JP6675235B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
これに対し、低回転高トルク型のモータが設けられることで、遊星歯車機構を省略してスピンドルを直接回転することが考えられる(ダイレクトドライブ)。
この場合、ダイレクトドライブモータの回転軸にファンが固着されると、冷却用として十分な回転数が得られない可能性がある。そこで、ダイレクトドライブモータとは別にファン用のモータを備えさせることが考えられる。しかし、モータの数が増え、更にその配線等が増える分、構成が複雑になる。
本発明は、シンプルな構成で効率的な冷却が可能である電動工具を提供することを主な目的とするものである。
前記第1ファンは、前記モータを冷却することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、更に、前記モータ軸により駆動される出力軸を備えており、前記モータ軸は、前後方向を向いており、前記第1ファンは、遠心ファンであり、前記出力軸は、前記モータ軸の前方に配置されており、前記第1増速機構は、遊星歯車を有する遊星歯車機構であり、前記第1増速機構及び前記第1ファンは、モータ軸の後端部に配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、更に、前記モータ軸の回転を増速する第2増速機構と、前記第2増速機構と接続されている第2ファンと、を備えており、前記第2増速機構は、ベベルギヤを有するベベルギヤ機構であり、前記第2ファンは、遠心ファンであり、前記第2増速機構及び前記第2ファンは、モータ軸の前端部に配置されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、前記モータは、ステータと、その外周に配置されたロータと、を有していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明において、前記出力軸に、先端工具が取り付けられていることを特徴とするものである。
当該形態や変更例における前後上下左右は、説明の便宜上定めたものであり、作業の状況や移動する部材の状態等により変化することがある。
尚、本発明は、下記の形態や変更例に限定されない。
図1は、電動工具の一例であって回転打撃工具の一例である、本発明の第1形態に係るインパクトドライバ1の右側面図であり、図2はインパクトドライバ1の上面図であり、図3はインパクトドライバ1の中央縦断面図であり、図4は図3の上部拡大図であり、図5は図3のA−A断面図である。
インパクトドライバ1は、その外郭を形成するハウジング2を有している。
インパクトドライバ1は、中心軸を前後方向とする筒状の本体部4と、本体部4の下部から下方へ突出するように形成されたグリップ部6を有する。尚、図1及び図3において右が前となる。
グリップ部6は、使用者が把持する部分であり、グリップ部6の基端部には、使用者により指先で引く操作が可能であるトリガ形式のスイッチレバー8が設けられている。スイッチレバー8は、スイッチ本体部9から突出している。
モータ11は、インパクトドライバ1の駆動源であり、その回転は、スピンドル13に伝達される。そして、スピンドル13の回転力がハンマ16等(打撃機構部)によって回転打撃力(回転力及び打撃力の少なくとも一方)に適宜変換され、スピンドル13とハンマ16の間に渡されるスプリング14の緩衝を適宜受けつつ、出力軸としてのアンビル18に伝えられる。アンビル18は、回転打撃力を受けて軸周りに回転可能な部分であり、図示しないビット(先端工具)を受け入れる。当該ビットとして、ドライバを用いることができ、インパクトドライバ1は、ネジ締めに用いることができる。
左ハウジング20(本体部4外郭部分)の後部の側部には、上下に並ぶ左後部排気口20a,20a・・が設けられており、右ハウジング22にも同様に右後部排気口22a,22aが設けられている。尚、左後部排気口20a・・と右後部排気口22a・・を合わせ、後部排気口21aとする。
又、左ハウジング20の上部中央には、放射方向に延びており円弧に沿って並ぶ左上部吸気口20b,20b・・が設けられており、右ハウジング22にも同様に右上部吸気口22b,22bが設けられている。尚、左上部吸気口20b・・と右上部吸気口22b・・を合わせ、上部吸気口21bとする。ハウジング2における、上部吸気口21bの内周側部分(左上部吸気口20b・・や右上部吸気口22b・・の各内側端部)は、その周囲に対して円板状に突出した円板状部21cとなっている。
バッテリ取り付け部30の前上部(グリップ部6の広がった下部の前側上面部)には、バッテリ残量や打撃力の段階を表示する表示部32が設けられている。
バッテリ取り付け部30の内部には、回路基板を含むターミナル33が収められている。ターミナル33には、モータ11の変速を行うためのスイッチング素子が搭載されている。
バッテリ31は、バッテリ端子部31aを上とし、***部31bを上且つ前とした状態で、バッテリ取り付け部30の前から後方へスライドさせることで装着される。装着時、***部31bの後部がバッテリ取り付け部30の前部に当たり、バッテリ端子部31aがバッテリ取り付け部30のバッテリ受け入れ端子部30aに接触する。又、装着時、図示しない弾性部材により上方に付勢され、バッテリ31の他の部分の上面から突出したバッテリ爪31cが、バッテリ取り付け部30下前部に設けられた上方に窪むバッテリ取り付け凹部30bに入る。一方、バッテリ31を外す場合、バッテリ爪31cの弾性部材とつながるバッテリボタンを操作し、バッテリ爪31cをバッテリ取り付け凹部30bから外れた状態としながら、バッテリ31を前方にスライドさせる。バッテリ31の後部中央には、バッテリ吸気口31dが開けられており、バッテリ31の上後部中央には、バッテリ通気口31eが開けられている。又、バッテリ取り付け部30の下端部であって、バッテリ31装着時のバッテリ通気口31eに対応する位置には、バッテリ取り付け部通気口30cが開けられている。装着されたバッテリ31の前端は、バッテリ取り付け部30の前端よりも前方に配置される。
ハウジング2の下端部であって、バッテリ取り付け部30の上部の左右には、フック34を取り付け可能であるフック用溝35が設けられている。一方のフック用溝は、左ハウジング20において形成されており(図示されない)、他方のフック用溝35は、右ハウジング22において形成されている(図1参照)。
ステータ40は、軸方向が前後方向であり内方に突出する複数(6個)の内歯を有する円筒状の固定子鉄心44と、固定子鉄心44の前後に設けられる前絶縁部材46及び後絶縁部材48と、前絶縁部材46及び後絶縁部材48を介して固定子鉄心44の内歯にそれぞれ巻かれる複数の駆動コイル50,50・・とを有する。又、後絶縁部材48には、センサ基板52がネジで固定されている。センサ基板52の前面には、3個の図示されない磁気センサが固定されている。更に、後絶縁部材48の後面周縁には、各駆動コイル50とセンサ基板52を電気的に接続する接点としてのコイル接続部54が、合計6個設けられている。コイル接続部54には、リード線55の一端が接続されており、リード線55の他端は、ターミナル33に接続されている。
