JP6665613B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、バスレフ構造のスピーカ装置に関する。
バスレフポートとは、スピーカユニットから前面に音圧が放出される際、エンクロージャ内部にユニット背面から放射された逆相の音圧を、エンクロージャ内部に閉じ込められた空気のバネとポート内部の空気の質量の共振(ヘルムホルツ共鳴)によって位相を反転させ、エンクロージャ外部に放出する管体である。
ここで、バスレフポートの共振周波数は、エンクロージャ内部に閉じ込められた空気のバネとポート内部の空気の質量によって一義的に決まる。しかし、バスレフポートの断面積を変えるとポートから見た空気のバネが変化する。何故ならば、エンクロージャ内壁には単位面積当たり一定の圧力が掛かるため、ポート内に開口する断面積が大きければ大きな圧力が開口に掛かるため、エンクロージャ内の空気はポートからは強い空気バネと見え、ポート内に開口する断面積が小さければエンクロージャ内の空気は弱い空気バネと見えることになるからである。
バスレフポートの共振周波数を一定にするためには、(ポート内部の空気の質量)/(エンクロージャ内部に閉じ込められた空気のバネ)を一定にする必要がある。このため、例えばバスレフポートの断面積が2倍となれば、バネが2倍の強さとなるため、共振周波数を同じにする場合には空気の質量を2倍としなければならない。そして、ポート長を2倍にすれば、バスレフポート内の空気の容積が2倍となるため、共振周波数が維持される。同様に断面積を小さくする場合には、ポート長を短くすることにより同一の共振周波数を維持することができる。このようにしてバスレフポートは共振周波数を維持しながら変形することが可能である。
ところで、バスレフポートでは、その内部において空気柱が振動するが、その出入り口付近においてバスレフポート外部の空気も一緒に振動する。通常用いられる真円のバスレフポートにおいては半径の6割程度の距離までの外部の空気がポート内の気柱と共に振動するとされている。例えて説明すると、バスレフポート内部の空気柱は、バスレフポートというシリンダにバスレフポートよりも少し長い空気のピストンがはまっているように振動し、このピストンの端面を振動板として外部に空気の粗密波(音波)が生ずるために音圧が発生するのである。ここで、空気のピストンの端面はポートの外側に有るためポート開口部にグリルやパンチングメタルなどの空気抵抗を持った障害物を設けると空気のピストンの動きを阻害し、バスレフポートの音響特性が低下する。
また、空気はバスレフポートに吸い込まれる時には全方向から吸引されるが、吐き出される時には一方向に直進する性質があるため、吐き出し時にはポート外部に突き出た気柱が外部の空気を巻き込んで渦輪の空気流を形成する。この渦輪は一旦形成されると空気抵抗が非常に小さくなる。このため、渦輪の空気流は、自然に拡散して消滅するまでに遠くまで達し、途中で障害物にぶつかって障害物を振動させ、あるいは乱流を生じさせて雑音を発生させる。
また、バスレフポートから発生する空気流は、エンクロージャ外部開口のみでなく内部開口でも発生するため、内部開口の延長線上にスピーカユニットを配置すると振動板を裏から空気流が叩くため大きな雑音が発生する。
また、バスレフポートのエンクロージャ内部の開口がエンクロージャ壁に近接すると、開口からの空気流がエンクロージャ壁を振動させ、あるいは乱流を生じさせることにより、エンクロージャ内部で雑音を発生させる。このエンクロージャ内部で発生した雑音の一部は、スピーカユニットの振動板を通じて外部に放出されるため再生音に濁りや歪みが生じる。
そこで、特許文献1は、一定の開口断面積を有する管状体である主管部と、この主管部の長手方向両側の空気整流器とを有するバスレフポートを提案している。ここで、空気整流器は、中空断面の一方向の長さが軸方向に沿って変化しない一定寸法で、かつ中空断面積が最も小さくなる箇所から一方の開口側に近くなるほど連続的に面積変化率が大きくなる形状を有している。
この特許文献1に記載のバスレフポートによれば、主管部で振動する空気柱のピストンの先端は空気整流器の中にあり、発生しようとする渦輪の空気流は、空気整流器中で拡散して消滅するため、空気整流器の開口部からは空気の粗密波(音波)だけが放出される。このバスレフポートでは、空気整流器の開口部にグリルやパンチングメタルを設置しても、雑音の発生やバスレフポートの音響特性の劣化が起きない。このため、エンクロージャ内部開口をスピーカユニット背面間近に配置することや、エンクロージャ内部開口をエンクロージャ壁に近接して配置することが可能である。
特許第5435083号
さて、平坦な周波数電圧特性の駆動回路を用いて平坦な周波数音圧特性を得るための音響設計では、スピーカユニットの固有のパラメータに応じた必要十分な容積が存在し、この容積に満たない場合には平坦な周波数特性が得られなかった。しかし、近年、デジタル信号処理やソフトウエアでの処理により簡単に駆動周波数電圧特性を変えて所望の周波数音圧特性を得ることが可能となったため、エンクロージャは少しでも小型化することが望まれるようになってきている。このため、エンクロージャの奥行きは、スピーカユニットの背面がエンクロージャの内壁にかなり接近する所まで狭められることがある。
しかしながら、特許文献1に開示のバスレフポートは、多くの利点を有するものの、通常のバスレフポートの両端に空気整流器を持つ構造のため、同じ共振周波数の円筒ポートに比べて長さおよび幅が大きくなる。
ここで、エンクロージャの形状が細長く、スピーカユニットがエンクロージャの端に位置する構成のスピーカ装置の場合、特許文献1のバスレフポートの形状は、エンクロージャ内部へ収まりが良く、円筒ポートを使用する場合に比べて特にエンクロージャが大きくなることはない。しかし、スピーカユニットが取り付けられるバッフルの形状が正方形のエンクロージャなどの場合に、特許文献1に記載のバスレフポートは収まりが悪く空間の利用率が悪いため、エンクロージャが大型化し易かった。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、バスレフポートのエンクロージャへの収まりがよく、エンクロージャを小型化することが可能なスピーカ装置を提供することを目的としている。
この発明は、スピーカユニットを支持するエンクロージャと、前記エンクロージャ内部において前記スピーカユニットと前記エンクロージャの内壁との間に配置された中空管体形状のバスレフポートであって、前記バスレフポートにおける前記スピーカユニットの反対側の側面は前記内壁に沿って直線に延びており、前記バスレフポートにおける前記スピーカユニット側の側面は、前記スピーカユニットの外周面に沿って曲がった湾曲形状をなすバスレフポートとを具備することを特徴とするスピーカ装置を提供する。
