JP6682400B2 - 木造建築物の構造躯体の接合構造 - Google Patents

木造建築物の構造躯体の接合構造 Download PDF

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Description

本発明は第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造に関するものである。
従来から木造建築物の隣接する構造躯体を連結固定するため、構造躯体の接合面に接合金具を配置することが行われている。
このような接合構造が開示された文献として特許文献1及び2を示す。特許文献1では構造躯体としての梁11の上に同じく構造躯体としての管柱12を連結するために接合金具としてのT字金具13を配置した接合構造が開示されている。また、例えば特許文献2では構造躯体としてのしての基礎15の上に同じく構造躯体としての柱22を連結するために接合金具としての柱脚用接合金具を配置した接合構造が開示されている。
特開2000−64426号公報 特開2013−167133号公報
これら特許文献1及び2の接合金具は接合金具を使用しない構造に比べると段違いな接合強度で構造躯体を接合することができる。このような接合構造として、第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、接合金具を介して第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するケースがある。このような接合構造として図12に示す。図12は、第1の構造躯体100(例えば床パネルや梁等)に対して第2の構造躯体101と第3の構造躯体102(例えば壁パネルや柱等)がT字状の外形の接合金具103によって接合された木造建築物の構造躯体の接合構造である。第1の構造躯体100には上下に連通する透孔104が形成されている。透孔104にはボルト105が挿通され、上下の接合金具103はボルト105と交差するように第1の構造躯体100に対して配置され、ボルト105に螺合されたナット105によって第1の構造躯体100を間に介在させて締め付け固定されている。
このような木造建築物の構造躯体の接合構造において、矢印のように第2の構造躯体101から第1の構造躯体100方向に圧縮力が作用するとそのほとんどの圧縮力は第1の構造躯体100に集中することとなる。そのため、第1の構造躯体100にはそのような圧縮力に対する十分な耐力が求められるわけであるが、材質が一定しなければ第1の構造躯体100の耐力も安定せず構造体の強度計算も困難となってしまう。また、材質が一定していても繊維方向と直交する方向への過大な圧縮力がかかることは材のめり込み等の変形が生じる要因となってしまい構造体の強度への影響と点からも好ましくない。特にこのような接合構造が上下に複数段積み重なるような多層階の構造物では下層階の第1の構造躯体100にかかる荷重が非常に大きくなってしまうため問題である。
本発明の目的は、接合金具を介して第1の構造躯体に対して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、第1の構造躯体に過度の圧縮力がかかることを防止するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造を提供することである。
上記目的を達成するために、手段1として、第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、前記第1の構造躯体内部に両端に雄ネジ部を備えた1又は複数の棒状体を移動不能に埋設し、埋設状態において前記第1の構造躯体の上下面から前記雄ネジ部をそれぞれ突出させ、前記各雄ネジ部に対して第1の雌ネジ部材をそれぞれ螺合させ、前記雄ネジ部の軸方向に沿って移動させることで前記第1の雌ネジ部材を前記第1の構造躯体に密着させ、前記各第1の雌ネジ部材の外面位置にそれぞれ前記接合金具の連結部を当接して配置し、配置状態で前記連結部の透孔から外側に突出する前記雄ネジ部に対して第2の雌ネジ部材を螺合させ、前記第2の雌ネジ部材を前記雄ネジ部の軸方向に沿って移動させて前記接合金具の連結部を前記第1の雌ネジ部材との間で締め付けることで前記接合金具を固定するようにした。
