以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(出力インピーダンスを調整する例1)
2.第2の実施の形態(出力インピーダンスを調整する例2)
3.第3の実施の形態(出力振幅を調整する例)
4.第4の実施の形態(入力インピーダンスを調整する例1)
5.第5の実施の形態(入力インピーダンスを調整する例2)
6.適用例
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る伝送路を備えた通信システムの一構成例を表すものである。通信システム1は、3つの電圧レベルを有する信号を用いて通信を行うものである。
通信システム1は、送信装置10と、伝送路100と、受信装置30とを備えている。送信装置10は、3つの出力端子ToutA,ToutB,ToutCを有し、伝送路100は、線路110A,110B,110Cとを有し、受信装置30は、3つの入力端子TinA,TinB,TinCを有している。そして、送信装置10の出力端子ToutAおよび受信装置30の入力端子TinAは、線路110Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutBおよび受信装置30の入力端子TinBは、線路110Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutCおよび受信装置30の入力端子TinCは、線路110Cを介して互いに接続されている。線路110A〜110Cの特性インピーダンスは、この例では約50[Ω]である。
送信装置10は、出力端子ToutAから信号SIGAを出力し、出力端子ToutBから信号SIGBを出力し、出力端子ToutCから信号SIGCを出力する。そして、受信装置30は、入力端子TinAを介して信号SIGAを受信し、入力端子TinBを介して信号SIGBを受信し、入力端子TinCを介して信号SIGCを受信する。信号SIGA,SIGB,SIGCは、それぞれ3つの電圧レベル(高レベル電圧VH、中レベル電圧VM、および低レベル電圧VL)の間で遷移するものである。
図2は、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態を表すものである。送信装置10は、3つの信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、6つのシンボル“+x”,“−x”,“+y”,“−y”,“+z”,“−z”を送信する。例えば、シンボル“+x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。シンボル“−x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。シンボル“+y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにする。シンボル“−y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。シンボル“+z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。シンボル“−z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにするようになっている。
伝送路100は、このような信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、シンボルのシーケンスを伝える。具体的には、伝送路100は、線路110Aが信号SIGAを伝え、線路110Bが信号SIGBを伝え、線路110Cが信号SIGCを伝えることにより、シンボルのシーケンスを伝える。すなわち、3つの線路110A,110B,110Cは、シンボルのシーケンスを伝える1つのトリオ線路として機能するようになっている。
(送信装置10)
送信装置10は、図1に示したように、クロック生成部11と、処理部12と、送信部20と、受信部14と、制御部15とを有している。
クロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成するものである。クロック信号TxCKの周波数は、例えば2.5[GHz]である。クロック生成部11は、例えばPLL(Phase Locked Loop)により構成され、例えば送信装置10の外部から供給される基準クロック(図示せず)に基づいてクロック信号TxCKを生成する。そして、クロック生成部11は、このクロック信号TxCKを、処理部12および送信部20に供給するようになっている。
処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。ここで、1組の遷移信号TxF0,TxR0,TxP0は、送信装置10が送信するシンボルのシーケンスにおけるシンボルの遷移を示すものである。同様に、1組の遷移信号TxF1,TxR1,TxP1はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF2,TxR2,TxP2はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF3,TxR3,TxP3はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF4,TxR4,TxP4はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF5,TxR5,TxP5はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF6,TxR6,TxP6はシンボルの遷移を示すものである。すなわち、処理部12は、7組の遷移信号を生成するものである。以下、遷移信号TxF0〜TxF6のうちの任意の一つを表すものとして遷移信号TxFを適宜用い、遷移信号TxR0〜TxR6のうちの任意の一つを表すものとして遷移信号TxRを適宜用い、遷移信号TxP0〜TxP6のうちの任意の一つを表すものとして遷移信号TxPを適宜用いる。
図3は、遷移信号TxF,TxR,TxPとシンボルの遷移との関係を表すものである。各遷移に付した3桁の数値は、遷移信号TxF,TxR,TxPの値をこの順で示したものである。
遷移信号TxF(Flip)は、“+x”と“−x”との間でシンボルを遷移させ、“+y”と“−y”との間でシンボルを遷移させ、“+z”と“−z”との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxFが“1”である場合には、シンボルの極性を変更するように(例えば“+x”から“−x”へ)遷移し、遷移信号TxFが“0”である場合には、このような遷移を行わないようになっている。
遷移信号TxR(Rotation),TxP(Polarity)は、遷移信号TxFが“0”である場合において、“+x”と“−x”以外との間、“+y”と“−y”以外との間、“+z”と“−z”以外との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxR,TxPが“1”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図3において右回りに(例えば“+x”から“+y”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“1”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図3において右回りに(例えば“+x”から“−y”へ)遷移する。また、遷移信号TxR,TxPが“0”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図3において左回りに(例えば“+x”から“+z”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“0”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図3において左回りに(例えば“+x”から“−z”へ)遷移する。
処理部12は、このような遷移信号TxF,TxR,TxPを7組生成する。そして、処理部12は、この7組の遷移信号TxF,TxR,TxP(遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6)を送信部20に供給するようになっている。
また、処理部12は、データ生成部19を有している。データ生成部19は、キャリブレーションモードにおいて、所定のデータパターンを有するキャリブレーション用のデータ(遷移信号)を生成するものである。この構成により、処理部12は、キャリブレーションモードにおいて、データ生成部19が生成したキャリブレーション用のデータを、7組の遷移信号TxF,TxR,TxPとして出力するようになっている。
送信部20は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。また、送信部20は、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて出力インピーダンスを設定する機能をも有している。
図4は、送信部20の一構成例を表すものである。送信部20は、シリアライザ21〜23と、送信シンボル生成部24と、出力部27とを有している。
シリアライザ21は、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxF0〜TxF6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxF9を生成するものである。シリアライザ22は、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxR0〜TxR6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxR9を生成するものである。シリアライザ23は、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxP0〜TxP6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxP9を生成するものである。
送信シンボル生成部24は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。送信シンボル生成部24は、信号生成部25と、フリップフロップ26とを有している。
信号生成部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。具体的には、信号生成部25は、シンボル信号D1,D2,D3が示すシンボル(遷移前のシンボル)と、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて、図3に示したように遷移後のシンボルを求め、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3として出力するようになっている。
フリップフロップ26は、クロック信号TxCKに基づいてシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3をサンプリングして、そのサンプリング結果をシンボル信号D1,D2,D3としてそれぞれ出力するものである。
出力部27は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図5は、出力部27の一動作例を表すものである。出力部27は、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“1”,“0”,“0”である場合には、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。すなわち、出力部27は、シンボル“+x”を生成する。また、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“0”,“1”,“1”である場合には、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。すなわち、出力部27は、シンボル“−x”を生成する。また、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“0”,“1”,“0”である場合には、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにする。すなわち、出力部27は、シンボル“+y”を生成する。また、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“1”,“0”,“1”である場合には、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。すなわち、出力部27は、シンボル“−y”を生成する。また、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“0”,“0”,“1”である場合には、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。すなわち、出力部27は、シンボル“+z”を生成する。また、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が、“1”,“1”,“0”である場合には、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにする。すなわち、出力部27は、シンボル“−z”を生成するようになっている。
また、出力部27は、後述するように、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて出力インピーダンスを設定する機能をも有している。
図6は、出力部27の一構成例を表すものである。出力部27は、ドライバ制御部28と、インピーダンス調整部28A,28B,28Cと、ドライバ部29A,29B,29Cとを有している。
ドライバ制御部28は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびクロック信号TxCKに基づいて、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2A,UP1B,UP2B,DN1B,DN2B,UP1C,UP2C,DN1C,DN2Cを生成するものである。そして、ドライバ制御部28は、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aをインピーダンス調整部28Aに供給し、制御信号UP1B,UP2B,DN1B,DN2Bをインピーダンス調整部28Bに供給し、制御信号UP1C,UP2C,DN1C,DN2Cをインピーダンス調整部28Cに供給するようになっている。
