図1は、撮影装置1の構成を例示した図である。図2は、撮影装置1の外観図である。撮影装置1は、分割露光と画像処理の組み合わせにより、擬似的にNDフィルタを用いた撮影を再現する擬似NDフィルタ撮影を行う。また、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影により静止画像を撮影する前に、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションしてライブビュー表示する。
以下、図1及び図2を参照しがら撮影装置1の構成について説明する。以降では、撮影装置1がデジタルカメラである場合を例にして説明するが、撮影装置1は、撮影機能を有していればよく、デジタルカメラに限らない。撮影装置1は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型のコンピュータなどの携帯端末であってもよい。また、撮影装置1は、例えば、据え置き型のコンピュータ、顕微鏡などであってもよい。
撮影装置1は、図1及び図2に示すように、表示部2を備えている。表示部2は、例えば、撮影装置1の背面に設けられた液晶ディスディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイなどであり、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションすることで生成されたライブビュー画像を表示する。
撮影装置1は、さらに、図1に示すように、撮像部20、メモリ26、システム制御部27、撮像制御部28、シャッタ制御部29、絞り制御部30、レンズ制御部31、AF処理部32、露光制御部33、手振れ検出部34、画像処理部35、電源部36、電源制御部37、操作部38、外部メモリ39、不揮発性メモリ40、フラッシュ制御部41、フラッシュ充電部42、及びフラッシュ発光部43を備えている。
撮像部20は、レンズ21、絞り22、メカニカルシャッタ23、撮像素子24、及び、A/D変換部25を備えていて、被写体を撮像して被写体の画像データを取得する。
レンズ21は、単焦点レンズまたはズームレンズであり、被写体の光学像を形成するための単数または複数の光学レンズを含んでいる。レンズ制御部31によってレンズ21を構成する一部又は全部の光学レンズの移動が制御され、それによって、フォーカシング、ズーミングなどが行われる。
絞り22は、撮影装置1に入射した光を遮光することで、撮像素子24へ入射する光量を制限する。絞り制御部30によって絞り22の開口径が制御され、それによって、光量及び被写界深度の調整が行われる。
メカニカルシャッタ23は、撮像素子24へ光が入射する露光状態と、撮像素子24へ光が入射しない遮光状態と、を切り換える。シャッタ制御部29によってメカニカルシャッタ23の開閉が制御され、それによって、露光状態と遮光状態が切り換わる。
撮像素子24は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであり、各々が画素を構成する、二次元に配列された複数のフォトダイオードを含んでいる。フォトダイオードが受光量に応じた電流を発生させることで、フォトダイオードに接続されているキャパシタに電荷が蓄積される。撮像制御部28によって撮像素子24の露光時間、フレームレートが制御され、これによって、撮像素子24から画像データが出力される。
A/D変換部25は、撮像素子24から出力されたアナログデータである画像データをデジタルデータである画像データに変換し、メモリ26へ出力する。
メモリ26は、画像データの一時記憶ための、電気的書き換え可能な揮発性メモリであり、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
システム制御部27は、撮影装置1を制御する電気回路である。システム制御部27は、プロセッサとメモリとを含み、例えば、それらを1つのチップ上に集積した電気回路であってもよい。システム制御部27は、各種制御部(撮像制御部28、シャッタ制御部29、絞り制御部30、レンズ制御部31、AF処理部32、露光制御部33、フラッシュ制御部41など)に接続されている。
AF処理部32は、画像データに基づいてオートフォーカス処理を行う。露光制御部33は、測光部の一例であり、画像データに基づいて被写体輝度を検出する。手振れ検出部34は、撮影装置1に生じた手振れ量を検出する。
画像処理部35は、メモリ26から画像データを読み出して種々の画像処理を行う電気回路である。画像処理部35は、例えば、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス補正処理、デモザイキング処理、色マトリクス処理などの基本的な画像処理に加えて、擬似NDフィルタ撮影で行われる画像合成処理などを行う。
電源部36は、例えば、一次電池、二次電池などであってもよく、商用電源に接続されたACアダプタであってもよい。電源制御部37は、電源部36から供給された電力を撮影装置1の各部へ供給する電源回路である。
操作部38は、利用者の操作に供される部材であり、例えば、図2に示す、擬似ND撮影ボタン3、撮影モードダイヤル4、ズームリング5、マニュアルフォーカスリング6、シャッターボタン7、Fダイヤル8、拡大ボタン9、動画ボタン10、LVモードボタン11、Rダイヤル12などを含んでいる。
外部メモリ39は、撮影装置1に着脱自在な記録媒体であり、例えば、メモリカードである。不揮発性メモリ40は、例えば、フラッシュメモリである。外部メモリ39には、例えば、擬似NDフィルタ撮影により得られた静止画像データが記録される。
フラッシュ制御部41は、フラッシュ充電部42及びフラッシュ発光部43を制御する。フラッシュ制御部41は、フラッシュ充電部42に蓄積されたエネルギーを利用してフラッシュ発光部43に発光動作を行わせる。
図3は、撮影装置1の機能構成を例示した図である。撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影、及び、そのシミュレーションを行うための構成要素として、図3に示すように、露光時間設定部50と、画像生成部60と、静止画像記録部70と、ライブビュー画像表示部80と、露光時間表示部90を備えている。
露光時間設定部50は、減光率設定部51を含み、擬似NDフィルタ撮影での静止画像記録用に設定された減光率に基づいて第1露光時間、第2露光時間、及び第3露光時間を設定する。操作部38が減光率を指定する利用者の操作を受け付けると、減光率設定部51は、利用者が指定した減光率を設定する。露光時間設定部50及び減光率設定部51の機能は、例えば、図1に示すシステム制御部27によって実現される。
第1露光時間は、疑似NDフィルタ撮影における減光された明るさの静止画像を生成するための露光時間であり、静止画像データを生成するときに、撮像素子24に設定される。本実施例では、第1の露光時間は、疑似NDフィルタ撮影の減光量に応じて減光された第1の明るさを決定する露光時間としているが、必ずしも減光量に応じて可変する必要はなく、例えば本露光読み出し制御の最大フレームレートのフレーム時間に固定しても良い。撮像部20は、擬似NDフィルタ撮影を行うときに、本露光読み出し制御で、第1露光時間の画像データを連続的に繰り返し取得する。なお、第1露光時間は、各画素の出力電圧が飽和しない時間であることが望ましい。
第2露光時間は、ライブビュー画像データを生成するときに、撮像素子24に設定される。撮像部20は、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションするときに、第2露光時間で画像データを取得する。第2露光時間は、例えば、ライブビュー画像の表示フレームレート(例えば、120fps)に相当する時間(例えば、1/120s)であってもよい。ここで、ライブビュー画像の表示フレームレートは本来のファインダ機能である被写体追従性を損なわない範囲で明るさに応じて変動しても良い。なお、飽和状態まで正確にライブビューでシミュレーションするために、静止画撮影における本露光時と同じ絞り値で、本露光読み出し制御による撮像制御を行い、第2露光時間を第1露光時間と同じにすることが望ましい。もしくは本露光読み出し制御は、例えば、最大60fpsであるので、ライブビューフレームレートを、これに揃え、60fpsとすることが望ましいが、揃えない場合は別途、飽和警告表示をライブビュー上に行うよう構成しても良い。
