JP6665504B2 - X線タルボ撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計を用いたX線タルボ撮影装置に関する。
X線が物体を透過するときに生じるX線の位相シフトを捉えて画像化する、タルボ(Talbot)干渉計やタルボ・ロー(Talbot-Lau)干渉計とX線検出器(Flat Panel Detector:FPD)とを用いたX線画像撮影装置が知られている(例えば特許文献1、非特許文献1等参照)。なお、以下では、このようなタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計等を用いたX線画像撮影装置を、X線タルボ撮影装置という。
X線タルボ撮影装置は、一定の周期でスリットが設けられたG1格子(位相格子)とG2格子(吸収格子)を備え(タルボ・ロー干渉計を用いる場合にはさらに線源格子であるG0格子を備え)、X線源からG1格子にX線を照射することによりG1格子のX線照射方向下流側でG1格子の自己像が一定周期で結ばれる位置にG2格子を配置し、このG2格子におけるスリットの延在方向をG1格子におけるスリットの延在方向に対してわずかに傾けるようにG2格子を配置することで、G2格子上にモアレ縞を形成させる。そして、このモアレ縞が重畳された画像(以下、これをモアレ画像という。)をG2格子の下流側に配置したX線検出器で検出して撮影するように構成される。
そして、X線源(或いはG0格子)とG1格子との間やG1格子とG2格子との間に被写体を配置すると、被写体によりモアレ縞に歪みが生じる。そのため、X線タルボ撮影装置で、G1格子とG2格子とを相対的に移動させながら複数枚のモアレ画像を撮影し(縞走査法)、画像処理において、それらのモアレ画像を再構成することで微分位相画像や吸収画像、小角散乱画像等の再構成画像を生成することができる。また、被写体が存在する状態で、X線タルボ撮影装置でモアレ画像を1枚撮影し、画像処理において、そのモアレ画像をフーリエ変換する等して微分位相画像等の再構成画像を再構成して生成することも可能である(フーリエ変換法)。
そして、X線タルボ撮影装置では、例えば図13に矢印で示すように、上記のようにして撮影したモアレ画像を再構成して生成した微分位相画像中に、従来、吸収画像では撮影することができなかった関節の軟骨の端部(正確には関節の軟骨とのその周囲の関節液との界面。以下同じ。)を撮影することができるという特徴がある。また、図示を省略するが、微分位相画像中に、関節の軟骨だけでなく、例えばアキレス腱等の腱や、腫瘤等の人体の軟部組織を撮影することも可能である。
ところで、X線タルボ撮影装置のG1格子(位相格子)やG2格子(吸収格子)には、後述する図1や図2等に示すようにスリットSが設けられ、その格子周期d(図2参照)は例えば5.3μm等とされる。そして、スリットSの格子周期dをμmオーダーで精度良く形成することができる等の理由で、G1格子やG2格子等がシリコンウェハを用いて形成される場合が少なくない。
しかし、現状では、形成できるシリコンウェハの径に限界があり、G1格子やG2格子を矩形状に形成する場合、最大でも十数cm角程度にしか製造できない。そして、このようにG1格子やG2格子を十数cm角程度にしか製造できないと、G2格子の近傍に配置されるX線検出器で撮影できる画像(後述するモアレ画像Mo)も、最大でも十数cm角の画像にしかならない。そのため、例えば上記のようにX線タルボ撮影装置で患者の関節部分や軟部組織等を撮影する場合、せいぜい手指の関節部分等しか撮影できないことになり、患者の膝や肘、肩等のより大きな関節部分の軟骨や軟部組織等を撮影することが困難になる。
そのため、例えば、シリコンウェハ以外の材料を用いてG1格子やG2格子を形成し、或いは、例えば特許文献2等に記載されているように、シリコンウェハで形成した格子を複数つなぎあわせてG1格子やG2格子を形成することで、G1格子やG2格子を例えば30cm角程度に大面積化(大サイズ化)する技術が種々開発されている。
特開2009−240378号公報 特開2013−255536号公報
永島雅文、外7名,「関節軟骨の描出−微分干渉の原理を応用したX線撮影技術の可能性(第14回臨床解剖研究会記録 2010.9.11)」,臨床解剖研究会記録,2011年2月,No11,p.56−57、[平成27年12月7日検索]、インターネット< URL : http://www.jrsca.jp/contents/records/>
ところで、X線タルボ撮影装置が備えるX線発生装置が、X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置の場合(すなわちX線発生装置から離れるほどX線が広がるように照射される場合)、G2格子よりもX線発生装置に近い側に配置されるG1格子は、G2格子よりも小さく(すなわちより小さい面積で)形成することができる。
そのため、X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置を備えるX線タルボ撮影装置では、上記のように撮影される画像の面積を大きくするためにG2格子を大面積化(例えば30cm角)するとしても、G1格子をも同程度に大面積化する必要はなく、格子の設計条件等によっては、例えば上記のような従来のシリコンウェハ製の小さい面積の格子を用いることができる。
その際、X線の広がり方や、求められるG2格子の面積(すなわち画像の大きさ)、G1格子の面積等にもよるが、例えば図14に示すように、X線発生装置Fから大面積のG2格子にX線をコーンビーム状に照射するように構成すると、G1格子がX線発生装置Fに近い位置に配置されるようになる場合がある。
しかし、この場合、図14に示すようにX線発生装置からX線を下向きに照射するX線タルボ撮影装置では(すなわちX線タルボ撮影装置がいわゆる縦型である場合には)、G1格子が、X線タルボ撮影装置が設置された撮影室等の床面から相当高い位置に配置される状態になる可能性がある。そして、その場合には、実際上、図14に示すようにG1格子の上方に被写体Hである患者の関節部分等を配置することが困難な場合もある。
