JP6682973B2 - 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6682973B2
JP6682973B2 JP2016080804A JP2016080804A JP6682973B2 JP 6682973 B2 JP6682973 B2 JP 6682973B2 JP 2016080804 A JP2016080804 A JP 2016080804A JP 2016080804 A JP2016080804 A JP 2016080804A JP 6682973 B2 JP6682973 B2 JP 6682973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
layer coating
upper layer
black
carbon black
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016080804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017189930A (ja
Inventor
岡田 克己
克己 岡田
石塚 清和
清和 石塚
保明 河村
保明 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2016080804A priority Critical patent/JP6682973B2/ja
Publication of JP2017189930A publication Critical patent/JP2017189930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6682973B2 publication Critical patent/JP6682973B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、一般に亜鉛系めっき鋼板が使用される事務用品、電気製品または自動車部品などの、装飾が必要な部材に用いる黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法に関する。
家電用、建材用、自動車用などに、従来の成形加工後に塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着色した有機皮膜を被覆したプレコート鋼板が使用されるようになってきた。このプレコート鋼板は、防錆処理を施した鋼板やめっき鋼板に着色した有機皮膜を被覆したもので、美麗性を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好であるという特性を有している。例えば、特許文献1には皮膜の構造を規定することによって加工性と耐汚染性、硬度に優れたプレコート鋼板を得る技術が開示されている。
これらのプレコート鋼板に用いられる塗装は、塗装膜厚が10μm超の厚いものである。その上、大量の溶剤系塗料を使用するため、インシネレーターや臭気対策設備等の専用の塗装設備が必要であり、塗装専用ラインで製造されることが一般的である。すなわち、塗装の原板となる鋼板の製造工程の他に余分な塗装工程を通るため、塗装に要する材料費の他にも多くの費用がかかる。したがって、得られるプレコート鋼板は高価なものになる。
しかしながら、ユーザーニーズの多様化により、家電や内装建材等の日常使用条件での耐久性を有すれば十分に目的を達する分野での着色鋼板の需要もあり、より低価格の製品が求められている。すなわち、従来の高価なプレコート鋼板だけでは多様化した需要に応えるのに十分ではない。
このようなニーズに対して、特許文献2では亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に、硬化剤で硬化されたスルホン酸基を含有するポリエステル樹脂とカーボンブラックとを含んでなる黒色塗膜が2〜10μmの厚みで形成されていることを特徴とするクロメートフリー黒色塗装金属板が開示されている。
特許文献2の鋼板は、意匠性を含め種々の特性に優れるが、厳しい条件下での耐疵付き性は十分ではない。すなわち、塗膜厚が従来のプレコート鋼板に比較して薄いため、条件によっては、塗膜を貫通しめっき表層まで達する疵がつきやすく、この場合めっき表層の金属外観が黒色塗装からすけて見えてしまい、意匠性の面で劣ることとなる。
前記課題に対して、めっき鋼板の上の下層に顔料を入れ、その上の上層にカーボンブラックの入った黒色塗膜を形成する技術が知られている(特許文献3,4)。
特開平8−168723号公報 国際公開WO2010/137726号 特開2009−220511号公報 特開2013−18192号公報 特開2011−58032号公報 国際公開WO2012/029988号
特許文献3では、実施例として合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)や、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)が用いられているが、下層の顔料の含有量が5質量%以下、下層の付着量が200mg/m2以下、上層の付着量が500mg/m2以下であり、黒色塗膜としては外観隠蔽性に欠けたものである。