このスピーカ装置によれば、エンクロージャの内壁とスピーカユニットの外周との隙間を満たすようにバスレフポートを収容することができるのでエンクロージャを小型化することができる。
この発明の第1実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 図1のI−I’線断面図である。 同スピーカ装置におけるバスレフポートの構成を示す斜視図である。 この発明の第2実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 図4のI−I’線断面図である。 この発明の第3実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 この発明の第4実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図および断面図である。 この発明の第5実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図および断面図である。 この発明の第6実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図および断面図である。 この発明の第7実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図および断面図である。 この発明の第8実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 この発明の第9実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 この発明の第10実施形態であるスピーカ装置の構成を示す正面図である。 この発明の第11実施形態であるスピーカ装置の構成を示す組み立て図である。 この発明の他の実施形態におけるスペーサの構成例を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるスピーカ装置1_1の構成を示す正面図である。また、図2は図1のI−I’線断面図である。また、図3は図1におけるバスレフポート10の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態によるスピーカ装置1_1は、エンクロージャ11にスピーカユニットSP、バスレフポート10が設置され、バスレフポート用開口部18が形成された構成となっている。
図1および図2に示すように、エンクロージャ11は、互いに主面が平行な壁部12および13の対と、壁部14および15の対と、壁部16および17の対とを有し、直方体形状をなしている。以下では、便宜上、壁部16および17を結ぶ方向をX方向、壁部14および15を結ぶ方向をY方向、壁部12および13を結ぶ方向をZ方向と称する。
壁部12は、スピーカユニットSPが設置されるとともに、バスレフポート用開口部18が形成されており、バッフル板として機能する。スピーカユニットSPは、図2に示すように、ダイヤフラム等からなる振動部SP_Vと、振動部SP_Vに対する駆動力を得るための磁界を発生するマグネットSP_Mを有する。ここで、スピーカユニットSPの振動部SP_Vは、壁部12の略中央に支持され、バスレフポート用開口部18は、壁部12の壁部15付近に形成されている。エンクロージャ11の内側の壁部12および壁部16の近傍には、バスレフポート10が配置されている。図3に示すように、バスレフポート10は、接続空間部19を介してバスレフポート用開口部18に接続されている。
図1〜図3に示すように、バスレフポート10は、壁部10A、10B、10C、10Dにより囲まれ、両端が開口した1本の中空の管体であり、中央の主管部100と、この主管部100の長手方向両側の空気整流器101および102に区分することができる。このバスレフポート10の壁部10Aは、エンクロージャ11内の壁部12の内面に固定され、壁部10Bはエンクロージャ11内の壁部16と平行であり、同壁部16と隙間を挟んで対向している。
主管部100は、Y方向に垂直な断面形状が長方形であり、かつ、当該長方形のX方向の寸法(すなわち、壁部10Bおよび10D間の寸法)およびZ方向の寸法(すなわち、壁部10Aおよび10C間の寸法)がY方向の各位置において一定である。この主管部100の長さおよび中空断面積は、スピーカ装置1_1として増強したい低音の周波数に基づいて設定される。また、主管部100は、スピーカユニットSPの有効面積よりも小さな一定の中空断面積を有する。
空気整流器101および102は、Y方向に垂直な断面の形状が長方形である。空気整流器101および102の断面のZ方向の寸法(すなわち、壁部10Aおよび10C間の寸法)は、主管部100の断面のZ方向の寸法と同じであり、Y方向の位置によらず一定である。空気整流器101および102の断面のX方向の寸法(すなわち、壁部10Bおよび10D間の寸法)は、主管部100側から壁部15側および壁部14側に向かうに従って増加している。
さらに詳述すると、主管部100、空気整流器101および102の壁部16側の壁部10Bは、Y方向およびZ方向に連続した平面であり、隙間を挟んで壁部16と平行に対向している。一方、空気整流器101および102の壁部16と反対側の壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPの振動部SP_Vの外周面に沿って湾曲している。すなわち、振動部SP_Vの外周面は、振動部SP_VのY方向中央から壁部15側および壁部14側に向かうのに従って振動部SP_VのX方向中央に向けて退行するが、これに応じて空気整流器101および102の壁部10Dは振動部SP_VのX方向中央に向けて張り出している。
このように空気整流器101および102は、主管部100側から離れるに従って、Z方向の中空断面の寸法を変化させることなく、徐々に中空断面積が大きくなる形状となっている。好ましい態様において、空気整流器101および102の壁部10Dと壁部10Bとの間の距離は、壁部15側および壁部14側に進むに従って指数関数に準じて変化する。
空気整流器102の壁部14側の開口端は、隙間を挟んで壁部14と対向している。空気整流器101は、図3に示すように、壁部15側の開口端において中空の直方体形状の接続空間部19と繋がっている。ここで、空気整流器101内の空間と接続空間部19内の空間は連続した空間となっている。接続空間部19における壁部10Aには、バスレフポート用開口部18と対向する開口部18’が形成されている。空気整流器101内の空間は、この接続空間部19およびバスレフポート用開口部18を介して、スピーカ装置1_1の外部の空間と連通している。
以上がスピーカ装置1_1の構成である。