そのため、このような場合には、被写体Hを、G1格子とG2格子との間(図14の場合にはG1格子の下側)に配置することが好ましい。そして、よく知られているように、このように、被写体Hを、G1格子とG2格子との間に配置する場合にも、G1格子のX線発生装置F側に配置する場合(すなわちX線発生装置FとG1格子との間(図14の場合))と同様に、後述するタルボ効果を発生させることが可能である。
そのため、例えば後述する図3に示すように、被写体Hを、G1格子(位相格子)14とG2格子15との間に配置するX線タルボ撮影装置においても、被写体Hのモアレ画像を的確に撮影することが可能となる。そして、被写体HをG1格子14とG2格子15との間に配置する構成を採用するとしても、必ずしも上記のようにG2格子15の大面積化(大サイズ化)を図る必要はないが、この構成を採用すれば、上記のように、G2格子15の大面積化を図ることも可能となり、患者の手指の関節部分等よりも大きな膝や肘、肩等の関節部分の軟骨や軟部組織等を撮影することも可能となる。
しかし、本発明者らが研究を重ねた結果、X線タルボ撮影装置を実際に上記のように構成すると、種々の問題が生じ得ることが分かってきた。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、被写体を、位相格子であるG1格子と吸収格子であるG2格子との間に配置するように構成する場合に発生し得る種々の問題を解消可能なX線タルボ撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明のX線タルボ撮影装置は、
位相格子であるG1格子と、
吸収格子であるG2格子と、
X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置と、
モアレ画像を撮影するX線検出器と、
被写体を撮影位置に配置する被写体台と、
を備えるX線タルボ撮影装置において、
前記被写体台は、前記G1格子と前記G2格子との間に配置され、
前記G1格子は、前記X線発生装置から前記G2格子のスリットが形成された部分に照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされていることを特徴とする。
また、本発明のX線タルボ撮影装置は、
位相格子であるG1格子と、
X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置と、
モアレ画像を撮影するX線検出器と、
被写体を撮影位置に配置する被写体台と、
を備えるX線タルボ撮影装置において、
前記被写体台は、前記G1格子と前記X線検出器との間に配置され、
前記X線検出器は、照射されたX線を別の波長の電磁波に変えて変換素子に照射するシンチレーターを備えており、
前記X線検出器の前記シンチレーターは、前記G1格子の自己像が像を結ぶ位置に配置されており、かつ、シンチレーター素材と非シンチレーター素材とが面方向に交互に形成されており、
前記G1格子は、前記X線発生装置から前記X線検出器の前記シンチレーターに照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされていることを特徴とする。
本発明のような方式のX線タルボ撮影装置によれば、被写体を、位相格子であるG1格子と吸収格子であるG2格子との間に配置するように構成する場合に発生し得る種々の問題を的確に解消することが可能となる。
タルボ干渉計の原理を説明する図である。 G0格子やG1格子、G2格子の概略平面図である。 本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の第1の実施例の全体構成を表す概略図である。 本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の第2の実施例の全体構成を表す概略図である。 第2の実施例におけるX線検出器やシンチレーターの構成等を説明する図である。 (A)シンチレーターの中央部にX線が入射した場合、(B)シンチレーター素材が垂直に形成されたシンチレーターの周縁部にX線が斜入した場合、および(C)第2の実施例でシンチレーターの周縁部にX線が斜入した場合を表す図である。 G1格子を退避させるための構成例1を表す図であり、(A)X線が照射される位置にG1格子が投入された状態、(B)G1格子を退避させた状態を表す図である。 G1格子を退避させるための構成例2を表す図であり、(A)X線が照射される位置にG1格子が投入された状態、(B)G1格子を退避させた状態を表す図である。 構成例2においてG1格子を(A)X線発生装置から遠ざかる向きに回動させた状態、(B)X線発生装置に向かう方向に回動させた状態を表す図である。 G1格子を退避させるための構成例3を表す図であり、(A)X線が照射される位置にG1格子が投入された状態、(B)G1格子を退避させた状態を表す図である。 構成例3においてG1格子の(A)辺部を中心に90°回動させた状態、(B)角部を中心に90°回動させた状態を表す平面図である。 G1格子を退避させるための構成例4を表す図であり、(A)X線が照射される位置にG1格子が投入された状態、(B)G1格子を退避させた状態を表す図である。 微分位相画像の例および関節の軟骨の端部を表す写真である。 X線発生装置からX線をコーンビーム状に照射する場合に被写体をG1格子のX線発生装置側に配置するように構成した構成例を表す図である。
以下、本発明に係るX線タルボ撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[X線タルボ撮影装置の原理について]
まず、X線タルボ撮影装置の原理、すなわちX線タルボ撮影装置に用いられるタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計に共通する原理について、図1を用いて簡単に説明する。
