JP6644381B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、運転部を覆うキャビンを備えたコンバインに関する。
従来、運転部を覆うキャビンを備えたコンバインにおいて、キャビンを構成する運転フロアとしての床部の前部にハンドルコラム(ハンドルポスト)を立設し、ハンドルコラムの上側にハンドル支軸を介してハンドルを取り付け、ハンドルの後方に運転席を配設して運転部を構成したものがある。
このような構成のコンバインにおいて、特許文献1および特許文献2には、キャビンのフロントガラスに関し、キャビンの前面部を全体的に1枚の透明なガラス板で構成するとともに、床部の前部であってフロントガラスの後方の位置におけるキャビン幅方向(左右方向)の中央部にハンドルコラムを設けた構成が開示されている。また、特許文献2には、上下で互いに別体の窓部により構成されたフロントガラスが開示されている。ここで、上下の窓部は、合成樹脂やゴム等の素材で断面略H形状に形成された接合部材で互いに結合されている。
特開2013−183683号公報 特開平9−215432号公報
確かに、特許文献1や特許文献2に開示されているようにキャビンの前面部を全体的にガラス板とした構成によれば、キャビン内の作業者が視認できる範囲が広くなって作業性が向上し、また、キャビン内に対する採光性が向上すると考えられる。しかしながら、上述したような従来技術によれば、次のような問題がある。
まず、キャビンの前面部を全体的に1枚のガラス板により形成した構成については、キャビン前側の全面が1枚のガラス部分となるため、キャビンの前面部の一部に板金製の部材等が用いられる場合に比べて、キャビンの前面部について十分な強度を得ることが難しい。この点、上述のとおり、特許文献2には、上下で別体の窓部により構成されたフロントガラスが開示されているが、上下別体の窓部をゴム等の素材で形成された接合部材で互いに結合した構成の場合、上下の窓部の結合部において十分な強度が得られるとは考えにくい。
また、コンバインの急旋回時や急停止時等においては、キャビン内の運転席に着座している作業者が姿勢を乱して前方に振られることがあるが、このような場合、キャビンの前面部を全体的にガラス板とした構成においては、作業者の膝がフロントガラスに直接ぶつかることが想定される。こうした状況が生じると、場合によってはフロントガラスが破損することもあり得る。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、キャビンの前面部について十分な強度を容易に確保することができるとともに、キャビン内の作業者からのキャビン前方下部に対する視認性を向上することができ、しかも、キャビンの前面部を構成するガラス等の透明部分に対する作業者の膝の接触を防止して安全性を向上することができるコンバインを提供することを目的とする。
本発明に係るコンバインは、運転部を覆うキャビンを備え、前記キャビンを構成する床部上に運転席を設けたコンバインであって、前記キャビンの前面部の上下中間部に横架された横支持フレーム部と、前記横支持フレーム部の上側に設けられ、前記キャビンの前面部を構成する上透明部と、前記横支持フレーム部の下側に設けられ、前記キャビンの前面部を構成する下透明部と、前記横支持フレーム部に支持された操向操作部と、前記横支持フレーム部の後側に設けられ、前記横支持フレーム部とともに中空部を構成する内装パネル部と、を備えたものである。
また、本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記操向操作部は、前記横支持フレーム部の左右中央部に設けられており、前記内装パネル部は、前記横支持フレーム部に対する前記操向操作部の支持部の左右両側に設けられているものである。
また、本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記内装パネル部は、後方側を突側とする膨出形状を有するものである。
また、本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記中空部内に、前記キャビンに配設される電気部品に対する配線が収納されているものである。
また、本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記中空部内に、前記内装パネル部側からの衝撃を緩衝するための緩衝部材が設けられているものである。
また、本発明の他の態様に係るコンバインは、前記コンバインにおいて、前記横支持フレーム部および前記内装パネル部は、前記運転席の座面の高さ位置が前記内装パネル部の上下幅の範囲内に位置するように設けられているものである。
本発明によれば、キャビンの前面部について十分な強度を容易に確保することができるとともに、キャビン内の作業者からのキャビン前方下部に対する視認性を向上することができ、しかも、キャビンの前面部を構成するガラス等の透明部分に対する作業者の膝の接触を防止して安全性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係るコンバインの左側面図である。 本発明の一実施形態に係るコンバインの右側面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの左側面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの右側面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの正面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの平面断面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの右側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの内部構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの構造を示す後方分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの構造を示す前方分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンを構成する下透明部の構造についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るハンドル部の支持構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るハンドル部の支持構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る横支持フレーム部の構造を示す左側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るハンドル部の下方における支持構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るハンドル部の近傍の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンバインの制御構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る横支持フレーム部および内装パネル部の構成についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの構造の変形例の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るキャビンの構造の他の構成例を示す図である。
本発明は、運転部を覆うキャビンを備えたコンバインにおいて、キャビンの前面部を構成する部分として、互いの間に横支持フレーム部を介して上下の透明部を設けるとともに、横支持フレーム部に操向操作部を支持し、横支持フレーム部とともに中空部を構成する内装パネル部を備えたものである。このような構成により、本発明は、キャビンの前面部の強度の確保を容易とするとともに、キャビン前方下部に対する視認性を向上し、しかも、キャビンの前面部を構成する透明部に対する作業者の膝の接触を防止して安全性を向上しようとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
[コンバインの全体構成]
まず、図1および図2を用いて、本実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、コンバイン1の前方に向かって左側および右側を、それぞれコンバイン1における左側および右側とする。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、刈り取った圃場の作物を機体内に掻き込み、脱穀・選別・穀粒貯留し、適宜機外に搬出可能とした収穫機としての普通型コンバインである。コンバイン1は、自走可能な走行機体2の前端部に設けられた刈取部3を有する。刈取部3は、走行機体2に対して昇降自在に取り付けられている。
走行機体2は、左右一対のクローラ部5,5を有するクローラ式の走行装置として構成された走行部4を備える。左右のクローラ部5,5間には、機体フレーム6が架設されている。各クローラ部5は、その前端部に設けられた駆動スプロケット5aを含む複数の回転体と、これらの回転体に巻回された履帯5bとを有する。
機体フレーム6上の左側には、刈取部3により刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部7と、脱穀部7により脱穀された穀粒を選別する選別部8とが設けられている。脱穀部7および選別部8は、脱穀部7を上段、選別部8を下段とした態様で配設されている。また、脱穀部7および選別部8の後方には、稈屑等を機外に排出する排塵口部9が設けられている。排塵口部9は、その排出口を後方へ開口させている。排塵口部9により排出された稈屑等は、そのまま圃場に落とされる。
機体フレーム6上において、脱穀部7および選別部8の右方には、選別部8で選別された穀粒(清粒)を貯留する穀粒貯留部10が設けられている。穀粒貯留部10の後側には、穀粒貯留部10に貯留されている穀粒を機外に搬出する穀粒搬出部14が設けられている。
また、機体フレーム6上において、穀粒貯留部10の前方の位置、つまり機体フレーム6上における右側前部の位置には、キャビン40により覆われた運転部12が設けられている。運転部12の後下方には、駆動源としてのエンジン11等を有する原動機部13が設けられている。
エンジン11は、ディーゼルエンジンであり、排気ガス浄化装置であるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を搭載している。DPFは、エンジン11から排出される排気ガス中の黒煙を主体とする粒子状物質等を捕集する。エンジン11は、その排気ガスをDPF中に通過させることで、排気ガスを浄化するようにしている。
刈取部3について説明する。刈取部3は、フィーダハウス21と、穀物ヘッダ22と、刈刃装置23と、左右一対の分草体24,24と、掻込リール25とを有する。
フィーダハウス21は、平面視で長手方向を前後方向とする四角筒状に構成されている。フィーダハウス21内には、供給コンベアが設けられている。穀物ヘッダ22は、横長バケット状に構成され、フィーダハウス21の前端開口部に連通するように設けられている。穀物ヘッダ22内には、掻込オーガ(プラットホームオーガ)26が設けられている。掻込オーガ26は、左右方向を回転軸方向として回転可能に軸架されている。