このようなスピーカ装置1_1によれば、スピーカユニットSPが振動することにより次の動作が生じる。まず、空気整流器102の壁部14側開口端は、主管部100と比較して中空断面積が大幅に大きい。このため、空気整流器102のスピーカユニットSP側開口端では、吸気流速が非常に低くなり、当該開口端での乱流が殆ど発生しない。
また、空気整流器102の中空断面積は、空気の進行方向に沿って滑らかに小さくなるので、空気整流器102を通過中も乱流が発生しない。
さらに、空気整流器102と主管部100との接続部では、断面中空形状が滑らかに変化している。これにより、主管部100に至って空気の流速が増しても、空気整流器102から主管部100への流入時の乱流も発生しない。このように、空気整流器102は、吸気時の乱流を大幅に抑制し、これに基づく雑音の発生を大幅に抑制することができる。
主管部100は、スピーカユニットSPの有効面積よりも小さな一定の中空断面積を有する。主管部100は、空気整流器102から流入された空気を所定の流速で流し、空気整流器101へ出力する。この際、主管部100が長手方向に一定の中空断面形状を有しているので主管部100内では乱流が発生しない。これにより、主管部100は、乱流を発生することなく、所望の周波数でのヘルムホルツ共振を励起することができる。
主管部100と空気整流器101との接続部では、中空断面形状が滑らかに変化する。
これにより、主管部100から空気整流器101へ流入される空気は、空気整流器101の内壁に沿って流入する。
空気整流器101は、中空断面積が空気の進行方向に沿って指数関数値に準じて滑らかに大きくなる。しかしながら、壁部10Aと壁部10Cとの間隔が一定であるので、空気整流器101内では、壁部10Aおよび壁部10C方向へ拡散しようとする空気に対して、壁部10Aおよび壁部10Cから圧力が加わり続ける。このため、空気は、互いの距離が徐々に離間する壁部10Bと壁部10Dとの方向へ広がり、壁部10B、壁部10Dからも圧力を受け続ける。すなわち、空気整流器101内を流れる空気は、常に壁部10A〜10Dの影響を受け続け、中空断面全体に拡がりながら流れる。
このように、中空断面全体に拡がりながら流れる空気に対して、空気整流器101では、徐々にその断面積が大きくなるので、流速は徐々に低下する。そして、空気整流器101の接続空間部19側の開口端に達すると、当該開口端の断面積がスピーカユニットSPに相当する大きさまで達するので、流速は十分に低下する。すなわち、空気整流器101からの排気の流速が主管部100と比較して大幅に低くなる。
このように流速の低下した空気は、接続空間部19を介してバスレフポート用開口部18から外部へ排気される。したがって、バスレフポート用開口部18からは、バスレフポートにより増幅された低音成分が放音される。この際、バスレフポート10(空気整流器101)からの排気流速が低いので、接続空間部19により放音方向が90°曲げられても、バスレフポート10から排気された空気が接続空間部19を緩やかに流れ、接続空間部19の壁部に高速で衝突して雑音を発生することがない。
なお、バスレフポートは両開口面から吸排気を交互に行うことで動作するものであり、バスレフポート用開口部18から接続空間部19を介して空気整流器101から吸気が行われ、空気整流器102から排気が行われるという動作も存在する。この場合、上述の空気整流器102の吸気動作を空気整流器101が行い、上述の空気整流器101の排気動作を空気整流器102が行う。
ここで、空気整流器101と空気整流器102とは同じ構造であるので、バスレフポート用開口部18から吸気する場合であっても、上述のように吸気時の乱流発生を抑制するとともに、排気流速を低減させることができる。そして、この場合、排気された空気はスピーカユニットSP方向へ進行するが、排気流速が遅いので、当該排気によりスピーカユニットSPの振動板が振動する等の原因で発生する可能性のある雑音を抑制することができる。
以上のように、本実施形態によるスピーカ装置1_1は、エンクロージャ11の壁部16とスピーカユニットSPの外周との隙間を満たす形状のバスレフポート10を同隙間に配置してなるものであるので、当該バスレフポート10を収容するエンクロージャ11を小型化することができるという効果がある。また、本実施形態によれば、バスレフポート10において主管部100の両側に空気整流器101および102を設けたので、バスレフポート10に起因する雑音の発生を抑制するスピーカ装置1_1を簡単な構造で実現することができる。
また、本実施形態によれば、空気整流器101と接続空間部19とを介して主管部100とバスレフポート用開口部18とを接続したので、主管部100の中心軸と異なる方向(図3の例では90°異なる方向)に開口したバスレフポート用開口部18を設けることができる。以下、この効果について説明する。
まず、通常の円筒バスレフポートでは、ポート直径の3倍以上の半径で曲げないとバスレフポートの特性に影響を与えるので、バスレフポートを急激に曲げることができない。ここで、スピーカユニットの動作軸と同じ方向にバスレフポートの軸を配置し、スピーカユニットとバスレフポートの放音方向を揃えようとすると、バスレフポートを小さな奥行きのエンクロージャに収めるため、ポート長を短くせざるを得ない。しかし、バスレフポートのポート長を短くして共振周波数を低く設定するためには、バスレフポートの径を細くせざるを得ない。しかし、バスレフポートの径を細くすると、バスレフポート内の空気流速が増加し、気流抵抗が増加してバスレフポートの音響特性が劣化する問題、空気流の噴出が顕著となって放音方向に居る視聴者が風を感じる問題、空気流がスピーカユニットの保護のために設けたグリル等に当たってノイズが発生する問題が発生する。
しかしながら、本実施形態によれば、空気整流器101と接続空間部19とを介して主管部100とバスレフポート用開口部18とを接続したので、主管部100の中心軸に対して90°の角度をなす方向に開口するバスレフポート用開口部18を設けても、バスレフポート10の効率の低下やノイズの発生がない。
従って、本実施形態のようにスピーカユニットSPの放音軸と垂直な面方向にバスレフポート10の軸を配置した場合においても、バスレフポート10からの音をバスレフポート用開口部18に設けた接続空間部19で急激に方向を変え、バッフル面から放音することで、バスレフポート10のポート長を長くするように配置することが可能となり、結果として主管部100の径を太くすることができるため、主管部100内の空気流速の増加や空気抵抗を低く抑えることが可能である。
<第2実施形態>
ごく一般なスピーカユニットはフェライトマグネットを用いたダイナミック形であり、円形または楕円形や長円の振動板を備え、振動板の後方にドーナツ状のフェライトマグネットが搭載されている。マグネットの容積と諸性能はほぼ比例するため、オーディオ用途のスピーカユニットの場合には大きなマグネットが使用される傾向にある。特に大きな駆動力が必要とされる低音再生用のウーハの場合、振動板の口径と同程度の直径のマグネットが使われることさえある。