なお、図1では、タルボ干渉計の場合が示されているが、タルボ・ロー干渉計の場合も基本的に同様に説明される。また、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1では、後述する図3に示すように、被写体HがG1格子14とG2格子15の間に配置されるが、原理的には、図1に示すように被写体HをX線発生装置11とG1格子14の間に配置する場合と全く同じであり、以下、図1に基づいて説明する。
タルボ干渉計では、X線発生装置11と、位相格子であるG1格子14と、吸収格子であるG2格子15と、X線検出器16が、図1に示すようにX線の照射方向(すなわちz方向)に順番に配置される。なお、タルボ・ロー干渉計の場合には、図1では図示を省略するが、X線発生装置11の近傍に線源格子であるG0格子12(後述する図3や図4等参照)が配置される。
図2に示すように、G1格子14やG2格子15には(タルボ・ロー干渉計の場合はG0格子12にも)、X線の照射方向であるz方向と直交するx方向に、所定の周期dで複数のスリットSが配列されて形成されている。なお、所定の周期dは、G1格子14やG2格子15、G0格子12でそれぞれ異なる。
そして、X線発生装置11から照射されたX線(タルボ・ロー干渉計の場合はX線発生装置11から照射されたX線がG0格子12で多光源化されたX線)がG1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像(格子像等ともいう。)といい、このように自己像がz方向に一定の間隔をおいて形成される現象をタルボ効果という。
そして、図1等に示すように、G1格子14の自己像が像を結ぶ位置に、G1格子14と同様にスリットSが設けられたG2格子15を配置するが、その際、G2格子15のスリットSの延在方向(すなわち図1等ではy方向)が、G1格子14のスリットSの延在方向に対して僅かに角度を持つように配置する。そして、このように配置することで、G2格子15上にモアレ縞のみからなるモアレ画像Moが現れる。
なお、図1では、モアレ画像MoをG2格子15上に記載するとモアレ縞とスリットSとが混在する状態になって分かりにくくなるため、モアレ画像MoをG2格子15から離して記載しているが、実際にはG2格子15上やその下流側でモアレ画像Moが形成される。
一方、被写体Hが存在すると、被写体HによってX線の位相がずれる。そのため、モアレ画像Moのモアレ縞の被写体の部分に乱れが生じ、G2格子15上やその下流側に、図1に示すように被写体Hにより乱れが生じたモアレ画像Moが現れる。
以上が、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計の原理である。そして、G2格子15の下流側に配置されたX線検出器16(後述する図3参照)で上記のモアレ画像Moを撮影するように構成される。そして、上記の原理に従ってX線タルボ撮影装置が構成される。
[X線タルボ撮影装置の第1の実施例について]
以下、上記の原理に基づいて構成される本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の第1の実施例について説明する。
図3は、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の第1の実施例の全体構成を表す概略図である。なお、第1の実施例および後述する第2の実施例では、X線タルボ撮影装置1が、線源格子であるG0格子12を備えるタルボ・ロー干渉計を用いたX線タルボ撮影装置である場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、G0格子12を備えず、G1格子14とG2格子15のみを備えるタルボ干渉計を用いたX線タルボ撮影装置である場合も含む。また、その場合も下記と同様に説明される。
また、第1の実施例および後述する第2の実施例では、図3や後述する図4等に示すように、X線タルボ撮影装置が、上側に設けられたX線発生装置11から下方の被写体Hに向けてX線を照射するように構成されている場合(すなわちX線タルボ撮影装置がいわゆる縦型の場合)について説明するが、本発明はこの場合に限定されず、X線発生装置11からX線を水平方向に照射するように構成することも可能であり(例えば図1参照。すなわちX線タルボ撮影装置がいわゆる横型の場合)、X線を任意の方向に照射するように構成する場合も含む。
本実施形態の第1の実施例に係るX線タルボ撮影装置1は、図3に示すように、X線発生装置11と、G0格子12と、G1格子14と、被写体台13と、G2格子15と、X線検出器16と、支柱17と、基台部18と、コントローラー19とを備えている。
X線発生装置11は、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線源や回転陽極X線源等を備えている。また、それ以外のX線源(管球)を備えるように構成することも可能である。そして、本実施例では、X線発生装置11からX線がコーンビーム状に(すなわちX線発生装置11から遠ざかるほどX線が照射される範囲が広がるように)照射されるようになっている。なお、図3や後述する図4、図5におけるCaは、X線発生装置11から照射されるX線の光軸中心(すなわち照射されるX線の照射方向)を表す。
そして、本実施例では、X線発生装置11の、X線の照射方向(すなわちz方向)下流側にG0格子12が設けられている。そして、X線発生装置11の振動がG0格子12等に伝わらないようにするために、本実施例では、G0格子12は、X線発生装置11には取り付けられておらず、支柱17に設けられた基台部18に取り付けられた固定部材12aに取り付けられるようになっている。
そして、上記の固定部材12aには、G0格子12のほか、G0格子12を透過したX線の線質を変えるためのろ過フィルター(付加フィルター等ともいう。)112や、X線を照射して撮影を行う前に位置決めのためにX線の代わりに可視光を被写体Hに照射するための照射野ランプ113、照射されるX線(或いは可視光)の照射野を絞るための照射野絞り114等が取り付けられている。そして、G0格子12等の周囲には、それらを保護するための第1のカバーユニット120が配置されている。