インピーダンス調整部28Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aに基づいて、制御信号PU11A,PU12A,PD11A,PD12A,PU21A,PU22A,PD21A,PD22A,…,PU71A,PU72A,PD71A,PD72Aを生成するものである。また、インピーダンス調整部28Aは、制御信号Sctl1に基づいて、ドライバ部29Aに含まれる7つのドライバ291A〜297A(後述)のうちの使用するドライバの数を設定することにより、ドライバ部29Aの出力インピーダンスZoaを調整する機能をも有している。
同様に、インピーダンス調整部28Bは、制御信号UP1B,UP2B,DN1B,DN2Bに基づいて、制御信号PU11B,PU12B,PD11B,PD12B,PU21B,PU22B,PD21B,PD22B,…,PU71B,PU72B,PD71B,PD72Bを生成するものである。また、インピーダンス調整部28Bは、制御信号Sctl2に基づいて、ドライバ部29Bに含まれる7つのドライバ291B〜297B(後述)のうちの使用するドライバの数を設定することにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobを調整する機能をも有している。
同様に、インピーダンス調整部28Cは、制御信号UP1C,UP2C,DN1C,DN2Cに基づいて、制御信号PU11C,PU12C,PD11C,PD12C,PU21C,PU22C,PD21C,PD22C,…,PU71C,PU72C,PD71C,PD72Cを生成するものである。また、インピーダンス調整部28Cは、制御信号Sctl1に基づいて、ドライバ部29Cに含まれる7つのドライバ291C〜297C(後述)のうちの使用するドライバの数を設定することにより、ドライバ部29Cの出力インピーダンスZocを調整する機能をも有している。
図7は、インピーダンス調整部28Aの一構成例を表すものである。インピーダンス調整部28Aはインピーダンス制御部289Aと、論理積回路部281A〜287Aとを有している。
インピーダンス制御部289Aは、制御信号Sctl1に基づいて、制御信号SEL1〜SEL7を生成するものである。
論理積回路部281Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL1に基づいて、制御信号PU11A,PU12A,PD11A,PD12Aを生成するものである。論理積回路部281Aは、論理積回路2811A〜2814Aを有している。論理積回路2811Aの第1の入力端子には制御信号UP1Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SEL1が供給され、出力端子からは制御信号PU11Aが出力される。論理積回路2812Aの第1の入力端子には制御信号UP2Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SEL1が供給され、出力端子からは制御信号PU12Aが出力される。論理積回路2813Aの第1の入力端子には制御信号DN1Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SEL1が供給され、出力端子からは制御信号PD11Aが出力される。論理積回路2814Aの第1の入力端子には制御信号DN2Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SEL1が供給され、出力端子からは制御信号PD12Aが出力される。
同様に、論理積回路部282Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL2に基づいて、制御信号PU21A,PU22A,PD21A,PD22Aを生成するものである。論理積回路部283Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL3に基づいて、制御信号PU31A,PU32A,PD31A,PD32Aを生成するものである。論理積回路部284Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL4に基づいて、制御信号PU41A,PU42A,PD41A,PD42Aを生成するものである。論理積回路部285Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL5に基づいて、制御信号PU51A,PU52A,PD51A,PD52Aを生成するものである。論理積回路部286Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL6に基づいて、制御信号PU61A,PU62A,PD61A,PD62Aを生成するものである。論理積回路部287Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SEL7に基づいて、制御信号PU71A,PU72A,PD71A,PD72Aを生成するものである。
なお、ここでは、インピーダンス調整部28Aを例に挙げて説明したが、インピーダンス調整部28B,28Cについても同様である。インピーダンス調整部28Bは、インピーダンス制御部289Bと、論理積回路部281B〜287Bとを有している。インピーダンス調整部28Cは、インピーダンス制御部289Cと、論理積回路部281C〜287Cとを有している。インピーダンス制御部289Bは、制御信号Sctl2に基づいて、インピーダンス調整部28B内で用いられる制御信号SEL1〜SEL7を生成するものである。インピーダンス制御部289Cは、制御信号Sctl1に基づいて、インピーダンス調整部28C内で用いられる制御信号SEL1〜SEL7を生成するものである。論理積回路部281B〜287B,281C〜287Cは、論理積回路部281A〜287Aと同様の機能を有するものである。
ドライバ部29A(図6)は、制御信号PU11A,PU12A,PD11A,PD12A,PU21A,PU22A,PD21A,PD22A,…,PU71A,PU72A,PD71A,PD72Aに基づいて、信号SIGAを生成するものである。ドライバ部29Aは、この例では、7つのドライバ291A〜297Aを有している。ドライバ291Aは、制御信号PU11A,PU12A,PD11A,PD12Aに基づいて動作するものである。ドライバ292Aは、制御信号PU21A,PU22A,PD21A,PD22Aに基づいて動作するものである。ドライバ293A〜296Aについても同様である。ドライバ297Aは、制御信号PU71A,PU72A,PD71A,PD72Aに基づいて動作するものである。ドライバ291A〜297Aの出力端子は、互いに接続されるとともに、出力端子ToutAに接続されている。
ドライバ部29Bは、制御信号PU11B,PU12B,PD11B,PD12B,PU21B,PU22B,PD21B,PD22B,…,PU71B,PU72B,PD71B,PD72Bに基づいて、信号SIGBを生成するものである。ドライバ部29Bは、この例では、7つのドライバ291B〜297Bを有している。ドライバ291Bは、制御信号PU11B,PU12B,PD11B,PD12Bに基づいて動作するものである。ドライバ292Bは、制御信号PU21B,PU22B,PD21B,PD22Bに基づいて動作するものである。ドライバ293B〜296Bについても同様である。ドライバ297Bは、制御信号PU71B,PU72B,PD71B,PD72Bに基づいて動作するものである。ドライバ291B〜297Bの出力端子は、互いに接続されるとともに、出力端子ToutBに接続されている。
ドライバ部29Cは、制御信号PU11C,PU12C,PD11C,PD12C,PU21C,PU22C,PD21C,PD22C,…,PU71C,PU72C,PD71C,PD72Cに基づいて、信号SIGCを生成するものである。ドライバ部29Cは、この例では、7つのドライバ291C〜297Cを有している。ドライバ291Cは、制御信号PU11C,PU12C,PD11C,PD12Cに基づいて動作するものである。ドライバ292Cは、制御信号PU21C,PU22C,PD21C,PD22Cに基づいて動作するものである。ドライバ293C〜296Cについても同様である。ドライバ297Cは、制御信号PU71C,PU72C,PD71C,PD72Cに基づいて動作するものである。ドライバ291C〜297Cの出力端子は、互いに接続されるとともに、出力端子ToutCに接続されている。
図8は、ドライバ291Aの一構成例を表すものである。なお、ドライバ292A〜297A,291B〜297B,291C〜297Cについても同様である。ドライバ291Aは、トランジスタ91,94,95,98と、抵抗素子92,93,96,97とを有している。トランジスタ91,94,95,98は、この例では、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のFET(Field Effect Transistor)である。トランジスタ91のゲートには制御信号PU11Aが供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。トランジスタ94のゲートには制御信号PD11Aが供給され、ドレインは抵抗素子93の一端に接続され、ソースは接地されている。トランジスタ95のゲートには制御信号PU12Aが供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子96の一端に接続されている。トランジスタ98のゲートには制御信号PD12Aが供給され、ドレインは抵抗素子97の一端に接続され、ソースは接地されている。抵抗素子92の一端は、トランジスタ91のソースに接続され、他端は、抵抗素子93,96,97の他端および送信装置10の出力端子ToutAに接続されている。抵抗素子93の一端は、トランジスタ94のドレインに接続され、他端は、抵抗素子92,96,97の他端および送信装置10の出力端子ToutAに接続されている。抵抗素子96の一端は、トランジスタ95のソースに接続され、他端は、抵抗素子92,93,97の他端および送信装置10の出力端子ToutAに接続されている。抵抗素子97の一端は、トランジスタ98のドレインに接続され、他端は、抵抗素子92,93,96の他端および送信装置10の出力端子ToutAに接続されている。この例では、トランジスタ91のオン抵抗と、抵抗素子92の抵抗値との和は、400[Ω]程度であり、同様に、トランジスタ94のオン抵抗と、抵抗素子93の抵抗値との和は、400[Ω]程度である。また、トランジスタ95のオン抵抗と、抵抗素子96の抵抗値との和は、400[Ω]程度であり、同様に、トランジスタ98のオン抵抗と、抵抗素子97の抵抗値との和は、400[Ω]程度である。
この構成により、ドライバ制御部28は、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aを用いて、出力端子ToutAの電圧を、3つの電圧(高レベル電圧VH、低レベル電圧VL、および中レベル電圧VM)のうちの1つに設定する。具体的には、例えば、出力端子ToutAの電圧を高レベル電圧VHに設定する場合には、ドライバ制御部28は、制御信号UP1A,UP2Aを“1”にし、制御信号DN1A,DN2Aを“0”にする。なお、この例では、インピーダンス制御部289Aは、制御信号Sctl1に基づいて、制御信号SEL1〜SEL4を“1”にし、制御信号SEL5〜SEL7を“0”にする。これにより、ドライバ部29Aに供給される28本の制御信号のうち、制御信号PU11A,PU12A,PU21A,PU22A,PU31A,PU32A,PU41A,PU42Aが“1”になり、その他の制御信号は“0”になる。このとき、ドライバ部29Aでは、4つのドライバ291A〜294Aにおける8つのトランジスタ91,95がオン状態になる。その結果、信号SIGAが高レベル電圧VHになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、例えば、出力端子ToutAの電圧を低レベル電圧VLに設定する場合には、ドライバ制御部28は、制御信号DN1A,DN2Aを“1”にし、制御信号UP1A,UP2Aを“0”にする。これにより、ドライバ部29Aに供給される28本の制御信号のうち、制御信号PD11A,PD12A,PD21A,PD22A,PD31A,PD32A,PD41A,PD42Aが“1”になり、その他の制御信号は“0”になる。このとき、ドライバ部29Aでは、4つのドライバ291A〜294Aにおける8つのトランジスタ94,98がオン状態になる。その結果、信号SIGAが低レベル電圧VLになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、出力端子ToutAの電圧を中レベル電圧VMに設定する場合には、ドライバ制御部28は、例えば、制御信号UP1A,DN1Aを“1”にし、制御信号UP2A,DN2Aを“0”にする。これにより、ドライバ部29Aに供給される28本の制御信号のうち、制御信号PU11A,PD11A,PU21A,PD21A,PU31A,PD31A,PU41A,PD41Aが“1”になり、その他の制御信号は“0”になる。このとき、ドライバ部29Aでは、4つのドライバ291A〜294Aにおける8つのトランジスタ91,94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは中レベル電圧VMになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。このようにして、ドライバ制御部28は、制御信号PU1A〜PU7A,PD1A〜PD7Aを用いて、出力端子ToutAの電圧を、3つの電圧のうちの1つに設定するようになっている。
また、インピーダンス制御部289Aは、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて、ドライバ291A〜297A,291B〜297B,291C〜297Cのうち、使用するドライバの数を変更することにより、ドライバ部29Aの出力インピーダンスZoa、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZob、およびドライバ部29Cの出力インピーダンスZocを変化させる。具体的には、例えば、インピーダンス制御部289Aは、制御信号SEL1〜SEL7のうちの、“1”にする制御信号の数を増やすことにより、出力インピーダンスZoaを低くし、“1”にする制御信号の数を減らすことにより出力インピーダンスZoaを高くすることができるようになっている。インピーダンス制御部289B,289Cについても同様である。
受信部14は、受信装置30から供給された制御信号CTLを受信し、その制御信号CTLに含まれる比較結果情報INF(後述)を制御部15に供給するものである。
