JP6668921B2 - 組電池の充放電制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組電池、特に、複数のセルを並列に接続したセルブロックを直列に接続した組電池の充放電制御方法に関する。
近年、電動車両の駆動モータに電力を供給するバッテリとして、複数のセルを並列に接続したセルブロックを直列に接続した組電池が用いられている。このような組電池では、各セルを並列に接続する接続線が断線する場合がある。このため、セルを並列に接続する接続線の断線を検出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−216448号公報
ところで、セルブロックの各セルを並列に接続する接続線が断線すると、接続線が断線したセル(以下、断線セルという)は充放電できなくなるので、断線セルの充電率(以下、SOCという)は、接続線が切断した際のSOCに維持されることとなる。一方、断線セル以外の正常セルは、組電池全体の充放電によってSOCが変化する。例えば、断線セルのSOCが50%に維持された場合でも、正常セルのSOCは20%〜90%等の範囲で変化する。
セルブロックの各セルを並列に接続する接続線は、薄い金属板を折り曲げたもので、各セルの正極あるいは負極の表面に抵抗溶接することにより各セルに接続されている。電動車両の振動等により接続線が断線した後、電動車両の振動等により断線した接続線同士が接触するとスパークが発生する。これにより断線していた接続線同士が溶接接続され、断線セルが再導通する場合がある。断線セルが再導通する際のSOCが正常セルのSOCよりも低い場合、再導通の際に正常セルから断線セルに向って大きな電流が流れる。逆に、断線セルが再導通する際のSOCが正常セルのSOCよりも高い場合、再導通の際に断線セルから正常セルに向って大きな電流が流れる。このため、断線セルが再導通した際に、断線セルあるいはその周囲の正常セルの温度が上昇し、組電池が劣化する場合がある。
そこで、本発明は、セルブロックの断線セルが再導通した際に断線セルに流れる電流を抑制することを目的とする。
本発明の組電池の充放電制御方法は、複数のセルを並列に接続したセルブロックを直列に接続した組電池の充放電制御方法であって、全てのセルが並列接続線で並列接続されている正常セルブロックと、並列接続線が断線した断線セルを含む断線セルブロックと、がある場合に、前記組電池を充放電させた際の前記正常セルブロックの第1開放電圧と前記断線セルブロックの第2開放電圧との電圧差の縮小に基づいて、前記断線セルの充電率を推定し、前記組電池の充電率が推定した前記断線セルの充電率を中心とした所定制御範囲となるように前記組電池の充放電を行うこと、を特徴とする。
本発明は、セルブロックの断線セルが再導通した際に切断セルに流れる電流を抑制することができる。
本発明の実施形態の充放電制御方法が適用される電動車両の構成を示す系統図である。 図1に示す組電池を構成するセルブロックの正極の並列バスバと接続バスバを示す平面図である。 図1に示す組電池を構成するセルブロックの負極の並列バスバと接続バスバを示す平面図である。 図1に示す組電池を構成するセルブロックの側断面図である。 図1に示す電動車両の走行モードと組電池、セルブロック、セルのSOCの変化を示す説明図である。 負極接続バスバの切断と再導通を示す説明図である。 断線セルのSOCが正常セルのSOCよりも低い場合に再導通が発生した際のセルブロック内の各セルのSOCの変化と電流を示す説明図である。 断線セルのSOCが正常セルのSOCよりも高い場合に再導通が発生した際のセルブロック内の各セルのSOCの変化と電流を示す説明図である。 正常セルブロックと断線セルブロックの開放電圧特性を示す図である。 本実施形態の充電制御方法を示すフローチャートである。 図9に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の正常セルブロックのSOCに対する断線セルブロックと正常セルブロックの開放電圧の変化を示すグラフである。 図9に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の断線セルブロック内の各セルのSOCの変化を示す説明図である。 EV走行の場合の本実施形態の充電制御方法を示すフローチャートである。 図12に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の正常セルブロックのSOCに対する断線セルブロックと正常セルブロックの開放電圧の変化を示すグラフである。 図12に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の断線セルブロック内の各セルのSOCの変化を示す説明図である。 プラグイン充電の場合の本実施形態の充電制御方法を示すフローチャートである。 図15に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の正常セルブロックのSOCに対する断線セルブロックと正常セルブロックの開放電圧の変化を示すグラフである。 図15に示す充電制御方法によって組電池の充放電制御を行った場合の断線セルブロック内の各セルのSOCの変化を示す説明図である。
<本実施形態の組電池の制御方法が適用される電動車両の構成>
以下、図面を参照しながら、まず、本実施形態の組電池の制御方法が適用される電動車両100の構成について説明する。なお、以下の説明では、本実施形態の制御方法が適用される電動車両100は、モータジェネレータ14とエンジン16とで駆動されるハイブリッド車両であって、モータジェネレータ14のみによって走行するEV走行が可能で、且つ、外部電源により搭載した組電池10を充電可能なプラグインハイブリッド車両として説明するが、本発明は、これ以外の電動車両、例えば、電気自動車等にも適用することができる。
電動車両100は、組電池10と、正極ライン11と負極ライン12を介して組電池10に接続されたインバータ13と、インバータ13によって駆動制御される車両駆動用のモータジェネレータ14と、エンジン16と、インバータ13とモータジェネレータ14とエンジン16との動作と組電池10の充放電とを制御する制御部70とを含んでいる。また、電動車両100の運転席には、電動車両100の起動、停止を行うイグニッションスイッチ19が取り付けられている。イグニッションスイッチ19は制御部70に接続されている。
