JP6651342B2 - X線診断装置およびx線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線診断装置およびX線CT装置に関する。
X線診断装置では、X線管から照射されたX線をX線検出器で検出して、投影データを出力する。投影データは、例えば、X線検出器の素子の動作不良に起因して、欠陥画素を有する場合がある。この欠陥画素に対して、適切な処理を行わないと、X線画像にアーチファクトが現れてしまう。X線画像に現れるアーチファクトは、読影の妨げになるため、その発生を抑制するか、あるいは、X線画像を補正する必要がある。
従来のX線診断装置では、投影データの画素値において、周囲の画素値と比較して、画素値が極端に異なる画素を欠陥画素と識別し、その画素を周囲の画素値を用いて求められる画素値で置き換えていた。
特許第5526062号
本発明が解決しようとする課題は、欠陥画素を識別することが容易なX線診断装置およびX線CT装置を提供すること。
上記課題を解決するために、本実施形態に係るX線診断装置は、X線管とX線検出器と画像生成部と画像処理部とを備える。X線管は、被検体に対して複数の位置からX線を照射する。X線検出器は、照射されたX線を検出する。画像生成部は、X線検出器により検出されたX線に基づいて、複数の位置に対応する複数の投影データを生成する。画像処理部は、投影データに対して画像処理を行い、複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する。前記画像処理部は、所定数以上の複数の前記ノイズ均一化データに基づく画像データに亘って、同じ座標の画素値が前記閾値処理において閾値から外れた場合に、前記座標に位置する画素を欠陥画素として抽出する。
また、本実施形態の変形例に係るX線CT装置は、X線管とX線検出器と画像生成部と画像処理部とを備える。X線管は、被検体に対して複数の位置からX線を照射する。X線検出器は、照射されたX線を検出する。データ収集部は、X線検出器により検出されたX線に基づいて、複数の位置に対応する複数の投影データを生成する。画像処理部は、投影データに対して画像処理を行い、複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する。前記画像処理部は、所定数以上の複数の前記ノイズ均一化データに基づく画像データに亘って、同じ座標の画素値が前記閾値処理において閾値から外れた場合に、前記座標に位置する画素を欠陥画素として抽出する。
実施形態に係る、X線診断装置の構成を示す図。 実施形態に係る、X線管がX線を照射する位置を変えて被検体を撮影する様子を示す図。 実施形態に係る、ノイズ均一化機能における入力画素値と出力画素値との関係を示す図。 実施形態に係る、X線管がX線を照射する位置を変えて被検体を撮影した時の投影データを示す図。 実施形態に係る、異なる複数の位置から被検体を撮影した時の複数の差分画像を示す図。 実施形態に係る、補正機能が欠陥画素を補正する前の投影データと、補正機能が欠陥画素を補正した後の投影データとシミュレーションした結果を示す図。 実施形態に係る、複数の異なる位置で被検体にX線を照射して得られる複数の投影データを用いて、投影データに含まれる欠陥画素を抽出、補正する流れを示すフローチャート。 実施形態の変形例2に係る、X線CT装置の構成を示す図。
以下、図面を参照しながら実施形態に係るX線診断装置1及びX線CT装置2について説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要な場合において行う。また、実施形態の説明においては、X線診断装置を基本として説明し、実施形態の変形例において、X線CT装置について言及する。
図1は、X線診断装置1の構成を示す図である。X線診断装置1は、例えば、***を撮影するマンモグラフィ装置や、撮影中の被検体のX線画像を即時的に表示するX線TV装置、血管領域を観察するX線アンギオグラフィ装置である。
以下、X線診断装置1を、マンモグラフィ装置の構成を例にとって、具体的に説明する。
X線診断装置1は、X線を被検体に照射し、被検体を透過したX線をX線検出器で検出する。X線診断装置1は、X線を発生するX線管7と、X線管7がX線を発生させるのに必要な高電圧を供給する高電圧発生器8と、X線を検出するX線検出器10とを備える。X線管7は、X線管支持機構4によって支持される。載置台9は、載置台支持機構3によって支持される。
また、X線診断装置1は、操作者からの入力を受け付ける入力インターフェイス回路25と、撮影条件や撮影したX線画像などを記憶する記憶回路26と、X線画像などを表示するディスプレイ27と、X線診断装置1の外部の装置と情報をやりとりするためのネットワークインターフェイス回路28と、を備える。
さらに、X線診断装置1は、高電圧発生器8による高電圧発生を制御するX線制御回路6と、載置台支持機構3やX線管支持機構4の動きを制御する駆動制御回路31と、画像生成や画像処理を行う処理回路40と、を備える。X線制御回路6と駆動制御回路31は、入力インターフェイス回路25やネットワークインターフェイス回路28などから与えられる撮影条件に基づいてそれぞれの制御対象を制御する。なお、X線制御回路6や駆動制御回路31、処理回路40、画像生成回路41、画像処理回路42は、プロセッサである。
「プロセッサ」とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、プロセッサの回路内に組み込まれた記憶領域または記憶回路26からプログラムを読みだして実行することで機能を実現する。以下、本実施形態や変形例の記載で、プロセッサという文言を用いる場合は、同様な定義に基づくものとする。また、プロセッサとして例示する回路は、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよいものとする。