制御部15は、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定するものである。具体的には、制御部15は、比較結果情報INFに基づいて制御信号Sctl1,Sctl2を生成し、送信部20のドライバ制御部28に供給する。この制御信号Sctl1は、コードCzacを含んでいる。コードCzacは、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocを指示するものであり、コードCzacの値が小さいほど出力インピーダンスZoa,Zocが低くなり、コードCzacの値が大きいほど出力インピーダンスZoa,Zocが高くなるものである。また、制御信号Sctl2は、コードCzbを含んでいる。コードCzbは、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobを指示するものであり、コードCzbの値が小さいほど出力インピーダンスZobが低くなり、コードCzbの値が大きいほど出力インピーダンスZobが高くなるものである。これにより、制御部15は、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定することができるようになっている。
(受信装置40)
図1に示したように、受信装置30は、受信部40と、処理部32と、送信部33とを有している。
受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。
図9は、受信部40の一構成例を表すものである。受信部40は、抵抗素子41A,41B,41Cと、アンプ42A,42B,42Cと、クロック生成部43と、フリップフロップ44,45と、信号生成部46とを有している。
抵抗素子41A,41B,41Cは、通信システム1における終端抵抗として機能するものである。抵抗素子41Aの一端は入力端子TinAに接続されるとともに信号SIGAが供給され、他端は抵抗素子41B,41Cの他端に接続されている。抵抗素子41Bの一端は入力端子TinBに接続されるとともに信号SIGBが供給され、他端は抵抗素子41A,41Cの他端に接続されている。抵抗素子41Cの一端は入力端子TinCに接続されるとともに信号SIGCが供給され、他端は抵抗素子41A,41Bの他端に接続されている。
アンプ42A,42B,42Cは、それぞれ、正入力端子における信号と負入力端子における信号の差分に応じた信号を出力するものである。アンプ42Aの正入力端子は、アンプ42Cの負入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに信号SIGAが供給され、負入力端子は、アンプ42Bの正入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIGBが供給される。アンプ42Bの正入力端子は、アンプ42Aの負入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIGBが供給され、負入力端子は、アンプ42Cの正入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIGCが供給される。アンプ42Cの正入力端子は、アンプ42Bの負入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIGCが供給され、負入力端子は、アンプ42Aの正入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに信号SIGAが供給される。
この構成により、アンプ42Aは、信号SIGAと信号SIGBとの差分DAB(=SIGA−SIGB)に応じた信号SABを出力し、アンプ42Bは、信号SIGBと信号SIGCとの差分DBC(=SIGB−SIGC)に応じた信号SBCを出力し、アンプ42Cは、信号SIGCと信号SIGAとの差分DCA(=SIGC−SIGA)に応じた信号SCAを出力するようになっている。
図10は、受信部40が受信する信号SIGA〜SIGCの一例を表すものである。この例では、受信部40は、6つのシンボル“+x”,“−y”,“−z”,“+z”,“+y”,“−x”をこの順に受信している。このとき、信号SIGAの電圧は、VH,VM,VH,VL,VM,VLのように変化し、信号SIGBの電圧は、VL,VL,VM,VM,VH,VHのように変化し、信号SIGCの電圧は、VM,VH,VL,VH,VL,VMのように変化する。これに応じて、差分DAB,DBC,DCAもまた変化する。例えば、差分DABは、+2ΔV,+ΔV,+ΔV,−ΔV,−ΔV,−2ΔVのように変化し、差分DBCは、−ΔV,−2ΔV,+ΔV,−ΔV,+2ΔV,+ΔVのように変化し、差分DCAは、−ΔV,+ΔV,−2ΔV,+2ΔV,−ΔV,+ΔVのように変化する。ここで、ΔVは、3つの電圧(高レベル電圧VH、中レベル電圧VM、および低レベル電圧VL)のうちの隣り合う2つの電圧の差である。
図11は、受信部40がシンボル“+x”を受信する場合における、アンプ42A,42B,42Cの一動作例を表すものである。この例では、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VHであり、信号SIGBの電圧は低レベル電圧VLであり、信号SIGCの電圧は中レベル電圧VMである。この場合には、入力端子TinA、抵抗素子41A、抵抗素子41B、入力端子TinBの順に電流Iinが流れる。そして、アンプ42Aの正入力端子には高レベル電圧VHが供給されるとともに負入力端子には低レベル電圧VLが供給され、差分DABは正になるため、アンプ42Aの出力信号SABは“1”になる。また、アンプ42Bの正入力端子には低レベル電圧VLが供給されるとともに負入力端子には中レベル電圧VMが供給され、差分DBCは負になるため、アンプ42Bの出力信号SABは“0”になる。また、アンプ42Cの正入力端子には中レベル電圧VMが供給されるとともに負入力端子には高レベル電圧VHが供給され、差分DCAは負になるため、アンプ42Cの出力信号SCAは“0”を出力するようになっている。
クロック生成部43は、アンプ42A,42B,42Cの出力信号SAB,SBC,SCAに基づいて、クロック信号RxCKを生成するものである。
フリップフロップ44は、アンプ42A,42B,42Cの出力信号SAB,SBC,SCAを、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。フリップフロップ45は、フリップフロップ44の3つの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。
信号生成部46は、フリップフロップ44,45の出力信号、およびクロック信号RxCKに基づいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するものである。この遷移信号RxF,RxR,RxPは、送信装置10における遷移信号TxF9,TxR9,TxP9にそれぞれ対応するものであり、シンボルの遷移を表すものである。信号生成部46は、フリップフロップ44の出力信号が示すシンボルと、フリップフロップ45の出力信号が示すシンボルに基づいて、シンボルの遷移(図3)を特定し、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するようになっている。
処理部32(図1)は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行うものである。処理部32は、データ比較部39を有している。データ比較部39は、キャリブレーションモードにおいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを、所定のデータパターンを有するデータ(遷移信号)と比較することにより、比較結果情報INFを生成するものである。このデータは、データ生成部19が生成したキャリブレーション用のデータに対応するものである。
送信部33は、比較結果情報INFに基づいて制御信号CTLを生成し、この制御信号CTLを送信装置10に対して送信するものである。
(伝送路100)
図12は、伝送路100の一構成例を表すものである。伝送路100は、いわゆるストリップ線路により構成されたものである。伝送路100は、線路110A〜110Cに加え、導電層101と、誘電層102と、導電層103とを有している。
導電層101,103は、例えば金属により構成されるものであり、この例では接地されている。誘電層102は、誘電体により構成されるものである。誘電層102の比誘電率Erは、この例では、“4.3”である。伝送路100では、導電層101、誘電層102、および導電層103が、この順に積層されている。
線路110A,110B,110Cは、誘電層102内において、導電層101から距離d1の位置であって、導電層103から距離d2の位置に設けられている。距離d1は、この例では0.06[mm]であり、距離d2は、この例では、0.1[mm]である。線路110A,110B,110Cは、幅WA,WB,WCで形成されるとともに、間隔Pでこの順に並設されている。幅WA,WB,WCは、この例では、0.05[mm]であり、間隔Pは、この例では、0.075[mm]である。
ここで、送信部20および制御部15は、本開示における第1の送信装置の「送信部」の一具体例に対応する。出力端子ToutAは、本開示における「第1の出力端子」の一具体例に対応し、出力端子ToutBは、本開示における「第2の出力端子」の一具体例に対応し、出力端子ToutCは、本開示における「第3の出力端子」の一具体例に対応する。制御信号Sctl2は、本開示における「第1の制御信号」の一具体例に対応する。制御信号Sctl1は、本開示における「第2の制御信号」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の通信システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、通信システム1の全体動作概要を説明する。送信装置10のクロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成する。処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成する。処理部12のデータ生成部19は、キャリブレーションモードにおいて、所定のデータパターンを有するキャリブレーション用のデータ(遷移信号)を生成する。受信部14は、受信装置30から供給された制御信号CTLを受信し、その制御信号CTLに含まれる比較結果情報INFを制御部15に供給する。制御部15は、比較結果情報INFに基づいて制御信号Sctl1,Sctl2を生成する。送信部20は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するとともに、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定する。伝送路100は、信号SIGA,SIGB,SIGCを伝える。
受信装置30の受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成する。処理部32は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行う。処理部32のデータ比較部39は、キャリブレーションモードにおいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを、所定のデータパターンを有するデータ(遷移信号)と比較することにより、比較結果情報INFを生成する。送信部33は、比較結果情報INFに基づいて制御信号CTLを生成し、この制御信号CTLを送信装置10に対して送信する。
(出力インピーダンスの調整について)
通信システム1は、例えば、電源投入時において、キャリブレーションモードで動作し、送信装置10の出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを調整する。以下に、この動作について詳細に説明する。
図13は、キャリブレーションモードにおける通信システム1の一動作例を表すものである。送信装置10は、キャリブレーション用のデータに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCを生成し、出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを順次変化させながら、この信号SIGA,SIGB,SIGCを送信する。そして、受信装置30は、この信号SIGA,SIGB,SIGCを受信する。送信装置10は、受信装置30における受信結果に基づいて、出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを決定する。以下に、この動作について詳細に説明する。
まず、送信装置10の制御部15は、コードCzac,Czbを初期値に設定する(ステップS1)。これにより、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocは、それぞれ約50[Ω]に設定される。
次に、制御部15は、コードCzbをデクリメントするとともに、コードCzacをインクリメントする(ステップS2)。これにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが一段階低い値に設定されるとともに、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocが一段階高い値に設定される。
次に、制御部15は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS3)。具体的には、まず、送信装置10において、処理部12のデータ生成部19がキャリブレーション用のデータ(遷移信号)を生成し、送信部20がこのデータに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCを生成して、この信号SIGA,SIGB,SIGCを送信する。受信装置30では、受信部40がこの信号SIGA,SIGB,SIGCを受信して、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成し、処理部32のデータ比較部39が、この遷移信号RxF,RxR,RxPを所定のデータ(キャリブレーション用のデータ)と比較することにより、比較結果情報INFを生成する。そして、データ比較部39は、この比較結果情報INFを、送信部33および受信部14を介して、送信装置10の制御部15に供給する。そして、制御部15は、この比較結果情報INFに基づいて、通信エラーが発生したか否かを確認する。
キャリブレーション用のデータは、例えば、通信エラーが生じやすいデータパターンを有することが望ましい。具体的には、例えば、いわゆるISI(Inter-Symbol Interference)ジッタが生じやすいデータパターンであってもよい。また、例えば、図10に示したように、差分DAB,DBC,DCAのいずれかが+2ΔVから−ΔVに変化するようなデータパターンや、差分DAB,DBC,DCAのいずれかが−2ΔVから+ΔVに変化するようなデータパターンを多く含むものであってもよい。