モータジェネレータ14の出力軸とエンジン16の出力軸はエンジン16の出力を車輪18の駆動力と、モータジェネレータ14を発電機として駆動する際の駆動力とに分割する動力分割機構15に接続されている。動力分割機構15の出力軸は、ディファレンシャルギヤ17を介して車輪18を駆動するよう構成されている。
組電池10は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池のセル21,31,41,51を複数並列に接続したセルブロック20,30,40,50を直列に接続したものである。以下、セルブロック20を例にセルブロックの構造を説明する。セルブロック30,40,50の構造は、セルブロック20と同一であり、同一の部品について、セルブロック30は一の位が同一の30番台、セルブロック40は一の位が同一の40番台、セルブロック50は一の位が同一の50番台の符号を付す。
セルブロック20は、複数の円筒型のリチウムイオン電池のセル21と、正極並列バスバ24と、正極接続バスバ25と、負極並列バスバ27と、負極接続バスバ26とで構成されている。
図2Aに示すように、正極並列バスバ24は、平板状の金属板にセル21の配列に合わせて開口24aを配置したもので、各開口24aの周縁から各開口24aの中央に向かって複数の正極接続バスバ25が延びている。図3に示すように、正極接続バスバ25は、正極並列バスバ24からセル21の正極22に向かって斜め下向きに折り曲げ成形された細長い板である。図2A、図3に示すように正極接続バスバ25の先端28は、抵抗溶接によって正極22に接続されている。このように、複数のセル21の正極22は、正極並列バスバ24と複数の正極接続バスバ25とによって並列に接続されている。
図2B、図3に示すように、負極並列バスバ27、負極接続バスバ26の構造は、正極並列バスバ24、正極接続バスバ25と同様であり、負極接続バスバ26は、負極並列バスバ27の開口27aの周縁からセル21の負極23に向かって斜め上向きに折り曲げ成形された細長い板である。図2B、図3に示すように負極接続バスバ26の先端29は、抵抗溶接によって負極23に接続されている。そして、複数のセル21の負極23は、負極並列バスバ27と複数の負極接続バスバ26とに並列に接続されている。
従って、正極並列バスバ24と複数の正極接続バスバ25とは、正極側の並列接続線を構成し、負極並列バスバ27と複数の負極接続バスバ26とは、負極側の並列接続線を構成している。
図1に示すように、セルブロック20の正極並列バスバ24は、組電池10の正極ライン11に接続され、セルブロック20からセルブロック40の負極並列バスバ27,37,47はセルブロック30からセルブロック50の正極並列バスバ34,44,54とそれぞれ直列バスバで接続されている。また、セルブロック50の負極並列バスバ57は、組電池10の負極ライン12に接続されている。このように、セルブロック20,30,40,50は、直列に接続されている。
図1に示すように、各セルブロック20,30,40,50の各正極並列バスバ24,34,44,54と各負極並列バスバ27,37,47,57との間には、各セルブロック20,30,40,50の各ブロック電圧値V1,V2,V3,V4を検出する電圧センサ64,65,66,67が取り付けられている。また、組電池10の正極ライン11と負極ライン12の間には、組電池10の電圧値Vbを検出する電圧センサ61が取り付けられており、正極ライン11には、組電池10の電流値Ibを検出する電流センサ62が取り付けられている。また、組電池10には組電池10の温度Tbを検出する温度センサ63が取り付けられている。更に、図1に示すように、正極ライン11と負極ライン12には、外部電源に接続可能なコネクタ90が接続されている。
制御部70は、内部に情報処理や演算を行うCPU71と、制御プログラム、制御データ等を格納するメモリ72と、電圧センサ61,64〜67、電流センサ62、温度センサ63が接続されるセンサ・機器インターフェース73とを備え、CPU71とメモリ72とセンサ・機器インターフェース73の間が相互にデータバス74によって接続されているコンピュータである。また、ECU80も内部に情報処理や演算を行うCPUと制御プログラム、制御データ等を格納するメモリとを含むコンピュータである。
モータジェネレータ14は、組電池10から出力された電力を受けて電動車両100を駆動し、電動車両100の制動時に発生する運動エネルギを電力に変換して組電池10に充電する。したがって、電動車両100の走行中には、組電池10は、充放電を繰り返すことになる。なお、組電池10の電流値Ibは、放電電流を正(+)、充電電流を負(−)とする。
<電動車両の走行モードと組電池のSOCの変化>
次に、図4を参照しながら電動車両100の走行モードと組電池10、セルブロック20,30,40,50、セル21,31,41,51のSOCの変化について説明する。なお、図4には、セルブロック20、セル21のSOCの変化のみを示すが、各セルブロック20,30,40,50の全てのセル21,31,41,51は断線なく全て正常に接続されているので、他のセルブロック、セルのSOCの変化はセルブロック20、セル21のSOCの変化と同様である。図4(a)に示すように、電動車両100は、エンジン16とモータジェネレータ14とによって走行するハイブリッド走行モード(以下、HVモードという)と、モータジェネレータ14のみによって走行する電動走行モード(以下、EVモードという)の2つのモードで走行することができる。また、電動車両100は、図1に示すコネクタ90に外部電源を接続して外部電源によって組電池10を充電するプラグイン充電ができる。
図4(a)に示す時刻t0から時刻t1の間のように電動車両100がHVモードで走行している場合には、組電池10のSOCは、あるSOCを中心とした所定の範囲内になるように制御される。図4(b)に示すように、各セルブロック20,30,40,50のSOC、各セル21,31,41,51のSOCも組電池10のSOCと同様に変化する。
