以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電源回路ユニット1の全体的な構成を説明する。本実施形態で説明する電源回路ユニットは、例えば、直流電圧の電圧変換(降圧)をおこなうスイッチング電源回路ユニット等である。図1及び図2に示されるように、電源回路ユニット1は、回路基板2と、電子部品3、4、5、6、10とを備えている。具体的には、回路基板2上に、電源IC3、ダイオード4、コンデンサ5、スイッチング素子6、及びコイル部品10が搭載された構成となっている。
図3〜図5を参照して、コイル部品10の構成について説明する。図3は、コイル部品10の斜視図である。図4は、コイル部品10のIV-IV線に沿った断面図である。図5は、コイル部品10の分解斜視図である。なお、図5の分解斜視図では、図3の磁性樹脂層18の図示を省略している。
図3に示されるように、コイル部品10は、後述するコイル部25と、コイル部25を被覆する被覆部7と、被覆部7の主面7a上に設けられた絶縁層30とを備えている。被覆部7は、直方体形状の外形を有している。被覆部7の主面7aは長辺および短辺を有する矩形状をなしている。被覆部7の外形寸法は、一例として、短辺長さが約2.0mm、長辺長さが約3.0mm、厚さが約0.3mmである。矩形状には、角部が丸められている矩形が含まれる。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。被覆部7は、例えば磁性材料で構成されている。具体的には、被覆部7は、磁性基板11と、磁性樹脂層18とで構成されている。
主面7aには、絶縁層30を介して端子電極20A、20Bが設けられている。端子電極20Aは、主面7aにおける一方の短辺に沿っており、端子電極20Bは、主面7aにおける他方の短辺に沿っている。端子電極20A、20Bは、主面7aにおける長辺に沿った方向に互いに離間している。
磁性基板11は、例えばフェライト等の磁性材料で構成された略平板状の基板である(図5参照)。磁性基板11は、被覆部7の、主面7aとは反対側に位置している。磁性基板11には、磁性樹脂層18及び後述のコイル部25が形成されている。
磁性樹脂層18は、磁性基板11上に形成されている。磁性樹脂層18の磁性基板11側の面18bとは反対側の面18aは、被覆部7の主面7aを構成している。磁性樹脂層18は、磁性粉とバインダ樹脂との混合物であり、磁性粉の構成材料は例えば鉄、カルボニル鉄、ケイ素、クロム、ニッケル、又はホウ素等であり、バインダ樹脂の構成材料は例えばエポキシ樹脂である。磁性樹脂層18の全体の90%以上が、磁性粉で構成されていてもよい。
被覆部7の主面7aに設けられた一対の端子電極20A、20Bはいずれも、膜状であり、平面視で略長方形形状を呈している。端子電極20A、20Bの各面積は、略同じである。端子電極20A、20Bは、例えばCu等の導電性材料によって構成されている。端子電極20A、20Bは、めっき形成により形成されためっき電極である。端子電極20A、20Bは、単層構造でも複数層構造でもよい。
被覆部7の主面7a上に設けられた絶縁層30は、主面7a上の一対の端子電極20A、20Bの間に介在している。本実施形態では、絶縁層30は、主面7aの全領域を覆うように設けられていると共に、長辺方向(一対の端子電極20A、20Bが隣り合っている方向)に交差する方向に延びて主面7aを横断する部分を含む。絶縁層30は、引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32a(孔)を有している。貫通孔31a、32a内には、Cu等の導電性材料によって構成された導体部31、32が設けられている。絶縁層30は、絶縁性材料により構成されており、例えばポリイミド、エポキシ等の絶縁性樹脂で構成されている。
図4及び図5に示されるように、磁性樹脂層18の内部には、コイル部25及び引出導体19A、19Bが配置されている。
コイル部25は、複数層(本実施形態では、二層)の環状の平面コイル部23、24と、平面コイル部23、24に重なる複数層(本実施形態では、三層)の絶縁樹脂層14〜16と、連結部17a、17bとを有している。
平面コイル部23と平面コイル部24とは、主面7aに直交する方向に並んでおり、平面コイル部24が平面コイル部23よりも主面7a側に位置している。各平面コイル部23、24は、平面視で対称的な形状(具体的には、矩形状)を有している。本実施形態において、平面コイル部23と平面コイル部24とは、略同じ寸法を有している。すなわち、平面コイル部23と平面コイル部24とは、平面視において、外縁寸法及び内縁寸法が等しい矩形環状を呈しており、その形成領域が完全に一致している。
平面コイル部23は、互いに同一の層に位置している巻線部21及び絶縁樹脂層12を有している。巻線部21は、平面視で矩形状に巻回されている。巻線部21は、例えばCu等の金属材料で構成されている。絶縁樹脂層12(層内絶縁層)は、巻線部21と同一層内において巻線部21の周囲を覆っている。具体的に、絶縁樹脂層12は、巻線部21の同一層内の周囲(内周側及び外周側)及び巻回部分の間を埋めている。
平面コイル部24は、互いに同一の層に位置している巻線部22及び絶縁樹脂層13を有している。巻線部22は、平面視で矩形状に巻回されている。巻線部22の巻回方向は、巻線部21の巻回方向と同じである。巻線部22は、例えばCu等の金属材料で構成されている。絶縁樹脂層13(層内絶縁層)は、巻線部22と同一層内において巻線部22の周囲を覆っている。具体的に、絶縁樹脂層13は、巻線部22の同一層内の周囲(内周側及び外周側)及び巻回部分の間を埋めている。