以下、このような大口径のマグネットを有するスピーカユニットを備えたスピーカ装置への本発明の適用例を説明する。
図4は、この発明の第2実施形態であるスピーカ装置1_2の構成を示す正面図である。また、図5は図4のI−I’線断面図である。なお、これらの図において、上記第1実施形態(図1〜図3)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
本実施形態において、バスレフポート10の壁部10Cが、エンクロージャ11におけるスピーカユニットSPの背後の壁部13に固定されている。また、上記第1実施形態と同様、バスレフポート10の壁部10Bは、エンクロージャ11の壁部16の近傍に位置している。そして、バスレフポート10の壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPのマグネットSP_Mの外周に沿って湾曲している。上記第1実施形態と同様、バスレフポート用開口部18は、エンクロージャ11の壁部12の壁部15寄りの位置に形成されている。バスレフポート10の壁部15側の開口端は、上記第1実施形態のものと同様な接続空間部19を介してバスレフポート用開口部18に接続されている。
本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。上記第1実施形態と本実施形態のいずれを採用するかは、スピーカユニットSPの振動部SP_VおよびマグネットSP_Mの各々とエンクロージャ11の壁部16との間の空間の形状および広さに基づいて選択すればよい。
<第3実施形態>
図6は、この発明の第3実施形態であるスピーカ装置1_3の構成を示す正面図である。なお、この図において、上記第1実施形態(図1〜図3)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
本実施形態において、バスレフポート10_1は、上記第1実施形態のバスレフポート10と同様な形状を有しているが、開口断面積はバスレフポート10の半分である。そして、バスレフポート10_2は、スピーカユニットSPの中心を通過する平面を基準としてバスレフポート10_1を鏡像反転した構成を有している。
バスレフポート10_1および10_2は、上記第1実施形態のバスレフポート10と同様な壁部10A、10B、10Cおよび10D(ただし、図6では、壁部10Cの図示が省略されている。)により囲まれている。
バスレフポート10_1の壁部10Aは、エンクロージャ11内の壁部12の内面に固定されている。また、バスレフポート10_1の壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部16の内面近傍に位置している。そして、バスレフポート10_1の壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPの振動部SP_Vの外周に沿って湾曲している。
一方、バスレフポート10_2の壁部10Aは、エンクロージャ11内の壁部12の内面に固定されている。また、バスレフポート10_2の壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部17の内面近傍に位置している。そして、バスレフポート10_2の壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPの振動部SP_Vの外周に沿って湾曲している。
また、エンクロージャ11の壁部12の壁部15寄りの位置には、バスレフポート用開口部18_1および18_2が形成されている。これらのバスレフポート用開口部18_1および18_2は、各々上記第1実施形態のものと同様な2つの接続空間部19_1および19_2を介してバスレフポート10_1および10_2の壁部15側の各開口端に各々接続されている。
本実施形態では、2本のバスレフポート10_1および10_2が上記第1実施形態の1本のバスレフポート10としての効果を発生する。従って、本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態の2本のバスレフポート10_1および10_2は、開口断面積が上記第1実施形態のバスレフポート10の半分であり、その分、設置するためのスペースが少なくて済む。従って、本実施形態によれば、上記第1実施形態よりもさらにエンクロージャ11を小型化することができるという効果が得られる。
<第4実施形態>
図7(a)は、この発明の第4実施形態であるスピーカ装置1_4の構成を示す正面図、図7(b)は図7(a)のIa−Ia’線断面図である。なお、これらの図において、上記第3実施形態(図6)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
本実施形態および後述する第5〜第7実施形態による各スピーカ装置は、2個のバスレフポートと、これらのバスレフポートの共用の接続空間部およびバスレフポート用開口部を有する。
オーディオ用のスピーカ装置の場合、音質の観点からバスレフポートを視聴者側に向けて開口する場合と反対側に向ける場合がある。本実施形態および後述する第6実施形態は、バスレフポートを視聴者に向けて開口する形態であり、後述する第5および第7実施形態は反対側に向けて開口する形態である。
図7(a)および(b)において、バスレフポート10_1aは、上記第3実施形態のバスレフポート10_1に相当するものである。このバスレフポート10_1aでは、エンクロージャ11の壁部12が上記第3実施形態のバスレフポート10_1の壁部10Aに相当する壁部を兼ねている。他の点は、上記第3実施形態のバスレフポート10_1と同様である。バスレフポート10_2aは、スピーカユニットSPの中心を通過する平面を基準としてバスレフポート10_1aを鏡像反転した構成を有している。
上記第3実施形態のバスレフポート10_1および10_2と同様、バスレフポート10_1aの壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部16に平行であり、同壁部16と隙間を挟んで対向し、バスレフポート10_2aの壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部17と平行であり、同壁部17と隙間を挟んで対向している。そして、バスレフポート10_1aの壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPの振動部SP_Vの外周に沿って湾曲し、バスレフポート10_1bの壁部10Dも、同振動部SP_Vの外周に沿って湾曲している。