ロータ44は、回転軸(ロータ軸)であるモータ軸56と、モータ軸56の周囲に配置された円筒状の回転子鉄心58と、回転子鉄心58の外側に配置されており、筒状で周方向に極性を交互に変えた永久磁石60,60・・と、これらの後側(ステータ40のセンサ基板52側)において放射状に配置された複数の図示されないセンサ用永久磁石とを有する。回転子鉄心58と、各永久磁石60と、センサ用永久磁石は、ロータアッセンブリを構成する。ロータアッセンブリは、スイッチ本体部9の上方に配置されており、この配置によって、バランスが良く、握った際に使い易いインパクトドライバとすることができる。
モータ軸56における回転子鉄心58の前側には、筒状で樹脂製のスリーブ62が設けられている。スリーブ62の前方に、モータ軸56の前部の周りに配置されるモータ前軸受64が設けられている。
ロータアッセンブリにおける永久磁石60,60・・及びセンサ用永久磁石は、一体で構成することにより、4個の板状の永久磁石にすることも可能である。
内歯ギヤ70は、ハウジング2の後端部の内側において回転不能に取り付けられている。
各遊星歯車72及びキャリア76の大部分は、内歯ギヤ70の内方に配置される。
各ピン74は、前後方向を軸方向とする円柱状である。
各遊星歯車72は、対応するピン74の周りで回転可能である状態で、ピン74に周設される。
キャリア76は、モータ軸56の後端部に対して一体に固定されている。
遠心ファン78は、複数枚の羽根を有する羽根部78aと、羽根部78aより径が小さく、羽根部78aと同軸の円筒状であり、羽根部78aの後側に配置されるギヤ部78bと、ファン軸受78cを有する。ギヤ部78bの外曲面には、各遊星歯車72と噛み合う外歯が形成されている。ファン軸受78cは、羽根部78a内に配置されており、外輪が羽根部78aないしギヤ部78bに対して一体に固定され、内輪がモータ軸56に対して一体に固定されている。よって、遠心ファン78は、モータ軸56に対して、相対的に回転可能である。
遠心ファン78(羽根部78a)の外方には、後部排気口21aが位置している。
尚、キャリア76の後方には、モータ後軸受80が設けられている。モータ後軸受80は、ハウジング2の後端内に取り付けられており、モータ軸56を回転可能に支える。
ベベルギヤ82は、モータ軸56に対して一体に固定されている。
各ファン軸84は上下方向に延びており、遠心ファン86の上下に配置されたファン軸受88,88により軸周りで回転可能に支持される。ファン軸84の外側の端部は、これより内側の部分に対して径を小さくされた小径部分とされており、その小径部分に設けられるファン軸受88は、他方のファン軸受88より小さくなっている。
ベベルギヤ82の歯数は、各ファン軸84の歯数より多くなっている。
上のファン軸84における上のファン軸受88は、ハウジング2の円板状部21c内に入っている。
尚、第1ファン機構10や第2ファン機構12、あるいはそれらの一部は、モータ11の構成要素とすることも可能である。
スピンドル13の円盤状部13bの後側を受けるスピンドル軸受90の内径は、ベアリングリテーナ25により保持されるモータ前軸受64の内径より大きくなっている。又、スピンドル軸受90の後面は、モータ前軸受64の前面より前にあり、スピンドル軸受90とモータ前軸受64は前後方向において互いにずれた状態で配置されている。よって、スピンドル13からスピンドル軸受90に伝わった力が、モータ前軸受64に伝わり難くなり、モータ前軸受64やモータ11が長寿命になる。
スピンドル13の後端部13aは、円盤状部13bの後面から後方に円筒状に突出している。後端部13aの内側はスプライン穴となっており、モータ軸56の先端部56aに形成されたスプラインを受け入れている。尚、スピンドル13の後端部13aとモータ軸56の先端部56aにおける回転係止の構造は、スプライン構造に代えて六角孔(多角孔)と六角柱(多角柱)とする等、どのような構造であっても良い。
尚、ハンマ16とスピンドル13の前部との間には、打撃時にハンマ16を主に前後方向に案内するハンマボール96,96が介装されている。
アンビル本体18aは、放射方向にそれぞれ延びる一対の延設部18c,18cを、後部に有している。
延設部18c,18cの前側には、アンビル18を軸周りに回転自在且つ軸方向に変位不能に支持するアンビル軸受98が設けられている。アンビル軸受98は、ハウジング2の前端部内壁に取り付けられる。
又、アンビル本体18aの後端部中央には、円筒状に後方へ突出する突起18dが設けられている。突起18dの外曲面はスプラインとして形成されており、突起18dはスピンドル13の前端から後方へ形成されたスプライン穴であるスピンドル前穴14aに入っている。
アンビル本体18aの内部には、アンビル本体18aの前端から後方へ向かうアンビル穴18eが開けられている。アンビル穴18eは、図示しないビットを受け入れる。
チャック18bは、チャックスリーブ102と、チャックスプリング104と、チャックワッシャ106と、チャックスプリング止め107と、複数のチャックボール108,108を有する。
チャックスリーブ102は、円筒状の部材であり、アンビル本体18aの前部外径より大きい内径を有する、前端から中央部に亘り開けられたチャック前穴部110と、アンビル本体18aの前部外径と同等の内径を有し、チャック前穴部110に対して内方に突出するチャックボール押さえ部112を有する。
チャックスプリング104は、チャック前穴部110に入れられている。
チャックワッシャ106は、チャック前穴部110前端部内であってチャックスプリング104の前側に配置されている。
チャックスプリング止め107は、C字状の部材であり、チャックワッシャ106の前側に配置された状態で、アンビル本体18aの先端部外面に固定されている。チャックスプリング止め107は、チャックワッシャ106を介して、チャックスプリング104をチャック前穴部110内に収めている。
チャックボール108,108は、アンビル本体18aの上下に配置され、アンビル穴18e内に露出していると共に、チャックスリーブ102のチャックボール押さえ部112に接触可能である。
チャックスリーブ102を、チャックスプリング104の弾性力を受けつつ前に引くと、チャックボール押さえ部112が各チャックボール108から離れて、ビットを入れ易くなる。そして、ビットの後部を入れた状態で、チャックスリーブ102を後方に戻すと、チャックボール押さえ部112が各チャックボール108に接触して各チャックボール108を内方に押し、ビットを押さえてアンビル18に対して固定する。
作業者がグリップ部6を把持してスイッチレバー8を引くと、スイッチ本体部9における切替によりバッテリ31からモータ11への給電がなされ、センサ基板52の磁気センサにより把握されたロータ44の回転位置に応じ、ターミナル33のスイッチング素子が各駆動コイルのスイッチングを行って、ロータ44(モータ軸56)が回転する。
モータ軸56の回転により、第1ファン機構10が作動して、遠心ファン78が回転する。即ち、モータ軸56と一体のキャリア76が回転して内歯ギヤ70内で各遊星歯車72が回転し、ギヤ部78bにおいてこれらと噛み合う遠心ファン78が、モータ軸56の回転速度より増速された状態でモータ軸56の周りで回転する。
遠心ファン78の回転時における羽根部78aの作用により、後部排気口21aから空気が排気され、バッテリ吸気口31d(バッテリ通気口31e,バッテリ取り付け部通気口30c)や上部吸気口21bから後部排気口21aへの空気の流れが形成される(図3の矢印X,Y参照)。空気の流れによって、モータ11を始めとするインパクトドライバ1の内部機構が冷却される。