このような構成とすることで、上側の第2の構造躯体内の接合金具からの下方への圧縮力は上側の第1の雌ネジ部材から棒状体に伝達され、更に棒状体から下側の第1の雌ネジ部材を介して下側の第3の構造躯体内の接合金具へと伝達されるため、第1の構造躯体に過大な圧縮力がかかることがなく、第1の構造躯体にめり込み等の変形が生じるおそれがなくなる。
ここに「構造躯体」とは、木造建築物を建築する際の骨組み(架構を構成する部材)にあたる部分であって、基礎、壁、柱、横架材(梁、桁等)、土台、母屋等を広くいう。また、ムクの木でも集成材、例えば、CLT(Cross Laminated Timber)と称される直交集成板であってもよい。第2の構造躯体は1つ上の階層の第1の構造躯体を基準とした場合には第3の構造躯体となる。
第1の構造躯体内部に埋設される「棒状体」は、例えば第1の構造躯体に形成された透孔内に固定されていればよいが、施工の簡便さから案内孔にねじ込んで螺合させることのできる雄ネジ体から構成されることがよく、特にラグスクリューボルトがよい。
第1の雌ネジ部材は棒状体の雄ネジ部に螺合される雌ネジ部を有する環状体であって外面に接合金具の連結部を当接させることができれば形状は問わない。
また、「接合金具」は1つの接合金具を1つの棒状体に連結固定するようにしてもよく、1つの接合金具を複数の棒状体に連結固定するようにしてもよい。
また、手段2として、前記接合金具の連結部は前記第1の構造躯体に接触していないようにした。
これは基本的に接合金具の連結部が第1の雌ネジ部材に当接するという構造であるため、第1の雌ネジ部材が第1の構造躯体の外面に配置されればそのような構成になることを確認的にクレームしたものである。尚、第1の構造躯体に座堀りして第1の雌ネジ部材を一定量第1の構造躯体内部に埋め込む場合には接合金具が第1の構造躯体に接触するケースがあり得ることは手段1は排除していない。
また、ここで「接触していない」とは当初全部あるいは一部が接触していても経年使用することで第1の構造躯体が痩せて接合金具の連結部が第1の構造躯体に接触しなくなるケースも含んでいる。
また、手段3として、前記第1の雌ネジ部材は中央の透孔の内周面に雌ネジ面が形成された板状体であるようにした。
これは第1の雌ネジ部材の形態の具体例をクレームしたものである。このように扁平に構成することによって当接させる接合金具の安定性が向上する。板状体は円板であることがよい。
また、手段4として、前記第1の雌ネジ部材は前記第1の構造躯体を向いた側が前記透孔寄りほど厚く形成されているようにした。
これによって、軽量化が図れると同時に最も圧縮力が大きくなる透孔寄りの曲げ応力を向上させることができる。また、この際に接合金具の連結部を当接させる側は平面とし、第1の構造躯体を向いた側をテーパ状に変化させるようにすることが当接させる接合金具の安定性の点からよい。
また、手段5として、第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、前記第1の構造躯体内部に1又は複数の棒状体を移動不能に埋設するとともに、その埋設状態で前記棒状体が前記第1の構造躯体の上下面からそれぞれ突出する部分を有するようにし、前記棒状体の前記突出する部分に前記接合金具を前記第1の構造躯体に接触しないように固定した。
このように上下の接合金具を第1の構造躯体に接触させないようにして棒状体に連結するようにすると、下方への圧縮力は上側の第2の構造躯体内の接合金具から第1の構造躯体内の棒状体に伝達され、更に棒状体から下側の第3の構造躯体内の接合金具へと伝達されるため、第1の構造躯体に過大な圧縮力がかかることがなく、第1の構造躯体にめり込み等の変形が生じるおそれがなくなる。
また、手段6として、前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体を前記前記接合金具を介して連結固定した際に前記第2の構造躯体は前記第1の構造躯体に接触しないようにした。
これによって第2の構造躯体から第1の構造躯体に圧縮力が伝達されることが防止される。ここでは上方からの荷重と第1の構造躯体に伝達させないために第2の構造躯体を第1の構造躯体に接触しないように構成したが、第3の構造躯体を第1の構造躯体に接触しないようにすることもよい。