第3露光時間は、被写体の運動の追跡時間を決定する露光時間であり、被写体像の流れ度合い、即ち、スローシャッタ効果を決定する。なお、第3露光時間は、第1露光時間よりも長い。
減光率は、擬似NDフィルタ撮影で擬似するNDフィルタの値(ND倍率ともいう)の逆数である。例えば、ND2のNDフィルタを擬似する場合であれば1/2であり、ND400のNDフィルタを擬似する場合であれば1/400である。
画像生成部60は、擬似NDフィルタ撮影及び擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションにおいて画像データを合成して、ライブビュー表示用の画像データ又は静止画像記録用の画像データを生成する。画像生成部60は、第1合成部61、第1ゲイン印加部62、第2合成部63、及び第2ゲイン印加部64を含んでいる。第1合成部61及び第1ゲイン印加部62は、擬似NDフィルタ撮影で用いられ、第2合成部63及び第2ゲイン印加部64は、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションで用いられる。画像生成部60の機能は、例えば、図1に示す画像処理部35によって実現される。
第1合成部61は、擬似NDフィルタ撮影における総露光時間が第3露光時間に達するまで、撮像部20で繰り返し取得した複数の第1画像データを加算合成する。そして、第1合成部61は、加算合成処理によって第1合成画像データを生成する。第1画像データは、擬似NDフィルタ撮影による静止画像記録のために取得した画像データであり、第1露光時間で取得される。なお、以降では、擬似NDフィルタ撮影における総露光時間を第1総露光時間と記す。
第1ゲイン印加部62は、第1合成部61から出力された第1合成画像データに第1ゲインを印加することで、減光率に基づく明るさを有する第1静止画像データを生成する。なお、減光率に基づく明るさとは、ここでは第1露光時間に相当する明るさ(以降、第1の明るさと記す)を意味するが、第1露光時間を本露光読み取りシーケンスの最大フレームレートの逆数に固定し、第1の明るさとは異なる固定の明るさとなるように構成しても良い。第1ゲインは、下式(1)で算出される。
第1ゲイン=第3露光時間×減光率/第1総露光時間 ・・・(1)
第1総露光時間が第3露光時間に一致する場合であれば、第1ゲインは、減光率設定部51で設定された減光率そのものであり、擬似するNDフィルタのND倍率の逆数である。
第2合成部63は、撮像部20で取得した第2画像データを順次加算合成する。そして、第2合成部63は、加算合成処理によって第2合成画像データを生成する。第2画像データは、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションしたライブビュー画像表示のために取得した画像データであり、第2露光時間で取得される。なお、以降では、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションにおける総露光時間を第2総露光時間と記す。
第2ゲイン印加部64は、第2合成部63から順次出力された第2合成画像データに第2ゲインを印加することで、NDフィルタ撮影の成果物として記録される静止画像データに相当する明るさを有する第1ライブビュー画像データを生成する。即ち、第1の明るさを有する第1ライブビュー画像データを生成する。第2ゲインは、第2合成画像データが第2合成部から出力される毎に下式(2)で算出される。
第2ゲイン=第3露光時間×減光率/第2総露光時間 ・・・(2)
静止画像記録部70は、第1ゲイン印加部62で生成された第1静止画像データを擬似NDフィルタ撮影の成果物として記録する。なお、静止画像記録部70の機能は、例えば、図1に示す外部メモリ39によって実現される。
ライブビュー画像表示部80は、第2ゲイン印加部64で生成された第1ライブビュー画像データに基づいて、第1ライブビュー画像を、撮像部20におけるライブビュー画像表示用のフレームレートで更新して表示する。なお、ライブビュー画像表示部80の機能は、例えば、図1に示す表示部2によって実現される。
露光時間表示部90は、露光時間設定部50で設定された第3露光時間を表示する。なお、露光時間表示部90の機能は、例えば、図1に示す表示部2によって実現される。
図4は、撮影装置1が行う撮影処理の流れを示した図である。撮影装置1では、例えば、システム制御部27が所定のプログラムを実行することで、図3に示す構成要素が機能して、図4に示す、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションから擬似NDフィルタ撮影までの一連の撮影処理が行われる。
図4に示す撮影処理が開始されると、撮影装置1は、まず、静止画像記録用に減光率を設定する(ステップS1)。ここでは、例えば、撮影装置1の利用者が操作部38を操作することで指定したND倍率に基づいて、減光率設定部51が減光率を設定する。
次に、撮影装置1は、露光時間を設定する(ステップS2)。ここでは、露光時間設定部50が、ステップS1で設定された減光率に基づいて、第1露光時間、及び、第3露光時間を設定し、ライブビュー画像表示用のフレームレートに基づいて第2露光時間を設定する。なお、ライブビュー画像表示用のフレームレートは、単に、ライブビューのフレームレートとも記す。
特に、第1露光時間と第3露光時間に関しては、露光時間設定部50は、減光率と、第1露光時間と第3露光時間の一方と、に基づいて、第1露光時間と第3露光時間の他方を算出する。より具体的には、露光時間設定部50は、第1露光時間と第3露光時間の比率(=第1露光時間/第3露光時間)が減光率に一致するように、第1露光時間と第3露光時間の他方を算出する。
例えば、露光時間設定部50は、撮影装置1が自動露光(AE)制御を行うことで推定した露光時間を、第1露光時間に設定してもよく、その場合、第1露光時間を減光率で割ることで、第3露光時間を算出してもよい。また、露光時間設定部50は、利用者が手動で設定した時間を第3露光時間に設定してもよく、その場合、手動で設定された第3露光時間に減光率を乗じることで、第1露光時間を算出してもよい。
露光時間の設定が完了すると、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションを開始して、ステップS8で擬似NDフィルタ撮影の撮影指示があるまで、ステップS3からステップS7の処理を繰り返す。
まず、撮影装置1は、ライブビュー画像用の画像データを取得する(ステップS3)。ここでは、撮像制御部28がステップS2で設定された第2露光時間を撮像素子24に設定し、撮像部20が第2露光時間でライブビュー画像表示用の第2画像データを取得する。
次に、撮影装置1は、ステップS3で取得した画像データを合成する(ステップS4)。ここでは、第2合成部63が、撮像部20が第2露光時間で取得した第2画像データを順次加算合成して、第2合成画像データを生成する。
さらに、撮影装置1は、ゲインを算出する(ステップS5)。ここでは、第2ゲイン印加部64が上述した式(2)で第2ゲインを算出する。
ゲインが算出されると、撮影装置1は、ライブビュー画像データを生成する(ステップS6)。ここでは、第2ゲイン印加部64が、第2合成画像データに第2ゲインを印加することで第1ライブビュー画像データを生成する。
その後、撮影装置1は、ライブビュー画像を表示する(ステップS7)。ここでは、ライブビュー画像表示部80が、ステップS6で生成された第1ライブビュー画像データに基づいて、第1ライブビュー画像を、ライブビュー画像表示用のフレームレートで更新して表示する。さらに、露光時間表示部90が第3露光時間を表示してもよい。
