以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
なお、説明中で同じ符号、記号、数字は、特に説明が無い限り、同じ構成要素を示すものとする。また、特に説明が無い限り本発明に必須でない構成要素は図示しないものとする。
また、以下の実施の形態では、光源部が有する半導体レーザがコヒーレント光として青色光Bを出射する例を示すが、このコヒーレント光は他の波長の光であってもよい。
(実施の形態1)
以下、図1〜図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.投写型映像表示装置の構成]
投写型映像表示装置100について図1、図2を用いて説明する。
図1は、実施の形態1における光学装置を備えた投写型映像表示装置100の外観の一例を模式的に示す斜視図である。
投写型映像表示装置100は、外部から入力される映像信号に応じて生成した映像光を、スクリーン500へ投写する。投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置の一例である。
図2は、実施の形態1における光学装置を備えた投写型映像表示装置100の一構成例を概略的に示すブロック図である。なお、図2では、信号の流れを実線の矢印で示し、光の流れを白抜きの矢印で示す。
なお、図2に示す投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置の一例であり、本開示の投写型映像表示装置は何ら図2に示す構成に限定されない。
投写型映像表示装置100は、光源部10と、映像生成部50と、導光光学系70と、投写光学系80と、コントローラ85と、を有する。
コントローラ85は、光源部10や映像生成部50等を含む投写型映像表示装置100全般の制御を行うように構成されている。また、コントローラ85は、後述するコイルに交流電流を流して電磁力を発生させる交流発生回路86を備える。交流発生回路86は一般的な交流電流発生回路であるので、詳細な説明は省略する。なお、コントローラ85は、各種制御を実行するように作成されたプログラムが動作するマイクロコンピュータであってもよい。また、コントローラ85と交流発生回路86とは別体であってもよい。
光源部10は、複数の半導体レーザ(図3に示す半導体レーザ12)と、光学装置120と、を備える。光源部10は、励起光として蛍光体(図示せず)を発光させることができるレーザ光を半導体レーザから出射する。そして、光学装置120は、半導体レーザから出射されるレーザ光を拡散するように構成されている。光学装置120の詳細は後述する。
導光光学系70は、各種レンズ、ミラー、及びロッドインテグレータ、等の光学部材(図示せず)を備えている。そして、導光光学系70は、それらの光学部材を用いて、光源部10から出射されたレーザ光を映像生成部50へ導くように構成されている。
映像生成部50は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(以下、「DMD」と記す)または液晶パネル等の、光を空間変調するための素子を備えている。そして、映像生成部50は、その素子を用い、映像信号に応じて、光源部10から出射されるレーザ光を空間変調し、映像光を生成するように構成されている。
投写光学系80は、レンズやミラー等の光学部材を備えている。そして、投写光学系80は、それらの光学部材を用い、映像生成部50で生成された映像光を拡大してスクリーン500へ投写するように構成されている。
なお、投写型映像表示装置100が備える各ブロックの構成および動作は、光源部10が備える光学装置120を除き、一般に用いられているプロジェクタと実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
次に、投写型映像表示装置100の光学構成について説明する。
[1−2.投写型映像表示装置の光学構成]
図3は、実施の形態1における光学装置120を備えた投写型映像表示装置100の光学構成の一例を模式的に示す図である。なお、図3では、光路を一点鎖線で示す。また、以下の説明では、光の進行方向を前方とする。
