JP6669530B2 - ペーパータオルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ペーパータオルの製造方法に関する。特に、古紙パルプを原料とする1プライのペーパータオルの製造方法に関する。
ペーパータオルには、シングルとも称される1プライのものと、ダブルとも称される2プライのものがある。
シングルのペーパータオルは、ダブルのものよりも1枚の厚みを厚くする必要があるため、1枚あたりでは米坪が高く、コシが強く、硬さも硬い傾向にあり、肌触りにおいて硬く感じられるものが多い。
また、ペーパータオルには、原料パルプとして古紙パルプを配合、又は古紙パルプ100%を原料とするものがあり、このような古紙パルプ配合のペーパータオルは、バージンパルプ100%のものと比較すると肌触りが硬い傾向にある。
他方で、ペーパータオルは、主に手洗い後の手拭きに用いられるため、手に付いた水分を素早く吸収できるよう吸水速度が早いことが求められる。
ペーパータオルの吸水速度を早めるには、坪量を上げたり、嵩を上げたりすることにより早まるが、高米坪とすると、紙が硬くなり柔らかさが低下する。
その一方で、紙の柔らかさを高めるために抄紙原料であるパルプスラリーに柔軟剤を添加することが行われる。しかしながら、パルプスラリーへの柔軟剤を添加すると、柔らかくなるとともに、やや吸水速度も向上するが、十分とまではいえない。そして、吸水速度を速めるために柔軟剤の添加量を増加させると、手拭に必要な強度を保つことが難しくなる。
このように、ペーパータオルでは、柔らかさと吸水速度と十分な強度とをともに向上させることが難しく、特に、コシが高く硬い傾向にあるシングルでかつ古紙パルプを配合したペーパータオルでは、柔らかさと吸水速度と十分な強度とをともに向上させることが非常に難しい。
特開2013-36124号公報 特許第5586903号 特許第5769986号 特開2013−108197号公報
そこで、本発明の主たる課題は、古紙配合のパルプを原料とする1プライのペーパータオルにおいて、柔らかさと吸水速度と十分な強度とを向上させることにあり、特に、柔らかさと吸水速度と十分な強度とが向上するペーパータオルの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする1プライのペーパータオルの製造方法であって、
ワイヤーパートのフォーマー部において、クーチロール通過直後のフェルト又はワイヤー上の水分率80%以上かつ乾燥後坪量が20〜50g/m2となる湿紙に対して、20〜40質量%のノニオン系界面活性剤溶液を原料パルプ1トンあたり1〜7kg、シャワー又はスプレーにより添加する、界面活性剤添加工程と、
このノニオン系界面活性剤溶液を添加した湿紙を脱水するプレスパートと、
ウェットクレープを付与するクレープ加工工程と、
ウェットクレープ加工された湿紙を乾燥するドライヤーパートと、を有することを特徴とするペーパータオルの製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
シャワー又はスプレーの噴射方向と、湿紙の搬送方向とが50度以下の角度となるようにして、ノニオン系界面活性剤溶液を添加する、請求項1記載のペーパータオルの製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
クーチロールを覆う飛散防止カバーの上方から湿紙に対してノニオン界面活性剤を添加する、請求項1又は2記載のペーパータオルの製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
抄紙原料のスラリー濃度が0.10〜0.20質量%である請求項1〜3の何れか1項に記載のペーパータオルの製造方法。
〔請求項5記載の発明〕
クレープ加工工程におけるクレープ率を5〜15%とする請求項1〜4の何れか1項に記載のペーパータオルの製造方法。
以上の本発明によれば、古紙配合のパルプを原料とする1プライのペーパータオルにおける柔らかさと吸水速度と十分な強度とがともに向上する、ペーパータオルの製造方法が提供される。
本発明にかかるペーパータオルの製造例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説する。
まず、本発明に係る製造方法により製造するペーパータオルは、古紙パルプ配合の1プライのペーパータオルである。このようなペーパータオルの坪量は、通常20〜50g/m2の範囲にあり、その多くは30〜45g/m2の範囲にある。また、このようなペーパータオルの紙厚は、通常140〜280μmの範囲あり、その多くは150〜200μmの範囲にある。