X線検出器10は、例えば、検出素子を二次元状に多数配置したFPD(Flat Panel Detector)である。X線検出器10の各検出素子は、X線管7から発生したX線を検出し、検出されたX線を電気信号に変換する。各検出素子において発生した電気信号は、図示しないアナログディジタル変換器により、ディジタルデータに変換される。このディジタルデータは、後述する処理回路40の画像生成回路41に送られる。
載置台支持機構3は、被検体を載置する載置台9を支持するための支持部材によって構成される。載置台支持機構3は、水平に、あるいは、水平面に対して傾きを有するように、載置台9を支持する。
X線管支持機構4は、X線を照射するX線管7を支持するための支持部材によって構成される。X線管支持機構4は、例えば、X線管支持機構4が、図示しない回転軸周りに回動可能なように構成される。
上述した、載置台支持機構3とX線管支持機構4とは、駆動制御回路31により、動きを制御される。駆動制御回路31は、X線管支持機構駆動機能311と載置台支持機構駆動機能312とを機能として有する。
駆動制御回路31のX線管支持機構駆動機能311は、X線管支持機構4の動きを制御する。例えば、X線管支持機構駆動機能311は、X線管支持機構4を揺動させる。このとき、X線管支持機構4が支持するX線管7は、回転軸周りの円軌道に沿って移動する。X線管支持機構駆動機能311による制御により、X線検出器10に対するX線管7の位置が変更される。X線検出器10に対するX線管7の位置が変更されることにより、載置台9に載置された被検体に対するX線管7の位置が変化する。X線検出器10に対するX線の位置が変更されることにより、X線検出器10においてX線が入射する方向が変化する。これにより、載置台9に載置された被検体に対して、複数の異なる位置からX線を照射することが可能となる。
駆動制御回路31の載置台支持機構駆動機能312は、載置台支持機構3の動きを制御する。載置台支持機構3は、例えば、上下に動いて載置台9の高さを変更したり、載置台9を傾けたりする。
X線管支持機構駆動機能311や載置台支持機構駆動機能312が、X線管支持機構4や載置台支持機構3を駆動させるのに必要な情報は、例えば、X線管7の移動速度や載置台9の位置である。これらの情報は、記憶回路26にあらかじめ記憶しておき、入力インターフェイス回路25を介した操作者による入力操作によって読み出される。あるいは、入力インターフェイス回路25が、操作者による入力を直接受け付け、受け付けた入力情報がX線管支持機構駆動機能311や載置台支持機構駆動機能312に反映されるように構成してもよい。
X線制御回路6は、高電圧発生器8を制御して、所定のタイミングでX線管7からX線を照射させる。X線制御回路6は、上述した駆動制御回路31によるX線管支持機構4や載置台支持機構3の駆動制御に連動して、X線管7によるX線の照射を所定のタイミングで実行可能なように制御する。例えば、X線制御回路6は、単位時間あたりのX線の照射回数を制御する。X線管7によって照射されたX線をX線検出器10で検出して得られる投影データの個数は、X線管支持機構駆動機能311の定めるX線管7の移動速度と、X線制御回路6の定める単位時間あたりのX線の照射回数とによって定められる。なお、取得可能な投影データの個数を定めるのに用いるパラメータは、上述のようなX線管7の移動速度と単位時間あたりのX線の照射回数との組み合わせ以外にも、任意のパラメータを用いてよい。
上述のように、載置台支持機構3とX線管支持機構4とのうちいずれか1つあるいは両方が駆動し、X線制御回路6が、所定のタイミングでX線管7からX線を照射するように高電圧発生器8を制御する。これにより、載置台9に載置された被検体に対して異なる複数の位置から、X線管7がX線を照射することが可能である。異なる複数の位置から被検体を撮影することにより、ある1つのX線照射方向では観察することができない部位を観察できるようになる。また、異なる複数の位置から被検体を撮影した複数のX線画像に画像処理を施して、被検体の任意の断面に係るX線画像を作成することも可能である。マンモグラフィ装置におけるこのような撮影方法をトモシンセシスと呼ぶ。
処理回路40は、画像生成回路41と画像処理回路42とを有する。
画像生成回路41は、X線検出器10が出力するディジタルデータに基づいて、投影データを生成する。投影データは、例えば、各画素が1つの画素値を有するX線画像の画像データである。投影データの各画素値は、被検体の撮影領域のX線透過率を反映したものとなる。なお、画像生成回路41は、特許請求の範囲における画像生成部の一例である。
図2と図4は、X線管7が被検体に向けてX線を照射する位置と投影データの関係について説明するための図である。
図2は、X線管7が、T1、T2、T3の3か所で位置を変えて、被検体を撮影する様子を示す。説明のため、右方向をx軸、紙面手前方向をy軸にとった。被検体内部に記した星印は、被検体内部における関心のある部位である。この関心のある部位に対して、T1、T2、T3の3か所でX線管7からX線が照射されると、関心のある部位に対応する投影像は、それぞれ、X線検出器10における、P1、P2、P3の各位置に現れる。
図4は、X線管7が、図2に示したT1、T2、T3の3か所で位置を変えて被検体を撮影した場合に得られる、投影データの例を示す。この投影データは、5行5列の合計25画素を有する画像データである。図2に対応して、行方向をx軸、列方向をy軸と定める。格子状に示した投影データの図に付した数字は、x軸とy軸の各座標の値を示す。X線管7がT1の位置にあって、X線を照射して得られる関心のある部位の投影像P1は、図4(a)のように、座標(4,3)に位置する。X線管7がT2の位置にあって、X線を照射して得られる関心のある部位の投影像P2は、図4(b)のように、座標(3,3)に位置する。X線管7がT3の位置にあって、X線を照射して得られる関心のある部位の投影像P3は、図4(c)のように、座標(2,3)に位置する。このように、被検体内部における部位の投影像は、X線管7がX線を照射する位置を変化させると、投影像に対応する座標が変化する。なお、図4で示した投影データはあくまでも例であり、画素数は任意の構成を採用して構わない。