又、モータ軸56の回転により、第2ファン機構12が作動して、遠心ファン86,86が回転する。即ち、前後方向のモータ軸56と一体のベベルギヤ82が回転してこれに噛み合う上下方向のファン軸84,84が回転し、遠心ファン86,86が、モータ軸56の回転速度より増速された状態でファン軸84,84の周りで回転する。
遠心ファン86,86の回転により、遠心ファン78の回転による空気の流れと同様である空気の流れが形成され(図3の矢印X,Y参照)、遠心ファン78,86,86の同時作動により、その空気の流れがそれぞれ単独で作動した場合より強くなり、内部機構の冷却効率が向上する。
更に、モータ軸62の回転力は、直接(減速機構を介することなく)スピンドル13に伝わり、スピンドル13の回転力は、直接アンビル18に伝わる(ダイレクトドライブ)。
スピンドル13は、アンビル18を回転させると共に、アンビル18において所定閾値以上のトルクを受けた場合にハンマ16を前後に揺動(打撃)するように案内する。打撃時には、スプリング14による緩衝作用がハンマ16(やスピンドル13)に働く。
又、増速機構が遊星歯車72,72・・を有する遊星歯車機構79であれば、モータ軸56と遠心ファン78の軸が同様な方向である場合にシンプルに増速することができ、増速機構をコンパクトにすることができる。
他方、増速機構がベベルギヤ82を有するベベルギヤ機構89であれば、モータ軸56と遠心ファン86の軸が異なる方向である場合にシンプルに増速することができ、モータ軸56の方向に対して遠心ファン86のファン軸84の方向を変更しながら増速機構をコンパクトにすることができる。
更に、モータ軸56により駆動されるアンビル18を備えており、モータ軸56は、前後方向を向いており、アンビル18は、モータ軸56の前方に配置されており、遠心ファン78及び遊星歯車機構79は、モータ軸56の軸方向端部(後端部)に配置されている。よって、増速される遠心ファン78を主要機構の外側に配置して、インパクトドライバ1をコンパクトに形成し、扱い易くすることができる。
ファンは、遠心ファン以外のものであっても良い。
ファンに関し、第1ファン機構(遊星歯車機構に係るもの)のみが設けられても良いし、第2ファン機構(ベベルギヤ機構に係るもの)のみが設けられても良いし、これらの少なくとも一方と増速機構を介さないファンとが併設されても良い。又、第2ファン機構におけるファンの数は1個でも良いし、3個以上でも良い。第1形態よりファンの総数が減少したとしても、ファンの回転が増速されているので、内部機構は十分に冷却可能である。
第2ファン機構において、ファン軸毎にベベルギヤが設けられても良い。第1ファン機構において、ファンの前方に遊星歯車機構が配置されても良いし、ファンが複数設けられても良い。第1ファン機構はモータの前方にされても良いし、第2ファン機構はモータの後方に配置されても良い。第1ファン機構と第2ファン機構の少なくとも一方は、モータの上方又は下方に配置されても良い。
増速機構として、ベルト駆動のものや、チェーンとスプロケットが用いられるもの等が用いられても良い。
モータは、ステータの外側にロータが配置されたアウターロータ型のものであっても良い(後述の第3形態参照)。又、モータはブラシレスモータ以外のモータであっても良い。6個のスイッチング素子はターミナルではなくセンサ基板上に配置しても良い。又、スイッチング素子や駆動コイル、センサ用永久磁石や磁気センサ等の数は、適宜増減することができる。センサ基板は、前絶縁部材の前方に配置させた状態で、前絶縁部材にネジ止めすることも可能である。
アンビル(出力軸)が省略されて先端工具が直接モータ軸に取り付けられても良いし、モータ軸と出力軸の間に1又は2以上の中間軸が介装されても良い。
モータによるアンビルの駆動は、ダイレクトドライブされなくても良い。即ち、モータ軸とスピンドルの間や、スピンドルとアンビルの間等に、減速機構や増速機構が配置されても良い。
ハウジングの区分の数や遊星歯車の設置数、増速機構の段数や吸排気口の数を増減したり、スイッチレバーのスイッチの形式を変更したりする等、各種部材の数や配置、材質、大きさ、形式等を適宜変更することができる。
ギアケースを採用し、ハンマ及びアンビルを省略して、更に例えば2段階の遊星歯車機構等の減速機構部を配置して、減速機構部の出力軸をギヤケースから前方へ突出させて、先端工具を保持する先端工具保持部を出力軸の前部に固定することにより、充電式のドライバドリル又は振動ドライバドリルとすることも可能である。
又、出力軸(先端工具保持部)の方向が動力部の方向(モータのモータ軸の方向やその回転力を伝達する機構の伝達方向)と異なる(略90度となる)充電式アングル電動工具にも、本発明を適用することができる。
更に、他の充電式の電動工具や、商用電源に接続する電動工具、又はクリーナ、ブロワ、あるいは園芸用トリマをはじめとする園芸工具等に、本発明を適用することができる。
図6は本発明の第2形態に係るソフトインパクトドライバ(オイルパルスドライバ)201の右側面図であり、図7はソフトインパクトドライバ201の上面図であり、図8はインパクトドライバ1の中央縦断面図であり、図9は図8の上部拡大図である。
ソフトインパクトドライバ201は、打撃機構ないし出力軸(ハンマ16やアンビル18等)を除いて第1形態のインパクトドライバ1と同様に成る。以下、同様の構成要素については、第1形態と同じ符号が付され、適宜説明が省略される。
モータ11は、ソフトインパクトドライバ201の駆動源であり、その回転が直接オイルユニット204に伝えられる(ダイレクトドライブ)。シャフト202は、回転打撃力を受けて軸周りに回転する部分である。
尚、シャフト202やシャフト軸受234は、オイルユニット204の構成要素ではなく、出力軸に係る独立した構成要素と扱われても良い。
そして、筒リブ210aの外側であって、前オイルケース210側面の内側に、リング216が配置される。リング216は、樹脂(より詳しくは合成樹脂)で形成される輪状の部材である。リング216の内部には、気体216a(空気)が封入されている。
又、リング216と筒リブ210a後端部と段部210bの後側に、板218が配置される。板218は、互いに対向する位置(図8,図9では上下)に隙間部218a,218aを有しており、各隙間部218aによりリング216周辺と板218の後方部分とが互いに連通している。
前オイルケース210における隙間部218a,218aの前方に位置する部分には、ネジ214,214のためのネジ穴が開けられている。
側壁部212aは、前オイルケース210の後部の開口部に、接する状態で入れられている。側壁部212aと前オイルケース210の間に、後シールリング226が配置されている。
側壁部212aの内面の互いに対向する位置(左右)には、他の内面(円筒面)に対して内側に***する図示されない***部が設けられている。
中央部212bは、側壁部212aの後端を塞いでいる。中央部212bの外面は、円筒状であり、その径は、側壁部212aの外径より小さくされている。即ち、側壁部212aと中央部212bの境目には、前に対して後が縮径して窪む段が形成されている。
中央部212bの外側には、後オイルケース212(オイルユニット204)を回転可能に支持するオイルユニット軸受240が配置されている。オイルユニット軸受240の外面部(の後部)は、ハウジング2内のリブである軸受保持部に嵌め込まれている。
