JP6671326B2 - 燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉 - Google Patents

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Description

本発明は、火格子により廃棄物を搬送しながら焼却する火格子式の廃棄物焼却炉において、安定な燃焼を適切に維持するための方法に関する。
廃棄物焼却炉には、多種多様な廃棄物が投入されるため、投入された廃棄物の性状が変化した場合であっても、安定な燃焼を適切に維持できることが重要となる。ここで、火格子式の廃棄物焼却炉では、廃棄物を乾燥させる乾燥部と、廃棄物を火炎燃焼させる燃焼部と、廃棄物を後燃焼(オキ燃焼)させる後燃焼部と、に区分されている。しかし、廃棄物の性状によっては、燃焼部の一部で後燃焼が生じたり、後燃焼部の一部で火炎燃焼が生じたりすることがある。安定な燃焼を実現するためには、このような火炎燃焼の終了位置である燃え切り点の位置を適切な範囲に収めることが重要となる。
特許文献1には、後燃焼部よりも更に搬送方向下流側に炉内カメラを配置し、炉内の画像を取得する焼却炉が開示されている。この焼却炉では、炉内カメラが取得した画像を解析することで、燃焼位置(ごみの燃焼が一番盛んになっている炉内カメラ側の点)及び燃え切り点が計測され、計測結果に基づいてストーカ(火格子)の速度が制御される。
特許文献2には、炉内の廃棄物の層厚さと燃え切り点を検出する構成の焼却炉が開示されている。この焼却炉では、廃棄物の層厚さと燃え切り点の何れか一方又は両方の検出信号により、ストーカを介して供給する燃焼空気の酸素含有率が制御されることで、廃棄物の層厚さを設定値に保持したり、燃え切り点を設定位置に保持したりする。
特許文献3には、炉内の天井壁に赤外線カメラを配置し、炉内の温度分布を検出して解析することで、着火点と燃え切り点の位置を検出する焼却炉が開示されている。この焼却炉では、着火点と燃え切り点の位置及びその他のデータに基づいて、燃焼部を構成する複数のブロック毎に、供給する空気量が調整される。
特許文献4には、炉内の温度分布を計測して、火格子上の燃焼開始位置及び燃え切り位置の少なくとも一方について、予め設定されている基準範囲に対して前後方向のどの位置にあるかを求める焼却炉が開示されている。この焼却炉では、燃焼開始位置及び燃え切り位置の少なくとも一方が基準範囲、基準範囲に対して前寄り、基準範囲に対して後寄りの何れであるかが判定される。そして、この判定結果に応じて、前側の天井壁から後方に向けて供給する再循環排ガスと、後壁又は後側の天井壁から前方に向けて供給する再循環排ガスと、の配分比が変更される。
特許第3099229号公報 特開2002−206722号公報 特開2003−161422号公報 特開2014−167353号公報
しかし、特許文献1及び2のように、上述の燃焼位置や燃え切り点の情報に基づいて、燃え切り点の位置の制御を行って燃え切り点を適切な範囲に収めることは、実際の火格子式の廃棄物焼却炉では困難であった。更に、特許文献1では、後燃焼部よりも搬送方向下流側の比較的低い位置に炉内カメラが配置されているため、火炎が邪魔となって当該火炎の上流側の画像を取得することは困難となる。
特許文献3では、着火点と燃え切り点の両方の位置を検出することを目的としていることもあり、燃焼部の天井壁に赤外線カメラが配置されている。この位置に赤外線カメラを配置する場合、火炎の高さによっては赤外線カメラと着火点の間に火炎(高温部分)が位置することがあり、この場合は着火点の位置を検出することができない。また、天井壁に赤外線カメラを配置する場合、熱分解ガス及び燃焼ガス等が発生する赤外線の影響を受ける可能性がある。また、特許文献4では、特許文献3と同様の方法で赤外線カメラで計測した温度分布を用いて燃焼開始位置及び燃え切り位置を検出することが記載されているため、特許文献3と同様の課題が存在する。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、燃え切り点を適切な範囲に収めるために必要な情報を検出する方法を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の燃焼制御方法が提供される。即ち、この燃焼制御方法は、乾燥部と燃焼部と後燃焼部とに区分された火格子から構成されており、廃棄物が載せられた状態で間欠的に動作することで当該廃棄物を炉出口に向けて搬送するとともに当該火格子を介して一次燃焼用気体を供給する廃棄物焼却炉に対して行われる。この燃焼制御方法は、映像取得工程と、算出工程と、制御工程と、を含む処理を行う。前記映像取得工程では、前記乾燥部の炉幅方向の端部に形成されている側壁に設けられた窓部から、少なくとも前記乾燥部と前記燃焼部の境界に載せられた前記廃棄物の外観を含む映像を取得する。前記算出工程では、前記映像取得工程で取得された映像に基づいて火炎燃焼開始位置を特定し、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかを算出する。