画像生成回路41が生成する投影データは、被検体にX線を照射して本来得られるデータとは異なる不良データを含む場合がある。ここで、不良データが画素値として現れた画素を欠陥画素と呼ぶこととする。欠陥画素は、例えば、X線検出器10の検出素子の動作不良に起因して発生する。例えば、***に発生する微小な石灰化組織などは、誤って欠陥画素と認識されるおそれがある。誤って欠陥画素と認識されると、例えば、石灰化組織に起因して得られた投影データにおける画素の画素値は、周囲の画素値に基づいて書き換えられてしまい、石灰化組織の情報が損なわれてしまう。すると、臨床的に有益な情報である病変組織と欠陥画素とを識別することができなくなる。
被検体の内部に存在する部位に対応する投影像は、X線管7がX線を照射する位置が変わると、基本的に投影データ上の位置(座標)が変化する。例えば、X線の吸収率が高い石灰化組織が被検体内部に存在する場合、石灰化組織に対応する投影像の画素の座標は、X線管7がX線を照射する位置の変化に伴って変化することになる。一方で、欠陥画素は、X線管7がX線を照射する位置によらず、投影データ上の同じ座標に現れる。
画像処理回路42は、画像生成回路41が生成する投影データが欠陥画素を有する場合に、被検体の内部に存在する病変組織などと区別して、欠陥画素に対して補正を行う機能を有する。なお、画像処理回路42は、特許請求の範囲における画像処理部の一例である。
画像処理回路42は、機能として、ノイズ均一化機能421と、フィルタ機能422と、欠陥画素抽出機能423と、補正機能424と、を有する。
ノイズ均一化機能421は、画像生成回路41が生成する投影データに含まれる画素ごとのノイズを均一化する。X線検出器10においては、検出する線量によってノイズの大きさは変わる。元の投影データに含まれるノイズは、画素値ごとに大きさが異なるため、後述する閾値処理において効果が上がるように、ノイズ均一化機能421が、画素値によらずノイズの影響を一定にするノイズ均一化処理を実行する。
ノイズ均一化機能421は、画素値に依存して変化するノイズがいかなる画素値においても略同一のノイズとなる変換を行う。図3は、入力画素値と出力画素値との関係を示す図である。画素値I1は、ノイズの影響により、変動幅a1を有するとする。画素値I2は、ノイズの影響により、変動幅a2を有するとする。この変動幅の違いがノイズの大きさの違いである。図3では、a1よりもa2が大きい。すなわち、画素値I1に対して、画素値I2のノイズの大きさが大きい。
図3において、ノイズ均一化機能421は、画素値I1を画素値O1に、画素値I2を画素値O2に変換する。画素値O1において、ノイズの影響による変動幅はb1である。また、画素値O2において、ノイズの影響による変動幅はb2である。b1はb2と等しくなる。すなわち、ノイズに起因して、入力画素値ごとに異なっている画素値の変動幅は、出力画素値においては等しくなっている。なお、出力画素値ごとの画素値の変動幅は完全に一致している必要はなく、多少の誤差を許容してもよい。
ノイズ均一化機能421が各画素に対して行う変換処理は、例えば、入力画素値と出力画素値とを結びつけるルックアップテーブルを記憶回路26に記憶させておき、適宜参照して実現することができる。あるいは、ノイズ均一化機能421は、画素値の入出力関係を逐次計算するように構成してもよい。なお、ノイズ均一化機能421は、X線検出器10の収集モードごとに、ノイズ均一化処理における変換処理を変えて実行することも可能である。ここで、収集モードとは、例えば、1画素として収集する画素数や、感度設定などの組み合わせ等によって決定されるモードである。例えば、ノイズ均一化機能421は、透視又は撮影、視野サイズ、画像解像度設定などの情報に基づいて収集モードを判定してノイズ均一化処理を実行する。
ノイズ均一化機能421が投影データを用いて生成する、すべての画素値においてノイズの影響が略等しくなる画像データをノイズ均一化データと呼ぶこととする。投影データとノイズ均一化データのそれぞれが有する画素の座標は対応している。
フィルタ機能422は、ノイズ均一化データに含まれる、欠陥画素の候補となりうる画素をフィルタ処理によって除去する。フィルタ機能422は、フィルタ処理を行うために、例えば、メディアンフィルタを使用する。メディアンフィルタは、注目画素の画素値を、その注目画素、およびその注目画素の近傍に存在する画素群の画素値の中央値で置き換える処理を行うものである。例えば、フィルタサイズが3画素×3画素のメディアンフィルタであれば、注目画素と、注目画素に隣接する8画素との合計9画素の画素値の中央値で注目画素の画素値を置き換える。フィルタ機能422は、メディアンフィルタに限らず、他のフィルタ手法を実行可能なように構成してもよい。例えば、モルフォロジー演算を用いたフィルタ処理も可能である。モルフォロジー演算は、注目画素の画素値を、その注目画素の近傍に存在する画素群の画素値の最大値で置き換える膨張処理と、その注目画素の近傍に存在する画素群の画素値の最小値で置き換える収縮処理とで構成される。モルフォロジー演算を用いたフィルタ処理は、膨張処理と収縮処理との組み合わせで実現できる。さらに例えば、フィルタ機能422は、ローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行ってもよい。ローパスフィルタは、画像の高周波成分を除去する働きを持つ。ノイズは画像の高周波成分に含まれるため、ローパスフィルタによってフィルタ処理される。フィルタ機能422によって、欠陥画素の候補となりうる画素に対してフィルタ処理が行われた画像データを、フィルタ処理済みデータと呼ぶこととする。なお、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータのそれぞれが有する画素の座標は対応している。