したがって、本発明に係るペーパータオルの製造方法は、坪量20〜50g/m2、紙厚140〜280μmの古紙パルプ配合の1プライのペーパータオルの製造方法であり、本発明に係る製造方法により、係るペーパータオルの柔らかさ及び吸水速度が向上され、さらに十分な強度も発現される。
また、ペーパータオルにおける必要な強度は、概ね、縦方向の乾燥引張強度が1500〜2500cN、横方向の乾燥引張強度が900〜1700cN、縦方向の湿潤引張強度が500〜1000cN、横方向の湿潤引張強度が250〜600cNである。
本発明に係るペーパータオルの製造方法は、上記のとおり古紙パルプ配合のペーパータオルであり、その原料パルプとしては、古紙パルプが用いられる。本発明の製造方法においては、とりわけ原料パルプ中における古紙パルプの割合が80質量%以上、特には原料パルプが古紙パルプ100質量%である場合、すなわち、かかる古紙パルプが高配合のペーパータオルにおいて、顕著に柔らかさと吸水速度が改善される。
したがって、本発明に係るペーパータオルの製造方法において用いる原料パルプは、古紙パルプが80質量%以上含むもの、特には古紙パルプ100質量%のものとする。なお、古紙パルプ以外の原料パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)や針葉樹クラフトパルプ(NBKP)が好適に用いられる。これらは双方を混合して用いてもよい。なお、本発明に係る古紙パルプは、ペーパータオルに用いられている公知の古紙パルプとすることができる。例えば、脱墨、漂白処理された上質紙、コート紙由来の上質古紙パルプである。
本発明に係るペーパータオルの製造方法における抄紙原料は、上記原料パルプをパルプスラリーとしたものである。スラリー化の方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法による。
本発明に係るペーパータオルの製造方法に係る抄紙原料中には公知の添加剤を用いることができる。特に、本発明に係るペーパータオルの製造方法では、上記の乾燥引張強度及び湿潤引張強度の範囲にすべく、抄紙原料中に内添剤として乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤を添加することができる。乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤は、公知のものを使用することができる。添加量としては、乾燥紙力剤にあっては原料パルプ1トンあたり5〜30kg、湿潤紙力剤にあっては10〜40kgである。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、抄紙原料のスラリー濃度は、0.10〜0.20質量%とするのが特に望ましい。また、抄紙原料のフリーネス(CSF)は、400±150ccとするのが望ましい。係る抄紙原料を用いて、抄紙することで本発明の効果、特にノニオン系界面活性剤溶液の添加及びその位置に係る効果が発揮される。
他方で、本発明に係るペーパータオルの製造方法に用いる抄紙設備は、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパートを有するものであり、丸網方式、長網方式のいずれでもよい。なお、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパートの厳密な境界は、抄紙設備により異なる。本発明では、湿紙を形成し安定させる工程をワイヤーパート、湿紙を脱水してドライヤーパートへ移行させるに十分な水分率まで低下させる工程をプレスパート、ドライヤーにて湿紙を乾燥して乾紙にする工程をドライヤーパートと称している。
本発明に係る製造方法は、特にプレスパートの距離が短い丸網方式において顕著に吸水速度の改善がみられるため、丸網抄紙設備において特に効果的である。また、フォーマーの形式についても限定されない。以下、さらに図1を例にして説明する。図1は、丸網抄紙設備X1である。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、特徴的にワイヤーパートP1のフォーマー部1において、クーチロール11通過直後のフェルト13又はワイヤー(バルキーワイヤーとも称される)上の水分率80%以上かつ乾燥後坪量が20〜50g/m2となる湿紙W1に対して、20〜40質量%のノニオン系界面活性剤溶液30を原料パルプ1トンあたり1〜7kg、シャワー又はスプレーにより添加する、界面活性剤添加工程を有する。