前記廃棄物焼却炉では、前記乾燥部、前記燃焼部、及び前記後燃焼部で行われる一次燃焼と、当該一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼と、が行わる。前記制御工程では、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を上昇させる制御を行う。前記制御工程では、火炎燃焼開始位置が搬送方向下流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を低下させる制御を行う。前記制御工程では、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかに基づいて、二次燃焼用気体の供給量を調整する。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の廃棄物焼却炉が提供される。即ち、この廃棄物焼却炉は、搬送部と、風箱と、撮像装置と、制御装置と、を備える。前記搬送部は、乾燥部と燃焼部と後燃焼部とに区分された火格子から構成されており、廃棄物が載せられた状態で間欠的に動作することで当該廃棄物を炉出口に向けて搬送する。前記風箱は、それぞれの前記火格子の下方に設けられており、当該火格子を介して前記廃棄物に供給するための一次燃焼用気体が供給される。前記撮像装置は、前記乾燥部の炉幅方向の端部に形成されている側壁に設けられた窓部から、前記乾燥部の搬送方向の中央部よりも下流側であって前記燃焼部の搬送方向の中央部よりも上流側の少なくとも一部の前記廃棄物の外観の映像を取得する。前記制御装置は、前記撮像装置が取得した映像に基づいて火炎燃焼開始位置を特定し、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかを算出する。前記制御装置は、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を上昇させる制御を行う。前記制御装置は、火炎燃焼開始位置が搬送方向下流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を低下させる制御を行う。前記制御装置は、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかに基づいて、二次燃焼用気体の供給量を調整する。
火格子式の焼却炉では、燃焼と後燃焼の境界である燃え切り点(火炎燃焼の終了位置)を適切な範囲に収めることが、安定な燃焼を実現するために重要となる。ここで、本願の発明者により、(1)燃え切り点の位置が適切な範囲から外れる主たる原因が、廃棄物の性状の違いに起因して、想定乾燥時間と実乾燥時間とに差異が生じることにあること、(2)そのため想定乾燥時間と実乾燥時間との差異が発生してからかなりの時間遅れの後に状態変化が発現する燃焼位置や燃え切り点の変化情報に基づいて燃え切り点の位置の制御を行うことは、現実的には困難であること、の2点が発見された。また、火炎燃焼開始位置の移動方向は、想定乾燥時間と実乾燥時間との差異の傾向(即ち、廃棄物の乾燥及び燃焼の進行状況の適正性)に相当するため、燃え切り点を適切な範囲に収めるために必要な情報として扱うことができる。
また、燃焼部の側壁は非常に高温となり窓部及び撮像装置等の設置が困難であるため、乾燥部の側壁に窓部を設けることで、火炎燃焼開始位置を特定するための映像を適切に取得できる。更に、側壁は、天井壁等と異なり炉内で生じる熱分解ガス及び燃焼ガス等の影響を受けにくいため、火炎燃焼開始位置を特定するための映像を適切に取得できる。
また、乾燥部の火格子の搬送速度を変更する制御を行うことで、想定乾燥時間と実乾燥時間との差異を小さくすることができるので、廃棄物の乾燥及び燃焼の進行状況をより適正にすることができる。その結果、燃え切り点を適切な範囲に収め、安定な燃焼を維持することができる。
また、火炎燃焼開始位置の移動方向に基づいて一次燃焼の進行状況(即ち一次燃焼ガスの発生量等)を推測することができるので、それに応じて二次燃焼用気体の供給量を調整することで、二次燃焼において一次燃焼ガスに含まれる未燃焼ガスを十分に燃焼させることができる。
本発明によれば、燃え切り点を適切な範囲に収めるために必要な情報を検出する方法を提供できる。
本発明の一実施形態の焼却炉を含む廃棄物焼却設備の概略構成図。 焼却炉の機能ブロック図。 撮像装置の取付位置を示す焼却炉の立体模式図。 燃焼を安定させるために制御装置が行う制御を示すフローチャート。 火炎燃焼開始位置が上流側に移動したときの様子を示す廃棄物焼却設備の概略構成図。 火炎燃焼開始位置が下流側に移動したときの様子を示す廃棄物焼却設備の概略構成図。
<廃棄物焼却設備の全体構成>初めに、図1を参照して、本実施形態の焼却炉(廃棄物焼却炉)10を含む廃棄物焼却設備100について説明する。図1は、本発明の一実施形態の焼却炉10を含む廃棄物焼却設備100の概略構成図である。なお、以下の説明では、単に上流、下流と記載したときは、廃棄物、燃焼ガス、排ガス、一次空気、二次空気、循環排ガス等が流れる方向の上流及び下流を意味するものとする。