なお、図3では、照射野ランプ113が照射野絞り114のX線発生装置11側に固定されているように記載されているが、X線発生装置11からX線を照射する際に照射野ランプ113が邪魔になるため、実際には、照射野ランプ113をX線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させるための図示しない移動装置が設けられている。
また、G0格子12の、X線の照射方向(すなわちz方向)下流側には、位相格子であるG1格子14が配置されている。そして、G1格子14の、X線の照射方向下流側には、被写体Hを撮影位置に配置するための被写体台13や、吸収格子であるG2格子15、X線検出器16等が設けられている。なお、前述したように、G2格子15は、X線発生装置11から照射されG1格子14を透過したX線がG1格子14からz方向に一定の間隔で自己像を結ぶ位置に配置される。
そして、G2格子15の近傍にX線検出器16が配置され、上記のようにG2格子15上に生じたモアレ画像MoがX線検出器16で撮影されるように構成される。そして、本実施例では、図3に示すように、患者の脚等がG1格子14やG2格子15、X線検出器16等にぶつかったり触れたりしないようにしてX線検出器16等を防護するために、第2のカバーユニット130が設けられている。
なお、X線検出器(FPD)16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子16A(後述する図5参照)が二次元状(マトリクス状)に配置されて構成されており、変換素子16Aにより生成された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。そして、本実施例では、X線検出器16は、G2格子15上に形成されるX線の像である上記のモアレ画像Moを変換素子16Aごとの画像信号として撮影するようになっている。
また、X線タルボ撮影装置1がいわゆる縞走査法を用いてモアレ画像Moを複数枚撮影するように構成されている場合には、G1格子14とG2格子15との相対位置を図1や図2におけるx方向(すなわちスリットSの延在方向(y方向)に直交する方向)にずらしながらモアレ画像Moを複数枚撮影する。そして、図示を省略するが、G1格子14とG2格子15との相対位置をx方向ずらすための移動装置等が設けられる。なお、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを1枚撮影し、それをフーリエ変換する等して微分位相画像等を再構成して生成するように構成されている場合には移動装置等を設ける必要はない。
コントローラー19(図3参照)は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターで構成されている。なお、コントローラー19を、本実施例のような汎用のコンピューターではなく、専用の制御装置として構成することも可能である。また、図示を省略するが、コントローラー19には、入力手段や表示手段等の適宜の手段や装置が設けられている。
そして、コントローラー19は、X線発生装置11に管電圧や管電流、照射時間等を設定するなどX線タルボ撮影装置1に対する全般的な制御を行うようになっている。また、X線タルボ撮影装置1が縞走査法によりモアレ画像Moを複数枚撮影するように構成されている場合には、コントローラー19は、上記の移動装置を制御して、G1格子14(或いはG2格子15或いはその両方)を所定量ずつ移動させるように制御する。
また、コントローラー19は、X線検出器16から送信されてきた1枚或いは複数枚のモアレ画像Moに基づいて自ら微分位相画像(図13参照)等の再構成画像を再構成して生成したり、或いは図示しない外部の画像処理装置に、X線検出器16から送信されてきた1枚或いは複数枚のモアレ画像Moを転送して再構成画像を生成させるように構成される。
[X線タルボ撮影装置の第2の実施例について]
次に、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1の第2の実施例について説明する。図4は、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の第2の実施例の全体構成を表す概略図である。なお、第2の実施例に係るX線タルボ撮影装置1において、第1の実施例に係るX線タルボ撮影装置1における機能と同じ機能を有する部材等については、第1の実施例で付した符号と同じ符号を付して説明する。
上記の第1の実施例に係るX線タルボ撮影装置1と同様に、第2の実施例に係るX線タルボ撮影装置1も、X線発生装置11と、G0格子12と、位相格子であるG1格子14と、被写体台13と、X線検出器16と、コントローラー19等を備えているが、第2の実施例では、吸収格子であるG2格子15は設けられていない。
本実施例では、第1の実施例のようなG2格子15を設ける代わりに、図5に示すように、X線検出器16は、照射されたX線を別の波長の電磁波に変えて変換素子16Aに照射するシンチレーター16Bを備えており、シンチレーター16Bは、シンチレーター素材Scと非シンチレーター素材Snとが面方向に交互に形成されている。なお、シンチレーター素材Scの部分では、入射したX線が可視光等の別の波長の電磁波に変えられて図中下方の変換素子16Aに照射されるが、非シンチレーター素材Snの部分では、X線は電磁波に変えられずに素通りする。
そして、X線検出器16のシンチレーター16Bを、第1の実施例におけるG2格子15と同様に、G1格子14の自己像が像を結ぶz方向の位置に配置し、シンチレーター16Bにおけるシンチレーター素材Scの延在方向(すなわち図5ではy方向)が、G1格子14のスリットSの延在方向に対して僅かに角度を持つように配置することで、上記の第1の実施例の場合と同様に、シンチレーター16Bにモアレ縞のみからなるモアレ画像Moが現れる。
