JP6676049B2 - 合成繊維用処理剤及びその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、合成繊維用処理剤及びその利用に関するものである。さらに詳しくは、合成繊維を製造する際に用いられる合成繊維用処理剤、該処理剤を用いた合成繊維フィラメント糸条の製造方法及び該合成繊維フィラメント糸条を含む繊維構造物に関するものである。
従来、繊維油剤で処理した繊維は一旦巻き取って、それを延伸工程にかけていたが、最近この工程を短縮して、給油(オイリング)糸を直接延伸工程にかける方法が採用されている。
この方法では延伸工程で一旦糸切れなどのトラブルが発生すると、大量の繊維の損失をまねくため、延伸工程でのトラブル発生は極力避ける必要がある。トラブル発生の主たる原因は糸切れなどの繊維損傷にあり、これを防ぐため、潤滑性と耐熱性に優れた合成繊維用処理剤が必要となる。
さらには、繊維の高強力化、低収縮率化といった物性向上や、生産時の多エンド化、高速化といった生産性向上が図られており、これまで問題とならなかったロール汚れが原因で、毛羽、糸切れが増加する問題が発生している。この為、ロールを清浄な状態に保つため、ロールの清掃間隔が短く、その清掃回数が多くなり、生産性の低下が指摘されている。
上記の問題に対して、特許文献1には、多価アルコールのエステル、チオエーテル基を有するカルボン酸とアルコールとのエステル、二級スルホネート、アルキルホスフェート、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を併用した処理剤が提案されている。しかし、高強力化、低収縮率化、高速化といった生産性向上が図られたことによりこれまで問題とならなかったロール汚れを原因とする毛羽、糸切れに対しては、この処理剤を用いた場合でもあっても改善できていなかった。
このため、ロールの清掃間隔が短くなり、その清掃回数が多くなることにより、生産性の低下を抑制できる、耐熱性に優れた処理剤が切望されている。
日本国特開平8−120563号公報
本発明の目的は、合成繊維を製造する際に用いられ、ロール汚れを低減でき、耐熱性に優れる合成繊維用処理剤、該処理剤を用いた合成繊維フィラメント糸条の製造方法、該製造方法で得られた合成繊維フィラメント糸条を含む繊維構造物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討をした結果、主成分である平滑成分(A)、ノニオン性界面活性剤成分(B)を合成するときに反応時間の短縮や、反応効率の向上のため用い、中でも反応時間が短く、かつ効率が良い金属触媒が、合成繊維用処理剤に残存することで紡糸時に延伸ロール上に脱落、蓄積することにより、糸切れ断糸の増加を引き起こしていること、また熱延伸を行うロール上では、タールの蓄積を早めロール汚れを引き起こしていること、をまず見出した。
そして、処理剤の不揮発分から検出される金属(但し、アルカリ金属を除く。)含有量を所定の割合以下とすることにより、毛羽、糸切れ、ロール汚れを劇的に低減できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の合成繊維用処理剤は、本発明の合成繊維用処理剤は、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有する合成繊維用処理剤であって、
前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、
前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、Zn、Mn、CoTi、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種ICP発光分析法によって検出可能な金属元素を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される前記金属元素の含有量が0ppm超かつ10ppm以下である。
本発明の合成繊維用処理剤は、金属触媒を用いて合成されたエステルを使用する場合の合成繊維用処理剤であって、
平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、
前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、
前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属元素の含有量が0ppm超10ppm以下であり、前記金属が、Zn、Mn、CoTi、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種である。
本発明の合成繊維フィラメント糸条は、原料合成繊維フィラメント糸条に、上記処理剤が付与されてなる。
本発明の合成繊維フィラメント糸条の製造方法は、原料合成繊維フィラメント糸条に、上記処理剤を付与する工程を含む。
本発明の繊維構造物は、上記合成繊維フィラメント糸条及び/又は上記製造方法で得られた合成繊維フィラメント糸条を含む。
本発明の合成繊維用処理剤を用いた場合、合成繊維を製造する際のロール汚れを低減でき、耐熱性に優れる。その結果、ロールの清掃間隔を長く、その清掃回数を少なくすることができ、合成繊維の生産性向上を図ることができる。
本発明の製造方法によれば、スカムや糸切れの発生を低減することができ、糸品位に優れた合成繊維フィラメント糸条を得ることができる。本発明の繊維構造物は、品質に優れる。
本発明の合成繊維用処理剤は、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、ICP発光分析法によって測定する金属(但し、アルカリ金属を除く。)を所定濃度以下とするものである。以下、詳細に説明する。
[平滑成分(A)]
平滑成分(A)は、本発明の処理剤の必須成分である。平滑成分(A)としては、1)脂肪族一価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A1)、2)3価以上の脂肪族多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)、3)脂肪族一価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A3)、4)分子内に芳香環を有する芳香族エステル化合物(A4)、5)含硫黄エステル化合物(A5)、6)脂肪族2価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A6)等、合成繊維処理剤として一般的に採用されている公知の平滑成分を挙げることができる。平滑成分(A)は1種又は2種以上を使用できる。
1)エステル化合物(A1)
エステル化合物(A1)は、脂肪族一価アルコールと脂肪酸(脂肪族1価カルボン酸)とがエステル結合した構造を有する化合物であり、また分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。エステル化合物(A1)は1種又は2種以上を使用できる。
エステル化合物(A1)としては、下記一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
−COO−R (1)
(式中、Rは炭素数4〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
の炭素数は6〜22が好ましく、8〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。該炭素数が4未満では、油膜が弱いために毛羽が増加することがある。一方、該炭素数が24超では、繊維金属間の摩擦が高くなり、毛羽が増加することがある。Rは、アルキル基とアルケニル基のどちらでもよいが、耐熱性に優れるという観点から、アルキル基が好ましい。
の炭素数は6〜22が好ましく、8〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。該炭素数が6未満では、油膜が弱いために毛羽が増加することがある。一方、該炭素数が24超では、繊維金属間の摩擦が高くなり、毛羽が増加することがある。Rは、アルキル基とアルケニル基のどちらでもよいが、油膜強度が強く毛羽が発生しにくいという観点から、アルケニル基が好ましい。