図4(a)の時刻t2からt3の間のように、プラグイン充電により、電動車両100の組電池10を充電すると、組電池10のSOCは、例えば、50%程度から90%程度まで上昇する。図4(c)に示すように、各セルブロック20,30,40,50のSOC、各セル21,31,41,51のSOCも組電池10のSOCと同様に上昇する。図4(a)の時刻t4から時刻t5のように電動車両100がEVモードで走行すると、組電池10のSOCは、時刻t4の90%程度から、時刻t5の20%低度まで低下する。図4(d)に示すように、各セルブロック20,30,40,50のSOC、各セル21,31,41,51のSOCも組電池10のSOCと同様に低下する。図4(a)に示す時刻t5以降、電動車両100は再びHVモードで走行する。時刻t5にHVモードに移行すると、組電池10のSOCは再び、あるSOCを中心とした所定の範囲内になるように制御され、図4(e)に示すように、各セルブロック20,30,40,50のSOC、各セル21,31,41,51のSOCも組電池10のSOCと同様に制御される。
<接続線の断線と再導通>
次に、図5を参照しながら、負極接続バスバ26の断線と再導通について簡単に説明する。図5(a)に示すように、正常状態では、負極接続バスバ26は、負極並列バスバ27の開口27aの周縁からセル21の負極23に向かって斜め上向きに折り曲げられ、その先端29は負極23に抵抗溶接されている。図5(b)に示すように、電動車両100の振動等により負極接続バスバ26が先端29と負極並列バスバ27との間で破断して破断部26aができると、図5(a)に示す正常セル21には電流が流れなくなるり、図5(b)に示すような断線セル21aとなる。その後、電動車両100の振動等によって、負極接続バスバ26の先端29側の破断端と負極並列バスバ27側の破断端とが接触すると、図5(c)に示すように両破断端の間にスパークが発生して、図5(d)に示すように、両破断端が溶接されて再溶接部26bとなり、負極並列バスバ27とセル21の負極23とが再導通し、断線セル21aは正常セル21に戻る。
先に説明したように、セルブロック20の全てのセル21が全て正常に接続されている場合には、全てのセル21のSOCは略同一となっている。このため、図6(a)に示すように、負極接続バスバ26が断線して断線セル21aを含む断線セルブロック20aとなった直後は、正常セル21と断線セル21aのSOCは略同一となっている。この状態で、断線セルブロック20aが充電されると、図6(b)に示すように、正常セル21のSOCは上昇するが、断線セル21aのSOCは断線時のSOCに維持される。そして、図6(c)に示すように断線セル21aの負極接続バスバ26が再導通すると、正常セル21から断線セル21aに向かって瞬間的に大きな電流が流れ、断線セル21aの温度あるいは、周囲の正常セル21の温度が上昇してしまい、断線セルブロック20aが劣化してしまう場合がある。なお、再導通後は、断線セル21aは正常セル21となるので、全てのセル21のSOCは略同一となる。
また、図7(a)に示すように、断線発生時のセル21のSOCが高い状態で、その後、図7(b)に示すように、放電により正常セル21のSOCが低下し、断線セル21aのSOCが高い状態で維持された後、図7(c)に示すように負極接続バスバ26が再導通した場合には、図6を参照して説明したのと逆に、断線セル21aから正常セル21に向かって瞬間的に大きな電流が流れ、断線セル21aの温度あるいは、周囲の正常セル21の温度が上昇してしまい、断線セルブロック20aが劣化してしまう場合がある。
<正常セルブロックと断線セルブロックの開放電圧特性>
次に、図8を参照しながらセル21が全て正常に接続されている正常セルブロック20の開放電圧特性と、断線セル21aを含む断線セルブロック20aの開放電圧特性について説明する。以下の説明では、開放電圧をOCVとして説明する。正常セルブロック20のSOCに対するセルブロックOCVの特性カーブは、図8中の実線qで示すカーブのようにSOCが上昇するにつれてOCVも高くなっていく特性カーブとなる。正常セルブロック20の容量を容量Q20(A×h)とすると、容量Q20の際の正常セルブロックのSOCは100%となり、その際のOCVは、OCV(100%)となる。
断線セルブロック20aでは正常セル21のみが充放電され、断線セル21aは充放電されない。このため、下記の式(1)のように、断線セルブロック20aの容量Q20a(A×h)は、正常セルブロック20の容量Q20(A×h)より減少する。

Q20a=Q20×(正常セル数−断線セル数)/全セル数 ・・・・ (1)
従って、断線セルブロック20aでは、容量Q20よりも少ない容量Q20aが断線セルブロック20aのSOCは100%となり、その際のOCVはOCV(100%)となる。このため、図8に示すように、正常セルブロック20のSOCを横軸にすると、断線セルブロック20aのOCVの特性カーブは、破線pに示すように、実線qで示す正常セルブロック20のOCVの特性カーブを横方向に(Q20a/Q20)だけ圧縮した形状となる。正常セルブロック20でも、断線セルブロック20aでもそれぞれのSOCに対するOCVの値は同一なので、図8に示す破線pと実線qの交点のように、正常セルブロック20のSOCと断線セルブロック20aのSOCが同一のSOC0となる点では、正常セルブロック20のOCVと断線セルブロック20aのOCVとは同一となる。
先に図6、図7を参照して説明したように、負極接続バスバ26が断線した時には、正常セル21と断線セル21aのSOCは略同一であるから、この時の断線セルブロック20aのSOCと正常セルブロック30,40,50のSOCとは同一である。従って、負極接続バスバ26が断線した時には、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとは同一で、その差はゼロとなっている。つまり、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差がゼロとなる図8に示すSOC0が負極接続バスバ26に断線の発生した時のSOCとなる。
