JP6683435B2 - 焼菓子用改良材 - Google Patents

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Description

本発明は、歯切れが良く、口どけ良好な焼菓子を得ることのできる焼菓子用改良材に関する。
クッキーやビスケットに代表される焼菓子は、小麦粉を主原料とし、副原料としてバターやショートニング等の油脂類、糖類を配合することで製造される。このような焼菓子は、サクサクとした食感が特徴的なハードクッキーやハードビスケットが広く親しまれているほか、近年では嗜好の多様化から、ソフトクッキーと呼ばれる、しっとりとした噛み出しの軟らかいクッキーが人気を博している。これらは食感の違いがあるものの、いずれのジャンルにおいても歯切れのよさが求められ、例えばハードクッキーやハードビスケット等においてはサクサクとした軽い食感、ソフトクッキーにおいてはしっとりとしていながらも歯切れの良い食感が挙げられる。また、口中で粉れた焼菓子が短時間のうちに広がっていくこと、すなわち口どけの良さも同時に求められている。
焼菓子に歯切れの良い食感を付与する方法としては、例えばステアリン酸カルシウム0.5〜15重量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル1〜15重量%、及び食用油脂70〜98.5重量%からなる小麦粉食品用油型練込油脂組成物(特許文献1)、小麦ふすま由来の不溶性食物繊維を含む不溶性食物繊維を4.0〜12.0質量%、タンパク質を10.0〜30.0質量%、及び脂質を8.0〜15.0質量%含有する焼菓子(特許文献2)が開示されている。
焼菓子の口どけを改善する方法としては、例えば、生地中にα−アミラーゼ活性およびプロテアーゼ活性を有する酵素製剤を添加することを特徴とする、焼菓子類の製造法(特許文献3)、食用油脂10〜65重量%、糖質20〜60重量%、水分10〜40重量%及び乳化剤0.1〜5重量%を水中油型に乳化してなる焼菓子用改質材(特許文献4)、リゾレシチンを添加することを特徴とする焼菓子の製造法(特許文献5)、起泡したクリームを含有することを特徴とする焼菓子生地(特許文献6)が挙げられる。
しかし、(特許文献1)〜(特許文献5)では、乳化剤を多く使用したり、風味に影響し得る素材を利用しているため、異味や雑味が生じてしまう場合があり、(特許文献6)の方法では配合の制約を受けるため、適用できる範囲が限られているという問題があった。
また、歯切れの良い食感と口どけの改善を同時に行うことのできる簡便な方法が求められており、改善の余地が多く残されているのが現状である。
一方、デキストランは製パン分野において老化防止(例えば特許文献7参照)や、冷凍障害の防止(例えば特許文献8参照)などの効果が知られているが、焼菓子用途での利用は検討されていない。
特開2006−129755号公報 特開2014−140364号公報 特開平5−23095号公報 特開平10−327738号公報 特開2000−270759号公報 特開2001−286256号公報 特開平06−038665号公報 特開平08−009872号公報
本発明の目的は、主原料である澱粉類や副原料である油脂配合の自由度を保ちながら、風味に影響することなく歯切れが良く、口どけ良好な焼菓子を得ることにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、以前より製パン用途に使用されていた高分子量のデキストランではなく、全く反対に、低分子量のデキストランを少量添加することで、風味に影響することなく、歯切れが良く口どけ良好な焼菓子を得ることができることを見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
本発明の焼菓子用改良材によれば、風味に影響することなく、歯切れが良く口どけ良好な焼菓子を得ることができる。
まず、本発明で使用するデキストランについて述べる。
デキストランとは、グルコースを構成糖とし、α−1,6グリコシド結合による主鎖と、一部、α−1,4グリコシド結合及び/又はα−1,3グリコシド結合を有するという構造を有する、微生物が生産する多糖類の1種である。一般的には、乳酸菌等の細菌をショ糖を含有する培地で培養した際に、該細菌が有する又は該細菌が産生するデキストランスクラーゼによるグルコース転移反応によって生成する。また、デキストランスクラーゼを、ショ糖を含有する溶液や生地に作用させることにより得られる。
なお、デキストランとしては上記のようにデキストランスクラーゼ又はそれを有する細菌を用いて得られたデキストランに加え、該デキストランを部分的に加水分解して精製した分岐構造の少ないものも市販されている。
本発明の焼菓子用改良材では、デキストランとして上記のいずれの方法で得られたものも用いることができ、これらのデキストランを単独でまたは複数を組み合わせて、その質量平均分子量が20万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは5万以下となるようにして使用する。ここでデキストランの質量平均分子量が20万を超えると、歯切れの良い焼菓子が得られず、また口どけ改良効果が見られないものとなってしまう。
また、デキストランの質量平均分子量の下限については、一般的に0.5万である。
本発明の焼菓子用改良材における上記質量平均分子量20万以下のデキストランの配合割合は、改良材の形態や、焼菓子用改良材の焼菓子生地への添加量に依存するため、特に限定されるものではなく、0.1質量%〜100質量%の範囲から適宜選択可能であるが、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜25質量%である。
ここで、本発明の焼菓子用改良材における上記質量平均分子量20万以下のデキストランの配合割合が0.1質量%未満であると、少ない添加量で焼菓子改良効果を付与するという焼菓子用改良材としての意義がなくなるおそれがある。