このステップS3において通信エラーが発生していない場合(ステップS3において“N”)には、ステップS2に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS2,S3を繰り返す。
また、ステップS3において通信エラーが発生した場合(ステップS3において“Y”)には、制御部15は、コードCzbをコードCzb1にし、コードCzacをコードCzac1にする(ステップS4)。
次に、制御部15は、コードCzac,Czbを初期値に設定する(ステップS5)。これにより、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocは、それぞれ約50[Ω]に再度設定される。
次に、制御部15は、コードCzbをインクリメントするとともに、コードCzacをデクリメントする(ステップS6)。これにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが一段階高い値に設定されるとともに、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocが一段階低い値に設定される。
次に、制御部15は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS7)。このステップにおける具体的な動作はステップS3と同様である。このステップS7において通信エラーが発生していない場合(ステップS7において“N”)には、ステップS6に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS6,S7を繰り返す。
ステップS7において通信エラーが発生した場合(ステップS7において“Y”)には、制御部15は、コードCzbをコードCzb2にし、コードCzacをコードCzac2にする(ステップS8)。
次に、制御部15は、コードCzb1およびコードCzb2の平均値をコードCzbにし、コードCzac1およびコードCzac2の平均値をコードCzacにする(ステップS9)。これにより、ドライバ部29Aの出力インピーダンスZoaはコードCzacに応じた値に設定され、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobはコードCzbに応じた値に設定され、ドライバ部29Cの出力インピーダンスZocはコードCzacに応じた値に設定される。
以上でこのフローは終了する。このフローにより、出力インピーダンスZoa,Zob,Zocは、差動信号のアイ開口が広くなるように設定される。
このようにしてドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定したとき、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobは、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocに比べて低くなる。すなわち、まず、伝送路100では、線路110A,110B,110Cは、図12に示したように、この順に配置されている。よって、線路110A,110Cの差動インピーダンスと、線路110A,110Bの差動インピーダンスとの差が大きくななるとともに、線路110A,110Cの差動インピーダンスと、線路110B,110Cの差動インピーダンスとの差が大きくなる。このように、伝送路100では、差動インピーダンスが非対称なので、差動信号のアイ開口が狭まってしまうおそれがある。図13に示したフローでは、差動インピーダンスの非対称性を補うように、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocが調整される。その結果、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobは、以下に示すように、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocに比べて低い値に設定される。
図14は、差動信号のアイ開口についてのシミュレーション結果を表すものである。この例では、4つのケースC1〜C4において、互いに異なるデータパターンDP1〜DP10を用いたときのアイ開口(電圧値)を示している。なお、このシミュレーションでは、アイ開口のいわゆるワースト条件を得るため、抵抗値を全体的に大きめに設定している。ケースC1は、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocがともに60[Ω]である場合を示し、ケースC2は、ドライバ部29Aの出力インピーダンスZoaが54[Ω]であり、ドライバ部29B,29Cの出力インピーダンスZob,Zocがともに60[Ω]である場合を示し、ケースC3は、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocがともに60[Ω]であり、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが54[Ω]である場合を示し、ケースC4は、ドライバ部29A,29Bの出力インピーダンスZoa,Zobが60[Ω]であり、ドライバ部29Cの出力インピーダンスZocが54[Ω]である場合を示す。
図14に示したように、ケースC3におけるアイ開口は、ケースC1,C2,C4のアイ開口よりも大きい。すなわち、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocよりも低い場合に、伝送路100における差動インピーダンスの非対称性が補われるため、差動信号のアイ開口が広くなる。
このように、通信システム1では、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobを、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocよりも低くした。これにより、伝送路100における差動インピーダンスの非対称性を補うことができ、アイ開口を広くすることができる。その結果、通信システム1では、通信エラーを抑えることができ、通信品質を高めることができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、出力インピーダンスZobを、出力インピーダンスZoa,Zocよりも低くしたので、通信品質を高めることができる。
本実施の形態では、受信装置における受信結果に基づいて出力インピーダンスを調整したので、出力インピーダンスの値をより望ましい値に設定することができるため、通信品質を高めることができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、図13に示したように、出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを変化させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば図15に示すように、出力インピーダンスZobのみを変化させてもよい。
この例では、まず、制御部15が、コードCzac,Czbを初期値に設定する(ステップS1)。次に、制御部15は、コードCzbをデクリメントする(ステップS12)。これにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが一段階低い値に設定される。すなわち、上記実施の形態の場合とは異なり、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocは変化せず、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobのみが変化する。次に、制御部15は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS3)。このステップS3において通信エラーが発生していない場合(ステップS3において“N”)には、ステップS2に戻る。また、ステップS3において通信エラーが発生した場合(ステップS3において“Y”)には、制御部15は、コードCzbをコードCzb1にする(ステップS14)。
次に、制御部15は、コードCzbを初期値に設定する(ステップS15)。次に、制御部15は、コードCzbをインクリメントする(ステップS16)。これにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが一段階高い値に設定される。すなわち、上記実施の形態の場合とは異なり、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocは変化せず、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobのみが変化する。次に、制御部15は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS7)。このステップS7において通信エラーが発生していない場合(ステップS7において“N”)には、ステップS16に戻る。また、ステップS7において通信エラーが発生した場合(ステップS7において“Y”)には、制御部15は、コードCzbをコードCzb2にする(ステップS18)。
次に、制御部15は、コードCzb1およびコードCzb2の平均値をコードCzbにする(ステップS19)。これにより、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobはコードCzbに応じた値に設定される。
[変形例1−2]
上記実施の形態では、キャリブレーションモードにおいて、受信装置における受信結果に基づいて出力インピーダンスを調整したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを固定にしてもよい。この場合でも、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobを、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocよりも低くすることにより、通信品質を高めることができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る通信システム1Bについて説明する。本実施の形態は、出力インピーダンスの調整方法が、上記第1の実施の形態と異なるものである。すなわち、上記第1の実施の形態では、シンボルのシーケンスを送信し、通信エラーが発生するか否かに基づいて出力インピーダンスを調整したが、これに代えて、本実施の形態では、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、受信装置における信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて出力インピーダンスを調整している。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図16は、通信システム1Bの一構成例を表すものである。通信システム1Bは、送信装置10Bと、受信装置30Bとを備えている。
送信装置10Bは、処理部12Bと、送信部20Bと、受信部14Bと、制御部15Bとを有するものである。
処理部12Bは、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。この処理部12Bは、上記第1の実施の形態に係る処理部12からデータ生成部19を省いたものである。
送信部20Bは、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。また、送信部20Bは、キャリブレーションモードにおいて、制御信号Smodeに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定するとともに、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定する機能を有している。送信部20Bは、第1の実施の形態に係る送信部20(図4)と同様に、出力部27Bを有している。
図17は、出力部27Bの一構成例を表すものである。出力部27Bは、ドライバ制御部88と、インピーダンス調整部88A,88B,88Cとを有している。
ドライバ制御部88は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、制御信号Smode、およびクロック信号TxCKに基づいて、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2A,UP1B,UP2B,DN1B,DN2B,UP1C,UP2C,DN1C,DN2Cを生成するものである。その際、ドライバ制御部88は、キャリブレーションモードにおいて、制御信号Smodeに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定するようになっている。
図18は、制御信号Smodeと、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧との関係を表すものである。制御信号SmodeがモードM1を指示するものである場合には、ドライバ制御部88は、信号SIGA,SIGBの電圧を高レベル電圧VHに設定するとともに、信号SIGCの電圧を低レベル電圧VLに設定する。また、制御信号SmodeがモードM2を指示するものである場合には、ドライバ制御部88は、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VLに設定するとともに、信号SIGB,SIGCの電圧を高レベル電圧VHに設定する。また、制御信号SmodeがモードM3を指示するものである場合には、ドライバ制御部88は、信号SIGA,SIGBの電圧を低レベル電圧VLに設定するとともに、信号SIGCの電圧を高レベル電圧VHに設定する。また、制御信号SmodeがモードM4を指示するものである場合には、ドライバ制御部88は、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VHに設定するとともに、信号SIGB,SIGCの電圧を低レベル電圧VLに設定するようになっている。