また、手段7として、前記棒状体はその外周の雄ネジ面が前記第1の構造躯体に形成された透孔の内周の雌ネジ面との間で螺合関係を有して埋設されているようにした。
これは棒状体の形態の具体例をクレームしたものであって、雄ネジ体の雄ネジ面と透孔(つまり案内孔)の内周の雌ネジ面とで第1の構造躯体内部で保持されるようにしたものであり、これによって棒状体の施工が容易に行え、かつ第1の構造躯体内部でしっかりと保持されることとなる。
また、手段8として、前記棒状体はラグスクリューボルトであり、前記第1の構造躯体に形成された案内孔の内壁に対してラグスクリュー部を食い込ませるように埋設されているようにした。
これは雄ネジ体である棒状体の形態の具体例をクレームしたものであって、これによってよりしっかりと棒状体は第1の構造躯体内部で保持されることとなる。
また、手段9として、前記接合金具は固定状態において前記棒状体の軸方向に平行な方向に延出され、前記第2の構造躯体又は前記第3の構造躯体側に挿入される挿入プレートを有しているようにした。
このような挿入プレートが第2の構造躯体又は前記第3の構造躯体側に挿入され、第2の構造躯体又は前記第3の構造躯体と固定ピンによって固定されることによって引っ張り力(引き抜き力)や圧縮力が上下方向に伝達されることとなる。挿入プレートは1つの接合金具において複数の挿入プレートを設けるようにしてもよく、複数の接合金具それぞれに1枚の挿入プレートを設けるようにしてもよい。
また、手段10として、記第2の構造躯体及び第3の構造躯体は直交集成板であって、前記挿入プレートは前記直交集成板を構成する板層に沿ってその面方向が配設されるようにした。
つまり、第2の構造躯体及び第3の構造躯体が直交集成板の場合には直交集成板を横切って切断しないように挿入プレートは直交集成板を構成する板層に沿って延出させるようにしている。これによって直交集成板の強度が低下しないようにする。
また、手段11として、前記第1の構造躯体は直交集成板であって、前記棒状体は前記直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向が軸方向となるように埋設されるようにした。
つまり、第1の構造躯体が直交集成板の場合には棒状体は直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向(強軸層と弱軸層を横切るように)に配置される。これは本発明の構造では第1の構造躯体が寝た状態で配置されることを意味している。
また、手段1〜11のいずれかの木造建築物の構造躯体の接合構造を使用して前記第1の構造躯体の上面に配置される前記第2の構造躯体が当該階層よりも1つ上層の前記第1の構造躯体の下面に配置される前記第3の構造躯体となるように積層配置されている木造建築物を構築するようにした。
これによって多層階の木造建築物を構築する際に特に下層階の第1の構造躯体に圧縮方向の大きな荷重がかかることがなくなるため、材のめり込み等の変形が生じることがなくなり多層階の木造建築物の構築が可能となる。
本発明によれば、第1の構造躯体に過大な圧縮力がかかることがなく、第1の構造躯体にめり込み等の変形が生じるおそれがなくなる。
本発明の実施形態の木造建築物の構造躯体の接合構造を使用した木造建築物の一部切り欠き斜視図。 実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する接合金具の斜視図。 実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用するラグスクリューボルトであって(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は側面図。 実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用するネジ付き座金であって(a)は斜視図、(b)は部分断面図。 実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造における接合位置の床パネルの断面図。 図5の床パネルにラグスクリューボルトを埋設した状態の断面図。 図6の状態のラグスクリューボルトにネジ付き座金を螺合させ床パネルの堀り孔内に収容させた状態の一部省略断面図。 図7の状態のネジ付き座金に接合金具を連結固定する説明図。 (a)は床パネルに連結固定された下側の接合金具に壁パネルを接続する途中の状態を説明する説明図、(b)は床パネルに連結固定された下側の接合金具に壁パネルを接続した後、ドリフトピンで固定する状態を説明する説明図。 図1の円で囲われた部分の床パネルと壁パネルの接合状態を説明する説明図。 他の実施の形態で使用する接合金具の斜視図。 従来の木造建築物の構造躯体の接合構造において床パネルにラグスクリューボルトを介して接合金具を連結固定した状態の断面図。
