以下、本発明の、無線通信システム、無線通信方法、及び、無線装置、に関する各実施形態について図1乃至図22を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
図1に表されるように、第1実施形態の無線通信システム1は、リーダ装置10と、タグ装置20と、を備える。本例では、無線通信システム1は、RFID(Radio Frequency Identifier)システムである。
なお、無線通信システム1は、RFIDシステムと異なる無線通信システムであってもよい。例えば、無線通信システム1は、所定の無線通信方式に従って通信を行なってよい。例えば、無線通信方式は、Bluetooth Low Energy(BLE)方式、ANT方式、ANT+方式、又は、ZigBee方式である。「BLUETOOTH」、「ANT+」、及び、「ZIGBEE」は、登録商標である。BLEは、Bluetooth 4.0、Bluetooth Smart、又は、Bluetooth Smart Readyと表されてもよい。
タグ装置20は、RFID、RFIDタグ、無線タグ、又は、IC(Integrated Circuit)タグと表されてもよい。
本例では、タグ装置20は、第1の無線装置に対応する。本例では、リーダ装置10は、第2の無線装置に対応する。
タグ装置20は、生体(本例では、人体)の内部に導入可能に構成される。本例では、タグ装置20は、経口により生体の内部に導入可能に構成される。例えば、タグ装置20は、義歯に取り付けられる。なお、タグ装置20は、義歯の少なくとも一部を構成してもよい。本例では、義歯は、局部床義歯(換言すると、部分入れ歯)である。なお、義歯は、総義歯(換言すると、総入れ歯)であってもよい。また、タグ装置20は、物理量を検出するセンサに取り付けられてもよいし、当該センサの少なくとも一部を構成してもよい。また、タグ装置20は、カプセル剤又は錠剤等の製剤に取り付けられてもよいし、当該製剤の少なくとも一部を構成してもよい。
(構成:リーダ装置)
図2に表されるように、リーダ装置10は、制御回路110と、第1の送信回路121と、第2の送信回路122と、第1の送信アンテナ131と、第2の送信アンテナ132と、第1の受信アンテナ141と、第2の受信アンテナ142と、第1の受信回路151と、第2の受信回路152と、を備える。
本例では、第1の送信回路121、及び、第2の送信回路122は、送信部に対応する。本例では、第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152は、受信部に対応する。本例では、制御回路110は、制御部に対応する。
本例では、リーダ装置10の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)回路により構成される。なお、リーダ装置10の少なくとも一部は、プログラム可能な論理回路(例えば、PLD、又は、FPGA)により構成されてもよい。PLDは、Programmable Logic Deviceの略記である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略記である。
また、リーダ装置10は、処理装置と記憶装置とを備えるとともに、処理装置が記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、リーダ装置10の機能の少なくとも一部を実現してもよい。例えば、処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。また、記憶装置は、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、又は、有機メモリを含んでもよい。
なお、リーダ装置10は、携帯電話機、スマートフォン、又は、パーソナルコンピュータ等の少なくとも一部を構成していてもよい。また、リーダ装置10は、携帯電話機、スマートフォン、又は、パーソナルコンピュータ等に接続されていてもよい。
第1の送信回路121は、第1の送信アンテナ131を介して、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)を送信する。本例では、第1の周波数は、ISM(Industry−Science−Medical)バンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの第1の周波数帯に含まれる。本例では、第1の周波数は、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる。本例では、要求信号は、タグ装置20に情報の送信を要求する信号である。本例では、要求信号は、時間軸において連続する、第1の信号構成部、第2の信号構成部、及び、第3の信号構成部、を含む。
第1の信号構成部、及び、第3の信号構成部のそれぞれは、無変調波(換言すると、搬送波)である。第2の信号構成部は、変調波(換言すると、搬送波が変調された電波)である。例えば、第2の信号構成部は、特定情報を表す。特定情報は、タグ装置20に送信を要求する情報を特定する。
本例では、第1の信号構成部、第2の信号構成部、及び、第3の信号構成部は、予め定められた、第1の時間長、第2の時間長、及び、第3の時間長をそれぞれ有する。
第2の送信回路122は、第2の送信アンテナ132を介して、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)を送信する。第2の周波数は、第1の周波数よりも低い。本例では、第2の周波数は、第1の周波数の半分よりも低い。本例では、第2の周波数は、ISMバンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの、第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯に含まれる。本例では、第2の周波数は、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる。
第1の受信回路151は、第1の受信アンテナ141を介して、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)を受信する。本例では、応答信号は、特定情報により特定される情報(換言すると、応答情報)を表す。応答情報は、後述するように、タグ装置20が記憶している情報、及び、タグ装置20が生成した情報、の少なくとも1つを含む。本例では、後述するように、応答信号は、要求信号のうちの第3の信号構成部の少なくとも一部が、タグ装置20により反射されることにより変調された信号である。
第2の受信回路152は、第2の受信アンテナ142を介して、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)を受信する。
制御回路110は、第1の送信回路121に要求信号の送信を開始させるように、第1の送信回路121を制御する。更に、制御回路110は、第1の送信回路121に要求信号の送信を終了させるように、第1の送信回路121を制御する。制御回路110は、第1の送信回路121と同様に、第2の送信回路122を制御する。
制御回路110は、第1の受信回路151に応答信号の受信の待機を開始させるように、第1の受信回路151を制御する。更に、制御回路110は、第1の受信回路151に応答信号の受信の待機を終了させるように、第1の受信回路151を制御する。制御回路110は、第1の受信回路151と同様に、第2の受信回路152を制御する。
本例では、制御回路110は、第1の送信回路121及び第2の送信回路122に、同時に、要求信号の送信を開始させるとともに、第1の受信回路151及び第2の受信回路152に、同時に、応答信号の受信の待機を開始させる。本例では、制御回路110は、応答信号の受信の待機が、要求信号の送信の開始と略同時に開始するように第1の受信回路151及び第2の受信回路152を制御する。なお、応答信号の受信の待機は、要求信号の送信の開始から所定の遅延時間だけ経過した後に開始してもよい。
また、制御回路110は、第1の送信回路121による要求信号の送信と、第2の送信回路122による要求信号の送信と、が交互に行なわれるように、第1の送信回路121及び第2の送信回路122を制御してもよい。
この場合、制御回路110は、第1の送信回路121により要求信号の送信が行なわれている期間の少なくとも一部において、第1の受信回路151による応答信号の受信の待機を行なうように、第1の受信回路151を制御する。更に、この場合、制御回路110は、第2の送信回路122により要求信号の送信が行なわれている期間の少なくとも一部において、第2の受信回路152による応答信号の受信の待機を行なうように、第2の受信回路152を制御する。
更に、本例では、制御回路110は、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号と、のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。例えば、信号の強度は、信号の電力、信号の振幅、又は、信号の電力及び信号の振幅の少なくとも1つが大きくなるほど大きくなるパラメータである。
なお、制御回路110は、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号の強度と、に基づいて、タグ装置20が生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110は、第1の応答信号の強度が第2の応答信号の強度よりも大きい状態が、第2の応答信号の強度が第1の応答信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20が生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してよい。
また、制御回路110は、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号の強度と、に基づいて、タグ装置20が生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110は、第2の応答信号の強度が第1の応答信号の強度よりも大きい状態が、第1の応答信号の強度が第2の応答信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20が生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してよい。
(構成:タグ装置)
図3に表されるように、タグ装置20は、アンテナ210と、IC部220と、を備える。本例では、IC部220は、送信部に対応する。
本例では、タグ装置20の少なくとも一部は、LSI回路により構成される。なお、タグ装置20の少なくとも一部は、プログラム可能な論理回路により構成されてもよい。また、タグ装置20は、処理装置と記憶装置とを備えるとともに、処理装置が記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、タグ装置20の機能の少なくとも一部を実現してもよい。
アンテナ210は、第1のアンテナ構成部211と、第2のアンテナ構成部212と、を備える。本例では、第1のアンテナ構成部211、及び、第2のアンテナ構成部212は、ダイポールアンテナを構成する。本例では、第1のアンテナ構成部211、及び、第2のアンテナ構成部212は、メアンダ形状を有する。なお、第1のアンテナ構成部211、及び、第2のアンテナ構成部212は、メアンダ形状と異なる形状(例えば、直線形状)を有してもよい。
本例では、アンテナ210の共振周波数は、アンテナ210が空気と接する場合において、第1の周波数と略一致する。また、本例では、アンテナ210の共振周波数は、アンテナ210が生体の内部の液体(本例では、唾液等の消化液)と接する場合において、第2の周波数と略一致する。
なお、アンテナ210は、ダイポールアンテナと異なるアンテナ(例えば、ループアンテナ、板状アンテナ、又は、平面アンテナ等)であってもよい。
IC部220は、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212に接続される。IC部220は、スイッチング素子221と、変調回路222と、を備える。
本例では、タグ装置20は、パッシブ型である。IC部220は、アンテナ210が信号を受信することにより、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じた電位差によって動作する。
本例では、IC部220は、図示されない整流器及びコンデンサを備えるとともに、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、IC部220は、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調する。IC部220は、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
スイッチング素子221は、第1のアンテナ構成部211と第2のアンテナ構成部212とを短絡する(換言すると、接続する)短絡状態と、第1のアンテナ構成部211と第2のアンテナ構成部212とを遮断する(換言すると、接続しない)遮断状態と、の間で、スイッチング素子221の状態が切り替わる。
本例では、スイッチング素子221の状態が短絡状態である場合における反射強度は、スイッチング素子221の状態が遮断状態である場合における反射強度よりも大きい。反射強度は、アンテナ210により受信された信号のうちの、タグ装置20により反射された信号(換言すると、タグ装置20により送信された信号)の強度である。