刈刃装置23は、穀物ヘッダ22の前下端縁部に設けられており、バリカン状に構成されている。左右一対の分草体24,24は、穀物ヘッダ22の前側の左右側部から前方へ延出するように設けられている。掻込リール25は、穀物ヘッダ22の前上方の位置に設けられている。掻込リール25は、穀物ヘッダ22に基端部が枢支された左右一対のリール支持アーム25a,25aの先端部間に、左右方向を回転軸方向として回転可能に支持されている。掻込リール25は、回転しながら連続的に穀稈の着莢部に作用し、穀稈の着莢部を掻込オーガ26側へ掻き込む。刈取部3の各部の動作には、各種伝動機構を介して伝達されるエンジン11の動力が用いられる。
また、フィーダハウス21の後端部は、脱穀部7の前部に設けられた刈取入力軸(フィーダハウスコンベヤ軸)により、左右方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。また、フィーダハウス21の下面部と機体フレーム6との間には、昇降用シリンダ27が介設されている。このような構成により、刈取部3は、昇降用シリンダ27の伸縮動作によって刈取入力軸を回動軸として昇降するように設けられている。
以上のような構成を備えたコンバイン1は、圃場において、刈取部3を地上に対して所望の高さ(収穫作物である穀稈の刈取高さ)となるまで上昇させ、その状態で、走行機体2により走行する。これにより、コンバイン1は、収穫作物を分草体24,24により分草し、分草した穀稈の着莢部を掻込リール25により掻き込みながら刈刃装置23により穀稈の着莢部を刈り取る。
所望の刈取位置で刈り取られた穀稈の着莢部は、掻込オーガ26により穀物ヘッダ22内に掻き込まれるとともに、フィーダハウス21内の供給コンベアによりフィーダハウス21内を通って脱穀部7に供給される。脱穀部7に供給された穀稈の着莢部は、脱穀部7により脱穀処理される。脱穀部7で脱穀処理された穀粒は、選別部8により選別処理される。選別部8で選別処理された穀粒(清粒)は、穀粒貯留部10に貯留される。穀粒貯留部10に貯留されている穀粒は、適宜、穀粒搬出部14により機外に搬出される。そして、脱穀部7で穀粒と分離処理された稈屑等は、排塵口部9から機外へ排出されて圃場に排出される。
[運転部およびキャビンの構成]
図3から図11を用いて、本実施形態に係るコンバイン1が備える運転部12およびキャビン40の構成について説明する。本実施形態に係るコンバイン1は、運転部12を覆うキャビン40を備え、キャビン40を構成する床部46上に運転席15を設けたものである。
運転部12は、キャビン40内に設けられている。運転部12の前部には、操向操作部としてのハンドル部30が設けられている。ハンドル部30の後方に、運転席15が設けられている。また、運転席15の左側方には、各種操作具等が配設された側部操作部31が設けられている。
側部操作部31は、キャビン40内の左側部において平面視で前後方向に延設されたサイドコラム32を有する。サイドコラム32の上面部には、変速操作具としての主変速レバー34および副変速レバー35を含む各種操作具が配設されている。
主変速レバー34は、走行機体2の変速操作を行うための操作具である。副変速レバー35は、コンバイン1が備える副変速機構149(図17参照)を変速操作するための操作具である。主変速レバー34および副変速レバー35は、サイドコラム32の上面部から立ち上がった状態で前後方向に傾動操作可能に設けられている。なお、主変速レバー34のグリップ部には、刈取部3に関する操作や脱穀部7に関する操作や車速制御に関する操作等を行うための各種スイッチが配設されている。
キャビン40は、前面部41、後面部42、左側面部43、右側面部44、天井部45、および床部46を有し、これらの部分により全体として略箱状に構成されている。
キャビン40の左側面部43は、その略下半部を構成する部分として、鋼板等により構成された板金製の部分である下部側面部47を有する。下部側面部47は、その前側の辺部を、前面部41の略下半部の前下がりの傾斜に沿わせている(図3参照)。
下部側面部47の上側には、左側面部43の前後方向の中間部に位置する左前支柱部48と、左前支柱部48の後方であってキャビン40の左後角部に位置する左後支柱部49とが設けられている。左前支柱部48および左後支柱部49は、いずれも上下方向を長手方向とし、互いに略平行状に設けられている。
キャビン40の左側面部43において、左前支柱部48と左後支柱部49との間には、上下方向を長手方向とする矩形状の左後窓部51が設けられている。左後窓部51は、下部側面部47の後部の上縁部と、左前支柱部48と、左後支柱部49と、天井部45の後部とにより形成された矩形状の枠部分に対して矩形状のガラス等の透明板52が取り付けられることにより構成されている。
また、キャビン40の左側面部43において、左前支柱部48の前側には、左前窓部53が設けられている。左前窓部53は、前側の辺部を、前面部41の略上半部の前傾状の傾斜に沿わせ、逆台形状の形状を有する。左前窓部53は、下部側面部47の前部の上縁部と、左前支柱部48と、天井部45の前部とにより形成された前側開放の逆台形状に沿う枠部分に対して逆台形状のガラス等の透明板54が取り付けられることにより構成されている。
キャビン40の右側面部44は、その前部に立設された右前支柱部55と、後部に立設された右後支柱部56とを有する。右前支柱部55および右後支柱部56は、いずれも上下方向を長手方向とし、互いに略平行状に設けられている。右前支柱部55は、キャビン40の上下方向について略全体にわたって設けられており、キャビン40の左側面部43の左前支柱部48よりも前側に位置する(図4参照)。
右前支柱部55は、その上側の過半部分をなす直線状(同幅状)の上柱部55aと、上柱部55aに対して下側に連続する下柱部55bとを有する。下柱部55bは、前側の辺部を、前面部41の略下半部の前下がりの傾斜に沿わせ、側面視で縦長の略台形状の形状を有する。下柱部55bの前側の辺部は、キャビン40の左側面部43を構成する下部側面部47の前側の辺部に対して、側面視で重なるように平行状となっている。右前支柱部55と右後支柱部56との間に、開閉扉57が設けられている。
開閉扉57は、右後支柱部56に対して上下2箇所に設けられた支持部58により上下方向を回動軸方向として回動可能に支持されている(図4参照)。開閉扉57は、支持部58を回動中心として、前縁部を右前支柱部55に設けられた扉受け部に接触させた閉位置から、キャビン40に対して作業者16が乗降できるように外方に大きく開いた開位置までの範囲で回動するように設けられている。
開閉扉57は、右側面部44の外形に沿って右側面部44の大部分を構成するように設けられている。開閉扉57は、その外形に沿うフレーム部の外側(右側)に、ガラス等の透明板57a,57bが上下2分割の態様で張設された構成を有し、略全体を透明部分とする。開閉扉57の前側の下寄りの位置には、取手59が設けられている。
また、キャビン40の右側面部44において、右前支柱部55の上柱部55aの前側には、右前窓部60が設けられている。右前窓部60は、前側の辺部を、前面部41の略上半部の前傾状の傾斜に沿わせ、逆三角形状の形状を有する。右前窓部60は、右前支柱部55の上柱部55aの前縁部と、天井部45の前部とにより形成された前側開放の逆三角形状に沿う枠部分に対して逆三角形状のガラス等の透明板61が取り付けられることにより構成されている。
キャビン40の前面部41は、その上側の過半部分を構成する前傾状の傾斜状の前上面部41aと、前面部41の略下半部を構成する前下がりの傾斜状の前下面部41bとを有し、全体として後側に凹の屈曲形状を有する。すなわち、前上面部41aは、上側から下側にかけて前側から後側に傾斜しており、前下面部41bは、上側から下側にかけて後側から前側に傾斜しており、前面部41は、側面視で略横「V」字状をなす(図3、図4参照)。
また、キャビン40の前面部41の上端部、つまり前上面部41aの上端部は、前面部41の下端部、つまり前下面部41bの下端部よりも前側に位置する。すなわち、前面部41の上端側は下端側に対して前方に張り出している。なお、前面部41の略上半部の前傾状の傾斜角度は、例えば、鉛直方向に対して20°程度である。また、前面部41の略下半部の前下がりの傾斜角度は、例えば、鉛直方向に対して10°程度である。
前面部41は、その上下中間部に横架された横支持フレーム部70を有する。横支持フレーム部70は、前面部41において左右方向に延設された幅広の略帯板状ないし横長の略矩形板状の形状を有する。横支持フレーム部70は、鋼板等の金属製の部材により構成されている。横支持フレーム部70は、前側の板面部である前面部70aと、後側の板面部である後面部70bとを有する。
横支持フレーム部70は、前面部41の前下面部41bの上縁部に沿って設けられている。詳細には、図9および図10に示すように、横支持フレーム部70は、左側面部43を構成する下部側面部47の前縁の上端部と、右前支柱部55の下柱部55bの上端部との間に架設されている。横支持フレーム部70は、その前面部70aを、キャビン40の前面部41の前下面部41bの傾斜に沿わせている。
キャビン40の前面部41は、その構成部分として、横支持フレーム部70の上側に設けられた上透明部71と、横支持フレーム部70の下側に設けられた下透明部72とを有する。
上透明部71は、キャビン40の前面部41における横支持フレーム部70の上側に、ガラスやアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる矩形状の上部透明板73が張設されることにより構成されている。上部透明板73は、全体的に前側を凸側とするように左右方向についてわずかに湾曲している(図6参照)。
上部透明板73は、キャビン40の天井部45の下面部の前部において左右方向に延設された上取付縁部74、および横支持フレーム部70の上側縁部に沿って左右方向に延設された下取付縁部75のそれぞれに対して、ボルト等の固定具76により固定されている。つまり、上部透明板73は、その上縁部を上取付縁部74に支持させるとともに、下縁部を下取付縁部75に支持させた状態で、各取付縁部に対して、上部透明板73の上・下縁部を貫通する複数の固定具76により固定されている。本実施形態では、上部透明板73は、上・下縁部各3箇所、計6箇所で固定具76により固定されている。なお、上取付縁部74および下取付縁部75は、上部透明板73の微小な湾曲形状に沿うように左右方向についてわずかに湾曲している。
上透明部71は、前面部41の前上面部41aの略全体をなす。つまり、上透明部71を構成する上部透明板73は、傾斜面部である前上面部41aの略全体をなすように、上取付縁部74と、この上取付縁部74の後下方に位置する下取付縁部75とに固定されることで、前傾の傾斜状に張設されている。
上部透明板73の下端部が固定される下取付縁部75は、横支持フレーム部70の上側において、横支持フレーム部70の上縁部に沿うように設けられた帯板状の部分である。下取付縁部75は、上部透明板73の前傾の傾斜状に沿うように設けられており、横支持フレーム部70に対して側面視で横支持フレーム部70とともに屈曲状をなすように設けられている。
図8および図10に示すように、上透明部71を構成する上部透明板73の左側には、キャビン40の左側面部43において左前窓部53を構成する逆台形状の透明板54が、その前側の斜辺部を上部透明板73の左辺部に合わせるように、かつ、平面視で上部透明板73とともに略直角をなすように設けられている。また、上部透明板73の右側には、キャビン40の右側面部44において右前窓部60を構成する逆三角形状の透明板61が、その前側の斜辺部を上部透明板73の右辺部に合わせるように、かつ、平面視で上部透明板73とともに略直角をなすように設けられている。したがって、キャビン40の前面部41の上透明部71と、キャビン40の左側面部43の左前窓部53と、キャビン40の右側面部44の右前窓部60とにより、キャビン40の前側の上部において、前方・左方・右方の三方に面する連続的な透明部分が構成されている。