以下、本発明の一実施の形態である木造建築物の構造躯体の接合構造について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の接合構造を使用して構築された木造建築物1である。実際にはこのスケルトンの架構状態に外装材及び内装材が配設される。この木造建築物1は第1の構造躯体としての床パネル2と第2の構造躯体及び第3の構造躯体としての壁パネル3を組み合わせて構築されている。隣接する壁パネル3間の上部寄りには桁パネル4が配設されている。本実施の形態では床パネル2は長さ3000mm、幅1000mm、厚み210mmの基準となる直方体形状の7層構造のCLTパネルを適時カットして使用している。また、壁パネル3は長さ3000mm、幅1000mm、厚み150mmの基準となる直方体形状の5層構造のCLTパネルを適時カットして使用している。床パネル2は長さ及び幅方向が水平となるように(つまり、厚み方向が垂直方向となるように)配置され、長さ及び幅方向が垂直方向となる壁パネル3によって上下方向において挟まれている。木造建築物1は下層階から順に本発明の接合構造によって床パネル2と壁パネル3が接合されていく。木造建築物1ではすべての床パネル2と壁パネル3との接合部分に本発明の接合構造が適用されているが、以下では一例として図1の円Pで囲んだ位置の具体的な接合方法と接合構造を説明するものとする。
まず、床パネル2に壁パネル3を接合するために使用する主要な部材(金具)について説明する。
図2は床パネル2と壁パネル3とを接合するために使用される接合金具5である。接合金具5は一辺120mmの正方形形状の外観の連結部としてのベースプレート6と、ベースプレート6上面の左右方向中央位置において上方に延出される略長方形形状の挿入プレート7によって正面T字形状となる基本骨格を構成している。挿入プレート7はベースプレート6と同幅で2.5倍程度の長さ(300mm)とされている。挿入プレート7はベースプレート6に対して溶接によって固着されている。挿入プレート7の上端寄りには左右方向の2カ所に前後に連通するピン孔8が形成されている。挿入プレート7のベースプレート6との連結位置に面した中央位置には前後方向に連通するアーチ状の切り欠き部9が形成されている。ベースプレート6の中央位置、つまり切り欠き部9と交差する位置には表裏に連通する透孔10が形成されている。接合金具5は図2の状態で床パネル2の上面に設置され、上下反転させることで床パネル2の下面に設置される。
図3(a)〜(c)は床パネル2と壁パネル3とを接合するために使用されるラグスクリューボルト11である。ラグスクリューボルト11は全長の70%程度を占めるラグスクリュー部12と、ラグスクリュー部12の軸方向の一側に隣接して形成されたナット部13と、軸方向両端に形成されたボルト部14とから構成されている。ラグスクリューボルト11は床パネル2内に埋設される。
図4(a)(b)はネジ付き座金15である。ネジ付き座金15は円板形状(正確には高さの小さな円錐台形状と円板の組み合わせ形状)に構成され、その中心に透孔16が形成されている。透孔16の内周面には雌ネジ部17が螺設されている。ネジ付き座金15には透孔6を挟んで180度対向する位置に1対の断面円形の小透孔18が透設されている。小透孔18は図示しないジグによってネジ付き座金15を回動させる際の係合部とされる。ネジ付き座金15の表面15aは平面に構成されており、裏面15bは円錐台形状の斜面部分であるため透孔16寄りほど肉厚となるように(つまり中心から放射状に外側に向かって下がるような斜面に)構成されている。ネジ付き座金15の最外周部分は数ミリ幅(本実施の形態では5mm)で外周を真円形状に取り巻く鉢巻き部19が形成されている。
次に床パネル2の壁パネル3接合予定位置に接合金具5を固定する工程について説明する。