また、図4に示したように、G1格子14の近傍に被写体Hが存在すると、被写体HによってX線の位相がずれる。そのため、モアレ画像Moのモアレ縞の被写体の部分に乱れが生じ、X線検出器16のシンチレーター16Bに、図1に示したものと同様に被写体Hにより乱れが生じたモアレ画像Moが現れる。
そのため、X線検出器16内に二次元状に配列されている変換素子16Aでそれを撮影することで、本実施例に係るX線タルボ撮影装置1においても、第1の実施例に係るX線タルボ撮影装置1と同様にモアレ画像Moを的確に撮影することができる。そして、撮影されたモアレ画像Moを再構成することで微分位相画像(図13参照)等の再構成画像を的確に生成することが可能となる。
なお、図5では、X線検出器16のシンチレーター16Bのシンチレーター素材Scが、X線発生装置11からコーンビーム状に照射されるX線に平行に形成されている場合が示されている。これは、同じ線量のX線が入射した場合に、X線が斜入するシンチレーター16Bの周縁部での発光強度を、シンチレーター16Bの中央部での発光強度と同じにするためである。
すなわち、図6(A)に示すように、シンチレーター16Bの中央部ではX線がシンチレーター面に略垂直に入射するため、X線がシンチレーター素材Scを入射する際、X線がシンチレーター素材Scの全部を透過する状態になる。それに対し、例えば図6(B)に示すように、シンチレーター素材Scが仮にシンチレーター面に垂直に形成されていると、シンチレーターの周縁部でX線が斜入した場合、X線がシンチレーター素材Scの一部のみを透過する状態になり、図6(A)の場合と同じ線量のX線が入射したとしても、図6(B)の場合にはシンチレーター素材Scでの発光量が少なくなってしまう。
しかし、図6(C)に示す本実施例の場合のように、シンチレーター素材ScがX線発生装置11からコーンビーム状に照射されるX線に平行に形成されていると、シンチレーター16Bの周縁部でX線が斜入しても、X線がシンチレーター素材Scの全部を透過する状態になる。そのため、本実施例のように構成することで、同じ線量のX線が入射した場合に、X線が斜入するシンチレーター16Bの周縁部での発光強度を、シンチレーター16Bの中央部での発光強度と同じにすることが可能となる。
[G1格子がX線を遮らない位置に退避可能とされていることについて]
一方、上記の第1の実施例や第2の実施例では、位相格子であるG1格子14は、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされている。以下、この点について説明する。
なお、この構成については第1の実施例に係るX線タルボ撮影装置1においても第2の実施例に係るX線タルボ撮影装置1においても同じであり、以下、まとめて本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1という。また、以下では、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1の作用についてもあわせて説明する。
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1は、図3や図4に示したように、X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置11を備えており、被写体Hは、位相格子であるG1格子14とG2格子15との間に配置されるように構成されている。
そのため、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1では、被写体HをG1格子14の下側に配置して的確に撮影を行うことが可能となり、被写体台13の高さがさほど高くならないため、被写体Hである患者が被写体台13の脇に着座して手や腕等を被写体台13上に載せて撮影を行ったり、或いは患者が被写体台13上に脚等を載せて撮影を行うことが可能となり、患者に負担をかけることなく撮影を行うことが可能となる。
また、G1格子14を大幅に大きくすることなく、G2格子15やX線検出器16のシンチレーター16Bの大面積化を図ることが可能となるため、患者の手指の関節部分等は勿論、それよりも大きな膝や肘、肩等の関節部分の軟骨や軟部組織等を撮影することが可能となる等の様々なメリットがある。
[生じ得る問題点について]
しかし、上記のようにG1格子14を被写体HよりもX線発生装置11に近い側に設けると、以下のような種々の問題点が生じ得る。ここで、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1においてG1格子14を被写体HよりもX線発生装置11に近い側に設けることで生じ得る問題点について説明する。
よく知られているように、図1に示したように被写体HをG1格子14のX線発生装置11側に配置する場合(すなわちX線発生装置11とG1格子14との間に配置する場合)と同様に、本実施形態のように、被写体HをG1格子14とG2格子15との間に配置する場合でも、被写体HをG1格子14に近づけるほどX線検出器16で撮影されるモアレ画像Moの信号値が大きくなるため望ましい。
また、G2格子15上やX線検出器16のシンチレーター16B上にモアレ画像Moを的確に形成するためには、位相格子であるG1格子14の位置合わせをμmオーダー或いはサブミクロンオーダーで行うことが必要になるが、上記のように、被写体HをG1格子14の近傍に配置する場合、撮影に向けて被写体Hのポジショニング等を行う際に、被写体Hである患者の身体等がG1格子14に接触したりぶつかったりしてしまい、G1格子14の位置がずれたり傾いたりしてしまう可能性がある。
X線タルボ撮影装置1、1では、通常、X線発生装置11から照射されたX線はG1格子14の所でピントがあうように構成されている。そのため、G1格子14の位置がずれたり傾いたりすると、G2格子15上やX線検出器16のシンチレーター16B上にモアレ画像Moが形成されなくなってモアレ画像Moを撮影することができなくなったり、モアレ画像Moが適切に形成されなくなりモアレ画像Moを的確に撮影することができなくなったりする。そのため、微分位相画像等の再構成画像を生成できなくなったり、生成できたとしても正常でない再構成画像しか得られなくなるという問題が生じ得る。