換言すると、スイッチング素子221の状態が遮断状態である場合において、アンテナ210により受信された信号の電力のうちの、IC部220によって吸収される電力は、スイッチング素子221の状態が短絡状態である場合よりも大きい。
変調回路222は、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、特定情報により特定される情報(換言すると、応答情報)に基づいて、スイッチング素子221の状態を制御する。本例では、変調回路222は、応答情報を表す少なくとも1つのビットのそれぞれに対して、スイッチング素子221の状態を、当該ビットの値に関連付けられた状態に制御する。
本例では、短絡状態は、ビットの値としての1に関連付けられるとともに、遮断状態は、ビットの値としての0に関連付けられる。なお、短絡状態は、ビットの値としての0に関連付けられるとともに、遮断状態は、ビットの値としての1に関連付けられてもよい。
本例では、応答情報は、IC部220が予め記憶している情報を含む。例えば、応答情報は、タグ装置20を識別する識別子を含んでよい。なお、タグ装置20が物理量を検出するセンサを備える場合、応答情報は、IC部220が予め記憶している情報に代えて、又は、IC部220が予め記憶している情報に加えて、当該センサによって検出された物理量を表す情報を含んでもよい。例えば、物理量は、温度、湿度、照度、pH、加速度、角速度、圧力、又は、対象物の濃度等である。例えば、対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、常在菌、又は、感染性物質(例えば、細菌、又は、ウイルス等)である。
換言すると、本例では、IC部220は、振幅変調(AM;Amplitude Modulation)方式に従って、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を応答信号として送信する。また、換言すると、本例では、タグ装置20は、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。
なお、IC部220は、AM方式と異なる変調方式に従って変調を行なってもよい。例えば、変調方式は、周波数変調(FM;Frequency Modulation)方式、又は、位相変調(PM;Phase Modulation)方式であってよい。また、例えば、変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
(動作)
次に、第1実施形態の無線通信システム1の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20が生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20のアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10は、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)の送信と、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)の送信と、を開始するとともに、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)の受信の待機と、を開始する(図4のステップS101)。
一方、タグ装置20は、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20は、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20は、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
タグ装置20は、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、応答情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を応答信号として送信する(図4のステップS102)。このようにして、本例では、タグ装置20は、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。
本例では、アンテナ210により送信される応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の応答信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の応答信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210の共振周波数が、第1の周波数と略一致するので、第1の応答信号の強度は、第2の応答信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10は、タグ装置20により送信された応答信号を受信する。リーダ装置10は、受信された応答信号に含まれる、第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10は、受信された応答信号に含まれる第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの、第1の応答信号のみに基づいて応答情報を取得する。
次に、タグ装置20が生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20のアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
この場合においても、上述した場合と同様に、リーダ装置10は、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を開始するとともに、第1の応答信号の受信の待機と、第2の応答信号の受信の待機と、を開始する(図5のステップS101)。
一方、タグ装置20は、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20は、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20は、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
タグ装置20は、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、応答情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を応答信号として送信する(図5のステップS102)。このようにして、本例では、タグ装置20は、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。
本例では、アンテナ210により送信される応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の応答信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の応答信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210の共振周波数が、第2の周波数と略一致するので、第2の応答信号の強度は、第1の応答信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10は、タグ装置20により送信された応答信号を受信する。リーダ装置10は、受信された応答信号に含まれる、第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10は、受信された応答信号に含まれる第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの、第2の応答信号のみに基づいて応答情報を取得する。
以上、説明したように、第1実施形態の無線通信システム1は、タグ装置20が生体の外部に位置する場合、タグ装置20とリーダ装置10との間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数を用いる。更に、無線通信システム1は、タグ装置20が生体の内部に位置する場合、タグ装置20とリーダ装置10との間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数よりも低い第2の周波数を用いる。
これによれば、タグ装置20が生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10は、タグ装置20が有するアンテナ210を介して、タグ装置20と通信できる。
更に、第1実施形態のリーダ装置10は、第1の周波数を有する信号を受信するとともに、第2の周波数を有する信号を受信する。
これによれば、タグ装置20が生体の外部に位置する場合、リーダ装置10は、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20が生体の内部に位置する場合、リーダ装置10は、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20が生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10は、タグ装置20が有するアンテナ210を介して、タグ装置20と通信できる。
更に、第1実施形態のリーダ装置10は、第1の周波数を有する信号を送信するとともに、第2の周波数を有する信号を送信する。
これによれば、タグ装置20が生体の外部に位置する場合、タグ装置20は、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20が生体の内部に位置する場合、タグ装置20は、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20が生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、タグ装置20は、タグ装置20が有するアンテナ210を介して、リーダ装置10と通信できる。
更に、第1実施形態のタグ装置20は、リーダ装置10により送信された信号を変調し、且つ、変調された信号を送信する。
これによれば、タグ装置20が生体の外部に位置する場合、リーダ装置10は、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20が生体の内部に位置する場合、リーダ装置10は、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20が生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10は、タグ装置20が有するアンテナ210を介して、タグ装置20と通信できる。
なお、無線通信システム1は、第1の周波数として、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、60GHz帯(例えば、57GHz乃至66GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、24GHz帯(例えば、24GHz乃至24.25GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、タグ装置20は、アンテナ210の共振周波数を変更する変更部を備えていてもよい。例えば、変更部は、第1の延長用アンテナ構成部と、第2の延長用アンテナ構成部と、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、を備えていてもよい。
第1の延長用アンテナ構成部は、第1のスイッチング素子を介して第1のアンテナ構成部211に接続される。第1のスイッチング素子は、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第1のスイッチング素子の状態が切り替わる。
第2の延長用アンテナ構成部は、第2のスイッチング素子を介して第2のアンテナ構成部212に接続される。第2のスイッチング素子は、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第2のスイッチング素子の状態が切り替わる。
これによれば、第1の周波数と第2の周波数との比を、空気の誘電率と、生体の内部の液体の誘電率と、の比に対応する値と異なる比に変更できる。従って、リーダ装置10とタグ装置20との間の通信に用いられる周波数の自由度を高めることができる。
なお、リーダ装置10は、図6に表されるように、応答信号を受信し、且つ、当該応答信号に含まれる第1の応答信号の強度が、当該応答信号に含まれる第2の応答信号の強度よりも小さい場合、第1の要求信号の送信と、応答信号に含まれる第1の応答信号の受信の待機と、を終了してもよい(図6のステップS103A)。また、リーダ装置10は、応答信号を受信し、且つ、当該応答信号に含まれる第2の応答信号の強度が、当該応答信号に含まれる第1の応答信号の強度よりも小さい場合、第2の要求信号の送信と、応答信号に含まれる第2の応答信号の受信の待機と、を終了してもよい。