前提として床パネル2の壁パネル3を接合する位置には図5に示すように案内孔21と座堀り孔22、23が形成されている。案内孔21は床パネル2の表裏面2a、2bに対して垂直方向となる厚み方向にラグスクリューボルト11のラグスクリュー部12の谷径よりも若干小さな内径となるように形成されている。
座堀り孔22、23はネジ付き座金15の裏面15bの斜面形状に一致する中心に向かって放射状に下がるような斜面に構成されている。上側の座堀り孔22は下側の座堀り孔23よりも中央寄りが深く円筒形状に座堀りされており、ラグスクリューボルト11を埋設する際にナット部13を包囲してねじ込みする際の図示しないジグ(例えばインパクトレンチ)の収容領域を確保している。
このような床パネル2に対して作業者は、まず図6に示すようにラグスクリューボルト11を図示しないジグによってナット部13を保持し、床パネル2の上方から案内孔21に沿ってラグスクリュー部12を案内孔21の内壁面に食い込ませるように埋設する。ナット部13が上側の座堀り孔22の底に当接した状態で埋設が完了する。この状態で床パネル2の上下面からはボルト部14の先端寄り側が突出することとなる。
次いで作業者は図7に示すように上下のボルト部14にネジ付き座金15を螺合させ、ボルト部14の軸線方向に沿って床パネル2方向に移動させる。そして、図示しないジグによってネジ付き座金15を締め付け方向に回動させてネジ付き座金15の裏面15bがそれぞれ上下の座堀り孔22、23内に密着されるように締め付けるようにする。この密着状態で上側のネジ付き座金15はちょうどラグスクリューボルト11とボルト部14との境界位置に進出する。これらネジ付き座金15を固定した状態でネジ付き座金15の鉢巻き部19のみが床パネル2の外面(表裏面2a、2b)から外方に突出する。つまり、ネジ付き座金15の外寄りの部分が一部床パネル2の外面から突出することとなる。
次いで、作業者は図8に示すように床パネル2の表裏面両側から接合金具5のベースプレート6をネジ付き座金15の表面15a上にベースプレート6をその透孔10からボルト部14が露出するように載置する。表面15aとベースプレート6の裏面は共に平面で構成されているため、両者は密着する。そして、公知のナット25を上下のボルト部14に螺合させ、ボルト部14の軸線方向に沿ってベースプレート6方向に移動させる。そして、図示しないレンチによってナット25を締め付け方向に回動させてベースプレート6をナット25とネジ付き座金15の間でしっかりと締め付け固定する。この状態で接合金具5の床パネル2への固定作業が完了する。本実施の形態では間隔を空けて床パネル2の2箇所にこのようにラグスクリューボルト11を埋設し、それぞれの位置で表裏面に接合金具5を連結固定する。この間隔は壁パネル3に形成された2つのスリット28の間隔に対応している。
木造建築物1の構築に当たっては下層階から順に構築していくため、先に下側の壁パネル3から床パネル2に接合させる工法を採用する(もちろん上下から同時に壁パネル3を床パネル2に接近させるような工法であってもよい)。この状態で図9(a)のようにまず下方向の壁パネル3を接近させ、壁パネル3の端部3aに形成したスリット28に接合金具5の挿入プレート7を挿入させる。壁パネル3の端部3aが接合金具5に当接した状態で挿入プレート7のピン孔8は壁パネル3に形成されたピン孔29と照合される。そして、図9(b)に示すように公知のドリフトピン30を照合されたピン孔8、29に打ち込むことで壁パネル3は固定される。その後、当該床パネル2と同じ階及び下側の階の構築が概ね終了した段階で図9(a)(b)に準じて上側から壁パネル3を床パネル2に接合させるようにする。
このように床パネル2の表裏面に壁パネル3が接合された状態においては接合金具5のベースプレート6は床パネル2に当接せず、図10に示すようにベースプレート6上に載置されて壁パネル3も床パネル2に当接することはない。尚、図10では壁パネル3と床パネル2との間隔が開いていることを強調すべく若干広めに間隔が描かれている。
