JP6656103B2 - 窒化膜の成膜方法および成膜装置 - Google Patents

窒化膜の成膜方法および成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、窒化膜の成膜方法および成膜装置に関する。
半導体デバイスの製造シーケンスにおいては、シリコンウエハに代表される半導体ウエハ(基板)に対して絶縁膜としてシリコン窒化膜(SiN膜)等の窒化膜を成膜する成膜処理が存在する。このようなSiN膜の成膜処理には、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition;ALD法)が用いられている。特許文献1には、複数の半導体ウエハに対して一括処理するバッチ式の縦型の成膜装置において、Si原料ガスとしてのジクロロシラン(DCS)ガスと、窒化ガスであるNHガスとをパージを挟んで交互に繰り返すことによりSiN膜を形成することが記載されている。
ALD法によりSiN膜を成膜する場合には、所定の成膜条件の下で、例えば、原料ガスであるジクロロシラン(DCS)ガスと、窒化ガスであるNHガスとを用い、最初に基板である半導体ウエハに対してDCSガスを供給し、単原子層のSiを化学吸着させ、次いでNHガスのプラズマを供給して吸着したSiを窒化し、1分子層厚のSiN単位膜を形成する。そして、このプロセスを所定回数繰り返すことにより、所望の膜厚で、良好な膜質のSiN膜を得ることができる。
特開2004−281853号公報
しかしながら、近時、半導体素子が益々微細化しており、それにともなって膜厚管理値が益々厳しくなっている。そのため、バッチ式の成膜装置においては、ローディング効果による膜厚の変動が無視し得なくなってきている。
すなわち、バッチ式の成膜装置においては、表面積が異なるウエハを処理する場合には、ローディング効果による成膜量の差を加味してプロセスの条件出しを行う必要がある。また、実際の製品ウエハはそれ自体の表面積が大きいため、成膜装置へのウエハの投入枚数が変わると、ローディング効果による膜厚の変動が生じるため、さらに多くのプロセス条件が必要となってしまう。
したがって、本発明は、複数の被処理体に対して一括してALD法により窒化膜を成膜処理する際に、ローディング効果による膜厚変動を抑制することができる窒化膜の成膜方法および成膜装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、処理容器内に複数の被処理基板を配置し、これら複数の被処理基板に対して、前記処理容器内を不活性ガスによりパージするステップと、前記処理容器内に成膜しようとする窒化膜を構成する元素と塩素とを含有する成膜原料ガスを供給して被処理基板に吸着させるステップと、処理容器内を不活性ガスでパージするステップと、前記処理容器内に窒化ガスを供給して前記窒化膜を構成する元素を窒化させるステップとを含むサイクルを、複数回繰り返して、複数の被処理基板に対して一括して所定膜厚の窒化膜を成膜する窒化膜の成膜方法であって、各サイクルにおいて、前記吸着させるステップと、前記窒化させるステップとの間に、前記処理容器内で水素ラジカルを生成して水素ラジカルパージを行うステップを実施し、前記水素ラジカルパージを行うステップにより、複数の被処理基板の表面状態の違いによる成膜量の変動であるローディング効果が抑制されるように、前記吸着させるステップにおいて前記窒化を構成する元素の飽和吸着分よりも過剰に物理吸着した部分を除去することを特徴とする窒化膜の成膜方法を提供する。
上記第1の観点において、前記窒化させるステップは、プラズマにより前記窒化ガスの活性種を生成し、その活性種により窒化を行うことが好ましい。
前記水素ラジカルは、水素ガスをプラズマ化することにより生成することができる。前記水素ラジカルパージを行うステップは、前記吸着させるステップと、その後の前記処理容器内を不活性ガスでパージするステップとの間に実施することができる。
本発明は、前記成膜原料として塩素含有シリコン化合物を用い、前記窒化膜としてシリコン窒化膜を形成する場合に好適である。この場合に、前記塩素含有シリコン化合物は、ジクロロシラン、モノクロロシラン、トリクロロシラン、シリコンテトラクロライド、およびヘキサクロロジシランからなる群から選択された少なくとも一種を用いることができる。