絶縁樹脂層14〜16(層外絶縁層)は、磁性基板11側から、絶縁樹脂層14、絶縁樹脂層15、絶縁樹脂層16の順に設けられており、積層方向に隣り合う絶縁樹脂層の間に平面コイル部23、24が介在している。すなわち、絶縁樹脂層14と絶縁樹脂層15との間に平面コイル部23が介在し、絶縁樹脂層15と絶縁樹脂層16との間に平面コイル部24が介在している。
絶縁樹脂層14は、平面コイル部23の下側(磁性基板11側)に位置している。絶縁樹脂層14は、磁性基板11側から平面コイル部23と対向し、当該平面コイル部23に重なっている。絶縁樹脂層15は、平面コイル部23と平面コイル部24との間に位置している。絶縁樹脂層15は、磁性基板11側から平面コイル部24と対向し、当該平面コイル部24に重なっていると共に、主面7a側から平面コイル部23と対向し、当該平面コイル部23に重なっている。絶縁樹脂層16は、平面コイル部24の上側(主面7a側)に位置している。絶縁樹脂層16は、主面7a側から平面コイル部24と対向し、当該平面コイル部24に重なっている。
上述した絶縁樹脂層12〜16はいずれも、絶縁性を有し、絶縁性樹脂で構成されている。絶縁性樹脂としては、例えばポリイミド、アクリル又はエポキシが挙げられる。絶縁樹脂層12〜16は、積層方向において結合されており、実際には、絶縁樹脂層12〜16の間の境界が視認できない程度に一体化されている。絶縁樹脂層12〜16によって、各巻線部21、22は、上面(主面7a側の面)、下面(磁性基板11側の面)及び側面(積層方向に対して平行な面)が覆われている。
連結部17aは、絶縁樹脂層15と同一層に位置しており、絶縁樹脂層15を貫通している。連結部17aは、巻線部21と巻線部22との間に介在して、巻線部21の最も内側の巻回部分と巻線部22の最も内側の巻回部分とを連結している。連結部17bは、巻線部21の最も外側の巻回部分から絶縁樹脂層13、15を貫通して主面7a側に延び、巻線部21と引出導体19Bとを連結している。連結部17a、17bは、例えばCu等の金属材料で構成されている。
引出導体19A、19Bは、例えばCu等の金属材料で構成されている。引出導体19Aは、巻線部22の最も外側の巻回部分に接続されている。引出導体19Aは、絶縁樹脂層16及び磁性樹脂層18を貫通するようにして、巻線部22の最も外側の巻回部分から被覆部7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。主面7aにおける引出導体19Aの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Aが設けられている。引出導体19Aは、絶縁層30の貫通孔31a内の導体部31によって、端子電極20Aに接続されている。これにより、引出導体19A及び導体部31を介して、巻線部22の最も外側の巻回部分と端子電極20Aとが電気的に接続されている。
引出導体19Bは、巻線部21の最も外側の巻回部分に接続されている。引出導体19Bは、絶縁樹脂層16及び磁性樹脂層18を貫通するようにして、連結部17bから被覆部7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。主面7aにおける引出導体19Bの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Bが設けられている。引出導体19Bは、絶縁層30の貫通孔32a内の導体部32によって、端子電極20Bに接続されている。これにより、連結部17b、引出導体19B、及び導体部32を介して、巻線部21の最も外側の巻回部分と端子電極20Bとが電気的に接続されている。
次に、図6〜図8を参照して、平面コイル部23、24の形成領域に対する絶縁樹脂層14〜16の重なり方の詳細について説明する。図6〜図8は、絶縁樹脂層14〜16の窪み領域14a、15a、16a、15b、16bを示す平面図である。図6〜図8においては、平面コイル部23、24の形成領域Sを区画する内周側及び外周側の各縁を二点鎖線で示している。以下、形成領域Sを区画する内周側の縁を「内周縁」ともいい、形成領域Sを区画する外周側の縁を「外周縁」ともいう。
図6に示されるように、絶縁樹脂層14は、平面コイル部23に重なる方向から見て、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁から当該形成領域S側に窪んだ窪み領域14aを有している。すなわち、絶縁樹脂層14の外周縁は、形成領域Sの内部に位置している。
窪み領域14aは、平面コイル部23に重なる方向から見て、絶縁樹脂層14の外周縁と平面コイル部23の形成領域Sの外周縁とで区画されている。窪み領域14aは、平面コイル部23に重なる方向から見て、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいる。すなわち、絶縁樹脂層14の外周縁は、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁の内側において当該外周縁全体に沿っている。窪み領域14aは、略一定の幅を有している。