下透明部72は、キャビン40の前面部41における横支持フレーム部70の下側に、ガラスやアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる略矩形状の下部透明板77が張設されることにより構成されている。下部透明板77は、全体的に前側を凸側とするように左右方向についてわずかに湾曲している。
下部透明板77は、横支持フレーム部70の前面部70a、およびキャビン40の床部46の前端側に設けられた前下フレーム部78のそれぞれに対して、ボルト等の固定具79により固定されている。つまり、下部透明板77は、その上縁部を横支持フレーム部70の前面部70aに支持させるとともに、下縁部を前下フレーム部78に支持させた状態で、各部に対して、下部透明板77の上・下縁部を貫通する複数の固定具79により固定されている。本実施形態では、下部透明板77は、上・下縁部各3箇所、計6箇所で固定具79により固定されている。なお、横支持フレーム部70の前面部70aおよび前下フレーム部78は、下部透明板77の微小な湾曲形状に沿うように左右方向についてわずかに湾曲している。
下部透明板77の取付構造は、詳細には次のとおりである。図10に示すように、キャビン40の前面部41の前下面部41bにおいては、横支持フレーム部70の前面部70aと、左側面部43を構成する下部側面部47の前端面47aと、右前支柱部55の下柱部55bの前端面55cと、前下フレーム部78の前面78aとにより、矩形状の開口80を形成する矩形枠状の略面一の取付面が形成されている。かかる枠状の取付面に対し、下部透明板77が、その上下左右の縁部を支持させた状態で、開口80を前側から塞ぐように張設されている。なお、下部透明板77の裏側には、下部透明板77の外形に沿うとともに開口80の開口形状に沿う開口部115aを有する枠状の介装板115が重なっている。つまり、介装板115は、上記の枠状の取付面と、下部透明板77との間に挟まれた状態で、固定具79によって下部透明板77とともに枠状の取付面に固定される。
図10および図11に示すように、下部透明板77の上縁部の左右中間部には、逆台形状の凹部77aが形成されている。したがって、矩形状の外形に沿う下部透明板77において、その上端部の左右両側に、左右外側を略直角とする略台形状に沿う突形状部77bが形成されている。
詳細には、凹部77aは、左右中央部の水平状の下辺部77cと、下辺部77cの左右両側に連続する外高内低の斜辺部77dとにより形成されている。また、突形状部77bは、凹部77aを形成する斜辺部77dと、斜辺部77dの左右外側に連続する水平状の辺部であって下部透明板77の上端辺部となる上辺部77eと、上辺部77eに対して直角状をなす辺部であって下部透明板77の左右辺部である縦辺部77fとにより形成されている。このように凹部77aにより左右に突形状部77bを有する下部透明板77は、上縁部において略「V」字状をなし、全体として略左右対称な形状を有する。
そして、下部透明板77は、その上側の支持部分について、横支持フレーム部70の前側において、略「V」字状をなす左右の突形状部77bの部分を、横支持フレーム部70にオーバーラップさせた状態で支持されている。つまり、図11に示すように、キャビン40の正面視において、下部透明板77の上部左右の台形状の突形状部77bは、介装板115の突形状部77bに対応した台形状の部分を介して、横支持フレーム部70の前面部70aに支持されている。このように、下部透明板77の上端部は、左右の突形状部77bを、左右方向に長い帯状の外形をなす横支持フレーム部70に対して前側から重ねた状態で、介装板115を介して横支持フレーム部70に支持されている。
このような下部透明板77の上部の支持構造において、下部透明板77の突形状部77bの上下高さH1が、横支持フレーム部70の上下幅の寸法と略一致している(図11参照)。つまり、下部透明板77は、その上縁部において左右中間部の凹部77aおよび左右の突形状部77bによる凹凸形状を有し、上下方向について、横支持フレーム部70に対して、左右の突形状部77bの上下高さH1分の重複部分を有しながら支持されている。このように、下部透明板77は、突形状部77bの略全体を横支持フレーム部70に重ねた状態で支持されている。なお、図11においては、下部透明板77を薄墨部分として表しており、下部透明板77を透けて見える部分はそのまま表している。
また、横支持フレーム部70の前面部70aの左右中間部には、カバー板81が取り付けられている。カバー板81は、下部透明板77の横支持フレーム部70に対する支持部分の左右中間部を覆い、横支持フレーム部70との間に下部透明板77の上縁部の中間部を介装させている。詳細には次のとおりである。
カバー板81は、下部透明板77の凹部77aの形状に沿うとともに凹部77aの寸法よりもわずかに大きい逆台形状の外形を有する略板状の部材である。カバー板81は、凹部77aをなす下辺部77cおよび斜辺部77dに沿う下縁部を、下辺部77cおよび斜辺部77dに対して前側から重ね、凹部77aの部分を前側から覆った態様で取り付けられている。つまり、下部透明板77において凹部77aを形成する下辺部77cおよび斜辺部77dに沿う縁部は、カバー板81の下縁部に対する重複部分となる。このように、横支持フレーム部70とカバー板81とに挟まれる下部透明板77の上縁部の左右中間部には、カバー板81の逆台形状に沿う凹部77aが形成されている。なお、カバー板81の上下方向の寸法は、横支持フレーム部70の上下幅と略同じである。また、カバー板81は、図示せぬボルト等の固定具によって横支持フレーム部70等に固定されている。
一方、横支持フレーム部70側においては、その下縁の左右中央部には、下部透明板77の凹部77aの形状に沿うように、逆台形状に突出した突片部70cが形成されている。突片部70cは、横支持フレーム部70の左右両側の部分に対して下方に突出した部分であり、横支持フレーム部70の左右中間部の上下幅を部分的に拡大させる。したがって、突片部70cは、カバー板81の下側に位置する。
突片部70cは、横支持フレーム部70の一部として下部透明板77の上縁部を支持する部分であり、この突片部70cの部分に、下部透明板77を固定する固定具79による固定部が位置している。なお、下部透明板77の後側に重なる介装板115においても、突片部70cに重なる逆台形状の突片部115cが設けられている。
また、下部透明板77と、上述のとおり開口80を形成する下部透明板77の枠状の取付面との間には、下部透明板77の外形に沿った帯状ないし線状の弾性材からなるクッション部材82が介装されている。クッション部材82としては、下部透明板77の外形に沿って上部において略「M」字状の部分を有しながら開口80の全体を囲む第1のクッション部材82aと、第1のクッション部材82aの上方に位置し凹部77aを含む下部透明板77の上縁に沿う略「V」字状の第2のクッション部材82bとが設けられている。
このような支持構造を有する下部透明板77により構成された下透明部72は、前面部41の前下面部41bの大部分をなす。つまり、下透明部72を構成する下部透明板77は、傾斜面部である前下面部41bの横支持フレーム部70より下側の大部分をなすように、横支持フレーム部70と、この横支持フレーム部70の前下方に位置する前下フレーム部78とに固定されることで、前下がりの傾斜状に張設されている。
キャビン40の天井部45は、平面視で略矩形枠状に構成された上フレーム部83と、上フレーム部83を全体的に被覆するように設けられたハウジング部84とを有する。天井部45は、前縁部を、前面部41の上端部に対して庇状に突出させている。天井部45の前端面部には、複数の(本実施形態では5個の)照明部85が横並びに設けられている。
キャビン40の床部46は、水平面状の前床部86と、前床部86に対して前上方に向けて膨出状に形成された後床部87とを有する。後床部87は、前床部86の後上方に、略水平面状の上段差面部87aを形成する。上段差面部87a上に、運転席15が設けられている。運転席15は、座部15aと背もたれ部15bとを有する。前床部86は、床部46において、運転席15とキャビン40の前面部41との間の部分となる。そして、床部46における、開閉扉57の前縁部を支持する右前支柱部55の扉受け部と、運転席15の前端縁部との間の部分が、キャビン40内における作業者の乗降通路となり、この乗降通路の上方の空間が作業者の乗降空間となる。
以上のような構成を備えたキャビン40において、運転部12に設けられたハンドル部30は、横支持フレーム部70に支持されている。ハンドル部30およびその支持構成について、図12から図14を用いて説明する。
ハンドル部30は、操向操作具としてのステアリングホイール91と、ホイール支軸92と、支持ケース93とを有する。ステアリングホイール91は、円環状の把持部を含み、支持ケース93に対して、ホイール支軸92を介して支持されている。ステアリングホイール91の中央部には、液晶モニタ等を有する表示装置94が設けられている。なお、キャビン40内において、ステアリングホイール91の右上方には、コンバイン1が備えるバックモニターカメラやオ―ガモニターカメラからの映像を表示するためのデユアルモニタ95が設けられている。
また、ステアリングホイール91の右方には、穀粒搬出部14を構成する排出オーガを操作するためのリモートコントローラ114が設けられている。リモートコントローラ114には、例えば、排出オーガの左右旋回や仰角の変更をマニュアルで操作するためのボタンや、排出オーガを自動で旋回させるためのボタンや、排出オーガからの穀粒の排出を開始させるためのボタン等、排出オーガを操作するための各種操作部が設けられている。本実施形態において、リモートコントローラ114は、有線式のものであり、コンバイン1が備えるコントローラに接続されている。
ハンドル部30は、横支持フレーム部70の左右中央部に支持された状態で設けられている。具体的には、図9、図12および図13に示すように、ハンドル部30は、横支持フレーム部70の後面部70bに後方に向けて突設された左右一対のハンドル支持板部96間に支持ケース93の部分が支持されることで、横支持フレーム部70に対して支持されている。
ハンドル支持板部96は、左右方向を板厚方向とする略矩形板状の部分であり、横支持フレーム部70の後面部70bに対して垂直状に突設されている。左右一対のハンドル支持板部96は、互いに対向するように平行状に設けられている。
ハンドル支持板部96は、略「L」字状に屈曲した板状部材であるハンドル支持体97が横支持フレーム部70に固定されることで設けられている。ハンドル支持体97は、略「L」字状の一方の辺部(面部)をなす固定板部97aと、他方の辺部(面部)であってハンドル支持板部96をなす支持板部97bとを有する。ハンドル支持体97は、固定板部97aを左右外側とする向きで、固定板部97aを横支持フレーム部70に対して後面部70b側からボルト99により固定させることで、横支持フレーム部70に固定されている。
ハンドル部30の支持ケース93は、略平面状の左右の側面93a,93aを有し、各側面93aをハンドル支持板部96(支持板部97b)の内側の板面に対向させた状態で、各ハンドル支持板部96に対して、ボルト等の支持具101により支持されている。支持ケース93の左右の側面93a,93aの部分における左右方向の寸法は、左右のハンドル支持板部96間の寸法と略同じである。