また、特許文献4では鋼板の上の下層に10質量%以下のカーボンブラックを含有し、その上の上層に着色顔料の入った上層皮膜を設けている。しかしながら、黒色塗膜としては型カジリ性を付与した上で下層皮膜+上層付膜の膜厚の合計が3μm以下であったため、外観隠蔽性が十分ではなかった。
これに対して特許文献5には、鉄系金属材料の表面に、マグネタイト層と、リン酸塩、酸化物、フッ化物から選ばれる少なくとも1種を含有する化成処理層と、固体潤滑層から構成される黒色表面処理鉄系金属材料が提案されている。しかしながら、固体潤滑層に関しては、バインダー樹脂を溶剤に溶かしたバインダー溶液中に、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の固体潤滑微粒子を多量に分散させたものを用いるという記述があるのみで、マグネタイト層の硬さにより耐摺動性が確保されるものであり、亜鉛系めっき鋼板に適用できるものではなかった。
さらに、特許文献6には、導電性、耐食性に優れる塗装金属板を得るために、特定の官能基を有する有機樹脂と、電気抵抗率が規定された非酸化物セラミックス粒子を含む塗膜が形成された鋼板に関する技術がされている。しかしながら、耐疵付き性に関しては、特定の官能基を有する有機樹脂が有効との記述が有るのみで、耐疵付き性の評価結果は記載されていない。
本発明は、上記現状に鑑み、従来のプレコート鋼板に比較して薄膜で、耐疵付き性および、耐食性の両立が可能な黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは耐疵付き性について検討した結果、皮膜に全く疵が付かないようにするためには加工追従性のないような硬質皮膜を適用する必要があり、非現実的であった。そのため、疵が付くことは前提として、それを如何に目立たないようにするかが重要と判断し、疵のパターンとその目立ちやすさを検討した。図1は、黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の表面付近の断面を示す図であり、鋼板1の上にめっき2、さらに下層皮膜3、上層皮膜4を有している。図1には、疵11から疵15までの疵が記載されている。図1の疵11に示すように疵が皮膜途中で止まっている場合には最も目立たないことが判明した。しかしながらこのような状態を実現するためには、皮膜の厚みをいわゆる塗装鋼板なみの厚み(20μm程度以上)にする必要があり、コストの点で非現実的である。
更に検討を進めたところ、皮膜の厚みが10μm程度以下の薄膜であっても、皮膜を上層皮膜4と下層皮膜3の二層皮膜とし、上層下層双方を黒着色皮膜とすることにより、疵14、疵15のようにめっき表面あるいは内部にまでおよぶ疵を抑制し、疵12、疵13に示すような上層下層界面また下層皮膜内部に疵がとどまるように工夫することが有効であることを知見した。そして、密着性等の実用性能は保持したまま、上層下層界面の密着強度または下層自体の凝集強度を適度に弱めることができれば、疵つきを及ぼすようなせん断力が作用した場合に、疵12または疵13で止まり疵14、疵15には至らないことを知見した。そして、上層下層の双方にカーボンブラックを添加し、かつその配分を最適化すること、かつ上層に適度な硬質微粒子を添加することにより、上層下層界面の密着強度を適度に弱めることができた。また、下層のカーボンブラックの配分を最適化することにより、下層自体の凝集強度を適度に弱めることができた。さらに上層皮膜の膜厚を3μm以上とすることとあいまって、耐食性を維持しつつ、良好な耐疵付き性を実現できることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨とするところは次のとおりである。
(1)亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の面に、カーボンブラックを含有する下層皮膜および、有機樹脂、カーボンブラック、非酸化物セラミックス(但し、黒鉛を除く。)の微粒子からなる上層皮膜を有する黒色塗装亜鉛系めっき鋼板であって、上層皮膜中のカーボンブラックの含有量X(上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子を除いた残部体積に対する体積率)が13%以下、上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子の含有量は、非酸化物セラミックスの微粒子以外の残部体積に対する体積率で0.8〜10%であり、下層皮膜中のカーボンブラックの含有量Y(体積率)が18%以下であり、上層皮膜を有する状態での鋼板の明度L*tが25以下、上層皮膜を剥離した後の状態での鋼板の明度L*bが35以下であり、さらに上層皮膜の膜厚は3μm以上であることを特徴とする耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
(2)上記(1)の黒色塗装亜鉛系めっき鋼板で、前記定義した上層皮膜のカーボンブラック含有量X(体積%)と下層皮膜のカーボンブラック含有量Y(体積%)とが下記関係式(1)から式(4)を満たしていることを特徴とする耐付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
X≦Y ・・・(1)
X+Y≧17 ・・・(2)
3≦X≦13 ・・・(3)
10≦Y≦18 ・・・(4)
(3)非酸化物セラミックスがTiNであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