図1に示すように、廃棄物焼却設備100は、焼却炉10と、ボイラ30と、蒸気タービン発電設備35と、を備える。焼却炉10は、供給された廃棄物を焼却する。なお、焼却炉10の詳細な構成は後述する。
ボイラ30は、廃棄物の燃焼によって発生した熱を利用して蒸気を生成する。ボイラ30は、流路壁に設けられた多数の水管31及び過熱器管32で、炉内で発生した高温の燃焼ガスと水との熱交換を行うことにより蒸気(過熱蒸気)を生成する。水管31及び過熱器管32で生成された蒸気は、蒸気タービン発電設備35へ供給される。
蒸気タービン発電設備35は、図略のタービン及び発電装置を含んで構成されている。タービンは、水管31及び過熱器管32から供給された蒸気によって回転駆動される。発電装置は、タービンの回転駆動力を用いて発電を行う。
ここで、安定した発電を行うには、ボイラ30での蒸気(過熱蒸気)の生成量を安定化させることが必要である。ボイラ30での蒸気(過熱蒸気)の生成量を安定化させるためには、ボイラ30への入熱を安定させる必要がある。つまり、発電量を一定に保つには、焼却炉10からボイラ30へ供給される燃焼ガスの保有熱量を安定させて、ボイラ30への入熱を安定に保つ必要がある。
<焼却炉10の構成>焼却炉10は、廃棄物を炉内に供給するための給じん装置40を備える。給じん装置40は、廃棄物投入ホッパ41と、給じん装置本体42と、を備える。廃棄物投入ホッパ41は、炉外から廃棄物が投入される部分である。給じん装置本体42は、廃棄物投入ホッパ41の底部分に位置し、水平方向に移動可能に構成されている。給じん装置本体42は、廃棄物投入ホッパ41に投入された廃棄物を下流側に供給する。この給じん装置本体42の移動速度、単位時間あたりの移動回数、移動量(ストローク)、及びストローク端の位置(移動範囲)は、制御装置90によって制御されている。なお、給じん装置は水平方向に対し多少の角度をもって移動する型式でもよい。
給じん装置40によって炉内に供給された廃棄物は、搬送部20によって、乾燥部11、燃焼部12、及び後燃焼部13の順に供給されていく。搬送部20は、乾燥部11に設けられた乾燥火格子21と、燃焼部12に設けられた燃焼火格子22と、後燃焼部13に設けられた後燃焼火格子23と、で構成されている。従って、搬送部20は複数段の火格子から構成されている。それぞれの火格子は、各部の底面に設けられており、廃棄物が載置される。
火格子は、廃棄物搬送方向に並べて配置された可動火格子と固定火格子とから構成されており、可動火格子が前進、停止、後進、停止等の順で動作することで、廃棄物を下流側へ搬送するとともに、廃棄物を攪拌することができる。可動火格子の動作速度を上昇(低下)させることで、廃棄物の搬送速度を上昇(低下)させることができる。また、可動火格子の停止時間を短く(長く)することで、廃棄物の搬送速度を上昇(低下)させることができる。また、火格子は、気体が通過可能な大きさの隙間を空けて並べて配置されている。
乾燥部11は、焼却炉10に供給された廃棄物を乾燥させる部分である。乾燥部11の廃棄物は、乾燥火格子21の下から供給される一次空気及び隣接する燃焼部12における燃焼の輻射熱によって乾燥する。その際、熱分解によって乾燥部11の廃棄物から熱分解ガスが発生する。また、乾燥部11の廃棄物は、乾燥火格子21によって燃焼部12に向かって搬送される。
燃焼部12は、乾燥部11で乾燥した廃棄物を主に燃焼させる部分である。燃焼部12では、廃棄物が主に火炎燃焼を起こし火炎が発生する。燃焼部12における廃棄物及び燃焼により発生した灰及び燃焼しきれなかった未燃物は、燃焼火格子22によって後燃焼部13に向かって搬送される。また、燃焼部12で発生した燃焼ガス及び火炎は、絞り部17を通過して後燃焼部13に向かって流れる。なお、燃焼火格子22は、乾燥火格子21と同じ高さに設けられているが、乾燥火格子21よりも低い位置に設けられていてもよい。
後燃焼部13は、燃焼部12で燃焼しきれなかった廃棄物(未燃物)を燃焼させる部分である。後燃焼部13では、燃焼ガスの輻射熱と一次空気によって、燃焼部12で燃焼しきれなかった未燃物の燃焼が促進される。その結果、未燃物の殆どが灰となって、未燃物は減少する。なお、後燃焼部13で発生した灰は、後燃焼部13の底面に設けられた後燃焼火格子23によってシュート24に向かって搬送される。シュート24に搬送された灰は、廃棄物焼却設備100の外部に排出される。なお、本実施形態の後燃焼火格子23は、燃焼火格子22よりも低い位置に設けられているが、燃焼火格子22と同じ高さに設けられていてもよい。
上述したように、乾燥部11、燃焼部12、及び後燃焼部13では、生じる反応が異なるため、それぞれの壁面等は、生じる反応に応じた構成となっている。例えば、燃焼部12では火炎燃焼が生じるため、乾燥部11よりも耐火レベルが高い構造が採用されている。