エステル化合物(A1)としては、特に限定されないが、例えば、2−デシルテトラデカノイルエルシネート、2−デシルテトラデカノイルオレエート、2−オクチルドデシルステアレート、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチルステアレート、ブチルオレート、イソオクチルオレート、ラウリルオレエート、イソトリデシルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソステアリルオレエート、オレイルオクタノエート、オレイルラウレート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート等が挙げられる。これらの中でも、2−デシルテトラデカノイルオレエート、2−オクチルドデシルステアレート、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレート、ラウリルオレエート、イソトリデシルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソステアリルオレエート、オレイルオレエートが好ましい。
エステル化合物(A1)は、一般的に市販されている脂肪酸と脂肪族一価アルコールを用いて、公知の方法で合成し、得ることができる。
2)エステル化合物(A2)
エステル化合物(A2)は、脂肪酸(脂肪族1価カルボン酸)と3価以上の脂肪族多価アルコールとがエステル結合した構造を有する化合物であり、本発明の合成繊維処理剤に必須に含まれる成分であり、また分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。エステル化合物(A2)は1種又は2種以上を使用できる。
エステル化合物(A2)を構成する脂肪族多価アルコールは、3価以上であれば特に限定はなく、1種又は2種以上を使用できる。多価アルコールは、油膜強度の点から、3〜4価がより好ましく、3価がさらに好ましい。
3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ショ糖等が挙げられる。これらの中でも、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ショ糖が好ましく、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ソルビタンがより好ましく、グリセリン、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。
エステル化合物(A2)を構成する脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和結合の数については特に限定はないが、3つ以上有する場合、酸化により劣化が進行して処理剤が増粘して潤滑性が損なわれるため、1つ又は2つが好ましい。脂肪酸の炭素数としては、油膜強度と潤滑性の両立から、8〜24が好ましく、10〜20がより好ましく、12〜18がさらに好ましい。脂肪酸は、1種又は2種以上を使用してもよく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を併用してもよい。
脂肪酸としては、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸が好ましく、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸がより好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸がさらに好ましい。
エステル化合物(A2)は、分子内に3個以上のエステル結合を有する化合物であるが、製糸時の発煙の減少や油膜強度の観点から、分子内に3個のエステル結合を有する化合物であることが好ましい。
エステル化合物(A2)のヨウ素価については、特に限定はない。
エステル化合物(A2)の重量平均分子量は、300〜1200が好ましく、300〜1000がより好ましく、500〜1000がさらに好ましい。該重量平均分子量が300未満の場合、油膜強度が不足し、毛羽が増加したり、熱処理時の発煙が増加したりする場合がある。一方、該重量平均分子量が1200超の場合、平滑性が不足して毛羽が多発し、高品位の繊維が得られないだけでなく、製織や編み工程での品位が劣る場合がある。なお、本発明における重量平均分子量は、東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、試料濃度3mg/ccで、昭和電工(株)製分離カラムKF−402HQ、KF−403HQに注入し、示差屈折率検出器で測定されたピークより算出した。
エステル化合物(A2)としては、例えば、トリメチロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロパントリカプリナート、トリメチロールプロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリオレエート、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート、パルミテート)、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(トリパーム核脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパン(トリヤシ脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパンジカプリレート、トリメチロールプロパンジカプリナート、トリメチロールプロパンジラウレート、トリメチロールプロパンジオレエート、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート)、トリメチロールプロパン(ラウレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(ミリスチレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(ジパーム核脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパン(ジヤシ脂肪酸エステル)、ヤシ油、菜種油、パーム油、グリセリントリラウレート、グリセリントリオレエート、グリセリントリイソステアレート、グリセリンジオレエート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタン(ラウレート、ミリスチレート、オレエート)、ソルビタンジラウレート、ソルビタンモノオレエート、ペンタエリスリトールテトラカプリレート、ペンタエリスリトールテトラカプリナート、ペンタエリスリトールテトララウレート、エリスリトールテトララウレート、ペンタエリスリトール(テトラパーム核脂肪酸エステル)、ペンタエリスリトール(テトラヤシ脂肪酸エステル)、エリスリトールトリオレエート、エリスリトールジパルミテート等が挙げられる。
エステル化合物(A2)、は一般的に市販されている脂肪酸と脂肪族多価アルコールを用いて、公知の方法で合成し得られたものを使用してもよい。又、2種以上の天然エステル(油脂)をエステル交換して得られたエステルを用いてもよい。
3)エステル化合物(A3)
エステル化合物(A3)は、脂肪族一価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とがエステル結合した構造を有する化合物であり、また分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。エステル化合物(A3)は1種又は2種以上を使用できる。
エステル化合物(A3)を構成する脂肪族一価アルコールは、特に限定はなく、1種又は2種以上を使用できる。脂肪族一価アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和結合の数については特に限定はないが、2つ以上有する場合、酸化により劣化が進行して処理剤が増粘して潤滑性が損なわれるため、1つが好ましい。脂肪族一価アルコールの炭素数としては、平滑性と油膜強度の観点から、8〜24が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜22がさらに好ましい。脂肪族一価アルコールは、1種又は2種以上を使用してもよく、飽和脂肪族一価アルコールと不飽和脂肪族1価アルコールを併用してもよい。