ここで、本発明に係るクーチロール11とは、フォーマー部1においてヘッドボックスやフォーマー14、インレットとともに抄紙原料から湿紙をフェルト13又はワイヤー上に形成するものである。なお、本発明のペーパータオルの製造方法に係る抄紙設備X1は、ワイヤーとフェルトのいずれかのみで湿紙を搬送する設備に限定されない。ワイヤーで湿紙を搬送する工程とフェルトで湿紙を搬送する工程とが混在する設備であってもよい。
本発明に係るペーパータオルの製造方法においてクーチロール11通過直後のフェルト13又はワイヤー上の湿紙W1の水分率を80%以上とするには、上記のスラリー濃度及びフリーネスの抄紙原料を用い、適宜にクーチロール11において適宜にサクションして湿紙W1を形成するようにすれば十分に達成できる。また、湿紙W1において乾燥後坪量が20〜50g/m2となるようにするには、フォーマー14からの抄紙原料の吐出を調整すればよい、通常の抄紙設備であれば、このような調整は当然に行える。
他方で、上記ノニオン系界面活性剤溶液30の濃度については、20質量%未満であると十分に吸水速度や柔らかさが高まらない。また、ノニオン系界面活性剤溶液の添加量が原料パルプ1トンあたり1kg未満である場合も吸水速度が十分に高まらない。反対に、ノニオン系界面活性剤溶液の濃度が40質量%を超えたり、添加量が原料パルプ1トンあたり7kgを超えると紙力が過度に低下して破れやすくなる。本発明に係るノニオン系界面活性剤溶液としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが特に適する。なお、ノニオン系界面活性剤溶液は、湿紙W1との親和性の点で溶媒を水とする水溶液であるのが望ましい。なお、溶液中には、溶液の安定性を高める添加物等をノニオン系界面活性剤溶液に影響を与えない範囲で添加することができる。
ここで、本発明に係るペーパータオルの製造方法では、特にノニオン系界面活性剤溶液30の添加位置が重要である。抄紙原料中に内添した場合には、ノニオン系界面活性剤溶液の歩留まりが非常に悪く、また、パルプ繊維に対する付着が十分ではなくなり、吸水速度及び柔らかさが十分に向上しない。他方で、ワイヤーパートP1より後段のプレスパートP2において添加する場合には、湿紙の水分率が低下しているため湿紙内へのノニオン系界面活性剤溶液の浸透が遅く、吸水速度及び柔らかさの向上が発現しない場合があるとともに、ドライヤー60に近い位置で湿紙の水分率が再上昇することになるため、ドライヤー60への付着性や乾燥性に影響を与えやすく操業上の問題が発生しやすくなる。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、クーチロール11通過直後のきわめて高水分率の湿紙W1に対してノニオン系界面活性剤溶液をシャワー又はスプレーにより添加することで、その後のワイヤーパートP1の後段における緩やかな搾水とプレスパートP2における搾水とがなされるまでの間に湿紙中のパルプ繊維とノニオン系界面活性剤溶液を含むこととなった水分との接触時間が十分に確保されるとともに、フェルト13又はワイヤーを介して湿紙中の水分が搾水される過程で、湿紙W2のフェルト又はワイヤーに接していない面、つまりシャワー又はスプレーを行うシャワー装置15又はスプレー装置から直接ノニオン系界面活性剤溶液が付与された面から、フェルト又はワイヤーに接している面に向かってノニオン系界面活性剤溶液を含むこととなった水分が移動しつつ搾水がなされるため湿紙の内部に至るまで均一にノニオン系界面活性剤溶液が拡散され、さらにドライヤーパートP3における乾燥が効果的になされるようになる。このように、本発明に係るペーパータオルの製造方法では、クーチロール11直後の高水分率の湿紙W1に対して、ノニオン系界面活性剤溶液をシャワー又はスプレーにより添加することで、ノニオン系界面活性剤溶液による効果が発現されるのである。そして、特に乾燥後坪量が20〜50g/m2となる繊維量を含む水分率80質量%以上の湿紙に対して、ノニオン系界面活性剤溶液の濃度を20〜40質量%、添加量を1〜7kg/パルプトンとすることで、その効果がより確実に発現されるようになるのである。