デキストランの類似物質として、グルコースがα−1,4グリコシド結合により重合したデキストリンが存在するが、上記デキストランに代えてデキストリンのみを用いても本発明の効果が得られない。この理由は構造の違いによって作用が異なっているものと考えているが、詳細は明らかではない。
なお、デキストランのほかにデキストリンを併用することについては問題ない。
本発明の焼菓子用改良材の形態としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状、可塑性のいずれの形態であってもよいが、焼菓子生地へ均質に分散させることが容易である点で、ペースト状、流動状、液状、可塑性のいずれかの形態であることが好ましい。
なお、焼菓子用改良材中の上記質量平均分子量20万以下のデキストランの存在形態は、上記質量平均分子量20万以下のデキストランが水性相に溶解した形態であることが好ましい。
上記水性相に使用する水としては、特に限定されず、天然水や水道水などが挙げられる。
また、本発明の焼菓子用改良材は油性相を含有するものであってもよい。
上記油性相に使用する油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
なお、本発明の焼菓子用改良材が油性相を含有する場合、油分と水分を含有する乳化油脂の形態であることが好ましい。その場合、その乳化型は水中油型であっても油中水型であってもよいが、本発明の効果、とくに歯切れの良い食感の焼菓子が得られる点で水中油型乳化物であることが好ましい。
本発明の焼菓子用改良材は、上記質量平均分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましい。高度分岐環状デキストリンを併用することにより、焼菓子の歯切れの良い食感をより向上させることが可能となる。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンであり、従来の澱粉加水分解物とは異なり、環状を構成することにより還元末端がほとんどない構造を有し、DEは5未満であり、水溶性が高く、その溶液の透明性が高いこと、他のデキストリンと異なり分子量分布が狭いという特徴を有する。上記の内分岐環状構造部分とは、α−1,4グリコシド結合とα−1,6グリコシド結合とで形成される環状構造部分であり、上記の外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造(例えば鎖状構造)部分である。高度分岐環状デキストリンの重合度は、高度分岐環状デキストリンの質量平均分子量をグルコース残基の分子量で除すことにより得られる。
この高度分岐環状デキストリンは、たとえば、α−1,4グリコシド結合と、α−1,6グリコシド結合とを有する糖類と、この糖類に作用して環状構造を形成し得る酵素とを反応させて製造することができる。市販品としては「クラスターデキストリン(登録商標、江崎グリコ製)」を挙げることができる。
本発明の焼菓子用改良材における上記高度分岐環状デキストリンの配合割合は、上記質量平均分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜2質量部となる量である。
上記高度分岐環状デキストリンの配合割合が、上記質量平均分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、0.1質量部未満であると、上記質量平均分子量20万以下のデキストランとの相乗効果が認められない場合があり、10質量部を超えると、やや弾力のある食感となってしまう場合がある。
本発明の焼菓子用改良材は、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが、焼菓子の歯切れと口どけをより良好なものとすることができる点で好ましい。乳原料の乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
本発明の焼菓子用改良材における上記乳原料の配合量は、上記質量平均分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、上記乳原料に含まれる固形分が好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部となる量である。
また、上記の乳原料は、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳などの乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の乳原料としては、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例としてクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記の乳原料をさらに濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたものなどを用いることも可能である。溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
本発明で用いる上記の乳原料における乳固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法などについては、乳原料の形態などによって適正な方法が異なるため、以下の定量方法に限定されるものではない。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)
また、本発明では、上記の乳原料中のリン脂質の一部または全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、乳原料をそのままリゾ化したものであっても良く、また乳原料を濃縮した後にリゾ化したものであっても良い。また、得られたリゾ化物に、さらに濃縮あるいは噴霧乾燥処理などを施しても良い。これらのリゾ化物は本発明におけるリン脂質の含有量に含めるものとする。