脂肪族1価アルコールとしては、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキジルアルコール、イソイコサニルアルコール、エイコセノイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソドコサニルアルコール、エルカニルアルコール、リグノセリニルアルコール、イソテトラコサニルアルコール、ネルボニルアルコール、セロチニルアルコール、モンタニルアルコール、メリシニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキジルアルコール、イソイコサニルアルコール、エイコセノイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソドコサニルアルコール、エルカニルアルコール、リグノセリニルアルコール、イソテトラドコサニルアルコール、ネルボニルアルコールが好ましく、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、エイコセノイルアルコール、エルカニルアルコール、ネルボニルアルコールがより好ましく、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、エイコセノイルアルコール、エルカニルアルコールがさらに好ましい。
エステル(A3)を構成する脂肪族多価カルボン酸は、2価以上であれば特に限定はなく、1種又は2種以上を使用できる。本発明で用いる脂肪族多価カルボン酸は、チオジプロピオン酸等の含硫黄多価カルボン酸を含まない。脂肪族多価カルボン酸の価数は、2価が好ましい。同様に、分子内にヒドロキシル基を含まないことが好ましい。
脂肪族多価カルボン酸としては、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、アコニット酸、オキサロ酢酸、オキサロコハク酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。これらの中でも、アコニット酸、オキサロ酢酸、オキサロコハク酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ましく、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸がより好ましい。
エステル化合物(A3)としては、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸次イソセチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジラウリル、セバシン酸ジオレイル、セバシン酸ジイソセチル等を挙げることができる。
エステル化合物(A3)は、分子内に2個以上のエステル結合を有する化合物である。エステル化合物(A3)のヨウ素価については、特に限定はない。
エステル化合物(A3)の重量平均分子量は、500〜1000が好ましく、500〜800がより好ましく、500〜700がさらに好ましい。該重量平均分子量が500未満の場合、油膜強度が不足し、毛羽が増加したり、熱処理時の発煙が増加したりする場合がある。一方、該重量平均分子量が1000超の場合、融点が高くなり、製織や編み工程でのスカム発生の原因となり、品位が劣る場合がある。
エステル化合物(A3)、は一般的に市販されている脂肪族一価アルコールと脂肪族多価カルボン酸を用いて、公知の方法で合成し、得ることができる。
4)芳香族エステル化合物(A4)
芳香族エステル化合物(A4)は、分子内に少なくとも1つの芳香環を有するエステル化合物である。詳細には、芳香族カルボン酸とアルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A4−1)、芳香族アルコールとカルボン酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A4−2)を挙げることができる。また、芳香族エステル化合物(A4)は、分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。芳香族エステル化合物(A4)は、1種又は2種以上を使用できる。
エステル化合物(A4−1)を構成する芳香族カルボン酸は、モノカルボン酸であってもよく、多価カルボン酸であってもよい。1種又は2種以上を使用してもよい。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、トリメリット、ピロメリット酸等が挙げられる。これらの中でも、トリメリット酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、トリメリット酸がさらに好ましい。
エステル化合物(A4−1)を構成するアルコールは、一価アルコールであってもよく、多価アルコールであってもよい。また、脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよい。一価アルコールは、1種又は2種以上を使用できる。これらの中でも、一価価アルコールが好ましく、脂肪族一価価アルコールがさらに好ましい。
1価アルコールとしては、アルキルベンゼンアルコール、ジアルキルベンゼンアルコール、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキジルアルコール、イソイコサニルアルコール、エイコセノイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソドコサニルアルコール、エルカニルアルコール、リグノセリニルアルコール、イソテトラコサニルアルコール、ネルボニルアルコール、セロチニルアルコール、モンタニルアルコール、メリシニルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エステル化合物(A2)で説明した脂肪族多価アルコールやエステル化合物(A4−2)で説明する芳香族多価アルコール等を挙げることができる。
エステル化合物(A4−2)を構成する芳香族アルコールは、1種又は2種以上を使用できる。芳香族系アルコールとしては、芳香族多価アルコールが好ましく、芳香族三価アルコールがさらに好ましい。
芳香族アルコールとしては、アルキルベンゼンアルコール等の芳香族1価アルコール、ジアルキルベンゼンアルコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族多価アルコール等を挙げることができる。これらの中でもビスフェノールA、ビスフェノールZ、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが好ましく、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンがより好ましい。
エステル化合物(A4−2)を構成するカルボン酸は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよい。また、1価のカルボン酸、多価のカルボン酸のいずれでもよい。1種または2種以上を使用してもよい。これらの中でも、1価のカルボン酸が好ましく、脂肪酸がさらに好ましい。脂肪酸は、残留性の点から、飽和であることが好ましい。脂肪酸は直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
1価のカルボン酸としては、アルキルベンゼンカルボン酸、ジアルキルベンゼンカルボン酸、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソイコサン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
多価のカルボン酸としては、エステル化合物(A3)で説明した脂肪族多価カルボン酸や、エステル化合物(A4−1)で説明した芳香族多価カルボン酸等を挙げることができる。
5)含硫黄エステル化合物(A5)
含硫黄エステル化合物は、チオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのジエステル化合物及びチオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのモノエステル化合物から選ばれる少なくとも1種である。
含硫黄エステル化合物は、抗酸化能を有する成分である。該含硫黄エステル化合物を使用することで、処理剤の耐熱性を高めることができる。含硫黄エステル化合物は、1種又は2種以上を使用できる。該含硫黄エステル化合物を構成するチオジプロピオン酸の分子量は、400〜1000が好ましく、500〜900がより好ましく、600〜800がさらに好ましい。該含硫黄エステル化合物を構成する脂肪族アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。また、脂肪族アルコールは、直鎖状であっても分岐構造を有していてもよいが、分岐構造を有するものが好ましい。脂肪族アルコールの炭素数は8〜24が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜24がさらに好ましい。脂肪族アルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、イソセチルアルコール、オレイルアルコールおよびイソステアリルアルコールなどが挙げられ、これらの中でもオレイルアルコール、イソステアリルアルコールが好ましい。