図5に示すライブビュー画像100は、シミュレーション開始から0.5秒経過時点において表示部2に表示されたライブビュー画像の一例であり、図6に示すライブビュー画像101は、シミュレーション開始から2秒経過時点において表示部2に表示されたライブビュー画像の一例である。なお、マーク200は、第3露光時間を示している。また、マーク201及びマーク201aは、第3露光時間と第2総露光時間の関係を示している。より具体的には、マーク201及びマーク201aは、第3露光時間に占める第2総露光時間の割合を示す円環グラフと円環グラフ内に設けられた第2総露光時間を示す数値と、で構成されている。換言すると、円環グラフは、第3露光時間に対する第2合成画像データに対応する露光時間の比率を示している。マーク202は、擬似NDフィルタ撮影におけるND倍率を示している。
ステップS8において、撮影指示が検出されると、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影を開始する。撮影指示は、例えば、シャッターボタン7の押下などである。
まず、撮影装置1は、複数の静止画像用の画像データを取得する(ステップS9)。ここでは、撮像制御部28がステップS2で設定された第1露光時間を撮像素子24に設定し、撮像部20が第1露光時間で静止画像表示用の第1画像データを取得する。撮像部20は、第1総露光時間が第3露光時間に達するまで第1画像データの取得を繰り返すことで、複数の第1画像データを取得する。
次に、撮影装置1は、ステップS9で取得した画像データを合成する(ステップS10)。ここでは、第1合成部61が、撮像部20が取得した複数の第1画像データを加算合成して、第1合成画像データを生成する。
さらに、撮影装置1は、ゲインを算出する(ステップS11)。ここでは、第1ゲイン印加部62が上述した式(1)で第1ゲインを算出する。
ゲインが算出されると、撮影装置1は、静止画像データを生成する(ステップS12)。ここでは、第1ゲイン印加部62が、第1合成画像データに第1ゲインを印加することで第1静止画像データを生成する。
最後に、撮影装置1は、静止画像データを記録する(ステップS13)。ここでは、静止画像記録部70が、ステップS12で生成された第1静止画像データを記録する。
図4に示すように、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションすることで得られたライブビュー画像を表示してから、擬似NDフィルタ撮影を行うことができる。従って、利用者は、ライブビュー画像を見ることで、擬似NDフィルタ撮影で得られる画像のスローシャッタ効果を確認することができる。これにより、擬似NDフィルタ撮影の失敗、つまり、擬似NDフィルタ撮影で得られた画像が利用者の期待する画像とは大きく異なる事態、を避けることができる。このため、撮影のやり直しによって時間を大きく無駄することを防止することができる。
このように、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影前に、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションした画像をライブビュー表示するものである。これに対して、例えば、特許文献4に記載される動画記録中にマルチエコー処理を行って特殊効果を与える技術は、合成画像を表示する点において類似するが、NDフィルタによる静止画撮影をライブビュー上でシミュレーションするものではなく、さらにシミュレーションすることで特定の静止画の撮影条件を変更するものではなく、その点において、撮影装置1とは大きくことなる。また、特許文献5及び特許文献6に記載の技術は、撮影終了後に、画像を合成編集して再生表示する技術である。これらの技術も前記特定の静止画撮影条件をライブビュー上でシミュレーションするものではなく、その点において、撮影装置1とは大きくことなる。
また、撮影装置1はライブビュー画像を減光された静止画像と同じ明るさで表示するとともに、スローシャッタ効果も同時に表示する。さらに撮影条件の変更に応じて自動的にスローシャッタ効果をリセットし、撮影を再開するので、撮影のやり直しの回避に寄与するのみならず、迅速なやり直しも可能とする。
さらに、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーション開始後すぐにライブビュー画像を表示する。利用者は、シミュレーション開始からの経過時間に応じたスローシャッタ効果をライブビュー画像で確認することができるため、例えば、図5及び図6に示すライブビュー画像100、ライブビュー画像101を見ることで、第3露光時間で得られるスローシャッタ効果を予想することができる。従って、利用者は、シミュレーション開始から第3露光時間経過前に、必要なスローシャッタ効果を得られることを確認することが可能であるため、撮影のやり直しを回避しつつ、早期に擬似NDフィルタ撮影を開始することができる。
また、上述したように、利用者は、シミュレーション開始からの経過時間に応じたスローシャッタ効果をライブビュー画像で確認することができるため、期待するスローシャッタ効果に対して設定されている第3露光時間が長すぎること、又は、短すぎることを、把握することが可能である。従って、擬似NDフィルタ撮影前に、適切な露光時間の設定を把握することができるため、設定を見直すことで、擬似NDフィルタ撮影の失敗を回避することができる。
なお、図5及び図6では、表示部2が第1露光時間から第3露光時間のうちの第3露光時間を表示する例を示したが、図7に示すように、表示部2は、第3露光時間に加えて、第1露光時間を表示してもよい。この場合、第1露光時間と第3露光時間を区別できるマーク(マーク200a、マーク204a)で表示してもよい。マーク200aは、被写体像の流れ度合いを示す第3露光時間を示し、マーク204aは、画像の明るさを示す第1露光時間を示している。
これにより、スローシャッタ効果と第3露光時間の関係に加えて、画像の明るさと第1露光時間の関係についても、ライブビュー画像とマークを確認することで把握することが可能となる。このため、利用者は、必要に応じて、第1露光時間を変更して画像の明るさを調整することができる。さらに、第1露光時間(マーク200a)、第3露光時間(マーク204a)を個別に利用者が設定可能にし、ND倍率(マーク200)を演算して表示するように構成を変更しても良い。
以下、撮影装置1が行う処理についてさらに詳細に説明する。まず、図8から図16を参照しながら、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションと擬似NDフィルタ撮影を開始する前に利用者が行う、擬似NDフィルタ撮影の設定作業について説明する。
なお、図8は、擬似ND撮影ボタン処理のフローチャートである。図9は、ボタン押下中ダイヤル回転処理のフローチャートである。図10は、減光率を粗く変更する方法を説明するための図である。ここでは利用者が良く使うND2〜ND1000までの離散的な系列値を素早く選択できる。さらにND_AUTOを選択することでカメラで自動的にND倍率を選択するモードに設定することもできる。図11は、減光率を細かく変更する方法を説明するための図である。ここでは図10においてND16が選択された場合のND倍率の微調整の実施例を示している。図12は、ボタン短押しダイヤル回転処理のフローチャートである。図13は、減光率設定画面の一例を示した図である。図14は、NDフィルタタイプを変更する方法を説明するための図である。図15は、対象項目を変更する方法を説明するための図である。図16は、減光率自動設定処理のフローチャートである。
利用者は、図2に示す擬似ND撮影ボタン3を押下することで、擬似NDフィルタ撮影の設定を行うことができる。具体的には、擬似ND撮影ボタン3が押下されると、撮影装置1は、図8に示す擬似ND撮影ボタン処理を開始する。
まず、撮影装置1は、擬似ND撮影ボタン3の押下中か否かを判定し(ステップS21)、押下中であれば、図9に示すボタン押下中ダイヤル回転処理を行う(ステップS22)。