後述するように、通信システム1Bでは、第1の実施の形態に係る通信システム1と同様に、出力インピーダンスZobを出力インピーダンスZoa,Zocよりも低くする。これにより、例えば、モードM1において、図18に示したように、信号SIGA,SIGBの電圧をともに高レベル電圧VHに設定しても、実際には同じ電圧にはならない。すなわち、出力インピーダンスZobを出力インピーダンスZoaよりも低くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGAの電圧よりも高くなる。よって、モードM1では、信号SABの期待値は、図18に示したように“0”(SAB=0)になる。同様に、モードM2において、出力インピーダンスZobを出力インピーダンスZocよりも低くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGCの電圧よりも高くなる。よって、モードM2では、信号SBCの期待値は“1”(SBC=1)になる。同様に、モードM3において、出力インピーダンスZobを出力インピーダンスZoaよりも低くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGAの電圧よりも低くなる。よって、モードM3では、信号SABの期待値は“1”(SAB=1)になる。同様に、モードM4において、出力インピーダンスZobを出力インピーダンスZocよりも低くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGCの電圧よりも低くなる。よって、信号SBCの期待値は“0”(SBC=0)になる。
インピーダンス調整部88A,88B,88Cは、第1の実施の形態に係るインピーダンス調整部28A,28B,28Cと同様に、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを調整するものである。その際、インピーダンス調整部88A,88B,88Cは、ドライバ部29A,29B,29Cが、高レベル電圧VHを出力する際の出力インピーダンスZoa,Zob,Zocと、低レベル電圧VLを出力する際の出力インピーダンスZoa,Zob,Zocとを、別々に調整することができるようになっている。
図19は、インピーダンス調整部88Aの一構成例を表すものである。インピーダンス調整部88Aはインピーダンス制御部889Aと、論理積回路部881A〜887Aとを有している。
インピーダンス制御部889Aは、制御信号Sctl1に基づいて、制御信号SELU1〜SELU7および制御信号SELD1〜SELD7を生成するものである。
論理積回路部881Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU1,SELD1に基づいて、制御信号PU11A,PU12A,PD11A,PD12Aを生成するものである。論理積回路2811Aの第1の入力端子には制御信号UP1Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SELU1が供給され、出力端子からは制御信号PU11Aが出力される。論理積回路2812Aの第1の入力端子には制御信号UP2Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SELU1が供給され、出力端子からは制御信号PU12Aが出力される。論理積回路2813Aの第1の入力端子には制御信号DN1Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SELD1が供給され、出力端子からは制御信号PD11Aが出力される。論理積回路2814Aの第1の入力端子には制御信号DN2Aが供給され、第2の入力端子には制御信号SELD1が供給され、出力端子からは制御信号PD12Aが出力される。
同様に、論理積回路部882Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU2,SELD2に基づいて、制御信号PU21A,PU22A,PD21A,PD22Aを生成するものである。論理積回路部883Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU3,SELD3に基づいて、制御信号PU31A,PU32A,PD31A,PD32Aを生成するものである。論理積回路部884Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU4,SELD4に基づいて、制御信号PU41A,PU42A,PD41A,PD42Aを生成するものである。論理積回路部885Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU5,SELD5に基づいて、制御信号PU51A,PU52A,PD51A,PD52Aを生成するものである。論理積回路部886Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU6,SELD6に基づいて、制御信号PU61A,PU62A,PD61A,PD62Aを生成するものである。論理積回路部887Aは、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aおよび制御信号SELU7,SELD7に基づいて、制御信号PU71A,PU72A,PD71A,PD72Aを生成するものである。
なお、ここでは、インピーダンス調整部88Aを例に挙げて説明したが、インピーダンス調整部88B,88Cについても同様である。インピーダンス調整部88Bは、インピーダンス制御部889Bと、論理積回路部881B〜887Bとを有している。インピーダンス調整部88Cは、インピーダンス制御部889Cと、論理積回路部881C〜887Cとを有している。インピーダンス制御部889Bは、制御信号Sctl2に基づいて、インピーダンス調整部88B内で用いられる制御信号SELU1〜SELU7および制御信号SELD1〜SELD7を生成するものである。インピーダンス制御部889Cは、制御信号Sctl1に基づいて、インピーダンス調整部88C内で用いられる制御信号SELU1〜SELU7および制御信号SELD1〜SELD7を生成するものである。論理積回路部881B〜887B,881C〜887Cは、論理積回路部881A〜887Aと同様の機能を有するものである。
受信部14Bは、受信装置30Bから供給された制御信号CTLを受信し、その制御信号CTLに含まれる信号SAB,SBC,SCAを制御部15Bに供給するものである。
制御部15Bは、制御信号Smodeを用いて、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定するとともに、信号SAB,SBC,SCAに基づいて、制御信号Sctl1,Sctl2を用いて、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocを設定するものである。この制御信号Sctl1は、コードCzacup,Czacdnを含んでいる。コードCzacupは、ドライバ部29A,29Cが高レベル電圧VHを出力する際の出力インピーダンスZoa,Zocを指示するものであり、コードCzacupの値が小さいほど出力インピーダンスZoa,Zocが低くなり、コードCzacupの値が大きいほど出力インピーダンスZoa,Zocが高くなるものである。コードCzacdnは、ドライバ部29A,29Cが低レベル電圧VLを出力する際の出力インピーダンスZoa,Zocを指示するものであり、コードCzacdnの値が小さいほど出力インピーダンスZoa,Zocが低くなり、コードCzacdnの値が大きいほど出力インピーダンスZoa,Zocが高くなるものである。また、制御信号Sctl2は、コードCzbup,Czbdnを含んでいる。コードCzbupは、ドライバ部29Bが高レベル電圧VHを出力する際の出力インピーダンスZobを指示するものであり、コードCzbupの値が小さいほど出力インピーダンスZobが低くなり、コードCzbupの値が大きいほど出力インピーダンスZobが高くなるものである。コードCzbdnは、ドライバ部29Bが低レベル電圧VLを出力する際の出力インピーダンスZobを指示するものであり、コードCzbdnの値が小さいほど出力インピーダンスZobが低くなり、コードCzbdnの値が大きいほど出力インピーダンスZobが高くなるものである。
受信装置30Bは、受信部40Bと、処理部32Bと、送信部33Bとを有するものである。受信部40Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。また、受信部40Bは、信号SAB,SBC,SCAを出力する機能をも有している。処理部32Bは、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行うものである。この処理部32Bは、上記第1の実施の形態に係る処理部32からデータ比較部39を省いたものである。送信部33Bは、信号SAB,SBC,SCAに基づいて制御信号CTLを生成し、この制御信号CTLを送信装置10Bに対して送信するものである。
ここで、送信部20Bおよび制御部15Bは、本開示における第1の送信装置の「送信部」の一具体例に対応する。
図20は、キャリブレーションモードにおける通信システム1Bの一動作例を表すものである。
まず、送信装置10Bの制御部15Bは、コードCzacup,Czacdn,Czbup,Czbdnを初期値に設定する(ステップS21)。これにより、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスZoa,Zob,Zocは、それぞれ約50[Ω]に設定される。
次に、制御部15Bは、動作モードをモードM1に設定する(ステップS22)。具体的には、制御部15Bは、制御信号Smodeをドライバ制御部88に供給することにより、信号SIGA,SIGBの電圧を高レベル電圧VHに設定するとともに、信号SIGCの電圧を低レベル電圧VLに設定する。そして、受信装置30Bの受信部40Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、送信部33Bおよび受信部14Bを介して、送信装置10Bの制御部15Bに供給する。
次に、制御部15Bは、信号SABが“0”であるか否かを確認する(ステップS23)。このステップS23において、信号SABが“0”でない場合(ステップS23において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbupをデクリメントし(ステップS24)、ステップS23に戻る。そして、信号SABが“0”になるまで、このステップS23,S24を繰り返す。これにより、ドライバ部29Bが高レベル電圧VHを出力するときの出力インピーダンスZobは、ドライバ部29Aが高レベル電圧VHを出力するときの出力インピーダンスZoaよりも低くなる。
また、ステップS23において信号SABが“0”である場合(ステップS23において“Y”)には、制御部15Bは、動作モードをモードM2に設定する(ステップS25)。具体的には、制御部15Bは、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VLに設定するとともに、信号SIGB,SIGCの電圧を高レベル電圧VHに設定する。そして、受信装置30Bの受信部40Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、送信部33Bおよび受信部14Bを介して、送信装置10Bの制御部15Bに供給する。
次に、制御部15Bは、信号SBCが“1”であるか否かを確認する(ステップS26)。このステップS26において、信号SBCが“1”でない場合(ステップS26において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbupをデクリメントし(ステップS27)、ステップS26に戻る。そして、信号SBCが“1”になるまで、このステップS26,S27を繰り返す。これにより、ドライバ部29Bが高レベル電圧VHを出力するときの出力インピーダンスZobは、ドライバ部29Cが高レベル電圧VHを出力するときの出力インピーダンスZocよりも低くなる。
また、ステップS26において信号SBCが“1”である場合(ステップS26において“Y”)には、制御部15Bは、動作モードをモードM3に設定する(ステップS28)。具体的には、制御部15Bは、信号SIGA,SIGBの電圧を低レベル電圧VLに設定するとともに、信号SIGCの電圧を高レベル電圧VHに設定する。そして、受信装置30Bの受信部40Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、送信部33Bおよび受信部14Bを介して、送信装置10Bの制御部15Bに供給する。
次に、制御部15Bは、信号SABが“1”であるか否かを確認する(ステップS29)。このステップS29において、信号SABが“1”でない場合(ステップS29において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbdnをデクリメントし(ステップS30)、ステップS29に戻る。そして、信号SABが“1”になるまで、このステップS29,S30を繰り返す。これにより、ドライバ部29Bが低レベル電圧VLを出力するときの出力インピーダンスZobは、ドライバ部29Aが低レベル電圧VLを出力するときの出力インピーダンスZoaよりも低くなる。
また、ステップS29において信号SABが“1”である場合(ステップS29において“Y”)には、制御部15Bは、動作モードをモードM4に設定する(ステップS31)。具体的には、制御部15Bは、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VHに設定するとともに、信号SIGB,SIGCの電圧を低レベル電圧VLに設定する。そして、受信装置30Bの受信部40Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、送信部33Bおよび受信部14Bを介して、送信装置10Bの制御部15Bに供給する。
次に、制御部15Bは、信号SBCが“0”であるか否かを確認する(ステップS32)。このステップS32において、信号SBCが“0”でない場合(ステップS32において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbdnをデクリメントし(ステップS33)、ステップS32に戻る。そして、信号SBCが“0”になるまで、このステップS32,S33を繰り返す。これにより、ドライバ部29Bが低レベル電圧VLを出力するときの出力インピーダンスZobは、ドライバ部29Cが低レベル電圧VLを出力するときの出力インピーダンスZocよりも低くなる。
そして、信号SBCが“0”である場合(ステップS32において“Y”)には、このフローは終了する。
このように、通信システム1Bでは、送信装置10Bが信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、受信装置30Bにおける信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて出力インピーダンスを調整するようにした。これにより、通信システム1Bでは、上記第1の実施の形態に係る通信システム1と異なり、シンボルのシーケンスを送受信しないため、キャリブレーション時間を短くすることができる。