これによれば、リーダ装置10において、要求信号の送信と、応答信号の受信の待機と、を行なうために消費される電力の量を抑制できる。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の無線通信システムについて説明する。第1実施形態の第1変形例の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、タグ装置が生体の内部に位置するか否かを検出し、検出の結果をリーダ装置に通知し、リーダ装置が検出の結果に基づいて、通信に用いられる周波数を制御する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第1変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
(構成:リーダ装置)
図7に表されるように、第1実施形態の第1変形例のリーダ装置10Bは、制御回路110Bと、第1の送信回路121と、第2の送信回路122と、第1の送信アンテナ131と、第2の送信アンテナ132と、第1の受信アンテナ141と、第2の受信アンテナ142と、第1の受信回路151と、第2の受信回路152と、を備える。
本例では、第1の送信回路121、及び、第2の送信回路122は、送信部に対応する。本例では、第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152は、受信部に対応する。本例では、制御回路110Bは、制御部に対応する。
第1の送信回路121、及び、第2の送信回路122は、第1実施形態の、第1の送信回路121、及び、第2の送信回路122とそれぞれ同様に構成される。
第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152は、第1実施形態の、第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152の動作に加えて、検出情報を表す検出信号を受信するようにそれぞれ構成される。検出情報は、後述するように、タグ装置20Bのセンサ223Bによる検出の結果を表す情報である。
第1の受信回路151は、第1の受信アンテナ141を介して、搬送波が第1の周波数を有する検出信号(換言すると、第1の検出信号)を受信する。
第2の受信回路152は、第2の受信アンテナ142を介して、搬送波が第2の周波数を有する検出信号(換言すると、第2の検出信号)を受信する。
制御回路110Bは、第1の送信回路121に要求信号の送信を開始させるように、第1の送信回路121を制御する。更に、制御回路110Bは、第1の送信回路121に要求信号の送信を終了させるように、第1の送信回路121を制御する。制御回路110Bは、第1の送信回路121と同様に、第2の送信回路122を制御する。
制御回路110Bは、第1の受信回路151に検出信号及び応答信号の受信の待機を開始させるように、第1の受信回路151を制御する。更に、制御回路110Bは、第1の受信回路151に検出信号及び応答信号の受信の待機を終了させるように、第1の受信回路151を制御する。制御回路110Bは、第1の受信回路151と同様に、第2の受信回路152を制御する。
本例では、制御回路110Bは、第1の送信回路121及び第2の送信回路122に、同時に、要求信号の送信を開始させるとともに、第1の受信回路151及び第2の受信回路152に、同時に、検出信号及び応答信号の受信の待機を開始させる。本例では、制御回路110Bは、検出信号及び応答信号の受信の待機が、要求信号の送信の開始と略同時に開始するように第1の受信回路151及び第2の受信回路152を制御する。なお、検出信号及び応答信号の受信の待機は、要求信号の送信の開始から所定の遅延時間だけ経過した後に開始してもよい。
また、制御回路110Bは、第1の送信回路121による要求信号の送信と、第2の送信回路122による要求信号の送信と、が交互に行なわれるように、第1の送信回路121及び第2の送信回路122を制御してもよい。
この場合、制御回路110Bは、第1の送信回路121により要求信号の送信が行なわれている期間の少なくとも一部において、第1の受信回路151による検出信号及び応答信号の受信の待機を行なうように、第1の受信回路151を制御する。更に、この場合、制御回路110Bは、第2の送信回路122により要求信号の送信が行なわれている期間の少なくとも一部において、第2の受信回路152による検出信号及び応答信号の受信の待機を行なうように、第2の受信回路152を制御する。
更に、制御回路110Bは、第1の受信回路151により受信された、搬送波が第1の周波数を有する検出信号(換言すると、第1の検出信号)と、第2の受信回路152により受信された、搬送波が第2の周波数を有する検出信号(換言すると、第2の検出信号)と、のうちの強度が大きい方の検出信号のみに基づいて検出情報を取得する。なお、制御回路110Bは、第1の受信回路151により受信された第1の検出信号と、第2の受信回路152により受信された第2の検出信号と、の両方に基づいて検出情報を取得してもよい。
制御回路110Bは、取得された検出情報が表す検出の結果に基づいて、搬送波が第1の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、のうちの一方を終了する。
本例では、制御回路110Bは、取得された検出情報が、タグ装置20Bが生体の外部に位置することを表す場合、第2の要求信号の送信と、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)及び第2の検出信号の受信の待機と、を終了する。更に、本例では、制御回路110Bは、取得された検出情報が、タグ装置20Bが生体の内部に位置することを表す場合、第1の要求信号の送信と、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)及び第1の検出信号の受信の待機と、を終了する。
制御回路110Bは、第1の受信回路151又は第2の受信回路152により受信された応答信号に基づいて応答情報を取得する。
(構成:タグ装置)
図8に表されるように、第1実施形態の第1変形例のタグ装置20Bは、第1実施形態のタグ装置20のIC部220に代えて、IC部220Bを備える。IC部220Bは、スイッチング素子221と、変調回路222Bと、センサ223Bと、を備える。本例では、センサ223Bは、検出部に対応する。本例では、IC部220Bは、通知部に対応する。
スイッチング素子221は、第1実施形態のスイッチング素子221と同様に構成される。
センサ223Bは、タグ装置20Bが生体の内部に位置するか否かを検出する。本例では、センサ223Bは、温度を検出し、検出された温度が、予め定められた閾値(例えば、307K)以上である場合にタグ装置20Bが生体の内部に位置することを検出し、一方、検出された温度が当該閾値よりも低い場合にタグ装置20Bが生体の外部に位置することを検出する。
なお、センサ223Bは、温度に加えて、又は、温度に代えて、温度と異なる物理量に基づいて、タグ装置20Bが生体の内部に位置するか否かを検出してもよい。例えば、物理量は、照度、pH、又は、体内対象物の濃度等である。例えば、体内対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、又は、常在菌である。
本例では、センサ223Bは、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより動作する。なお、センサ223Bは、電池を備えるとともに、電池に蓄電された電力を用いることにより動作してもよい。
変調回路222Bは、要求信号のうちの第1の信号構成部及び第2の信号構成部が受信されている期間における動作が、変調回路222と同じであるように構成されるとともに、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間における動作が、変調回路222と異なるように構成される。
変調回路222Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間の一部である第1の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、センサ223Bによる検出の結果を表す情報(換言すると、検出情報)に基づいて、スイッチング素子221の状態を制御する。本例では、変調回路222Bは、検出情報を表す少なくとも1つのビットのそれぞれに対して、スイッチング素子221の状態を、当該ビットの値に関連付けられた状態に制御する。
換言すると、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、検出情報を表す検出信号を送信する。本例では、検出信号を送信することは、センサ223Bによる検出の結果をリーダ装置10Bに通知することに対応する。
なお、IC部220Bは、AM方式と異なる変調方式に従って、検出情報に基づく変調を行なってもよい。
変調回路222Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間のうちの、第1の期間構成部に後続する第2の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、応答情報に基づいて、スイッチング素子221の状態を制御する。本例では、変調回路222Bは、応答情報を表す少なくとも1つのビットのそれぞれに対して、スイッチング素子221の状態を、当該ビットの値に関連付けられた状態に制御する。
換言すると、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。なお、IC部220Bは、AM方式と異なる変調方式に従って、応答情報に基づく変調を行なってもよい。
(動作)
次に、第1実施形態の第1変形例の無線通信システム1の動作について、図9及び図10を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20Bが生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Bのアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10Bは、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)の送信と、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)の送信と、を開始するとともに、搬送波が第1の周波数を有する信号(換言すると、第1の検出信号及び第1の応答信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する信号(換言すると、第2の検出信号及び第2の応答信号)の受信の待機と、を開始する(図9のステップS201)。
一方、タグ装置20Bは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Bは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Bは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
タグ装置20Bは、センサ223Bを用いることにより、タグ装置20Bが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Bは、タグ装置20Bが生体の内部に位置しない(換言すると、生体の外部に位置する)ことを検出する。(図9のステップS2021)。
タグ装置20Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間のうちの第1の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、検出情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を検出信号として送信する(図9のステップS203)。このようにして、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、検出情報を表す検出信号を送信する。
本例では、アンテナ210により送信される検出信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の検出信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の検出信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210の共振周波数が、第1の周波数と略一致するので、第1の検出信号の強度は、第2の検出信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bにより送信された検出信号を受信する。リーダ装置10Bは、受信された検出信号に含まれる、第1の検出信号及び第2の検出信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて検出情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Bは、受信された検出信号に含まれる第1の検出信号及び第2の検出信号のうちの、第1の検出信号のみに基づいて検出情報を取得する。
そして、リーダ装置10Bは、取得された検出情報が表す検出の結果に基づいて、搬送波が第1の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、のうちの一方を終了する。上記仮定に従えば、検出の結果が、タグ装置20Bが生体の外部に位置することを表すので、リーダ装置10Bは、第2の要求信号の送信と、第2の検出信号及び第2の応答信号の受信の待機と、を終了する(図9のステップS2041)。