再燃焼部14は、燃焼ガスに含まれる未燃ガスを燃焼させる部分である。再燃焼部14は、乾燥部11、燃焼部12、及び後燃焼部13から上方に向かって延び、その途中に二次空気が供給される。これにより、燃焼ガスは二次空気と混合及び撹拌され、燃焼ガスに含まれる未燃ガスが再燃焼部14で燃焼される。なお、燃焼部12及び後燃焼部13で生じる燃焼を一次燃焼と称し、再燃焼部14で生じる燃焼(つまり、一次燃焼で残存した未燃ガスの燃焼)を二次燃焼と称する。
気体供給装置50は、炉内に気体を供給する装置である。本実施形態の気体供給装置50は、一次空気供給部51と、二次空気供給部52と、排ガス供給部53と、を有している。それぞれの供給部は、気体を誘引又は送出するための送風機によって構成されている。
本明細書では、一次燃焼のために供給する気体を一次燃焼用気体と称する。一次燃焼用気体としては、一次空気、循環排ガス、それらの混合ガスが含まれる。一次空気とは、外部から取り込んだ空気であって、燃焼等に用いられていない(即ち、循環排ガスを除く)気体である。従って、一次空気には、外部から取り込んだ空気を加熱等した気体も含まれる。同様に、本明細書では、二次燃焼のために供給する気体を二次燃焼用気体と称する。二次燃焼用気体としては、二次空気、循環排ガス、それらの混合ガスが含まれる。二次空気の定義は一次空気と同様である。
一次空気供給部51は、一次空気供給経路71を介して炉内に一次空気を供給する。一次空気供給経路71は、第1供給経路71aと、第2供給経路71bと、第3供給経路71cと、に分岐されている。なお、一次空気供給経路71にヒータを設け、各部に供給する一次空気の温度を調整できるようにしてもよい。
第1供給経路71aは、乾燥火格子21の下方に設けられた乾燥段風箱25に一次空気を供給するための経路である。第1供給経路71aには第1ダンパ81が設けられており、乾燥段風箱25に供給する一次空気の供給量を調整することができる。また、第1ダンパ81は制御装置90によって制御されている。
第2供給経路71bは、燃焼火格子22の下方に設けられた燃焼段風箱26に一次空気を供給するための経路である。第2供給経路71bには第2ダンパ82が設けられており、燃焼段風箱26に供給する一次空気の供給量を調整することができる。また、第2ダンパ82は制御装置90によって制御されている。
第3供給経路71cは、後燃焼火格子23の下方に設けられた後燃焼段風箱27に一次空気を供給するための経路である。第3供給経路71cには第3ダンパ83が設けられており、後燃焼段風箱27に供給する一次空気の供給量を調整することができる。また、第3ダンパ83は制御装置90によって制御されている。
二次空気供給部52は、二次空気供給経路72を介して、焼却炉10の空気ガス保有空間16にその上部(天井部)から二次空気を供給するとともに、絞り部17によって燃焼ガスが方向を転換する部分(絞り部17の近傍)に二次空気を供給する。また、二次空気供給経路72には、制御装置90によって制御される第4ダンパ84が設けられており、各部への二次空気の供給量を調整することができる。
排ガス供給部53は、循環排ガス供給経路73を介して、廃棄物焼却設備100から排出された排ガスを炉内に供給する(再循環させる)。廃棄物焼却設備100から排出された排ガスはろ過式の集じん器60で浄化され、その一部が排ガス供給部53によって燃焼部12の両側面(紙面手前側及び紙面奥側の面)から焼却炉10へ供給される。なお、排ガスが供給される位置は、特に限定されない。例えば、排ガスは焼却炉10の上方(天井部)から供給されてもよく、一方の側面のみから供給されていてもよい。排ガスを焼却炉10に供給することで、焼却炉10内の酸素濃度が低下し、燃焼温度の局所的な過上昇を抑えることができる。その結果、NOxの発生を抑えることができる。循環排ガス供給経路73には、制御装置90によって制御される第5ダンパ85が設けられており、循環排ガスの供給量を調整することができる。
焼却炉10には、図1及び図2に示すように、燃焼状態等を把握するための複数のセンサが設けられている。具体的には、焼却炉内ガス温度センサ91と、焼却炉出口ガス温度センサ92と、COガス濃度センサ93と、NOxガス濃度センサ94と、が設けられている。
焼却炉内ガス温度センサ91は、焼却炉10内(例えば空気ガス保有空間16よりも下流かつ後燃焼部13よりも上流)に配置されており、焼却炉内ガス温度を検出して制御装置90へ出力する。焼却炉出口ガス温度センサ92は、焼却炉10出口近傍(例えば再燃焼部14よりも下流かつボイラ30よりも上流)に配置されており、焼却炉出口ガス温度を検出して制御装置90へ出力する。COガス濃度センサ93は、集じん器60の下流に配置されており、排ガスに含まれるCOガス濃度(焼却炉排出COガス濃度)を検出して制御装置90へ出力する。NOxガス濃度センサ94は、集じん器60の下流に配置されており、排ガスに含まれるNOxガス濃度(焼却炉排出NOxガス濃度)を検出して制御装置90へ出力する。