ボタン押下中ダイヤル回転処理では、撮影装置1は、Fダイヤル8又はRダイヤル12を回転したか否かを判定し(ステップS31)、回転した場合であれば、擬似NDフィルタ撮影Flgに“1”を設定する(ステップS32)。なお、擬似NDフィルタ撮影Flgとは、撮影装置1が擬似NDフィルタ撮影を行うかどうかを示すフラグである。擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”のときは、撮影装置1は擬似NDフィルタ撮影を行い、擬似NDフィルタ撮影Flgが“0”のときは、撮影装置1は擬似NDフィルタ撮影を行わない。
フラグが設定されると、撮影装置1は、ダイヤルの回転に応じて減光率を変更する(ステップS33からステップS35)。まず、撮影装置1は、回転したダイヤルがFダイヤル8かRダイヤル12かを判定する(ステップS33)。そして、回転したダイヤルがRダイヤル12であれば、減光率設定部51が、図10に示すように、減光率を離散的に粗く変更する(ステップS34)。一方、回転したダイヤルがFダイヤル8であれば、減光率設定部51が、図11に示すように、例えば、ND倍率が1ずつ変化するように、減光率を細かく変更する(ステップS35)。なお、減光率を細かく変更する場合には、図11に示すように、減光率(ND倍率)の上限値と下限値を制限しても良い。変更されたND倍率は図5、図6、図7に示される撮影待機画面上のマーク202に反映される。
このように、撮影装置1では、利用者は、撮影装置1(撮影待機画面)上でのダイヤル操作によって減光率を手動で設定することができる。
撮影装置1は、擬似ND撮影ボタン3の押下が短押しであると判定されると(ステップS23)、図12に示すボタン短押しダイヤル回転処理を行う(ステップS24)。
ボタン短押しダイヤル回転処理では、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”か否かを判定する(ステップS41)。擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”では無いと判定されると、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影Flgに“1”を設定し(ステップS47)、ボタン短押しダイヤル回転処理を終了する。
擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”であると判定されると、撮影装置1は、減光率設定画面を表示する(ステップS42)。減光率設定画面は、例えば、図13に示すように、ライブビュー画像を表示している画面上に減光率設定ウィザード210を重ねた画面である。なお、減光率設定ウィザード210では、例えば、擬似NDフィルタのタイプ(項目I1)と、ND倍率(項目I2〜項目I6)を変更することができる。
その後、撮影装置1は、Fダイヤル8又はRダイヤル12を回転したか否かを判定する(ステップS43)。そして、撮影装置1は、回転したダイヤルがRダイヤル12であると判定されると、減光率設定ウィザード210で現在選択されている項目(対象項目という)の設定内容を変更する(ステップS44)。図13の例では、擬似NDフィルタのタイプを指定する項目I1が選択されているため、Rダイヤル12が回転すると、図14に示すように、擬似NDフィルタのタイプが“ハーフ”と“ノーマル”の間で切り換わる。ノーマルタイプの擬似NDフィルタを用いた擬似NDフィルタ撮影は、全ての画素に同じ減光率を適用するのに対して、ハーフタイプの擬似NDフィルタを用いた擬似NDフィルタ撮影は、画素ライン毎に異なる減光率が用いられる。なお、ハーフタイプについては、後に詳述する。
ND倍率を指定する項目I2が選択されている場合であれば、Rダイヤル12が回転すると、図10に示すように、ND倍率(つまり、減光率)の離散的な系列値が切り換わる。また、ND倍率を指定する項目I3〜項目I6のいずれかが選択されている場合であれば、Rダイヤル12が回転すると、“0”から“9”の間で1ずつ内容が変化する。これにより、図11で示されるようにND倍率を微細に変更することができる。
撮影装置1は、ステップS43において、回転したダイヤルがFダイヤル8であると判定されると、図15に示すように、減光率設定ウィザード210の対象項目を変更する(ステップS45)。
設定内容又は対象項目が変更されると、撮影装置1は、減光率設定を終了する指示が入力されるまで(ステップS46YES)、ステップS43からステップS45の処理を繰り返す。
このように、撮影装置1では、利用者は、減光率設定ウィザード210上でNDフィルタタイプとND倍率(減光率)を手動で設定することができる。
撮影装置1は、擬似ND撮影ボタン3の押下が長押しであると判定されると(ステップS23)、擬似NDフィルタFlgに“0”を設定し、撮影装置1で擬似NDフィルタ撮影を終了するように、撮影装置1の設定を変更する。
撮影装置1は、擬似ND撮影ボタン3の押下がダブルクリックであると判定されると(ステップS23)、図16に示す減光率自動設定処理を行う(ステップS26)。
減光率自動設定処理では、撮影装置1は、まず、ライブビュー画像を解析し(ステップS51)、撮影シーンを判定する(ステップS52)。
撮影装置1は、被写体が滝又は渓流であると判定すると、第3露出時間が例えば30秒になるように、減光率を設定する(ステップS53)。その後、撮影装置1は、表示部2に「滝・渓流を絹糸のように」と言う文言を3秒間表示して(ステップS54)、減光率自動設定処理を終了する。
撮影装置1は、被写体が水面であると判定すると、ライブビュー画像から水面の明るさの変動周期を算出し、第3露出時間が算出した変動周期の例えば2倍になるように、減光率を設定する(ステップS55)。その後、撮影装置1は、表示部2に「水面を鏡面のように」という文言を3秒間表示して(ステップS56)、減光率自動設定処理を終了する。
撮影装置1は、被写体が花火であると判定すると、例えば“ISO感度/100=4”の関係が成り立つように、減光率を設定する(ステップS57)。その後、撮影装置1は、表示部2に「花火の色抜けを防ぐように」という文言を3秒間表示して(ステップS58)、減光率自動設定処理を終了する。
撮影装置1は、被写体が雑踏であると判定すると、例えば第3露出時間が2秒になるように、減光率を設定する(ステップS59)。その後、撮影装置1は、表示部2に「雑踏の雰囲気を出すように」という文言を3秒間表示して(ステップS60)、減光率自動設定処理を終了する。
撮影装置1は、被写体が流雲であると判定すると、ライブビュー画像から雲の流れの速さを算出して、第3露光時間が、雲の移動量が例えば画面の対角長の10%に達する時間になるように減光率を設定する(ステップS61)。その後、撮影装置1は、表示部2に「流雲の雰囲気を出すように」という文言を3秒間表示して(ステップS62)、減光率自動設定処理を終了する。
このように、撮影装置1では、利用者が希望する場合には、手動で減光率を設定する代わりに、撮影装置1が撮影シーンを自動的に判定して、適切な減光率を自動で設定することができる。
図17は、撮影装置1が行う撮影処理のフローチャートである。図18は、前処理のフローチャートである。図19は、前処理のフローチャートの変形例である。図20は、露光時間設定処理のフローチャートである。図21は、手動ND用露光時間設定処理のフローチャートである。図22は、連続性演算処理のフローチャートである。図23は、連続性演算処理のフローチャートの変形例である。図24は、連続性に関する警告表示の一例を示した図である。図25は、再現性演算処理のフローチャートである。図26は、再現性演算処理のフローチャートの変形例である。図27は、手動ND用露光時間設定処理のフローチャートの変形例である。図28は、自動ND用露光時間設定処理のフローチャートである。図29は、ライブシミュレーション処理のフローチャートである。図30は、擬似NDフィルタ撮影処理のフローチャートである。図31は、マルチ撮影処理のフローチャートである。以下、図17から図31を参照しながら、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションと擬似NDフィルタ撮影について詳細に説明する。