次いで、タグ装置20Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間のうちの第2の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、応答情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を応答信号として送信する(図9のステップS205)。このようにして、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。
上記仮定に従えば、アンテナ210により送信される応答信号の搬送波は、第1の周波数を有する。換言すると、応答信号は、搬送波が第2の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bにより送信された応答信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Bは、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号に基づいて応答情報を取得する。
次に、タグ装置20Bが生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Bのアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
リーダ装置10Bは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を開始するとともに、第1の検出信号及び第1の応答信号の受信の待機と、第2の検出信号及び第2の応答信号の受信の待機と、を開始する(図10のステップS201)。
一方、タグ装置20Bは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Bは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Bは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
タグ装置20Bは、センサ223Bを用いることにより、タグ装置20Bが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Bは、タグ装置20Bが生体の内部に位置することを検出する。(図10のステップS2022)。
タグ装置20Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間のうちの第1の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、検出情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を検出信号として送信する(図10のステップS203)。このようにして、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、検出情報を表す検出信号を送信する。
本例では、アンテナ210により送信される検出信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の検出信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の検出信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210の共振周波数が、第2の周波数と略一致するので、第2の検出信号の強度は、第1の検出信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bにより送信された検出信号を受信する。リーダ装置10Bは、受信された検出信号に含まれる、第1の検出信号及び第2の検出信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて検出情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Bは、受信された検出信号に含まれる第1の検出信号及び第2の検出信号のうちの、第2の検出信号のみに基づいて検出情報を取得する。
そして、リーダ装置10Bは、取得された検出情報が表す検出の結果に基づいて、搬送波が第1の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、のうちの一方を終了する。上記仮定に従えば、検出の結果が、タグ装置20Bが生体の内部に位置することを表すので、リーダ装置10Bは、第1の要求信号の送信と、第1の検出信号及び第1の応答信号の受信の待機と、を終了する(図10のステップS2042)。
次いで、タグ装置20Bは、要求信号のうちの第3の信号構成部が受信されている期間のうちの第2の期間構成部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、応答情報に基づいて、アンテナ210により受信された要求信号を変調し、且つ、変調された要求信号を応答信号として送信する(図10のステップS205)。このようにして、本例では、タグ装置20Bは、バックスキャッタ方式に従って、応答情報を表す応答信号を送信する。
上記仮定に従えば、アンテナ210により送信される応答信号の搬送波は、第2の周波数を有する。換言すると、応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bにより送信された応答信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Bは、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号に基づいて応答情報を取得する。
以上、説明したように、第1実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、第1実施形態の無線通信システム1と同様の作用及び効果が奏される。
更に、第1実施形態の第1変形例の無線通信システム1において、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bが生体の外部に位置する場合、リーダ装置10Bにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第1の周波数に制御し、一方、タグ装置20Bが生体の内部に位置する場合、リーダ装置10Bにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第2の周波数に制御する。
これによれば、タグ装置20Bが生体の内部に位置する場合に、リーダ装置10Bは、搬送波が第1の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。また、タグ装置20Bが生体の外部に位置する場合に、リーダ装置10Bは、搬送波が第2の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。従って、例えば、リーダ装置10Bが、搬送波が第1の周波数を有する信号、及び、搬送波が第2の周波数を有する信号のそれぞれを送信する場合よりも、リーダ装置10Bが消費する電力の量を抑制できる。
なお、搬送波が第1の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、のうちの一方のみが所定の閾値時間以上に亘って継続した場合、リーダ装置10Bは、搬送波が第1の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の、受信の待機及び送信と、のうちの他方を再開してもよい。
これによれば、タグ装置20Bが生体の内部と生体の外部との間で移動した場合であっても、リーダ装置10Bは、タグ装置20Bが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Bと通信できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の無線通信システムについて説明する。第2実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、タグ装置がアクティブ型である点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
(構成:リーダ装置)
図11に表されるように、第2実施形態のリーダ装置10Cは、制御回路110Cと、第1の受信アンテナ141と、第2の受信アンテナ142と、第1の受信回路151と、第2の受信回路152と、を備える。
本例では、第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152は、受信部に対応する。本例では、制御回路110Cは、制御部に対応する。
第1の受信回路151は、第1の受信アンテナ141を介して、搬送波が第1の周波数を有する報知信号(換言すると、第1の報知信号)を受信する。本例では、報知信号は、報知情報を表す。報知情報は、後述するように、タグ装置20Cが記憶している情報、及び、タグ装置20Cが生成した情報、の少なくとも1つを含む。本例では、第1の周波数は、ISMバンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの第1の周波数帯に含まれる。本例では、第1の周波数は、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる。
第2の受信回路152は、第2の受信アンテナ142を介して、搬送波が第2の周波数を有する報知信号(換言すると、第2の報知信号)を受信する。第2の周波数は、第1の周波数よりも低い。本例では、第2の周波数は、第1の周波数の半分よりも低い。本例では、第2の周波数は、ISMバンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの、第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯に含まれる。本例では、第2の周波数は、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる。
制御回路110Cは、第1の受信回路151に報知信号の受信の待機を開始させるように、第1の受信回路151を制御する。更に、制御回路110Cは、第1の受信回路151に報知信号の受信の待機を終了させるように、第1の受信回路151を制御する。制御回路110Cは、第1の受信回路151と同様に、第2の受信回路152を制御する。
本例では、制御回路110Cは、第1の受信回路151及び第2の受信回路152に、同時に、報知信号の受信の待機を開始させる。
なお、制御回路110Cは、第1の受信回路151による報知信号の受信の待機と、第2の受信回路152による報知信号の受信の待機と、が交互に行なわれるように、第1の受信回路151及び第2の受信回路152を制御してもよい。
更に、本例では、制御回路110Cは、第1の受信回路151により受信された第1の報知信号と、第2の受信回路152により受信された第2の報知信号と、のうちの強度が大きい方のみに基づいて報知情報を取得する。
なお、制御回路110Cは、第1の受信回路151により受信された第1の報知信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の報知信号の強度と、に基づいて、タグ装置20Cが生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110Cは、第1の報知信号の強度が第2の報知信号の強度よりも大きい状態が、第2の報知信号の強度が第1の報知信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20Cが生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してよい。
また、制御回路110Cは、第1の受信回路151により受信された第1の報知信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の報知信号の強度と、に基づいて、タグ装置20Cが生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110Cは、第2の報知信号の強度が第1の報知信号の強度よりも大きい状態が、第1の報知信号の強度が第2の報知信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20Cが生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してよい。
(構成:タグ装置)
図12に表されるように、第2実施形態のタグ装置20Cは、アンテナ210と、IC部220Cと、を備える。本例では、IC部220Cは、送信部に対応する。
アンテナ210は、第1実施形態のアンテナ210と同様に構成される。
IC部220Cは、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212に接続される。IC部220Cは、第1の送信回路224Cと、第2の送信回路225Cと、電池226Cと、を備える。本例では、タグ装置20Cは、アクティブ型である。
第1の送信回路224Cは、電池226Cに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第1の周波数を有する報知信号(換言すると、第1の報知信号)をアンテナ210を介して送信する。第1の送信回路224Cは、予め定められた第1の変調方式に従って変調された第1の報知信号を送信する。例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