後部212cは、中央部212bの後面から後方へ円筒状に突出するように形成されている。後部212cは、中央部212bより縮径されている。後部212cの内穴は、モータ軸56の先端部56aのスプラインを受け入れるスプライン穴となっている。
シャフト202後部の外面には、板218中央の孔と、筒リブ210a内面が接触している。筒リブ210aの前側には、前シールリング230とリング232が、中央の孔においてシャフト202外面に接触する状態で設けられている。
前オイルケース210の前側には、シャフト202を回転可能に支持するシャフト軸受234が配置されている。シャフト軸受234は、ハウジング2前部の内側において取り付けられている。更に、シャフト軸受234の前側には、前シールリング242が配置されている。前シールリング242は、シャフト202の外面に接している。前シールリング242は、ハウジング2前部の内側において取り付けられている。
シャフト202の内部には、シャフト202の全体に亘る前後方向の孔が開けられている。当該孔の前部は、ビットを装着可能なチャック穴244となっている。チャック穴244の外方(シャフト202の先端部)には、チャック18bが設けられている。又、当該孔における中央部(チャック穴244の後方)に、当該孔を塞ぐ状態で、出力調節機構228が配置されている。
シャフト202、前オイルケース210、後オイルケース212、ネジ214,214、出力調節機構228、並びに各種のシールリング等により、密閉空間が形成され、当該密閉空間内には、オイルが封入されている。
当該密閉空間に対するオイルの封入は、ネジ214,214の孔を通じて真空引きした状態で行われ、オイル封入後にネジ214,214が入れられる。
又、当該密閉空間内のオイルは、板218の隙間部218a,218aを通じてリング216の後側に流入可能である。リング216は、後側に流入して隣接したオイルから受ける圧力に応じて収縮可能である。リング216は、主に気体216aが圧縮されることにより収縮し、オイルの熱が比較的に高くなり圧力が増すと収縮する。
カム220は、扁平状(図8,図9の状態では上下の高さよりその左右の幅が比較的に小さい)であり、シャフト202と共に左右に回転可能に設けられる。
カム220の周り(図3,図4では上下)には、金属(鉄)製のボール222,222が配置される。各ボール222は、カム220に接触可能である。シャフト202には、各ボール222を入れる径方向の孔が設けられる。当該孔は、シャフト202の前後方向の孔と連通している。
各ボール222の外側(図3,図4では上又は下)には、ブレード224が配置される。各ブレード224は、ボール222と後オイルケース212(側壁部212a)の内壁に同時に接触可能である。側壁部212aの***部が左右に位置している場合において、カム220が回転により水平となり、ボール222,222がカム220の左右に位置したときには、ブレード224,224が左又は右の***部に当たる。このとき、カム220やボール222,222により、シャフト202の前後方向の孔の後部に連通するように開けられた径方向のオイル通過孔が塞がれ、シャフト202後部内(カム220の周囲部)が密閉されて、その密閉部分の内圧が、他の部分におけるオイルの内圧に対して高くなる。この密閉部分の内圧の上昇により、各ブレード224の位置(カム220やボール222により外側に押されて***部96に当接可能となった位置)が保持される。
オイルの内圧は、出力調節機構228により調整可能である。出力調節機構228は、前後に移動することで、自身の後部におけるオイルの通過量が調整され、もってオイルの内圧が調整される。出力調節機構228は、チャック穴244に挿入される操作具により回転されることで前後移動される。
オイルユニット204のシャフト202は、モータ軸56により回転駆動される。
左ハウジング20におけるオイルユニット204の左側に位置する部分には、左前部排気口250,250・・が設けられており、右ハウジング22におけるオイルユニット204の右側に位置する部分には、右前部排気口252,252・・が設けられている。
作業者がグリップ部6を把持してスイッチレバー8を引くと、ロータ44(モータ軸56)が回転する。
モータ軸56の回転により、第1ファン機構10が作動して、遠心ファン78が増速回転する。遠心ファン78の回転時における羽根部78aの作用により、主に後部排気口21aから空気が排気され、バッテリ吸気口31d(バッテリ通気口31e,バッテリ取り付け部通気口30c)や上部吸気口21bから後部排気口21aへの空気の流れが主に形成される(図8の矢印X,Y参照)。空気の流れによって、モータ11を始めとするインパクトドライバ1の内部機構が冷却される。
又、モータ軸56の回転により、第2ファン機構12が作動して、遠心ファン86,86が増速回転する。遠心ファン86,86の回転により、遠心ファン78の回転による空気の流れと同様である空気の流れが形成されると共に(図3の矢印X,Y参照)、上部吸気口21bから左前部排気口250及び右前部排気口252への空気の流れが形成される(図8の矢印Z参照)。
実際には、第1ファン機構10及び第2ファン機構12が同時に作動するため、第1ファン機構10及び第2ファン機構12により矢印X,Y,Zで示されるような空気の流れが起きる。そして、遠心ファン78,86,86の同時作動により、それらの空気の流れがそれぞれ単独で作動した場合より強くなり、内部機構の冷却効率が向上する。
オイルユニット204の各ブレード224は、通常、後オイルケース212の側壁部212aの***部に当接している状態で保持されている。この状態においては、ボール222,222やカム220によりシャフト202後部のオイル通過孔が塞がれ、カム220の周囲部に高圧のオイル密閉空間が形成されて、ブレード224,224が高圧のオイルにより後オイルケース212内面の***部に押し付けられて、ブレード224,224の位置が保持される。そして、後オイルケース212の回転は、各ブレード224、各ボール222、カム220やオイルを介してシャフト202に伝わり、チャック18bにより固定されたビットが回転して、ネジ締め等が行われる。
他方、ネジが締まったとき等、シャフト202への負荷が高まって後オイルケース212の回転よりもシャフトの202回転が遅れるようになった場合には、次のようにして、衝撃トルクがオイルユニット204により断続的に発生し、シャフト202に与えられる。即ち、後オイルケース212とシャフト202が相対的に回転し、各ブレード224が後オイルケース212内面の***部から一旦離れ、カム220や各ボール222がシャフト202後部の各オイル通過孔を開放して、カム220の周りのオイル密閉空間が開放され、各ボール222や各ブレード224が径方向内側に引き込まれて、各ブレード224が後オイルケース212内面の次の***部に至るまで、後オイルケース212の相対的な回転を許容する。そして、各ブレードが次の***部に当接すると、カム220の周りのオイル密閉空間が再度密閉されて比較的に高圧のオイルで満たされるようになり、カム220や各ボール222を介して各ブレード224が径方向外側に張り出す位置に保持されて後オイルケース212の***部に当たり、衝撃トルクがシャフト202に伝達され、適宜同様の動作が繰り返される。
