各波長制限フィルタが順に挿入されると、前記波長制限フィルタに入射された光が、順次、前記光路上に挿入された波長制限フィルタに応じてフィルタリングされて前記内視鏡に供給される、
    請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
  3. 前記光源部は、
    第2の波長帯域の光を射出する第2の固体発光素子を更に有し、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路に挿入されたときには、前記第1の波長帯域の光、前記第2の波長帯域の光及び前記第2の蛍光を含む光が前記波長制限フィルタによって前記特定の波長帯域の光にフィルタリングされて内視鏡に供給され、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路から抜去されたときには、前記第1の波長帯域の光、前記第2の波長帯域の光、前記第1の蛍光及び前記第2の蛍光を含む光が前記波長制限フィルタによってフィルタリングされることなく前記内視鏡に供給される
    請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用光源装置。
  4. 前記光源部は、
    励起光を射出する励起用固体発光素子を更に有し、
    前記第2の蛍光体は、
    前記励起用固体発光素子から射出される前記励起光によって励起されて、前記第2の蛍光を発する、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置。
  5. 前記第2の蛍光体は、
    前記第1の固体発光素子から射出される前記第1の波長帯域の光によって励起されて、前記第2の蛍光を発する、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置。
  6. 前記光源部は、
    前記第1の蛍光のピーク波長及び前記第2の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の蛍光を発する第3の蛍光体を更に有し、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路に挿入されたときには、前記第1の波長帯域の光、前記第2の波長帯域の光、前記第2の蛍光及び前記第3の蛍光を含む光が前記波長制限フィルタによって前記特定の波長帯域の光にフィルタリングされて内視鏡に供給され、
    前記フィルタ挿抜手段により前記波長制限フィルタが前記照射光の光路から抜去されたときには、前記第1の波長帯域の光、前記第2の波長帯域の光、前記第1の蛍光、前記第2の蛍光及び前記第3の蛍光を含む光が前記波長制限フィルタによってフィルタリングされることなく前記内視鏡に供給される
    請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
  7. 前記光源部は、
    前記第1の固体発光素子と前記第1の蛍光体を有する第1の光源ユニットと、
    前記第2の蛍光体を有する第2の光源ユニットと、
    前記第1の光源ユニットから射出された光の光路と前記第2の光源ユニットから射出された光の光路を合成することにより、前記照射光を前記内視鏡に供給する光路合成手段と、
    を更に備える、
    請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用光源装置。
  8. 請求項1から請求項の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置と、
    内視鏡と、
    を備える、
    内視鏡システム。
JP2018500242A 2016-02-19 2017-02-20 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム Active JP6686127B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JPPCT/JP2016/054810 2016-02-19
PCT/JP2016/054810 WO2017141415A1 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 内視鏡用光源装置
PCT/JP2017/006122 WO2017142095A1 (ja) 2016-02-19 2017-02-20 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017142095A1 JPWO2017142095A1 (ja) 2018-12-20
JP6686127B2 true JP6686127B2 (ja) 2020-04-22

Family

ID=59624937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018500242A Active JP6686127B2 (ja) 2016-02-19 2017-02-20 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6686127B2 (ja)
CN (1) CN209091322U (ja)
WO (2) WO2017141415A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112018003134T5 (de) * 2017-08-28 2020-03-05 Hoya Corporation Endoskoplichtquellenvorrichtung und Endoskopsystem
WO2022258591A1 (en) * 2021-06-10 2022-12-15 Signify Holding B.V. White light source without red solid state light source

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006296636A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡装置
WO2012121304A1 (ja) * 2011-03-08 2012-09-13 三菱化学株式会社 発光装置及び発光装置を備えた照明装置
JP6021391B2 (ja) * 2012-04-05 2016-11-09 オリンパス株式会社 内視鏡
JP5690790B2 (ja) * 2012-09-21 2015-03-25 富士フイルム株式会社 内視鏡システム及び内視鏡システムの作動方法
JP6103959B2 (ja) * 2013-01-29 2017-03-29 オリンパス株式会社 光源装置及び被検体観察装置並びに光源制御方法
JP2014171511A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Olympus Corp 被検体観察システム及びその方法
JP5881658B2 (ja) * 2013-09-27 2016-03-09 富士フイルム株式会社 内視鏡システム及び光源装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017141415A1 (ja) 2017-08-24
CN209091322U (zh) 2019-07-12
WO2017142095A1 (ja) 2017-08-24
JPWO2017142095A1 (ja) 2018-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6878647B2 (ja) 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP6876810B2 (ja) 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP5216429B2 (ja) 光源装置および内視鏡装置
US9943230B2 (en) Endoscope system, processor device of endoscope system, and image processing method
JP5110702B2 (ja) 蛍光画像取得装置
US9788709B2 (en) Endoscope system and image generation method to generate images associated with irregularities of a subject
JP6686127B2 (ja) 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP6732029B2 (ja) 電子スコープ及び電子内視鏡システム
JP6695416B2 (ja) 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP6277068B2 (ja) 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
JP6203124B2 (ja) 内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6686127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250