また、いずれの場合にも、前記窒化ガスとしては、NHガスおよびNガスからなる群から選択された少なくとも一種を用いることができる。
本発明の第2の観点は、複数の被処理基板に対して一括して所定の膜厚の窒化膜を成膜する窒化膜の成膜装置であって、前記窒化膜が成膜される複数の被処理基板を収容する処理容器と;前記処理容器内に、不活性ガス、成膜原料ガス、窒化ガス、水素ガスを供給するガス供給機構と;前記処理容器内に収容された複数の被処理基板を加熱する加熱装置と;プラズマを生成するプラズマ生成機構と;前記処理容器内を排気する排気装置と;制御部と;を有し、前記制御部は、前記処理容器内を不活性ガスによりパージするステップと、前記処理容器内に成膜しようとする窒化膜を構成する元素と塩素とを含有する成膜原料ガスを供給して被処理基板に吸着させるステップと、処理容器内を不活性ガスでパージするステップと、前記処理容器内に窒化ガスを供給して前記窒化膜を構成する元素を窒化させるステップとを含むサイクルを、複数回繰り返して、複数の被処理基板に対して一括して所定膜厚の窒化膜を成膜するとともに、各サイクルにおいて、前記吸着させるステップと、前記窒化させるステップとの間に、前記処理容器内で前記プラズマ生成機構により水素ラジカルを生成して水素ラジカルパージを行うステップを実行させ前記水素ラジカルパージを行うステップにより、複数の被処理基板の表面状態の違いによる成膜量の変動であるローディング効果が抑制されるように、前記吸着させるステップにおいて前記窒化を構成する元素の飽和吸着分よりも過剰に物理吸着した部分除去するように制御することを特徴とする窒化膜の成膜装置を提供する。
上記第2の観点において、前記プラズマ生成機構は、プラズマにより前記窒化ガスの活性種を生成し、前記制御部は、前記窒化させるステップにおいて、その活性種により窒化を行うように制御するようにすることができる。
本発明の第3の観点は、コンピュータ上で動作し、窒化膜の成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記第1の観点の窒化膜の成膜方法が行われるように、コンピュータに前記窒化膜の成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
本発明によれば、複数の被処理体に対して一括してALD法により窒化膜を成膜処理する際に、各サイクルにおいて、成膜原料を吸着させるステップと、窒化させるステップとの間に、処理容器内で水素ラジカルを生成して水素ラジカルパージを行うステップを実施し、成膜原料を吸着させるステップにおいて、窒化物を構成する元素の飽和吸着分よりも過剰に物理吸着した部分を、水素ラジカルパージにおいて、水素ラジカルにより除去する。このため、ローディング効果による膜厚変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る窒化膜の成膜方法の実施に用いることができる成膜装置の一例を示す縦断面図である。 図1に示す成膜装置の水平断面図である。 本発明の一実施形態に係る窒化膜の成膜方法のシーケンスを示す図である。 従来の窒化膜の成膜方法のシーケンスを示す図である。 本発明のメカニズムの概要を説明するための図である。 実験例の結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態においては、窒化膜としてシリコン窒化膜(SiN膜)を成膜する場合を例にとって説明する。
<成膜装置の一例>
図1は本発明の一実施形態に係る窒化膜の成膜方法の実施に用いることができる成膜装置の一例を示す縦断面図、図2は図1に示す成膜装置の水平断面図である。
本例の成膜装置100は、下端が開口された有天井の円筒体状の処理容器1を有している。この処理容器1の全体は、例えば石英により形成されており、この処理容器1内の上端部近傍には、石英製の天井板2が設けられてその下側の領域が封止されている。また、この処理容器1の下端開口部には、円筒体状に成形された金属製のマニホールド3がOリング等のシール部材4を介して連結されている。