第2の送信回路225Cは、電池226Cに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第2の周波数を有する報知信号(換言すると、第2の報知信号)をアンテナ210を介して送信する。第2の送信回路225Cは、予め定められた第2の変調方式に従って変調された第2の報知信号を送信する。例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
本例では、報知情報は、IC部220Cが予め記憶している情報を含む。例えば、報知情報は、タグ装置20Cを識別する識別子を含んでよい。なお、タグ装置20Cが物理量を検出するセンサを備える場合、報知情報は、IC部220Cが予め記憶している情報に代えて、又は、IC部220Cが予め記憶している情報に加えて、当該センサによって検出された物理量を表す情報を含んでもよい。例えば、物理量は、温度、湿度、照度、pH、加速度、角速度、圧力、又は、対象物の濃度等である。例えば、対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、常在菌、又は、感染性物質(例えば、細菌、又は、ウイルス等)である。
なお、タグ装置20Cは、電池226Cに代えて、又は、電池226Cに加えて、第1の送信回路224Cに接続された第1の電池と、第2の送信回路225Cに接続された第2の電池と、を備えていてもよい。
(動作)
次に、無線通信システム1の動作について、図13を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20Cが生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Cのアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10Cは、搬送波が第1の周波数を有する報知信号(換言すると、第1の報知信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する報知信号(換言すると、第2の報知信号)の受信の待機と、を開始する(図13のステップS301)。
一方、タグ装置20Cは、第1の報知信号の送信と、第2の報知信号の送信と、を開始する(図13のステップS302)。
アンテナ210により送信される報知信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の報知信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の報知信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により送信される第1の報知信号の強度は、アンテナ210により送信される第2の報知信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Cは、タグ装置20Cにより送信された報知信号を受信する。リーダ装置10Cは、受信された報知信号に含まれる、第1の報知信号及び第2の報知信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて報知情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Cは、受信された報知信号に含まれる第1の報知信号及び第2の報知信号のうちの、第1の報知信号のみに基づいて報知情報を取得する。
次に、タグ装置20Cが生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Cのアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
この場合においても、上述した場合と同様に、リーダ装置10Cは、第1の報知信号の受信の待機と、第2の報知信号の受信の待機と、を開始する。
一方、タグ装置20Cは、第1の報知信号の送信と、第2の報知信号の送信と、を開始する。
アンテナ210により送信される報知信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の報知信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の報知信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により送信される第2の報知信号の強度は、アンテナ210により送信される第1の報知信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Cは、タグ装置20Cにより送信された報知信号を受信する。リーダ装置10Cは、受信された報知信号に含まれる、第1の報知信号及び第2の報知信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて報知情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Cは、受信された報知信号に含まれる第1の報知信号及び第2の報知信号のうちの、第2の報知信号のみに基づいて報知情報を取得する。
以上、説明したように、第2実施形態の無線通信システム1は、タグ装置20Cが生体の外部に位置する場合、タグ装置20Cとリーダ装置10Cとの間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数を用いる。更に、無線通信システム1は、タグ装置20Cが生体の内部に位置する場合、タグ装置20Cとリーダ装置10Cとの間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数よりも低い第2の周波数を用いる。
これによれば、タグ装置20Cが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Cは、タグ装置20Cが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Cと通信できる。
更に、第2実施形態のリーダ装置10Cは、第1の周波数を有する信号を受信するとともに、第2の周波数を有する信号を受信する。
これによれば、タグ装置20Cが生体の外部に位置する場合、リーダ装置10Cは、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20Cが生体の内部に位置する場合、リーダ装置10Cは、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20Cが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Cは、タグ装置20Cが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Cと通信できる。
更に、第2実施形態のタグ装置20Cは、第1の周波数を有する信号をアンテナ210を介して送信するとともに、第2の周波数を有する信号をアンテナ210を介して送信する。
これによれば、タグ装置20Cが生体の外部に位置する場合、リーダ装置10Cは、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20Cが生体の内部に位置する場合、リーダ装置10Cは、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20Cが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Cは、タグ装置20Cが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Cと通信できる。
なお、無線通信システム1は、第1の周波数として、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、60GHz帯(例えば、57GHz乃至66GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、24GHz帯(例えば、24GHz乃至24.25GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、タグ装置20Cは、アンテナ210の共振周波数を変更する変更部を備えていてもよい。例えば、変更部は、第1の延長用アンテナ構成部と、第2の延長用アンテナ構成部と、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、を備えていてもよい。
第1の延長用アンテナ構成部は、第1のスイッチング素子を介して第1のアンテナ構成部211に接続される。第1のスイッチング素子は、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第1のスイッチング素子の状態が切り替わる。
第2の延長用アンテナ構成部は、第2のスイッチング素子を介して第2のアンテナ構成部212に接続される。第2のスイッチング素子は、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第2のスイッチング素子の状態が切り替わる。
これによれば、第1の周波数と第2の周波数との比を、空気の誘電率と、生体の内部の液体の誘電率と、の比に対応する値と異なる比に変更できる。従って、リーダ装置10Cとタグ装置20Cとの間の通信に用いられる周波数の自由度を高めることができる。
なお、リーダ装置10Cは、報知信号を受信し、且つ、当該報知信号に含まれる第1の報知信号の強度が、当該報知信号に含まれる第2の報知信号の強度よりも小さい場合、第1の報知信号の受信の待機を終了してもよい。また、リーダ装置10Cは、報知信号を受信し、且つ、当該報知信号に含まれる第2の報知信号の強度が、当該報知信号に含まれる第1の報知信号の強度よりも小さい場合、第2の報知信号の受信の待機を終了してもよい。
これによれば、リーダ装置10Cにおいて、報知信号の受信の待機を行なうために消費される電力の量を抑制できる。
なお、無線通信システム1は、リーダ装置10Cが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の、受信の待機を開始する前に、タグ装置20Cが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の送信を開始してもよい。
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例の無線通信システムについて説明する。第2実施形態の第1変形例の無線通信システムは、第2実施形態の無線通信システムに対して、タグ装置が生体の内部に位置するか否かを検出し、検出の結果に基づいて、通信に用いられる周波数を制御する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の第1変形例の説明において、第2実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
(構成:タグ装置)
図14に表されるように、第2実施形態の第1変形例のタグ装置20Dは、第2実施形態のタグ装置20CのIC部220Cに代えて、IC部220Dを備える。IC部220Dは、第1の送信回路224Dと、第2の送信回路225Dと、電池226Dと、スイッチング素子227Dと、センサ228Dと、を備える。本例では、センサ228Dは、検出部に対応する。本例では、IC部220Dは、送信部に対応する。
センサ228Dは、タグ装置20Dが生体の内部に位置するか否かを検出する。本例では、センサ228Dは、温度を検出し、検出された温度が、予め定められた閾値(例えば、307K)以上である場合にタグ装置20Dが生体の内部に位置することを検出し、一方、検出された温度が当該閾値よりも低い場合にタグ装置20Dが生体の外部に位置することを検出する。
なお、センサ228Dは、温度に加えて、又は、温度に代えて、温度と異なる物理量に基づいて、タグ装置20Dが生体の内部に位置するか否かを検出してもよい。例えば、物理量は、照度、pH、又は、体内対象物の濃度等である。例えば、体内対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、又は、常在菌である。
本例では、センサ228Dは、電池226Dに蓄電された電力を用いることにより動作する。
スイッチング素子227Dは、センサ228Dによる検出の結果に基づいて、第1の接続状態と、第2の接続状態と、の間で、スイッチング素子227Dの状態を切り替える。第1の接続状態は、スイッチング素子227Dが第1の送信回路224Dと電池226Dとを接続するとともに、スイッチング素子227Dが第2の送信回路225Dと電池226Dとを遮断する(換言すると、接続しない)状態である。第2の接続状態は、スイッチング素子227Dが第1の送信回路224Dと電池226Dとを遮断するとともに、スイッチング素子227Dが第2の送信回路225Dと電池226Dとを接続する状態である。
センサ228Dによる検出の結果が、タグ装置20Dが生体の外部に位置することを表す場合、スイッチング素子227Dは、スイッチング素子227Dの状態を第1の接続状態に切り替える。更に、センサ228Dによる検出の結果が、タグ装置20Dが生体の内部に位置することを表す場合、スイッチング素子227Dは、スイッチング素子227Dの状態を第2の接続状態に切り替える。
本例では、スイッチング素子227Dは、電池226Dに蓄電された電力を用いることにより動作する。
第1の送信回路224Dは、スイッチング素子227Dの状態が第1の接続状態である場合において、電池226Dに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第1の周波数を有する報知信号(換言すると、第1の報知信号)をアンテナ210を介して送信する。第1の送信回路224Dは、予め定められた第1の変調方式に従って変調された第1の報知信号を送信する。例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