(4)亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の面に、シランカップリング剤と有機樹脂と酸と、カーボンブラックを含有する下層皮膜用処理液を塗布して下層皮膜とし、乾燥後、有機樹脂と、カーボンブラックと、非酸化物セラミックス(但し、黒鉛を除く。)微粒子を含有する上層皮膜用塗料を塗布して上層皮膜とし、乾燥することを特徴とする耐疵付つき性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
但し、下層皮膜用処理液中の全固形分に対するカーボンブラックの含有量をY(体積%)、上層皮膜用塗料中の、全固形分から非酸化物セラミックス微粒子を除く残部に対するカーボンブラックの含有量をX(体積%)とした場合に、XとYは下記の式(1)から式(4)を充たし、上層皮膜用塗料中の非酸化物セラミックス微粒子の含有量は、非酸化物セラミックス微粒子を除く固形分体積に対して0.8〜10体積%である。
X≦Y ・・・(1)
X+Y≧17 ・・・(2)
3≦X≦13 ・・・(3)
10≦Y≦18 ・・・(4)
本発明によって、従来のプレコート鋼板に比較して薄膜で、耐疵付き性および、耐食性の両立が可能な黒色塗装亜鉛系めっき鋼板が得られる。
皮膜の構成と疵付きの形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の鋼板としては公知のものを用いることができ、用途に応じて一般用、絞り用、深絞り用等を用いればよい。
(1)「亜鉛系めっき鋼板」
亜鉛系めっき鋼板とは、亜鉛めっき鋼板と亜鉛合金めっき鋼板を包含する概念である。亜鉛系めっき鋼板は公知のものが適用でき、特に限定されるものではないが、Zn、Zn−Ni、Zn−Fe、Zn−Al等が用いられる。電気めっき鋼板であっても溶融亜鉛めっき鋼板あってもよい。めっき付着量は、5g/m2以上のものが好ましい。
(2)「下層皮膜」
亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層の上には、カーボンブラックをY(体積%)含有する黒色系の下層皮膜を設ける。
カーボンブラックは、特に制限はないが、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等、公知のカーボンブラックを使用することができる。また、公知のオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理されたカーボンブラックも使用することができる。使用するカーボンブラックの粒子径は塗料中での分散性や塗膜品質、塗装性に問題がない範囲であれば特に制約はなく、具体的には一次粒子径で10〜120nmのものの使用が可能である。薄膜での意匠性(着色性、隠蔽性)や耐食性を考慮すると、一次粒子径が10〜50nmの微粒子カーボンブラックを使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは塗料中に分散する過程で凝集が起こるため、一次粒子径のまま分散することは一般的に難しい。すなわち、実際には一次粒子径よりも大きな粒子径を持った二次粒子の形態で塗料中では存在し、該塗料から形成する前記黒色塗膜中でも同様の形態で存在する。
下層皮膜のカーボンブラック含有量Y(体積%)を18体積%以下とすることにより、耐食性を良好に保持することができる。下層皮膜用処理液中の全固形分に対するカーボンブラックの含有量を18体積%以下として処理液を塗布することにより、上記条件の下層皮膜とすることができる。
下層皮膜としては、クロメートフリーのものが望ましく、公知のものが適用できる。一例としては、シランカップリング剤、有機樹脂およびポリフェノール化合物、酸を含むものにカーボンブラックを配合した処理液を塗布し、形成された皮膜が用いられる。特に下層皮膜形成のための処理液にシランカップリング剤を用いるので、加水分解により生じるシラノール基が皮膜内でシロキサン結合を形成するとともに、亜鉛系めっき層と強固な結合を形成することができる。即ち、下層皮膜中にはシロキサン結合を有するシリカ系化合物を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、
トリメトキシ[3−(フェニルアミノ)プロピル]シラン、
3−メルカブトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。前記シランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、公知の有機樹脂を使用することができる。密着性を更に高めるためには、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の少なくとも1種を使用することが好ましい。
ポリフェノール化合物はベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物、またはその縮合物のことを指す。前記ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物としては、例えば、没食子酸、ピロガロール、カテコール等を挙げることができる。ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物の縮合物としては特に限定されず、例えば、通常タンニン酸と呼ばれる植物界に広く分布するポリフェノール化合物等を挙げることができる。
