JP6657847B2 - 無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びその製造方法に関するものであり、さらに詳細には、従来用いられてきた有機化合物系界面活性剤を含有しない又は含有量を低減したポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びその製造方法を提供するものである。
いわゆるペースト塩ビなどに代表されるポリ塩化ビニル系樹脂粒子としては、水、有機化合物系界面活性剤、重合開始剤、塩化ビニルモノマーの存在下、乳化重合又は懸濁重合により得られるものが一般的に知られている。しかし、このような方法により得られるポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、有機化合物系界面活性剤等の有機化合物系添加剤が滲出る可能性があり、医療、バイオマテリアル分野への用途展開に制限を受ける可能性があり、有機化合物系界面活性剤などの滲出性のある添加剤を低減することが求められている。
また、このような方法で得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子について、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシラン等の反応性有機珪素化合物を水性媒体中で反応させて有機ポリマー粒子の外側にシリカ層(シリカ膜)を形成させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特許5279608公報
しかし、特許文献1に提案された方法においては、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の重合調製段階で有機化合物系界面活性剤を必須とするものであり、有機化合物系界面活性剤を用いない又は使用量が少ないポリ塩化ビニル系樹脂粒子となるものではなかった。
本発明は、医療、バイオマテリアル分野への用途展開をも可能とする高級アルキルスルホン酸塩などの有機化合物系界面活性剤を含有しない又は含有量を低減したポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水性媒体中で無機微粒子の存在下、塩化ビニル系モノマーを分散することにより、安定分散した塩化ビニル系モノマーの油滴を含む分散液が得られ、該分散液を重合に供することにより、有機化合物系界面活性剤の含有量を低減又は含有しない、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子、特に無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子を安定に得られる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、表面が無機微粒子で被覆されてなることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂粒子およびその製造方法に関するものである。
本発明の無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂は、有機化合物系界面活性剤を含まないため、このような添加剤の使用量低減が求められる医療分野やバイオマテリアル分野における樹脂材料として提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願発明は、表面が無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子である。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、表面が無機微粒子で被覆されてなることにより、従来のポリ塩化ビニル系樹脂が含有している有機化合物系界面活性剤を低減又は含有しないものとすることが可能となるものである。そして、有機化合物系界面活性剤を低減又は含有しないものとすることにより、医療、バイオマテリアル分野への用途展開をも期待されるものとなる。また、表面が無機微粒子で被覆されてなることにより、成形加工後には無機微粒子の分散した塩化ビニル系樹脂成形体を得ることが可能となり、該成形体は無機微粒子が安定分散することにより優れた物性が期待されるものである。
そして、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子とは、樹脂粒子そのものはもとより、水性媒体の存在下に分散してなる分散液(懸濁液、乳化液)、さらには重合後の分散液をも含むものである。その際の水性媒体としては、通常の水と称されるものでよく、より詳細には蒸留水、イオン交換水、上水等を挙げることができる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子を構成するポリ塩化ビニル系樹脂としては、一般的にポリ塩化ビニル系樹脂と称される範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えば単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂の他、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチル共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸ブチル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸エチル共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸エチル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合樹脂等を挙げることができる。また、その際の粒子径としては如何なるものであってもよく、特に取扱い性、物性と成形加工性のバランスに優れるものとなることから、平均粒子径0.05〜100μmのものであることが好ましく、0.1〜80μmであることがより好ましく、0.1〜50μmであることが更に好ましい。そして、SUS−塩ビ、ペースト塩ビと称されるいずれのものであってもよく、特にペースト塩ビであることが好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子を構成する無機微粒子は、無機微粒子と称さる範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えばシリカ、チタニア、アルミナ、セリア又はジルコニア等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸コバルト等の炭酸塩;等の微粒子を挙げることができ、特にポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液である場合の分散性に優れることから、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸バリウムであることが好ましい。