欠陥画素抽出機能423は、投影データの中から欠陥画素を抽出する。まず、欠陥画素抽出機能423は、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとの差分画像を作成する。この差分画像は、フィルタ機能422によって除去された、欠陥画素の候補となりうる画素を含む画像データである。次に、欠陥画素抽出機能423は、閾値と差分画像の各画素の画素値とを比較して、差分画像において、閾値によって定められた範囲から外れた画素値を有する画素を、欠陥画素の候補とする。この閾値は、例えば、管電圧や管電流、管電流と撮影時間の積でX線量を表すmAs値などの撮影条件に基づいて定めることが可能である。また、撮影条件が変化する度に閾値が変更されるように構成してもよい。この閾値は、例えば、1つだけ設定することによって、閾値を上回る、あるいは閾値を下回る画素値を有する画素を欠陥画素の候補とすることができる。また、例えば、上限の閾値と下限の閾値とを設定し、上限の閾値を上回る画素値および下限の閾値を下回る画素値を有する画素を欠陥画素の候補とすることができる。この閾値は、例えば、記憶回路26にあらかじめ記憶させておいてもよいし、入力インターフェイス回路25が操作者による入力を受け付けることによって設定してもよい。また、この閾値は、例えば、元の投影データにおいて極端に高い、または、極端に低い画素値を示す画素を抽出するための閾値設定をする必要はない。画素値の閾値は、通常のX線画像の撮影で生じうる画素値のゆらぎ以上に、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとの間で画素値の変化が見られる画素を、差分画像から抽出できる程度に設定する。
さて、X線診断装置1が、異なる複数の位置から被検体を撮影することが可能であることは先述の通りであるが、ここでN個の投影データが取得されたとする。このN個の投影データは、互いに異なる複数の位置から被検体を撮影して得られる画像データである。
欠陥画素抽出機能423は、N個の投影データそれぞれに対して、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとの差分画像を作成し、欠陥画素の候補となる画素を選び出す。そして、欠陥画素の候補となる画素が、N個の差分画像のうち所定のM個以上の差分画像において、同じ座標に現れる場合に、その座標の画素は欠陥画素として抽出される。欠陥画素抽出機能423が欠陥画素を抽出する手順を具体的に説明するため、図5に、異なる複数の位置から被検体を撮影した時に得られる複数の差分画像を示した。図5では、すべての差分画像の個数Nを3、欠陥画素として抽出するか判断するための所定の差分画像の個数Mを3、として説明する。図5の(a)、(b)、(c)の各差分画像は、例えば図2に示した、T1、T2、T3の3か所でX線管7からX線を照射して得られる投影データに基づく画像データである。図5において、斜線を付した画素と黒く塗りつぶした画素は、欠陥画素抽出機能423によって、欠陥画素の候補として選び出された画素である。図5の(a)では、座標(2,2)、(2,3)、(3,3)の画素が欠陥画素の候補である。図5の(b)では、座標(2,2)、(2,3)の画素が欠陥画素の候補である。図5の(c)では、座標(2,2)、(3,4)、(4,2)の画素が欠陥画素の候補である。図5(a)、(b)、(c)の3個の差分画像において、座標別に欠陥画素の候補として挙げられた回数を数えると、座標(2,2)で2回、座標(2,3)で3回、座標(3,3)で1回、座標(3,4)で1回、座標(4,2)で1回となっている。さて、欠陥画素として抽出するか判断するための所定の差分画像の個数Mの値は3と定めているので、欠陥画素の候補である画素のうち、欠陥画素と抽出されるのは、座標(2,3)の画素である。欠陥画素抽出機能423は、抽出した欠陥画素の座標情報を記憶回路26やネットワークインターフェイス回路28を介した外部装置に記憶させる。
なお、図5において説明のために定めたNとMの値はあくまで例であり、任意の値を設定して構わない。また、NとMの値は、記憶回路26やネットワークインターフェイス回路28を介した外部装置にあらかじめ記憶させていてもよいし、入力インターフェイス回路25を介して操作者が直接入力して設定してもよい。また、Mの値は、固定値を設定することに限らず、投影データの個数Nに応じて変化する値を設定してもよい。例えば、Mの値は、Nに対する割合(パーセント)で設定する。
補正機能424は、欠陥画素抽出機能423が抽出した欠陥画素の座標情報に基づき、画像生成回路41が生成した元の投影データに対して欠陥画素の補正を行う。補正機能424は、投影データにおける欠陥画素の画素値を、欠陥画素の上下左右で隣接する4つの画素の画素値の平均値で置き換える。これにより、欠陥画素の補正が完了する。欠陥画素の補正が行われた投影データを、補正データと呼ぶこととする。投影データと補正データのそれぞれが有する画素の座標は対応している。なお、補正機能424が投影データの欠陥画素を補正する方法は、欠陥画素の上下左右で隣接する4つの画素の画素値の平均値で置き換えることに限らない。例えば、バイキュービック法を用いて、欠陥画素を補正してもよい。
図6は、補正機能424が欠陥画素を補正する前の投影データ(図6(a))と、補正機能424が欠陥画素を補正した後の投影データ(図6(b))とをシミュレーションして得た結果を示す。図6に示す投影データは、X線管7が横方向に移動しながら撮影した複数の画像データを重ね合わせたデータである。図6(a)の補正する前の投影データには、下部に、横一直線の数本の筋が現れている。これは、FPDのある列の検出素子が、一度に欠陥画素を出力する場合に現れるアーチファクトである。また、投影データの中心付近には、点列を有するもう一つのアーチファクトが存在する。このアーチファクトは、FPDのある1か所の検出素子が欠陥画素を出力する場合に現れる。図6(b)に示すように、補正機能424によって補正されて得られる補正データにはアーチファクトが存在せず、読影の妨げるものがない。