窪み領域14aは、図4に示されるように、絶縁樹脂層14の下側(一端側)に位置する磁性基板11と、絶縁樹脂層14の上側(他端側)に位置する平面コイル部23との間に介在している。すなわち、窪み領域14aは、磁性基板11と平面コイル部23との間の層における絶縁樹脂層14の外周縁側の空間領域である。当該窪み領域14aは、被覆部7の磁性樹脂層18で充たされている。なお、当該窪み領域14aに磁性樹脂層18が部分的に入り込んだ態様でもよい。
また、図4に示されるように、コイル部25の軸を含む面で切断した断面において、三層の絶縁樹脂層14〜16のうち積層方向で下側に位置する絶縁樹脂層14の外周縁側は、コイル部25の角部R1を構成している。窪み領域14aは、絶縁樹脂層14の角部R1に位置している。これにより、コイル部25の角部R1は、内側に切り欠かれており、面取り形状となっている。面取り形状とは、段差面を有するように角部が削られた形状をいう。
さらに、平面コイル部23に重なる方向から見て、絶縁樹脂層14の外形、すなわち絶縁樹脂層14の外周縁形状は、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁形状と相似の関係を有する矩形状となっており、その中心14pが平面コイル部23の形成領域Sの中心Spと一致している。中心14pとは、絶縁樹脂層14の外周縁形状の矩形における長辺の二等分線と短辺の二等分線とが交わる点である。中心Spとは、形成領域Sの外周縁形状の矩形における長辺の二等分線と短辺の二等分線とが交わる点である。これにより、絶縁樹脂層14の窪み領域14aは、平面コイル部23に重なる方向から見て、平面コイル部23の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状(具体的には、中心Spを通る対称軸に関して線対称となる形状、又は、中心Spを通る対称中心に関して点対称となる形状)を有している。
図7に示されるように、絶縁樹脂層15は、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁から当該形成領域S側に窪んだ窪み領域15aと、平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁から当該形成領域S側に窪んだ窪み領域15bとを有している。すなわち、絶縁樹脂層15の内周縁及び外周縁は、形成領域Sの内部に位置している。
窪み領域15aは、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層15の外周縁と平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁とで区画されている。窪み領域15aは、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいる。すなわち、絶縁樹脂層15の外周縁は、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁の内側において当該外周縁全体に沿っている。窪み領域15aは、略一定の幅を有している。
窪み領域15aは、図4に示されるように、絶縁樹脂層15の下側に位置する平面コイル部23と、絶縁樹脂層15の上側に位置する平面コイル部24との間に介在している。すなわち、窪み領域15aは、平面コイル部23と平面コイル部24との間の層における絶縁樹脂層15の外周縁側の空間領域である。当該窪み領域15aは、被覆部7の磁性樹脂層18で充たされている。なお、当該窪み領域15aに磁性樹脂層18が部分的に入り込んだ態様でもよい。
窪み領域15bは、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層15の内周縁と平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁とで区画されている。窪み領域15bは、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいる。すなわち、絶縁樹脂層15の内周縁は、平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁の内側に位置しており、当該内周縁全体に沿っている。窪み領域15bは、略一定の幅を有している。
窪み領域15bは、図4に示されるように、絶縁樹脂層15の下側に位置する平面コイル部23と、絶縁樹脂層15の上側に位置する平面コイル部24との間に介在している。すなわち、窪み領域15bは、平面コイル部23と平面コイル部24との間の層における絶縁樹脂層15の内周縁側の空間領域である。当該窪み領域15bは、被覆部7の磁性樹脂層18で充たされている。なお、当該窪み領域15bに磁性樹脂層18が部分的に入り込んだ態様でもよい。
さらに、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層15の外形が平面コイル部23、24の形成領域Sの外形と相似の関係を有している。すなわち、絶縁樹脂層15の外周縁形状が平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁形状と相似の関係を有すると共に、絶縁樹脂層15の内周縁形状が平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁形状と相似の関係を有する矩形環状となっている。そして、絶縁樹脂層15の中心15pが平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spと一致している。中心15pとは、絶縁樹脂層15の外周縁形状の矩形における長辺の二等分線と短辺の二等分線とが交わる点である。これにより、絶縁樹脂層15の窪み領域15a、15bは、平面コイル部23、24に重なる方向から見て、平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状(具体的には、中心Spを通る対称軸に関して線対称となる形状、又は、中心Spを通る対称中心に関して点対称となる形状)を有している。