撮像装置95は、火炎燃焼開始位置の映像(静止画又は動画)を取得することを目的としている。また、撮像装置95は、温度等を検出するための赤外線カメラではなく、廃棄物の外観の映像を取得するためのカメラである。焼却炉10では、乾燥部11の下流側の端部で乾燥が完了し、燃焼部12の上流側の端部で火炎燃焼が開始されることが想定されている。しかし、供給される廃棄物の性状(例えば廃棄物が含有する水分量、及び、廃棄物の燃え易さ)によっては、乾燥部11の中途部で乾燥が完了して火炎燃焼が開始されたり燃焼部12の中途部でも乾燥が完了されておらず火炎燃焼が開始していないことがある。
そのため、撮像装置95は、乾燥部11と燃焼部12の境界の映像(詳細には、この境界に載せられた廃棄物の映像)を少なくとも取得する。また、本実施形態では、火炎燃焼開始位置が大幅に移動しても火炎燃焼開始位置を撮像するために、撮像装置95の撮像範囲は、乾燥部11の搬送方向の中央よりも下流側から燃焼部12の搬送方向の中央よりも上流側までの範囲となっている。また、本実施形態の撮像装置95は、一般的な撮像装置とは異なり、燃焼部12の搬送方向の中央よりも下流側の範囲(即ち、燃焼部12と後燃焼部13の境界、及び、後燃焼部13等)を撮像範囲に含まない構成である。なお、炉内の形状(例えば火格子の搬送方向の長さ等)によっては、搬送方向において本実施形態よりも狭い範囲の映像を取得する構成であってもよい。
図3に示すように、廃棄物の搬送方向と上下方向(鉛直方向)に垂直な方向を炉幅方向と称する。撮像装置95は乾燥部11の炉幅方向の端部に形成されている壁部である側壁11aから映像を取得する。具体的には、側壁11aには窓部11bが設けられており、撮像装置95は窓部11bを介して映像を取得する。窓部11bとは、炉内を観察するための部分であり、具体的には、側壁11aの一部を開口させ、透明(半透明を含む)な耐熱ガラス等で当該開口を塞いだ構成の部分である。
撮像装置95は、乾燥部11の側壁に配置され、乾燥部11よりも下流側の映像を取得するため、搬送方向の下流側に向けて傾斜して配置されている。また、撮像装置95は、廃棄物の堆積量が多くなった場合でも適切に映像を取得する等の目的で、廃棄物よりも高い位置に配置されている。従って、撮像装置95は、下側に向けて傾斜して配置されている。なお、火炎燃焼開始位置の映像を取得可能であれば、撮像装置95を傾斜させずに配置してもよい。
本実施形態では、左右の側壁11aのうち一方の側壁11aのみに撮像装置95が配置されているが、両方の側壁11aに撮像装置95が配置されていてもよい。また、一方の側壁11aに角度を変えて複数の撮像装置95を配置することで、広い範囲の映像を撮影する構成であってもよい。あるいは、撮像範囲を変更可能な撮像装置95を配置することで、焼却炉10を停止させること無しに、撮像範囲を変更可能とする構成であってもよい。
<制御装置が行う制御>制御装置90は、CPU、RAM、ROM等によって構成されており、種々の演算を行うとともに、廃棄物焼却設備100全体を制御する。以下、制御装置90が行う燃焼制御(特に、撮像装置95が取得した映像を解析して行う制御)について、図4のフローチャートに沿って説明する。図4は、燃焼を安定させるために制御装置が行う制御を示すフローチャートである。
初めに、制御装置90は、撮像装置95が取得した映像に基づいて、火炎燃焼開始位置を特定して記憶する(S101)。火炎燃焼開始位置とは、火炎燃焼が開始され始める搬送方向における位置である。撮像装置95が取得した映像には、火炎燃焼が含まれているため、輝度及び色相等に基づいて火炎を特定し、当該火炎の上流側の端部の位置を求めることで、火炎燃焼開始位置を特定できる。なお、火炎燃焼開始位置は、炉幅方向で一様ではないが、例えば炉幅方向での火炎燃焼開始位置の平均等を求めることで算出された火炎燃焼開始位置を記憶する。
次に、制御装置90は、火炎燃焼開始位置の時間変化に基づいて、火炎燃焼開始位置が上流側に移動しているか否かを判定する(S102)。例えば、焼却炉10に供給される廃棄物に含まれる水分量が少なくなったり、燃え易い廃棄物が供給されるようになった場合、乾燥部11で廃棄物を乾燥(及び乾燥に伴う熱分解を含む、以下同じ)させるために実際に必要な時間(実乾燥時間)が短くなる。従って、実乾燥時間が、予め想定されている廃棄物の想定乾燥時間よりも短くなる(差異が生じる)。この場合、図5に示すように、乾燥部11の中途部で乾燥が完了するため、乾燥部11の中途部で火炎燃焼が発生する(火炎燃焼開始位置が上流側に移動する)こととなる。
この状態を放置していると、乾燥部11で火炎燃焼が進行してしまうために、燃焼部12における火炎燃焼に必要な滞留時間が短くなることとなり、燃焼部12の途中で火炎燃焼の次の段階である後燃焼が徐々に開始する。その結果、火格子上の乾燥、燃焼、後燃焼のそれぞれの位置が全体的に、上流側へ徐々に移動していくこととなり。燃え切り点(火炎燃焼の終了位置)が適切な範囲から外れてしまい、安定な燃焼を維持できなくなる。