組電池10は、複数のセルブロック20,30,40,50を直列に接続しているので、組電池10を放電してモータジェネレータ14を駆動したり、コネクタ90を介して外部電源によって組電池10を充電したりする場合には、各セルブロック20,30,40,50に流れる電流値Ibは同一となる。このため、セルブロック20の負極接続バスバ26に断線が発生して断線セルブロック20aとなった場合でも、断線セルブロック20aと他の正常セルブロック30,40,50は同一の電流で充放電される。断線セルブロック20aの容量Q20aは、式(1)に示すように正常セルブロック20の容量Q20よりも減少しているので、正常セルブロック30,40,50と同一の電流で充放電されると、断線セルブロック20aのSOCは、正常セルブロック30,40,50のSOCよりも早く変化する。
断線の発生した時のSOC(%)の数値を断線発生SOCとすると、断線発生後に組電池10を充放電した場合の断線セルブロック20aのSOC(%)の数値と正常セルブロック30,40,50のSOC(%)の数値との関係は以下のようになる。

断線セルブロックSOC値
=断線発生SOC値
−(断線発生SOC値−正常セルブロックSOC値)×(Q20/Q20a) ・(2)

従って、例えば、6並列において、SOC50%で負極接続バスバ26の1本が断線し、その後、正常セルブロック30,40,50をSOC80%まで充電した場合、正常セルブロック30,40,50のSOC80%に対する断線セルブロック20aのSOCは、

50−(50−80)×6/5=86 ・・・・・・・・・ (3)
より、86%となる。

また、6並列において、SOC50%で負極接続バスバ26の1本が断線し、その後、正常セルブロック30,40,50をSOC20%まで放電した場合、正常セルブロック30,40,50のSOC20%に対する断線セルブロック20aのSOCは、

50−(50−20)×6/5=14 ・・・・・・・・・ (4)
より、14%となる。
このため、図8に示すように、SOCが50%程度のSOC0の時にセルブロック20が断線セルブロック20aとなった後、組電池10を充電すると、容量が小さい断線セルブロック20aのSOC方が正常セルブロック30,40,50のSOCよりも早く上昇する。そして、図8に示すように、正常セルブロック30,40,50のSOCが100%となる前に断線セルブロック20aのSOCが100%に達し、断線セルブロック20aのOCVは、正常セルブロック30,40,50のOCVがSOC100%に対するOCV(100%)となる前に、OCV(100%)に達する。このため、図8の破線pと実線qに示すように、断線発生時以後、組電池10を充電すると、充電するに従って、断線セルブロック20aのOCVは、正常セルブロック30,40,50のOCVよりも高くなっていき、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差の絶対値(|ΔOCV|)は大きくなっていく。
逆に、SOCが50%程度のSOC0の時にセルブロック20が断線セルブロック20aとなった後、組電池10を放電すると、容量が小さい断線セルブロック20aのSOCの方が正常セルブロック30,40,50のSOCよりも早く低下する。そして、正常セルブロック30,40,50のSOCが0%となる前に断線セルブロック20aのSOCが0%に達してしまい、断線セルブロック20aのOCVは、正常セルブロック30,40,50のOCVがSOC0%に対するOCV(0%)となる前に、OCV(0%)に達する。このため、図8の破線pと実線qに示すように、断線発生時以後、組電池10を放電すると、放電するに従って、断線セルブロック20aのOCVは、正常セルブロック30,40,50のOCVよりも低くなっていき、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差の絶対値(|ΔOCV|)は大きくなっていく。
本実施形態の組電池の充放電制御方法は、組電池10において正極あるいは負極接続バスバ25,26の断線の発生後に充放電を行うと、断線セルブロック20aと正常セルブロック30,40,50との間のSOCの差により、両セルブロックのOCVに差が発生すること、および、断線セルブロック20aと正常セルブロック30,40,50のOCVの差がゼロとなるSOCが断線の発生した時のSOCであることを利用して組電池10の充放電制御を行うものである。
<本実施形態の組電池の充放電制御方法>
<HV走行の際の制御部の動作>
以下、図9から図11を参照しながら、電動車両100がHVモードで走行している場合の充放電制御方法について説明する。最初に、電動車両100がHVモードで走行しており、組電池10のSOCがSOC0を組電池10のSOC制御中心C0とした制御範囲W0の中に入るように制御されており、現在の組電池10のSOCがSOC0である場合について説明する。本実施形態の組電池の充放電制御方法は、図1に示す制御部70のメモリ72に格納された充放電制御プログラムをCPU71によって実行するものである。制御部70は、図9に示すフローチャートの動作を、例えば、0.1秒等の所定の周期で繰り返し実行する。
図9のステップS101に示すように、制御部70は、断線セルブロックがあるかどうかを判断する。先に説明したように、組電池10において正極あるいは負極接続バスバ25,26の断線の発生後に充放電を行うと、断線セルブロックのOCVと正常セルブロックのOCVに差が発生する。そこで、制御部70は、電動車両100が停止してイグニッションスイッチ19がオフとなった際に電圧センサ64〜67によって検出した各セルブロック20,30,40,50の電圧値V1〜V4を各セルブロック20,30,40,50の各OCVとして検出する。そして、制御部70は、電圧値V1〜V4の中で、平均電圧Vaveよりも所定の電圧ΔS以上高い、あるいは、低い電圧のセルブロックがあった場合、そのセルブロックが断線セルブロックであると特定する。断線セルブロックの特定方法は、上記の方法に限らず、他の方法で行ってもよい。
制御部70は、断線セルブロックがないと判断した場合には、図8に示すステップS102からS107を実行せずにその回のプログラムの実行を終了する。
以下の説明では、制御部70は、ステップS101において、セルブロック20を断線が発生している断線セルブロックと特定し、他のセルブロック30,40,50は正常セルブロックであると判断し、ステップS102に進んだとして説明する。