図8に示されるように、絶縁樹脂層16は、平面コイル部24に重なる方向から見て、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁から当該形成領域S側に窪んだ窪み領域16aと、平面コイル部24の形成領域Sの内周縁から当該形成領域S側に窪んだ窪み領域16bとを有している。すなわち、絶縁樹脂層16の内周縁及び外周縁は、形成領域Sの内部に位置している。
窪み領域16aは、平面コイル部24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層16の外周縁と平面コイル部24の形成領域Sの外周縁とで区画されている。窪み領域16aは、平面コイル部24に重なる方向から見て、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいる。すなわち、絶縁樹脂層16の外周縁は、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁の内側において当該外周縁全体に沿っている。窪み領域16aは、略一定の幅を有している。
窪み領域16aは、図4に示されるように、絶縁樹脂層16の下側に位置する平面コイル部24上に存在している。すなわち、窪み領域16aは、絶縁樹脂層16と同一の層における絶縁樹脂層16の外周縁側の空間領域である。当該窪み領域16aは、被覆部7の磁性樹脂層18で充たされている。なお、当該窪み領域16aに磁性樹脂層18が部分的に入り込んだ態様でもよい。
また、図4に示されるように、コイル部25の軸を含む面で切断した断面において、三層の絶縁樹脂層14〜16のうち積層方向で上側に位置する絶縁樹脂層16の外周縁側は、コイル部25の角部R2を構成している。窪み領域16aは、絶縁樹脂層16の角部R2に位置している。これにより、コイル部25の角部R2は、上述した角部R1同様、内側に切り欠かれており、面取り形状となっている。
窪み領域16bは、平面コイル部24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層16の内周縁と平面コイル部24の形成領域Sの内周縁とで区画されている。窪み領域16bは、平面コイル部24に重なる方向から見て、平面コイル部24の形成領域Sの内周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいる。すなわち、絶縁樹脂層16の内周縁は、平面コイル部24の形成領域Sの内周縁の内側に位置しており、当該内周縁全体に沿っている。窪み領域16bは、略一定の幅を有している。
また、窪み領域16bは、図4に示されるように、絶縁樹脂層16の下側に位置する平面コイル部24上に存在している。すなわち、窪み領域16bは、絶縁樹脂層16と同一の層における絶縁樹脂層16の内周縁側の空間領域である。当該窪み領域16bは、被覆部7の磁性樹脂層18で充たされている。なお、当該窪み領域16bに磁性樹脂層18が部分的に入り込んだ態様でもよい。
また、図4に示されるように、コイル部25の軸を含む面で切断した断面において、三層の絶縁樹脂層14〜16のうち積層方向で上側に位置する絶縁樹脂層16の内周縁側は、コイル部25の角部R3を構成している。窪み領域15bは、絶縁樹脂層の角部R3に位置している。これにより、コイル部25の角部R3は、上述した角部R1同様、内側に切り欠かれており、面取りされたような形状となっている。
さらに、平面コイル部24に重なる方向から見て、絶縁樹脂層16の外形が平面コイル部24の形成領域Sの外形と相似の関係を有している。すなわち、絶縁樹脂層16の外周縁形状が平面コイル部24の形成領域Sの外周縁形状と相似の関係を有すると共に、絶縁樹脂層16の内周縁形状が平面コイル部24の形成領域Sの内周縁形状と相似の関係を有する矩形環状となっている。そして、絶縁樹脂層16の中心16pが平面コイル部24の形成領域Sの中心Spと一致している。中心16pとは、絶縁樹脂層16の外周縁形状の矩形における長辺の二等分線と短辺の二等分線とが交わる点である。これにより、絶縁樹脂層16の窪み領域16a、16bは、平面コイル部24に重なる方向から見て、平面コイル部24の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状(具体的には、中心Spを通る対称軸に関して線対称となる形状、又は、中心Spを通る対称中心に関して点対称となる形状)を有している。
次に、図9〜図11を参照して、コイル部品10の製造方法について説明する。図9〜図11は、コイル部品10の製造工程を説明する図である。