第2の送信回路225Dは、スイッチング素子227Dの状態が第2の接続状態である場合において、電池226Dに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第2の周波数を有する報知信号(換言すると、第2の報知信号)をアンテナ210を介して送信する。第2の送信回路225Dは、予め定められた第2の変調方式に従って変調された第2の報知信号を送信する。例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
(動作)
次に、第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1の動作について、図15及び図16を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20Dが生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Dのアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10Cは、搬送波が第1の周波数を有する報知信号(換言すると、第1の報知信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する報知信号(換言すると、第2の報知信号)の受信の待機と、を開始する(図15のステップS401)。
一方、タグ装置20Dは、センサ228Dを用いることにより、タグ装置20Dが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Dは、タグ装置20Dが生体の内部に位置しない(換言すると、生体の外部に位置する)ことを検出する。(図15のステップS4021)。
従って、スイッチング素子227Dは、スイッチング素子227Dの状態を第1の接続状態に切り替える。これにより、タグ装置20Dは、第1の報知信号の送信を開始する(図15のステップS4031)。
従って、アンテナ210により送信される報知信号の搬送波は、第1の周波数を有する。換言すると、報知信号は、搬送波が第2の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Cは、タグ装置20Dにより送信された報知信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Cは、第1の受信回路151により受信された第1の報知信号に基づいて報知情報を取得する。
次に、タグ装置20Dが生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Dのアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
リーダ装置10Cは、第1の報知信号の受信の待機と、第2の報知信号の受信の待機と、を開始する(図16のステップS401)。
一方、タグ装置20Dは、センサ228Dを用いることにより、タグ装置20Dが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Dは、タグ装置20Dが生体の内部に位置することを検出する。(図16のステップS4022)。
従って、スイッチング素子227Dは、スイッチング素子227Dの状態を第2の接続状態に切り替える。これにより、タグ装置20Dは、第2の報知信号の送信を開始する(図16のステップS4032)。
従って、アンテナ210により送信される報知信号の搬送波は、第2の周波数を有する。換言すると、報知信号は、搬送波が第1の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Cは、タグ装置20Dにより送信された報知信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Cは、第2の受信回路152により受信された第2の報知信号に基づいて報知情報を取得する。
以上、説明したように、第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、第2実施形態の無線通信システム1と同様の作用及び効果が奏される。
更に、第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1において、タグ装置20Dは、タグ装置20Dが生体の外部に位置すると検出された場合、タグ装置20Dにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第1の周波数に制御し、一方、タグ装置20Dが生体の内部に位置すると検出された場合、タグ装置20Dにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第2の周波数に制御する。
これによれば、タグ装置20Dが生体の内部に位置する場合に、タグ装置20Dが第1の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。また、タグ装置20Dが生体の外部に位置する場合に、タグ装置20Dが第2の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。従って、例えば、タグ装置20Dが、第1の周波数を有する信号、及び、第2の周波数を有する信号のそれぞれを送信する場合よりも、タグ装置20Dが消費する電力の量を抑制できる。
なお、搬送波が第1の周波数を有する信号の送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の送信と、のうちの一方のみが所定の閾値時間以上に亘って継続した場合、タグ装置20Dは、タグ装置20Dが生体の内部に位置するか否かの検出と、検出の結果に基づく周波数の制御と、を再び実行してもよい。
これによれば、タグ装置20Dが生体の内部と生体の外部との間で移動した場合であっても、リーダ装置10Cは、タグ装置20Dが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Dと通信できる。
なお、無線通信システム1は、リーダ装置10Cが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の、受信の待機を開始する前に、タグ装置20Dが、生体の内部に位置するか否かの検出、及び、第1の周波数の信号又は第2の周波数の信号の送信を開始してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の無線通信システムについて説明する。第3実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、タグ装置がセミアクティブ型である点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
(構成:リーダ装置)
図17に表されるように、第3実施形態のリーダ装置10Eは、制御回路110Eと、第1の送信回路121と、第2の送信回路122と、第1の送信アンテナ131と、第2の送信アンテナ132と、第1の受信アンテナ141と、第2の受信アンテナ142と、第1の受信回路151と、第2の受信回路152と、を備える。
本例では、第1の送信回路121、及び、第2の送信回路122は、送信部に対応する。本例では、第1の受信回路151、及び、第2の受信回路152は、受信部に対応する。本例では、制御回路110Eは、制御部に対応する。
第1の送信回路121は、第1の送信アンテナ131を介して、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)を送信する。本例では、第1の周波数は、ISMバンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの第1の周波数帯に含まれる。本例では、第1の周波数は、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる。本例では、要求信号は、後述するタグ装置20Eに情報の送信を要求する信号である。本例では、要求信号は、時間軸において連続する、第1の信号構成部、及び、第2の信号構成部、を含む。
第1の信号構成部は、無変調波(換言すると、搬送波)である。第2の信号構成部は、変調波(換言すると、搬送波が変調された電波)である。例えば、第2の信号構成部は、特定情報を表す。特定情報は、タグ装置20Eに送信を要求する情報を特定する。
本例では、第1の信号構成部、及び、第2の信号構成部は、予め定められた、第1の時間長、及び、第2の時間長をそれぞれ有する。
第2の送信回路122は、第2の送信アンテナ132を介して、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)を送信する。第2の周波数は、第1の周波数よりも低い。本例では、第2の周波数は、第1の周波数の半分よりも低い。本例では、第2の周波数は、ISMバンドと呼ばれる複数の周波数帯のうちの、第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯に含まれる。本例では、第2の周波数は、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる。
第1の受信回路151は、第1の受信アンテナ141を介して、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)を受信する。本例では、応答信号は、応答情報を表す。応答情報は、後述するように、タグ装置20Eが記憶している情報、及び、タグ装置20Eが生成した情報、の少なくとも1つを含む。
第2の受信回路152は、第2の受信アンテナ142を介して、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)を受信する。
制御回路110Eは、第1の送信回路121に要求信号の送信を開始させるように、第1の送信回路121を制御する。更に、制御回路110Eは、第1の送信回路121に要求信号の送信を終了させるように、第1の送信回路121を制御する。制御回路110Eは、第1の送信回路121と同様に、第2の送信回路122を制御する。
制御回路110Eは、第1の受信回路151に応答信号の受信の待機を開始させるように、第1の受信回路151を制御する。更に、制御回路110Eは、第1の受信回路151に応答信号の受信の待機を終了させるように、第1の受信回路151を制御する。制御回路110Eは、第1の受信回路151と同様に、第2の受信回路152を制御する。
本例では、制御回路110Eは、第1の送信回路121及び第2の送信回路122に、同時に、要求信号の送信を開始させる。その後、制御回路110Eは、第1の送信回路121及び第2の送信回路122に、同時に、要求信号の送信を終了させる。その後、制御回路110Eは、第1の受信回路151及び第2の受信回路152に、同時に、応答信号の受信の待機を開始させる。なお、制御回路110Eは、応答信号の受信の待機が、要求信号の送信の終了と略同時に開始するように第1の受信回路151及び第2の受信回路152を制御してもよい。
また、制御回路110Eは、第1の送信回路121による要求信号の送信と、第2の送信回路122による要求信号の送信と、が交互に行なわれるように、第1の送信回路121及び第2の送信回路122を制御してもよい。
また、制御回路110Eは、第1の受信回路151による応答信号の受信の待機と、第2の受信回路152による応答信号の受信の待機と、が交互に行なわれるように、第1の受信回路151及び第2の受信回路152を制御してもよい。
更に、本例では、制御回路110Eは、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号と、のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。
なお、制御回路110Eは、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号の強度と、に基づいて、タグ装置20Eが生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110Eは、第1の応答信号の強度が第2の応答信号の強度よりも大きい状態が、第2の応答信号の強度が第1の応答信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20Eが生体の外部から生体の内部へ導入されたことを検出してよい。
また、制御回路110Eは、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号の強度と、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号の強度と、に基づいて、タグ装置20Eが生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してもよい。この場合、制御回路110Eは、第2の応答信号の強度が第1の応答信号の強度よりも大きい状態が、第1の応答信号の強度が第2の応答信号の強度よりも大きい状態に変化した場合に、タグ装置20Eが生体の内部から生体の外部へ排出されたことを検出してよい。
(構成:タグ装置)
図18に表されるように、第3実施形態のタグ装置20Eは、アンテナ210と、IC部220Eと、を備える。本例では、IC部220Eは、送信部に対応する。
アンテナ210は、第1実施形態のアンテナ210と同様に構成される。