以上のように本実施の形態では、送信装置が信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて出力インピーダンスを調整するようにしたので、キャリブレーション時間を短くすることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例2−1]
上記実施の形態では、図20に示したように、例えばステップS23において、信号SABが“0”である場合(ステップS23において“Y”)に、ステップS25に進んだが、これに限定されるものではない。例えば、信号SABが“0”である場合に、コードCzbupを所定量減じた後に、ステップS25に進んでもよい。これにより、コードCzbupのマージンを確保することができる。
同様に、上記実施の形態では、例えばステップS26において、信号SBCが“1”である場合(ステップS26において“Y”)に、ステップS28に進んだが、これに限定されるものではない。例えば、信号SBCが“1”である場合に、コードCzbupを所定量減じた後に、ステップS28に進んでもよい。これにより、コードCzbupのマージンを確保することができる。
同様に、上記実施の形態では、例えばステップS29において、信号SABが“1”である場合(ステップS29において“Y”)に、ステップS31に進んだが、これに限定されるものではない。例えば、信号SABが“1”である場合に、コードCzbdnを所定量減じた後に、ステップS31に進んでもよい。これにより、コードCzbdnのマージンを確保することができる。
同様に、上記実施の形態では、例えばステップS32において、信号SBCが“0”である場合(ステップS32において“Y”)に、フローを終了したが、これに限定されるものではない。例えば、信号SBCが“0”である場合に、コードCzbdnを所定量減じた後に、フローを終了してもよい。これにより、コードCzbdnのマージンを確保することができる。
[変形例2−2]
上記実施の形態では、図20に示したように、出力インピーダンスZobのみを変化させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば図21に示すように、出力インピーダンスZoa,Zocをも変化させてもよい。
この例では、ステップS23において、信号SABが“0”でない場合(ステップS23において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbupをデクリメントするとともに、コードCzacupをインクリメントする(ステップS34)。
同様に、ステップS26において、信号SBCが“1”でない場合(ステップS26において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbupをデクリメントするとともに、コードCzacupをインクリメントする(ステップS35)。
同様に、ステップS29において、信号SABが“1”でない場合(ステップS29において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbdnをデクリメントするとともに、コードCzacdnをインクリメントする(ステップS36)。
同様に、ステップS32において、信号SBCが“0”でない場合(ステップS32において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbdnをデクリメントするとともに、コードCzacdnをインクリメントする(ステップS37)。
[変形例2−3]
上記実施の形態では、モードM1,M2,M3,M4の順に動作モードを設定し、出力インピーダンスを調整したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、モードM3,M4,M1,M2の順に動作モードを設定してもよい。また、モードM1とモードM2の順番を入れ替えてもよいし、モードM3とモードM4の順番を入れ替えてもよい。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る通信システム2について説明する。本実施の形態は、出力インピーダンスの代わりに、信号SIGA,SIGB,SIGCの振幅を調整するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1などと実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図22は、通信システム2の一構成例を表すものである。通信システム2は、送信装置50を備えている。送信装置50は、送信部60と、制御部55と、レギュレータ56とを有している。
送信部60は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。送信部60には、レギュレータ56により生成された2つの電圧Vreg1,Vreg2が供給されるようになっている。送信部60は、第1の実施の形態に係る送信部20(図4)と同様に、出力部67を有している。
図23は、出力部67の一構成例を表すものである。出力部67は、設定部69を有している。設定部69は、制御信号Sctlを生成し、インピーダンス調整部28A〜28Cに供給するものである。この例では、ドライバ部29Aおよびドライバ部29Cには、電圧Vreg1が供給される。具体的には、ドライバ部29Aの7つのドライバ291A〜297Aのトランジスタ91,95(図8)のドレイン、およびドライバ部29Cの7つのドライバ291C〜297Cのトランジスタ91,95のドレインに、電圧Vreg1が供給される。また、ドライバ部29Bには、電圧Vreg2が供給される。具体的には、ドライバ部29Bの7つのドライバ291B〜297Bのトランジスタ91,95(図8)のドレインに、電圧Vreg2が供給される。これにより、送信装置50では、ドライバ部29Bが生成する信号SIGBの振幅Vswbを、ドライバ部29A,29Cが生成する信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcと異ならせることができるようになっている。
制御部55は、比較結果情報INFに基づいて、レギュレータ56に制御信号を供給するものである。この制御信号は、コードCvac,Cvbを含んでいる。コードCvacは、電圧Vreg1の電圧値を指示するものであり、コードCvacの値が小さいほど電圧Vreg1が低くなり、コードCvacの値が大きいほど電圧Vreg1が高くなるものである。コードCvbは、電圧Vreg2の電圧値を指示するものであり、コードCvbの値が小さいほど電圧Vreg2が低くなり、コードCvbの値が大きいほど電圧Vreg2が高くなるものである。
レギュレータ56は、制御部55から供給される制御信号に基づいて、電圧Vreg1,Vreg2を生成するものである。
ここで、送信部60、制御部55、およびレギュレータ56は、本開示における第2の送信装置の「送信部」の一具体例に対応する。
図24は、キャリブレーションモードにおける通信システム2の一動作例を表すものである。
まず、送信装置50の制御部55は、コードCvac,Cvbを初期値に設定する(ステップS41)。これにより、信号SIGA,SIGB,SIGCの振幅Vswa,Vswb,Vswcは、例えば約0.45Vに設定される。
次に、制御部55は、コードCvbをデクリメントする(ステップS42)。これにより、信号SIGBの振幅Vswbが一段階小さい値に設定される。
次に、制御部55は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS43)。具体的には、まず、送信装置50において、処理部12のデータ生成部19がキャリブレーション用のデータ(遷移信号)を生成し、送信部60がこのデータに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCを生成して、この信号SIGA,SIGB,SIGCを送信する。受信装置30では、受信部40がこの信号SIGA,SIGB,SIGCを受信して、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成し、処理部32のデータ比較部39が、この遷移信号RxF,RxR,RxPを所定のデータ(キャリブレーション用のデータ)と比較することにより、比較結果情報INFを生成する。そして、データ比較部39は、この比較結果情報INFを、送信部33および受信部14を介して、送信装置50の制御部55に供給する。そして、制御部55は、この比較結果情報INFに基づいて、通信エラーが発生したか否かを確認する。
このステップS43において通信エラーが発生していない場合(ステップS43において“N”)には、ステップS42に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS42,S43を繰り返す。
また、ステップS43において通信エラーが発生した場合(ステップS43において“Y”)には、制御部55は、コードCvbをコードCvb1にする(ステップS44)。
次に、制御部55は、コードCvbを初期値に設定する(ステップS45)。これにより、信号SIGBの振幅Vswbは、例えば約0.45Vに再度設定される。
次に、制御部55は、コードCvbをインクリメントする(ステップS46)。これにより、信号SIGBの振幅Vswbが一段階大きい値に設定される。
次に、制御部55は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS47)。このステップにおける具体的な動作はステップS43と同様である。このステップS47において通信エラーが発生していない場合(ステップS47において“N”)には、ステップS46に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS46,S47を繰り返す。
ステップS47において通信エラーが発生した場合(ステップS47において“Y”)には、制御部55は、コードCvbをコードCvb2にする(ステップS48)。
次に、制御部55は、コードCvb1およびコードCvb2の平均値をコードCvbにする(ステップS49)。これにより、信号SIGBの振幅VswbはコードCvbに応じた値に設定される。
以上でこのフローは終了する。このフローにより、信号SIGBの振幅Vswbは、差動信号のアイ開口が広くなるように設定される。
このようにして信号SIGBの振幅Vswbを設定したとき、振幅Vswbは、信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcに比べて大きくなる。このことは、上記第1の実施の形態等で説明したように、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocに比べて低いことと対応している。すなわち、ドライバ部29Bの出力インピーダンスZobが、ドライバ部29A,29Cの出力インピーダンスZoa,Zocに比べて低い場合には、信号SIGBの振幅Vswbは、信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcに比べて大きくなる。よって、出力インピーダンスZoa,Zob,Zocが互いに等しい場合であっても、信号SIGBの振幅Vswbが、信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcに比べて大きければ、差動信号のアイ開口が広くなると考えられる。
このように、通信システム2では、信号SIGBの振幅Vswbを信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcに比べて大きくしたので、差動信号のアイ開口が広くすることができる。その結果、通信システム2では、通信エラーを抑えることができ、通信品質を高めることができる。
以上のように本実施の形態では、振幅Vswbを振幅Vswa,Vswcに比べて大きくしたので、通信品質を高めることができる。
本実施の形態では、受信装置における受信結果に基づいて振幅を調整したので、振幅の値をより望ましい値に設定することができるため、通信品質を高めることができる。
[変形例3−1]
上記実施の形態では、図23に示したように、信号SIGBの振幅Vswbのみを変化させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcをも変化させてもよい。
[変形例3−2]
上記実施の形態では、キャリブレーションモードにおいて、受信装置における受信結果に基づいて振幅を調整したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、信号SIGA,SIGB,SIGCの振幅Vswa,Vswb,Vswcを固定にしてもよい。この場合でも、信号SIGBの振幅Vswcを、信号SIGA,SIGCの振幅Vswa,Vswcよりも大きくすることにより、通信品質を高めることができる。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る通信システム3について説明する。本実施の形態は、送信装置の出力インピーダンスの代わりに、受信装置の入力インピーダンスを調整するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1などと実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図25は、通信システム3の一構成例を表すものである。通信システム3は、送信装置120と、受信装置140とを備えている。
送信装置120は、送信部130を有している。送信部130は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
受信装置140は、受信部150と、制御部141とを有している。受信部150は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。また、受信部150は、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて、入力インピーダンスを設定する機能をも有している。
図26は、受信部150の一構成例を表すものである。受信部150は、可変抵抗素子151A,151B,151Cを有している。可変抵抗素子151A,151B,151Cは、通信システム3における終端抵抗として機能するものであり、第1の実施の形態に係る抵抗素子41A,41B,41Cにそれぞれ対応するものである。可変抵抗素子151Aは、制御信号Sctl1に基づいて抵抗値が変更可能に構成されたものであり、可変抵抗素子151Bは、制御信号Sctl2に基づいて抵抗値が変更可能に構成されたものであり、可変抵抗素子151Cは、制御信号Sctl1に基づいて抵抗値が変更可能に構成されたものである。可変抵抗素子151Aの抵抗値は、入力端子TinAからみた入力インピーダンスZiaに対応し、可変抵抗素子151Bの抵抗値は、入力端子TinBからみた入力インピーダンスZibに対応し、可変抵抗素子151Cの抵抗値は、入力端子TinCからみた入力インピーダンスZicに対応する。