上記では、欠陥画素抽出機能423は、抽出した欠陥画素の座標情報を記憶回路26やネットワークインターフェイス回路28を介した外部装置に記憶させることを説明した。記憶された欠陥画素の座標情報は、例えば、新たにX線撮影時を行う場合においても読み出すことが可能である。例えば、X線撮影時において、既に欠陥画素の座標情報を抽出済みのX線検出器10を使用する場合、欠陥画素抽出機能423による欠陥画素の抽出のステップを踏まずに、補正機能424によって直ちに欠陥画素の補正を行うことが可能である。
欠陥画素抽出機能423による欠陥画素の座標情報の取得から、所定期間が経過した場合には、例えば、後述するディスプレイ27に欠陥画素の座標情報を再度取得することを促すメッセージを表示するようにしてもよい。これにより、欠陥画素の座標や数が経時変化した場合に対処することができる。また、操作者が欠陥画素の座標情報の更新が必要であることを認識することができる。
欠陥画素抽出機能423による欠陥画素の座標情報の取得から、所定期間が経過した場合には、さらに例えば、被検体に対して複数の異なる位置からX線撮影を行う際に、自動的に、欠陥画素の座標情報の更新を行うようにしてもよい。これにより、操作者が意識せずとも、欠陥画素の座標や数が経時変化した場合に対処することができる。
ディスプレイ27は、例えば、液晶ディスプレイやLED(Light Emitting Diode)ディスプレイによって構成される。ディスプレイ27は、例えば、投影データや補正データなどの画像データを表示する。また、ディスプレイ27は、タッチパネルとして構成することも可能であり、入力インターフェイス回路25の構成を兼ね備えることができる。なお、ディスプレイ27は、特許請求の範囲における表示部の一例である。
ディスプレイ27は、欠陥画素の情報を表示してもよい。欠陥画素の情報とは、例えば、欠陥画素抽出機能423によって抽出した欠陥画素の座標情報である。欠陥画素の座標情報は、元の投影データ、あるいは補正データに重畳させて表示させてもよい。欠陥画素の座標情報は、例えば、数値で示してもよいし、画像データ上に図形を記して示してもよい。また、ディスプレイ27は、投影データに欠陥画素が含まれていた場合に、メッセージを表示するように構成してもよい。例えば、「注意」、「警告」、「使用不可」の3つのメッセージを、欠陥画素の個数と対応付けて記憶回路26に記憶させる。例えば、欠陥画素の個数の閾値TH1、TH2を設ける。ただし、0<TH1<TH2とする。欠陥画素の個数がTH1を上回るまでは、投影データ上に欠陥画素が存在することを操作者に認識させるために、「注意」のメッセージを表示する。そして、欠陥画素の個数がTH1を上回り、TH2以下である場合に、欠陥画素によって投影データの信頼性が低くなっていることを操作者に警告するため、「警告」のメッセージを表示する。さらに、欠陥画素の個数がTH2を上回った場合、FPDの交換あるいは、その他の回路などに異常がないかの点検の必要があることを喚起する、「使用不可」のメッセージを表示する。以上で例示したメッセージ、および欠陥画素の個数の閾値の設定方法はあくまでも例であって、メッセージや閾値の段階を少なく、または多くすることは任意である。
入力インターフェイス回路25は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、押しボタン、ダイヤルなどで構成される。入力インターフェイス回路25は、操作者による入力操作を受け付ける。入力操作に基づいて受け付ける入力情報は、例えば、X線撮影の開始及び終了の指示や撮影条件である。撮影条件は、例えば、X線管支持機構4が回転駆動する際に、所定の角度範囲の中でX線管7からX線を照射させる回数である。また、撮影条件は、例えば、X線管支持機構4が回転駆動する際の所定の角度範囲や、回転駆動において何度移動するごとにX線管7からX線を照射させる頻度の情報でもよい。さらに、撮影条件は、例えば、高電圧発生器8からX線管7に供給される管電圧や管電流などのX線条件、撮影位置でもよい。入力情報は、例えば、記憶回路26に記憶されてもよいし、各構成における処理に必要な情報として、直接、X線診断装置1の各構成に渡されてもよい。
記憶回路26は、磁気ディスク(例えば、ハードディスク)やフラッシュメモリ(例えば、ソリッドステートドライブ、USBメモリ、メモリカード)、そして光学ディスク(例えば、CD、DVD)に情報の読み書きを行う回路などで構成される。また、記憶回路26は、内部回路で接続される形態によらず、図示しないUSBポートや、ネットワークインターフェイス回路28を経由して接続される、外付けの形態をとってもよい。
ネットワークインターフェイス回路28は、ネットワークを介して、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)などから、例えば撮影条件などを取得するために用いられる。また、X線診断装置1で撮影したX線画像を画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)に保存したり、あるいは、PACSから画像データを取得するのに用いたりすることが可能である。
図7は、複数の異なる位置で被検体にX線を照射して得られる複数の投影データを用いて、投影データに含まれる欠陥画素を抽出、補正する流れを示すフローチャートである。
[ステップS1]X線診断装置1が、入力インターフェイス回路25を介して、載置台9に載置された被検体の撮影開始の指示を受け付ける。
[ステップS2]駆動制御回路31のX線管支持機構駆動機能311と載置台支持機構駆動機能312とが、撮影条件に基づいて、X線管支持機構4と載置台支持機構3とを駆動させ、X線管7が被検体に対して所定の位置からX線を照射可能な状態とする。撮影条件は、入力インターフェイス回路25やネットワークインターフェイス回路28を介して受け付けられて、あらかじめ記憶回路26に記憶された情報を読み出して設定する。
[ステップS3]X線制御回路6が、撮影条件に基づいて高電圧発生器8を制御し、X線管7に管電圧と管電流とを供給する。X線管7は、被検体に向けてX線を照射する。
[ステップS4]X線検出器10がX線を検出し、検出した電気信号をディジタルデータに変換して出力する。出力されたディジタルデータに基づいて、画像生成回路41が投影データを生成する。