含硫黄エステル化合物は、チオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのジエステル化合物(本段落において、単にジエステルという)とチオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのモノエステル化合物(本段落において、単にモノエステルという)の混合物であってもよい。その際のジエステルとモノエステルのモル比は、100/0〜70/30が好ましく、100/0〜75/25がより好ましく、100/0〜80/20がさらに好ましい。
6)エステル化合物(A6)
脂肪族2価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A6)(以後、単にエステル化合物(A6)ということがある。)は、分子内にエステル結合を2つ有するまた分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。上記エステル化合物(A1)と比較して油膜強度に優れる。
脂肪族2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
エステル化合物(A6)のを構成する脂肪酸は、エステル化合物(A2)を構成する脂肪酸と同一のものを使用できる。
これら平滑成分(A)のうち、本処理剤の平滑成分として、油膜強度、及び平滑性の観点からエステル化合物(A2)、エステル化合物(A3)及び含硫黄エステル化合物(A5)を含むこと好ましく、エステル化合物(A2)及びエステル化合物(A3)を含むことがより好ましく、エステル化合物(A2)を含むことがさらに好ましい。
平滑成分(A)を合成するための触媒として、パラトルエンスルホン酸、硫酸、金属触媒が使用されている。触媒の中でも反応速度向上、反応時間の短縮、収率向上といった生産性向上の為に金属触媒が好適に使用される。特にエステル化合物(A2)及びエステル化合物(A3)においては3価以上のエステル基を有する構造のため、その立体障害により高いエステル化率が得られにくく、高い反応性を示す金属触媒がより好適に用いられる。なお、金属触媒とは、有機金属触媒及び無機金属触媒の両方を含む概念である。
エステル化に用いられる金属触媒としては、反応性の高さ、安全性、入手のしやすさからZn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr又はHfを含む触媒が使用されるが、この中でも特にTi、Sn、Zr又はHfを含む触媒が好適に用いられ、Ti又はZrを含む触媒がより好適に用いられる。
エステル反応に用いる金属触媒は特に限定されるものでは無く、一般的に市販されているものを使用する事が出来る。
Znを含む金属触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛等が挙げられる。
Mnを含む金属触媒としては、例えば、酢酸マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。
Coを含む金属触媒としては、例えば、酢酸コバルト、硝酸コバルト等が挙げられる。
Sbを含む金属触媒としては、例えば、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、三酢酸アンチモン等が挙げられる。
Tiを含む金属触媒としては、例えば、ジクロロチタニウムオキシド、ジクロロジブチルチタン、テトラクロロチタン、トリブトキシデカン酸チタネート、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラ−イソブチルチタネート、テトラ−sec−ブチルチタネート、ジ−イソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)チタネート、ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセチルアセトネート)チタネート、ジ−n−ブチル−ビス(アセチルアセトネート)チタネート、ジ−n−ブチル−ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、トリ−イソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネート、テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)チタン等が挙げられ、中でも、イソプロピル−n−ブチルチタネート、テトラ(イソプロピル)オルトチタネートまたはテトラ(ブチル)オルトチタネート、チタンラクテートが好ましい。
Snを含む金属触媒としては、例えば、スズテトラエチレート、ブチルスズマレート、ジメチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジブチル錫オクテート、メチルフェニルスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテ−ト、ジブチルスズジアセテ−ト、ジフェニルスズジラウレ−ト、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、モノブチルスズトリアセテ−ト、モノブチルスズモノアセテ−ト、モノブチルスズトリエチルヘキサネ−ト、モノブチルスズスルファイド等が挙げられる。
Niを含む金属触媒としては、例えば、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル等が挙げられる。
Zrを含む金属触媒としては、例えば、ジクロロジルコニウムオキシド、ジクロロジブチルジルコニウム、テトラクロロジルコニウム、トリクロロジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラ(tert−ブトキシ)ジルコニウム、テトラフェノキシジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等の単独もしくは2種以上の混合物等が挙げられるが、入手容易性の観点からテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウムおよびテトラブトキシジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラアルコキシジルコニウム等が好ましい。
Hfを含む金属触媒としては、例えば、四塩化ハフニウム、ハフニウムブドキシド等が挙げられる。
平滑成分(A)としては、耐熱性向上の観点から、触媒等を除去して精製したものを用いることが好ましい。具体的には、平滑成分(A)の不揮発分から検出される金属含有量(但し、アルカリ金属を除く。)は、50ppm以下が好ましく、30ppm以下がより好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましく、5ppm以下が特に好ましい。好ましい下限値は0ppmである。
金属触媒以外の触媒もさらに除去されている事が望ましい。金属触媒以外の触媒としては、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。
触媒を除去する方法としては、公知の技術を用いることができ、特に限定されるものではないが、珪藻土を用い濾過する方法、無機合成吸着剤を用い吸着除去する方法、イオン交換樹脂を用いて除去する方法、平滑成分を水洗する事により除去する方法、等が挙げられる。
[ノニオン性界面活性剤成分(B)]
本発明の処理剤は、原糸に油膜強度、集束性を与え、製糸性を向上させる点、また水に溶解し付与出来るようにさせる点から、上記の平滑成分(A)に加え、ノニオン性界面活性剤成分(B)を含有する。なお、ノニオン性界面活性剤成分(B)は、前記の平滑成分(A)を除くものいう。ノニオン性界面活性剤成分(B)は、1種又は2種以上を使用してもよい。