支持具101は、ハンドル支持板部96の上前の角部を貫通して支持ケース93に側面93aから螺挿され、ハンドル支持板部96に対して支持ケース93を支持する。左右の支持具101,101は、左右方向に沿う共通の軸線上に配置されている。そして、支持ケース93は、左右のハンドル支持板部96間において、左右の支持具101が位置する左右方向の軸線を中心に回動可能に支持されている。
ハンドル部30は、左右のハンドル支持板部96に対する支持ケース93の支持具101による支持位置を中心とした回動により前後に傾動し(図14、矢印A1参照)、その傾動位置の調整が可能に構成されている。ハンドル部30の前後の傾動位置の調整機構は次のとおりである。
図12および図13に示すように、左右一側(本実施形態では左側)のハンドル支持板部96の左右外側(左側)には、傾動支持プレート102が設けられている。傾動支持プレート102は、略三角形状の板状部材であり、左側のハンドル支持板部96に重なるように設けられている。傾動支持プレート102は、前上側の頂部に、支持ケース93を支持する左側の支持具101を貫通させることで、左側のハンドル支持板部96に対して回動可能に支持されている。
一方、傾動支持プレート102は、その後上側の頂部を貫通するボルト等の締結具103により、支持ケース93に固定されている。つまり、締結具103は、傾動支持プレート102を貫通し、支持ケース93に対して左側の側面93aから螺挿され、傾動支持プレート102に対して支持ケース93を支持している。このような構成により、傾動支持プレート102は、支持具101による支持位置を中心として、支持ケース93と一体的に回動するように設けられている。
また、傾動支持プレート102の下端部は、左側のハンドル支持板部96に対して、支持位置が可変な可変支持部104により支持されている。可変支持部104は、傾動支持プレート102およびハンドル支持板部96を貫通してハンドル支持板部96に傾動支持プレート102を支持する支軸部105と、支軸部105を回動操作するための操作レバー106とを有する。
支軸部105は、ハンドル支持板部96に対して所定の位置で軸回転可能に支持された状態で設けられており、軸回転することで、締結作用により、傾動支持プレート102をハンドル支持板部96に対して固定するように構成されている。支軸部105は、傾動支持プレート102の下端部に形成された長孔102aにより、傾動支持プレート102を貫通している。長孔102aは、支持具101の支持位置を中心とする円周に沿う弧状に沿う形状を有する。長孔102aにより、傾動支持プレート102の支持具101による支持位置を中心とするハンドル支持板部96に対する回動が許容される。
操作レバー106は、支軸部105に対して、傾動支持プレート102の左右外側(左側)に設けられている。操作レバー106は、支軸部105に外嵌され支軸部105と一体的に回動する円筒状のボス部106aと、ボス部106aの外周面から延設されたレバー本体部106bとを有する。レバー本体部106bにより操作レバー106を回動操作することで、ボス部106aと一体的に支軸部105が回動(軸回転)する。
以上のような構成により、操作レバー106の操作によって支軸部105の締結作用を緩めることで、傾動支持プレート102がハンドル支持板部96に対して回動可能な状態、つまり傾動支持プレート102と一体的に回動する支持ケース93が支持具101による支持位置を中心として回動可能な状態となる。かかる状態において、支持ケース93の回動位置、つまりハンドル部30の傾動位置が調整される。そして、ハンドル部30の傾動位置の調整後、操作レバー106によって支軸部105を回動させ、支軸部105の締結作用により、傾動支持プレート102をハンドル支持板部96に固定させる。これにより、支持ケース93がハンドル支持板部96に対して固定され、ハンドル部30が固定支持された状態となる。
以上のような構成により、ハンドル部30は、キャビン40の前面部41を構成する横支持フレーム部70に支持されている。そして、ハンドル部30は、傾動支持プレート102を含む位置調整機構により、前後の傾動位置が調整可能に構成されている。
ハンドル部30のステアリングホイール91よりも下の部分は、ステアリングケース110内に収容されている。ステアリングケース110は、横支持フレーム部70の後側において、横支持フレーム部70の中央部を上下方向に横切るように設けられており、横支持フレーム部70に対して後側に膨出した形状を有する。
ステアリングケース110は、その略上半部を構成するケース本体部111と、略下半部を構成する下ケース部112とを有する。ケース本体部111は、略筒状に構成されており、上左ケース部111aと上右ケース部111bとにより、略左右対称な2分割構造となっている。ケース本体部111は、下側を開放させ、ケース本体部111の内部空間は、下ケース部112の内部空間と連通している。ケース本体部111を構成する各ケース部は、例えば、ハンドル部30の支持ケース93に対して、あるいは横支持フレーム部70に対して、ステー等を介して固定されている。
下ケース部112は、前面側および上面側を開放させた背面視略矩形状のケース部材により構成されている。下ケース部112は、ケース本体部111に対して略連続した形態をなすように、上部を後側に膨出させるとともに、上側から下側にかけて徐々に前後方向の寸法を小さく(薄く)した形状を有する(図14参照)。すなわち、下ケース部112は、その上部を構成する膨出部112aと、膨出部112aに対して下側に連続して下ケース部112の下部を構成する偏平部112bとを有する。
ケース本体部111と下ケース部112との境界部分は、略水平面に沿い、横支持フレーム部70の上下幅の略中央部に位置する。このように、ステアリングケース110は、ケース本体部111および下ケース部112により構成されており、上部から下部にかけて、つまりケース本体部111から下ケース部112の膨出部112a、偏平部112bにかけて、徐々に後側への膨出量を減らすような形態を有し、側面視で下細りの形状を有する。
ステアリングケース110の上端部、つまりケース本体部111の上部は、横支持フレーム部70の上縁からわずかに突出している。また、ステアリングケース110の下側の部分、つまり下ケース部112の下部は、横支持フレーム部70の下縁から下方に突出している。ステアリングケース110は、下ケース部112の偏平部112bを、横支持フレーム部70の左右中央部の下縁から後面視で矩形状に突出させている。なお、ハンドル部30の傾動位置調整用の操作レバー106は、下ケース部112の膨出部112aの左側面部から外部に露出している。
このように、ステアリングケース110は、キャビン40の床部46から浮いた状態、つまり床部46とは縁切りされた状態で設けられたハンドル部30のステアリングホイール91よりも下側の部分を収納した状態で設けられている。
ステアリングケース110の下方には、運転席15に着座した状態の作業者に対するフットレスト120が床部46上に設けられている。フットレスト120は、運転席15に着座した作業者用のものである。フットレスト120は、キャビン40の床部46の前部に設けられている。フットレスト120は、上記のとおりステアリングケース110の下方の位置に設けられており、床部46上において、床部46の前端部の左右方向の中央部に設けられている。フットレスト120は、作業者の足を載せる載置面をなす板状のフットレスト本体部120aを有する。
また、フットレスト120の左斜め後方の位置には、ブレーキペダル113が設けられている。ブレーキペダル113は、運転席15の左方に位置するサイドコラム32の右側面から突設され前方に延出したアーム部の前端部にペダル本体部を設けた構成を有する。
また、横支持フレーム部70とフットレスト120との間には、センターポスト121が架設されている。センターポスト121は、円環状の横断面形状を有するパイプ状の部材により構成されており、その上端部を横支持フレーム部70に支持させるとともに、ステアリングケース110の下端から下方に延出し、下端部をフットレスト120に支持させている。センターポスト121の支持構成について具体的に説明する。
図12および図15に示すように、センターポスト121の上端部は、ポスト上端部支持部材122を介して、横支持フレーム部70に固定支持されている。ポスト上端部支持部材122は、ハンドル部30の支持ケース93を支持する左右一対のハンドル支持板部96を構成するハンドル支持体97の下端部間に架設されている。ハンドル支持体97の下端部には、ポスト上端部支持部材122を支持するための支持面部97cが設けられている。支持面部97cは、支持板部97bに対してその下端部から左右内側に直角状に屈曲形成された上下方向を板厚方向とする板状の部分である。
図15に示すように、ポスト上端部支持部材122は、上下方向を板厚方向とする板状の固定板部122aと、固定板部122aの前端部から固定板部122aに対して直角状に下方に屈曲形成された縦板部122bと、固定板部122aから後上側に延設されたカバー支持面部122cとを有する屈曲板状の部材である。固定板部122aおよび縦板部122bの左右中央部には、センターポスト121を収め入れるための切欠部122dが形成されている。
ポスト上端部支持部材122は、その固定板部122aを、左右の支持板部97bに対して下側から重ねた状態で、ボルト等の固定具123によりハンドル支持体97に固定される。このように左右のハンドル支持体97に対して固定された状態のポスト上端部支持部材122に対して、センターポスト121が、その上端部を切欠部122dに下側から挿入させた状態で、溶接等によってポスト上端部支持部材122に固定される。このように、センターポスト121の上端部は、ポスト上端部支持部材122およびハンドル支持体97を介して、横支持フレーム部70の後面部70b側に固定されている。なお、図13においては、便宜上、センターポスト121およびポスト上端部支持部材122の図示を省略している。
また、ポスト上端部支持部材122は、そのカバー支持面部122cにより、ステアリングケース110を構成する下ケース部112を固定支持する。カバー支持面部122cは、前後方向を板厚方向とする左右に長い矩形板状の部分であり、その後側の板面を下ケース部112の支持面とする。下ケース部112は、左右両側の2本のボルト等の締結具124により、カバー支持面部122cに固定されている。締結具124は、下ケース部112の上部の左右両側に形成された貫通孔112cを貫通し、カバー支持面部122cの左右両端部を貫通した状態でカバー支持面部122cの前側に配置されたナット部材に螺挿され締結される。
また、下ケース部112は、センターポスト121の中途部に設けられたカバー支持ステー125に対しても固定支持されている。カバー支持ステー125は、センターポスト121の後側から水平状に延出された横支持面部125aと、横支持面部125aの後端から横支持面部125aに対して直角状に設けられた縦支持面部125bとを有する略「L」字状の屈曲板状の部材である。カバー支持ステー125は、横支持面部125aに形成された凹状の切欠部125cにセンターポスト121の後側の外周面部を受け入れた状態で、溶接等によってセンターポスト121に固定されている。
縦支持面部125bは、前後方向を板厚方向とする矩形板状の部分であり、その後側の板面を下ケース部112の支持面とする。下ケース部112は、ボルト等の締結具126により、縦支持面部125bに固定される。締結具126は、下ケース部112の下部に形成された貫通孔112dを貫通し、縦支持面部125bを貫通した状態で縦支持面部125bの前側に配置されたナット部材に螺挿され締結される。