エンクロージャ11の壁部12の壁部15寄りの位置には、壁部12のX方向のほぼ全長に亙る両バスレフポート兼用開口部18aが形成されている。この両バスレフポート兼用開口部18aは、X方向の幅がこの両バスレフポート兼用開口部18aと同程度である直方体形状の両バスレフポート兼用接続空間部19aを介してバスレフポート10_1aおよび10_2aの壁部15側の各開口端に各々接続されている。
本実施形態においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。
<第5実施形態>
図8(a)は、この発明の第5実施形態であるスピーカ装置1_5の構成を示す正面図、図8(b)は図8(a)のIa−Ia’線断面図である。なお、これらの図において、上記第4実施形態(図7)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
図8(a)および(b)において、バスレフポート10_1aおよび10_2aは、上記第4実施形態のバスレフポート10_1aおよび10_2aと同様である。
本実施形態では、エンクロージャ11の壁部13の壁部15寄りの位置に、壁部13のX方向のほぼ全長に亙る両バスレフポート兼用開口部18bが形成されている。この両バスレフポート兼用開口部18bは、X方向の幅がこの両バスレフポート兼用開口部18bと同程度である直方体形状の両バスレフポート兼用接続空間部19bを介してバスレフポート10_1aおよび10_2aの壁部15側の各開口端に各々接続されている。
本実施形態においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態では、バッフル板の反対側の壁部から後方に向けてバスレフポート10_1aおよび10_2aからの音を放音することができる。
<第6実施形態>
図9(a)は、この発明の第6実施形態であるスピーカ装置1_6の構成を示す正面図、図9(b)は図9(a)のIa−Ia’線断面図である。なお、これらの図において、上記第4実施形態(図7)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
図9(a)および(b)において、バスレフポート10_1cは、上記第3実施形態のバスレフポート10_1に相当するものである。このバスレフポート10_1cでは、エンクロージャ11の壁部13が上記第3実施形態のバスレフポート10_1の壁部10Cに相当する壁部を兼ねている。他の点は、上記第3実施形態のバスレフポート10_1と同様である。バスレフポート10_2cは、スピーカユニットSPの中心を通過する平面を基準としてバスレフポート10_1cを鏡像反転した構成を有している。
バスレフポート10_1cの壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部16の内面近傍に位置し、バスレフポート10_2cの壁部10Bは、エンクロージャ11内の壁部17の内面近傍に位置している。そして、バスレフポート10_1cの壁部10Dは、円筒状をなすスピーカユニットSPのマグネットSP_Mの外周に沿って湾曲し、バスレフポート10_2cの壁部10Dも、同マグネットSP_Mの外周に沿って湾曲している。
上記第4実施形態(図7)と同様、エンクロージャ11の壁部12の壁部15寄りの位置には、壁部12のX方向のほぼ全長に亙る両バスレフポート兼用開口部18aが形成されている。この両バスレフポート兼用開口部18aは、X方向の幅がこの両バスレフポート兼用開口部18aと同程度である直方体形状の両バスレフポート兼用接続空間部19cを介してバスレフポート10_1cおよび10_2cの壁部15側の各開口端に各々接続されている。
本実施形態においても上記第3実施形態と同様な効果が得られる。
<第7実施形態>
図10(a)は、この発明の第7実施形態であるスピーカ装置1_7の構成を示す正面図、図10(b)は図10(a)のIa−Ia’線断面図である。なお、これらの図において、上記第6実施形態(図9)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
上記第6実施形態では、エンクロージャ11の壁部12の壁部15寄りの位置に、壁部12のX方向のほぼ全長に亙る両バスレフポート兼用開口部18aが形成されていた。
これに対し、本実施形態では、この両バスレフポート兼用開口部18aが形成されておらず、エンクロージャ11の壁部13の壁部15寄りの位置に、壁部13のX方向のほぼ全長に亙る両バスレフポート兼用開口部18bが形成されている。この両バスレフポート兼用開口部18bは、X方向の幅がこの両バスレフポート兼用開口部18bと同程度である直方体形状の両バスレフポート兼用接続空間部19dを介してバスレフポート10_1cおよび10_2cの壁部15側の各開口端に各々接続されている。他の点は上記第6実施形態と同様である。
本実施形態においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態では、バッフル板の反対側の壁部から後方に向けてバルレフポート10_1cおよび10_2cからの音を放音することができる。
<第8実施形態>
図11は、この発明の第8実施形態であるスピーカ装置1_8の構成を示す正面図である。なお、これらの図において、上記第3実施形態(図6)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
上記第3実施形態(図6)では、バスレフポート用開口部18_1および18_2が、エンクロージャ11のバッフル板においてバスレフポート10_1および10_2の同じ側の各開口端の近傍の各位置に形成されていた。
これに対し、本実施形態では、図11に示すように、エンクロージャ11のバッフル板においてバスレフポート10_1および10_2の互いに反対側の各開口端の近傍の各位置にバスレフポート用開口部18_1および18_2が形成されている。そして、接続空間部19_1および19_2は、バスレフポート10_1および10_2の互いに反対側の各開口端の近傍の空間をバスレフポート用開口部18_1および18_2に各々接続する。
本実施形態においても上記第3実施形態と同様な効果が得られる。
<第9実施形態>
図12は、この発明の第9実施形態であるスピーカ装置1_9の構成を示す正面図である。なお、これらの図において、上記第1実施形態(図1〜図3)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
本実施形態において、エンクロージャ11の内部は、第1の空間11Aと、第2の空間11Bと、第1の空間11Aおよび第2の空間11Bに挟まれ、かつ、バスレフポート用開口部18を有する接続空間部11Cに区切られている。ここで、接続空間部11Cのバスレフポート用開口部18はエンクロージャ11のバッフル板に形成されている。