マニホールド3は処理容器1の下端を支持しており、このマニホールド3の下方から被処理基板として複数枚、例えば50〜100枚の半導体ウエハ(シリコンウエハ)Wを多段に載置した石英製のウエハボート5が処理容器1内に挿入されるようになっている。このウエハボート5は3本のロッド6を有し(図2参照)、ロッド6に形成された溝(図示せず)により複数枚のウエハWが支持される。
このウエハボート5は、石英製の保温筒7を介してテーブル8上に載置されており、このテーブル8は、マニホールド3の下端開口部を開閉する金属(ステンレス)製の蓋部9を貫通する回転軸10上に支持される。
そして、この回転軸10の貫通部には、磁性流体シール11が設けられており、回転軸10を気密にシールしつつ回転可能に支持している。また、蓋部9の周辺部とマニホールド3の下端部との間には、処理容器1内のシール性を保持するためのシール部材12が介設されている。
回転軸10は、例えばボートエレベータ等の昇降機構(図示せず)に支持されたアーム13の先端に取り付けられており、ウエハボート5および蓋部9等を一体的に昇降して処理容器1内に対して挿脱される。なお、テーブル8を蓋部9側へ固定して設け、ウエハボート5を回転させることなくウエハWの処理を行うようにしてもよい。
また、成膜装置100は、処理容器1内へCl含有Si化合物ガス、例えばDCSガスを供給するCl含有Si化合物ガス供給機構14と、処理容器1内へ窒化ガス、例えばNHガスを供給する窒化ガス供給機構15と、処理容器1内へ水素ガス(Hガス)を供給するHガス供給機構16と、処理容器1内へパージガス等として不活性ガス、例えばNガスやArガスを供給する不活性ガス供給機構17とを有している。
Cl含有Si化合物ガス供給機構14は、Cl含有Si化合物ガス供給源18と、Cl含有Si化合物ガス供給源18からCl含有Si化合物ガスを導くガス配管19と、このガス配管19に接続されて処理容器1内にCl含有Si化合物ガスを導くガス分散ノズル20とを有している。Cl含有Si化合物ガスとしては、DCSガスの他、モノクロロシラン(MCS;SiHCl)、トリクロロシラン(TCS;SiHCl)、シリコンテトラクロライド(STC;SiCl)、ヘキサクロロジシラン(HCD;SiCl)等を挙げることができる。
窒化ガス供給機構15は、窒化ガス供給源21と、窒化ガス供給源121から窒化ガスを導くガス配管22と、処理容器1内に窒化ガスを導くガス分散ノズル23とを有している。窒化ガスとしては、NHガスの他、Nガス等を挙げることができる。
ガス供給機構16は、Hガス供給源24と、Hガス供給源24からHガスを導くガス配管25と、処理容器1内にHガスを導くガス分散ノズル26とを有している。
ガス分散ノズル20、23、および26は、石英からなり、マニホールド3の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて垂直に延びる。これらガス分散ノズル20、23、および26の垂直部分には、ウエハボート5のウエハ支持範囲に対応する上下方向の長さに亘って、それぞれ複数のガス吐出孔20a、23a、および26a(26aについては図2にのみ図示)が所定の間隔で形成されている。各ガス吐出孔20a,23a、および26aから水平方向に処理容器1に向けて略均一にガスを吐出することができる。ガス分散ノズル20は2本、ガス分散ノズル23および26はそれぞれ1本設けられている。
不活性ガス供給機構17は、不活性ガス供給源27と、不活性ガス供給源27から不活性ガスを導くガス配管28と、このガス配管28に接続され、マニホールド3の側壁を貫通して設けられた短い石英管からなるガスノズル29とを有している。
ガス配管19、22、25、28には、それぞれ開閉弁19a、22a、25a、28a、および流量制御器19b、22b、25b、28bが設けられている。
処理容器1の側壁の一部には、プラズマ生成機構30が形成されている。プラズマ生成機構30は、NHガス等の窒化ガスをプラズマ化して窒化のための活性種を生成し、さらにHガスもプラズマ化して水素ラジカルを生成するためのものである。