このように、下ケース部112は、ポスト上端部支持部材122のカバー支持面部122cに対して左右2箇所、センターポスト121に固設されたカバー支持ステー125に対して1箇所、計3箇所で固定支持されている。
センターポスト121は、全体として側面視で鉛直方向に対して前下がりの向きに傾斜しており、鉛直方向に対する傾斜角度が比較的大きい上半部121aと、鉛直方向に対する傾斜角度が比較的小さくキャビン40の前下面部41bの傾斜に沿うように配された下半部121bとによる屈曲状の形状を有する。センターポスト121は、その屈曲部を下ケース部112内に位置させ、下ケース部112から下半部121bを下方に延出させている。なお、下ケース部112を支持するカバー支持ステー125は、センターポスト121の屈曲部の近傍となる、下半部121bの上端部に設けられている。
図8、図9および図10に示すように、センターポスト121の下端部は、ポスト下端部支持部材127を介して、フットレスト120を構成する支持基部120bに固定支持されている。
フットレスト120の支持基部120bは、フットレスト本体部120aを回動可能に支持する部分であり、キャビン40の床部46を構成する部材に支持固定されている。支持基部120bは、左右の側面部および後面部を有し、平面視で前側を開放側とする略「コ」字状に構成されている。
ポスト下端部支持部材127は、図15に示すように、左右の側面部127a,127aと、前面部127bと、上面部127cとを有する略箱状の部材である。ポスト下端部支持部材127は、フットレスト120の支持基部120bの左右の側面部間に介装された状態で、ボルト等によって支持基部120bに固定されている。
ポスト下端部支持部材127の前側の左右中央部には、センターポスト121の下端部を受け入れる部分として、前側を開放側とする切欠状の挿嵌部127dが形成されている。挿嵌部127dは、上面部127cの前側に形成された、センターポスト121の外周面部に沿う円弧状の切欠部と、前面部127bを左右に二分する切欠部とからなる。ポスト下端部支持部材127は、挿嵌部127dにセンターポスト121の後端部を受け入れた状態で、溶接等によってセンターポスト121に固定されている。
以上のように、センターポスト121の上端部は、ポスト上端部支持部材122およびハンドル支持体97を介して横支持フレーム部70に固定支持されている。また、センターポスト121の下端部は、ポスト下端部支持部材127を介して、フットレスト120を構成する支持基部120bに固定支持されている。
また、本実施形態に係るコンバイン1においては、横支持フレーム部70に対して、内装パネル部130が設けられている。内装パネル部130は、横支持フレーム部70の後側に設けられ、横支持フレーム部70とともに中空部130aを構成する。
内装パネル部130は、横支持フレーム部70の後側に内装パネル体131が取り付けられることにより構成されている。内装パネル体131は、左右方向を長手方向とする板状部材であり、その短手方向となる上下方向については、横支持フレーム部70の幅寸法(上下方向の寸法)と略同じ寸法を有する。内装パネル体131は、例えばPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂を素材として射出成形により形成された樹脂成形部材である。
内装パネル部130は、横支持フレーム部70とともに、横支持フレーム部70の延設方向である左右方向を長手方向とする空間を形成する。つまり、横支持フレーム部70と内装パネル部130とにより、横断面において略閉断面形状(略環状)をなす中空パイプ状のフレーム部分が構成されている。
本実施形態では、上述のとおり、ハンドル部30は、横支持フレーム部70の左右中央部に設けられている。このような構成において、内装パネル部130は、横支持フレーム部70に対するハンドル部30の支持部の左右両側に設けられている。
つまり、本実施形態では、内装パネル部130として、横支持フレーム部70に対するハンドル部30の支持部を覆うステアリングケース110の左側に配置された左側内装パネル部130Lと、ステアリングケース110の右側に配置された右側内装パネル部130Rとが設けられている。左側内装パネル部130Lは、左側内装パネル体131Lが取り付けられることにより構成されており、右側内装パネル部130Rは、右側内装パネル体131Rが取り付けられることにより構成されている。左右の内装パネル部130(130L,130R)は、略左右対称に構成されている。
左右の内装パネル部130は、それぞれ、横支持フレーム部70に対し、その左右中央部に設けられたステアリングケース110の左右外側の部分の略全体にわたって設けられている。つまり、左側内装パネル部130Lは、横支持フレーム部70のステアリングケース110よりも左側の部分の全体にわたって横支持フレーム部70に沿うように設けられている。また、右側内装パネル部130Rは、横支持フレーム部70のステアリングケース110よりも右側の部分の全体にわたって横支持フレーム部70に沿うように設けられている。
したがって、左側内装パネル体131Lは、ステアリングケース110の左側面部と、サイドコラム32の上面部の前側から左側にかけて設けられた化粧板部32aの前右端部との間に介装された態様で設けられている。また、右側内装パネル体131Rは、ステアリングケース110の右側面部と、右前支柱部55の上下中間部分の左側面部との間に介装された態様で設けられている。
このようにステアリングケース110を間に介して左右両側に設けられた内装パネル部130に対し、ステアリングケース110は、後側に膨出状に突出している。すなわち、横支持フレーム部70の後側であって左右の内装パネル部130の間において、ステアリングケース110により、横支持フレーム部70および内装パネル部130により構成された中空パイプ状のフレーム部分を上下方向に横切るような態様で、左右幅広の突条部分が構成されている。
また、内装パネル部130は、後方側を突側とする膨出形状を有する。具体的には、内装パネル部130は、図14に示すような横断面において、後側を突側とするように膨出した形状を有する。つまり、内装パネル部130は、上下方向について、後側を突側とする湾曲形状を有する。
詳細には、図9および図16に示すように、内装パネル部130を構成する内装パネル体131は、左右方向を長手方向とする板状部材であって、その主たる部分を構成する部分として、後側を突側とする膨出部131aを有する。膨出部131aの下側には、内装パネル体131の下縁部を構成する平板状の下縁平板部131bが設けられている。下縁平板部131bは、横断面形状において膨出部131aから下方に延設されており、前後方向を板厚方向とする帯板状の部分である。また、膨出部131aの上端部からは、内装パネル体131の上面部を構成する前方屈曲板部131cが設けられている。前方屈曲板部131cは、膨出部131aに対して前方に略直角状に屈曲形成されており、略上下方向を板厚方向とする板状の部分である。
内装パネル体131は、横支持フレーム部70の後面部70b側に設けられた上支持ステー132および下支持ステー133に固定されることで、横支持フレーム部70に取り付けられている(図14参照)。上支持ステー132および下支持ステー133は、横支持フレーム部70の左右両側において、左右の内装パネル体131それぞれに対応して設けられている。
上支持ステー132は、横支持フレーム部70の上縁部に沿って設けられており、横断面視において前側を開放側とする略「コ」字状をなすように構成されている(図14参照)。上支持ステー132は、略上下方向を板厚方向とする板状の部分である上面部132aを有する。
下支持ステー133は、横支持フレーム部70の下縁部に沿って設けられており、横断面視において略「L」字状をなすように構成されている。下支持ステー133は、略「L」字状をなす部分として、横支持フレーム部70の後面部70bに対して垂直状に設けられた横面部133aと、横面部133aの後端部から横面部133aに対して直角状に設けられた縦面部133bとを有する。
このような上支持ステー132および下支持ステー133に対し、内装パネル体131は、次のようにして固定支持されている。内装パネル体131は、上支持ステー132に対しては、その上面部132aに対して、前方屈曲板部131cを上側から重ね、前方屈曲板部131cおよび上支持ステー132を貫通するボルト等の固定具134により固定されている。固定具134による固定部は、左右2箇所に設けられている。
一方、内装パネル体131は、下支持ステー133に対しては、その縦面部133bに対して、下縁平板部131bを後側から重ね、縦面部133bおよび下縁平板部131bを貫通するボルト等の固定具135により固定されている。固定具135による固定部は、左右2箇所に設けられている。
以上のようにして、左右の内装パネル体131は、それぞれ上支持ステー132および下支持ステー133により、横支持フレーム部70に対して取り付けられている。そして、内装パネル体131は、横支持フレーム部70に取り付けられた状態で、横支持フレーム部70とともに中空部130aを構成するとともに、平板状の横支持フレーム部70に対して、膨出部131aにより、後方側を突側とする膨出形状を有する。なお、図14に示すように、上支持ステー132の前側(図14において左側)の開放部は、キャビン40の前面部41を構成する上部透明板73の下縁部を支持する下取付縁部75により覆われている。このように、ステアリングケース110の左右両側において、横支持フレーム部70と、その上縁部に沿って設けられた下取付縁部75と、内装パネル部130とにより、左右方向を長手方向とする中空状のフレーム部分が構成されている。
右側内装パネル部130Rを構成する右側内装パネル体131Rには、エンジン11を始動または停止させるキースイッチ136を配置するための開口部を含む右スイッチ配置部131dが設けられている。右スイッチ配置部131dは、右側内装パネル体131Rの右側の端部に設けられている。
キースイッチ136は、エンジン11を制御するエンジンコントローラとバッテリとの間の接続経路において設けられた電源印加用のスイッチである。なお、キースイッチ136は、板状の支持ステー136aを介して、右側内装パネル体131Rが取り付けられる下支持ステー133に支持されている。
一方、左側内装パネル部130Lを構成する左側内装パネル体131Lには、再生スイッチ137およびコンビネーションスイッチ138の各スイッチを配置するための開口部を含む左スイッチ配置部131eが設けられている。左スイッチ配置部131eは、左側内装パネル体131Lの左側寄りの位置に設けられている。
再生スイッチ137は、上述したようにエンジン11に搭載されたDPFの実行の可否を操作選択するためのスイッチである。再生スイッチ137は、ランプ付きスイッチであり、そのランプの点滅により、DPFが詰まり状態であることが作業者に報知される。再生スイッチ137が入り操作されることで、DPFの再生が実行され、DPF内の粒子状物質等が燃焼される。DPFの再生が実行中であることは、再生スイッチ137の点灯により作業者に報知される。
また、コンビネーションスイッチ138は、警笛を鳴らすためのホーンボタンと、方向指示器を点滅させるためのフラッシャスイッチと、照明を点灯・消灯させるためのライトスイッチとを含む操作具である。コンビネーションスイッチ138の中央部に、ホーンボタンが設けられており、その周囲に、フラッシャスイッチおよびライトスイッチが、それぞれ略直方体状の回転操作部として設けられている。