上記の乳原料中のリン脂質をリゾ化するには、ホスホリパーゼAで処理すれば良い。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。
また、本発明では、上記の乳原料は、焼菓子の歯切れと口どけをさらに向上させることができる点で、好ましくはpHが3〜6、より好ましくはpH4〜6、さらに好ましくは4.7〜5.8となるように酸処理を行ったものであることが好ましい。
上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸醗酵などの醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられ、果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルトなどの有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
なお、上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、上記乳原料と、質量平均分子量20万以下のデキストラン等の焼菓子用改良材の材料とを混合する際に、又は混合後に上記酸を添加することにより行ってもよい。
また、本発明では、焼菓子の歯切れをさらに向上させることができる点で、上記の乳原料に、リン脂質含有量1質量部あたり、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.02〜0.5質量部、さらに好ましくは0.05〜0.3質量部のカルシウム塩を添加しても良い。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては得られる焼菓子用改良材の風味が良好である点で塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。
また、本発明で用いる上記の乳原料は、焼菓子生地への分散性を高めることが可能である点及び得られる焼菓子の歯切れをより向上させることができる点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。とくに上記リゾ化処理、酸処理、カルシウム塩添加を行なう場合は、その効果を高めるために均質化処理を行なうことが特に好ましい。均質化処理は1回でも良く、2回以上行っても良い。また、粘性が高いなどの場合は、加水により粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。該均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、バブル式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル、ディスパーミルなどがあげられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0〜100MPaである。2段式ホモゲナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行っても良い。
さらに本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行っても良い。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120〜150℃であり、処理時間は好ましくは1〜6秒である。
このようにして得られる本発明で用いる上記の乳原料や乳原料加工品は、液状、ペースト状、粉末状、固形状などの状態のものとすることができ、本発明の焼菓子用改良材ではいずれの状態のものでも使用できる。
本発明の焼菓子用改良材は、上記質量平均分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水、油脂以外に、必要に応じその他の成分を含有させることができる。該その他の成分としては例えば、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、澱粉類、蛋白質、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料以外の乳や乳製品、卵製品、穀類、無機塩、有機酸塩、キモシン等の蛋白質分解酵素、トランスグルタミナーゼ、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)、α―アミラーゼ、グルコアミラーゼ等の糖質分解酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、高度分岐環状デキストリン以外のデキストリン類、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
ただし本発明では、得られる焼菓子の食感が歯切れや口どけの悪いものになることを避けるため、上記質量平均分子量20万以下のデキストランと高度分岐環状デキストリンを合計した含有量以上のゲル化剤や安定剤は使用しないことが好ましい。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチンなどの天然乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。乳化剤を多く用いると風味に影響することから、本発明の改良材における乳化剤の含有量は1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、焼菓子生地における本発明の改良材由来の乳化剤の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の焼菓子用改良材中、質量平均分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水及び油脂以外のその他の成分は、本発明の効果を損ねない範囲で任意の量で用いることができるが、好ましくは当該その他の成分は合計で、焼菓子用改良材中10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本発明の焼菓子用改良材の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を使用することができる。