IC部220Eは、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212に接続される。IC部220Eは、第1の送信回路224Eと、第2の送信回路225Eと、電池226Eと、を備える。本例では、タグ装置20Eは、セミアクティブ型である。
本例では、IC部220Eは、図示されない整流器及びコンデンサを備えるとともに、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、IC部220Eは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調する。IC部220Eは、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
なお、IC部220Eは、図示されない整流器及びコンデンサを用いることなく、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、電池226Eに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調してもよい。この場合、要求信号は、第1の信号構成部を含まなくてもよい。
第1の送信回路224Eは、電池226Eに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)をアンテナ210を介して送信する。第1の送信回路224Eは、予め定められた第1の変調方式に従って変調された第1の応答信号を送信する。例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
第2の送信回路225Eは、電池226Eに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)をアンテナ210を介して送信する。第2の送信回路225Eは、予め定められた第2の変調方式に従って変調された第2の応答信号を送信する。例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
本例では、応答情報は、IC部220Eが予め記憶している情報を含む。例えば、応答情報は、タグ装置20Eを識別する識別子を含んでよい。なお、タグ装置20Eが物理量を検出するセンサを備える場合、応答情報は、IC部220Eが予め記憶している情報に代えて、又は、IC部220Eが予め記憶している情報に加えて、当該センサによって検出された物理量を表す情報を含んでもよい。例えば、物理量は、温度、湿度、照度、pH、加速度、角速度、圧力、又は、対象物の濃度等である。例えば、対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、常在菌、又は、感染性物質(例えば、細菌、又は、ウイルス等)である。
なお、タグ装置20Eは、電池226Eに代えて、又は、電池226Eに加えて、第1の送信回路224Eに接続された第1の電池と、第2の送信回路225Eに接続された第2の電池と、を備えていてもよい。
(動作)
次に、第3実施形態の無線通信システム1の動作について、図19を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20Eが生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Eのアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10Eは、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)の送信と、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)の送信と、を開始する(図19のステップS501)。
一方、タグ装置20Eは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Eは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Eは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
一方、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を終了する(図19のステップS502)。
そして、リーダ装置10Eは、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)の受信の待機と、を開始する(図19のステップS503)。
一方、タグ装置20Eは、第1の応答信号の送信と、第2の応答信号の送信と、を開始する(図19のステップS504)。
アンテナ210により送信される応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の応答信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の応答信号(第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により送信される第1の応答信号の強度は、アンテナ210により送信される第2の応答信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Eは、タグ装置20Eにより送信された応答信号を受信する。リーダ装置10Eは、受信された応答信号に含まれる、第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Eは、受信された応答信号に含まれる第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの、第1の応答信号のみに基づいて応答情報を取得する。
次に、タグ装置20Eが生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Eのアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
この場合においても、上述した場合と同様に、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を開始する。
一方、タグ装置20Eは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Eは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Eは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
一方、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を終了する。そして、リーダ装置10Eは、第1の応答信号の受信の待機と、第2の応答信号の受信の待機と、を開始する。
また、タグ装置20Eは、第1の応答信号の送信と、第2の応答信号の送信と、を開始する。
アンテナ210により送信される応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する第1の応答信号(換言すると、第1の成分)と、搬送波が第2の周波数を有する第2の応答信号(換言すると、第2の成分)と、を含む。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により送信される第2の応答信号の強度は、アンテナ210により送信される第1の応答信号の強度よりも大きい。
一方、リーダ装置10Eは、タグ装置20Eにより送信された応答信号を受信する。リーダ装置10Eは、受信された応答信号に含まれる、第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの強度が大きい方のみに基づいて応答情報を取得する。従って、上記仮定に従えば、リーダ装置10Eは、受信された応答信号に含まれる第1の応答信号及び第2の応答信号のうちの、第2の応答信号のみに基づいて応答情報を取得する。
以上、説明したように、第3実施形態の無線通信システム1は、タグ装置20Eが生体の外部に位置する場合、タグ装置20Eとリーダ装置10Eとの間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数を用いる。更に、無線通信システム1は、タグ装置20Eが生体の内部に位置する場合、タグ装置20Eとリーダ装置10Eとの間のアンテナ210を介した通信に、第1の周波数よりも低い第2の周波数を用いる。
これによれば、タグ装置20Eが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Eは、タグ装置20Eが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Eと通信できる。
更に、第3実施形態のリーダ装置10Eは、第1の周波数を有する信号を受信するとともに、第2の周波数を有する信号を受信する。
これによれば、タグ装置20Eが生体の外部に位置する場合、リーダ装置10Eは、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20Eが生体の内部に位置する場合、リーダ装置10Eは、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20Eが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Eは、タグ装置20Eが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Eと通信できる。
更に、第3実施形態のタグ装置20Eは、第1の周波数を有する信号をアンテナ210を介して送信するとともに、第2の周波数を有する信号をアンテナ210を介して送信する。
これによれば、タグ装置20Eが生体の外部に位置する場合、リーダ装置10Eは、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20Eが生体の内部に位置する場合、リーダ装置10Eは、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20Eが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、リーダ装置10Eは、タグ装置20Eが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Eと通信できる。
更に、第3実施形態のリーダ装置10Eは、第1の周波数を有する信号を送信するとともに、第2の周波数を有する信号を送信する。
これによれば、タグ装置20Eが生体の外部に位置する場合、タグ装置20Eは、第1の周波数を有する信号を受信できる。また、タグ装置20Eが生体の内部に位置する場合、タグ装置20Eは、第2の周波数を有する信号を受信できる。従って、タグ装置20Eが生体の内部及び外部のいずれに位置する場合であっても、タグ装置20Eは、タグ装置20Eが有するアンテナ210を介して、リーダ装置10Eと通信できる。
なお、無線通信システム1は、第1の周波数として、2.45GHz帯(例えば、2.4GHz乃至2.5GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、900MHz帯(例えば、915MHz乃至955MHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、60GHz帯(例えば、57GHz乃至66GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、無線通信システム1は、第1の周波数として、24GHz帯(例えば、24GHz乃至24.25GHz)に含まれる周波数を用いるとともに、第2の周波数として、5.8GHz帯(例えば、5.725GHz乃至5.875GHz)に含まれる周波数を用いてもよい。
また、タグ装置20Eは、アンテナ210の共振周波数を変更する変更部を備えていてもよい。例えば、変更部は、第1の延長用アンテナ構成部と、第2の延長用アンテナ構成部と、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子と、を備えていてもよい。
第1の延長用アンテナ構成部は、第1のスイッチング素子を介して第1のアンテナ構成部211に接続される。第1のスイッチング素子は、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第1のアンテナ構成部211と第1の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第1のスイッチング素子の状態が切り替わる。
第2の延長用アンテナ構成部は、第2のスイッチング素子を介して第2のアンテナ構成部212に接続される。第2のスイッチング素子は、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを接続する状態と、第2のアンテナ構成部212と第2の延長用アンテナ構成部とを遮断する状態と、に第2のスイッチング素子の状態が切り替わる。
これによれば、第1の周波数と第2の周波数との比を、空気の誘電率と、生体の内部の液体の誘電率と、の比に対応する値と異なる比に変更できる。従って、リーダ装置10Eとタグ装置20Eとの間の通信に用いられる周波数の自由度を高めることができる。
なお、リーダ装置10Eは、応答信号を受信し、且つ、当該応答信号に含まれる第1の応答信号の強度が、当該応答信号に含まれる第2の応答信号の強度よりも小さい場合、第1の応答信号の受信の待機を終了してもよい。また、リーダ装置10Eは、応答信号を受信し、且つ、当該応答信号に含まれる第2の応答信号の強度が、当該応答信号に含まれる第1の応答信号の強度よりも小さい場合、第2の応答信号の受信の待機を終了してもよい。