このように、左右の内装パネル部130には、キースイッチ136や再生スイッチ137等の各種操作部が設けられている。すなわち、各内装パネル部130を構成する内装パネル体131に、キースイッチ136等の操作部を設置するための形状部分が各操作部の形態に応じて設けられており、その形状部分に対し、各種操作部が、内装パネル部130の表面側から操作可能な態様で設置されている。
また、横支持フレーム部70および内装パネル部130により構成された中空パイプ状のフレーム部分において、その中空部130a内に、キャビン40に配設される電気部品に対する配線が収納されている。
ここで、横支持フレーム部70に対して取り付けられた内装パネル部130により形成された中空部130aは、ステアリングケース110の内部空間にも連通している。詳細には、ステアリングケース110の下ケース部112の前側の縁部には、略矩形状の切欠部112eが形成されている(図14参照)。切欠部112eにより、下ケース部112と横支持フレーム部70との間に開口部110aが形成され、この開口部110aを介して、中空部130aと、ステアリングケース110の内部空間とが連通する。
このような構成において、ステアリングケース110の左右両側に設けられた中空部130aがそれぞれ個別に配線の収納空間として用いられてもよく、また、少なくとも左右いずれか一方の中空部130aが、ステアリングケース110の内部空間とともに連続的な配線の収納空間として用いられてもよい。したがって、中空部130a内に収納される配線には、左右のいずれかの中空部130a内に独立して収納されたものや、ステアリングケース110の内部空間から連続して延設収納されたもの等が含まれる。
中空部130aに収納される配線には、電気機械や電子機器や電装部品等の各種電気部品に対する配電用の電線や通信用のケーブル等が含まれる。中空部130a内に収納される配線としては、例えば、図5に示すように、上述したように内装パネル体131に配置されるキースイッチ136に接続された配線136w、再生スイッチ137に接続された配線137w、コンビネーションスイッチ138に接続された配線138w、リモートコントローラ114に接続された配線114w等が挙げられる。このように、電気部品としてのキースイッチ136、再生スイッチ137、およびコンビネーションスイッチ138の各部品から延出される配線が、中空部130a内に収納されている。
以上のように、本実施形態に係るコンバイン1においては、キャビン40の前面部41の上下中間部に横設された横支持フレーム部70と、横支持フレーム部70の後面側の左右中央部に設けられたステアリングケース110と、左右の内装パネル部130とにより、上透明部71と下透明部72との間に、概略的に左右方向に延びた一体的な横架状の部分、およびこの横架状の部分の中央部において下方に突出した部分を有する略「T」字状をなす構造体が構成され、この構造体の左右中央部の上側に、ハンドル部30のステアリングホイール91が配置された態様となっている(図8参照)。そして、上記の構造体における横架状の部分は、中空状に構成され、その中空部130a内に、電線や通信線等の各種配線が収納されている。
このような構成により、本実施形態に係るキャビン40は、各種配線をコンパクトにまとめて集中配置するとともに内装パネル体131等の被装部材により保護して外部への露出を低減させながら、上透明部71および下透明部72によるキャビン40の前面部41の全面的な透明構成と相俟って、キャビン40の前面部41について上下全体にわたってすっきりとした外観を呈している。
ここで、ハンドル部30のステアリングホイール91の操作により行われる、走行機体2の変速操向制御に関する制御構成について、図17を用いて説明する。
図17に示すように、コンバイン1は、その全体的な制御を行うためのコントローラ140を備える。コントローラ140は、各種演算処理や制御を実行するCPU、制御プログラムやデータを記憶させる記憶手段としてのPROM、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるためのRAM、センサやアクチュエータ等とデータのやり取りをするための入出力インターフェイス等を有する。
コンバイン1は、ステアリングホイール91の回動操作角度(操作量)を検出する旋回検出手段としての操向位置センサ141を有する。操向位置センサ141は、ハンドル部30を構成するホイール支軸92の下端部に設けられ、支持ケース93内に収納されている。また、コンバイン1は、主変速レバー34の前後回動操作位置(操作量)を検出する主変速位置センサ142を有する。主変速位置センサ142は、サイドコラム32内における主変速レバー34の近傍に設けられている。また、コンバイン1は、副変速レバー35の前後回動操作位置(操作量)を検出する副変速位置センサ143を有する。副変速位置センサ143は、サイドコラム32内における副変速レバー35の近傍に設けられている。
操向位置センサ141、主変速位置センサ142、および副変速位置センサ143は、コントローラ140に電気的に接続されており、各センサによる検出情報は、コントローラ140に適宜入力される。操向位置センサ141、主変速位置センサ142、および副変速位置センサ143は、例えば、ロータリエンコーダやロータリポテンショメータ等である。
コンバイン1においては、ステアリングホイール91、主変速レバー34、および副変速レバー35の操作構造として、ステアバイワイヤ方式の操作構造が採用されている。
ステアバイワイヤ方式においては、操向位置センサ141により検出されたステアリングホイール91の操作量が、電気信号に変換され、検出情報としてコントローラ140に送信される。また、主変速位置センサ142および副変速位置センサ143の各センサにより検出された主変速レバー34および副変速レバー35の各変速レバーの操作量が、電気信号に変換され、検出情報としてコントローラ140に送信される。操向位置センサ141、主変速位置センサ142、および副変速位置センサ143による検出情報を取得したコントローラ140は、その検出情報に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報に基づき、コンバイン1が備える走行手段を制御する。
コンバイン1の走行手段は、走行機体2を走行させるための手段であり、コントローラ140によって制御されている。コンバイン1の走行手段は、走行変速を行うための走行用HST146、および操向操作を行うための操向用HST147を有する。ここで、「HST」とは、油圧ポンプを駆動させることで発生させた油圧を油圧モータで再び回転力に変換する方式を採用した油圧式無段変速装置である。コントローラ140は、その生成した制御情報を、走行用HST146および操向用HST147に入力させ、その制御情報に基づいて、走行用HST146および操向用HST147を駆動制御する。コントローラ140による各HSTの駆動制御により、走行機体2の直進走行や旋回走行やスピンターン等が行われる。
走行用HST146は、互いに流体接続された構成として、可変容積型の走行ポンプ146Pと、可変容積型の走行モータ146Mとを有する。また、走行用HST146は、走行ポンプ146Pに対応する走行ポンプ用電磁弁146aと、走行モータ146Mに対応する走行モータ用電磁弁146bと、出力軸146cとを有する。走行用HST146においては、エンジン11からの動力を受けつつ走行ポンプ用電磁弁146aを介して、走行ポンプ146Pの調整駆動(走行駆動調整)が行われる。走行ポンプ146Pの調整駆動による走行モータ146Mの駆動は、出力軸146cに伝達される。
コンバイン1は、走行部4を構成する左右一対のクローラ部5,5に対して駆動力の伝達を行うための伝動機構148を備える。伝動機構148は、遊星歯車群等を含んで構成されている。伝動機構148は、左右の出力軸として、左側の第1出力軸148aおよび右側の第2出力軸148bとを有する。伝動機構148においては、入力された駆動力が、遊星歯車群等を介して左右の第1出力軸148aおよび第2出力軸148bに出力される。第1出力軸148aおよび第2出力軸148bは、それぞれ対応するクローラ部5の駆動輪である駆動スプロケット5a(図1参照)に駆動力を伝達する。これにより、クローラ部5が走行駆動する。また、コンバイン1は、副変速レバー35により操作される副変速機構149を備える。そして、走行用HST146の出力軸146cは、副変速機構149を介して伝動機構148に連動連結されている。
このような構成において、主変速レバー34の操作による主変速位置センサ142の検出情報に基づくコントローラ140からの制御情報により、基本的に走行ポンプ用電磁弁146aの制御が行われ、走行ポンプ146Pおよび走行モータ146Mの駆動制御によって出力軸146cから伝動機構148へ動力が伝達される。この際、副変速レバー35の操作による副変速位置センサ143の検出情報に基づくコントローラ140からの制御情報により、副変速機構149の制御が行われる。
したがって、主変速レバー34の操作により、主変速位置センサ142およびコントローラ140を介して、エンジン11の動力が、走行ポンプ146Pや走行モータ146M等を経由して、出力軸146cに伝達される。走行用HST146の出力軸146cに動力が伝達されると、出力軸146cに副変速機構149を介して連動連結された伝動機構148において、各種遊星歯車群を介して第1出力軸148aおよび第2出力軸148bに駆動力が伝達され、これらの出力軸が同一方向に回転駆動する。
すなわち、主変速レバー34の操作によるコントローラ140からの制御情報によって、走行用HST146の回転駆動制御が行われ、伝動機構148の遊星歯車群を介して第1出力軸148aおよび第2出力軸148bの駆動制御が行われる。これにより、両出力軸の正回転あるいは逆回転が行われ、左右のクローラ部5,5による前後の直進走行が行われる。
また、操向用HST147は、互いに流体接続された構成として、可変容積型の操向ポンプ147Pと、可変容積型の操向モータ147Mとを有する。また、操向用HST147は、操向ポンプ147Pに対応する操向ポンプ用電磁弁147aと、出力軸147cとを有する。操向用HST147においては、エンジン11からの動力を受けつつ操向ポンプ用電磁弁147aを介して、操向ポンプ147Pの調整駆動(操向駆動調整)が行われる。操向ポンプ147Pの調整駆動による操向モータ147Mの駆動は、出力軸147cに伝達される。操向用HST147の出力軸147cは、クラッチ装置150を介して伝動機構148に連動連結されている。
このような構成において、ステアリングホイール91の操作による操向位置センサ141の検出情報に基づくコントローラ140からの制御情報により、基本的に操向ポンプ用電磁弁147aの制御が行われ、操向ポンプ147Pおよび操向モータ147Mの駆動制御によって出力軸147cから伝動機構148へ動力が伝達される。
したがって、ステアリングホイール91の操作により、操向位置センサ141およびコントローラ140を介して、エンジン11の動力が、操向ポンプ147Pや操向モータ147M等を経由して、出力軸147cに伝達される。操向用HST147の出力軸147cに動力が伝達されると、出力軸147cにクラッチ装置150を介して連動連結された伝動機構148において、各種遊星歯車群を介して第1出力軸148aおよび第2出力軸148bに駆動力が伝達され、これらの出力軸が互いに反対方向に回転駆動する。