プラズマ生成機構30は、処理容器1の外壁に気密に溶接されたプラズマ区画壁32を備えている。プラズマ区画壁32は、例えば、石英により形成される。プラズマ区画壁32は断面凹状をなし、処理容器1の側壁に形成された開口31を覆う。開口31は、ウエハボート5に支持されている全ての半導体ウエハWを上下方向にカバーできるように、上下方向に細長く形成される。プラズマ区画壁32により規定される内側空間、すなわち、プラズマ生成空間の内部には、上述した、NHガス等の窒化ガスを吐出するための分散ノズル23、およびHガスを吐出するための分散ノズル26が配置されている。なお、DCSガス等のCl含有Si化合物ガスを吐出するための2本のガス分散ノズル20は、処理容器1の内側壁の開口31を挟む位置に設けられている。
また、プラズマ生成機構30は、プラズマ区画壁32の両側壁の外面に、上下方向に沿って互いに対向するようにして配置された細長い一対のプラズマ電極33と、一対のプラズマ電極33のそれぞれに給電ライン34を介して接続され、一対のプラズマ電極33に高周波電力を供給する高周波電源35とをさらに有している。高周波電源35は、一対のプラズマ電極33に対し、例えば、13.56MHzの高周波電圧を印加する。これにより、プラズマ区画壁32により規定されたプラズマ生成空間内に、高周波電界が印加される。分散ノズル23から吐出された窒化ガス、および分散ノズル26から吐出されたHガスは、高周波電界が印加されたプラズマ生成空間内においてプラズマ化され、これにより生成された窒化のための活性種および水素ラジカルが開口31を介して処理容器1の内部へと供給される。
プラズマ区画壁32の外側には、これを覆うようにして絶縁保護カバー36が取り付けられている。絶縁保護カバー36の内側部分には、冷媒通路(図示せず)が設けられており、そこに冷却された窒素ガス等の冷媒を流すことによりプラズマ電極33が冷却される。
開口31に対向する処理容器1の側壁部分には、処理容器1内を真空排気するための排気口37が設けられている。この排気口37はウエハボート5に対応して上下に細長く形成されている。処理容器1の排気口37に対応する部分には、排気口37を覆うように断面U字状に成形された排気口カバー部材38が取り付けられている。この排気口カバー部材38は、処理容器1の側壁に沿って上方に延びている。排気口カバー部材38の下部には、排気口37を介して処理容器1を排気するための排気管39が接続されている。排気管39には、処理容器1内の圧力を制御する圧力制御バルブ40および真空ポンプ等を含む排気装置41が接続されており、排気装置41により排気管39を介して処理容器1内が排気される。また、この処理容器1の外周を囲むようにしてこの処理容器1およびその内部のウエハWを加熱する筒体状の加熱機構42が設けられている。
成膜装置100は制御部50を有している。制御部50は、成膜装置100の各構成部の制御、例えばバルブ19a、22a、25a、28aの開閉による各ガスの供給・停止、流量制御器19b、22b、25b、28bによるガス流量の制御、排気装置41による排気制御、高周波電源35による高周波電力のオン・オフ制御、および加熱機構42によるウエハWの温度の制御等を行う。制御部50は、CPU(コンピュータ)を有し、上記制御を行う主制御部と、入力装置、出力装置、表示装置、および記憶装置を有している。記憶装置には、成膜装置100で実行される処理を制御するためのプログラム、すなわち処理レシピが格納された記憶媒体がセットされ、主制御部は、記憶媒体に記憶されている所定の処理レシピを呼び出し、その処理レシピに基づいて成膜装置100により所定の処理が行われるように制御する。
<成膜方法>
次に、このような成膜装置100により実施される本発明の一実施形態による成膜方法について説明する。
ここでは、Cl含有Si化合物ガスとしてDCSガス、窒化ガスとしてNHガス、パージガスとしてNガスを用いた例について示す。
まず、処理容器1内の温度を400〜600℃にし、50〜100枚のウエハWが搭載されたウエハボート5を処理容器1内に搬入し、排気装置41により処理容器1内を排気しつつ、処理容器1内を13〜665Paに調圧する。