図17に示す撮影処理が開始されると、撮影装置1は、まず、擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”か否かを判定する(ステップS71)。ここで、擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”でないと判定されると、撮影装置1では、通常の撮影処理が行われる(ステップS78)。
擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”であると判定されると、撮影装置1は、図18に示す前処理を行う(ステップS72)。なお、前処理とは、擬似NDフィルタ撮影が適切に行われるようにするための準備処理であり、図18に示す前処理は、擬似NDフィルタ撮影に不適切な設定がされている場合には、擬似NDフィルタ撮影を禁止して、ステップS78の通常処理を行わせる処理である。
図18に示す前処理では、撮影装置1は、まず、撮影モードを判定する(ステップS81)。撮影モードが擬似NDフィルタ撮影に適切ではない所定のモードである場合には、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影を行うことなく通常処理を行う(ステップS78)。なお、擬似NDフィルタ撮影に適切ではない所定のモードは、例えば、自動露光撮影モード、BULB撮影モード、フラッシュ撮影モード、動画撮影モードである。
自動露光撮影モードとは、被写体輝度に応じてシャッタ速度と絞りの少なくとも一方が決定される撮影モードであり、Pモード、Aモード、Sモードなどを含んでいる。NDフィルタを用いた撮影では、通常、目的とする絞り値(被写界深度)及びシャッタスピードがあるため、これらの少なくとも一方が自動的に決定される自動露光撮影モードは、擬似NDフィルタ撮影に適切な撮影モードではない。
BULB撮影モードは、撮影前に露光時間が不定であり、その点において擬似NDフィルタ撮影に適していない。また、フラッシュ撮影モードは、フラッシュによって入射する光量を指定した減光率どおりに減光することが、フラッシュ発光量制御部の分解能の点で困難であり、その点において擬似NDフィルタ撮影に適していない。動画撮影モードは、動画のフレーム間における露光の連続性が重要視されるため、擬似NDフィルタ撮影に適していない。
撮影モードが所定のモード以外であると判定されると、撮影装置1は、シャッタモードを判定する(ステップS82)。シャッタモードがメカニカルシャッタモードである場合には、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影を行うことなく通常処理を行う。
メカニカルシャッタを使用する場合、シャッタチャージと撮像リセットによって未露光期間が撮影フレーム期間内に生じてしまう。このため、フレーム画像間で連続性が担保されず、被写体の動きが不連続に再生されてしまう。この不連続はスローシャッタ効果の正常な発揮を妨げる要因となり得るため、メカニカルシャッタは、擬似NDフィルタ撮影に適していない。
シャッタモードが電子シャッタモードであると判定されると、撮影装置1は、ISO感度を更新して(ステップS83)、前処理を終了する。ここでは、撮影装置1は、例えば、ISO感度を通常撮影時よりも低いISO感度に設定することが望ましい。撮影装置1が設定し得る最低のISO感度に制限してもよく、拡張ISO感度を除く最低のISO感度に制限してもよい。また、ダイナミックレンジを考慮して拡張ISO感度を含むISO感度設定範囲を制限しても良い。
このように、ステップS83では、通常撮影用のISO感度から疑似NDフィルター撮影用のISO感度に変更することでISO感度を制限する。これにより、高いISO感度でND倍率を高く設定するという意味がないばかりでなく、むしろ画質において有害な設定行為を防止することができる。
このように、撮影装置1は、図18に示す前処理を行うことで、擬似NDフィルタ撮影に不適切な設定がされている場合には、ステップS78の通常処理を行う。これにより、不適切な設定での擬似NDフィルタ撮影を禁止することができる。
なお、撮影装置1は、図18に示す前処理の代わりに、図19に示す前処理を行ってもよい。図19に示す前処理は、擬似NDフィルタ撮影に不適切な設定がされている場合に、擬似NDフィルタ撮影に適切な設定へ変更する処理である。
図19に示す前処理では、撮影装置1は、まず、露光モードを判定し(ステップS91)、露光モードが自動露光モードである場合には、露光モードを手動露光モードに設定する(ステップS92)。
さらに、撮影装置1は、シャッタモードを判定し(ステップS93)、シャッタモードがメカニカルシャッタモードである場合には、シャッタモードを電子シャッタモードに設定する(ステップS94)。
最後に、撮影装置1は、ISO感度を更新して(ステップS95)、前処理を終了する。なお、ステップS95の処理は、ステップS83の処理と同じである。
このように、撮影装置1は、図18に示す前処理の代わりに図19に示す前処理を行うことで、擬似NDフィルタ撮影に不適切な設定がされている場合には、利用者の設定のし直しの手数を削減するために、自動的に適切な設定に変更することが望ましい。この場合も、図18に示す前処理を行った場合と同様に、自動的な設定変更によって不適切な設定での擬似NDフィルタ撮影を禁止することができる。
撮影装置1は、前処理が終了すると、図20に示す露光時間設定処理を行う(ステップS73)。図20に示す露光時間設定処理では、撮影装置1は、まず、自動ND設定がされているか否かを判定する(ステップS101)。なお、自動ND設定とは、ND倍率(つまり、減光率)を撮影装置1が自動で決定する設定のことをいう。
自動ND設定がなされていない場合には、撮影装置1は、図21に示す手動ND用露光時間設定処理を行う(ステップS102)。自動ND設定がなされている場合には、撮影装置1は、図28に示す自動ND用露光時間設定処理を行う(ステップS103)。
図21に示す手動ND用露光時間設定処理が開始されると、撮影装置1は、まず、第2露光時間を設定し(ステップS111)、さらに、露光モードを判定する(ステップS112)。ここで第2露光時間はライブビューのフレームレートの逆数である。ライブビューのフレームレートは、通常は、明るさに応じて15fpsから120fpsまでの値を取る。
露光モードが手動露光モードである場合には、撮影装置1は、第3露光時間に、利用者が指定した時間を設定し(ステップS113)、第1露光時間に、ステップS113で設定された第3露光時間に減光率を乗じて算出される時間を設定する(ステップS114)。
一方、露光モードが自動露光モードである場合には、撮影装置1は、自動露光制御を行って露光時間を推定する(ステップS115)。その後、撮影装置1は、第1露光時間に、ステップS115で推定した露光時間を設定し(ステップS116)、第3露光時間に、ステップS116で設定した第1露光時間を減光率で割ることで算出される時間を設定する(ステップS117)。
第1露光時間と第3露光時間が設定されると、撮影装置1は、表示用露光時間に第3露光時間を設定し(ステップS118)、その後、図22に示す連続性演算処理を行う(ステップS119)。なお、表示用露光時間とは、表示部2に表示する露光時間であり、例えば、図5及び図6に示すマーク200の生成に利用される。
連続性演算処理は、擬似NDフィルタ撮影においてスローシャッタ効果が適切に発揮されることを担保するための処理である。静止画像用の本露光読み出し制御のフレームレートに対して第1露光時間が短すぎると、スローシャッタ効果により画像に表れるべき被写体の運動を示す流れが切れてしまう。より具体的には、第1露光時間が静止画像用の本露光読み出し制御の最大フレームレートの逆数に対応する時間(つまり、1/最大フレームレートであり、最大フレームレート時間ともいう。)よりも短い場合に、画像に表れる流れが切れてしまうことがある。ここで本露光読み出しフレームレートとは、撮影装置1が全画素を読み出す制御におけるフレームレートであり、撮像素子が大きいほど遅い。1眼用の大きな撮像素子では20fpsから60fps程度の値が通常である。