[ステップS5]撮影条件として与えられた、X線管7がX線を照射する位置すべてにおいて、X線の照射が完了していればステップS6に進む。一方、X線管7がX線を照射していない位置がまだ残っている場合は、ステップS2に戻る。
[ステップS6]画像処理回路42のノイズ均一化機能421が、投影データに含まれるノイズを均一化し、ノイズ均一化データを生成する。
[ステップS7]画像処理回路42のフィルタ機能422が、ノイズ均一化データに含まれる、欠陥画素の候補となりうる画素をフィルタ処理によって除去し、フィルタ処理済みデータを生成する。
[ステップS8]画像処理回路42の欠陥画素抽出機能423が、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとの差分画像を作成する。
[ステップS9]欠陥画素抽出機能423は、差分画像に対して閾値処理を施し、欠陥画素の候補となる画素を選び出す。
[ステップS10]欠陥画素抽出機能423は、欠陥画素の候補となる画素の中から、欠陥画素を抽出する。複数の異なる位置で撮影された複数の差分画像のうち、欠陥画素の候補となる画素が、所定の個数以上の差分画像において同じ座標に現れた場合、欠陥画素抽出機能423によって、その座標の画素は欠陥画素として抽出される。
[ステップS11]欠陥画素が欠陥画素抽出機能423によって抽出された場合は、ステップS12に進み、抽出されなかった場合は、フローが終了する。
[ステップS12]欠陥画素抽出機能423は、抽出した欠陥画素の座標情報を記憶回路26に記憶する。抽出した欠陥画素の座標情報や注意を促すメッセージをディスプレイ27に表示する場合は、このステップにおいて表示する。
[ステップS13]画像処理回路42の補正機能424は、欠陥画素の座標情報を記憶回路26から読み出して、投影データにおける欠陥画素を補正する。これにより欠陥画素の補正のフローが終了する。
上述した通り、本実施形態に係るX線診断装置1によれば、被検体に対して複数の異なる位置からX線を照射して得られる複数の投影データから、欠陥画素に起因するノイズを含む様々なノイズ成分を有する差分画像を取得する。そして、所定数以上の差分画像にわたって、同じ座標の画素値が所定の閾値から外れた場合に、前記座標に位置する画素を欠陥画素として抽出する。抽出された欠陥画素の座標情報に基づいて、投影データの欠陥画素は補正される。
複数の投影データを用いることにより、X線管7がX線を照射する位置によらず投影データ上の同じ座標に現れる欠陥画素の特性が利用できるので、被検体内部に発生した微小な石灰化組織のように、周囲の画素に比べて比較的高い画素値を有する画素を誤って欠陥画素と識別してしまうおそれがない。
また、欠陥画素が、極端に高い画素値または極端に低い画素値を示さない場合は、従来手法のように、投影データの各画素値に対して閾値処理を施すことは、欠陥画素の抽出に有効でない。一方で、本実施形態に係るX線診断装置1は、欠陥画素の候補となりうる画素を有する差分画像を、投影データに基づいて生成した、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとを用いて作成している。また、差分画像に閾値処理を施す際の画素値の閾値は、通常のX線画像の撮影で生じうる画素値のゆらぎ以上に、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとの間で画素値の変化が見られる画素を、差分画像から抽出できる程度に設定している。したがって、欠陥画素が投影データ上で、極端に高い画素値または極端に低い画素値を示していなくとも、欠陥画素の識別が容易である。
さらに、本実施形態に係るX線診断装置1によれば、ディスプレイ27が、欠陥画素抽出機能423が抽出した欠陥画素の座標情報を表示する。これにより、例えば、操作者がX線画像を読影する際に、信頼性が低くなっている欠陥画素がどこに分布しているかを容易に把握することが可能である。また、欠陥画素の個数に応じて、ディスプレイ27は、注意や警告を促すメッセージを表示することが可能である。これにより、操作者は、例えば、FPDの交換や装置の修理の必要性を容易に把握することができる。
なお、以上では、X線診断装置1として、マンモグラフィ装置を例にとって説明したが、X線アンギオグラフィ装置やX線TV装置であってもよい。X線アンギオグラフィ装置やX線TV装置では、マンモグラフィ装置における載置台9を寝台に置き換えることにより、本実施形態と同様な構成を得ることができる。また、マンモグラフィ装置におけるX線管7は、X線管支持機構4に支持されて回転軸周りに揺動させる構成を示したが、X線TVにおいては、X線管7が寝台あるいは被検体に対して平行移動することによって、複数の異なる位置における投影データを取得する構成となる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
(変形例1)
上述の実施形態の通り、欠陥画素抽出機能423は、N個の差分画像のうち、所定のM個以上の差分画像において、欠陥画素の候補となる画素が同じ座標に現れることを欠陥画素であるかの判断基準としていた。一方、変形例1に係る欠陥画素抽出機能423は、N個の差分画像の画素値を各画素で加算して得られる加算画像を用いて、欠陥画素であるかを判定する。
まず、欠陥画素抽出機能423は、ノイズ均一化データとフィルタ処理済みデータとを用いて求めたN個の差分画像の画素値を画素ごとに加算し、加算画像を作成する。次に、欠陥画素抽出機能423は、加算画像の各画素の画素値に対して閾値処理を施す。閾値の設定方法は、上述の実施形態と同様に、例えば、管電圧や管電流、管電流と撮影時間の積でX線量を表すmAs値などの撮影条件に基づいて定めることが可能である。また、撮影条件が変化する度に閾値が変更されるように構成してもよい。そして、欠陥画素抽出機能423は、閾値処理によって欠陥画素に相当すると判断された画素を欠陥画素であると判断する。欠陥画素は、座標の位置が変化しないので、加算画像において、欠陥画素ではない画素と比較して、加算された画素値の値が大きくなる。したがって、加算画像の画素値に対する閾値処理によって、欠陥画素の抽出が可能となる。欠陥画素抽出機能423は、抽出した欠陥画素の座標情報を、記憶回路26やネットワークインターフェイス回路28を介した外部装置に記憶させる。