このように構成することで上記実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)上方側の壁パネル3側から接合金具5を介して下方にかかる圧縮力は上側のネジ付き座金15からラグスクリューボルト11に伝達され、更に下側のネジ付き座金15から下側の接合金具5に伝達されるようになっている。また、接合金具5はネジ付き座金15によって床パネル2には接触せず僅かに浮いた状態で支持される。このため、床パネル2には圧縮力が伝達されずに迂回してしまうため、過大な圧縮力が生じても床パネル2がめり込んで変形してしまうことがない。
(2)ネジ付き座金15は中心寄りが厚くなっているため接合金具5から伝わる圧縮力が最も大きくなる透孔寄りの曲げ応力を向上させることができる。一方、中心から離れた位置は相対的に圧縮力は小さくなるため中心寄りよりも相対的に薄くすることで重量軽減が図られている。
(3)接合金具5のベースプレート6の一辺は壁パネル3の厚みよりも短いため、装着状態でベースプレート6が壁パネル3から外方にはみ出ることはない。
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態では一例として図1において木造建築物1の円Pで囲んだ位置の接合構造について説明したが、他の位置やこの木造建築物1以外の木造建築物に適用することが可能である。
・床パネル2や壁パネル3の基準となるサイズについては上記は一例である。
・上記実施の形態では床パネル2に対して壁パネル3を接合する場合に間隔を空けて2つの接合金具5を配置するようにしていた。つまり、ラグスクリューボルト11を壁パネル3の接合位置に沿って2本配置するようにしていた。しかし、壁パネル3の幅に応じて壁パネル3に沿って配置されるラグスクリューボルト11(接合金具5)の数を適宜変更(1又は3以上)とすることは可能である。
・上記実施の形態では床パネル2に対して壁パネル3を接合する場合に間隔を空けて2つの接合金具5を配置するようにしていた。しかし、図11に示すように接合金具31を構成して1つの接合金具31だけで壁パネル3を接合するようにしてもよい。接合金具31は上記実施の形態の接合金具5を2つ接合したような外形で、挿入プレート32にはアーチ状の切り欠き部33が2つ形成されている。ベースプレート34にはラグスクリューボルト11を挿通させるために切り欠き部33位置に面してそれぞれ透孔35が形成されている。挿入プレート32には壁パネル3に固定する際にドリフトピンを嵌合させるピン孔36が形成されている。本実施の形態の壁パネル3ではラグスクリューボルト11を複数配置し、そのラグスクリューボルト11毎に接合金具5を連結するようにしていたが、このような構成の接合金具31を使用することで複数のラグスクリューボルト11に対して1つのみで足り、2本のラグスクリューボルト11に接合金具31を連結して使用することで壁パネル3を接合させることができる。
・上記床パネル2や壁パネル3はCLTパネルを使用したが、CLTパネル以外の集成材やムクの材を使用するようにしてもよい。
・上記では第1の構造躯体として床パネル2としていたが、天井パネルにこの発明を適用するようにしてもよい。
・上記では棒状体としてラグスクリューボルト11を使用したが、第1の構造躯体内部に上下方向に移動できないように埋設できるのであれば、ラグスクリューボルト11に限定はされない。例えば、ボルト部材を使用したりエポキシ系接着剤を使用して棒状体を固定したりするようにしてもよい。
・壁パネル3に形成されるスリット28は接合金具側の挿入プレートの形状や位置によって適宜変更して形成される。
・ネジ付き座金15は上記では高さの小さな円錐台形状と円板の組み合わせ形状であったが、上記のように裏面15bを斜面形状にせずにネジ付き座金15を表裏面2a、2bが平行な円板形状としてもよい。
・上記ではネジ付き座金15の鉢巻き部19のみが床パネル2の外面(表裏面2a、2b)から外方に突出するように構成されていた。この突出量は変更可能である。また、当初ネジ付き座金15を床パネル2の外面からはみ出さないように構成し、その後第1の構造躯体としての床パネル2が経年使用で材が痩せることを見越してネジ付き座金15を床パネル2の外面から外方に突出するように構成するようにしてもよい。
・その他本発明はその趣旨を逸脱しない態様で変更して実施することは自由である。
2…床パネル、3…第2及び第3の構造躯体としての壁パネル、5…接合金具、11…棒状体としてのラグスクリューボルト、14…雄ネジ部、15…第1の雌ネジ部材としてのネジ付き座金、25…第2の雌ネジ部材としてのナット。