投写型映像表示装置100は、光学系のブロックとして、光源部10と、映像生成部50と、導光光学系70と、投写光学系80と、を備える。また、投写型映像表示装置100は、光を空間変調するための素子としてDMDを備える。なお、この素子は、例えば液晶パネル等であってもよい。
光源部10は、コヒーレント光(青色光B)を出射する複数の半導体レーザ12と、複数の半導体レーザ12を搭載した一つの光源保持体14と、光源保持体14の裏面に配されたヒートシンク16と、半導体レーザ12のそれぞれに対応した複数のレンズ20と、レンズ20の前方に配置されたレンズ22と、ミラー24、45、46と、第1ダイクロイックミラー28と、第2ダイクロイックミラー29と、蛍光体ホイール32と、コンデンサレンズ30と、集光レンズ48と、光学装置120と、を備える。
各半導体レーザ12は、光源の一例であり、P偏光成分光(青色光B)を出射するように構成されている。
各半導体レーザ12から出射された青色光Bは、半導体レーザ12の前方に配置されたレンズ20を透過した後、レンズ22を透過する。半導体レーザ12から出射された青色光Bは、レンズ20およびレンズ22を透過することで平行光化される。
レンズ22を透過した青色光Bは、ミラー24で反射して、第1ダイクロイックミラー28に入射する。
第1ダイクロイックミラー28は、半導体レーザ12から出射される青色光Bを、所定の比率で、一部を反射し、残りを透過するように構成されている。ここでは、第1ダイクロイックミラー28が反射した光を第1光路23の光とし、第1ダイクロイックミラー28を透過した光を第2光路25の光とする。第1ダイクロイックミラー28は、光源部10からの光を第1光路23の光と第2光路25の光とに分離する分離部の一例である。
こうして、第1ダイクロイックミラー28は、青色光Bを、第1光路23の光と、第2光路25の光と、に分離する。第1光路23の光は、青色光Bとしてそのまま利用される。第2光路25の光は、蛍光体ホイール32において黄色光Ye(または、緑色光Gと赤色光Rとの混合光)の生成に利用される。なお、以下の説明における黄色光Yeは、緑色光Gと赤色光Rとの混合光に実質的に等しいものとする。
本実施の形態では、第1ダイクロイックミラー28は、15%の青色光Bを反射し、85%の青色光Bを透過するように設定されているが、これらの数値は単なる一例に過ぎず、他の数値であってもよい。
第1ダイクロイックミラー28を透過した青色光Bは、第2ダイクロイックミラー29に入射する。
第2ダイクロイックミラー29は、一方の面は青色光Bを透過(実質的に全透過)し、他方の面は黄色光Yeを反射(実質的に全反射)するように構成されている。ここでは、第1ダイクロイックミラー28を透過した青色光Bが入射する面を一方の面とし、一方の面の裏面を他方の面とする。したがって、第1ダイクロイックミラー28を透過した青色光Bは、第2ダイクロイックミラー29も透過する。
なお、第1ダイクロイックミラー28および第2ダイクロイックミラー29の各カットオフ波長は、半導体レーザ12が出射する青色光Bの波長近傍に設定されているものとする。
第1ダイクロイックミラー28及び第2ダイクロイックミラー29を透過した青色光Bは、コンデンサレンズ30を通過して、蛍光体ホイール32に照射される。コンデンサレンズ30は、この青色光Bを、蛍光体ホイール32の表面に集光する。
蛍光体ホイール32は、アルミニウム基板36と、モータ38と、を備える。アルミニウム基板36の表(ひょう)面(青色光Bが照射される面)には、蛍光体層34が形成されている。蛍光体層34は、青色光Bを励起光として黄色光Yeを発光する蛍光体を材料にして形成されている。
コンデンサレンズ30を通過した青色光Bは、蛍光体層34に照射される。青色光Bを照射された蛍光体層34は、黄色光Yeを発光する。この黄色光Yeは、蛍光体層34の内部で拡散することにより、スペックルノイズが低減される。蛍光体層34が発光する黄色光Yeは、一部が第2ダイクロイックミラー29の方向へ出射され、他の一部はアルミニウム基板36で反射して第2ダイクロイックミラー29の方向へ出射される。
コンデンサレンズ30は、第2ダイクロイックミラー29を透過した青色光Bを蛍光体ホイール32の蛍光体層34に集光すると共に、蛍光体層34から出射される黄色光Yeを平行光化する。