酸は、例えば硝酸、りん酸、及びふっ化水素酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコン酸等から選ぶことができる。これらの酸は、上で述べたシランカップリング剤の加水分解の触媒として作用することや、金属表面をエッチングすることにより表面にある酸化膜を取り除き、皮膜の密着性を向上させることができる。
下層皮膜の付着量は、下層皮膜の付着量が0.15g/m2より少ないと、耐食性の不足や耐疵付き性の不足を起こしやすく、一方、1.5g/m2より多いと、コスト高になるので、0.15〜1.5g/m2とすると好ましい。0.17g/m2以上、1.0g/m2以下がより好ましく、0.2g/m2以上、0.8g/m2以下とするのがさらに好ましい。
(3)「上層皮膜」
本発明の上層皮膜を形成するための配合材料には、樹脂、硬化剤およびカーボンブラックの他に耐疵付き性を付与するために非酸化物セラミックスが必須である。これら配合材料を用いて形成した上層皮膜は、有機樹脂とカーボンブラックからなり、さらに非酸化物セラミックスからなる微粒子を含有する黒色系の皮膜となる。
上層皮膜での非酸化物セラミックス微粒子の機能は定かではないが、一定の硬さの粉体が皮膜中に存在することで疵付きを緩和することで、より優れた耐疵付き性を発揮すると考えられる。
非酸化物セラミックス微粒子は上記効果を得るため、上層皮膜の非酸化物セラミックスの微粒子以外の残部体積に対し0.8体積%以上添加する必要が有り、また、10体積%超添加するとむしろ効果が得られないため、0.8〜10体積%添加する必要が有り、さらに好ましくは2〜5体積%である。上層皮膜用塗料中の、全固形分から非酸化物セラミックス微粒子を除く残部に対するカーボンブラックの含有量を0.8〜10体積%として塗料を塗布することにより、上記条件の上層皮膜とすることができる。
また、非酸化物セラミックス微粒子の粒径は1〜5μmが好ましい。1μm以上であれば耐疵付き性を付与する効果をより享受しやすいが、5μm超になると上層皮膜の厚みに対して粒径が大きく、成形時に金型に疵を付けてしまう恐れがある。
非酸化物セラミックスの種類は特に限定されず、例えば、Mo2B、MoB、MoB2、NbB、NbB2、TaB、TaB2、TiB、TiB2、VB、VB2、W25、またはZrB2、などのホウ化物セラミックス、B4C、MoC、Mo2C、Nb2C、NbC、SiC、Ta2C、TaC、TiC、V2C、VC、WC、W2C、またはZrC、などの炭化物セラミックス、Mo2N、Nb2N、NbN、Ta2N、TiN、またはZrNなどの窒化物セラミックス、Mo3Si、MoSi2、NbSi2、Ta2Si、TaSi2、TiSi、TiSi2、V5Si3、VSi2、W3Si、WSi2、ZrSi、またはZrSi2などのケイ化物セラミックスが例示できる。また、これらから選ばれる2種以上の混合物を用いてもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリカルボン酸成分およびポリオール成分からなるポリエステル原料を縮重合して得られたものを、水に溶解もしくは分散することで得られる。前記ポリカルボン酸成分としては特に制限はないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上任意に使用できる。前記ポリオール成分としては特に制限はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール−A、ダイマージオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは1種または2種以上任意に使用できる。
アクリル樹脂としては、例えば、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、アルコキシシラン(メタ)アクリレート類等の不飽和単量体を、水溶液中で重合開始剤を用いてラジカル重合することによって得られるものを挙げることができる。前記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類と、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とを反応させ、さらにジアミン等で鎖延長し、水分散化させて得られるもの等を挙げることができる。
硬化剤は、前記樹脂を硬化させるものであれば特に制限はないが、例えば、メラミン樹脂やポリイソシアネート化合物を挙げることができる。メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとを縮合して得られる生成物のメチロール基の一部またはすべてをメタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールでエーテル化した樹脂である。ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等を挙げることができる。また、そのブロック化物は、前記ポリイソシアネート化合物のブロック化物であるヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化物、イソホロンジイソシアネートのブロック化物、キシリレンジイソシアネートのブロック化物、トリレンジイソシアネートのブロック化物等を挙げることができる。