すなわち、ステアリングホイール91の操作によるコントローラ140からの制御情報によって、操向用HST147の回転駆動制御が行われ、伝動機構148の遊星歯車群を介して第1出力軸148aおよび第2出力軸148bの駆動制御が行われる。これにより、互いに反対方向である各出力軸の正回転あるいは逆回転が行われ、クローラ部5,5による旋回あるいはスピンターンが行われる。なお、左右旋回走行、左右スピンターンの左と右の振り分けは、ステアリングホイール91の左右の回転を検出する操向位置センサ141の検出情報に基づくコントローラ140からの制御情報によって操向ポンプ147Pおよび操向モータ147Mを制御作動することにより行われる。
このように、本実施形態に係るコンバイン1は、ステアバイワイヤ方式を採用し、ステアリングホイール91、主変速レバー34および副変速レバー35の操作により、走行用HST146や操向用HST147等を電気的に制御しながら、伝動機構148等の機械的な動力の伝達を行い、一対のクローラ部5,5を有する走行部4による走行機体2の前後進、旋回走行、スピンターン等を行うように構成されている。
以上のように、本実施形態に係るコンバイン1は、キャビン40の前面部41の上下中間部に横架された横支持フレーム部70と、横支持フレーム部70の上側に設けられ、キャビン40の前面部41を構成する上透明部71と、横支持フレーム部70の下側に設けられ、キャビン40の前面部41を構成する下透明部72と、横支持フレーム部70に支持されたハンドル部30とを備える。このような構成において、コンバイン1は、横支持フレーム部70の後側に、横支持フレーム部70とともに中空部130aを構成する内装パネル部130を備える。
そして、本実施形態に係るコンバイン1において、横支持フレーム部70および内装パネル部130は、運転席15の座面の高さ位置が内装パネル部130の上下幅の範囲内に位置するように設けられている。すなわち、図18に示すように、運転席15の座面の高さ位置X1は、内装パネル部130の上下幅Y1の範囲内に位置し、かかる位置関係が満たされるように、中空部130aをなす横支持フレーム部70および内装パネル部130が設けられている。
ここで、運転席15の座面の高さ位置X1は、運転席15の座部15aの上面における所定の部位の高さ位置である。運転席15の座面の高さ位置X1は、例えば、座部15aの上面の最も高い位置である。また、内装パネル部130の上下幅Y1は、内装パネル部130の上下方向の寸法であり、内装パネル部130の上端から下端までの長さである。したがって、内装パネル部130の上下幅Y1の範囲内とは、内装パネル部130を構成する内装パネル体131の前方屈曲板部131cの上面の高さ位置と、下縁平板部131bの下端の高さ位置との間を意味する。
このように、本実施形態に係るコンバイン1は、キャビン40内の構成として、運転席15の座面の高さ位置が、横支持フレーム部70とともに中空部130aを形成する内装パネル部130の上下幅の範囲内に位置した構成を備える。つまり、運転席15の座面の前方への延長線上に、横支持フレーム部70および内装パネル部130が設けられている。
なお、運転席15の座面の高さ位置は、内装パネル部130の上下中央部に対応する高さ位置であることが好ましい。また、運転席15が座面の高さ位置が調整可能な構造のものである場合、その調整範囲内におけるいずれかの高さ位置が、内装パネル部130の上下幅の範囲内に位置すればよい。この場合、例えば、座面の高さの調整範囲内における中央の高さ位置が、内装パネル部130の上下中心の位置と一致するように、横支持フレーム部70および内装パネル部130が設けられる。
以上のような構成を備えた本実施形態に係るコンバイン1によれば、キャビン40の前面部41について十分な強度を容易に確保することができるとともに、キャビン40内の作業者16からのキャビン前方下部に対する視認性を向上することができ、しかも、キャビン40の前面部41を構成するガラス等の透明部分に対する作業者16の膝の接触を防止して安全性を向上することができる。このような効果が得られることについて具体的に説明する。
本実施形態に係るコンバイン1は、キャビン40の前面部41において横支持フレーム部70を介して上下に上透明部71および下透明部72を有することで前面部41を全面的に透明部分とするとともに、ハンドル部30を横支持フレーム部70に支持させ、さらに横支持フレーム部70の後側において横支持フレーム部70とともに中空部130aを形成する内装パネル部130を備える。
このような構成によれば、上透明部71を構成する上部透明板73および下透明部72を構成する下部透明板77が、互いの間に横支持フレーム部70を介在させるとともに、各透明板が横支持フレーム部70に支持されることから、キャビン40の前面部41について容易に十分な強度を確保することができる。すなわち、キャビン40の前面部41が、互いの間に横支持フレーム部70を介在させた上透明部71および下透明部72による上下二分割構造となっているため、キャビンの前面部が単一の透明体で構成される場合等に比べて強度確保を容易に行うことができる。
また、キャビン40から外部に対して広い透過範囲を確保することができるので、キャビン40内における前方および前方下部について良好な視認性が得られるとともに、キャビン40内に対する採光性が向上してキャビン40内を明るくすることができる。また、作業者16の視覚効果としてキャビン40内を広く感じさせることができ、キャビン40内における良好な居住性が得られる。
特に、ハンドル部30を横支持フレーム部70に支持させた構成により、キャビンフロアに立設されるハンドルポストを無くすことができるので、作業者16の前方および前方下部の視界を妨げることなく、良好な視界性を容易に得ることができる。
また、上透明部71と下透明部72との間に横支持フレーム部70および内装パネル部130による中空パイプ状の支持フレーム部分を構成することにより、かかる支持フレーム部分を運転席15に着座している作業者16の膝に対応する位置に設けることで、ガラス板等により構成される透明部に作業者16の膝がぶつかることを防止することができる。これにより、例えばコンバイン1の急旋回時や急停止時等において運転席15に着座している作業者16が姿勢を乱して前方に振られた場合であっても、キャビン40の前面部41を構成するガラス等の透明部分に対する作業者16の膝の接触を防止することができ、高い安全性を得ることができる。また、作業者16の膝がぶつかる場合においても、膝の接触部分が、横支持フレーム部70とともに中空部130aをなす内装パネル部130となるため、内装パネル部130によって衝撃を吸収することができ、作業者16を保護することができる。つまり、内装パネル部130が緩衝材の役目を果たし、作業者16の膝が横支持フレーム部70に直接当たることを防止することができ、作業者16を保護することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1において、ハンドル部30は、横支持フレーム部70の左右中央部に設けられており、内装パネル部130は、横支持フレーム部70に対するハンドル部30の支持部の左右両側に設けられている。このような構成によれば、ハンドル部30が左右中央部に配置されているため、キャビン40内の乗降通路において、作業者の乗り降りの際にハンドル部30が邪魔になることを回避することができる。また、運転席15に着座した状態の作業者16の両膝が丁度左右の内装パネル部130の正面に位置することになるので、コンバイン1の急停止時等において、作業者16の膝の接触による衝撃を内装パネル部130によって確実に吸収することができ、作業者16を確実に保護することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1において、内装パネル部130は、後方側を突側とする膨出形状を有する。このような構成によれば、内装パネル部130におけるクッション性を向上させることができることから、作業者16の膝がぶつかった際の衝撃の吸収性を向上させることができる。これにより、より高い安全性を得ることができる。また、左右の内装パネル部130の間に位置するステアリングケース110は、横支持フレーム部70の後側に設けられたステアリングホイール91の支持ケース93等を収納する関係上、必然的に横支持フレーム部70から後方に膨出した形状を有する。そこで、内装パネル部130を後方への膨出形状とすることにより、内装パネル部130とステアリングケース110との間の段差を低減することができる。これにより、キャビン40の内部となる横支持フレーム部70の後側において、ステアリングケース110とその左右の内装パネル部130との形状的な差異により生じる凹凸を低減することができ、形態的な違和感を無くし、一体的な形態による優れた外観を得ることができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1においては、横支持フレーム部70と内装パネル部130とにより形成された中空部130a内に、キャビン40に配設される電気部品に対する配線が収納されている。このような構成によれば、電気部品の配線が外部に露出した状態で配設されることを避けることができ、キャビン40内の美観を向上させることができるとともに、キャビン40内の空間を有効に利用することができる。また、内装パネル部130にキースイッチ136や再生スイッチ137等の操作部を容易に配置することができ、操作性の向上を図ることができる。また、電気部品の配線を、中空部130a内に収容することで、配線が外部に露出しないため、配線に作業者の足が引っかかったり、配線が光や熱等により経時劣化したりすることを防止することができ、配線を保護することができる。
特に、内装パネル部130が後方側を突側とする膨出形状を有する構成においては、中空部130aとしての内部空間を容易に広く確保することができるので、内装パネル部130のクッション性を向上させることができるとともに、中空部130aの収納性を向上させることができる。ここで、中空部130aの収納性に関しては、例えばキースイッチ136等の比較的設置スペースが大きい操作部であっても、中空部130a内に容易に収納することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1において、横支持フレーム部70および内装パネル部130は、運転席15の座面の高さ位置が内装パネル部130の上下幅の範囲内に位置するように設けられている。このような構成によれば、内装パネル部130の高さ位置を、着座状態の作業者16の膝の高さ位置に容易に合わせることが可能となる。そして、着座状態の作業者16の膝の高さ位置について、作業者の体の大きさ等により異なる膝の高さ位置を、内装パネル部130の上下幅の範囲内の位置に容易に合わせることができる。これにより、内装パネル部130を作業者16の膝に対するクッション部として機能させる構成において、作業者の体の大きさに関して広範囲に対応することが可能となる。
また、本実施形態に係るコンバイン1は、キャビン40の前面部41の下透明部72を構成する下部透明板77の上部の支持構造として、下部透明板77の上縁の左右両側に突形状部77bを有し、かかる突形状部77bを全体的に横支持フレーム部70の前側に支持させた構造を備える。このような構成によれば、下部透明板77を堅実かつ安定的に支持することが可能となり、下部透明板77の支持構造を強固なものとすることができる。
一般に、窓部を構成するガラス板等の透明板の支持においては、透明板による透過部分の面積を確保する観点等から、透明板の外形に沿った略直線状の幅狭の縁部分が、取付面に対する支持部分となる。しかしながら、このような透明板の支持構造によれば、安定的な支持状態を得ることが難しい。