そこで、連続性演算処理では、撮影装置1は、第1露光時間が静止画像用の本露光読み出し制御の最大フレームレートの逆数に対応する時間以上か否かを判定して(ステップS121)、第1露光時間が静止画像用の最大フレームレートの逆数に対応する時間未満である場合には、第1露光時間と第3露光時間を再設定する(ステップS122、ステップS123)。具体的には、撮影装置1は、第1露光時間に静止画像用の本露光読み出し制御の最大フレームレートの逆数に対応する時間を設定し(ステップS122)、第3露光時間に第1露光時間を減光率で割った時間を設定する(ステップS123)。これにより、画像上で流れが切れることなくスローシャッタ効果が十分に発揮される。なお、第1露光時間に静止画像用の本露光読み出し制御の最大フレームレートの逆数に対応する時間以上の時間を設定しても良い。
図22に示す連続性演算処理の代わりに、図23に示す連続性演算処理が行われてもよい。図23に示す連続性演算処理では、撮影装置1は、第1露光時間が静止画像用の最大フレームレートの逆数に対応する時間以上か否かを判定して(ステップS131)、第1露光時間が静止画像用の本露光読み出し制御の最大フレームレートの逆数に対応する時間未満の場合には、警告表示する(ステップS132)。
警告表示の方法は、特に限定しないが、図24に示すように、ND倍率を示すマーク202と第3露光時間を示すマーク200が、例えば、2Hzで点滅することで、画像に表れる被写体の運動を示す流れが切れてしまうことを、利用者に報知してもよい。これにより、利用者が自主的に第1露光時間を調整することを促すことができる。
図22又は図23に示す連続性演算処理が終了すると、撮影装置1は、図25に示す再現性演算処理を行う(ステップS120)。
再現性演算処理は、擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションにおいて、擬似NDフィルタ撮影におけるスローシャッタ効果を適切に再現することを担保するための処理である。静止画像記録用の本露光読み出しの最大フレームレートよりもライブビュー画像表示用のフレームレートが高い場合には、ライブビュー画像で確認できるスローシャッタ効果が静止画像でも得られるとは限らない。また、ライブビューフレームレート時間よりもライブビュー画像表示用の第2露光時間が短い場合にも、ライブビュー画像で確認できるスローシャッタ効果が静止画像でも得られるとは限らない。
そこで、再現性演算処理では、撮影装置1は、第2露光時間がライブビューフレームレート時間未満か否かを判定して(ステップS141)、第2露光時間がライブビューフレームレート時間未満である場合に、第2露光時間にライブビューフレームレート時間を設定する(ステップS142)。これにより、第2露光時間とライブビューフレームレート時間が異なることで生じるスローシャッタ効果のシミュレーション再現性の低下を防止することができる。なお、ライブビューフレームレート時間とは、ライブビュー画像表示用のフレームレートの逆数に対応する時間のことである。
なお、図25に示す再現性演算処理の代わりに、図26に示す再現性演算処理が行われてもよい。図26に示す再現性演算処理では、撮影装置1は、第2露光時間がライブビューフレームレート時間未満か否かを判定して(ステップS151)、第2露光時間がライブビューフレームレート時間未満である場合には、警告表示する(ステップS152)。これにより、利用者がライブビューのスローシャッタ効果や白とび防止の効果の再現性に問題があることに気付くことができる。
なお、上述した図21に示す手動ND用露光時間設定処理では、露光モードが手動露光モードである場合には、利用者が第3露光時間を指定する例を示したが、利用者は、図21に示す手動ND用露光時間設定処理の代わりに図27に示す手動ND用露光時間設定処理を行ってもよい。図27に示す手動ND用露光時間設定処理では、露光モードが手動露光モードである場合に、撮影装置1は、第1露光時間に、利用者が指定した時間を設定し(ステップS163)、第3露光時間に、ステップS163で設定された第1露光時間を減光率で割ることで算出される時間を設定する(ステップS164)。その他の処理は、図21に示す手動ND用露光時間設定処理と同様である。具体的には、ステップS161及びステップS162の処理は、図21に示すステップS111及びステップS112の処理と同じである。ステップS165からステップS170の処理は、図21に示すステップS115からステップS120の処理と同じである。
図21及び図27に示す手動ND用露光時間設定処理を行うことで、撮影装置1は、手動で設定した減光率に基づいて、第1露光時間、第2露光時間、及び第3露光時間を適切に設定することができる。
これに対して、図28に示す自動ND用露光時間設定処理が開始されると、撮影装置1は、まず、第2露光時間を設定し(ステップS171)、さらに、自動露光制御を行って露光時間を推定する(ステップS172)。
その後、撮影装置1は、測光モードを判定する(ステップS173)。測光モードが評価測光モード以外(例えば、スポット測光モード、中央重点測光モードなど)である場合には、飽和点検出を行うことなく、第1露光時間に、ステップS172で推定された露光時間を設定する(ステップS178)。
これに対して、測光モードが評価測光モードである場合には、撮影装置1は、飽和点検出を行う(ステップS174)。そして、飽和点が存在する場合には(ステップS175YES)、撮影装置1は、露光時間を再計算し(ステップS176)、第1露光時間にステップS176で再計算した露光時間を設定する(ステップS177)。飽和点が存在しない場合には(ステップS175NO)、撮影装置1は、第1露光時間に、ステップS172で推定された露光時間を設定する(ステップS178)。
第1露光時間が設定されると、撮影装置1は、露光モードを判定する(ステップS179)。露光モードが自動露光モードである場合には、撮影装置1は、第3露光時間に、ステップS177又はステップS178で設定した第1露光時間と同じ時間を設定する(ステップS182)。一方で、露光モードが手動露光モードである場合には、撮影装置1は、第3露光時間に、利用者が指定した時間を設定する(ステップS180)。その後、第1露光時間と第3露光時間を比較して(ステップS181)、第1露光時間が長い場合には、ND倍率が小数になってしまうことを避けるため、第3露光時間に第1露光時間と同じ時間を設定する(ステップS182)。
第1露光時間と第3露光時間が設定されると、撮影装置1は、表示用露光時間に第3露光時間を設定し(ステップS183)、最後に、撮影装置1は、第1露光時間と第3露光時間に基づいて、減光率を設定して(ステップS184)、自動ND用露光時間設定処理を終了する。なお、減光率は、第1露光時間を第3露光時間で割ることで算出される。
図28に示す自動ND用露光時間設定処理を行うことで、撮影装置1は、減光率を手動で設定することなしに、第1露光時間、第2露光時間、及び第3露光時間を設定することができる。
撮影装置1は、露光時間設定処理(図17のステップS73)が終了すると、LV加算合成Flgが“1”か否かを判定する(ステップS74)。LV加算合成Flgとは、撮影装置1が擬似NDフィルタ撮影のシミュレーションを行うかどうかを示すフラグである。LV加算合成Flgの設定は、設定画面上で利用者が手動で行うことができる。これにより利用者は撮影待機画面において任意のタイミングで疑似NDフィルタ撮影のライブビューシミュレーションの開始停止を指示できる。また、疑似NDフィルタ撮影の撮影条件の変更操作に応じてLV可算合成Flgが変更され、シミュレーションの停止、リセットおよび再開が行われる。
LV加算合成Flgが“1”であると判定されると、撮影装置1は、図29に示すライブシミュレーション処理を行い(ステップS75)、LV加算合成Flgが“0”であると判定されると、撮影装置1は、通常のライブビュー画像表示処理を行う(ステップS76)。
図29に示すライブシミュレーション処理が開始されると、撮影装置1は、まず、NDフィルタタイプを判定する(ステップS191)。NDフィルタタイプがハーフである場合には、撮影装置1は、ハーフNDフィルタ用ライブビュー画像表示処理を行う(ステップS208)。