これらの硬化剤は1種で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上層皮膜の黒色顔料としてはカーボンブラックを用いるが、他の着色顔料を併用してもよい。前記カーボンブラックは、特に制限はないが、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等、公知のカーボンブラックを使用することができる。また、公知のオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理されたカーボンブラックも使用することができる。使用するカーボンブラックの粒子径は塗料中での分散性や塗膜品質、塗装性に問題がない範囲であれば特に制約はなく、具体的には一次粒子径で10〜120nmのものの使用が可能である。薄膜での意匠性(着色性、隠蔽性)や耐食性を考慮すると、一次粒子径が10〜50nmの微粒子カーボンブラックを使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは塗料中に分散する過程で凝集が起こるため、一次粒子径のまま分散することは一般的に難しい。すなわち、実際には一次粒子径よりも大きな粒子径を持った二次粒子の形態で塗料中では存在し、該塗料から形成する前記黒色塗膜中でも同様の形態で存在する。
上層皮膜のカーボンブラック含有量X(体積%)を上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子を除いた残部体積の13体積%以下とすることにより、界面の密着強度と上層の凝集強度を確保し、耐疵付き性を良好に保持することができる。上層皮膜用塗料中の、全固形分から非酸化物セラミックス微粒子を除く残部に対するカーボンブラックの含有量を13体積%以下として塗料を塗布することにより、上記条件の上層皮膜とすることができる。
上層皮膜中のその他成分としては各種防錆剤や潤滑剤、硬質微粒子、導電顔料などを配合することが可能である。防錆剤としてはコロイダルシリカ等の各種無機化合物や、有機系の防錆剤も使用できる。潤滑剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ふっ素樹脂系化合物等のワックスが使用できる。導電顔料としては、金属あるいは無機、有機の微粒子が使用できる。ただしこれらに限定されるものではない。
(4)鋼板表面の明度
本発明の黒色塗装亜鉛系めっき鋼板は、上層皮膜を有する状態での鋼板の明度L*tが25以下、上層皮膜を剥離した後の状態での鋼板の明度L*bが35以下であり、上層皮膜中には前述のとおり、非酸化物セラミックスからなる微粒子を0.8〜10体積%含有する必要がある。なお、ここで、L*値とは、L*a*b*表色系におけるL*値を意味し、白色度の指標となる値である。L*値は、JIS K5600−4−4(1999年)に準拠して求めることができる。
黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の明度L*tが25以下であることで、十分な意匠性を有し、かつ、上層皮膜を剥離した後の鋼板の明度L*bが35以下であること、さらに上層の皮膜中には非酸化物セラミックスからなる微粒子を0.8〜10体積%含有することで、疵付きの拡大を防ぎ、かつ、疵を目立たなくすることで、耐疵付き性を発揮できる。
上層皮膜を剥離する方法としては、例えば脱膜用のリムーバーとして、神東塗料(株)の特殊リムーバー、三彩化工(株)SP751等を用いることにより剥離ができる。具体的には、これらのリムーバーを上層皮膜の面に塗布し、所定時間静置後、上記皮膜面を擦り取ることにより、上層の樹脂皮膜を剥離することができる。
また、上層皮膜を剥離するもう一つの方法としては、ブラスト用装置として、例えば、厚地鉄工(株)のBA−1型等を用い、研掃材として樹脂ビーズを用い、上層皮膜の面を研掃することにより、上層の樹脂皮膜を剥離することができる。
上記のいずれも方法においても、皮膜の除去と重量測定とを繰り返し行い、重量の減少が無くなった時点で、上層皮膜の剥離が完了したと判断することができる。
黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の上層皮膜を剥離した後の鋼板の明度L*bを35以下にするためには、例えば明度が60〜70の電気亜鉛めっき鋼板に、カーボンブラックの含有量Yが14体積%、かつ付着量が0.2g/m2以上である下層皮膜を設ければよい。また、黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の明度L*tを25以下にするためには、例えば明度L*bが35以下の下層皮膜を有する鋼板であれば、カーボンブラックの含有量X(体積%)と膜厚(μm)の積を概ね24以上、明度L*bが30以下の下層皮膜を有する鋼板であれば、カーボンブラックの含有量X(体積%)と膜厚(μm)の積を概ね15以上とすることが好ましい。
(5)本発明の好ましい皮膜条件
本発明で望ましくは、上層のカーボンブラック含有量X(体積%)と下層のカーボンブラック含有量Y(体積%)とは下記関係を満たすとよい。
X≦Y ・・・(1)
X+Y≧17 ・・・(2)
3≦X≦13 ・・・(3)
10≦Y≦18 ・・・(4)