オイルユニット204は衝撃トルクを発生可能であり、衝撃トルクがシャフト202に与えられることにより、ビットを通じてネジの増し締め等が行える。
尚、作動によりオイルが高温となってその体積が膨張したとしても、中空のリング216がオイルに押されて収縮することにより、オイルによる内圧の上昇が抑制され、オイル温度の変動による内圧の変動がリング216により調整される。
又、ハウジング2に左前部排気口250,250・・や右前部排気口252,252・・が設けられているため、オイルユニット204の周囲を通る空気の流れ(矢印Z参照)が形成され、オイルユニット204を効率的に冷却することができる。
特に、第1ファン機構を省略した場合でも、図8の矢印X,Y,Zと同様の空気の流れが発生する。他方、第2ファン機構を省略する場合には、左前部排気口や右前部排気口は吸気口となり、矢印Zは逆向きとなる。この場合において、更に上部吸気口を省略すると、左前部吸気口や右前部吸気口から後部排気口への空気の流れが形成され、やはりオイルユニットやモータ等の内部機構を冷却可能である。
図10は、本発明の第3形態に係る、手持ち式切断機の一例としてのマルノコ301の右側面図(一部断面図)であり、図11は図10のB−B断面図であり、図12は図10のC−C断面図(一部)であり、図13は図10のD−D断面図であり、図14は図13のE−E断面図である。
マルノコ301は、平板状のベース302と、鋸刃304(先端工具)を有する本体306と、本体306から延びるハンドル307と、本体306の後端部(ハンドル307の根元の接続部)に取り付けられたバッテリ308を備えている。
ベース302の上面後部には、上方へ突出する軸受入れ部311が設けられている。軸受入れ部311は、前端部から後方へ延びる図示しない穴を有する。
モータ314は、モータ軸321を有しており、鋸刃304は、固定具としてのボルト322を用いてモータ軸321の右部(先端部)に直に取り付けられ、モータ314により直接回転駆動される(ダイレクトドライブ)。尚、鋸刃304は、ベース302において前後方向に沿うように開けられた鋸刃用溝302aを通っており、鋸刃304の下部は、ベース302の下面より突出している。
ベアリングリテーナ319は、左右に長い円筒状部分の外面から前後上下に突出したフランジ部分を有するように形成されており、その円筒状部分内において軸受323を保持している。軸受323は、モータ軸321を回転可能に支持する。
安全カバー324は、鋸刃304の回転軸(モータ軸321)の周りで揺動可能に設けられており、揺動により、鋸刃304の下部を覆ったり、ブレードケース318内に収まることで鋸刃304の下部を露出したりする。
安全カバー324は、右側中央において、操作部としてのレバー325を備えている。レバー325は、断面L字状の部材であり、その下部においてネジ止めされていて、レバー325の右部は、ブレードケース318より右方に位置している。
アンギュラ326は、ベース302に対して立っており、平面F字状の形状を有している。即ち、アンギュラ326は、左右方向に沿う平板状のベース板部における後面の右辺及び中央部から、2つの平行な前後方向に沿う小板部が突出する形状となっている。
アンギュラ326のこれら小板部の間には、ブレードケース318の前下部が入れられており、これらの小板部と前下部に、左右方向の軸328が通される。よって、ブレードケース318ないしこれと一体の部材(本体306)は、アンギュラ326に対し、軸328を中心に、上下に揺動可能となっている。尚、揺動は、回転移動の一種である。
更に、アンギュラ326は、ベース302のアンギュラプレート310の上記ガイド溝を通る前固定機構330をアンクランプすると、アンギュラプレート310に対する固定が解除されて、当該ガイド溝に沿った前後方向に延在する回転軸(図示略)に対し、左右方向に傾動が自在となり、又クランプすると当該ガイド溝における任意の位置での固定が可能となる。従って、アンギュラ326にリンクされた本体306は、左右に傾動可能となっている。尚、傾動は、回転移動の一種である。
更に、デプスガイド332は、ベース302に対して、左右方向に傾動可能に接続されている。即ち、デプスガイド332の下端部において、後方に延びる軸部338が設けられており、ベース302の軸受入れ部311における前部の穴に対し、軸部338が回転自在に入れられていて、デプスガイド332は、その下端部の軸部338の周りで回転自在な状態で、ベース302に取り付けられている。
後固定機構340は、デプスガイド332のデプスガイド溝を通っており、デプスガイド332に対し、固定とその解除が自在である。後固定機構340がデプスガイド332に対し固定されると、後固定機構340と一体のブレードケース318等も、デプスガイド332に対し固定される。
後固定機構340は、ブレードケース318の左面の後下部から左方へ突出していてデプスガイド溝を通る軸部342と、軸部342の左部において軸部342と一体に設けられる固定操作部としてのレバー344を備えている。
レバー344は、前後方向に長い部材であり、先端部(後部)は、他の部分(基部)に対し、僅かに下方に沿っており、又若干左に広がっている。レバー344は、軸部342を中心軸とした回転により、姿勢の変化が可能であり、例えばレバー344(の基部)がデプスガイド332の方向に沿う姿勢(解除姿勢)をとったり、レバー344がデプスガイド332に交わる方向に沿う姿勢(固定姿勢)をとったりする。
レバー344は軸体352に固定され、レバー344の回転操作により、軸体352はレバー344と共に回転して、ナット350に一層深く入ったり、浅く入る方向に戻ったりする。
更に、軸部342は、軸体352の右部の周囲に配置された右ワッシャ356や左ワッシャ358を有する。右ワッシャ356と左ワッシャ358の間には、デプスガイド332が位置している。右ワッシャ356の右面は、ナット350の左面に接触可能であり、左ワッシャの左面は、軸体352右部に形成された段部の右面に接触可能である。
一方、レバー344が上記した解除姿勢となると、軸体352のナット350に対する入り方が浅くなってナット350と軸体352とが離れ、右ワッシャ356と左ワッシャ358が全開状態となりデプスガイド332のクランプが解除されて、本体306のデプスガイド332に対する固定が解除される。
このような固定の解除により、本体306はデプスガイド溝に沿った軸328周りの揺動が可能となり、マルノコ301において本体306の揺動が許容される。従って、解除姿勢は、本体306の回転移動を許容する移動許容姿勢である。
又、このような固定により、本体306は揺動可能な範囲における任意の位置において固定される。本体306における揺動可能な範囲は、軸部342がデプスガイド溝の下端にある状態の位置から、軸部342がデプスガイド溝の上端にある状態の位置までである。本体306の軸328周りの揺動により、ベース302下面から鋸刃304の下部が突出する量(切込み深さ)が調節される。
ステータ360は、複数(3相)の固定子巻線364,364・・と、それらのホルダ(固定子鉄心)366を有する。ホルダ366は、軸を左右方向とした円筒形状を呈している。