該無機微粒子としては、塩化ビニル系樹脂粒子とする際の水中における塩化ビニル系モノマー液滴の安定化に優れ、効率よく塩化ビニル系樹脂粒子を得ることが可能となることから、その粒子径が1〜200nmの範囲であることが好ましく、特に1〜100nmの範囲であることが好ましい。また、その際の粒子形状は、真球状、羽毛状、棒状、粒状など特に限定するものではなく、様々な形状のものを用いることができる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、有機化合物系界面活性剤などの無機微粒子以外の乳化剤を含むものを排除するものではないが、医療用途に適するという点で、有機化合物系界面活性剤等の有機化合物系乳化剤を含まないものが好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂粒子の製造方法としては、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の製造が可能であれば如何なる方法を用いることが可能であり、例えば懸濁重合法、乳化重合法、ミクロ懸濁重合法等に代表される重合法を挙げることができ、より詳細には、水性媒体、無機微粒子、塩化ビニル系モノマー、ラジカル重合開始剤の存在下、塩化ビニル系モノマーの分散系を形成したのちに重合を行うことにより製造することができる。当該重合により、表面が無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水分散液が得られる。また、回収により表面が無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子を単離することもできる。そして、本法においては、重合時に無機微粒子により水性媒体中の塩化ビニル系モノマー液滴が安定化されるものであり、安定した乳化液、懸濁液、ミクロ懸濁液等の分散液となるものである。
該塩化ビニル系モノマーとしては、塩化ビニル系モノマーと称さる範疇に属するものであればよく、例えば、塩化ビニルモノマー単独であってもよいし、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーとラジカル共重合可能なモノマーとの混合物であってもよい。そして、塩化ビニルモノマーとラジカル共重合可能なモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリンスチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、桂皮酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレフィン類;塩化ビニリデン、スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる
また、この際の無機微粒子としては、ピッカリング乳化作用を示して水性媒体中における塩化ビニル系モノマーの液滴を安定化する効果を示すものであれば良く、上記したもののほか、例えば金属酸化物微粒子の水分散物(ゾル)、炭酸塩の水分散物(ゾル)等をも挙げることができ、水分散物(ゾル)である場合は、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましい。そして、水分散物(ゾル)のものは、無機微粒子の粒子サイズが比較的小さく均一であるから、水性媒体中における塩化ビニル系モノマー液滴の安定化に優れ、さらにポリ塩化ビニル系樹脂粒子の表面に被覆した際、高い衝撃補強効果が期待できるものとなる。又、この際の無機微粒子は非表面修飾タイプであっても、表面修飾タイプであっても良い。表面修飾の方法としては、例えば、表面をシラン化カップリングする方法が挙げられる。さらにこの際の無機微粒子は、水性媒体中における塩化ビニル系モノマー液滴の安定化に優れる点で、その粒子径が1〜200nmの範囲であることが好ましく、特に1〜100nmの範囲であることがより好ましい。
さらに、この際の無機微粒子を水分散物(ゾル)とする場合には、水性媒体中における塩化ビニル系モノマー液滴の安定化にさらに優れることから、そのpHが2〜11の範囲であるものが好ましく、3〜10の範囲であるものがより好ましい。
この際の水性媒体としては、上記したものを挙げることができる。
この際のラジカル重合開始剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂を得ることが可能であれば如何なるものであってもよく、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシカーボネート類;t−ブチルペルオキシビバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジサクシニックアシッドパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、その使用量は、重合温度などにより適宜選択可能であり、一般に仕込み塩化ビニル系モノマーに対して0.001〜5重量%の範囲であることが好ましい。
そして、重合法として、ミクロ懸濁重合を選択する場合は、水性媒体、塩化ビニル系モノマー、重合開始剤、無機微粒子を混合した後、高速ミキサーやホモジナイザー等の高せん断力の作用下で撹拌することによって行われる。この操作により、無機微粒子によるピッカリング乳化作用が発現し、無機微粒子で安定化された微小な塩化ビニル系モノマー油滴を得る事ができる。その後、所定の温度で重合する事により、水性媒体中で安定に分散した、無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子が得られる。又、その際の重合温度は、一般に10℃〜150℃の範囲であることが好ましく、15℃〜90℃の範囲であることがより好ましい。 上記製造方法により無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液が得られる。さらに、これを乾燥することにより、無機微粒子で被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子からなる粒子の乾燥物を得ることもできる。乾燥の際に用いる乾燥機の種類は特に限定するものではなく、一般に使用されているものでよく、例えば「SPRAY DRYING HANDBOOK」(K.Masters著)、3版、1979年、GeorgeGodwin Limitedより出版)の121頁の第4.10図に記載されている各種のスプレー乾燥機があげられる。
実施例1で得られたポリ塩化ビニル樹脂粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた塩化ビニル樹脂粒子の電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されて解釈されるものではない。
水性媒体分散液の物性は以下の方法で測定した。
(1)固形分含有率
水性媒体分散液(水分散エマルション)1gを115±2℃のオーブン中で1時間乾燥した後、30分間デシケーターで冷却し、以下の次式から算出した。