エンクロージャ11は、第1の空間11A内にスピーカユニットSP_Aを収容して支持する。また、エンクロージャ11は、第2の空間11A内にスピーカユニットSP_Bを収容して支持する。
バスレフポート10_1および10_2は、上記第1実施形態のバスレフポート10と同様な構成を有する。そして、バスレフポート10_1は、第1の空間11Aの内壁11A1とスピーカユニットSP_Aとの間に配置された中空管体形状のバスレフポートである。このバスレフポート10_1の壁部10Bは、第1の空間11A内の内壁11A1に平行であり、かつ、同内壁11A1と隙間を挟んで対向している。また、バスレフポート10_1の壁部11Dは、スピーカユニットSP_Aの外周面に沿って湾曲している。そして、バスレフポート10_1は、一方の開口端が接続空間部11Cに連通している。
また、バスレフポート10_2は、第2の空間11Bの内壁11B2とスピーカユニットSP_Bとの間に配置された中空管体形状のバスレフポートである。このバスレフポート10_2の壁部10Bは内壁11B2と平行に直線的に延びている。ここで、内壁11B2は、エンクロージャ11において内壁11A1と反対側の内壁である。また、バスレフポート10_2の壁部10Dは、スピーカユニットSP_Bの外周面に沿って湾曲している。そして、バスレフポート10_2は、一方の開口端が接続空間部11Cに連通している。
以下、本実施形態の効果を説明する。一般にスピーカ装置の発生可能な音量は、スピーカユニットの有効振動板面積×ストローク量に比例する。ここで、ストローク量を増やすことは歪みの増加を招きやすい。そこで、音質を維持して音量を増加させる場合には、スピーカユニットの振動板面積を増加させることが有効である。この際、スピーカユニットの口径を増加させれば振動板面積は増加するが、スピーカ装置の特性を維持したままスピーカユニットの口径を増加させるにはエンクロージャの容積を振動板の半径の4乗に比例させて増加させる必要があることが知られている。すなわち、半径を1.4倍にすれば振動板面積は2倍になるが、エンクロージャの容積は4倍が必要となる。しかし、スピーカユニットの振動板面積を2倍にする代わりに、同じスピーカユニットの使用個数を2個にする場合には、エンクロージャの容積は2倍にすれば済む。このため、エンクロージャの総容積を大きくすることが困難であり、かつ、音量を大きくすることが必要な場合、スピーカユニットの本数を増やすことが一般に行われる。
ここで、2本のスピーカユニットを背面容積を共通とする1つのエンクロージャに取り付け、複数のバスレフポートがエンクロージャに取り付けられたスピーカ装置の場合、バスレフポートが何本であってもそのバスレフ共振周波数は全てのバスレフポート内部の空気の質量の総和とエンクロージャ内部の空気バネ定数で決まる1つの周波数となる。
しかしながら、2本のユニットの最低共振周波数が違っていると、ユニットの最低共振周波数では機械的に振動板が動きやすくなるため、駆動電圧に対して振動板の振幅が増えるのみでなく、エンクロージャ内部の圧力変化に対しても振動板の振幅が増える。このため、一方のスピーカユニットが正面に発した音波と逆相の音波をエンクロージャ内部に発すると、他方のスピーカユニットの振動板の振幅がこの逆相の音波の影響を受け、この逆相の音波を当該スピーカユニットの正面に発する。この音波により一方のスピーカユニットが正面に発した音波が打ち消され、スピーカ装置の周波数特性に凹みを生じる。このため、特に接着剤の塗布量やエッジの硬さのばらつきなどの機械的誤差要因の影響が出やすい小口径のスピーカユニットを用いた小型スピーカ装置では周波数特性に暴れを生じやすくなる。
これに対し、本実施形態では、エンクロージャ11内部がスピーカユニットSP_Aを収容する第1の空間11AとスピーカユニットSP_Bを収容する第2の空間11Bに区切られているので、スピーカユニットSP_AおよびSP_Bの相互の影響をなくしている。従って、スピーカ装置1_9全体として最低共振周波数が異なるスピーカユニットSP_AおよびSP_Bを用いた際の個体差に起因する周波数特性の暴れを抑えることができる。
また、本実施形態では、エンクロージャ11の第1の空間11Aに設置されたバスレフポート10_1からの音と第2の空間11Bに設置されたバスレフポート10_2からの音を中央の接続空間部11Cに集め、エンクロージャ11のバッフル板に形成されたバスレフポート用開口部18から放音する。従って、本実施形態によれば、各バスレフポート10_1および10_2からの音をスピーカユニットSP_AおよびSP_Bの放音方向に放音することが可能である。
<第10実施形態>
図13は、この発明の第10実施形態であるスピーカ装置1_10の構成を示す正面図である。なお、この図において、上記第9実施形態(図12)において示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、その説明を省略する。
本実施形態によるスピーカ装置1_10は、上記第9実施形態によるスピーカ装置1_9に対し、バスレフポート10_3および10_4を追加した構成となっている。このバスレフポート10_3および10_4は、バスレフポート10_1および10_2と同様な構成を有する。
バスレフポート10_3は、第1の空間11Aの内壁11A2とスピーカユニットSP_Aとの間に配置されている。ここで、内壁11A2は、エンクロージャ11において内壁11A1の反対側の内壁である。このバスレフポート10_3の壁部10Bは、内壁11A2に平行である。また、バスレフポート10_3の壁部10Dは、スピーカユニットSP_Aの外周面に沿って湾曲している。そして、バスレフポート10_3は、一方の開口端が接続空間部11Cに連通している。
また、バスレフポート10_4は、第2の空間11Bの内壁11B1とスピーカユニットSP_Bとの間に配置されている。このバスレフポート10_4の壁部10Bは、内壁11B1に平行である。ここで、内壁11B1は、エンクロージャ11において内壁11B2と反対側の内壁である。また、バスレフポート10_4の壁部10Dは、スピーカユニットSP_Bの外周面に沿って湾曲している。そして、バスレフポート10_4は、一方の開口端が接続空間部11Cに連通している。
本実施形態では、第1の空間11A内のバスレフポート10_1と第2の空間11B内のバスレフポート10_4が接続空間部11Cを挟んで対向し、第1の空間11A内のバスレフポート10_3と第2の空間11B内のバスレフポート10_2が接続空間部11Cを挟んで対向する。しかしながら、上記第1実施形態において説明したように、バスレフポート10_1〜10_4は、各々と接続空間部11Cとの間に空気整流器を有している。この空気整流器の作用により、バスレフポート10_1〜10_4の開口端では、噴流が生じないため、バスレフポート10_1〜10_4を対向させてもノイズを発生せず高品位な低音再生が可能である。