また、このような問題が生じることを避けるため、放射線技師等の撮影者が被写体Hのポジショニングを行う際、被写体Hである患者の身体がG1格子14に接触しないようにしながらG1格子14の近傍で被写体Hのポジショニングを行うのでは、ポジショニングの作業を非常に行いづらくなってしまうという作業上の問題も生じ得る。
さらに、前述したように、ポジショニングの際、X線を照射する前にX線の代わりに照射野ランプ113(図3や図4参照)から可視光を被写体Hに照射して位置合わせ等が行われるが、上記のように被写体HのX線発生装置11側にG1格子14があると、照射野ランプ113から照射された可視光がG1格子14で遮られてしまい被写体Hに照射されなくなるため、位置合わせ等を行うことができなくなるといった構造上の問題もある。
そこで、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1では、これらの問題を解消するために、上記のように、位相格子であるG1格子14を、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させることができるように構成されている。以下、G1格子14を退避させるための構成例を挙げて、具体的に説明する。
なお、以下では、G1格子14を、X線発生装置11から照射されるX線を少しも遮らないように構成した場合の構成例について説明するが、必ずしもこのように構成する必要はない。すなわち、第1の実施例のX線タルボ撮影装置1(図3参照)では、G1格子14は、X線発生装置11からG2格子15のスリットSが形成された部分(図2参照)に照射されるX線を遮らない位置に退避可能であればよく、退避位置は、G1格子14が、G2格子15のうちスリットSが形成されていない格子の周縁部やG2格子15の外側等に照射されるX線を遮る位置であってもよい。
また、第2の実施例のX線タルボ撮影装置1(図4、図5参照)では、G1格子14は、X線発生装置11からX線検出器16のシンチレーター16Bに照射されるX線を遮らない位置に退避可能であればよく、退避位置は、G1格子14が、X線検出器16のシンチレーター16Bが形成されていない部分やX線検出器16の外側等に照射されるX線を遮る位置であってもよい。
[構成例1:スライド方式]
X線を遮らない位置にG1格子14を退避させる構成としては、例えば図7(A)、(B)に示すように、G1格子14を面方向(すなわち図中のxy平面方向)に移動させるように構成することが可能である。なお、以下の各図においても同様であるが、図7(A)は、G1格子14が、X線発生装置11からX線が照射される位置に投入された状態を表し、図7(B)は、G1格子14が、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避した状態を表す図である。
なお、以下の各図においても同様であるが、図7(A)、(B)では、照射されるX線としてX線の光軸中心Caのみが記載されているが、前述したように、実際には、X線はX線発生装置11からコーンビーム状に照射される(図3や図4等参照)。
また、下記の各構成例においても同様であるが、前述したように、G1格子14の位置合わせはμmオーダーやサブミクロンオーダーで行う必要があるため、G1格子14の退避動作は、放射線技師等の撮影者が手動等で行うのではなく、図示を省略するが、対象物(この場合はG1格子14(構成例1〜3の場合)や後述する回動軸A(構成例4の場合))を精密に移動させたり回動させることが可能な駆動機構で行うように構成される。
[構成例2:跳ね上げ方式]
また、例えば図8(A)、(B)に示すように、G1格子14を、X線発生装置11から照射されるX線の照射方向(図中のCa参照。すなわちz方向)に直交する軸(x方向)を中心に回動させることで、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させるように構成することも可能である。
その際、本実施形態では、X線発生装置11からX線がコーンビーム状に照射されるため、図9(A)に示すように、G1格子14をX線発生装置11から遠ざかる向きに回動させるように構成すると、G1格子14がX線を遮らない位置に退避させるためには、G1格子14を当該向きに90°以上回動させなければならなくなる。
それに対し、図8(B)に示したようにG1格子14をX線発生装置11に向かう方向に回動させるように構成すると、図9(B)に示すように、G1格子14を当該方向に90°まで回動させなくてもG1格子14がX線を遮らない位置に退避させることが可能となる。
このように、図8(B)や図9(B)に示したようにG1格子14をX線発生装置11に向かう方向に回動させるように構成すれば、G1格子14を回動させなければならない回動角をより小さくすることが可能となる。また、このように構成すれば、G1格子14を下方の被写体H(図3や図4参照)から遠ざかる方向に回動させることになり、被写体HがG1格子14に接触したりぶつかったりしないようにすることが可能となり好ましい。
なお、この構成例2では、上記のように、G1格子14をX線の照射方向に直交する軸を中心に回動させるが、この場合の「直交」や下記の「平行」等は、必ずしも正確に直交したり平行であったりする必要はなく、直交する方向や平行な方向からある程度の範囲内のずれは許容される。
[構成例3:面方向への回動方式]
また、例えば図10(A)、(B)に示すように、G1格子14を、X線発生装置11から照射されるX線の照射方向(図中のCa参照。すなわちz方向)に平行な軸を中心に回動させることで(すなわちG1格子14を面方向に回動させることで)、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させるように構成することも可能である。