制御部70は、ステップS102で電動車両100がHV走行モードである場合に各セルブロック20,30,40,50の各OCVの検出ができたかどうか判断し、検出ができた場合には、図9のステップS103に進む。また、OCVの検出ができなかった場合には、その回のプログラムの実行を終了する。
HVモードで走行している場合には、電動車両100は常に組電池10の充放電を行っているのでOCVを直接検出することは難しい。そこで、制御部70は、電動車両100が停止、あるいは、停車しており電流センサ62で検出した電流値Ibが小さい場合に、電圧センサ64〜67によって閉回路電圧(CCV)である電圧値V1〜V4を検出する。また、制御部70は、温度センサ63によって検出した組電池10の温度Tbに基づいてメモリ72に格納したマップ等により各セルブロック20,30,40,50の内部抵抗Raを求める。そして、制御部70は下記の式(5)により、OCVを推定することによりOCVを検出する。ここで、電流センサ62で検出した電流値Ibが小さい場合とは、式(1)でOCVを計算した際のOCVの推定誤差が所定範囲以下となるような電流閾値Ibs1以下の場合である。

OCV=CCV+Ra×Ib ・・・・・・・・・・ (5)

また、電動車両100が停止しており電流センサ62で検出した電流値Ibが非常に小さい場合に、電圧センサ64〜67で検出した電圧値V1〜V4(CCV)を各セルブロック20,30,40,50のOCVとみなしてOCVを検出してもよい。ここで、電流センサ62で検出した電流値Ibが非常に小さい場合とは、電圧値V1〜V4(CCV)をOCVとみなした場合のOCVの推定誤差が所定範囲以下となるような電流閾値Ibs2以下の場合である。電流閾値Ibs2は、先に説明した電流閾値Ibs1よりも小さい値である。
先に、ステップS101でセルブロック20が断線セルブロックとして特定されているので、制御部70は、ステップS102で断線セルブロック20aと正常セルブロック30,40,50の各OCVを検出できたら、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差の絶対値(|ΔOCV|)を計算する。この際、正常セルブロック30,40,50のOCVは複数の正常セルブロック30,40,50の平均値を用いてもよい。
制御部70は、図9のステップS103で|ΔOCV|を算出したら、ステップS104に進み、|ΔOCV|が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断する。所定の閾値は、ゼロに電圧センサ64〜67の検出誤差や、OCVの推定誤差を加えたものである。そして、制御部70は、ステップS104で|ΔOCV|が所定の閾値未満の場合には、|ΔOCV|はゼロであるとみなす。つまり、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとが同一であるとみなす。先に、図8を参照して説明したように、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差である|ΔOCV|がゼロとなるSOCがセルブロック20に断線が発生して断線セルブロック20aとなった時のSOCとなる。また、先に、図6、図7を参照して説明したように、断線発生時には、断線セル21aのSOCは断線セルブロック20aのSOCおよび正常セルブロック30,40,50のSOC、つまり、組電池10のSOCと同一である。従って、|ΔOCV|が所定の閾値未満の場合には、現在の組電池10のSOCは断線セル21aのSOCとなっている。
図10に示すように、現在の組電池10のSOCであるSOC0では、|ΔOCV|が所定の閾値未満なので、制御部70は、ステップS104でYESと判断してステップS105に進み、現在の組電池10のSOCであるSOC0を断線セル21aのSOCとしてステップS106に進む。そして、現在の組電池10のSOCであるSOC0を組電池10のSOC制御中心C0とする。
そして、制御部70は、ステップS107に進み、組電池10のSOCの制御範囲を現在のW0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限する。所定制御範囲Wsは、図6、図7を参照して説明したように、断線セルブロック20aが再導通した際に断線セル21aに流れ込む電流あるいは、断線セル21aから流れ出る電流により断線セル21a、正常セル21に発生する温度上昇が断線セル21aあるいは正常セル21の劣化を招くことがないような範囲であり、且つ、電動車両100が組電池10の充放電を行いながらHV走行可能な範囲である。
制御部70は、ステップS107で組電池10のSOC制御範囲を所定制御範囲Wsに制限したら、その回のプログラムの実行を終了する。
このように、本実施形態の充放電制御方法は、組電池10のSOC制御中心を断線セル21aのSOCとし、組電池10のSOCの制御範囲を当初のW0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限することにより、断線セル21aが再導通した際に断線セル21aに流れる電流を抑制し、組電池10が劣化することを抑制することができる。
制御部70は、|ΔOCV|が所定の閾値以上の場合には、ステップS104でNOと判断してステップS108に進み、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差であるΔOCVがゼロ以上かどうかを判断する。ΔOCVがゼロ以上の場合は、図10に破線aで示す断線セルブロック20aのOCVが図10に実線bで示す正常セルブロック30,40,50のOCVよりも大きく、現在の組電池10のSOCが断線セル21aのSOCであるSOC0よりも大きいSOC1となっている場合である。
この場合、図10に示すように、電動車両100は、組電池10のSOCが組電池10のSOC制御中心C10を中心とした制御範囲W1の中に入るように制御されており、現在の組電池10のSOCは制御範囲W1の中のSOC1となっている。また、図11(a)に示すように、SOC制御中心C10、現在の組電池10のSOCであるSOC1はいずれも断線セル21aのSOCであるSOC0よりも大きく、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCは断線セル21aのSOCよりも大きくなっている。