まず、図9の(a)に示されるように、磁性基板11の上に絶縁性樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィー等の手法でパターニングすることにより、絶縁樹脂層14を形成する。続いて、図9の(b)に示されるように、絶縁樹脂層14の上に、巻線部21をめっき形成するためのシード部41を形成する。シード部41は、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により形成することができる。続いて、図9の(c)に示されるように、絶縁樹脂層12を形成する。この絶縁樹脂層12は、磁性基板11の全面に絶縁性樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィー等の手法でパターニングすることにより、シード部41に対応する部分の絶縁性樹脂を除去することで得ることができる。すなわち、絶縁樹脂層12は、シード部41を露出させる機能を有する。この絶縁樹脂層12は、磁性基板11上に立設された壁状の部分であり、巻線部21を形成される領域を画成する。続いて、図9の(d)に示されるように、絶縁樹脂層12の間においてシード部41を用いて、めっき層44を形成する。このとき、絶縁樹脂層12の間に画成された領域を充たすように成長するめっきが、巻線部21となる。その結果、巻線部21の巻回部分が隣り合う絶縁樹脂層12の間に位置するようになり、巻線部21及び絶縁樹脂層12を有する平面コイル部23が形成される。
続いて、図10の(a)に示されるように、絶縁性樹脂を巻線部21の上に塗布した後、フォトリソグラフィー等の手法でパターニングすることにより、絶縁樹脂層15を形成する。その際、絶縁樹脂層15に、連結部17a、17bを形成するための開口部17a’、17b’を形成する。続いて、図10の(b)に示されるように、絶縁樹脂層15の開口部17a’、17b’に、連結部17a、17bをめっき形成する。
続いて、図10の(c)に示されるように、上述した工程と同様にして、絶縁樹脂層15の上に、巻線部22および絶縁樹脂層13、16を形成する。具体的には、図9の(b)〜(d)に示す手順と同様に、巻線部22をめっき形成するためのシード部を形成し、巻線部22が形成される領域を画成する絶縁樹脂層13を形成し、絶縁樹脂層13の間において巻線部22をめっき形成する。その結果、巻線部22の巻回部分が隣り合う絶縁樹脂層13の間に位置するようになり、巻線部22及び絶縁樹脂層13を有する平面コイル部24が形成される。以上のようにして、平面コイル部23、24と、平面コイル部23、24に重なる絶縁樹脂層14〜16と、連結部17a、17bとを有するコイル部25が形成される。
そして、絶縁性樹脂を巻線部22の上に塗布した後、フォトリソグラフィー等の手法でパターニングすることにより、絶縁樹脂層16を形成する。その際、絶縁樹脂層16に、引出導体19A、19Bを形成するための開口部19A’、19B’を形成する。
続いて、図10の(d)に示されるように、めっき層44のうち、巻線部21、22を構成していない部分(巻線部21、22の内周部及び外周部に対応する部分)をエッチング処理によって除去する。換言すると、図10の(c)の絶縁樹脂層12〜16に覆われていないめっき層44を除去する。続いて、図11の(a)に示されるように、絶縁樹脂層16の開口部19A’に対応する位置に引出導体19Aを形成すると共に、開口部19B’に対応する位置に引出導体19Bを形成する。具体的には、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、開口部19A’、19B’上に引出導体19A、19Bのためのシード部を形成し、当該シード部を用いて引出導体19A、19Bをめっき形成する。
続いて、図11の(b)に示されるように、磁性基板11の全面に磁性樹脂を塗布すると共に所定の硬化処理をおこない、磁性樹脂層18を形成する。それにより、コイル部25及び引出導体19A、19Bの周りが磁性樹脂層18で覆われる。このとき、コイル部25の内径部分に磁性樹脂層18が充填される。続いて、図11の(c)に示されるように、引出導体19A、19Bが磁性樹脂層18から露出するように研磨する。
上記工程により、被覆部7の主面7aから引出導体19A、19Bが露出する被覆部7が得られ、被覆部7を準備する工程が終了する。
続いて、図11の(d)に示されるように、端子電極20A、20Bをめっき形成する前に、主面7a上に絶縁性樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィー等の手法でパターニングすることにより、絶縁層30を形成する。絶縁層30を形成する際、主面7aの全体を覆うと共に、一対の引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32aを形成し、絶縁層30から一対の引出導体19A、19Bを露出させる。具体的には、一旦、主面7aの全領域に絶縁性材料を塗布し、その後、引出導体19A、19Bに対応する箇所の絶縁層30を除去する。
そして、絶縁層30上に、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、端子電極20A、20Bに対応する領域にシード部(図示せず)を形成する。シード部は、絶縁層30の貫通孔31a、32aから露出する引出導体19A、19B上にも形成される。続いて、当該シード部を用いて、端子電極20A、20Bを、無電解めっきにより形成する。このとき、めっきは、絶縁層30の貫通孔31a、32aを埋めるように成長して導体部31、32を形成すると共に、絶縁層30上の端子電極20A、20Bを形成する。以上によって、コイル部品10が形成される。