そこで、上述のとおり、下部透明板77の上縁部を、略「V」字状をなすような凹凸形状とし、その凸部分(突形状部77b)を取付面に支持させる構造を採用することにより、下部透明板77の支持面の面積を容易に確保することができ、安定的な支持状態を容易に得ることができる。また、下部透明板77の突形状部77bを支持させる構造によれば、下部透明板77と取付面との間に介装されるクッション部材82を配設する面積を拡大させることができる。このようなことからも、下部透明板77を安定的に支持することが可能となる。これにより、キャビン40の前下面部41bを構成する下透明部72を堅牢なものとすることができ、安全性の面で有利な構造を実現することができる。
ここで、本実施形態に係るキャビン40の構造の変形例について、図19を用いて説明する。図19に示すように、この変形例の構成においては、横支持フレーム部70とともに形成した中空部130a内に、内装パネル部130側からの衝撃を緩衝するための緩衝部材180が設けられている。
緩衝部材180は、例えば、スポンジやゴム、あるいはポリウレタン等の発泡樹脂材料により成形されたウレタンフォーム等の、クッション性を有する弾性部材である。図19に示す例において、緩衝部材180は、中空部130aにおいて区画された緩衝部材収納空間130b内に充填された状態で設けられている。緩衝部材収納空間130bは、中空部130aの後側(図19において右側)の空間として設けられている。緩衝部材収納空間130bは、中空部130a内において、内装パネル部130を構成する内装パネル体131の膨出部131aに対向するように設けられた仕切板181を含む仕切部材により内装パネル体131とともに形成されている。特に、内装パネル体131のうち主に膨出部131aの部分により緩衝部材収納空間130bが形成されている。
仕切板181は、略前後方向を板厚方向とするように設けられており、内装パネル体131が支持固定される上支持ステー132と下支持ステー133との間に架設されている。具体的には次のとおりである。
上支持ステー132は、上述のとおり横断面視において前側を開放側とする略「コ」字状をなすように構成されている。上支持ステー132の後面部132bに対して、仕切板181の上端部が後側から重ねられ、ボルト等の締結具183により仕切板181が固定されている。なお、上支持ステー132は、いずれも側面視で略「L」字状をなす上部材132cと下部材132dとが一方の面部同士を重ね合わせた態様で後面部132bを構成し、上部材132cと下部材132dとの重ね合わせ部分を締結具183により固定させることで、側面視で略「コ」字状をなすように構成されている。
一方、下支持ステー133は、その上部に、仕切板支持部133cを有する。仕切板支持部133cは、前後方向を板厚方向とするとともに、略鉛直状に配された板状の部分であり、側面視で、下支持ステー133の縦面部133bに対して前方に垂直状に設けられた横面部133dを介してこれに対して垂直状に設けられている。下支持ステー133の仕切板支持部133cに対して、仕切板181の下端部が後側から重ねられ、ボルト等の締結具184により仕切板181の下端部が固定されている。
緩衝部材収納空間130bは、概略的には、中空部130aの内部における内装パネル体131の膨出部131aによる膨出空間部分が仕切板181により前側から塞がれた態様で区画されることで形成されている。つまり、緩衝部材収納空間130bは、中空部130a内における膨出部131aによる膨出空間部分が、上支持ステー132、仕切板181および下支持ステー133により縦に仕切られた空間部分として設けられている。
緩衝部材収納空間130b内において、緩衝部材180は、例えば、内装パネル体131の裏側面、および仕切板181の後面の少なくともいずれかの面に固定された状態で設けられる。また、例えば、緩衝部材収納空間130bを密閉空間とし、緩衝部材180をポリウレタン等の発泡樹脂材料によるウレタンフォームとして発泡成形してもよい。
以上のような変形例の構成によれば、中空部130a内に設けた緩衝部材180により、内装パネル部130のクッション性を向上することができる。これにより、内装パネル部130に作業者16の膝がぶつかった際の衝撃の吸収性を効果的に向上させることができ、作業者16を確実に保護することができる。
以上のように実施形態を用いて説明した本発明に係るコンバインは、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨に沿う範囲で、種々の態様を採用することができる。
上述した実施形態において、内装パネル部130に配設された操作部は、キースイッチ136、再生スイッチ137、およびコンビネーションスイッチ138であるが、これらの操作部に限られず、他のスイッチやレバー等の操作部が設けられてもよい。内装パネル部130に配設される操作部については、それに接続された配線は、適宜、中空部130a内に収納される。これにより、上述のとおり、キャビン40内における美観の向上、空間の有効利用、配線の保護等を達成することができる。
上述した実施形態の変形例において、緩衝部材180は、中空部130aの後側の空間部分として仕切られた緩衝部材収納空間130b内に設けられているが、緩衝部材180の配設態様はこれに限定されるものではない。緩衝部材180は、例えば、内装パネル体131の裏面の全体にわたって内装パネル体131に沿うように設けられたり、中空部130a内において全体的に充填させるように設けられたりしてもよい。つまり、緩衝部材180は、中空部130aを形成する横支持フレーム部70および内装パネル部130を含むフレーム部分において、キャビン40内の作業者の膝の衝突等の内装パネル体131側からの衝撃に対するクッション性が向上する態様で設けられればよい。
また、上述した実施形態において、操向操作部としてのハンドル部30は、操向操作具として、円環状の把持部を含むステアリングホイール91を有する構成のものであるが、コンバイン1が備える操向操作部の構成は、これに限定されるものではない。操向操作部としては、例えば、ステアリングホイール91の代わりに、傾動操作されるレバー操作具等を備えた構成のものであってもよい。
また、上述した実施形態において、横支持フレーム部70とフットレスト120との間には、センターポスト121が架設されているが、キャビン40の構成としては、例えば図20に示すように、センターポスト121を省略した構成であってもよい。かかる構成においては、フットレスト120の支持基部120bに固定されるとともにセンターポスト121の下端部を支持するポスト下端部支持部材127も不要となる。
このような構成によれば、キャビン40の前下面部41bを構成する下透明部72の内側に存在するセンターポスト121が無くなることから、キャビン40の前面部41についてよりすっきりとした外観を呈することができる。また、センターポスト121を省略することで、下透明部72による透過範囲を広げることができるので、キャビン40の前方下部についての視認性、およびキャビン40内に対する採光性を効果的に向上させることができ、キャビン40内における良好な居住性が得られる。また、センターポスト121を省略することで、フットレスト120の周囲がすっきりするので、着座状態の作業者16が、フットレスト120の使用時等において足の動作を円滑に行うことができ、キャビン40内において快適な動作性を得ることができる。
また、上述した実施形態において、ステアリングケース110を構成する下ケース部112は、その偏平部112bを、後面視で横支持フレーム部70の下縁から矩形状に突出させているが、視認性向上の観点から、下ケース部112の下側への延出部分を省略した構成であってもよい。かかる構成は、例えば、図20に示すように、下ケース部112において偏平部112bを省略した構成となる。
図20に示すステアリングケース110の構成においては、下ケース部112の下端が、横支持フレーム部70の下縁、つまり左右中央部の突片部70cの下縁よりも上方に位置する。つまり、図20に示すキャビン40は、ステアリングケース110の下部が、横支持フレーム部70よりも下側にはみ出ない構成となっている。図20に示すキャビン40においては、横支持フレーム部70、ステアリングケース110、および左右の内装パネル部130により、上透明部71と下透明部72との間に、概略的に左右方向に延びた一体的な横架状の構造体が構成され、この横架状の構造体の左右中央部の上側に、ハンドル部30のステアリングホイール91が配置されている。
このような構成によれば、上透明部71および下透明部72によるキャビン40の前面部41の全面的な透明構成、およびセンターポスト121を省略した構成と相俟って、キャビン40の前面部41について上下全体にわたってよりすっきりとした外観を呈することができる。また、下透明部72による透過範囲を最大限広げることができるので、キャビン40の前方下部についての視認性、およびキャビン40内に対する採光性をより効果的に向上させることができる。
1 コンバイン
2 走行部
3 クローラ部
4 走行機体
12 運転部
15 運転席
15a 座部
30 ハンドル部(操向操作部)
40 キャビン
41 前面部
46 床部
70 横支持フレーム部
71 上透明部
72 下透明部
130 内装パネル部
130a 中空部
131 内装パネル体
131a 膨出部
136 キースイッチ
137 再生スイッチ
138 コンビネーションスイッチ
180 緩衝部材

Claims (6)

  1. 運転部を覆うキャビンを備え、前記キャビンを構成する床部上に運転席を設けたコンバインであって、
    前記キャビンの前面部の上下中間部に横架された横支持フレーム部と、
    前記横支持フレーム部の上側に設けられ、前記キャビンの前面部を構成する上透明部と、
    前記横支持フレーム部の下側に設けられ、前記キャビンの前面部を構成する下透明部と、
    前記横支持フレーム部に支持された操向操作部と、
    前記横支持フレーム部の後側に設けられ、前記横支持フレーム部とともに中空部を構成する内装パネル部と、を備えた
    ことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記内装パネル部内に、前記内装パネル部の機体後方側からの衝撃を緩衝するための緩衝部材が設けられ、前記中空部は、前記緩衝部材の前側に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記上透明部は、上端側が下端側よりも前方に張り出した前傾状に形成され、
    前記横支持フレーム部の上側には、前記上透明部と略平行に前傾した前傾部が設けられ、
    前記横支持フレーム部および前記内装パネル部は、前記運転席の座面の高さ位置が前記内装パネル部の上下幅の範囲内に位置するように設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記操向操作部は、前記横支持フレーム部の左右中央部に設けられており、
    前記内装パネル部は、前記横支持フレーム部に対する前記操向操作部の支持部の左右両側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記内装パネル部は、後方側を突側とする膨出形状を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
  6. 前記中空部内に、前記キャビンに配設される電気部品に対する配線が収納されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のコンバイン。
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