制御部70は、ΔOCVがゼロ以上であり、ステップS108でYESと判断した場合には、ステップS109に進み、組電池10のSOC制御中心を現在の組電池10のSOC制御中心C10からΔSOC1だけ低減してC11とする。
図10に示すように、組電池10のSOC制御中心をC11とすると、組電池10は、SOCが組電池10のSOC制御中心C11を中心とした制御範囲W1の中に入るように制御される。このため、組電池10のSOCは、組電池10のSOC制御中心がC10であった場合よりも断線セル21aのSOCであるSOC0に近づき、|ΔOCV|は縮小する。
制御部70は、ステップS109で組電池10のSOC制御中心をΔSOC1だけ低減したら、その回のプログラムの実行を終了する。ΔSOC1は、例えば、0.5%程度としてもよい。
所定の周期が経過したら、制御部70は、再び図9のフローチャートに示すプログラムの実行を開始する。先のプログラムの実行の際に、セルブロック20を断線セルブロック20aと特定しているので、制御部70は、図9のステップS101でYESと判断し、ステップS102に進む。そして、その回に断線セルブロック20a、正常セルブロック30,40,50のOCVの検出ができたら図9のステップS103に進み、|ΔOCV|を算出する。
図10に示すように、先の回のプログラムの実行により新しく設定した組電池10のSOC制御中心C11は、まだ断線セル21aのSOCであるSOC0よりも大きく、|ΔOCV|は閾値以上で、ΔOCV≧0であるから、制御部70はステップS104でNOと判断し、ステップS108でYESと判断してステップS109に進み、組電池10のSOC制御中心を現在の組電池10のSOC制御中心C11からΔSOC1だけ低減する。制御部70は、ステップS109で組電池10のSOC制御中心をΔSOC1だけ低減したら、その回のプログラムの実行を終了する。
そして、制御部70は、プログラムを実行する度に組電池10のSOC制御中心をΔSOC1ずつ低減して組電池10のSOCを小さくしていく。これにより|ΔOCV|は次第に縮小していく。そして、ステップS104で|ΔOCV|が閾値未満となったら、制御部70は、ステップS105に示すように、その時の組電池10のSOCを断線セル21aのSOCと推定して、ステップS106に進んでその時の組電池10のSOCを組電池10のSOC制御中心とする。そして、制御部70は、ステップS107に進み、組電池10のSOCの制御範囲を現在のW0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限し、その回のプログラムの実行を終了する。
この際、組電池10のSOCは断線セル21aのSOCと同様のSOC0となっており、図11(b)に示すように、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCは断線セル21aのSOCと同一のSOC0であり、組電池10のSOC制御中心も同一のSOC0となっている。
一方、制御部70は、|ΔOCV|が所定の閾値以上の場合で、ΔOCVが負の場合は、図9に示すステップS108でNOと判断してステップS110に進む。この場合、図10に示すように、電動車両100は、組電池10のSOCが組電池10のSOC制御中心C20を中心とした制御範囲W2の中に入るように制御されており、現在の組電池10のSOCは制御範囲W2の中のSOC2となっている。また、図11(c)に示すように、SOC制御中心C20、現在の組電池10のSOCであるSOC2はいずれも断線セル21aのSOCであるSOC0よりも小さく、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCは断線セル21aのSOCよりも小さくなっている。
この場合は、先に説明したΔOCV≧0の場合と逆に、制御部70は、プログラムを実行する度に組電池10のSOC制御中心をΔSOC2ずつ増加して組電池10のSOCを大きくしていく。これにより|ΔOCV|は次第に縮小してくる。そして、ステップS104で|ΔOCV|が閾値未満となったら、制御部70は、ステップS105に示すように、その時の組電池10のSOCを断線セル21aのSOCと推定して、ステップS106に進んでその時の組電池10のSOCを組電池10のSOC制御中心とする。そして、制御部70は、ステップS107に進み、組電池10のSOCの制御範囲を現在のW0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限し、その回のプログラムの実行を終了する。
この際、組電池10のSOCは断線セル21aのSOCと同様のSOC0となっており、図11(d)に示すように、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCは断線セル21aのSOCと同一のSOC0であり、組電池10のSOC制御中心も同一のSOC0となっている。
このように、本実施形態の充放電制御方法は、図11(a)から(d)に示すように、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCが断線セル21aのSOCよりも大きくなっている場合には、組電池10のSOC制御中心を少しずつ小さくし、断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCが断線セル21aのSOCよりも小さくなっている場合には組電池10のSOC制御中心を少しずつ大きくする。これにより|ΔOCV|は次第に縮小して来る。そして、|ΔOCV|が所定の閾値未満となったら、その際の組電池10のSOCを断線セル21aのSOCであると推定し、組電池10のSOC制御中心を推定した断線セル21aのSOCとする。また、組電池10のSOCの制御範囲を当初のW1,W2よりも狭い所定制御範囲Wsに制限する。これにより、本実施形態の充放電制御方法は、断線セル21aが再導通した際に断線セル21aに流れる電流を抑制し、組電池10が劣化することを抑制することができる。
<EV走行の際の本実施形態の制御部の動作>