Claims (11)

  1. 第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、
    前記第1の構造躯体内部に両端に雄ネジ部を備えた1又は複数の棒状体を移動不能に埋設し、埋設状態において前記第1の構造躯体の上下面から前記雄ネジ部をそれぞれ突出させ、
    前記各雄ネジ部に対して第1の雌ネジ部材をそれぞれ螺合させ、前記雄ネジ部の軸方向に沿って移動させることで前記第1の雌ネジ部材を前記第1の構造躯体に密着させ、
    前記各第1の雌ネジ部材の外面位置に前記第1の構造躯体に接触しないようにそれぞれ前記接合金具の連結部を当接させて配置し、配置状態で前記連結部の透孔から外側に突出する前記雄ネジ部に対して第2の雌ネジ部材を螺合させ、前記第2の雌ネジ部材を前記雄ネジ部の軸方向に沿って移動させて前記接合金具の連結部を前記第1の雌ネジ部材との間で締め付けることで前記接合金具を固定するようにしたことを特徴とする木造建築物の構造躯体の接合構造。
  2. 前記第1の雌ネジ部材は中央の透孔の内周面に雌ネジ面が形成された板状体であることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  3. 前記第1の雌ネジ部材は前記透孔寄りほど厚く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  4. 第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、
    前記第1の構造躯体内部に1又は複数の棒状体を移動不能に埋設するとともに、その埋設状態で前記棒状体が前記第1の構造躯体の上下面からそれぞれ突出する部分を有するようにし、
    前記棒状体の前記突出する部分に前記接合金具を前記第1の構造躯体に接触しないように固定したことを特徴とする木造建築物の構造躯体の接合構造。
  5. 前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体を前記接合金具を介して連結固定した際に前記第2の構造躯体は前記第1の構造躯体に接触しないことを特徴とする請求項4に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  6. 前記棒状体はその外周の雄ネジ面が前記第1の構造躯体に形成された透孔の内周の雌ネジ面との間で螺合関係を有して埋設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  7. 前記棒状体はラグスクリューボルトであり、前記第1の構造躯体に形成された案内孔の内壁に対してラグスクリュー部を食い込ませるように埋設されていることを特徴とする請求項6に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  8. 前記接合金具は固定状態において前記棒状体の軸方向に平行な方向に延出され、前記第2の構造躯体又は前記第3の構造躯体側に挿入される挿入プレートを有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  9. 前記第2の構造躯体及び第3の構造躯体は直交集成板であって、前記挿入プレートは前記直交集成板を構成する板層に沿ってその面方向が配設されること特徴とする請求項8に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  10. 前記第1の構造躯体は直交集成板であって、前記棒状体は前記直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向が軸方向となるように埋設されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  11. 請求項1〜10のいずれかの木造建築物の構造躯体の接合構造を使用して前記第1の構造躯体の上面に配置される前記第2の構造躯体が当該階層よりも1つ上層の前記第1の構造躯体の下面に配置される前記第3の構造躯体となるように積層配置されていることを特徴とする木造建築物。
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