制御部141は、受信部150の入力インピーダンスZia,Zib,Zicを設定するものである。具体的には、制御部141は、比較結果情報INFに基づいて制御信号Sctl1,Sctl2を生成し、受信部150の可変抵抗素子151A,151B,151Cに供給する。制御信号Sctl1は、コードCzacを含んでいる。コードCzacは、受信部150の入力インピーダンスZia,Zicを指示するものであり、コードCzacの値が小さいほど入力インピーダンスZia,Zicが低くなり、コードCzacの値が大きいほど入力インピーダンスZia,Zicが高くなるものである。また、制御信号Sctl2は、コードCzbを含んでいる。コードCzbは、受信部150の入力インピーダンスZibを指示するものであり、コードCzbの値が小さいほど入力インピーダンスZibが低くなり、コードCzbの値が大きいほど入力インピーダンスZibが高くなるものである。
ここで、受信部150および制御部141は、本開示における受信装置の「受信部」の一具体例に対応する。入力端子TinAは、本開示における「第1の入力端子」の一具体例に対応し、入力端子TinBは、本開示における「第2の入力端子」の一具体例に対応し、入力端子TinCは、本開示における「第3の入力端子」の一具体例に対応する。
図27は、キャリブレーションモードにおける通信システム3の一動作例を表すものである。
まず、受信装置140の制御部141は、コードCzac,Czbを初期値に設定する(ステップS51)。これにより、受信部150の入力インピーダンスZia,Zib,Zicは、それぞれ約50[Ω]に設定される。
次に、制御部141は、コードCzbをデクリメントする(ステップS52)。これにより、受信部150の入力インピーダンスZibが一段階低い値に設定される。
次に、制御部141は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS53)。具体的には、まず、送信装置120において、処理部12のデータ生成部19がキャリブレーション用のデータ(遷移信号)を生成し、送信部130がこのデータに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCを生成して、この信号SIGA,SIGB,SIGCを送信する。受信装置140では、受信部150がこの信号SIGA,SIGB,SIGCを受信して、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成し、処理部32のデータ比較部39が、この遷移信号RxF,RxR,RxPを所定のデータ(キャリブレーション用のデータ)と比較することにより、比較結果情報INFを生成する。そして、データ比較部39は、この比較結果情報INFを、制御部141に供給する。そして、制御部141は、この比較結果情報INFに基づいて、通信エラーが発生したか否かを確認する。
このステップS53において通信エラーが発生していない場合(ステップS53において“N”)には、ステップS52に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS52,S53を繰り返す。
また、ステップS53において通信エラーが発生した場合(ステップS43において“Y”)には、制御部141は、コードCzbをコードCzb1にする(ステップS54)。
次に、制御部141は、コードCzbを初期値に設定する(ステップS55)。これにより、受信部150の入力インピーダンスZibは、約50[Ω]に再度設定される。
次に、制御部141は、コードCzbをインクリメントする(ステップS56)。これにより、受信部150の入力インピーダンスZibが一段階高い値に設定される。
次に、制御部141は、通信エラーが発生したか否かを確認する(ステップS57)。このステップにおける具体的な動作はステップS53と同様である。このステップS57において通信エラーが発生していない場合(ステップS57において“N”)には、ステップS56に戻る。そして、通信エラーが発生するまで、このステップS56,S57を繰り返す。
ステップS57において通信エラーが発生した場合(ステップS57において“Y”)には、制御部141は、コードCzbをコードCzb2にする(ステップS58)。
次に、制御部15は、コードCzb1およびコードCzb2の平均値をコードCzbにする(ステップS59)。これにより、受信部150の入力インピーダンスZibはコードCzbに応じた値に設定される。
以上でこのフローは終了する。このフローにより、入力インピーダンスZibは、差動信号のアイ開口が広くなるように設定される。
このようにして受信部150の入力インピーダンスZibを設定したとき、入力インピーダンスZibは、入力インピーダンスZia,Zicに比べて高くなる。すなわち、図27に示したフローでは、伝送路100における差動インピーダンスの非対称性を補うように、受信部150の入力インピーダンスZibが調整される。その結果、入力インピーダンスZibは、入力インピーダンスZia,Zicに比べて高い値に設定される。
このように、通信システム3では、受信部150の入力インピーダンスZibを、入力インピーダンスZia,Zicよりも高くした。これにより、伝送路100における差動インピーダンスの非対称性を補うことができ、アイ開口を広くすることができる。その結果、通信システム3では、通信エラーを抑えることができ、通信品質を高めることができる。
以上のように本実施の形態では、入力インピーダンスZibを、入力インピーダンスZia,Zicよりも高くしたので、通信品質を高めることができる。
本実施の形態では、受信装置における受信結果に基づいて入力インピーダンスを調整したので、入力インピーダンスの値をより望ましい値に設定することができるため、通信品質を高めることができる。
[変形例4−1]
上記実施の形態では、図27に示したように、入力インピーダンスZibのみを変化させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、入力インピーダンスZia,Zicをも変化させてもよい。
[変形例4−2]
上記実施の形態では、キャリブレーションモードにおいて、受信装置における受信結果に基づいて入力インピーダンスを調整したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、入力インピーダンスZia,Zib,Zicを固定にしてもよい。この場合でも、入力インピーダンスZibを、入力インピーダンスZia,Zicよりも高くすることにより、通信品質を高めることができる。
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態に係る通信システム3Bについて説明する。本実施の形態は、入力インピーダンスの調整方法が、上記第4の実施の形態と異なるものである。すなわち、上記第4の実施の形態では、シンボルのシーケンスを送信し、通信エラーが発生するか否かに基づいて入力インピーダンスを調整したが、これに代えて、本実施の形態では、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、受信装置における信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて入力インピーダンスを調整している。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1等と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図28は、通信システム3Bの一構成例を表すものである。通信システム3Bは、送信装置120Bと、受信装置140Bとを備えている。
送信装置120Bは、処理部12Bと、送信部130Bと、受信部121Bとを有するものである。
処理部12Bは、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。この処理部12Bは、上記第4の実施の形態に係る処理部12からデータ生成部19を省いたものである。
送信部130Bは、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。また、送信部130Bは、キャリブレーションモードにおいて、制御信号Smodeに基づいて信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定する機能を有している。送信部130Bは、出力部137Bを有している。
図29は、出力部137Bの一構成例を表すものである。出力部137Bは、ドライバ制御部88と、設定部69とを有している。ドライバ制御部88は、キャリブレーションモードにおいて、制御信号Smodeに基づいて、第2の実施の形態の場合(図17)と同様に、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定するようになっている。
後述するように、通信システム3Bでは、第4の実施の形態に係る通信システム3と同様に、入力インピーダンスZibを入力インピーダンスZia,Zicよりも高くする。これにより、例えば、モードM1において、図18に示したように、信号SIGA,SIGBの電圧をともに高レベル電圧VHに設定しても、実際には同じ電圧にはならない。すなわち、入力インピーダンスZibを入力インピーダンスZiaよりも高くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGAの電圧よりも高くなる。よって、モードM1では、信号SABの期待値は、図18に示したように“0”(SAB=0)になる。同様に、モードM2において、入力インピーダンスZibを入力インピーダンスZicよりも高くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGCの電圧よりも高くなる。よって、モードM2では、信号SBCの期待値は“1”(SBC=1)になる。同様に、モードM3において、入力インピーダンスZibを入力インピーダンスZiaよりも高くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGAの電圧よりも低くなる。よって、モードM3では、信号SABの期待値は“1”(SAB=1)になる。同様に、モードM4において、入力インピーダンスZibを入力インピーダンスZicよりも高くすると、信号SIGBの電圧は信号SIGCの電圧よりも低くなる。よって、信号SBCの期待値は“0”(SBC=0)になる。
受信部121Bは、受信装置140Bから供給された制御信号CTLを受信し、その制御信号CTLに含まれる制御信号Smodeを送信部130Bに供給するものである。
受信装置140Bは、受信部150Bと、処理部32Bと、制御部141Bと、送信部142Bとを有するものである。
受信部150Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。また、受信部150Bは、制御信号Sctl1,Sctl2に基づいて、入力インピーダンスZia,Zib,Zicを設定するとともに、信号SAB,SBC,SCAを出力する機能をも有している。
処理部32Bは、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行うものである。この処理部32Bは、上記第4の実施の形態に係る処理部32からデータ比較部39を省いたものである。
制御部141Bは、制御信号Smodeを用いて、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定するとともに、信号SAB,SBC,SCAに基づいて、制御信号Sctl1,Sctrl2を用いて、受信部150Bの入力インピーダンスZia,Zib,Zicを設定するものである。
送信部142Bは、制御信号Smodeに基づいて制御信号CTLを生成し、この制御信号CTLを送信装置120Bに対して送信するものである。
ここで、受信部150Bおよび制御部141Bは、本開示における受信装置の「受信部」の一具体例に対応する。
図30は、キャリブレーションモードにおける通信システム3Bの一動作例を表すものである。
まず、受信装置140Bの制御部141Bは、コードCzac,Czbを初期値に設定する(ステップS21)。これにより、受信部150Bの入力インピーダンスZia,Zib,Zicは、それぞれ約50[Ω]に設定される。
次に、制御部141Bは、動作モードをモードM1に設定する(ステップS62)。具体的には、制御部141Bは、制御信号Smodeを、送信部142Bおよび受信部121Bを介して、送信装置120Bのドライバ制御部88に供給することにより、信号SIGA,SIGBの電圧を高レベル電圧VHに設定するとともに、信号SIGCの電圧を低レベル電圧VLに設定する。そして、受信装置140Bの受信部150Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、制御部141Bに供給する。
次に、制御部141Bは、信号SABが“0”であるか否かを確認する(ステップS63)。このステップS63において、信号SABが“0”でない場合(ステップS63において“N”)には、制御部15Bは、コードCzbをインクリメントし(ステップS64)、ステップS63に戻る。そして、信号SABが“0”になるまで、このステップS63,S64を繰り返す。これにより、入力インピーダンスZibは、入力インピーダンスZiaよりも高くなる。
また、ステップS63において信号SABが“0”である場合(ステップS63において“Y”)には、制御部141Bは、動作モードをモードM2に設定する(ステップS65)。具体的には、制御部141Bは、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VLに設定するとともに、信号SIGB,SIGCの電圧を高レベル電圧VHに設定する。そして、受信装置140Bの受信部150Bは、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、信号SAB,SBC,SCAを、制御部141Bに供給する。
次に、制御部141Bは、信号SBCが“1”であるか否かを確認する(ステップS66)。このステップS66において、信号SBCが“1”でない場合(ステップS66において“N”)には、制御部141Bは、コードCzbをインクリメントし(ステップS67)、ステップS66に戻る。そして、信号SBCが“1”になるまで、このステップS66,S67を繰り返す。これにより、入力インピーダンスZibは、入力インピーダンスZicよりも高くなる。
そして、ステップS66において信号SBCが“1”である場合(ステップS26において“Y”)には、このフローは終了する。