変形例1に係るX線診断装置1によれば、欠陥画素抽出機能423が、複数の差分画像を画素ごとに画素値を加算して得られる加算画像を作成する。そして、加算画像に対して閾値処理を施し、欠陥画素を抽出する。これにより、個々の差分画像で欠陥画素の候補を抽出することなく、加算画像上で欠陥画素を一度に抽出することができる。
(変形例2)
上述の実施形態の通り、X線診断装置1は、被検体の内部に存在する部位の投影像に対応する投影データ上の座標が、X線管7がX線を照射する位置が変わるとともに変化する、という特性を利用していた。しかしながら、例えば、X線管7がX線管支持機構4によって支持されて回転駆動する際、撮影を行う部位が回転駆動の回転中心に位置していると、被検体の内部に存在する部位に対応する投影像の投影データ上の座標が変化しない場合がある。被検体を載置台9に載置する場合に、回転中心を避けるように被検体の位置を設定することが好適であるが、回転中心付近に位置する被検体の部位の投影像の画素が、誤って欠陥画素として抽出されるのを低減することもできる。
変形例2に係るX線診断装置1の画像処理回路42の欠陥画素抽出機能423は、欠陥画素の候補となる画素を差分画像から選び出す際の閾値設定を、座標によって変化させる。例えば、被検体が、X線管7の回転中心に位置する場合を考える。この時、被検体の内部に存在する部位の投影像は、X線検出器10の略中心に投影される。したがって、X線検出器10の中心近くの検出素子に対応する投影データの画素が、誤って欠陥画素と認識される可能性が高い。
欠陥画素抽出機能423は、差分画像に関して、X線検出器10の中心付近における検出素子に対応する座標の画素に対しては、周辺の画素よりも、欠陥画素の候補として選出する基準を厳しく設定する。基準を厳しく設定するとは、例えば、画素値の閾値の上限をより高くすること、または、画素値の閾値の下限をより低く設定することである。座標ごとに画素値の閾値を異ならせる場合、例えば、X線検出器10の中心に対応する座標から遠ざかるにつれて、欠陥画素の候補として選出する基準が緩められるように画素値の閾値を設定することが可能である。また、例えば、X線検出器10の中心近傍の座標に対応する画素に対してのみ、欠陥画素の候補として選出する基準を厳しくし、その他周辺の座標の画素に対しては、一様な画素値の閾値を設定してもよい。
変形例2に係るX線診断装置1によれば、欠陥画素抽出機能423が差分画像から欠陥画素の候補となる画素を抽出する際に、X線管7の回転中心付近に位置する被検体の部位の投影像に対応する座標の画素値の閾値を周辺よりも厳しく設定する。これにより、差分画像上で、被検体の部位の投影像に対応する画素が、誤って欠陥画素として抽出されるのを低減することができる。
続いて、本実施形態の別の変形例について説明する。
(変形例3)
上述の実施形態、および変形例1と2では、X線診断装置1について説明した。しかしながら、欠陥画素を抽出し、補正する機能は、X線診断装置1に限らず、被検体の周囲でX線を照射して得られる投影データを再構成してX線CT画像を生成するX線CT装置2においても実現することができる。
図8は、変形例3にかかるX線CT装置2の構成を示す図である。上述した実施形態におけるX線診断装置1と異なる構成について以下で説明する。
X線管支持機構4は、X線管7とX線検出器10とを支持する支持部材である。また、X線管支持機構4は、載置台9の周囲で回転駆動可能なように構成され、駆動制御回路31のX線管支持機構駆動機能311による制御によって、回転速度が設定される。回転速度は、例えば、撮影条件として、入力インターフェイス回路25やネットワークインターフェイス回路28を介して受け付けられて、あらかじめ記憶回路26に記憶された情報を読み出して設定する。
載置台支持機構3は、載置台9を、例えば垂直方向に移動させたり、円環状のX線管支持機構4の空洞部への挿入、および、空洞部からの取り出しを行なうために水平方向に移動させたりすることが可能である。
データ収集回路44は、X線検出器10から出力されるディジタルデータに基づいて、ある角度方向で照射するX線のレイを束ねたビューごとに、投影データを生成する。なお、データ収集回路44は、特許請求の範囲におけるデータ収集部の一例である。投影データは、例えば、X線検出器10の各検出素子に対応付けられたCT値を画素に割り当てたデータである。既に説明したX線診断装置1においては、図7のステップS4で、画像生成回路41が投影データを生成したが、X線CT装置2では、データ収集回路44が、投影データを生成する。X線CT装置2における投影データは、X線検出器10の各検出素子で受信されたX線の強度データを、各検出素子の位置に対応付け、二次元状に配列したデータである。X線CT装置2における後述の画像処理回路42は、データ収集回路44が生成する投影データに対してノイズ均一化処理を施し、生成されるノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施すことによって、投影データから欠陥画素を抽出することが可能となる。
画像処理回路42は、複数のビューの投影データを取得し、上述した実施形態におけるX線診断装置1と同様に、投影データ上に含まれる欠陥画素を抽出し、補正する。
処理回路40の再構成回路43は、データ収集回路44から出力される複数のビューの投影データを用いて画像再構成を行い、再構成画像を生成する。ここで、複数の投影データは、X線管7がX線管支持機構4の円周に沿った回転軌道のうち、180度とX線管7のファン角とを足し合わせた角度以上の角度範囲でX線を照射して得られるデータである。再構成回路43は、画像処理回路42によって欠陥画素が補正された投影データを用いて、再構成画像を生成することが可能である。