ここで、ノニオン系界面活性剤溶液を湿紙W1に対して添加するためのシャワー装置15又はスプレー装置は、特に限定されない。ノズル式、ローターダンプニング式、回転噴霧式のスプレー装置等を用いることができる。但し、本発明に係るペーパータオルの製造方法では、クーチロール11通過直後の高水分率の湿紙に対して外添により添加することを考慮して、湿紙中の繊維配向や地合いに影響がないようにその噴射圧や液滴の大きさは適宜に調整する。
また、本発明に係るペーパータオルの製造方法では、シャワー又はスプレーによって湿紙W1に対してノニオン系界面活性剤溶液を付与する際には、シャワー装置又はスプレー装置からのシャワー又はスプレーの噴射方向と、湿紙W1の搬送方向とが50度以下の角度(図中αで示す)となるようにするのが望ましい。このような角度とするとノニオン系界面活性剤溶液30を湿紙W1に付与する際に、湿紙中の繊維配向に影響を与え難くなる。さらに、抄紙設備におけるクーチロール11は、高水分率の抄紙原料がワイヤー等を介して接触する部分であり、抄紙原料が飛散しないように飛散防止カバー40が設けられている。このため、上記のようにシャワー又はスプレーの噴射方向と、湿紙W1の搬送方向とに角度αを設ける場合には、シャワー装置15又はスプレー装置の噴射口がこの飛散防止カバー40の上方に位置するようにして、クーチロール11を覆う飛散防止カバー40の上方から湿紙W1に対してノニオン界面活性剤を添加するようにするのが望ましい。このようにするとシャワー装置15又はスプレー装置からノニオン系界面活性剤溶液の液滴が下方に垂れることが生じても液滴が飛散防止カバー40上に落下するため、係る現象によって湿紙W1の地合いに影響を及ぼすことが防止される。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、シャワー装置又はスプレー装置のノズルは扇形のノズルを用いるのが望ましい。水圧は1.5〜10kg/cm2で、速度200〜2,000m/分で流れている湿紙へ添加するのが望ましい。
このようにしてワイヤーパートP1のフォーマー部1においてノニオン系界面活性剤溶液が添加された湿紙W1は、フェルト13又はワイヤーによってワイヤーパート後段へ移送され、さらにプレスパートP2へと移送される。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、ワイヤーパートP1後段、さらにプレスパートP2においては、既知のペーパータオルの製造方法と同様に行うことができる。プレスパートP2では、フェルト13又はワイヤーの湿紙積置面と反対面に位置するサクションロールやサクションボックス(図示しない)の吸引作用やプレスロール54によって湿紙W2の水分を搾水する。サクションロール、サクションボックス及びプレスロール54は複数設けることができる。また、サクションロール、サクションボックスにおける吸引力やプレスロール54によるプレス圧は、製造すべきペーパータオルの紙厚等の物性を考慮して既知の方法により調整する。
本発明に係るペーパータオルの製造方法においては、プレスパートP2において脱水された水分率が低下した湿紙W2にウェットクレープを付与するクレープ加工工程2を有する。このウェットクレープ付与時の湿紙W2の水分率は、40〜60%であるのが望ましい。つまり、プレスパートP2において湿紙W2の水分率を40〜60%にまで低下させて、ドライヤー60に移送する。そして、ここでのクレープ率は5〜15%とするのが望ましい。ウェットクレープを付与し、そのクレープ率を5〜15%とすることで、吸水速度及び柔らかさの向上と十分な強度がより達成しやすくなる。特に、湿潤状態での強度と嵩高さの発現による吸水速度の向上に良好な影響を与える。なお、クレープ率は、クレーピングドクター等の掻き取り装置の前後の湿紙の搬送速度の差から算出される。例えば、図示例のようにプレスロール54上の湿紙をクレーピングドクター55により掻き取り、後段のバルキーワイヤー16へと移送するようにする場合、クレープ率は次式により算出される。クレープ率:{(プレスロールの周速)−(バルキーワイヤーの搬送速度)}/(プレスロールの周速)×100。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、クレープ加工工程2においてウェットクレープを付与した湿紙W3は、ドライヤーパートにて乾燥する。ドライヤーパートP3では、タッチロール56等を介して湿紙W3をヤンキードライヤー60に移送して乾燥する。
ドライヤーパートにおける乾燥工程は、既知のペーパータオルの乾燥工程と同様に行うことができる。ドライヤーパートP3のドライヤー60にて乾燥され湿潤W3から乾紙D1とされた後には、適宜の巻き取り工程に移送してペーパータオルの原紙を巻き取った原反ロール70とされる。なお、ドライヤー60から乾紙を剥がす際にドライクレープを付与してもよい。