ただし、Xは、上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子を除いた残部体積に対するカーボンブラックの体積率である。(1)式を満たすことで、図1に示す疵13の形態の疵が入った場合に、疵を目立たなくすることができる。(2)式を満たすことで、疵12、疵13の形態の疵が入った場合に、目立たなくすることができる。
(3)式の左辺を満たすことで、外観隠ぺい性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板を得ることができる。また、(3)式の右辺を満たすことで、上層と下層の界面の密着強度を確保し、上層の凝集強度を確保することができるとともに、耐食性や耐疵付き性も良好となる。
(4)式の右辺を満たすことで、耐食性を維持することができる。また、(4)式の左辺を満たすことにより、図1に示す疵13の形態の疵が入った場合に、疵を目立たなくすることができる。
上層皮膜の厚みは、耐食性を付与する観点から3μm以上でなければならない。上限は特性面からは特に限定されないが、コストを考慮して5μm以下とするのがよい。ここでの厚みの定義は、平均厚みであって、重量法で測定した重量を別途単離塗膜から測定した比重で割り戻して厚みに換算したものである。
<製造方法>
黒色塗装鋼板の製造方法は特に限定されない。まず基材鋼板として亜鉛系めっき鋼板を用意し、当該基材鋼板の少なくとも一方の表面に上述した黒色系の下層皮膜を形成する。下層皮膜の形成方法は特に限定されず、下層皮膜成分を含んだ下層皮膜用処理液を、例えば、ロールコータ法やスプレー−リンガー絞り法等の公知の塗布方法で塗布し、また処理液の塗布後は、ドライヤーやオーブン等によって所定温度で乾燥或いは焼き付けを行えばよい。また、下層皮膜の上に黒色系の上層皮膜を形成する場合も、上層皮膜用塗料を塗布して上層皮膜とし、乾燥して、全く同様に形成すればよい。
下層皮膜用処理液は、シランカップリング剤と有機樹脂と酸と、カーボンブラックを含有する。上層皮膜用塗料は、有機樹脂と、カーボンブラックと、非酸化物セラミックス微粒子を含有する。下層皮膜用処理液中の全固形分に対するカーボンブラックの含有量をY(体積%)、上層皮膜用塗料中の、全固形分から非酸化物セラミックス微粒子を除く残部に対するカーボンブラックの含有量をX(体積%)とした場合に、XとYは下記の式(1)から式(4)を充たし、上層皮膜用塗料中の非酸化物セラミックス微粒子の含有量は、非酸化物セラミックス微粒子を除く固形分体積に対して0.8〜10体積%とする。これにより、上記本発明の耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板とすることができる。
X≦Y ・・・(1)
X+Y≧17 ・・・(2)
3≦X≦13 ・・・(3)
10≦Y≦18 ・・・(4)
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
下層皮膜を形成するための原料の配合について、表1の配合種A〜Kを用いた。また、上層皮膜を形成するための原料の配合(非酸化物セラミックス以外の部分)について、表2の配合種a〜jを用いた。
Figure 0006682973
Figure 0006682973
〈表3−1の実施例1〜25および表3−2の比較例1〜10〉
電気Znめっき鋼板(EG:めっき付着量:10g/m2)をアルカリ脱脂水溶液(FC−E6406(日本パーカライジング社製)、20g/l、60℃)を用いて2分間スプレーシャワー処理して脱脂し水洗した。
その後、表3−1、表3−2の「配合種(表1)」に対応して、表1に記載の比率で水性樹脂、シランカップリング剤、カーボンブラック、および各種酸を添加した処理液を塗布し、100℃で乾燥し、表3−1、表3−2に記載した付着量の下層皮膜を形成した。
その後、表3−1、表3−2の「配合種(表2)」に対応して、表2に記載の比率でポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン硬化剤、カーボンブラック、ポリエチレンワックスを混合した後、表3−1、表3−2に示す非酸化物セラミックスを皮膜固形分に対し所定の体積%で添加して作製された黒色塗料を塗布して200℃で乾燥し、所定膜厚の上層皮膜を形成することにより黒色塗装鋼板を作製した。
〈表3−1の実施例26〉
上記の電気Znめっき鋼板を電気Zn−Ni合金めっき鋼板(ZL:めっき付着量:10g/m2)に変えた以外は、実施例1〜25および比較例1〜10と同一の方法によって黒色塗装鋼板を作製した。
〈表3−1の実施例27〉
上記の電気Znめっき鋼板を溶融Znめっき鋼板(GI:めっき付着量:60g/m2)に変えた以外は、実施例1〜25および比較例1〜10と同一の方法によって黒色塗装鋼板を作製した。
上記で作製したサンプルに対する耐疵付き性、耐食性の評価は、下記のように実施した。
引っ掻き疵付き性:冷延鋼板(SPCC、0.8mm厚)を40mmφの円盤に打ち抜き、円盤を試験板との仰角45°に傾斜させて円盤面と垂直方向に1kgの荷重をかけながら10mm/secのスピードで黒色塗装鋼板サンプルを50mm引っ掻く。引っ掻いた疵部の黒色外観を目視観察し下記基準で評価した。判定基準は下記の通りであり、3以上を合格とした:
5:正常部と引っ掻いた疵部の黒色外観に差なし。疵部も含め均一黒色外観に見える。
4:引っ掻いた部分の黒色外観には差異がないが、やや光沢度が変化して見える。