これによれば、リーダ装置10Eにおいて、応答信号の受信の待機を行なうために消費される電力の量を抑制できる。
なお、無線通信システム1は、リーダ装置10Eが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の、受信の待機を開始する前に、タグ装置20Eが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の送信を開始してもよい。
<第3実施形態の第1変形例>
次に、第3実施形態の第1変形例の無線通信システムについて説明する。第3実施形態の第1変形例の無線通信システムは、第3実施形態の無線通信システムに対して、タグ装置が生体の内部に位置するか否かを検出し、検出の結果に基づいて、通信に用いられる周波数を制御する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の第1変形例の説明において、第3実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
(構成:タグ装置)
図20に表されるように、第3実施形態の第1変形例のタグ装置20Fは、第3実施形態のタグ装置20EのIC部220Eに代えて、IC部220Fを備える。IC部220Fは、第1の送信回路224Fと、第2の送信回路225Fと、電池226Fと、スイッチング素子227Fと、センサ228Fと、を備える。本例では、センサ228Fは、検出部に対応する。本例では、IC部220Fは、送信部に対応する。
本例では、IC部220Fは、図示されない整流器及びコンデンサを備えるとともに、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、IC部220Fは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調する。IC部220Fは、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
なお、IC部220Fは、図示されない整流器及びコンデンサを用いることなく、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、電池226Fに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調してもよい。この場合、要求信号は、第1の信号構成部を含まなくてもよい。
センサ228Fは、タグ装置20Fが生体の内部に位置するか否かを検出する。本例では、センサ228Fは、温度を検出し、検出された温度が、予め定められた閾値(例えば、307K)以上である場合にタグ装置20Fが生体の内部に位置することを検出し、一方、検出された温度が当該閾値よりも低い場合にタグ装置20Fが生体の外部に位置することを検出する。
なお、センサ228Fは、温度に加えて、又は、温度に代えて、温度と異なる物理量に基づいて、タグ装置20Fが生体の内部に位置するか否かを検出してもよい。例えば、物理量は、照度、pH、又は、体内対象物の濃度等である。例えば、体内対象物は、消化液(例えば、唾液、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、又は、常在菌である。
本例では、センサ228Fは、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより動作する。なお、センサ228Fは、電池226Fに蓄電された電力を用いることにより動作してもよい。
スイッチング素子227Fは、センサ228Fによる検出の結果に基づいて、第1の接続状態と、第2の接続状態と、の間で、スイッチング素子227Fの状態を切り替える。第1の接続状態は、スイッチング素子227Fが第1の送信回路224Fと電池226Fとを接続するとともに、スイッチング素子227Fが第2の送信回路225Fと電池226Fとを遮断する(換言すると、接続しない)状態である。第2の接続状態は、スイッチング素子227Fが第1の送信回路224Fと電池226Fとを遮断するとともに、スイッチング素子227Fが第2の送信回路225Fと電池226Fとを接続する状態である。
センサ228Fによる検出の結果が、タグ装置20Fが生体の外部に位置することを表す場合、スイッチング素子227Fは、スイッチング素子227Fの状態を第1の接続状態に切り替える。更に、センサ228Fによる検出の結果が、タグ装置20Fが生体の内部に位置することを表す場合、スイッチング素子227Fは、スイッチング素子227Fの状態を第2の接続状態に切り替える。
本例では、スイッチング素子227Fは、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより動作する。なお、スイッチング素子227Fは、電池226Fに蓄電された電力を用いることにより動作してもよい。
第1の送信回路224Fは、スイッチング素子227Fの状態が第1の接続状態である場合において、電池226Fに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)をアンテナ210を介して送信する。第1の送信回路224Fは、予め定められた第1の変調方式に従って変調された第1の応答信号を送信する。例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第1の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
第2の送信回路225Fは、スイッチング素子227Fの状態が第2の接続状態である場合において、電池226Fに蓄電された電力を用いることにより、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)をアンテナ210を介して送信する。第2の送信回路225Fは、予め定められた第2の変調方式に従って変調された第2の応答信号を送信する。例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、又は、PM方式である。また、例えば、第2の変調方式は、AM方式、FM方式、及び、PM方式の少なくとも2つの組み合わせであってよい。
(動作)
次に、第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1の動作について、図21及び図22を参照しながら説明する。
先ず、タグ装置20Fが生体の外部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Fのアンテナ210は、空気と接する。
リーダ装置10Eは、搬送波が第1の周波数を有する要求信号(換言すると、第1の要求信号)の送信と、搬送波が第2の周波数を有する要求信号(換言すると、第2の要求信号)の送信と、を開始する(図21のステップS601)。
一方、タグ装置20Fは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が空気と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第1の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Fは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Fは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
一方、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を終了する(図21のステップS602)。
そして、リーダ装置10Eは、搬送波が第1の周波数を有する応答信号(換言すると、第1の応答信号)の受信の待機と、搬送波が第2の周波数を有する応答信号(換言すると、第2の応答信号)の受信の待機と、を開始する(図21のステップS603)。
一方、タグ装置20Fは、センサ228Fを用いることにより、タグ装置20Fが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Fは、タグ装置20Fが生体の内部に位置しない(換言すると、生体の外部に位置する)ことを検出する。(図21のステップS6041)。
従って、スイッチング素子227Fは、スイッチング素子227Fの状態を第1の接続状態に切り替える。これにより、タグ装置20Fは、第1の応答信号の送信を開始する(図21のステップS6051)。
従って、アンテナ210により送信される応答信号の搬送波は、第1の周波数を有する。換言すると、応答信号は、搬送波が第2の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Eは、タグ装置20Fにより送信された応答信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Eは、第1の受信回路151により受信された第1の応答信号に基づいて応答情報を取得する。
次に、タグ装置20Fが生体の内部に位置する場合を想定する。この場合、タグ装置20Fのアンテナ210は、生体の内部の液体(本例では、唾液)と接する。
この場合においても、上述した場合と同様に、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を開始する(図22のステップS601)。
一方、タグ装置20Fは、第1の要求信号と、第2の要求信号と、を受信する。上記仮定に従えば、アンテナ210が生体の内部の液体と接しているので、アンテナ210の共振周波数は、第2の周波数と略一致する。従って、アンテナ210により受信される第2の要求信号の強度は、アンテナ210により受信される第1の要求信号の強度よりも大きい。
タグ装置20Fは、要求信号のうちの第1の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、第1のアンテナ構成部211及び第2のアンテナ構成部212の間に生じる電流を整流器によって整流することによりコンデンサに蓄電する。
更に、タグ装置20Fは、要求信号のうちの第2の信号構成部が受信されている期間の少なくとも一部において、コンデンサに蓄電された電力を用いることにより、第2の信号構成部を復調し、復調された信号に基づいて、特定情報を取得する。
一方、リーダ装置10Eは、第1の要求信号の送信と、第2の要求信号の送信と、を終了する(図22のステップS602)。そして、リーダ装置10Eは、第1の応答信号の受信の待機と、第2の応答信号の受信の待機と、を開始する(図22のステップS603)。
一方、タグ装置20Fは、センサ228Fを用いることにより、タグ装置20Fが生体の内部に位置するか否かを検出する。上記仮定に従えば、タグ装置20Fは、タグ装置20Fが生体の内部に位置することを検出する。(図22のステップS6042)。
従って、スイッチング素子227Fは、スイッチング素子227Fの状態を第2の接続状態に切り替える。これにより、タグ装置20Fは、第2の応答信号の送信を開始する(図22のステップS6052)。
従って、アンテナ210により送信される応答信号の搬送波は、第2の周波数を有する。換言すると、応答信号は、搬送波が第1の周波数を有する成分を含まない。
一方、リーダ装置10Eは、タグ装置20Fにより送信された応答信号を受信する。上記仮定に従えば、リーダ装置10Eは、第2の受信回路152により受信された第2の応答信号に基づいて応答情報を取得する。
以上、説明したように、第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、第3実施形態の無線通信システム1と同様の作用及び効果が奏される。
更に、第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1において、タグ装置20Fは、タグ装置20Fが生体の外部に位置すると検出された場合、タグ装置20Fにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第1の周波数に制御し、一方、タグ装置20Fが生体の内部に位置すると検出された場合、タグ装置20Fにより送信される信号の搬送波が有する周波数を第2の周波数に制御する。
これによれば、タグ装置20Fが生体の内部に位置する場合に、タグ装置20Fが第1の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。また、タグ装置20Fが生体の外部に位置する場合に、タグ装置20Fが第2の周波数を有する信号を送信することを抑制できる。従って、例えば、タグ装置20Fが、第1の周波数を有する信号、及び、第2の周波数を有する信号のそれぞれを送信する場合よりも、タグ装置20Fが消費する電力の量を抑制できる。
なお、搬送波が第1の周波数を有する信号の送信と、搬送波が第2の周波数を有する信号の送信と、のうちの一方のみが所定の閾値時間以上に亘って継続した場合、タグ装置20Fは、タグ装置20Fが生体の内部に位置するか否かの検出と、検出の結果に基づく周波数の制御と、を再び実行してもよい。
これによれば、タグ装置20Fが生体の内部と生体の外部との間で移動した場合であっても、リーダ装置10Eは、タグ装置20Fが有するアンテナ210を介して、タグ装置20Fと通信できる。
なお、無線通信システム1は、リーダ装置10Eが、第1の周波数の信号及び第2の周波数の信号の、受信の待機を開始する前に、タグ装置20Fが、生体の内部に位置するか否かの検出、及び、第1の周波数の信号又は第2の周波数の信号の送信を開始してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。