次に、図12から図14を参照しながら、電動車両100がEVモードで走行している場合の充放電制御方法について説明する。制御部70は、図12のフローチャートに示すプロクラムを所定の周期で繰り返して実行する。なお、先に図9から図11を参照して説明したHVモードで走行中の充放電制御と同様の制御については、簡略に説明する。
図12のフローチャートに示すプログラムは、図9に示すプログラムが少なくとも1回実行されており、断線セルブロックが特定されていることを前提としている。従って、以下の説明では、先の実施形態の説明と同様、セルブロック20が断線した断線セルブロックと特定されており、セルブロック30,40,50は正常セルブロックと判断されていとして説明する。
制御部70は、図12のステップS201、ステップS202に示すように、イグニッションスイッチ19がオンになった後、EV走行モードでの走行が開始されたかどうかを判断する。図12のステップS208に示すように、所定の待機時間が経過してもEVモードの走行が開始されない場合には、制御部70は、その回のプログラムの実行を終了する。
制御部70は、EV走行が開始されたら、図12のステップS203に進み、断線セルブロック20a、正常セルブロック30,40,50のOCVを検出する。OCVの検出は、先に説明したと同様、電流値Ibが小さい場合にCCVである電圧センサ64〜67で検出した電圧値V1〜V4からOCVを推定計算してもよいし、電流値Ibが非常に小さい場合に電圧センサ64〜67で検出した電圧値V1〜V4をOCVとみなして検出してもよい。
制御部70は、OCVを検出したら、図12のステップS204に進み、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差の絶対値(|ΔOCV|)を計算し、ステップS204に進む。制御部70は、|ΔOCV|が所定の閾値未満でない場合(|ΔOCV|が所定の閾値以上の場合)には、図12のステップS210に進み、|ΔOCV|の値が前回のプログラムの実行の際よりも縮小しているかどうかを判断する。
EV走行は、図13に示すように、プラグイン充電等で組電池10が略満充電となる程度のSOC3まで充電された後に開始されることが多い。この場合、図13に示すように、断線セル21aのSOCであるSOC4は、SOC3よりも低くなっている。従って、EV走行によって組電池10のSOCが低下すると、現在の組電池10のSOCは断線セルのSOCであるSOC4に近づき、|ΔOCV|は次第に縮小して来る。従って、制御部70は、ステップS210でYESと判断した場合には、ステップS204で|ΔOCV|が所定の閾値未満となるまで、ステップS203、S204、S205、S210を繰り返す。そして、ステップS205で|ΔOCV|が所定の閾値未満となったら、ステップS206で、その際のSOC4を断線セル21aのSOCと推定してステップS207に進み、組電池10の制御中心をSOC4とする。そして、制御部70は、ステップS208に進み、組電池10のSOC制御範囲を通常のHV走行モードの際のW0より狭い所定制御範囲Wsに制限する。そして、制御部70は、ステップS209に進み、EV走行モードからHV走行モードに移行してプログラムの実行を終了する。この後、制御部70は、組電池10のSOCが所定制御範囲Wsとなるように組電池10のSOCを制御しながらHVモードで電動車両100を制御する。
一方、制御部70は、図12のステップS210で|ΔOCV|の値が前回のプログラムの実行の際より増加している場合には、現在の組電池10のSOCは断線セル21aのSOCよりも小さく、EV走行によって組電池10のSOCが低下すると、組電池10のSOCは断線セルのSOCから離れ、|ΔOCV|が増加していると判断し、ステップS211に進み、現在の組電池10のSOCを組電池10のSOC制御中心に設定してステップS209に進み、EV走行モードからHV走行モードに移行してプログラムの実行を終了する。そして、図9のフローチャートに示すプログラムを実行して断線セル21aのSOCであるSOC0の探索を行い、SOC0を特定できたら、組電池10のSOC制御中心をSOC0とし、制御範囲を所定制御範囲Wsとする。
このように、本実施形態の充放電制御方法は、図14の(a)に示すように、電動車両100のEV走行中開始時に断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCが断線セル21aのSOCよりも大きくなっている場合には、組電池10のSOCが断線セル21aのSOCとなるまでEV走行を行い、|ΔOCV|が所定の閾値未満となったら、その時の組電池10のSOCを断線セル21aのSOCと推定し、図14(b)に示すように、組電池10のSOC制御中心を断線セル21aのSOCとすると共に、組電池10のSOCの制御範囲を通常のHVモードでの制御範囲W0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限する。そして、それ以降、電動車両100をHVモードで制御する。これにより、断線セル21aが再導通した際に断線セル21aに流れる電流を抑制し、組電池10が劣化することを抑制することができる。
<プラグイン充電の際の本実施形態のバッテリ制御装置の動作>
次に、図15から図17を参照しながら、電動車両100をプラグイン充電する際の充放電制御方法について説明する。制御部70は、図15のフローチャートに示すプロクラムを所定の周期で繰り返す。なお、先に図9から図11を参照して説明したHVモードで走行中の充放電制御と同様の制御および、先に図12から図14を参照して説明したEVモードで走行している場合の充放電制御と同様の制御については簡略に説明する。
図15のフローチャートに示すプログラムは、図9に示すプログラムが少なくとも1回実行されており、断線セルブロックが特定されていることを前提としている。従って、以下の説明では、先の実施形態の説明と同様、セルブロック20が断線した断線セルブロックと特定されており、セルブロック30,40,50は正常セルブロックと判断されていとして説明する。
制御部70は、図15のステップS301に示すように、イグニッションスイッチ19がオフになった後、プラグイン充電が開始されたかどうかを判断する。図15のステップS308に示すように、所定の待機時間が経過してもプラグイン充電開始されない場合には、制御部70は、その回のプログラムの実行を終了する。