これを防止するため、制御装置90は、基本的には火炎燃焼開始位置が上流側に移動していると判定した場合(S102でYesの場合)、乾燥火格子21の廃棄物の搬送速度(以下、単に搬送速度)を上昇させる(S103)。上述のように、搬送速度を上昇させるためには、乾燥火格子21の可動火格子の動作速度を上昇させるか、それに代えて又は加えて、乾燥火格子21の可動火格子の停止時間を短くする。これにより、火格子上の各部の燃焼位置が上流側に移動する事態を防止することができる。従って、燃え切り点を適切な範囲に収めることができるので、安定な燃焼を維持することができる。
なお、焼却炉10で生じる燃焼は、焼却炉10の形状や構造、及び投入される廃棄物によって大きく異なる。また、要求される処理量、焼却炉10の耐久性、及び排ガスに関する法規制等によっても、目標とする燃焼状態が大きく異なる。従って、制御装置90は、乾燥火格子21の搬送速度の上昇の要否について、火炎燃焼開始位置が上流側に移動しているか否かだけでなく、他の検出データ(例えば焼却炉内ガス温度センサ91からNOxガス濃度センサ94等の検出データ)に基づいて決定することが好ましい。
制御装置90は、火炎燃焼開始位置が上流側に移動していないと判定した場合(S102でNoの場合)、火炎燃焼開始位置の時間変化に基づいて、火炎燃焼開始位置が下流側に移動しているか否かを判定する(S104)。
例えば、焼却炉10に供給される廃棄物に含まれる水分量が多くなったり、燃えにくい廃棄物が供給されるようになった場合、乾燥部11で廃棄物を乾燥させるための実乾燥時間が長くなる。従って、実乾燥時間が、予め想定されている廃棄物の想定乾燥時間よりも長くなる(差異が生じる)。この場合、図6に示すように、乾燥部11の下流側の端部でも乾燥が完了していないため、燃焼部12の中途部で火炎燃焼が開始する(火炎燃焼開始位置が下流側に移動する)こととなる。
この状態を放置していると、燃焼部12で必要な火炎燃焼のための滞留時間が確保されないため、燃焼部12で完結されるはずの火炎燃焼が後燃焼部13にズレ込むこととなり、後燃焼部13の中途部で後燃焼が開始することとなる。その結果、火格子上の乾燥、燃焼、後燃焼のそれぞれの位置が全体的に、下流側へ徐々に移動していくこととなり。燃え切り点が適切な範囲から外れてしまい、安定な燃焼を維持できなくなる。
これを防止するため、制御装置90は、基本的には火炎燃焼開始位置が下流側に移動していると判定した場合(S104でYesの場合)、乾燥火格子21の搬送速度を低下させる(S105)。上述のように、搬送速度を低下させるためには、乾燥火格子21の可動火格子の動作速度を低下させるか、それに代えて又は加えて、乾燥火格子21の可動火格子の停止時間を長くする。これにより、火格子上の各部の燃焼位置が下流側に移動する事態を防止することができる。従って、燃え切り点を適切な範囲に収めることができるので、安定な燃焼を維持することができる。また、制御装置90は、乾燥火格子21の搬送速度の低下の要否についても、火炎燃焼開始位置が下流側に移動しているか否かだけでなく、他の検出データに基づいて決定することが好ましい。
また、実乾燥時間と予め想定されている廃棄物の想定乾燥時間とに差異が生じたとして、乾燥火格子21の搬送速度を変更させることは、現に乾燥火格子21から燃焼火格子22に供給されている廃棄物の性状は既に従来の想定と異なっていることを意味する。その結果、その状態で燃焼火格子22及び後燃焼火格子23の搬送速度を従来と同じにしていると、既に燃焼、後燃焼に必要な時間は変化しているため、安定な燃焼を維持できない。
これを防止するため、制御装置90は、乾燥火格子21の搬送速度を変更した場合(S102又はS104でYesの場合)、乾燥火格子21の搬送速度の変更の原因である廃棄物の性状の変化の状態に応じて、燃焼火格子22及び後燃焼火格子23の搬送速度を変更する(S106)。なお、制御装置90は、燃焼火格子22及び後燃焼火格子23の搬送速度の変更の要否及び変更すべき量について、乾燥火格子21の搬送速度の変更量だけではなく、他の検出データにも基づいて決定することが好ましい。
次に、制御装置90は、乾燥火格子21の搬送速度の変更の原因である廃棄物の性状の変化の状態に応じて、第1ダンパ81から第5ダンパ85の少なくとも何れかを調整することで、一次燃焼用気体及び二次燃焼用気体の供給量を調整する(S107)。従来では、例えば焼却炉内ガス温度センサ91からNOxガス濃度センサ94の検出データ等を用いて、一次燃焼用気体及び二次燃焼用気体の供給量を調整している。
これに対し、本実施形態では、他の検出データに加えて、火炎燃焼開始位置の移動方向(上流側に移動しているか、下流側に移動しているか)に基づいて、一次燃焼用気体及び二次燃焼用気体の供給量を調整する。ここで、火炎燃焼開始位置が上流側に移動していて各火格子の搬送速度を上昇させた場合、廃棄物の性状にも関係するが一般的には、熱分解ガスの発生量が多くなるとともに、一次燃焼が行われることで生じる一次燃焼ガス(CO等の未燃焼ガスを含む)が多くなる。従って、一次燃焼用気体及び二次燃焼用気体の供給量を増加させる必要がある。一方で、火炎燃焼開始位置が下流側に移動していて各火格子の搬送速度を低下させた場合、廃棄物の性状にも関係するが一般的には、熱分解ガスの発生量が少なくなるとともに、一次燃焼が行われることで生じる一次燃焼ガスが少なくなる。従って、一次燃焼用気体及び二次燃焼用気体の供給量を低減させる必要がある。