その際、例えば図11(A)の平面図に示すように、矩形状に形成されたG1格子14の辺部を中心にG1格子14を回動させるように構成すると、G1格子14を例えば90°回動させた場合には、G1格子14がX線発生装置11から照射されるX線(図中のαの領域参照)を遮らない位置に退避させることができない。
それに対し、図11(B)に示すように、矩形状に形成されたG1格子14の角部を中心にG1格子14を回動させるように構成すると、G1格子14を90°程度回動させれば、G1格子14を、X線(図中のαの領域参照)を遮らない位置に退避させることが可能となる。
そのため、この構成例3を採用する場合には、図11(B)に示したように、矩形状に形成されたG1格子14の角部を中心にG1格子14を回動させるように構成することが好ましい。なお、図10(B)では、G1格子14を、その角部を中心に180°回動させた場合が示されている。
[構成例4:照射野ランプ等と同時に回動させる方式]
一方、例えば図12(A)、(B)に示すように、G1格子14と前述した照射野ランプ113とを、回動軸Aを軸として同軸に形成する。すなわち、G1格子14と照射野ランプ113とをそれぞれ回動軸Aに取り付けるように構成する。なお、回動軸Aは、X線発生装置11から照射されるX線の照射方向(図中のCa参照。すなわちz方向)に平行に設けられている。
そして、照射野ランプ113は、X線発生装置11に近い側で回動軸Aからそれに直交する方向に突出され、G1格子14は、X線発生装置11から遠い側で回動軸Aからそれに直交する方向に突出されているが、G1格子14と照射野ランプ113とが回動軸Aから互いに反対側に突出するように取り付けられている。
そして、回動軸Aを回動させて、G1格子14と照射野ランプ113とを回動軸Aを中心に同時に回動させることで、G1格子14を、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させるように構成することも可能である。
この場合、図12(A)に示した状態で回動軸Aを回動させると図12(B)に示した状態になり、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置への位相格子14の退避動作と、前述したように可視光を照射可能な位置への照射野ランプ113の投入動作とが同時に行われる。また、図12(B)に示した状態で回動軸Aを回動させると図12(A)に示した状態になり、X線が照射される位置へのG1格子14の投入動作と、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置への照射野ランプ113の退避動作とが同時に行われるようになる。
そのため、このように構成すれば、G1格子14と照射野ランプ113の投入動作や退避動作を1つの駆動機構を用いて行うことが可能となるため、それとは別に照射野ランプ113をX線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避させるための移動装置を設ける必要がなくなる。また、G1格子14と照射野ランプ113の投入動作や退避動作を同時に行うことが可能となるため、それらを別々に行う場合に比べて放射線技師等の撮影者の操作が楽になるといったメリットがある。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1によれば、位相格子であるG1格子14が、X線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされているため、被写体Hを、G1格子14とG2格子15との間に配置するように構成する場合(図3や図4等参照)に発生し得る種々の問題を的確に解消することが可能となる。
すなわち、上記のようにG1格子14を退避させるため、撮影に向けて被写体Hのポジショニング等を行う際に被写体Hである患者の身体等がG1格子14に接触したりぶつかったりするといった問題を的確に解消することが可能となり、すなわちそのような事態が生じることを的確に防止することが可能となる。そのため、モアレ画像Moを的確に撮影することが可能となり、微分位相画像(図13参照)等の再構成画像を的確に生成することが可能となる。
また、上記のようにG1格子14を退避させれば、放射線技師等の撮影者が被写体Hのポジショニングを行う際にG1格子14が邪魔になるといった問題を的確に解消することが可能となり、撮影者が、G1格子14が邪魔にならない状態でポジショニングの作業を楽にかつ的確に行うことが可能となる。
さらに、上記のようにG1格子14を退避させることで、ポジショニングの際に照射野ランプ113から可視光を被写体Hに照射して位置合わせ等を行う際に、照射野ランプ113から照射された可視光がG1格子14で遮られてしまい被写体Hに照射されなくなるといった問題を的確に解消することが可能となり、G1格子14に遮られずに照射野ランプ113から可視光を照射して的確に位置合わせ等を行うことが可能となる。
[被写体台を移動させることについて]
なお、前述したように、被写体HをG1格子14に近づけるほどX線検出器16で撮影されるモアレ画像Moの信号値が大きくなる。そのため、撮影時には、ポジショニングが完了した被写体Hを撮影位置に配置した状態で被写体台13(図3や図4等参照)をG1格子14に向かう方向(図3や図4等ではz方向)に移動させて、被写体HをG1格子14に近づけることが好ましい。
一方、被写体Hのポジショニング時等には、被写体Hである患者の身体がG1格子14に接触したりぶつかったりしないようにするために、被写体HをG1格子14からできるだけ離しておいた方がよい。そのため、被写体Hのポジショニング時等には、被写体台13をG1格子14から離れる方向(図3や図4等ではz方向だが上記とは逆向き)に移動させて、被写体HをG1格子14から遠ざけることが好ましい。