ロータ362は、底を左としたカップ形状のロータ本体370と、その内面に配置された複数のマグネット(永久磁石)372,372・・を有する。ロータ本体370の底の中央には、モータ軸321が一体に固定されている。モータ軸321は、ステータ360のホルダ366の左右方向の孔を通り、ブレードケース318内方に達する。モータ軸321の右部は、右軸受374で回転可能に支持されており、モータ軸321の左部は、左軸受376で回転可能に支持されている。右軸受374は、軸受ホルダ378を介してブレードケース318に保持されており、左軸受376は、モータハウジング316の左端部内(に立てられたリブ間)に保持されている。又、各マグネット372は、ステータ360の何れかの固定子巻線364と対向する。
インターナルギヤ382は、モータハウジング316に取り付けられている。
各ピン386は、互いに対向する位置(図では上下)において、ロータ本体370の左部に対して一体に固定されている。各ピン386は、ロータ本体370の左部から左方へ突出しており、その突出した部分において、対応する遊星歯車384が支持されている。
遠心ファン390は、複数枚の羽根を有する羽根部392と、羽根部392より径が小さく、羽根部392と同軸の円筒状であり、羽根部392の右側に配置されるギヤ部394を有する。
ギヤ部394の外曲面には、各遊星歯車384と噛み合う外歯が形成されている。
又、羽根部392内には、ファン軸受396が配置されている。ファン軸受396は、外輪が遠心ファン390に対して一体に固定され、内輪がモータ軸321に対して一体に固定されている。よって、遠心ファン390は、モータ軸321に対して、相対的に回転可能である。
遠心ファン390(羽根部392)の外方に位置するモータハウジング316の部分には、排気口316a,316a・・が形成されている。
他方、ベアリングリテーナ319のフランジ部分の一部には、吸気口319a,319a・・が開けられている。
前固定機構330や後固定機構340による本体306の固定をして、図示しないスイッチを入れると、モータ314が駆動してロータ362が回転する。
モータ軸321の回転により、鋸刃304が回転されて、ベース302下面より下側において鋸刃304を被加工材に適用することで、被加工材の切断が可能となる。被加工材に対する切込みにより安全カバー324がブレードケース318に順次収容される。尚、安全カバー324のレバー325を操作することにより安全カバー324を手動でブレードケース318内に収容することができ、鋸刃304の交換が容易になる。
又、予め前固定機構330を操作して、本体306を前後方向周りで図の状態から左に傾けて固定することで、鋸刃304を鉛直な状態から上部が左で下部が右となる斜めの状態に傾けることができ、被加工材の鉛直でない斜めの切断面に係る切断が可能となる。
更に、予め後固定機構340を操作して、本体306を左右方向周りで上方ないし前方へ傾けて固定することで、被加工材に対する切込み深さが調節される。
切込み深さの調節は、本体306が前固定機構330を介して左に傾けられていても、デプスガイド332が軸部338の周りで共に傾動することから、本体306が左に傾けられていない場合と同じようになされる。
即ち、ロータ本体370と共にピン386,386が公転し、それぞれの周りで遊星歯車384が回転して、インターナルギヤ382上を走行する。そして、遊星歯車384,384と噛み合う遠心ファン390のギヤ部394が増速回転する。
遠心ファン390の羽根部392により、排気口316a,316a・・から空気が排気され、吸気口319a,319a・・から排気口316a,316a・・への空気の流れが形成される(図13の矢印W参照)。空気の流れによって、モータ314を始めとするマルノコ301の内部機構が冷却される。
又、増速機構が遊星歯車384,384を有する遊星歯車機構380であるため、モータ軸321と遠心ファン390の軸が同様な方向であってもシンプルに増速することができ、増速機構をコンパクトにすることができる。
更に、モータ314は、ステータ360と、その外周に配置されたロータ362を有している。よって、モータ314につき、インナーロータ型に比べて低回転高トルクに向いているアウターロータ型のものとすることができ、インナーロータ型に比べてモータ314のサイズを大きくしなくても必要なトルクを確保することができ、モータ314を軽量コンパクトにして、マルノコ301を扱い易いものとすることができる。
加えて、モータ軸321に、鋸刃304が取り付けられているため、モータ314は直接鋸刃304を駆動させることができ、加工効率が良好になる。
尚、遠心ファン390及び遊星歯車機構380は、モータ軸321の軸方向端部(左端部)に配置されている。よって、増速される遠心ファン390を主要機構の外側に配置して、マルノコ301をコンパクトに形成し、扱い易くすることができる。
特に、増速機構として遊星歯車機構に代えてベベルギヤ機構が採用されても良い。又、ファンが複数設けられても良い。
又、モータ軸は前後方向に向いていても良い。
鋸刃以外の回転刃具やその他の先端工具が取り付けられても良い。モータ軸と先端工具の間に1又は2以上の出力軸(中間軸)が介装されても良い。
図15は、本発明の第4形態に係る、電動式の充填工具であるコーキングガン401の斜視図であり、図16は図15の中央縦断面図であり、図17は図16のF−F断面図であり、図18は図16のG−G断面図であり、図19は図16のH−H断面図であり、図20は図17のI−I断面図であり、図21は図17のJ−J断面図であり、図22は図16のK−K断面図である。
コーキングガン401は、コーキング剤入りのカートリッジ(図示略)をセットして、住宅外壁の隙間や浴室壁面の目地等に向けてコーキング剤を押し出すものである。コーキング剤の代表例として、シリコン系充填材が挙げられる。
コーキングガン401は、駆動源のモータ402や動力伝達機構403を上部内において収容するモータハウジング404と、モータハウジング404の上部前側から前方に突出するカートリッジのホルダ405を備えている。
バッテリ取り付け部410内には、端子板411を搭載した端子台412が設けられる。バッテリ409は、前側からバッテリ取り付け部410にスライドさせることで装着される。このとき、バッテリ409の上部左右に設けられたスライドレール413が、バッテリ取り付け部410内の図示されない左右のガイドレールに沿って入る。バッテリ409がバッテリ取り付け部410に装着されると、端子台412の端子板411がバッテリ409上部の図示されない接続端子に接続される。
端子台412の上方には、モータ402を制御するためのマイコンやコンデンサ、複数(6個)のスイッチング素子等を搭載した制御回路基板を有するコントローラ414が配置されている。コントローラ414には、ライトとしてのLED415が接続されている。LED415は、バッテリ取り付け部410の前端部内において、斜め上(ホルダ405の先端側に向かう方向)を向くように配置されている。LED415の前側には、LED415の向きに対して垂直なレンズ416が配置されている。レンズ416は、モータハウジング404の孔に嵌め込まれている。
他方、モータハウジング404の上端部内には、速度調整ダイヤル417及び過負荷警告用のランプであるLED418を搭載した回路基板を含むサブコントローラ419が設けられている。速度調整ダイヤル417の後部は、モータハウジング404の上端部後面に設けられた窓420から露出している。LED418は上向きとされており、その上側には有底筒状のレンズ421がLED418に被さるように配置されている。レンズ421は、モータハウジング404の上面に形成されたボス部に嵌め込まれている。LED418の点灯状態は、レンズ421を介して作業者に対して視認可能である。