<第11実施形態>
図14はこの発明の第11実施形態によるスピーカ装置1_11の製造過程を示す組立図である。このスピーカ装置1_11は、例えば上記第10実施形態のスピーカ装置1_10(図13参照)の接続空間部11Cの左側の部分に相当する装置である。このスピーカ装置1_11を2個製造し、接続空間部11Cを間に挟んで接続すると、上記第10実施形態のスピーカ装置1_10が完成する。
本実施形態によるスピーカ装置1_11は、箱部31、スペーサ32、ポート天板33およびバッフル板34と、振動部SP_VおよびマグネットSP_MからなるスピーカユニットSPにより構成される。
箱部31は、長方形状の底板31Bと、この底板31Bの各辺から底板31Bに対して垂直に起立した側板31N、31W、31Sおよび31Eにより構成されている。ここで、1枚の側板31Eの底板31B寄りの位置には長方形形状の開口315および316が形成されている。この開口315および316は、箱部31内の空間を前掲図13の接続空間部11Cに連通させるためのものである。
この箱部31の底板31Bの略中央にスペーサ32が固定される。このスペーサ32には、スピーカユニットSPのマグネットSP_Mを収容するための開口32aが形成されている。この開口32aの口径は、マグネットSP_Mの外形より大きく設定される。開口32aとマグネットSP_Mの隙間は、エンクロージャの内容積として働くので、スピーカシステムの性能のためには隙間は可能な限り大きいことが望ましい。また、このスペーサ32を囲う側面部は、互いに平行な平面部32Nおよび32Sと、これらと直交し、かつ、互いに平行な平面部32Wおよび32Eと、平面部32Nおよび32W間を滑らかに接続する曲面部32NWと、平面部32Wおよび32S間を滑らかに接続する曲面部32SWと、平面部32Sおよび32E間を滑らかに接続する曲面部32SEと、平面部32Eおよび32N間を滑らかに接続する曲面部32NEとからなる。ここで、曲面部32NW、32SW、32SEおよび32NEは、外側に膨らんだ曲面形状をなしている。好ましい態様において、曲面部32NWおよび32NEは、平面部32Nの延長方向に沿って平面部32Nから離れるに従い、平面部32Nの延長面からの距離が指数関数に準じて変化する。同様に、曲面部32SWおよび32SEは、平面部32Sの延長方向に沿って平面部32Sから離れるに従い、平面部32Sの延長面からの距離が指数関数に準じて変化する。
ポート天板33は、箱部31の側板31N、31W、31Sおよび31E内の空間に丁度収まる大きさの長方形の板であり、スペーサ32の上に配置される。このポート天板33は、スピーカユニットSPのマグネットSP_Mを収容するための開口33aが形成されている。スペーサ32は、底板31Bに固定される際に、その開口32aがポート天板33の開口33aと同じ位置になるように位置決めされる。
ポート天板33がスペーサ32の上に固定されると、2つのバスレフポートが構成される。1つは、ポート天板33と箱部31の底板31Bとにより上下方向から挟まれ、かつ、箱部31の側板31Sとスペーサ32の平面部32S、曲面部32SWおよび32SEとにより水平方向から挟まれた第1のバスレフポートである。このバスレフポートにおいて、平面部32Sに面した空間が主管部内の空間であり、曲面部32SWおよび32SEに面した各空間が2個の空気整流器内の各空間である。この第1のバスレフポート内の空間は、開口315を介して接続空間部と連通する(図13参照)。
もう1つは、ポート天板33と箱部31の底板31Bとにより上下方向から挟まれ、かつ、箱部31の側板31Nとスペーサ32の平面部32N、曲面部32NWおよび32NEとにより水平方向から挟まれた第2のバスレフポートである。このバスレフポートにおいて、平面部32Nに面した空間が主管部内の空間であり、曲面部32NWおよび32NEに面した各空間が2個の空気整流器内の各空間である。この第2のバスレフポート内の空間は、開口316を介して接続空間部と連通する(図13参照)。
スピーカユニットSPは、マグネットSP_Mがポート天板33の開口33a、スペーサ32の開口32aに収容された状態で、ポート天板33によって支持される。
バッフル板34は、スピーカユニットSPの振動部SP_Vが丁度収まる開口34aを有する長方形の板である。バッフル板34は、スピーカユニットSPの振動部SP_Vを開口34aから露出させた状態で、その4辺が箱部31の側板31N、31W、31Sおよび31Eの各頂上面に固定される。
以上が本実施形態によるスピーカ装置1_11の構成および製造方法である。
本実施形態においても上記第10実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態によるスピーカ装置1_11は、エンクロージャを構成する箱部31やポート天板33やスペーサ32といった少ない点数の部品によって複雑な形状のバスレフポートを構成可能なため、製造コストが安価であり、かつ、特に木工においては穴は丸や角など加工し易い形状であり、指数関数に準じた曲面も角の面取り加工で済むため、製造が容易であるという利点がある。
<他の実施形態>
以上、この発明の各実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記各実施形態では、主管部の中空断面形状を長方形としたが、主管部の中空断面形状を円形とし、空気整流器の中空断面形状を主管部側から開口端に向かうに従って円形から長方形に滑らかに変化させてもよい。
(2)上記各実施形態では、空気整流器の中空断面形状を長方形としたが、一対の対向する壁部の間隔を同じにすれば、当該長方形の角部をR面取りした形状や、楕円形状、長円形状であってもよい。
(3)上記各実施形態では、バスレフポートの主管部の両端に空気整流器を設置したが、いずれか一方にのみ空気整流器を設置してもよい。
(4)上記各実施形態では、空気整流器の壁部間隔が変化する側の一対の壁部間の距離が指数関数に準じて変化する例を示したが、内壁部に角部が生じない形状であれば、長手方向に沿って壁部間隔が単調に増加(減少)する他の構造を用いても良い。
(5)上記第11実施形態では、丸型の開口32aを有するスペーサ32を使用したが、図15に示すように、バスレフポートの内壁となる周囲形状がスペーサ32と同じであり、ほぼ均一の厚さの周辺部により囲まれたスペーサ32’を使用してスピーカ装置を構成すれば、よりエンクロージャの内容積を有効に活用してスピーカシステムの性能を向上させることが可能である。