3:引っ掻いた部分の黒色外観に僅かな変化は見られるが、下地の露出は全くない。
2:引っ掻いた部分の黒色外観に変化が見られ、下地の露出がある。
1:引っ掻いた部分の黒色外観に顕著な変化が見られ、顕著な下地の露出がある。
耐食性
黒色塗装鋼板サンプルを70mm×150mmサイズに切断し、4辺をシールし、JIS Z2371に指定された条件で塩水噴霧試験を実施し、試験後サンプルの平面部の腐食面積率を求めて評価した。判定基準は下記の通りであり、3以上を合格とした:
5 : 120時間後白錆発生なし、
4 : 120時間後白錆発生有り、面積率5%未満、
3 : 120時間後白錆発生有り、面積率20%未満、
2 : 120時間後白錆発生有り、面積率20%以上、
1 : 120時間後赤錆発生有り、全面白錆発生有り。
明度
明度の測定は、コニカミノルタ株式会社製の色差計CR−400を用い、JIS K5600−4−4(1999年)に準拠して行った。上層塗装済み鋼板の明度L*t、黒色塗装亜鉛系めっき鋼板を塗膜剥離剤により上層皮膜を剥離した後の明度L*bを測定した。L*bを測定するために、神東塗料(株)の特殊リムーバーを、黒色皮膜が形成されたサンプル面に塗布し、所定時間静置後、上記皮膜面をガーゼで擦り取りサンプルの重量測定を行った。以後、リムーバーの塗布、皮膜面の擦り取り、サンプルの重量測定を繰り返し、重量変化が無くなったサンプルのL*bの測定を行った。測定点は、各サンプル3点測定し、平均値を算出した。
表3−1は本発明例、表3−2は比較例を示す。表3−2において、本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
Figure 0006682973
Figure 0006682973
表3−1に示すように、本発明の実施例ではいずれも許容レベル以上の良好な特性が得られた。
表3−2の比較例No.1は、上層の皮膜厚さが薄すぎるために明度L*tが外れるとともに、耐食性が不良であった。
比較例No.2、3は上層の非酸化物セラミックス添加量が不足し、耐疵付き性が不良であった。比較例No.4、6は明度L*bが外れ、比較例No.5は上層のカーボンブラック添加量が過剰であり、比較例No.7は明度L*tが外れ、いずれも耐疵付き性が不良であった。
比較例No.8は下層のカーボンブラック添加量が外れ、耐食性が不良であった。比較例No.10は上層の非酸化物セラミックス添加量が多すぎ、耐疵付き性と耐食性が不良であった。
比較例No.9は明度L*tが外れ、黒色塗装鋼板としての意匠性が十分でなかった。
本発明の黒色塗装鋼板は、事務用品、電気製品または自動車部品などの装飾が必要な部材に好適に使用することができる。
1 鋼板
2 めっき
3 下層皮膜
4 上層皮膜
11〜15 疵

Claims (4)

  1. 亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の面に、カーボンブラックを含有する下層皮膜および、有機樹脂、カーボンブラック、非酸化物セラミックス(但し、黒鉛を除く。)の微粒子からなる上層皮膜を有する黒色塗装亜鉛系めっき鋼板であって、
    上層皮膜中のカーボンブラックの含有量X(上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子を除いた残部体積に対する体積率)が13%以下、上層皮膜中の非酸化物セラミックスの微粒子の含有量は、非酸化物セラミックスの微粒子以外の残部体積に対する体積率で0.8〜10%であり、下層皮膜中のカーボンブラックの含有量Y(体積%)が18%以下であり、
    上層皮膜を有する状態での鋼板の明度L*tが25以下、上層皮膜を剥離した後の状態での鋼板の明度L*bが35以下であり、
    さらに上層皮膜の膜厚は3μm以上であることを特徴とする耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
  2. 前記定義した上層皮膜のカーボンブラック含有量X(体積%)と下層皮膜のカーボンブラック含有量Y(体積%)とが下記関係式(1)から式(4)を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
    X≦Y ・・・(1)
    X+Y≧17 ・・・(2)
    3≦X≦13 ・・・(3)
    10≦Y≦18 ・・・(4)
  3. 非酸化物セラミックスがTiNであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐疵付き性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板。
  4. 亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の面に、シランカップリング剤と有機樹脂と酸と、カーボンブラックを含有する下層皮膜用処理液を塗布して下層皮膜とし、乾燥後、有機樹脂と、カーボンブラックと、非酸化物セラミックス(但し、黒鉛を除く。)微粒子を含有する上層皮膜用塗料を塗布して上層皮膜とし、乾燥することを特徴とする耐疵付つき性に優れた黒色塗装亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