以上、本実施形態に係るコイル部品10によれば、コイル部25を被覆する被覆部7の体積を、絶縁樹脂層14〜16における窪み領域14a〜16a、15b、16bが磁性樹脂層18で充たされており、窪み領域14a〜16a、15b、16bの分だけ大きくなっている。これにより、被覆部7内に生じる最大磁束密度が高められ、その結果、高いインダクタンスが実現されている。
本実施形態に係るコイル部品10によれば、窪み領域15c、16cが、形成領域Sの内周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいるため、形成領域Sの内周縁から部分的に当該形成領域S側に窪んでいる場合よりも、窪み領域15c、16c、ひいては当該窪み領域15c、16cに存在する磁性樹脂層18の体積がより大きくなっている。よって、被覆部7内に生じる最大磁束密度がより高められている。
本実施形態に係るコイル部品10によれば、窪み領域14a〜16aが、形成領域Sの外周縁全体から当該形成領域S側に窪んでいるため、形成領域Sの外周縁から部分的に当該形成領域S側に窪んでいる場合よりも、窪み領域14a〜16a、ひいては当該窪み領域14a〜16aに存在する被覆部7の体積がより大きくなっている。よって、被覆部7内に生じる最大磁束密度がより高められている。
本実施形態に係るコイル部品10によれば、三層の絶縁樹脂層14〜16いずれもが窪み領域を有するため、三層の絶縁樹脂層14〜16の全てに対応する部分で、被覆部7の体積が大きくなっている。さらに、コイル部25の軸を含む面で切断した図4の断面において、コイル部25の角部R1〜R3が面取り形状となっているため、コイル部25の角部R1〜R3周辺において磁束が流れ易くなる。以上により、被覆部7内に生じる最大磁束密度が更に高められている。また、コイル部25が複数層の平面コイル部23、24を有していることにより、コイル部25の巻回数が増え、より高いインダクタンスを有するコイル部品を得ることができる。
本実施形態に係るコイル部品10によれば、窪み領域14a〜16a、15b、16bが、対称的な形状の平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spを基準として対称的に形成されているため、均等な磁束分布が実現し、インダクタンスの変化を抑制することができる。
また、上記のコイル部品10を備える本実施形態に係る電源回路ユニット1によれば、高いインダクタンスを得ることができる。
次に、図12〜図15を参照して、上述したコイル部品10とは異なる態様のコイル部品について説明する。図12は、上述したコイル部品10の図5に対応する分解斜視図である。図13〜図15は、上述したコイル部品10の図6〜図8に対応する平面図である。図13〜図15においても、平面コイル部23、24の形成領域Sを区画する内周側及び外周側の各縁を二点鎖線で示している。
図12〜図15に示す態様のコイル部品では、絶縁樹脂層14〜16の形状が上記実施形態とは異なっている。具体的に、絶縁樹脂層14〜16の外周側の窪み領域14a〜16aは、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁全体からではなく、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁から部分的に窪んでいる。なお、絶縁樹脂層15、16の内周側の窪み領域15b、16bは、上述したコイル部品10と同様である。
図13に示されるように、絶縁樹脂層14における外周側の窪み領域14aは、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺にそれぞれ対応して位置する窪み領域14g、14h、14i、14jを含んでいる。窪み領域14g〜14jの幅(形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺に沿った長さ)は、例えば平面コイル部23の形成領域Sの外周縁における各長辺及び各短辺の1/3倍程度である。
窪み領域14gと窪み領域14hとは、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁における互いに対向する短辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域14gと窪み領域14hとは、平面コイル部23の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。窪み領域14iと窪み領域14jとは、平面コイル部23の形成領域Sの外周縁における互いに対向する長辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域14iと窪み領域14jとは、平面コイル部23の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。以上により、本実施形態においても、絶縁樹脂層14の窪み領域14g〜14jは、平面コイル部23の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状を有している。