ノニオン性界面活性剤成分(B)としては、分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)と分子内にエステル結合を有しないノニオン性界面活性剤成分(B2)が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B1)としては、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステル(以下、ポリヒドロキシエステルということがある)、ポリヒドロキシエステルの少なくとも一つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B2)としては、ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪族アルコールエーテル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤成分(B)は、前記ノニオン性界面活性剤成分(B1)を含むと好ましい。前記ノニオン性界面活性剤成分(B1)を含まない場合には、油膜強度、集束性、製糸性及び溶解性を同時に満足させることができないことがある。
(ポリヒドロキシエステル、ポリヒドロキシエステルの少なくとも一つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル)
ポリヒドロキシエステルは、構造上、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルであり、多価アルコールの水酸基のうち、2個以上の水酸基がエステル化されていることが好ましい。したがって、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルは、複数の水酸基を有するエステルである。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸は、脂肪酸の炭化水素基に酸素原子を介してポリオキシアルキレン基が結合した構造を有し、ポリオキシアルキレン基の脂肪酸の炭化水素基と結合していない片末端が水酸基となっている。
ポリヒドロキシエステルとしては、例えば、炭素数6〜22(好ましくは16〜20)のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物のアルキレンオキシド付加物を挙げることができる。
炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸挙げられ、ヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸が好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、グリセリンが好ましい。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数は、3〜60が好ましく、8〜50がさらに好ましい。アルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は50モル%以上が好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
2種類以上のアルキレンオキシドを付加する場合、それらの付加順序は特に限定されるものでなく、付加形態はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。アルキレンオキシドの付加は公知の方法により行うことができるが、塩基性触媒の存在下にて行うことが一般的である。
ポリヒドロキシエステルは、例えば、多価アルコールとヒドロキシ脂肪酸(ヒドロキシモノカルボン酸)を通常の条件でエステル化してエステル化物を得て、次いでこのエステル化物にアルキレンオキシドを付加反応させることによって製造できる。ポリヒドロキシエステルは、ひまし油などの天然から得られる油脂やこれに水素を添加した硬化ひまし油を用い、さらにアルキレンオキシドを付加反応させることによっても、好適に製造できる。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B1)には、上述のポリヒドロキシエステルの少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルも含まれる。封鎖する脂肪酸の炭素数は6〜24が好ましく、12〜18がさらに好ましい。脂肪酸中の炭化水素基の炭素数は分布があってもよく、炭化水素基は直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、多環構造を有していてもよい。このような脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。エステル化の方法、反応条件等については特に限定はなく、公知の方法、通常の条件を採用できる。
ポリヒドロキシエステル及びポリヒドロキシエステルの少なくとも一つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルとしては、例えば、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物モノオレエート、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物ジオレエート、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリオレエート、ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリオレエート、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリステアレート、ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリステアレート、これらのなかでも処理剤の相溶性、油膜強度、毛羽減少の点から、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリオレエート、硬化ヒマシ油エチレンオキシド付加物トリステアレートが好ましい。
(ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル)
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステルは、多価アルコールに対して、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシドが付加した化合物と、脂肪酸とがエステル結合した構造を持つ化合物である。
多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ショ糖等が挙げられる。これらのなかでも、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトールが好ましい。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、イソテトラコサン酸等が挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数としては、3〜100が好ましく、5〜70がより好ましく、10〜50がさらに好ましい。また、アルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステルの重量平均分子量は、300〜7000が好ましく、500〜5000がより好ましく、700〜3000がさらに好ましい。該分子量が300未満の場合、熱処理工程で発煙が発生し、環境を悪化する場合がある。また、断糸の発生を低減できないことがある。一方、該分子量が7000を超えると、処理剤の摩擦が高くなり、毛羽、断糸の発生を低減できないばかりか、かえって悪化することがある。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステルとしては、グリセリンエチレンオキシド付加物モノラウレート、グリセリンエチレンオキシド付加物ジラウレート、グリセリンエチレンオキシド付加物トリラウレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物トリラウレート、ソルビタンエチレンオキシド付加物モノオレエート、ソルビタンエチレンオキシド付加物ジオレエート、ソルビタンエチレンオキシド付加物トリオレエート、ソルビタンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物モノオレエート、ソルビタンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物ジオレエート、ソルビタンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物トリオレエート、ソルビタンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物トリラウレート、ショ糖エチレンオキシド付加物トリラウレート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステル)
ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルとはポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールと、脂肪酸とがエステル結合した構造を持つ化合物である。ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、100〜1000が好ましく、150〜800がより好ましく、200〜700がさらに好ましい。
ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジオレエート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル)
ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテルとは、多価アルコールに対して、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシドが付加した構造を持つ化合物である。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ショ糖等が挙げられる。これらのなかでもグリセリン、トリメチロールプロパン、ショ糖が好ましい。
アルキレンオキシドの付加モル数としては、3〜100が好ましく、4〜70がより好ましく、5〜50がさらに好ましい。また、アルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテルの重量平均分子量は、300〜10000が好ましく、400〜8000がより好ましく、500〜5000がさらに好ましい。該分子量が300未満の場合、毛羽、断糸の発生を低減できないことがある。一方、該分子量が10000を超えると、処理剤の摩擦が高くなり、毛羽、断糸の発生を低減できないばかりか、かえって悪化することがある。
ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテルとしては、ポリエチレングリコール、グリセリンエチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物、ジグリセリンエチレンオキシド付加物、ソルビタンエチレンオキシド付加物、ソルビタンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物、ソルビトールエチレンオキシド付加物、ソルビトールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物、ジトリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物、ショ糖エチレンオキシド付加物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(ポリオキシアルキレン脂肪族アルコールエーテル)
ポリオキシアルキレン脂肪族アルコールエーテルとは、脂肪族一価アルコールに対し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した構造を持つ化合物である。
ポリオキシアルキレン脂肪族アルコールエーテルとしては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数としては、1〜100モルが好ましく、2〜70モルがより好ましく、3〜50モルがさらに好ましい。また、アルキレンオキシド全体に対するエチレンンオキシドの割合は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましく、40モル%以上がさらに好ましい。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B1)はエステル反応を含む事より、エステル合成するための触媒として、パラトルエンスルホン酸、硫酸、金属(アルカリ金属を除く)触媒が使用されている。
金属触媒は、上記平滑成分(A)を合成するための触媒に記載したものと同一のものを使用することができる。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B2)について、エチレンオキサイドを付加させる際に用いられる触媒としては、アルカリ触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、酸性触媒(硫酸、燐酸、硝酸、及びそれらの塩)、及び金属アルコラート触媒(ナトリウムメチラート、カリウムブチラート等)が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B1)及び上記ノニオン性界面活性剤成分(B2)としては、耐熱性向上の観点から、触媒等を除去して精製したものを用いることが好ましい。
上記ノニオン性界面活性剤成分(B1)の不揮発分から検出される金属含有量(但し、アルカリ金属を除く。)は、50ppm以下が好ましく、30ppm以下がより好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましい。好ましい下限値は0ppmである。
触媒を除去する方法としては、公知の技術を用いることができ、特に限定されるものではないが、珪藻土を用い濾過する方法、無機合成吸着剤を用い吸着除去する方法、イオン交換樹脂を用いて除去する方法、等が挙げられる。
[アニオン性界面活性剤(C)]
本発明の処理剤は、毛羽を減少させるという点から、上記の平滑成分(A)、ノニオン性界面活性剤成分(B)に加え、アニオン性界面活性剤(C)をさらに含有することが好ましい。
上記アニオン性界面活性剤(C)としては、例えば、有機リン酸エステル化合物、有機スルホン酸化合物、脂肪酸アルカリ石鹸等が挙げられる。なかでも、毛羽を減少させるという点から、有機リン酸エステル化合物、有機スルホン酸化合物が好ましい。
有機リン酸エステル化合物としては、特に限定されないが、POE(8)オレイルホスフェートアルキルアミノエーテル塩、イソセチルホスフェートPOEアルキルアミノエーテル塩、オレイルホスフェートジブチルエタノールアミン塩等が挙げられる。
なお、POE(8)とは、ポリオキシエチレン8モル付加を意味する。
有機スルホン酸化合物としては、特に限定されないが、ジオクチルスルホサクシネートNa塩、アルキルスルホネートNa塩等が挙げられる。
[合成繊維用処理剤]
本発明の処理剤は、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含むものである。さらに、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属(但し、アルカリ金属を除く)が50ppm以下であり、30ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましく、3ppm以下が特に好ましい。好ましい下限値は0ppm超であり、より好ましい下限値は0ppmである。
50ppmを超えると、ロール上に付着した処理剤を金属触媒が重合反応して高分子化合物を生成することにより、毛羽、糸切れ、ロール汚れを低減できない。このように、処理剤の不揮発分から検出される金属を所定の重量割合以下とすることにより、毛羽、糸切れ、ロール汚れを劇的に低減できることが本願の特徴である。
前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を必須に含むと、反応効率向上の必要性から触媒の存在下でエステル反応を行うことが多いため、本願効果を得られ易い観点から、好ましい。
また、本処理剤に残存する触媒量を少なくするためには、前記平滑成分(A)及び前記ノニオン性界面活性剤成分(B)の合計重量の処理剤の不揮発分に占める重量割合が、60〜100重量%が好ましく、70〜99重量%がよりに好ましく、80〜95重量%がさらに好ましい。
60重量%未満では、平滑性の低下、油膜強度低下、乳化不良が劣ることがある。