このように、通信システム3Bでは、送信装置120Bが信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、受信装置140Bにおける信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて入力インピーダンスを調整するようにした。これにより、通信システム3Bでは、上記第4の実施の形態に係る通信システム3と異なり、シンボルのシーケンスを送受信しないため、キャリブレーション時間を短くすることができる。
以上のように本実施の形態では、送信装置が信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧を設定し、信号SAB,SBC,SCAが期待値どおりであるか否かに基づいて入力インピーダンスを調整するようにしたので、キャリブレーション時間を短くすることができる。その他の効果は、上記第4の実施の形態の場合と同様である。
[変形例5−1]
上記実施の形態では、図30に示したように、入力インピーダンスZibのみを変化させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、入力インピーダンスZia,Zicをも変化させてもよい。
[変形例5−2]
上記実施の形態では、図30に示したように、動作モードをモードM1,M2に設定したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば動作モードをモードM3,M4に設定してもよい。
<6.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した通信システムの適用例について説明する。
図31は、上記実施の形態等の通信システムが適用されるスマートフォン300(多機能携帯電話)の外観を表すものである。このスマートフォン300には、様々なデバイスが搭載されており、それらのデバイス間でデータのやり取りを行う通信システムにおいて、上記実施の形態等の通信システムが適用されている。
図32は、スマートフォン300に用いられるアプリケーションプロセッサ310の一構成例を表すものである。アプリケーションプロセッサ310は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ制御部312と、電源制御部313と、外部インタフェース314と、GPU(Graphics Processing Unit)315と、メディア処理部316と、ディスプレイ制御部317と、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)インタフェース318とを有している。CPU311、メモリ制御部312、電源制御部313、外部インタフェース314、GPU315、メディア処理部316、ディスプレイ制御部317は、この例では、システムバス319に接続され、このシステムバス319を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
CPU311は、プログラムに従って、スマートフォン300で扱われる様々な情報を処理するものである。メモリ制御部312は、CPU311が情報処理を行う際に使用するメモリ501を制御するものである。電源制御部313は、スマートフォン300の電源を制御するものである。
外部インタフェース314は、外部デバイスと通信するためのインタフェースであり、この例では、無線通信部502およびイメージセンサ410と接続されている。無線通信部502は、携帯電話の基地局と無線通信をするものであり、例えば、ベースバンド部や、RF(Radio Frequency)フロントエンド部などを含んで構成される。イメージセンサ410は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサを含んで構成される。
GPU315は、画像処理を行うものである。メディア処理部316は、音声や、文字や、図形などの情報を処理するものである。ディスプレイ制御部317は、MIPIインタフェース318を介して、ディスプレイ504を制御するものである。MIPIインタフェース318は、画像信号をディスプレイ504に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース318は、例えば水晶振動子を含む発振回路330から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース318とディスプレイ504との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
図33は、イメージセンサ410の一構成例を表すものである。イメージセンサ410は、センサ部411と、ISP(Image Signal Processor)412と、JPEG(Joint Photographic Experts Group)エンコーダ413と、CPU414と、RAM(Random Access Memory)415と、ROM(Read Only Memory)416と、電源制御部417と、I2C(Inter-Integrated Circuit)インタフェース418と、MIPIインタフェース419とを有している。これらの各ブロックは、この例では、システムバス420に接続され、このシステムバス420を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
センサ部411は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサにより構成されるものである。ISP412は、センサ部411が取得した画像に対して所定の処理を行うものである。JPEGエンコーダ413は、ISP412が処理した画像をエンコードしてJPEG形式の画像を生成するものである。CPU414は、プログラムに従ってイメージセンサ410の各ブロックを制御するものである。RAM415は、CPU414が情報処理を行う際に使用するメモリである。ROM416は、CPU414において実行されるプログラムやキャリブレーションにより得られた設定値などを記憶するものである。電源制御部417は、イメージセンサ410の電源を制御するものである。I2Cインタフェース418は、アプリケーションプロセッサ310から制御信号を受け取るものである。また、図示していないが、イメージセンサ410は、アプリケーションプロセッサ310から、制御信号に加えてクロック信号をも受け取るようになっている。具体的には、イメージセンサ410は、様々な周波数のクロック信号に基づいて動作できるよう構成されている。MIPIインタフェース419は、画像信号をアプリケーションプロセッサ310に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース419は、例えば水晶振動子を含む発振回路430から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース419とアプリケーションプロセッサ310との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態では、電源投入時において、通信システムがキャリブレーションを行うようにしたが、これに限定されるものではなく、通信システムがデータを送らない期間を利用してキャリブレーションを行うようにしてもよい。具体的には、例えば、上記各実施の形態に係る通信システムを、図33に示したイメージセンサ410およびアプリケーションプロセッサ310間の通信に適用した場合には、イメージセンサ410がアプリケーションプロセッサ310に対して画像データを送信していない期間にキャリブレーションを行うことができる。すなわち、例えば、イメージセンサ410が動画を撮像する場合には、いわゆるブランキング期間にキャリブレーションを行うことができる。
また、例えば、上記の各実施の形態では、伝送路をストリップ線路により構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図34に示す伝送路800のように、伝送路をマイクロストリップ線路により構成してもよい。伝送路800は、誘電層802と、導電層803と、線路810A,810B,810Cと、を有している。誘電層802および導電層803は積層されている。そして、線路810A,810B,810Cは、誘電層802の表面に形成されている。
また、例えば、上記の各実施の形態等では、出力端子ToutAの電圧を中レベル電圧VMに設定する場合に、制御信号UP1A,DN1Aを“1”にするとともに、制御信号UP2A,DN2Aを“0”にしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、制御信号UP1A,UP2A,DN1A,DN2Aの全てを“0”にしてもよい。これにより、ドライバ部29Aでは、7つのトランジスタ91、7つのトランジスタ94、7つのトランジスタ95、および7つのトランジスタ98がオフ状態になり、出力インピーダンスがハイインピーダンスになる。このとき、出力端子ToutAの電圧は、受信部の抵抗素子41A〜41Cにより、中レベル電圧VMに設定される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
(1)第1の出力端子と、第2の出力端子と、第3の出力端子とを有し、前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子における信号の組み合わせに応じたシンボル信号を送信し、前記第2の出力端子における出力インピーダンスは、前記第1の出力端子における出力インピーダンスよりも低い送信部を備えた
送信装置。
(2)前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子は、この順に配置され、
前記第2の出力端子における出力インピーダンスは、前記第3の出力端子における出力インピーダンスよりも低い
前記(1)に記載の送信装置。
(3)前記送信部は、前記第2の出力端子における出力インピーダンスを変更可能に構成された
前記(1)または(2)に記載の送信装置。
(4)前記シンボル信号を受信する受信装置から受信結果を受け取る受信部をさらに備え、
前記送信部は、所定のシーケンスを有するシンボル信号を送信するとともに、前記受信結果に基づいて前記第2の出力端子における出力インピーダンスを調整する
前記(3)に記載の送信装置。
(5)前記シンボル信号を受信する受信装置から受信結果を受け取る受信部をさらに備え、
前記送信部は、前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子の電圧をそれぞれ設定するとともに、前記受信結果に基づいて前記第2の出力端子における出力インピーダンスを調整する
前記(3)に記載の送信装置。
(6)前記送信部は、前記第1の出力端子および前記第2の出力端子における電圧を第1の電圧に設定し、前記第3の出力端子における電圧を第2の電圧に設定するとともに、前記受信結果に基づいて、前記第2の出力端子における電圧を前記第1の電圧にする際の前記第2の出力端子における出力インピーダンスを調整する
前記(5)に記載の送信装置。
(7)前記送信部は、前記第1の出力端子における出力インピーダンスおよび前記第3の出力端子における出力インピーダンスを変更可能に構成された
前記(1)または(2)に記載の送信装置。
(8)第1の出力端子と、第2の出力端子と、第3の出力端子とを有し、前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子における信号の組み合わせに応じたシンボル信号を送信し、前記第2の出力端子における信号の電圧振幅は、前記第1の出力端子における信号の電圧振幅よりも大きい送信部を備えた
送信装置。
(9)前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子は、この順に配置され、
前記第2の出力端子における信号の電圧振幅は、前記第3の出力端子における信号の電圧振幅よりも大きい
前記(8)に記載の送信装置。
(10)前記送信部は、前記第2の出力端子における信号の電圧振幅を変更可能に構成された
前記(8)または(9)に記載の送信装置。
(11)前記シンボル信号を受信する受信装置から受信結果を受け取る受信部をさらに備え、
前記送信部は、所定のシーケンスを有するシンボル信号を送信するとともに、前記受信結果に基づいて前記第2の出力端子における信号の電圧振幅を調整する
前記(10)に記載の送信装置。
(12)第1の入力端子と、第2の入力端子と、第3の入力端子とを有し、前記第1の入力端子、前記第2の入力端子、および前記第3の入力端子における信号の組み合わせに応じたシンボル信号を受信し、前記第2の入力端子における入力インピーダンスは、前記第1の入力端子における入力インピーダンスよりも高い受信部を備えた
受信装置。
(13)前記第1の入力端子、前記第2の入力端子、および前記第3の入力端子は、この
順に配置され、
前記第2の入力端子における入力インピーダンスは、前記第3の入力端子における入力
インピーダンスよりも高い
前記(12)に記載の受信装置。
(14)前記受信部は、前記第2の入力端子における入力インピーダンスを変更可能に構成された
前記(12)または(13)に記載の受信装置。
(15)前記受信部は、所定のシーケンスを有するシンボル信号を受信し、その受信結果に基づいて前記第2の入力端子における入力インピーダンスを調整する
前記(14)に記載の受信装置。
(16)前記シンボル信号を送信する送信装置に対して、前記送信装置の出力電圧を指示する出力電圧指示情報を送信する送信部をさらに備え、
前記受信部は、前記第1の入力端子、前記第2の入力端子、および前記第3の入力端子における電圧に基づいて、前記第2の入力端子における入力インピーダンスを調整する
前記(14)に記載の受信装置。
(17)送信装置と、
受信装置と
を備え、
前記送信装置は、
第1の出力端子と、第2の出力端子と、第3の出力端子とを有し、前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子における信号の組み合わせに応じたシンボル信号を送信し、前記第2の出力端子における出力インピーダンスは、前記第1の出力端子における出力インピーダンスよりも低い送信部を有する
通信システム。
(18)前記送信装置に基準クロック信号を供給する発振回路をさらに備え、
前記送信装置は前記基準クロック信号に基づいて動作する
前記(17)に記載の通信システム。
(19)前記送信部は、前記第2の出力端子における出力インピーダンスを変更可能に構成され、前記通信システムの電源起動時に、前記第2の出力端子における出力インピーダンスを調整する
前記(17)または(18)に記載の通信システム。
(20)前記送信装置は、イメージセンサであり、
前記受信装置は、前記イメージセンサが取得した画像を処理するプロセッサである
前記(17)または(18)に記載の通信システム。
(21)前記送信部は、前記第2の出力端子における出力インピーダンスを変更可能に構成され、前記イメージセンサが取得した画像を含む画像データを送信している期間以外の期間において、前記第2の出力端子における出力インピーダンスを調整する
前記(20)に記載の通信システム。