例えば、本発明の焼菓子用改良材の形態が顆粒状、あるいは粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、各原料を混合することによって得る方法や、各原料を含有する水溶液や懸濁液あるいは水中油型乳化物を製造後、スプレードライやフリーズドライ等により粉末化する方法を挙げることができる。
また、本発明の焼菓子用改良材の形態が液状、流動状、あるいはペースト状の場合は、水や食用油脂等に各原料を溶解又は分散し、必要に応じ、さらに均質化することによって得ることができる。水を使用する場合を例に挙げると、まず水に、質量平均分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じさらにその他の水溶性の原料を溶解させた水性相(水相)を用意する。そして、この水性相を殺菌することが好ましい。なお、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理、あるいは直火等の加熱調理により行うことができる。そして冷却することにより、本発明の焼菓子用改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。
次に、本発明の焼菓子用改良材が油脂(油性相)を含有する場合であって、その形態が油中水型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、まず水に、質量平均分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じさらにその他の水溶性の原料を溶解させた水性相(水相)を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油性相(油相)を用意する。そして、この水性相と油性相を、好ましくは45〜75℃で予備乳化し、油中水型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。なお、本発明における殺菌には滅菌も含む。殺菌方法は、タンクでのバッチ式、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式等の何れの方法を用いてもよい。
次に、冷却し、結晶化する。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−1℃/分以上とする。この際、徐冷却よりも、急速冷却の方が好ましい。なお、冷却可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンピネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明の焼菓子用改良材を製造する際の何れかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。
次に、本発明の焼菓子用改良材が油脂(油性相)を含有する場合であって、その形態が水中油型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、まず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じさらにその他の水溶性の原料を溶解させた水性相(水相)を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油性相(油相)を用意する。そして、この水性相と油性相を、好ましくは45℃〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。なお、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理、あるいは直火等の加熱調理により行うことができる。そして冷却することにより、本発明の焼菓子用改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。
次に、本発明の焼菓子生地について説明する。
本発明の焼菓子生地は、本発明の焼菓子用改良材を焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜0.8質量部、好ましくは0.02質量部〜0.5質量部、より好ましくは0.03質量部〜0.2質量部となる量を含有するものである。
上記穀粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明の焼菓子生地では、穀粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%使用する。
なお、本発明の焼菓子用改良材が高度分岐環状デキストリンを含有する場合は、焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、高度分岐環状デキストリンが0.02質量部〜2.0質量部、好ましくは0.03質量部〜1.5質量部となる量であることが好ましい。
なお、本発明の焼菓子用改良材が乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有する場合は、焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳固形分が0.02質量部〜0.4質量部、好ましくは0.03質量部〜0.3質量部となる量であることが好ましい。