図14に示されるように、絶縁樹脂層15における外周側の窪み領域15aは、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺にそれぞれ対応して位置する窪み領域15g、15h、15i、15jを含んでいる。窪み領域15g〜15jの幅(形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺に沿った長さ)は、例えば平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁における各長辺及び各短辺の1/3倍程度である。
窪み領域15gと窪み領域15hとは、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁における互いに対向する短辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域15gと窪み領域15hとは、平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。窪み領域15iと窪み領域15jとは、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁における互いに対向する長辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域15iと窪み領域15jとは、平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。以上により、本実施形態においても、絶縁樹脂層15の窪み領域15g〜15hは、平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状を有している。
図15に示されるように、絶縁樹脂層16における外周側の窪み領域16aは、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺にそれぞれ対応して位置する突出する窪み領域16g、16h、16i、16jを含んでいる。窪み領域16g〜16jの幅(形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺に沿った長さ)は、例えば平面コイル部24の形成領域Sの外周縁における各長辺及び各短辺の1/3倍程度である。
窪み領域16gと窪み領域16hとは、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁における互いに対向する短辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域16gと窪み領域16hとは、平面コイル部24の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。窪み領域16iと窪み領域16jとは、平面コイル部24の形成領域Sの外周縁における互いに対向する長辺の中心部分に対応して位置している。窪み領域16iと窪み領域16jとは、平面コイル部24の形成領域Sの中心Spを通る対称軸に関して線対称となっている。以上により、本実施形態においても、絶縁樹脂層16の窪み領域16g〜16jは、平面コイル部24の形成領域Sの中心Spに関して対称的な形状を有している。
以上、図12〜図15に示した態様のコイル部品においても、上記実施形態同様、窪み領域14a〜16a、15b、16bの分だけ磁性樹脂層18の体積を大きくすることができる。これにより、被覆部7内に生じる最大磁束密度が大きくなり、その結果、高いインダクタンスを得ることができる。また、この態様のコイル部品においても、窪み領域14a〜16a、15b、16bが、対称的な形状の平面コイル部23、24の形成領域Sの中心Spを基準として対称的に形成されているため、均等な磁束分布が実現し、インダクタンスの変化を抑制することができる。
次に、図16を参照して、上述したコイル部品10とは異なる態様のコイル部品について説明する。図16は、上述したコイル部品10の図4に対応する断面図である。
図16に示す態様のコイル部品10Aでは、絶縁樹脂層14〜16の形状が上記実施形態とは異なっている。具体的に、このコイル部品10Aでは、絶縁樹脂層15、16が、内周側の窪み領域15b、16bを有していない。
図16に示した態様のコイル部品10Aにおいても、上記実施形態同様、窪み領域14a〜16aの分だけ磁性樹脂層18の体積が大きくなる。これにより、被覆部7内に生じる最大磁束密度が大きくなり、その結果、高いインダクタンスを得ることができる。
[実施例]
以下、上記効果を説明すべく、本発明者が実施した実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の比較例及び実施例では、巻線部及び巻線部と同一層内において巻線部の周囲を覆う層内絶縁層を含む環状の平面コイル部と、平面コイル部に重なる層外絶縁層とを有するコイル部と、コイル部を被覆する被覆部とを備えるコイル部品を10000個準備した。コイルフレーム幅(平面コイル部の外周縁から内周縁までの幅)は、約30μmであった。
(比較例1)
比較例1では、平面コイル部に重なる層外絶縁層が、平面コイル部に重なる方向から見て、平面コイル部の形成領域と完全に一致しており、平面コイル部の形成領域の内周縁及び外周縁のいずれも窪み領域を有していないコイル部品を用いて、インダクタンスを測定した。
(実施例1〜3)