かくして形成されたペーパータオルの原紙が巻き取られた原反ロール70は、図示しない後段の公知のペーパータオルの製品化工程、例えば、エンボス加工工程、インターフォルダーによる折り工程を経てペーパータオル製品とされる。
本発明に係るペーパータオルの製造方法では、特にワイヤーパートP1のフォーマー部1においてクーチロール11通過直後のフェルト13又はワイヤー上の水分率80%以上かつ乾燥後坪量が20〜50g/m2となる湿紙に対して、20〜40質量%のノニオン系界面活性剤溶液30を原料パルプ1トンあたり1〜7kg、シャワー又はスプレーにより添加し、さらに、ウェットクレープを付与する特徴がある。その一方で、プレスパートP2やドライヤーパートP3といった坪量や紙厚、さらに密度といった紙の機械的構造に大きな影響を与える工程は公知のペーパータオルの製造方法の工程をそのまま利用することができる。したがって、紙厚や坪量といった紙の機械的構造に基づく紙力や柔らかさは従来ペーパータオルに劣ることがなく、そのうえで、ノニオン系界面活性剤溶液の添加位置や添加量、濃度の調整によりノニオン系界面活性剤溶液による吸水速度の向上と柔らかさの向上が紙力等に影響を与えることなく発揮される。
本発明のペーパータオルの製造方法に係る作用効果に関して、さらに実施例を参照しながら説明する。本発明に係るペーパータオルの製造方法(実施例1〜5)及びそれ以外のペーパータオルの製造方法(比較例1〜7)により製造された各ペーパータオルについての物性値と柔らかさ等の官能評価の結果を下記表1に示す。なお、ペーパータオルは、インターフォルダーを用いてポップアップ式の製品化までを行ったものを試料とした。実施例1〜3、5、比較例1〜2、4〜7に係る原料パルプはすべて同じ古紙パルプ100%のものを用い、実施例4、比較例3に係る原料パルプは古紙パルプ80%、LBKP20%を用い、抄紙設備も同様のものを用いた。
なお、比較例1〜3は界面活性剤を添加していないもの、比較例4及び比較例5は、本発明に係るペーパータオルと同様にクーチロール通過直後にノニオン系界面活性剤溶液を添加しているがその添加量が過度に少ないか又は多いものである。比較例6は、ノニオン系界面活性剤溶液を抄紙原料中に添加したもの、比較例7は、ノニオン系ではなくカチオン系の界面活性剤を抄紙原料中に添加したものである。
なお、表中の物性値の測定方法、官能評価の基準は下記のとおりである。
〔坪量〕
JIS P 8124(1998)に従って測定した。
〔紙厚〕
JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した。
〔乾燥引張強度〕
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した。
〔湿潤引張強度〕
JIS P 8135(1998)の引張試験に従って測定した。
〔ソフトネス〕
JIS L 1096 E法に準じたハンドルオメータ法に従って測定した。
〔クレム吸水度〕
JIS P 8141(2004)に従って測定した。
〔剛軟性〕
45°カンチレバー法に準じて、抄造したペーパータオルから横方向に20mm、長さ約150mmの試験片を採取し、試験機にセットして斜面の方向に緩やかに試験片を滑らせ、試験片の一端が斜面に接するまでに他端が移動した長さ(mm)を測定した。この長さが短いほど試験片は柔らかいことになる。1つの試験片について5回の測定を行い、その平均値を剛軟性の測定値とした。
〔吸水速度〕
JIS P 3104の吸水度試験に準じて、10μlの蒸留水を試料の一方面に滴下し、照りがなくなるまでの時間を測定した。なお、照りがなくなったか否かは目視により判断し、滴下面は抄造時にワイヤーまたはフェルト面に接していた面とした。1つの試料について5回測定を行い、その平均値を吸水速度の測定値とした。
〔官能評価〕
官能評価試験の被験者は30名とした。官能評価試験は、試料を使用した際に、「やぶれ」、「柔らかさ」、「吸水の速さ」の点において、基準試料(比較例1)に対して、どのように評価するかを点数付けにより行った。基準試料に対して、「かなり優れている」と評価するものを4点、「やや優れている」と評価するものを3点、「やや劣っている」と評価するものを2点、「劣っている」と評価するものを1点として点数付けし、各実施例、比較例(比較例1を除く)の平均点を求めた。