1_1〜1_11……スピーカ装置、11……エンクロージャ、SP,SP_A,SP_B……スピーカユニット、SP_V……振動部、SP_M……マグネット、10,10_1,10_2,10_1a,10_2a,10_1c,10_2c……バスレフポート、100……主管部、101,102……空気整流器、18,18_1,18_2……バスレフポート用開口部、18a,18b……両バスレフポート兼用開口部、19,19_1,19_2,11c……接続空間部、19a,19b,19c,19d……両バスレフポート兼用接続空間部、12〜17,10A〜10D……壁部、31……箱部、32……スペーサ、33……ポート天板、34……バッフル板、32N,32W,32S,32E……平面部、32NW,32SW,32SE,32NE……曲面部、315,316,32a,33a,34a……開口。

Claims (10)

  1. スピーカユニットを支持するエンクロージャと、
    前記エンクロージャの内壁と前記スピーカユニットとの間に配置された中空管体形状のバスレフポートであって、前記バスレフポートにおける前記内壁側の側面は前記内壁に沿って直線的に延びており、前記バスレフポートにおける前記スピーカユニット側の側面は、前記スピーカユニットの外周面に沿って湾曲しているバスレフポートと
    を具備することを特徴とするスピーカ装置であって、
    前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持するバッフル板または前記バッフル板と対向する板にバスレフポート用開口部が形成されている
    スピーカ装置。
  2. 前記エンクロージャは、前記バスレフポート用開口部に対して前記バスレフポート内の開口端を接続する接続空間部を具備する
    請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記バスレフポートは、中空断面形状が長手方向に変化しない主管部と、前記主管部の長手方向両側の少なくとも一方に設けられた空気整流器とを有し、
    前記空気整流器における前記スピーカユニットの軸方向の寸法は、前記主管部の中心軸に沿った方向の位置によらず一定であり、
    前記空気整流器における前記スピーカユニット側の側面は、前記主管部から離れるに従って前記主管部の中心軸から離れて前記スピーカユニット側に湾曲していることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記バスレフポートは、前記スピーカユニットを支持するバッフル板の裏側に固定され、前記スピーカユニットの振動部の外周に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のスピーカ装置。
  5. 前記バスレフポートは、前記エンクロージャにおいて前記スピーカユニットを支持するバッフル板と対向する内壁に固定され、前記スピーカユニットのマグネットの外周に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のスピーカ装置。
  6. スピーカユニットを支持するエンクロージャと、
    前記エンクロージャ内部において前記エンクロージャの第1の内壁と前記スピーカユニットとの間に配置された中空管体形状の第1のバスレフポートであって、前記第1のバスレフポートにおける前記第1の内壁側の側面は前記第1の内壁に沿って直線的に延びており、前記第1のバスレフポートにおける前記スピーカユニット側の側面は、前記スピーカユニットの外周面に沿って湾曲している第1のバスレフポートと、
    前記エンクロージャ内部において前記第1の内壁と対向する第2の内壁と前記スピーカユニットとの間に配置された中空管体形状の第2のバスレフポートであって、前記第2のバスレフポートにおける前記第2の内壁側の側面は前記第2の内壁に沿って直線的に延びており、前記第2のバスレフポートにおける前記スピーカユニット側の側面は、前記スピーカユニットの外周面に沿って湾曲している第2のバスレフポートと
    を具備することを特徴とするスピーカ装置であって、
    前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持するバッフル板または前記バッフル板と対向する板における前記第1および第2のバスレフポートの同じ側の各開口端の近傍に第1および第2のバスレフポート用開口部が形成されている
    スピーカ装置。
  7. 前記エンクロージャは、前記第1および第2のバスレフポート用開口部に対して、前記第1および第2のバスレフポート内の開口端を各々接続する第1および第2の接続空間部を具備する
    請求項6に記載のスピーカ装置。
  8. 前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持するバッフル板または前記バッフル板と対向する板における前記第1および第2のバスレフポートの互いに反対側の各開口端の近傍に第1および第2のバスレフポート用開口部が形成され、前記第1および第2のバスレフポート用開口部に対して、前記第1および第2のバスレフポート内の開口端を各々接続する第1および第2の接続空間部を具備することを特徴とする請求項6に記載のスピーカ装置。
  9. 前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持するバッフル板または前記バッフル板と対向する板における前記第1および第2のバスレフポートの同じ側の各開口端の近傍に両バスレフポート兼用開口部が形成され、前記両バスレフポート兼用開口部に対して、前記第1および第2のバスレフポート内の開口端を各々接続する両バスレフポート兼用接続空間部を具備することを特徴とする請求項6に記載のスピーカ装置。
  10. 内部が第1および第2の空間と前記第1および第2の空間に挟まれ、かつ、開口した接続空間部に区切られ、前記第1の空間に第1のスピーカユニットを収容して支持し、前記第2の空間に第2のスピーカユニットを収容して支持するエンクロージャと、
    前記第1の空間の第1の内壁と前記第1のスピーカユニットとの間に配置された中空管体形状の第1のバスレフポートであって、前記第1のバスレフポートにおける前記第1の内壁側の側面は前記第1の内壁に沿って直線的に延びており、前記第1のバスレフポートにおける前記第1のスピーカユニット側の側面は、前記第1のスピーカユニットの外周面に沿って湾曲し、一方の開口端が前記接続空間部に連通している第1のバスレフポートと、
    前記第2の空間の第2の内壁と前記第2のスピーカユニットとの間に配置された中空管体形状の第2のバスレフポートであって、前記第2のバスレフポートにおける前記第2の内壁側の側面は前記第2の内壁に沿って直線的に延びており、前記第2のバスレフポートにおける前記第2のスピーカユニット側の側面は、前記第2のスピーカユニットの外周面に沿って湾曲し、一方の開口端が前記接続空間部に連通している第2のバスレフポートと
    を具備することを特徴とするスピーカ装置。
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