ハンドル部408の上端前側には、スイッチ422から突出したトリガ423が露出している。スイッチ422の上側には、トリガ423の押し込みをロックするロックレバー424が設けられている。
スイッチ422、端子台412、サブコントローラ419は、図示されないリード線によってコントローラ414と接続されている。
モータハウジング404内であって、動力伝達機構403(の一部)の外側には、ギヤハウジング425が配置されている。ギヤハウジング425は、動力伝達機構403を保持する。
モータハウジング404の上前部内から、ギヤハウジング425の前端部が前方へ突出しており、その突出部分の外側には、底部に孔を有するカップ状のホルダジョイント426が設けられている。ホルダジョイント426の底部の前面には、上下左右に広がるプレート427の後面が接触している。プレート427は、ネジ428,428によってギヤハウジング425に対して固定されている。
ホルダ405の後端部は、モータハウジング404のホルダジョイント426内に位置しており、ホルダ405は、ホルダジョイント426に対してネジ結合されており、ホルダジョイント426を緩めることによって、モータハウジング404から取り外すことが可能である。尚、コーキングガン401のハウジングには、モータハウジング404とホルダ405とギヤハウジング425が含まれる。
ホルダ405内には、前後移動可能である状態で、前後に延びる出力手段としての押し出し棒429が配置されている。押し出し棒429は、サブコントローラ419の下側に配置される。
モータ402は、ステータ430と、その外側に配置されたロータ431を備えている(アウターロータ)。
ステータコア433は軸を左右方向とした円筒状の部材であり、モータハウジング404内に設けられたリブに対して圧入されることで回転方向において固定されている。
コイル保持部434は、軸を左右方向とした円筒部分から複数(12本)のティースが放射状に突出する形状を呈している。コイル保持部434の円筒部分がステータコア433に対して圧入されることで、ステータコア433の外側において、ステータコア433に対してコイル保持部434が固着される。又、コイル保持部434の複数のティースの間には、コイル432がそれぞれ配置される。
ロータ本体435の底部の中央から左右へ突出した状態で、ロータ中心軸446が、自身の中心軸とロータ本体435の中心軸とを一致させた状態で一体に固定されている。ロータ中心軸446は、ステータ430のステータコア433の左右方向の孔を通る。ロータ中心軸446の左端部は、左軸受447で回転可能に支持されており、ロータ中心軸446の右端部は、右軸受448で回転可能に支持されている。左軸受447は、ステータコア433の左端部とモータハウジング404の内壁の間において保持されており、右軸受448は、モータハウジング316の右部内(に立てられたリブ間)に保持されている。又、各マグネット436は、ステータ430の何れかのコイル432と対向する。ロータ中心軸446の外側に、ステータコア433が配置されている。
ロータ本体435の底部の外周面には、出力ギヤ449が形成されている。出力ギヤ449は、ロータ中心軸446の軸方向でロータ431のマグネット436,436・・とオーバーラップしない位置において形成されている。
尚、図示されないが、コントローラ414とコイル432,432・・は、センサ回路基板438を介さずに、リード線によって互いに接続されている。又、端子板411とコントローラ414は、リード線によって互いに接続されている。
インターナルギヤ452は、モータハウジング404に取り付けられている。
各ピン456は、互いに周方向で等間隔となる位置において、ロータ本体435の左部に対して一体に固定されている。各ピン456は、ロータ本体435の左部から左方へ突出しており、その突出した部分において、対応する遊星歯車454が支持されている。
軸流ファン460は、複数枚の羽根を有する羽根部462と、羽根部462より径が小さく、羽根部462と同軸の円筒状であり、羽根部462の右側に配置されるギヤ部464を有する。
ギヤ部464の外曲面には、各遊星歯車454と噛み合う外歯が形成されている。
又、羽根部462内には、ファン軸受466が配置されている。ファン軸受466により、軸流ファン460は、ロータ中心軸446に対して相対的に回転可能である。
軸流ファン460の左方に位置するモータハウジング404の部分には、図示されない吸気口が形成されており、軸流ファン460の右方(羽根部462の外側)に位置するモータハウジング404の部分には、図示されない排気口が形成されている。
回転軸470は、左右方向に延びており、その左端部は、左軸受480で回転可能に支持されており、その右端部は、右軸受482で回転可能に支持されている。左軸受480と右軸受482は、モータハウジング404(の内壁に設けられたボス部)に固定されている。回転軸470は、右部において、他の部分より大径となっている従動ギヤ484を有している。従動ギヤ484の外面には、モータ402のロータ本体435の出力ギヤ449の歯と噛み合う歯が形成されている。
第1キャリア472は、筒状部486と、その左端部に形成されたフランジ部488を備えている。筒状部486の横断面は、外周に複数(9面)の平坦面が形成された多角形状となっている。筒状部486は、回転軸470の左部の外側において回転軸470と結合している。
第2キャリア474は、第1キャリア472の外側に配置されており、第1キャリア472のフランジ部488の右面に重なるリング状の内フランジ部490と、内フランジ部490の右面から右方へそれぞれ突出した複数(9個)の支持棒492,492・・を備えている。内フランジ部490は、第1キャリア472のフランジ部488に対して、周方向へ所定距離だけ相対回転可能に係合している。支持棒492,492・・は、互いに周方向において等間隔である状態で、同心円上に配置されている。各支持棒492の間には、合計で複数(9本)有る円柱状のピン494が、1本ずつ設けられている。
出力筒476は、中心軸を左右方向とした多段筒状であり、小径部496と、その左側に配置された大径部498を有する。小径部496の右端部外側には、右軸受500が設けられており、大径部498の左端部外側には、左軸受502が設けられていて、出力軸476は中心軸周りで回転可能に支持されている。右軸受500と左軸受502は、ギヤハウジング425の内面に取り付けられている。小径部496の外周には、ギヤ部504が形成されている。小径部496の内側に、回転軸470の左部が配置されており、大径部498の内側に、第2キャリア474の各支持棒492及び各ピン494が配置されている。
即ち、回転軸470が正回転(モータ402の駆動力の伝達により生じる回転方向(正方向)における回転)を行っていないと、各ピン494が第1キャリア472の筒状部486の平坦面上に位置して出力筒476の大径部498と干渉せず、第1キャリア472と出力筒476が回転方向で一体にならないトルク遮断状態となり、出力筒476は回転フリー状態となる。