表中は、その平均点が3.0以上であったものを「◎」、2.5〜2.9であったものを「〇」、2.0〜2.4であったものを「△」、1.9以下であったものを「×」と記している。
Figure 0006669530
表1の各結果において、本発明の製造方法にしたがって製造された実施例1〜実施例5に係るペーパータオルは、すべての官能評価において「◎」となっているように、基準試料に対して明らかに高い評価となった。さらに、吸水速度については5秒未満と非常に早くなっている。
これに対して、界面活性剤を添加していない比較例2及び3は、柔らかさの官能評価が低く、また、吸水速度も7秒以上となっている。柔らかさはソフトネスにおいても同様の傾向がみられる。
つまり、本発明に係る実施例に係る製造方法は、ノニオン系界面活性剤を添加しない製造方法と比較して、吸水速度及び柔らかさが向上される。特に吸水速度については、本発明の製造方法に係るものは、比較例1〜3と比べて30%以上も向上しており、その効果が非常に顕著に確認できる。
さらに、実施例1〜実施例5と比較例4及び比較例5を対比してみると、ノニオン系界面活性剤の添加量が本発明よりも低い場合に吸水速度が高まらず、高い場合には破れが生じやすくなる。特に、比較例5の破れについては、乾燥及び湿潤の特に横方向の引張強度が非常に低くなっており、十分な強度が確保できなくなることがわかる。
つまり、本発明に係る吸水速度と柔らかさ、さらに十分な強度とするためにノニオン系界面活性剤溶液の添加量を本発明の範囲内にする必要がある。
さらに、実施例1〜実施例5と比較例6を対比してみると、ノニオン系界面活性剤溶液を用いても抄紙原料中に内添した場合には、吸水速度と柔らかさの発現が十分には発現しない。
そして、実施例1〜実施例5と比較例7とを対比してみると、ノニオン系界面活性剤ではなくカチオン系界面活性剤を用い、これを抄紙原料中に内添すると柔らかさが高まり、吸水速度もノニオン系界面活性剤溶液を内添するより良好となる傾向がみられるものの紙力が高まらず破れやすいものとなる。つまり、カチオン系界面活性剤は、吸水速度や柔らかさがノニオン系界面活性剤より優れる傾向にあるが、内添といった歩留まりが悪い方法であっても紙力の低下が著しくなることがわかる。
以上のように実施例及び比較例とを対比してみると、本発明のペーパータオルの製造方法とすることで、ペーパータオルにおける柔らかさと吸水速度が向上され、さらに十分な強度が維持される。
X1…丸網抄紙設備、1…フォーマー部、2…クレープ加工工程、11…クーチロール、13…フェルト(ワイヤー)、14…フォーマー(インレット)、15…シャワー装置(スプレー装置)、16…バルキーワイヤー、30…ノニオン系界面活性剤溶液、40…飛散防止カバー、54…プレスロール、55…クレーピングドクター、56…タッチロール、60…ヤンキードライヤー、70…原反ロール、W1〜W3…湿紙、D1…乾紙、P1…ワイヤーパート、P2…プレスパート、P3…ドライヤーパート。

Claims (5)

  1. 古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする1プライのペーパータオルの製造方法であって、
    ワイヤーパートのフォーマー部において、クーチロール通過直後のフェルト又はワイヤー上の水分率80%以上かつ乾燥後坪量が20〜50g/m2となる湿紙に対して、20〜40質量%のノニオン系界面活性剤溶液を原料パルプ1トンあたり1〜7kg、シャワー又はスプレーにより添加する、界面活性剤添加工程と、
    このノニオン系界面活性剤溶液を添加した湿紙を脱水するプレスパートと、
    ウェットクレープを付与するクレープ加工工程と、
    ウェットクレープ加工された湿紙を乾燥するドライヤーパートと、を有することを特徴とするペーパータオルの製造方法。
  2. シャワー又はスプレーの噴射方向と、湿紙の搬送方向とが50度以下の角度となるようにして、ノニオン系界面活性剤溶液を添加する、請求項1記載のペーパータオルの製造方法。
  3. クーチロールを覆う飛散防止カバーの上方から湿紙に対してノニオン界面活性剤を添加する、請求項1又は2記載のペーパータオルの製造方法。
  4. 抄紙原料のスラリー濃度が0.10〜0.20質量%である請求項1〜3の何れか1項に記載のペーパータオルの製造方法。
  5. クレープ加工工程におけるクレープ率を5〜15%とする請求項1〜4の何れか1項に記載のペーパータオルの製造方法。
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