この状態で、図3のシーケンス図に示すように、Nガスによるパージ工程(ステップS1)、DCSガス供給(Si吸着)工程(ステップS2)、水素ラジカルパージ工程(ステップS3)、Nガスによるパージ工程(ステップS4)、NHガス供給(窒化)工程(ステップS5)を所定回数繰り返し、所定膜厚のSiN膜を成膜する。
ステップS1およびステップS4のパージ工程では、排気装置41により処理容器1内を排気しつつ、不活性ガス供給源27から処理容器1内に不活性ガスとしてNガスを供給することにより行われる。これにより、処理容器1内の雰囲気をNガスに置換する。このときの条件は、Nガス流量:500〜5000sccm、時間:3〜10secが好ましい。
ステップS2のDCSガス供給工程では、Cl含有Si化合物ガス供給源18から処理容器1内にCl含有Si化合物ガスとしてDCSガスを供給して、ウエハWの表面にSiを吸着させる。このときの条件は、DCSガス流量:500〜3000sccm、時間:1〜10secが好ましい。
ステップS3の水素ラジカルパージ工程では、処理容器1内を排気しつつ、Hガス供給源24から処理容器1内にHガスを供給し、プラズマ生成機構30によりHガスをプラズマ化して水素ラジカルを生成し、ステップS2により吸着されたSiに水素ラジカルを作用させる。このときの条件は、高周波パワー:50〜300W、Hガス流量:500〜5000sccm、時間:3〜60secが好ましい。
ステップS5のNHガス供給工程では、窒化ガス供給源21から処理容器1内に窒化ガスとしてNHガスを供給するとともに、プラズマ生成機構30によりNHガスをプラズマ化して窒化のための活性種を生成し、ステップS2により吸着されたSiを窒化する。このときの条件は、NHガス流量:500〜5000sccm、時間:5〜120secが好ましい。
なお、ステップS3の水素ラジカルパージ工程と、ステップ4のパージ工程の順序は入れ替えてもよい。
本実施形態に至った経緯は以下のとおりである。
従来のALD法によるSiN膜の成膜においては、図4のように、水素ラジカル処理(ステップS3)は行わず、Nガスによるパージ工程(ステップS1)、DCSガス供給工程(ステップS2)、Nガスによるパージ工程(ステップS4)、NHガス供給(窒化)工程(ステップS5)を繰り返すのみである。
ALD法でSiN膜を成膜する場合、ステップS2のDCSの供給の際には、原理的には、下地の化学吸着サイトにDCSガスが吸着するが、飽和吸着量に達するとそれ以上はDCSガスが吸着せず、このため、単原子層のSiが化学吸着するのである。
しかし、従来のALDでは、実際には、DCSガス中のCl等の不純物が物理的に吸着して凝集し、不純物を介してSiも物理的に凝集してSiクラスターとなり、Siの過剰吸着が生じる。
この場合、ウエハ表面が平坦で表面積が小さい状態の場合は、不純物が吸着しやすいため、Siの過剰吸着量が多くなるのに対し、ウエハ表面に凹凸が多く表面積が大きい状態の場合は、不純物が凹部の底に到達し難いため、Siの過剰吸着量が少なくなる。そして、このことが、ウエハの表面状態の違いにより成膜量が変動するローディング効果が生じる原因となる。また、このようなSiの過剰吸着により、ウエハWの投入枚数の変動によるシリコン窒化膜の膜厚変動も生じやすくなる。
このようなローディング効果を抑制するためには、飽和吸着したSiの上に物理的に吸着するCl等の不純物および過剰なSiを除去できればよい。
そこで、本実施形態では、ALDプロセスによりシリコン窒化膜を成膜するにあたり、DCSガス供給工程(ステップS2)の後、ステップS3として水素ラジカルパージを行って、ステップ2の際に物理吸着した不純物および過剰なSiを除去する。
具体的には、図5(a)に示すように、Cl含有Si化合物ガスとしてDCSガスを用いた場合、化学吸着した単原子層のSiの上に、Cl等の不純物および過剰なSiがクラスター状に物理吸着するが、図5(b)に示すように、水素ラジカルを作用させることにより、物理吸着したCl等の不純物およびSiを除去することができる。そして、理想的には図5(c)に示すように、化学吸着した単原子層のSiのみを残すようにする。
これにより、ウエハWの表面状態にかかわらず、Si層を単原子層状態に近づけることができ、最終的に形成されるSiN膜のウエハWの表面状態による膜厚の変動、すなわちローディング効果を抑制することができる。