また、廃棄物の性状は常に変化する可能性があるため、制御装置90は、ステップS107の処理の後に、再びステップS101以降の処理を行う。これにより、廃棄物の性状が変化した場合であっても、廃棄物の乾燥及び燃焼の進行状況が適正になるように修正することができるため、燃え切り点を適切な範囲に収め、安定な燃焼を維持することができる。
以上に説明したように、本実施形態の焼却炉10は、乾燥部11と燃焼部12と後燃焼部13とに区分された火格子(乾燥火格子21、燃焼火格子22、及び後燃焼火格子23)から構成されており、廃棄物が載せられた状態で間欠的に動作することで当該廃棄物を炉出口に向けて搬送するとともに、当該火格子を介して一次燃焼用気体を供給する。本実施形態の炉内状況判定方法では、映像取得工程と、算出工程と、を含む処理を行う。映像取得工程では、乾燥部11の炉幅方向の端部に形成されている側壁11aに設けられた窓部11bから、少なくとも乾燥部11と燃焼部12の境界に載せられた廃棄物の外観を含む映像を取得する。算出工程では、映像取得工程で取得された映像に基づいて火炎燃焼開始位置を特定し、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかを算出する。
火格子式の焼却炉10では、燃焼と後燃焼の境界である燃え切り点(火炎燃焼の終了位置)を適切な範囲に収めることが、安定な燃焼を実現するために重要となる。燃え切り点の位置が適切な範囲から外れる主たる原因が、廃棄物の性状の違いに起因して、想定乾燥時間と実乾燥時間とに差異が生じることにあると、本願の発明者によって発見された。ここで、火炎燃焼開始位置の移動方向は、想定乾燥時間と実乾燥時間との差異の傾向(即ち、廃棄物の乾燥及び燃焼の進行状況の適正性)に相当するため、燃え切り点を適切な範囲に収めるために必要な情報として扱うことができる。
また、燃焼部12の側壁は非常に高温となり窓部及び撮像装置等の設置が困難であるため、乾燥部11の側壁11aに窓部11bを設けることで、火炎燃焼開始位置を特定するための映像を適切に取得できる。更に、側壁11aは、天井壁等と異なり炉内で生じる熱分解ガス及び燃焼ガス等の影響を受けにくいため、火炎燃焼開始位置を特定するための映像を適切に取得できる。
また、本実施形態の燃焼制御方法では、火炎燃焼開始位置が上流側に移動していることが検出された場合は、乾燥火格子21による廃棄物の搬送速度を上昇させる制御を行う。また、火炎燃焼開始位置が下流側に移動していることが検出された場合は、乾燥火格子21による廃棄物の搬送速度を低下させる制御を行う。
これにより、想定乾燥時間と実乾燥時間との差異を小さくすることができるので、廃棄物の乾燥及び燃焼の進行状況をより適正にすることができる。その結果、燃え切り点を適切な範囲に収め、安定な燃焼を維持することができる。
また、本実施形態の燃焼制御方法では、乾燥火格子21の搬送速度を変更するとともに、乾燥火格子21の搬送速度の変更の原因である廃棄物の性状の変化の状態に応じて、燃焼火格子22及び後燃焼火格子23の搬送速度を変化させる。
これにより、乾燥火格子21の搬送速度のみならず、燃焼火格子22、後燃焼火格子23の搬送速度を変更することで、燃焼状態の全体の変動を修正できる。
また、本実施形態の燃焼制御方法では、火炎燃焼開始位置が上流側に移動しているか下流側に移動しているかに基づいて、乾燥部11、燃焼部12、及び後燃焼部13の少なくとも何れかへ供給する一次燃焼用気体の供給量を調整する。
これにより、廃棄物の搬送速度を変更したことに起因する一次燃焼用気体の過不足を修正することができるので、乾燥、燃焼、及び後燃焼をより適切に行うことができる。
また、本実施形態の焼却炉10では、乾燥部11、燃焼部12、及び後燃焼部13で行われる一次燃焼と、当該一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼と、が行われる。本実施形態の燃焼制御方法では、火炎燃焼開始位置が上流側に移動しているか下流側に移動しているかに基づいて、二次燃焼用気体の供給量を調整する。
これにより、火炎燃焼開始位置の移動方向に基づいて一次燃焼の進行状況(即ち一次燃焼ガスの発生量等)を推測することができるので、それに応じて二次燃焼用気体の供給量を調整することで、二次燃焼において一次燃焼ガスに含まれる未燃焼ガスを十分に燃焼させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、炉内の映像を取得する装置として、火炎燃焼開始位置を含む映像を取得する撮像装置95のみを備える構成である。これに代えて、従来から存在する撮像装置(具体的には、燃焼火格子22の搬送方向の中央よりも下流側の範囲を撮像する撮像装置)を更に備えていてもよい。
上記実施形態では、火炎燃焼開始位置の移動方向に基づいて、乾燥火格子21の搬送速度及び一次燃焼用気体と二次燃焼用気体の供給量を変更する処理を行ったが、火炎燃焼開始位置の移動方向に加えて、移動速度を用いて、乾燥火格子21の搬送速度及び一次燃焼用気体と二次燃焼用気体の供給量を変更する処理を行ってもよい。