    但し、下層皮膜用処理液中の全固形分に対するカーボンブラックの含有量をY(体積%)、上層皮膜用塗料中の、全固形分から非酸化物セラミックス微粒子を除く残部に対するカーボンブラックの含有量をX(体積%)とした場合に、XとYは下記の式(1)から式(4)を充たし、上層皮膜用塗料中の非酸化物セラミックス微粒子の含有量は、非酸化物セラミックス微粒子を除く固形分体積に対して0.8〜10体積%である。
    X≦Y ・・・(1)
    X+Y≧17 ・・・(2)
    3≦X≦13 ・・・(3)
    10≦Y≦18 ・・・(4)
JP2016080804A 2016-04-14 2016-04-14 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 Active JP6682973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016080804A JP6682973B2 (ja) 2016-04-14 2016-04-14 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016080804A JP6682973B2 (ja) 2016-04-14 2016-04-14 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017189930A JP2017189930A (ja) 2017-10-19
JP6682973B2 true JP6682973B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=60085379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016080804A Active JP6682973B2 (ja) 2016-04-14 2016-04-14 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6682973B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023224123A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 日本製鉄株式会社 重ね合わせホットスタンプ成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017189930A (ja) 2017-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2436516B1 (en) Chromate-free black coated metal plate
JP5335434B2 (ja) 表面処理金属材およびその製造方法
JP5560390B2 (ja) 防錆皮膜
JP4274228B2 (ja) 放熱性に優れた塗膜及びその形成方法
JP6455855B2 (ja) 水性金属表面処理剤
JP6070917B1 (ja) 塗装鋼板
JP6682973B2 (ja) 黒色塗装亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法
JP4873974B2 (ja) プレコート金属板及びその製造方法
JP2010247396A (ja) 塗装金属板およびこれを用いてなる電子機器筐体
JP3923418B2 (ja) ノンクロム処理亜鉛系めっき鋼板とその製造方法
JP2010247347A (ja) プレコート冷延鋼板およびこの製造方法
JPH0999517A (ja) 潤滑処理鋼板とそれに用いる皮膜形成性組成物
JP5150916B2 (ja) プレコート金属板及びその製造方法
JP3124266B2 (ja) 塗膜密着性と加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板
JP3090207B1 (ja) 加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板
JP6132078B1 (ja) 黒色塗装鋼板
JP4216666B2 (ja) 絞り成形性に優れるプレコート金属板
JPH09228074A (ja) 耐指紋性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法
JP2000265282A (ja) 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板
JP6540279B2 (ja) 黒色塗装鋼板の製造方法
JP4116945B2 (ja) 曲げ加工性に優れるプレコート金属板
JP2011038138A (ja) 塗装金属材およびこれを用いてなる筐体
JP2002234109A (ja) 耐熱プレコート鋼板
JPH09234419A (ja) 耐水二次密着性に優れた有機複合被覆鋼板
JP2000218229A (ja) 加工部の耐食性に優れた低毒性塗装鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200309

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6682973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151