上記の焼菓子生地としては、例えば、クッキー生地、ビスケット生地、ショートブレッド生地、クラッカー生地等様々なタイプの焼菓子類の生地に用いることができるが、好ましくは焼菓子として水分含量が10質量%未満、より好ましくは7質量%未満、さらに好ましくは5質量%未満となる焼菓子生地に用いる。焼菓子生地における本発明の焼菓子用改良材及び穀粉類以外の成分としては、卵類(卵や卵製品)、乳類(乳や乳製品)、油脂又はそれを用いたマーガリンやショートニング等の油脂組成物、糖類が挙げられる。そのほかにも、上記の焼菓子用改良材に含まれていても良いその他の成分として挙げた任意の成分を用いることができる。
焼菓子生地の製造方法としては、本発明の焼菓子用改良材を用いる点以外一般的な焼菓子生地の製造方法と同様であり、例えば、マーガリンやショートニング等に糖類を加えてクリーミングし、ここに、本発明の焼菓子用改良材、卵類、乳類等を配合して混合後、小麦粉等の穀粉類を軽く混合して製造されるシュガーバッター法や、マーガリンやショートニングに穀粉類を加えてクリーミングし、ここに、本発明の焼菓子用改良材、糖類、卵類、乳類等を配合、混合して製造されるフラワーバッター法、あるいは、オールインミックス法、卵白別立て法等によって得ることができる。
なお、得られた本発明の焼菓子用改良材は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。
次に、本発明の焼菓子について説明する。
本発明の焼菓子は上記焼菓子生地を必要に応じて成形し、焼成したものである。
成型は、ワイヤーカット成型、モールド成型、棒状成型、デポジット成型、シート成型等のいずれでもよく、また、機械成型、手成型の別は問わない。
そして、焼成する。焼成時間は、焼菓子生地の水分が逸散し、軽い食感になるまで行う。
焼成温度は、一般的には180〜210℃程度の焼成時間が汎用されるが、150℃付近や120℃付近での焼成、又は100℃付近で乾燥焼きしてもよい。
最後に本発明の焼菓子の改良方法及び本発明の焼菓子の製造方法について述べる。
本発明の焼菓子の改良方法は、焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランを0.01質量部〜0.8質量部、好ましくは0.02質量部〜0.5質量部、より好ましくは0.03質量部〜0.2質量部添加するものである。本発明の焼菓子の改良方法は、質量平均分子量20万以下のデキストランを用いることにより、得られる焼菓子の歯切れ及び/又は口どけを向上させることができる。
なお、本発明の焼菓子の改良方法において、質量平均分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を併用する場合は、それらのデキストランとの添加量の比は上述のとおりであるが、さらに以下の条件をあわせもつことが好ましい。
高度分岐環状デキストリンを使用する場合、焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、0.02質量部〜2.0質量部、好ましくは0.03質量部〜1.5質量部となる量を添加することが好ましい。

また本発明の焼菓子の製造方法は、質量平均分子量20万以下のデキストランを上述した量で含有する焼菓子生地を製造する工程と、該焼菓子生地を焼成する工程とを有するものである。焼菓子生地を製造する方法及び焼菓子生地を焼成する方法については、本発明の焼菓子生地及び焼菓子の説明として上記で述べたことが全て当てはまる。
乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を使用する場合、焼菓子生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳固形分として0.02質量部〜0.4質量部、好ましくは0.03質量部〜0.3質量部となる量を添加することが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<焼菓子用改良材の製造>
〔実施例1〕
質量平均分子量1万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明の焼菓子用改良材1とした。
〔実施例2〕
質量平均分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明の焼菓子用改良材2とした。
〔実施例3〕
質量平均分子量20万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明の焼菓子用改良材3とした。
〔比較例1〕
質量平均分子量50万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例の焼菓子用改良材4とした。
〔比較例2〕
質量平均分子量500万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例の焼菓子用改良材5とした。
〔実施例4〕
質量平均分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水86質量部を添加し、さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明の焼菓子用改良材6を得た。
〔実施例5〕
質量平均分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水85.97質量部を添加し、さらにフィチン酸0.03質量部を添加して、pHを5.5に調整した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明の焼菓子用改良材7を得た。