<実験例>
次に、本発明の実験例について説明する。
ここでは、フラットウエハとパターンウエハを用い、図1に示す装置により、水素ラジカルパージの時間を変えてSiN膜の成膜を行った。いずれのウエハの成膜処理においても、一度に処理するウエハの枚数は100枚とした。
結果を図6に示す。図6は、各処理について、ウエハ径方向の膜厚分布と膜厚減少率を示している。図6において、「水素ラジカルパージなし」は、図4に示す、水素ラジカルパージを行わない従来のシーケンスの場合であり、「水素ラジカルパージ5sec」、「水素ラジカルパージ10sec」は、図3に示す本発明のシーケンスの場合である。膜厚減少率は、フラットウエハにおけるSiN膜の平均膜厚に対するパターンウエハにおけるSiN膜の平均膜厚の減少率である。例えば、フラットウエハの平均膜厚に対してパターンウエハの平均膜厚が1%薄い場合には、膜厚減少率は−1%である。
図6に示すように、水素ラジカルパージを行わない従来のシーケンスでは、膜厚減少率がTOPで−2.3%、BTMで−2.4%と、いずれも大きい値であり、ローディング効果が大きかった。
これに対し、5secの水素ラジカルパージを行った場合は、膜厚減少率がTOPおよびBTMとも−1.5%であり、10secの水素ラジカルパージを行った場合は、膜厚減少率がTOPで−1.1%、BTMで−1.2%となり、DCSガス供給後に水素ラジカルパージを行うことにより、ローディング効果が抑制されることが確認された。
<他の適用>
以上、本発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記の実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明の成膜方法を縦型のバッチ式装置により実施した例を示したが、これに限らず、横型のバッチ式装置により実施することもできる。
また、上記実施形態では、一対のプラズマ電極に高周波電力を印加することによりプラズマを生成し、そのプラズマにより水素ラジカルを生成する例を示したが、水素ラジカルを生成する方法は、これに限らず、他の誘導結合プラズマやマイクロ波プラズマ等の他のプラズマを用いてもよく、また、加熱フィラメントに水素ガスを接触させる処理等の方法を用いることもできる。
さらに、上記実施形態では、Cl含有Si化合物ガスと、窒化ガスとを用いてシリコン窒化膜を形成する場合を例にとって説明したが、Cl含有化合物ガスと窒化ガスとの組み合わせで窒化膜を形成する場合であれば適用することができる。例えば、TiClガスと窒化ガスを用いてTiN膜を形成する場合や、BClガスと窒化ガスとを用いてBN膜を成膜する場合や、WClガスと窒化ガスとを用いてWN膜を成膜する場合等に適用することができる。
1;処理容器
5;ウエハボート
14;Cl含有Si化合物ガス供給機構
15;窒化ガス供給機構
16;Hガス供給機構
30;プラズマ生成機構
33;プラズマ電極
35;高周波電源
41;排気装置
42;加熱機構
100;成膜装置
W;半導体ウエハ(被処理基板)

Claims (11)

  1. 処理容器内に複数の被処理基板を配置し、これら複数の被処理基板に対して、
    前記処理容器内を不活性ガスによりパージするステップと、前記処理容器内に成膜しようとする窒化膜を構成する元素と塩素とを含有する成膜原料ガスを供給して被処理基板に吸着させるステップと、処理容器内を不活性ガスでパージするステップと、前記処理容器内に窒化ガスを供給して前記窒化膜を構成する元素を窒化させるステップとを含むサイクルを、複数回繰り返して、複数の被処理基板に対して一括して所定膜厚の窒化膜を成膜する窒化膜の成膜方法であって、
    各サイクルにおいて、前記吸着させるステップと、前記窒化させるステップとの間に、前記処理容器内で水素ラジカルを生成して水素ラジカルパージを行うステップを実施し、
    前記水素ラジカルパージを行うステップにより、複数の被処理基板の表面状態の違いによる成膜量の変動であるローディング効果が抑制されるように、前記吸着させるステップにおいて前記窒化を構成する元素の飽和吸着分よりも過剰に物理吸着した部分を除去することを特徴とする窒化膜の成膜方法。