上記実施形態では、燃焼制御で用いる検出データとして、焼却炉内ガス温度センサ91、焼却炉出口ガス温度センサ92、COガス濃度センサ93、及びNOxガス濃度センサ94の検出データを挙げて説明したが、少なくとも1つの検出データを省略して燃焼制御を行ってもよいし、上記とは別の検出データを加えて燃焼制御を行ってもよい。別の検出データとしては、例えば、排ガスからの熱量回収に伴うボイラ蒸発量、又は、水噴霧により冷却を行う場合は水噴霧冷却用水量等を用いることができる。
10 焼却炉(廃棄物焼却炉)
11 乾燥部
11a 側壁
11b 窓部
12 燃焼部
13 後燃焼部
20 搬送部
21 乾燥火格子
22 燃焼火格子
23 後燃焼火格子
90 制御装置
95 撮像装置

Claims (4)

  1. 乾燥部と燃焼部と後燃焼部とに区分された火格子から構成されており、廃棄物が載せられた状態で間欠的に動作することで当該廃棄物を炉出口に向けて搬送するとともに当該火格子を介して一次燃焼用気体を供給する廃棄物焼却炉に対して、
    前記乾燥部の炉幅方向の端部に形成されている側壁に設けられた窓部から、少なくとも前記乾燥部と前記燃焼部の境界に載せられた前記廃棄物の外観を含む映像を取得する映像取得工程と、
    前記映像取得工程で取得された映像に基づいて火炎燃焼開始位置を特定し、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかを算出する算出工程と、
    制御工程と、
    を含む処理を行い、
    前記廃棄物焼却炉では、前記乾燥部、前記燃焼部、及び前記後燃焼部で行われる一次燃焼と、当該一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼と、が行われ、
    前記制御工程では、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を上昇させる制御を行い、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向下流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を低下させる制御を行い、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかに基づいて、二次燃焼用気体の供給量を調整することを特徴とする燃焼制御方法
  2. 請求項に記載の燃焼制御方法であって、
    前記制御工程では、前記乾燥部の前記火格子の搬送速度を変更するとともに、前記乾燥部の前記火格子の搬送速度の変更の原因である前記廃棄物の性状の変化の状態に応じて、前記燃焼部の前記火格子及び前記後燃焼部の前記火格子の搬送速度を変化させることを特徴とする燃焼制御方法。
  3. 請求項又はに記載の燃焼制御方法であって、
    前記制御工程では、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかに基づいて、前記乾燥部、前記燃焼部、及び前記後燃焼部の少なくとも何れかへ供給する一次燃焼用気体の供給量を調整することを特徴とする燃焼制御方法。
  4. 乾燥部と燃焼部と後燃焼部とに区分された火格子から構成されており、廃棄物が載せられた状態で間欠的に動作することで当該廃棄物を炉出口に向けて搬送する搬送部と、
    それぞれの前記火格子の下方に設けられており、当該火格子を介して前記廃棄物に供給するための一次燃焼用気体が供給される風箱と、
    前記乾燥部の炉幅方向の端部に形成されている側壁に設けられた窓部から、少なくとも前記乾燥部と前記燃焼部の境界に載せられた前記廃棄物の外観を含む映像を取得する撮像装置と、
    前記撮像装置が取得した映像に基づいて火炎燃焼開始位置を特定し、火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかを算出する制御装置と、
    を備え、
    炉内では、前記乾燥部、前記燃焼部、及び前記後燃焼部で行われる一次燃焼と、当該一次燃焼で発生した未燃焼ガスを含む一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼と、が行われ、
    前記制御装置は、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を上昇させる制御を行い、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向下流側に移動していることが算出された場合は、前記乾燥部の前記火格子による前記廃棄物の搬送速度を低下させる制御を行い、
    火炎燃焼開始位置が搬送方向上流側に移動しているか搬送方向下流側に移動しているかに基づいて、二次燃焼用気体の供給量を調整することを特徴とする廃棄物焼却炉。
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