実施例1〜3では、平面コイル部に重なる層外絶縁層が、平面コイル部に重なる方向から見て、平面コイル部の形成領域の内周縁全体から当該形成領域側に窪んだ窪み領域と、平面コイル部の形成領域の外周側全体から当該形成領域側に窪んだ窪み領域とを有するコイル部品を用いて、インダクタンスを測定した。内周縁側及び外周縁側の窪み領域の窪み長さ(深さ)は、実施例1では5μm、実施例2では10μm、実施例3では20μmとした。
(実施例4)
実施例4では、平面コイル部に重なる層外絶縁層が、平面コイル部に重なる方向から見て、平面コイル部の形成領域の内周縁全体から当該形成領域側に窪んだ窪み領域と、平面コイル部の形成領域の外周縁から部分的に当該形成領域側に窪んだ窪み領域とを有するコイル部品を用いて、インダクタンスを測定した。内周縁側の窪み領域の窪み長さは10μmとし、外周縁側の窪み領域の窪み長さは、10μmとした。外周縁側の窪み領域の幅(平面コイル部の形成領域の外周縁における長辺及び短辺に沿った長さ)は、平面コイル部の形成領域の外周縁における各長辺及び各短辺の1/3倍程度とした。
(結果)
比較例1及び実施例1〜4の測定結果を表1に示す。なお、表1では、準備した10000個のコイル部品の測定結果の平均値を示している。
表1に示されるように、比較例1の場合、インダクタンス平均値が950[nH]であったのに対し、実施例1〜4の場合には、いずれもインダクタンス平均値が比較例1の場合よりも増加した。すなわち、実施例1〜4の場合には、高いインダクタンスを得ることができることが示された。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
絶縁樹脂層14〜16の形状は、上記実施形態に限られない。例えば、絶縁樹脂層14〜16の窪み領域は、平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁及び外周縁の少なくともいずれか一方から窪んでいればよい。また、例えば、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁から部分的に窪んだ窪み領域は、平面コイル部23、24の形成領域Sの外周縁における長辺及び短辺の中心部分に対応して位置するのではなく、中心部分からずれて位置していてもよい。また、絶縁樹脂層15、16における窪み領域15a、16aが、平面コイル部23、24の形成領域Sの内周縁全体から窪んでいなくてもよく、当該形成領域Sの内周縁から部分的に窪んでいてもよい。
平面コイル部の形成領域の内周縁から窪んだ窪み領域のみを有する層外絶縁層と、平面コイル部の形成領域の外周縁から窪んだ窪み領域のみを有する層外絶縁層とが一つのコイル部品内に混在していてもよい。また、平面コイル部の形成領域の内周縁全体から窪んだ窪み領域を有する層外絶縁層と、当該内周縁から部分的に窪んだ窪み領域を有する層外絶縁層とが一つのコイル部品内に混在していてもよく、平面コイル部の形成領域の外周縁全体から窪んだ窪み領域を有する層外絶縁層と、当該外周縁から部分的に窪んだ窪み領域を有する層外絶縁層とが一つのコイル部品内に混在していてもよい。
上記実施形態では、平面コイル部23、24の形成領域Sが完全に一致しているとしたが、これに限られず、当該形成領域Sの寸法又は位置等が平面コイル部23と平面コイル部24とで異なっていてもよい。また、例えば、平面コイル部23、24の形成領域Sが完全に一致していない場合には、窪み領域が、平面コイル部23及び平面コイル部24のいずれか一方の形成領域Sに対して窪んでいるとしてもよい。
また、上記実施形態では、絶縁樹脂層14〜16の全て、すなわち層外絶縁層の全てが窪み領域を有するとしたが、これに限られず、層外絶縁層のうち、一部の層外絶縁層が窪み領域を有すると共に、残余の層外絶縁層が窪み領域を有しないとしてもよい。この場合、一部の層外絶縁層にのみ、選択的に窪み領域が設けられる。
さらに、三層の絶縁樹脂層14〜16のうち、積層方向での下側に位置する絶縁樹脂層14及び積層方向での上側に位置する絶縁樹脂層16のいずれか一方が、窪み領域を有してもよい。このようなコイル部の角部を構成する絶縁樹脂層14、16のいずれか一方が窪み領域を有することにより、コイル部の角部のいずれかが面取り形状となる。よって、コイル部の角部周辺において磁束が流れ易くなる。よって、コイル部の角部周辺において磁束が流れ易くなり、その結果、より高いインダクタンスを得ることができる。
上記実施形態では、二層の平面コイル部23、24を有するとしたが、これに限られず、例えば一層又は三層以上の平面コイル部を有していてもよい。
上記実施形態では、絶縁層30は、被覆部7の主面7aの全体を覆うように設ける態様を示したが、これに限られず、主面7aにおける一対の端子電極20A、20Bの間の少なくとも一部に設けられていてもよい。例えば、絶縁層30は、主面7aの長辺方向(一対の端子電極20A、20Bが隣り合っている方向)に交差する方向に延びて主面7aを横断する形状であってもよい。
上記実施形態では、端子電極20A、20Bが絶縁層30上に設けられているとしたが、これに限られない。例えば、端子電極20A、20Bの形成領域に対応する寸法形状の貫通孔を絶縁層30に設け、端子電極20A、20Bが被覆部7の主面7aに直接設けられていてもよい。
上記実施形態では、端子電極20A、20Bと導体部31、32とを一度に形成する態様を示したが、別々に形成してもよい。このとき、端子電極20A、20Bの構成材料と導体部31、32の構成材料とを異ならせてもよい。