  2. 前記窒化させるステップは、プラズマにより前記窒化ガスの活性種を生成し、その活性種により窒化を行うことを特徴とする請求項1に記載の窒化膜の成膜方法。
  3. 前記水素ラジカルは、水素ガスをプラズマ化することにより生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化膜の成膜方法。
  4. 前記水素ラジカルパージを行うステップは、前記吸着させるステップと、その後の前記処理容器内を不活性ガスでパージするステップとの間に実施されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の窒化膜の成膜方法。
  5. 前記成膜原料ガスは塩素含有シリコン化合物であり、前記窒化膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の窒化膜の形成方法。
  6. 前記塩素含有シリコン化合物は、ジクロロシラン、モノクロロシラン、トリクロロシラン、シリコンテトラクロライド、およびヘキサクロロジシランからなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の窒化膜の形成方法。
  7. 前記窒化ガスは、NHガスおよびNガスからなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の窒化膜の成膜方法。
  8. 複数の被処理基板に対して一括して所定の膜厚の窒化膜を成膜する窒化膜の成膜装置であって、
    前記窒化膜が成膜される複数の被処理基板を収容する処理容器と、
    前記処理容器内に、不活性ガス、成膜原料ガス、窒化ガス、水素ガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器内に収容された複数の被処理基板を加熱する加熱装置と、
    プラズマを生成するプラズマ生成機構と、
    前記処理容器内を排気する排気装置と、
    制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記処理容器内を不活性ガスによりパージするステップと、前記処理容器内に成膜しようとする窒化膜を構成する元素と塩素とを含有する成膜原料ガスを供給して被処理基板に吸着させるステップと、処理容器内を不活性ガスでパージするステップと、前記処理容器内に窒化ガスを供給して前記窒化膜を構成する元素を窒化させるステップとを含むサイクルを、複数回繰り返して、複数の被処理基板に対して一括して所定膜厚の窒化膜を成膜するとともに、各サイクルにおいて、前記吸着させるステップと、前記窒化させるステップとの間に、前記処理容器内で前記プラズマ生成機構により水素ラジカルを生成して水素ラジカルパージを行うステップを実行させ前記水素ラジカルパージを行うステップにより、複数の被処理基板の表面状態の違いによる成膜量の変動であるローディング効果が抑制されるように、前記吸着させるステップにおいて前記窒化を構成する元素の飽和吸着分よりも過剰に物理吸着した部分除去するように制御することを特徴とする窒化膜の成膜装置。
  9. 前記プラズマ生成機構は、プラズマにより前記窒化ガスの活性種を生成し、前記制御部は、前記窒化させるステップにおいて、その活性種により窒化を行うように制御することを特徴とする請求項8に記載の窒化膜の成膜装置。
  10. 前記成膜原料ガスは塩素含有シリコン化合物であり、前記窒化膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の窒化膜の形成装置。
  11. コンピュータ上で動作し、窒化膜の成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項1から請求項7のいずれか1項の窒化膜の成膜方法が行われるように、コンピュータに前記窒化膜の成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。
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