アルカリ金属を除くとする理由は、アルカリ金属は、前記成分(A)及び前記成分(B)に含有されていても油剤との相溶性が良好であること、触媒として能力が低い事より、ロール上に付着した油剤が重合されることが少ないので、毛羽、糸切れ、ロール汚れに関与しないためである。
なお、本発明におけるICP発光分析法による金属含有量の分析方法は、実施例に記載されたものによる。また、本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
(その他成分)
本発明の合成繊維用処理剤は、処理剤のエマルション化、繊維への付着性補助、繊維からの処理剤の水洗、繊維への制電性、潤滑性、集束性の付与等のために、上記ノニオン性界面活性剤成分(B)及びアニオン性界面活性剤(C)以外の界面活性剤を含有してもよい。このような界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキルイミダゾリニウム塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤;ジメチルラウリルアミンオキサイド、POE(10)ステアリルアミノエーテル、POE(3)ラウリルアミノエーテル等が挙げられる。これら界面活性剤は、1種又は2種以上を使用できる。これら界面活性剤を含有する場合の処理剤の不揮発分に占める当該界面活性剤の重量割合は、特に限定はないが、0.01〜15重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。なお、ここでいう界面活性剤は、重量平均分子量が1000未満のものをいう。
また、本発明の合成繊維用処理剤は、耐熱性を付与するため、さらに酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系、チオ系、ホスファイト系等の公知のものが挙げられる。酸化防止剤は1種又は2種以上を使用できる。酸化防止剤を含有する場合の処理剤の不揮発分に占める酸化防止剤の重量割合は、特に限定はないが、0.1〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%が好ましい。
また、本発明の合成繊維用処理剤は、さらに原液安定剤(例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール)を含有してもよい。処理剤に占める原液安定剤の重量割合は、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤は、不揮発分のみからなる前述の成分で構成されていてもよく、不揮発分と原液安定剤とから構成されてもよく、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈したものでもよく、水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンであってもよい。本発明の合成繊維用処理剤が水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンの場合、不揮発分の濃度は5〜35重量%が好ましく、6〜30重量%がより好ましい。不揮発分を低粘度鉱物油で希釈した処理剤の粘度(30℃)は、繊維材料に均一に付与させる点から、3〜120mm/sが好ましく、5〜100mm/sがさらに好ましい。
また、本発明の合成繊維用処理剤の別の態様は、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有する合成繊維用処理剤であって、前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種である金属を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される前記金属含有量が10ppm以下である。
また、本発明の合成繊維用処理剤の別の態様は、金属触媒を用いて合成されたエステルを使用する場合の合成繊維用処理剤であって、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属含有量が10ppm以下であり、前記金属が、Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種である。
〔合成繊維用処理剤の製造方法〕
本発明の合成繊維用処理剤の製造方法は、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属含有量が10ppm以下である合成繊維用処理剤の製造方法であって、
前記金属が、Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種であり、
前記処理剤が、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、
下記工程(IA)、下記工程(IB)及び下記工程(IC)から選ばれる少なくとも1種を含む前記成分(A)及び/又は前記成分(B)の製造工程(I)と、触媒を除去する工程(II)と、前記成分(A)及び前記成分(B)を混合する混合工程(III)とを含み、
前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含む、合成繊維用処理剤の製造方法である。平滑成分(A)及びノニオン性界面活性剤成分(B)は、上記処理剤で記載したものが挙げられる。
工程(IA):Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒の存在下、多価アルコールと脂肪族1価カルボン酸とをエステル化反応させる工程
工程(IB):Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒の存在下、脂肪族一価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とをエステル化反応させる工程
工程(IC):Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒の存在下、多価アルコールに対してアルキレンオキシドが付加した化合物と、脂肪酸とをエステル化反応させる工程
前記工程(I)は、Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒の存在下、エステル化反応させる工程であり、そのアルコール、カルボン酸の種類により、上記のように工程(IA)、工程(IB)及び工程(IC)に分類される。Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒は、上記合成繊維用処理剤の各成分において説明した触媒と同様のものを使用できる。
エステル化反応の温度は、150〜280℃が好ましく、160〜270℃がより好ましく、180〜260℃がさらに好ましい。150℃未満では反応に時間を要し適当でなく、250℃超では成分(A)又は成分(B)が着色等の不具合が生じることがある。
エステル化反応の反応時間は、4〜20時間が好ましく、5〜12時間がより好ましく、6〜10時間がさらに好ましい。20時間超ではコスト的に不利になることがある。
触媒を除去する工程(II)としては、無機合成吸着剤で吸着除去する工程、珪藻土で除去する工程、濾紙で除去する工程及び無機合成吸着剤に金属触媒を吸着処理させた後に濾紙上に金属触媒を吸着させた無機合成吸着剤を積層させ除去する工程から選ばれる少なくとも1種であるとZn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒を除去できる観点から、好ましい。
無機合成吸着剤に金属触媒を吸着処理させた後に濾紙上に金属触媒を吸着させた無機合成吸着剤を積層させ除去する工程としては、上記エステル化反応後に110℃に冷却した後、平滑成分(A)またはノニオン性界面活性剤成分(B)に、平滑成分(A)またはノニオン性界面活性剤成分(B)に対し2重量%の無機合成吸着剤と、1.5重量%のイオン交換水とを投入し105℃に維持しながら3.0時間かけて、無機合成吸着剤に金属触媒を吸着処理させる。その後、濾紙上に金属触媒を吸着させた無機合成吸着剤を積層させ除去する方法が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤の製造方法は、処理剤の不揮発分に対する前記成分(A)の重量割合が30〜70重量%、前記成分(B)の重量割合が20〜70重量%であり、処理剤の不揮発分に対する前記成分(A)及び前記成分(B)の合計の重量割合が70〜100重量%であると、Zn、Mn、Co、Sb、Ti、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種を含む触媒を除去できる観点から、好ましい。