一方、NDフィルタタイプがノーマルである場合には、撮影装置1は、ライブビュー画像用の画像データ(第2画像データ)Fを1フレーム分取得する(ステップS192)。ここでは、撮像部20は、第2露光時間T2で画像データを取得する。次に、撮影装置1は、取得した画像データFを加算合成して合成画像データを生成する(ステップS193)。ここでは、合成画像データF1と合成画像データF2を生成する。加算合成後に、撮影装置1は、カウンタを更新する(ステップS194)。ここでは、合成画像データF1用のカウンタK1と、合成画像データF2用のカウンタK2を更新する。
次に、撮影装置1は、カウンタK2が所定の閾値KTHに達したか否かを判定する(ステップS195)。閾値KTHは、特定条件下でライブビュー画像の更新頻度を制御する閾値である。閾値KTHは、ライブビュー画像の更新が0.5秒から1秒程度になるように、ライブビュー画像表示用のフレームレートから算出されてもよい。カウンタK2が所定の閾値KTHの場合には、撮影装置1は、合成画像データF2をFIFO(First In, First Out)キューに格納し、合成画像データF2とカウンタK2をリセットする(ステップS196)。これによりFIFOキューには0.5秒から1秒程度のライブビュー可算画像データF2が順次キューイングされる。合成画像データF2にはライブビューの1フレームごとの可算画像データが蓄積される。
さらに、撮影装置1は、合成画像データF1を得るための総露光時間(第2総露光時間)TTが第3露光時間T3に達したか否かを判定する(ステップS197)。総露光時間TTが第3露光時間T3に達していない場合には(ステップS197YES)、撮影装置1は、表示部2に表示されている進捗表示を更新する(ステップS202)。進捗表示は、例えば、図5に示すマーク201、図6及び図7に示すマーク201aである。撮影装置1は、例えば、図5に示すマーク201を総露光時間TTと第3露光時間T3に基づいて生成して、表示部2に表示する。これにより、総露光時間TTが第3露光時間T3に達するまで、マーク201が随時更新される。
その後、撮影装置1は、ゲイン(第2ゲイン)G1を上述した式(2)で算出する(ステップS203)。さらに、撮影装置1は、合成画像データF1に算出したゲインG1を印加することで、ライブビュー画像データを生成し(ステップS204)、ライブビュー画像データに基づいてライブビュー画像を更新表示する(ステップS205)。以上により可算合成画像データF1はライブビューのフレームレートでライブビュー上に表示更新される。
一方、総露光時間TTが第3露光時間T3に達している場合には(ステップS197NO)、撮影装置1は、総露光時間TTが第3露光時間T3+閾値時間TTHに達しているか否かを判定する(ステップS198)。ここで、閾値時間TTHは、閾値KTH枚の画像データFを取得するのに要して露光時間である。即ち、閾値時間TTHは、第2露光時間T2×閾KTHで算出される。
総露光時間TTが第3露光時間T3+閾値時間TTHに達していない場合には、撮影装置1は、ライブビュー画像を更新することなく、ステップS206の処理を行う。一方、総露光時間TTが第3露光時間T3+閾値時間TTHに達している場合には、撮影装置1は、FIFOキューからデータFOを取り出し(ステップS199)、合成画像データF1から減算することで合成画像データF1を更新する(ステップS200)。これにより、露光時間T3分のスローシャッタ効果を維持しつつ、最新の画像データを反映することができる。さらに、撮影装置1は、カウンタK1から閾値KTHを減算することでカウンタK1を更新する。なお、データFOは、FIFOキューに格納されている最も古いデータである。
その後、撮影装置1は、総露光時間TTが第3露光時間T3に達していない場合と同様に、ゲインG1を算出し(ステップS203)、合成画像データF1にゲインG1を印加することで、ライブビュー画像データを生成し(ステップS204)、ライブビュー画像データに基づいてライブビュー画像を更新表示する(ステップS205)。なお、ステップS203のゲインG1の算出では、総露光時間TTは、ステップ200での減算処理を考慮して再計算される。以上により、総露光時間TTが第3露光時間T3に達した後は、可算合成画像データF1は、0.5秒から1秒間隔に更新頻度を抑えてライブビュー上に表示更新される。
最後に、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影の撮影指示が入力されたか否かを判定し(ステップS206)、入力されていない場合には、ステップS191に戻って処理を繰り返す。
図29に示すライブシミュレーションを行うことで、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションしたライブビュー画像を表示することができる。特に、総露光時間TTが露光時間T3に達するまでは、ライブビュー画像のフレームレートで表示が更新されるため、利用者は、総露光時間に応じたスローシャッタ効果をリアルタイムで確認することができる。また、総露光時間TTが露光時間T3に達した後は、利用者は、露光時間T3に応じたスローシャッタ効果をすでに確認済みである。このため、更新頻度を抑えることでバッファメモリの消費量を抑制する。具体的には、閾値時間TTH毎にライブビュー画像の表示を更新することで、最新の被写体情報を表示に反映することができる。以上のような構成にすることで、大容量バッファメモリを要することなく、一眼カメラの通常のバッファメモリ容量程度であってもND倍率400を超え、十数秒の長秒時のリアルタイムなライブビューシミュレ―ションを行う事が可能となる。
擬似NDフィルタ撮影の撮影指示の入力によって、ステップS75のライブシミュレーション又は通常のライブビュー画像表示処理が終了すると、撮影装置1は、図30に示す擬似NDフィルタ撮影処理を行う(ステップS77)。
図30に示す擬似NDフィルタ撮影処理が開始されると、撮影装置1は、本露光読み出し制御によるフレームレートで全画素読み出しを行い、静止画像用の画像データ(第1画像データ)Fを1フレーム分取得する(ステップS211)。ここでは、撮像部20は、第1露光時間T1で画像データを取得する。次に、撮影装置1は、取得した画像データFを加算合成して合成画像データを生成する(ステップS212)。ここでは、合成画像データY1を生成する。さらに、撮影装置1は、図31に示すマルチ撮影処理を行い(ステップS213)、その後、合成画像データY1を得るための総露光時間(第1総露光時間)YTが第3露光時間T3に達するまで(ステップS214YES)、本露光読み出し制御をシームレスに連続して繰り返しステップS211からステップS213の処理を繰り返す。なお、マルチ撮影処理については、後述する。
総露光時間YTが第3露光時間T3に達すると、撮影装置1は、ゲイン(第1ゲイン)GY1を上述した式(1)で算出する(ステップS215)。さらに、撮影装置1は、合成画像データY1に算出したゲインGY1を印加することで、静止画像データを生成し(ステップS216)、生成された静止画像データを記録する(ステップS217)。
図30に示す擬似NDフィルタ撮影を行うことで、撮影装置1は、NDフィルタを用いることなく擬似的にNDフィルタを用いた撮影を再現してスローシャッタ効果を有する静止画像を得ることができる。また、図29に示すライブシミュレーションにより事前にスローシャッタ効果を確認することで、図30に示す擬似NDフィルタ撮影で、利用者が意図したとおりのスローシャッタ効果を得ることができる。
なお、図31に示すマルチ撮影処理は、露光時間T3に対応する静止画像データだけではなく、露光時間T3に達する前の途中の時間に対応する静止画像データを記録する処理である。具体的には、撮影装置1は、マルチ撮影設定がONに設定されている場合に(ステップS221YES)、予め設定されている記録枚数に基づいて、記録タイミングを演算する(ステップS222)。そして、総露光時間YTが記録タイミングに一致しているときには(ステップS223YES)、撮影装置1は、ゲインGY1を算出し(ステップS224)、合成画像データY1にゲインGY1を印加して静止画像データを生成し(ステップS225)、生成した静止画像データを記録する(ステップS226)。これにより、露光時間T3に対応する静止画像データに加えて、露光時間T3に対応する静止画像データとは異なるスローシャッタ効果を有する静止画像データを得ることができる。