そのため、X線タルボ撮影装置1、1に、被写体台13をG1格子14の方向(G1格子14に向かう方向とG1格子14から離れる方向を含む。すなわち図3や図4等ではz方向)に移動させるための図示しない移動装置を設け、移動装置により、被写体台13がG1格子14の方向に移動可能とされていることが望ましい。
[プレ撮影について]
また、被写体Hのポジショニングの際、X線発生装置11から弱いX線を照射してプレ撮影を行い、放射線技師等の撮影者が、撮影した画像を見ながら被写体Hのポジショニングを行う場合がある。そして、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、1では、被写体Hのポジショニングの際には、上記のように、G1格子14はX線発生装置11から照射されるX線を遮らない位置に退避される。
そのため、放射線技師等の撮影者は、G1格子14が邪魔にならない状態で、X線発生装置11から弱いX線を照射してプレ撮影を行いながら被写体Hのポジショニングを行うことが可能となり、被写体Hのポジショニングを的確に行うことが可能となるとともに、被写体Hである患者の身体がG1格子14に接触したりぶつかったりすることなく的確にポジショニングを行うことが可能となる。
なお、例えば、X線タルボ撮影装置1、1を使用していない時に、G1格子14を退避位置に退避させておくように構成することも可能である。
また、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1、1 X線タルボ撮影装置
11 X線発生装置
13 被写体台
14 G1格子
15 G2格子
16 X線検出器
16A 変換素子
16B シンチレーター
113 照射野ランプ
A 回動軸
H 被写体
Mo モアレ画像
S スリット
Sc シンチレーター素材
Sn 非シンチレーター素材

Claims (11)

  1. 位相格子であるG1格子と、
    吸収格子であるG2格子と、
    X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置と、
    モアレ画像を撮影するX線検出器と、
    被写体を撮影位置に配置する被写体台と、
    を備えるX線タルボ撮影装置において、
    前記被写体台は、前記G1格子と前記G2格子との間に配置され、
    前記G1格子は、前記X線発生装置から前記G2格子のスリットが形成された部分に照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされていることを特徴とするX線タルボ撮影装置。
  2. 位相格子であるG1格子と、
    X線をコーンビーム状に照射するX線発生装置と、
    モアレ画像を撮影するX線検出器と、
    被写体を撮影位置に配置する被写体台と、
    を備えるX線タルボ撮影装置において、
    前記被写体台は、前記G1格子と前記X線検出器との間に配置され、
    前記X線検出器は、照射されたX線を別の波長の電磁波に変えて変換素子に照射するシンチレーターを備えており、
    前記X線検出器の前記シンチレーターは、前記G1格子の自己像が像を結ぶ位置に配置されており、かつ、シンチレーター素材と非シンチレーター素材とが面方向に交互に形成されており、
    前記G1格子は、前記X線発生装置から前記X線検出器の前記シンチレーターに照射されるX線を遮らない位置に退避可能とされていることを特徴とするX線タルボ撮影装置。
  3. さらに、線源格子であるG0格子を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線タルボ撮影装置。
  4. 前記G1格子は、当該G1格子の面方向に移動されることで、前記位置に退避可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  5. 前記G1格子は、前記X線発生装置から照射されるX線の照射方向に直交する軸を中心に回動されることで、前記位置に退避可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  6. 前記G1格子は、前記X線発生装置に向かう方向に回動されることを特徴とする請求項5に記載のX線タルボ撮影装置。
  7. 前記G1格子は、前記X線発生装置から照射されるX線の照射方向に平行な軸を中心に回動されることで、前記位置に退避可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  8. 前記G1格子は、矩形状に形成された当該G1格子の角部を中心に回動されることを特徴とする請求項7に記載のX線タルボ撮影装置。
  9. X線を照射して撮影を行う前に前記被写体に可視光を照射するための照射野ランプを備え、
    前記G1格子および前記照射野ランプは、前記X線発生装置から照射されるX線の照射方向に平行な回動軸から互いに反対側に突出するように取り付けられており、
    前記G1格子および前記照射野ランプが前記回動軸を中心に回動されることで、前記X線発生装置から照射されるX線を遮らない位置への前記G1格子の退避動作および可視光を照射可能な位置への前記照射野ランプの投入動作と、前記X線発生装置から照射されるX線が照射される位置への前記G1格子の投入動作および前記X線発生装置から照射されるX線を遮らない位置への前記照射野ランプの退避動作とがそれぞれ同時に行われるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  10. 前記被写体台は、前記G1格子の方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  11. 少なくとも前記X線発生装置からX線を照射して被写体のポジショニングを行うプレ撮影時に、前記G1格子が前記位置に退避されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
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