ディスプレイ27は、例えば、再構成回路43で生成された再構成画像を表示する。
変形例2に係るX線CT装置2によれば、X線診断装置1と同様にして、投影データに含まれる欠陥画素の抽出、および補正が可能である。これにより、再構成回路43は、欠陥画素の影響が低減された投影データに基づいて、再構成画像を生成することができる。欠陥画素の影響が低減された投影データに基づいて生成される再構成画像は、アーチファクトの発生が低減された画像となる。
なお、変形例3に係るX線CT装置2において、変形例1や2で説明した構成を適用することも可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 X線診断装置
2 X線CT装置
6 X線制御回路
7 X線管
8 高電圧発生器
9 載置台
10 X線検出器
31 駆動制御回路
311 X線管支持機構駆動機能
312 載置台支持機構駆動機能
40 処理回路
41 画像生成回路
42 画像処理回路
43 再構成回路
44 データ収集回路

Claims (9)

  1. 被検体に対して複数の位置からX線を照射するX線管と、
    前記照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器により検出されたX線に基づいて、前記複数の位置に対応する複数の投影データを生成する画像生成部と、
    前記投影データに対して画像処理を行い、前記複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、所定数以上の複数の前記ノイズ均一化データに基づく画像データに亘って、同じ座標の画素値が前記閾値処理において閾値から外れた場合に、前記座標に位置する画素を欠陥画素として抽出する、
    線診断装置。
  2. 被検体に対して複数の位置からX線を照射するX線管と、
    前記照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器により検出されたX線に基づいて、前記複数の位置に対応する複数の投影データを生成する画像生成部と、
    前記投影データに対して画像処理を行い、前記複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、複数の前記ノイズ均一化データに基づく画像データの画素値を画素ごとに加算した加算画像を作成し、前記加算画像の画素値が前記閾値処理において閾値から外れた場合に、前記閾値処理において閾値から外れた画素値を有する前記加算画像の座標に対応する前記投影データ上の画素を欠陥画素として抽出する、
    線診断装置。
  3. 被検体に対して複数の位置からX線を照射するX線管と、
    前記照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器により検出されたX線に基づいて、前記複数の位置に対応する複数の投影データを生成する画像生成部と、
    前記投影データに対して画像処理を行い、前記複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、前記ノイズ均一化データに基づく画像データを、前記ノイズ均一化データと、前記ノイズ均一化データに対してフィルタ処理を施したフィルタ処理済みデータと、の差分画像を求めることによって生成する、
    線診断装置。
  4. 前記画像処理部は、前記欠陥画素に対して、前記欠陥画素の周囲に位置する画素の画素値を用いて補正を行う、
    請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のX線診断装置。
  5. 画像データを表示する表示部を備え、
    前記表示部は、前記欠陥画素の座標情報を表示する、
    請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のX線診断装置。
  6. 画像データを表示する表示部を備え、
    前記表示部は、前記欠陥画素の個数に応じてメッセージを表示する、
    請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のX線診断装置。
  7. 被検体に対して複数の位置からX線を照射するX線管と、
    前記照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器により検出されたX線に基づいて、前記複数の位置に対応する複数の投影データを生成する画像生成部と、
    前記投影データに対して画像処理を行い、前記複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施す場合に用いる所定の閾値を、座標ごとに変えて設定する、
    線診断装置。
  8. 画像データを表示する表示部を備え、
    前記表示部は、前記欠陥画素が補正された投影データを表示する、
    請求項に記載のX線診断装置。
  9. 被検体に対して複数の位置からX線を照射するX線管と、
    前記照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器により検出されたX線に基づいて、前記複数の位置に対応する複数の投影データを生成するデータ収集部と、
    前記投影データに対して画像処理を行い、前記複数の投影データのそれぞれに対して、ノイズ均一化処理を施したノイズ均一化データを求め、前記ノイズ均一化データに基づく画像データに閾値処理を施して欠陥画素を抽出する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、所定数以上の複数の前記ノイズ均一化データに基づく画像データに亘って、同じ座標の画素値が前記閾値処理において閾値から外れた場合に、前記座標に位置する画素を欠陥画素として抽出する、
    X線CT装置。
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