他方、回転軸470が正回転すると、第1キャリア472の回転に伴う筒状部486の平坦面の移動によって、各ピン494が第2キャリア474の支持棒492,492間で放射方向へ押し上げられて筒状部486と大径部498の間へくさび状に食い込むため、各ピン494を介して第1キャリア472からのトルクが出力筒476に伝達され、ギヤ部504が正回転する。
磁石510は、ギヤハウジング425内に設けられた上下方向の貫通孔514内に保持されている。
コイルバネ514は、上下方向を向いており、上端が磁石510に接しており、下端がモータハウジング404に設けられた受け座516に接している。コイルバネ514は、磁石510を、大径部498に対して押し付けており、磁石510は、出力筒476に対して回転抵抗を付与する。この回転抵抗の付与により、トルクの伝達ないし遮断の切替がより正確に行われる。
出力筒476の大径部498と第2キャリア474の内フランジ部490の間には、孔を有する円盤状のプレート520が設けられている。プレート520は、出力筒476の位置決めを行い、内フランジ部490との接触を遮断している。
回転軸470の左端の括れ部522には、ワッシャ524が結合されている。第1キャリア472のフランジ部488と第2キャリア474の内フランジ部490の外側には、皿状のスペーサ526が設けられている。スペーサ526は、ギヤハウジング425に対して取り付けられており、プレート520とワッシャ524の間に配置されている。スペーサ526の右面外周部はプレート520の左面に接しており、スペーサ526は、プレート520を位置決めする。スペーサ526の内側には、第2キャリア474(内フランジ部490外面)に接触することでオイルを遮断するリング状のオイルシール528が設けられている。
又、押し出し棒429は、先端部に、円盤状のピストン532を備えている。ピストン532は、ネジ534によって、押し出し棒429の先端に固着されている。
更に、押し出し棒429は、後端部に、左右に延びる操作ハンドル538を備えている。
押し出し棒429は、ホルダ405から、ギヤハウジング425やモータハウジング404を貫通して、後部がモータハウジング404の後方に露出可能である。
モータ402が駆動していないと、出力筒476の回転がフリーとなり、作業者が操作ハンドル538を持ち押し出し棒429を後退させて、ピストン532とホルダ405の先端部との間にコーキング剤のカートリッジをセットすることができる。
そして、押し出し棒429を前方に移動させてピストン532をカートリッジの後端部に接触させ、この状態で作業者がトリガ423を押し込むと、スイッチ422がオンとなり、バッテリ409の電力がコントローラ414やサブコントローラ419の制御に従いモータ402のステータ430の各コイル432へ供給されて、ロータ431が回転する。コントローラ414は、受信した回転検出素子437の検出信号に基づいて、スイッチング素子をスイッチングし、コイル432,432・・へ順番に通電させる。
即ち、ロータ本体435と共にピン456,456・・を介して遊星歯車454,45・・がインターナルギヤ452内を回転(公転及び自転)し、ギヤ部464を通じて軸流ファン460を回転させる。軸流ファン460は、遊星歯車機構450により、ロータ本体435の回転に対して増速された状態で回転する。
軸流ファン460は、モータハウジング404の吸気口から空気を吸引し、排気口から排出して、吸気口から排気口への空気の流れを発生させる。空気は、ステータ430とロータ431の間を通過し、モータ402が冷却される。
出力軸476が回転すると、ギヤ部504ないしラック530を通じて押し出し棒429が前方へ移動し、ピストン532を介してカートリッジの後端部を押す。後端部を押されたカートリッジの先端部から、コーキング剤が吐出される。押し出し棒429の移動速度は、速度調整ダイヤル417によって調整可能である。
更に、モータ402は、ステータ430と、その外周に配置されたロータ431を有している。よって、モータ402につき、インナーロータ型に比べて低回転高トルクに向いているアウターロータ型のものとすることができ、インナーロータ型に比べてモータ402や動力伝達機構403のサイズを大きくしなくても必要なトルクを確保することができ、モータ402や動力伝達機構403を軽量コンパクトにして、コーキングガン401を扱い易いものとすることができる。
例えば、モータハウジングのハンドル部が別体のハンドルハウジングとされたり、モータハウジングとギヤハウジングが一体に形成されたりしても良い。
又、モータにおけるステータコアやコイル保持部の固定について、圧入に代えて、スプライン結合とされたり、ネジ結合とされたりしても良い。モータのコントローラやサブコントローラ、センサ回路基板の配置が変更されても良く、センサ回路基板上にスイッチング素子が配置されるようにする等、これらにおける搭載素子等が変更されても良い。あるいは、インナーロータ型のモータや、ブラシ付きモータ等のブラシレスモータ以外のモータが用いられても良い。
又、従動ギヤと回転軸の他の部分とが別体に形成されても良い。
ホルダは、カートリッジの種類に合わせて付け替え可能であるように複数種類用意されても良い。
モータや動力伝達機構の向きが左右逆にされたり、これらの位置が変えられたりしても良い。
動力伝達機構の回転軸の数が増やされたり、動力伝達機構において遊星歯車機構が採用されたりしても良い。
モータは、ダイレクトドライブモータでなくても良い。即ち、モータの動力は、減速されて出力軸に伝達されても良いし、増速されて出力軸に伝達されても良い。
Claims (5)
- モータ軸を有するモータと、
前記モータ軸の回転を増速する第1増速機構と、
前記増速機構と接続されている第1ファンと、
前記モータを保持するハウジングと、
を備えており、
前記第1増速機構及び前記第1ファンは、前記モータ軸と同軸である状態で、前記ハウジング内に配置されており、
前記第1ファンは、前記モータを冷却する
ことを特徴とする電動工具。 - 更に、前記モータ軸により駆動される出力軸を備えており、
前記モータ軸は、前後方向を向いており、
前記第1ファンは、遠心ファンであり、
前記出力軸は、前記モータ軸の前方に配置されており、
前記第1増速機構は、遊星歯車を有する遊星歯車機構であり、
前記第1増速機構及び前記第1ファンは、モータ軸の後端部に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。 - 更に、前記モータ軸の回転を増速する第2増速機構と、前記第2増速機構と接続されている第2ファンと、を備えており、
前記第2増速機構は、ベベルギヤを有するベベルギヤ機構であり、
前記第2ファンは、遠心ファンであり、
前記第2増速機構及び前記第2ファンは、モータ軸の前端部に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電動工具。 - 前記モータは、ステータと、その外周に配置されたロータと、を有している
ことを特徴とする請求項1ないしは請求項3の何れかに記載の電動工具。 - 前記出力軸に、先端工具が取り付けられている
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電動工具。
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