制御部70は、プラグイン充電が開始されたら、図15のステップS303に進み、断線セルブロック20a、正常セルブロック30,40,50のOCVを検出する。OCVの検出は、例えば、所定のタイミングで充電を停止して電流値Ibがゼロとなった際に電圧センサ64〜67でOCVを検出してもよいし、先に説明したと同様、電流値Ibが小さい場合にCCVである電圧センサ64〜67で検出した電圧値V1〜V4からOCVを推定計算してもよいし、電流値Ibが非常に小さい場合に電圧センサ64〜67で検出した電圧値V1〜V4をOCVとみなして検出してもよい。
制御部70は、OCVを検出したら、図15のステップS304に進み、断線セルブロック20aのOCVと正常セルブロック30,40,50のOCVとの差の絶対値(|ΔOCV|)を計算し、ステップS305に進む。制御部70は、|ΔOCV|が所定の閾値未満でない場合(|ΔOCV|が所定の閾値以上の場合)には、図15のステップS310に進み、|ΔOCV|の値が前回のプログラムの実行の際よりも縮小しているかどうかを判断する。
プラグイン充電は、図16に示すように、EV走行後のように組電池10のSOCが低い状態で開始されることが多い。この場合、図16に示すように、断線セル21aのSOCであるSOC6は、現在の組電池10のSOCであるSOC5よりも高い。従って、プラグイン充電によって組電池10のSOCが上昇すると、組電池10のSOCは断線セルのSOCであるSOC6に近づき、|ΔOCV|は次第に縮小して来る。従って、制御部70は、ステップS310でYESと判断した場合には、ステップS304で|ΔOCV|が所定の閾値未満となるまで、ステップS303、S304、S305、S310を繰り返す。そして、ステップS305で|ΔOCV|が所定の閾値未満となったら、ステップS306で、その際のSOC6を断線セル21aのSOCと推定してステップS307に進み、組電池10の制御中心をSOC6とする。そして、制御部70は、ステップS308に進み、組電池10のSOC制御範囲を通常のHV走行モードの際のW0より狭い所定制御範囲Wsに制限する。そして、制御部70は、ステップS309に進み、プラグイン充電を停止してプログラムの実行を終了する。この後、制御部70は、組電池10のSOCが所定制御範囲Wsとなるように組電池10のSOCを制御しながらHVモードで電動車両100を制御する。
一方、制御部70は、図15のステップS310で|ΔOCV|の値が前回のプログラムの実行の際より増加している場合には、現在の組電池10のSOCは断線セル21aのSOCよりも大きく、プラグイン充電によって組電池10のSOCが上昇すると、組電池10のSOCは断線セルのSOCから離れ、|ΔOCV|が増加していると判断し、ステップS311に進み、現在の組電池10のSOCを組電池10のSOC制御中心に設定してステップS309に進み、プラグイン充電を停止して電動車両100の走行モードをHVモードに移行してプログラムの実行を終了する。そして、図9のフローチャートに示すプログラムを実行して断線セル21aのSOCであるSOC0の探索を行い、SOC0を推定できたら、組電池10のSOC制御中心をSOC0とし、制御範囲を所定制御範囲Wsとする。
このように、本実施形態の充放電制御方法は、図17の(a)に示すように、電動車両100のプラグイン充電中開始時に断線セルブロック20a内の正常セル21のSOCが断線セル21aのSOCよりも小さくなっている場合には、組電池10のSOCが断線セル21aのSOCとなるまでプラグイン充電を行い、組電池10のSOCが断線セル21aのSOCとなったら、図14(b)に示すように、組電池10のSOC制御中心を断線セル21aのSOCとすると共に、組電池10のSOCの制御範囲を通常のHVモードでの制御範囲W0よりも狭い所定制御範囲Wsに制限する。そして、それ以降、電動車両100をHVモードで制御する。これにより、断線セル21aが再導通した際に断線セル21aに流れる電流を抑制し、組電池10が劣化することを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の充放電制御方法は、組電池10を充放電させた際の正常セルブロック30,40,50のOCVと断線セルブロック20aのOCVとの電圧差(|ΔOCV|)の縮小に基づいて、断線セル21aのSOCを推定し、組電池10のSOCが推定した断線セル21aのSOCを中心とした所定制御範囲Wsとなるように組電池10の充放電を行うことにより、断線セル21aが再導通した際に断線セル21aに流れる電流を抑制し、組電池10が劣化することを抑制することができる。
10 組電池、11 正極ライン、12 負極ライン、13 インバータ、14 モータジェネレータ、15 動力分割機構、16 エンジン、17 ディファレンシャルギヤ、18 車輪、19 イグニッションスイッチ、20,30,40,50 セルブロック、20a 断線セルブロック、21,31,41,51 セル(正常セル)、21a 断線セル、22 正極、23 負極、24,34,44,54 正極並列バスバ、24a,27a 開口、25 正極接続バスバ、26 負極接続バスバ、26a 破断部、26b 再溶接部、27,37,47,57 負極並列バスバ、28,29 先端、61,64,65,66,67 電圧センサ、62 電流センサ、63 温度センサ、70 制御部、71 CPU、72 メモリ、73 センサ・機器インターフェース、74 データバス、90 コネクタ、100 電動車両。

Claims (1)

  1. 複数のセルを並列に接続したセルブロックを直列に接続した組電池の充放電制御方法であって、
    全てのセルが並列接続線で並列接続されている正常セルブロックと、並列接続線が断線した断線セルを含む断線セルブロックと、がある場合に、
    前記組電池を充放電させた際の前記正常セルブロックの第1開放電圧と前記断線セルブロックの第2開放電圧との電圧差の縮小に基づいて、前記断線セルの充電率を推定し、
    前記組電池の充電率が推定した前記断線セルの充電率を中心とした所定制御範囲となるように前記組電池の充放電を行うこと、
    を特徴とする組電池の充放電制御方法。
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