〔実施例6〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から7.2質量部に、水の配合量を85.97質量部から88.78質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.02質量部に変更してpHを5.5に調整した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明の焼菓子用改良材8を得た。
〔実施例7〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から4質量部に、水の配合量を85.97質量部から91.99質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.01質量部に変更してpHを5.5に調整した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明の焼菓子用改良材9を得た。
〔実施例8〕
質量平均分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部、高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製、登録商標))4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)4質量部に水89.99質量部を添加し、さらにフィチン酸0.01質量部を添加してpHを5.5に調整した。さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明の焼菓子用改良材10を得た。
〔実施例9〕
高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))の配合量を4質量部から1.6質量部に、水の配合量を89.99質量部から92.39質量部に変更した以外は実施例8と同様の配合・製法で本発明の焼菓子用改良材11を得た。
〔比較例3〕
質量平均分子量1万のデキストラン2質量部をデキストリン2質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、これを比較例の焼菓子用改良材12とした。
<焼菓子の製造>[実施例10〜23、比較例4〜6]
上記焼菓子用改良材1〜12を用いて、[表1]に示す配合及び下記製法により型抜きクッキー生地を製造した。
(製法)
卓上ミキサー(ケンウッドミキサー)にショートニング及び上白糖を投入し、軽く混合した後、中速で2分クリーミングした。次いで、あらかじめ水、焼菓子用改良材(焼菓子用改良材1〜12のいずれか)を混合した水相を少しずつ加えて攪拌・混合した(比重:0.9)。さらに薄力粉及び重曹を加えた後、低速で1分混合して焼菓子生地である型抜きクッキー生地を得た。得られた型抜きクッキー生地を、厚さ4ミリ、直径4センチの丸型で抜き、オーブン(フジサワ社製)で180℃にて10分焼成した後、25℃で40分冷却し、包装して焼菓子である型抜きクッキーを得た。
焼菓子の評価
得られた本発明の焼菓子である型抜きクッキーと、比較のための焼菓子である型抜きクッキーは、10人のパネラーにより下記[評価基準]に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして〔表2〕に示した。
44〜50点:◎+、37〜43点:◎、30〜36点:○、15〜29点:△、14点以下:×
[評価基準]
・ 食感(歯切れ)
5点 …非常にサクサクした食感で、歯切れも良好である。
3点 …サクサクした食感で、歯切れも良好である。
1点…やや硬い食感で、歯切れが悪い。
0点…硬い食感で、歯切れが悪い。
・ 口どけ
5点…非常に口どけが良い。
3点…口どけが良い。
1点…口どけが悪い。
0点…非常に口どけが悪い。
・ 異味、雑味
5点…異味、雑味がなく非常に良好である。
3点…異味、雑味がほとんどなく、良好である。
1点…やや異味、雑味が感じられる。
0点…異味、雑味が強く、不良である。


以上から明らかな通り、質量平均分子量20万以下のデキストランを含有する改良材1〜3、6〜11を用いると異味・雑味が少なく、歯切れが良く、口どけ良好な焼菓子が得られることが判る。一方、質量平均分子量20万以下のデキストランを含有しない比較例である改良材4,5、12を用いると、歯切れ及び口どけの効果が劣ることが判る。
従って、質量平均分子量20万以下のデキストランが、焼菓子用改良材として有用であることは明らかである。

Claims (7)

  1. 質量平均分子量0.5万以上5万以下のデキストランを含有するクッキー用改良材。
  2. さらに高度分岐環状デキストリンを含有することを特徴とする請求項1記載のクッキー用改良材。
  3. さらに乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有する請求項1又は2記載のクッキー用改良材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のクッキー用改良材を、クッキー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量0.5万以上5万以下のデキストランが0.01質量部〜0.8質量部となる量で含有するクッキー生地。
  5. 請求項4に記載のクッキー生地を焼成したクッキー
  6. クッキー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量0.5万以上5万以下のデキストランを0.01質量部〜0.8質量部添加することを特徴とするクッキーの改良方法。
  7. 穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量0.5万以上5万以下のデキストランを0.01質量部〜0.8質量部添加してなるクッキー生地を製造する工程と、該クッキー生地を焼成する工程とを有することを特徴とするクッキーの製造方法。
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