固形分(重量%)=乾燥後の重量(g)/水分散エマルション重量(g)×100
(2)平均粒子径
レーザー回折式粒径分布測定機(堀場製作所製:(商品名)LA−920)にて測定した。
積算分布が50%となる粒子径(メジアン径)を平均粒子径と定義する。
(3)粒子の顕微鏡観察
走査型電子顕微鏡(日立製作所製;(商品名)S−4500、加速電圧15KV)にて観察した。
実施例1
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に、脱イオン水1660g、塩化ビニルモノマー91g、ラウロイルパーオキサイド2.9g、無機微粒子として20重量%コロイダルシリカ(日産化学工業製:(商品名)スノーテックス(ST−O);粒子径10〜15nm(球状))72gを混合した後、タービンステーター型ホモジナイザー(羽根径45mm)を用いて7000rpmで150分間のピッカリング乳化を行い、分散液を得た後、該分散液の温度を45℃に上げて重合を開始した。開始から10時間後に重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーを回収した後、ポリ塩化ビニル樹脂粒子を含んだ水性媒体分散エマルション1643g(固形分含有率2.2重量%、平均粒子径0.70μm)を得た。
得られた水性媒体分散エマルションを一部採取し、走査型電子顕微鏡で観察した所、シリカ粒子がポリ塩化ビニル樹脂粒子の表面を被覆している事を確認した。
実施例2
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に、脱イオン水1660g、塩化ビニルモノマー87g、酢酸ビニルモノマー4.6g、ラウロイルパーオキサイド2.9g、無機微粒子として20重量%コロイダルシリカ(日産化学工業製:(商品名)スノーテックス(ST−O))72gを混合した後、タービンステーター型ホモジナイザー(羽根径45mm)を用いて7000rpmで150分間のピッカリング乳化を行い、分散液を得た後、該分散液の温度を45℃に上げて重合を開始した。開始から10時間後に重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーおよび酢酸ビニルモノマーを回収した後、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子を含んだ水性媒体分散エマルション1640g(固形分含有率2.1重量%、平均粒子径0.70μm)を得た。
得られた水性媒体分散エマルションを一部採取し、走査型電子顕微鏡で観察した所、実施例1と同様、シリカ粒子がポリ塩化ビニル系樹脂粒子の表面を被覆している事を確認した。
実施例3
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に、脱イオン水1590g、塩化ビニルモノマー91g、ラウロイルパーオキサイド2.9g、無機微粒子として10重量%アルミナゾル(日産化学工業製:(商品名)アルミナゾル−200;粒子径100×10nm(羽毛状))144gを混合した後、タービンステーター型ホモジナイザー(羽根径45mm)を用いて7000rpmで150分間のピッカリング乳化を行い水性分散液とした。該水性分散液の温度を45℃に上げて重合を開始した。開始から10時間後に重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーを回収した後、ポリ塩化ビニル樹脂粒子を含んだ水性媒体分散エマルション1660g(固形分含有率3.0重量%、平均粒子径0.70μm)を得た。
得られた水性媒体分散エマルションを一部採取し、走査型電子顕微鏡で観察した所、実施例1と同様、アルミナ粒子がポリ塩化ビニル樹脂粒子の表面を被覆している事を確認した。
比較例1
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に、脱イオン水990g、塩化ビニルモノマー700g、ラウロイルパーオキサイド14g、有機化合物系界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸Na15重量%水溶液70gを添加し、タービンステーター型ホモジナイザー(羽根径45mm)を用いて7000rpmで150分間の乳化を行った後、混合液の温度を45℃に上げて重合を開始した。開始から10時間後に重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーを回収した後、塩化ビニル樹脂粒子の水分散エマルション1700g(固形分含有率37重量%、平均粒子径0.52μm)が得られた。
得られた水分散エマルションを100mLのポリエチレン瓶に31.3g、実施例1で使用した20重量%コロイダルシリカ12.4gを混合し、1分間ハンドシェイクした後、一部採取した塩化ビニル樹脂粒子を走査型電子顕微鏡で観察したが、塩化ビニル樹脂粒子の表面のシリカ粒子による被覆は観察されなかった。
比較例2
2.5Lステンレス製オートクレーブ中に、脱イオン水1730g、塩化ビニルモノマー91g、ラウロイルパーオキサイド2.9gを混合した後、無機微粒子を添加することなく、タービンステーター型ホモジナイザー(羽根径45mm)を用いて7000rpmで150分間のミキシングした後、混合液の温度を45℃に上げて重合を開始した。しかし、凝集が起こり塩化ビニル樹脂粒子のエマルションは得られなかった。
無機微粒子が表面に微細分散して被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂が持つ柔軟性、加工性、密着性等に加え、無機微粒子によりポリ塩化ビニル樹脂への衝撃補強効果が発現することが期待され、医療用途のみならず各種機能性粒子(電子写真用トナー、電子ペーパー用粒子、医療診断薬用担体、着色剤、電気粘性用粒子等)の分野で使用が期待される。

Claims (5)

  1. 表面が無機微粒子で被覆されてなる平均粒子径0.1〜50μmのペースト塩化ビニル樹脂であり、無機微粒子が粒子径1〜200nmのシリカ又はアルミナであることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂粒子。
  2. 水性媒体中に分散してなる水性媒体分散液に含有されるものであることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂粒子。
  3. 無機微粒子が、コロイダルシリカ又はアルミナゾルであることを特徴とする請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂粒子。
  4. 水性媒体、無機微粒子、塩化ビニル系モノマー、及びラジカル重合開始剤の存在下、乳化重合又はミクロ懸濁重合を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ塩化ビニル系樹脂粒子の製造方法。
  5. 有機化合物系界面活性剤を用いないことを特徴とする請求項4に記載のポリ塩化ビニル系樹脂粒子の製造方法
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