合成繊維用処理剤を混合する工程(III)は、平滑成分(A)、ノニオン性界面活性剤成分(B)、アニオン性界面活性剤(C)その他成分を任意又は特定の順番で添加混合する工程である。
これらの成分は、上記合成繊維用処理剤で既述したものと同じものを用いることができる。
以下に、実施例により本発明を説明する、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、文中及び表中の「%」は「重量%」を、意味する。
(原料A2−1の合成)
1.5リットル容量の4つ口セパラブルフラスコに室温でトリメチロールプロパン134g(1モル)と、ラウリン酸600g(3.00モル)とを加えた後、70℃に加温し溶解させ、金属触媒W1(3.8g、アルコールと酸の合計に対して0.51重量%)を仕込み、210℃まで昇温、1時間反応させたのち、230℃に昇温、7時間、撹拌と窒素導入を続けながら反応を行った。反応後、室温まで冷却し触媒除去前の(A2´−1)トリメチロールプロパントリラウレートを得た。
触媒除去前の(A2´−1)トリメチロールプロパントリラウレートに無機合成吸着剤を15gとイオン交換水10gを投入し、窒素導入を続けながら、105℃で3時間かけて無機合成吸着剤に金属触媒を吸着させたのち、濾紙を用いて減圧濾過を行い(A2−1)に係るトリメチロールプロパントリラウレートを得た。ICP発光分析法によるZr含有量は、3ppmであった。
同様にして、以下の表1に示す、(A1−1)〜(A1−3)、(A2−2)、(A2−3)(A5−1)、(A5−2)及び(A6−1)を作製した。尚、各合成に使用した触媒は次のとおりであり、ICP発光分析法による金属含有量を表1に示す。ただし、B2−1をB1−7とする。
W1 : Zrを含む触媒 ノルマルプロピルジルコネート
W2 : Tiを含む触媒 チタンラクテート
[実施例1〜10、比較例1〜5]
表2に記載の成分を混合して、均一になるまで攪拌し、処理剤を調製した。調製した各処理剤を用いて、下記の方法でピンの汚れ蓄積、ピンの汚れ拭き取り性、張力変動を評価した。その結果を表2に示す。
なお、表2の処理剤の不揮発分組成の数字は、処理剤の不揮発分に占める各成分の重量割合を示す。表2中のC−1〜C−5、D−1及びD−2は次に示す成分を用いた。
C−1 : ジオクチルスルホサクシネートNa塩
C−2 : オレイン酸K塩
C−3 : アルキルスルホネートNa塩
C−4 : イソセチルホスフェート POEアルキルアミノエーテル塩
C−5 : オレイルホスフェート ジブチルエタノールアミン塩
D−1 : POE(10)ステアリルアミノエーテル
D−2 : POE(3)ラウリルアミノエーテル
(ICP発光分析法による処理剤の不揮発分から検出される金属の測定方法)
(1)前処理(Ti、Zrの場合)
白金坩堝に合成繊維処理剤の不揮発分5gを秤取し、電熱ヒーター上で炭化した後、電気炉で灰化させ、硫酸4mlを加え、電熱ヒーター上で少量残るまで水分を留去する。超純水を加え50mlとし測定試料とする。
(2)検量線
予めTi、Zrの濃度既知の10ppm、5ppmを調整しておく。ICP(測定機器名:島津製作所製ICPS−8100、ICP発光分析装置)に供し、検量線を作成する。
(3)測定
上記測定試料をICP(測定機器名:島津製作所製ICPS−8100、ICP発光分析装置)に供し、上記(2)で作成した検量線で各金属元素の合成繊維処理剤の不揮発分の含有量を測定した。なお、上記にて合成した成分(A)、成分(B)、実施例1〜10及び比較例1〜5の処理剤の不揮発分についても同様に測定した。
なお、成分(A)、成分(B)、実施例1〜10及び比較例1〜5の処理剤の不揮発分に含まれる、Zn、Mn、Co、Sb、Sn、Ni及びHfの含有量は、いずれも0ppmであった。
実施例1〜10及び比較例1〜5の処理剤中の金属種は、それぞれ、上記表1の成分(A)及び/又は成分(B)で検出された金属種に対応する。
(ピンの汚れ蓄積、ピンの汚れ拭き取り性、張力変動の評価)
上記で調製した処理剤を1000デニール、96フィラメントの無給油ポリエステルフィラメントに定量的に20重量%付与させ、走糸法摩擦測定機にて150℃に加熱したローラーを通過させ揮発分を除去した後、250℃に加温した梨地クロムピンと接触させ、初期張力500g、走糸速度2m/分で4時間走行させ、ピンの汚れ蓄積の程度、ピンの汚れ拭き取り性、張力変動を評価した。なお、より厳しい評価を行うため、処理剤を20重量%付与した。
ピンの汚れ蓄積の程度は下記基準により評価した。
◎:汚れがほとんど認められない
○:汚れが僅かに認められる
×:明らかに汚れが蓄積している
張力変動値は下記式にて算出した。
張力変動値(g)= 糸を4時間走行させた後の張力(g)− 初期の張力(g)
また、張力変動値から、下記基準で張力変動を評価した。
◎:0gから30g未満
○:30g以上50g未満
×:50g以上
ピンの汚れ拭き取り性は下記方法で評価した。
梨時クロムピン上に発生した汚れを、水酸化ナトリウムを水とグリセリンに溶解した溶液をガーゼにしみこませて拭き取った。拭き取るまでに要した回数により、拭き取り性を評価した。
◎:5回未満の拭取りで汚れをふき取ることができる
○:5回以上20回未満の拭取りで拭き取ることができる
×:20回以上の拭取りで拭き取れない
表2から分かるように、実施例1〜10では、平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有する合成繊維用処理剤であって、前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属(但し、アルカリ金属を除く。)含有量が50ppm以下であるために、ロール汚れを低減でき、耐熱性に優れることが分かる。特に実施例1〜4及び6〜9では、金属触媒を低減した分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含むために、特にロール汚れを低減でき、耐熱性に優れることが分かる。
一方、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属(但し、アルカリ金属を除く。)含有量が50ppm超の場合(比較例1、2及び5)、エステル化合物(A2)を含まない場合(比較例3)、ノニオン性界面活性剤成分(B)を含まない場合(比較例4)には、本願の課題のいずれかが解決できていない。
産業上の利用の可能性
本発明の合成繊維処理剤は、耐熱性に優れているので、ターポリン、タイヤコード、シートベルト、エアバッグ、魚網、ロープ、スリング等の産業資材、織物や編み物等の衣料用等に用いられる合成繊維フィラメント糸条に好適である。

Claims (2)

  1. 平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有する合成繊維用処理剤で
    あって、
    前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有す
    るエステル化合物(A2)を含み、
    前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、Zn、Mn、CoTi、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種であるICP発光分析法によって検出可能な金属元素を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される前記金属元素の含有量が0ppm超かつ10ppm以下である、合成繊維用処理剤。
  2. 金属触媒を用いて合成されたエステルを使用する場合の合成繊維用処理剤であって、
    平滑成分(A)と、ノニオン性界面活性剤成分(B)とを含有し、
    前記成分(A)が脂肪酸と3価以上の脂肪族アルコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物(A2)を含み、
    前記成分(B)が分子内にエステル結合を有するノニオン性界面活性剤成分(B1)を含み、ICP発光分析法によって処理剤の不揮発分から検出される金属元素の含有量が0ppm超かつ10ppm以下であり、前記金属が、Zn、Mn、CoTi、Sn、Ni、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種である、合成繊維用処理剤。
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