以上では、NDフィルタタイプがノーマルの場合を例示したが、NDフィルタタイプがハーフの場合も擬似NDフィルタ撮影を行うことができる。以下、図32から図35を参照しながら、NDフィルタタイプがハーフの場合の擬似NDフィルタ撮影について説明する。なお、図32は、静止画像の一例を示した図である。図33は、ハーフタイプの擬似NDフィルタ設定について説明するための図である。図34は、静止画像の画素ラインについて説明するための図である。図35は、擬似NDフィルタテーブルの一例を示した図である。
例えば、図32に示すような風景を撮影する場合、空の部分と山の部分でND倍率を異ならせたい場合がある。ハーフタイプの擬似NDフィルタ撮影は、このような場合に好適である。
図33に示すように、ハーフタイプの擬似NDフィルタを設定する画面では、上限境界ライン301と下限境界ライン302を用いて各画素に適用するND倍率を設定することができる。例えば、上限境界ライン301にND倍率としてND100を設定し、ボタン301aを用いて空と山の境界付近に上限境界ライン301を移動させる。これにより、上限境界ライン301とそれよりも上側の画素ラインにND100が設定される。また、下限境界ライン302にND倍率としてND2を設定し、ボタン302aを用いて下限境界ライン302を所望の位置へ移動させる。これにより、下限境界ライン302とそれよりも下側の画素ラインにND2が設定される。さらに、上限境界ライン301と下限境界ライン302の間の画素ラインには、上限のND100と下限のND2の間のND倍率が設定される。例えば、上限境界ライン301と下限境界ライン302の間の各画素ラインに、ND100とND2を線形に補間することで算出されたND倍率が設定されても良い。なお、数画素ライン単位で同じND倍率を設定して、段階的にND倍率を上限から下限へ変化させてもよい。また、上限境界ライン301と下限境界ライン302の間のND倍率は、線形補間に限らず、二次関数などより高次の関数で補間されてもよい。
以上のような操作を行うことで、図34に示す画素ラインLINE(1)から画素ラインLINE(N)までのそれぞれに、ND倍率が設定され、図35に示すテーブル310に記録される。ハーフタイプの擬似NDフィルタ撮影では、テーブル310を参照することで画素ライン毎にND倍率(減光率)が設定され、ND倍率に応じた露光時間で各画素が露光される。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするための具体例を示したものであり、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。撮影装置、撮影方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
図3では、減光率設定部51を有する露光時間設定部50を例示したが、撮影装置1は、露光時間設定部50の代わりに、図36に示す露光時間設定部50aを有してもよい。露光時間設定部50aは、減光率設定部51の代わりに、第1露光時間設定部51aと第3露光時間設定部51bを有する点が、露光時間設定部50とは異なっている。第1露光時間設定部51aは、利用者が操作部38を操作することで指定した第1露光時間を設定し、第3露光時間設定部51bは、利用者が操作部38を操作することで指定した第3露光時間を設定する。露光時間設定部50aは、第1露光時間設定部51aが設定した第1露光時間と第3露光時間設定部51bが設定した第3露光時間から減光率を算出して設定する。
撮影装置1は、露光時間設定部50の代わりに露光時間設定部50aを有する場合には、図12に示すボタン短押しダイヤル回転処理の代わりに、図37に示すボタン短押しダイヤル回転処理を行う。
図37に示すボタン短押しダイヤル回転処理では、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”か否かを判定する(ステップS231)。擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”では無いと判定されると、撮影装置1は、擬似NDフィルタ撮影Flgに“1”を設定し(ステップS238)、ボタン短押しダイヤル回転処理を終了する。
擬似NDフィルタ撮影Flgが“1”であると判定されると、撮影装置1は、ツインシャッタ速度設定画面を表示する(ステップS42)。ツインシャッタ速度設定画面は、例えば、図38に示すように、ライブビュー画像を表示している画面上にツインシャッタ速度設定ウィザード220を重ねた画面である。ツインシャッタ速度設定ウィザード220では、例えば、画像の明るさを決定する第1露光時間と、スローシャッタ効果を決定する第3露光時間を変更することができる。なお、図38には、第1露光時間が1/60sで、第3露光時間が10秒に設定されている例が示されている。
その後、撮影装置1は、Fダイヤル8又はRダイヤル12を回転したか否かを判定する(ステップS234)。そして、撮影装置1は、回転したダイヤルがRダイヤル12であると判定されると、ツインシャッタ速度設定ウィザード220に表示されている第3露光時間を回転量に応じて変更する(ステップS235)。また、撮影装置1は、回転したダイヤルがFダイヤル8であると判定されると、ツインシャッタ速度設定ウィザード220に標示されている第1露光時間を回転量に応じて変更する(ステップS236)。なお、ステップS235及びステップS236では、第1露光時間又は第3露光時間の変更に伴って、ND倍率が再計算されてND倍率の表示も更新される。
撮影装置1は、シャッタ速度設定を終了する指示が入力されるまで(ステップS237YES)、ステップS234からステップS236の処理を繰り返す。
以上のように、露光時間設定部50の代わりに露光時間設定部50aを有する場合であっても、撮影装置1は、撮影前に擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションしてライブビュー表示することができる。
図3では、減光率設定部51を有する露光時間設定部50を例示したが、撮影装置1は、露光時間設定部50の代わりに、図39に示す露光時間設定部50bを有してもよい。露光時間設定部50bは、減光率設定部51の代わりに、加算合成枚数設定部51cを有する点が、露光時間設定部50とは異なっている。加算合成枚数設定部51cは、利用者が操作部38を操作することで指定した擬似NDフィルタ撮影における加算合成枚数を設定し、加算合成枚数に基づいて第1露光時間と第3露光時間を算出する。なお、加算合成枚数は、減光率の逆数である。
以上のように、露光時間設定部50の代わりに露光時間設定部50bを有する場合であっても、撮影装置1は、撮影前に擬似NDフィルタ撮影をシミュレーションしてライブビュー表示することができる。
また、撮影装置1は、第2画像データの順次加算処理を所定の条件下でリセットしても良い。例えば、第2合成部63は、撮影設定の変更が通知されると、既に生成されている第2合成画像データをリセットして、撮影設定が変更された後に撮像部20で取得した第2画像データを順次加算合成してもよい。撮影設定は、例えば、マニュアルフォーカスリング6操作によるピント調整、拡大ボタン9操作及びズームリング5操作による倍率変更などである。撮影設定の変更は、利用者が行う操作部38の操作によって検出しても良い。また、第2合成部63は、第1の閾値以上の手振れ量が手振れ検出部34で検出されると、既に生成されている第2合成画像データをリセットして終了し、手振れ量が第1の閾値よりも小さい状態の第2画像データのみを順次加算合成するように構成してもよい。。これにより、手振れによる擾乱やズーム変更に画角の変更を受けて構図が異なる画像が合成されたり、撮影時とはピント条件の異なる画像が合成されることによる不適切なシミュレーションが続くことを防止することができ、撮影条件の変更に応じて迅速なシミュレーションを可能とし、利用者の迅速な確認および、迅速なやり直しに寄与する。