蛍光体ホイール32の蛍光体層34から出射された黄色光Yeは、コンデンサレンズ30で平行光化された後、第2ダイクロイックミラー29の他方の面に入射する。第2ダイクロイックミラー29は、この黄色光Yeを、集光レンズ48の方向へ反射する。
ミラー45、46は、第1ダイクロイックミラー28で反射した青色光Bが、第2ダイクロイックミラー29に入射するように、それぞれ配置されている。そして、ミラー45、46の間には、光学装置120が配置されている。
第1ダイクロイックミラー28で反射した青色光Bは、ミラー45で反射し、ミラー45の前方に配置された光学装置120に入射する。光学装置120は、ミラー45で反射した青色光Bが、光学装置120が備える拡散板(図4に示す拡散板44)を通過するように、配置されている。したがって、ミラー45で反射した青色光Bは、光学装置120が備える拡散板を通過する。
拡散板は、自身を通過するコヒーレント光を拡散するように構成されている。また、光学装置120は、拡散板を振動させて、拡散板を通過するコヒーレント光のスペックルノイズを低減するように構成されている。したがって、青色光Bは、振動する拡散板44を通過することでスペックルノイズが低減する。光学装置120の詳細は後述する。
光学装置120が備える拡散板を通過した青色光Bは、ミラー46で反射して、第2ダイクロイックミラー29に入射する。上述したように、第2ダイクロイックミラー29は、この青色光Bを透過する。
第2ダイクロイックミラー29を透過した青色光Bは、集光レンズ48の方向へ進行する。したがって、第2ダイクロイックミラー29を透過した青色光Bと、第2ダイクロイックミラー29で反射した黄色光Yeとは、互いに混合(合成)して白色光Wとなり集光レンズ48に入射する。
こうして、第2ダイクロイックミラー29は、青色光B(第1光路23の光)と、黄色光Ye(第2光路25の光により生成された光)とを合成する。
導光光学系70は、ミラー72、78と、ロッドインテグレータ74と、リレーレンズ76と、を備える。
第2ダイクロイックミラー29で合成された白色光Wは、集光レンズ48で集光され、ミラー72で反射してロッドインテグレータ74へ入射する。ロッドインテグレータ74に入射した白色光Wは、ロッドインテグレータ74内部で複数回反射することで、光強度分布が実質的に均一化する。そして、光強度分布が均一化した白色光Wがロッドインテグレータ74から出射される。
ロッドインテグレータ74から出射された白色光Wは、リレーレンズ76によって集光された後、ミラー78で反射する。
映像生成部50は、フィールドレンズ52と、全反射プリズム54と、カラープリズム56と、DMD58、60、62と、を備える。
ミラー78で反射した白色光Wは、フィールドレンズ52を透過して、全反射プリズム54に入射する。
全反射プリズム54は、2つのプリズム54a、54bを備える。プリズム54a、54bが互いに近接した面には、薄い空気層が形成されている。空気層は臨界角以上の角度で入射する光を実質的に全反射する。この面を全反射面Sとする。フィールドレンズ52を通過して全反射プリズム54に入射した白色光Wは、全反射面Sで反射して全反射プリズム54から出射され、カラープリズム56に入射する。
カラープリズム56は、3つのプリズム56a、56b、56cを備える。それぞれのプリズム56a、56b、56cが互いに近接した面には、青色光Bを反射するダイクロイックミラー面DMBと、赤色光Rを反射するダイクロイックミラー面DMRと、が形成されている。カラープリズム56は、ダイクロイックミラー面DMRのカットオフ波長が、光源部10で生成された黄色光Yeの波長帯域の中で、赤色光Rと緑色光Gとが所定の光量比となるように、設定されている。この比率は、投写型映像表示装置100の仕様等に応じて適切に設定されることが望ましい。
カラープリズム56に入射した白色光Wは、ダイクロイックミラー面DMBとダイクロイックミラー面DMRとによって、青色光B、赤色光R、緑色光G、の3つの色光に分離される。そして、青色光BはDMD58に、赤色光RはDMD60に、緑色光GはDMD62に、それぞれ入射する。
各DMD58、60、62は、画素数に応じた複数のマイクロミラー(図示せず)を備える。DMD58、60、62は、映像信号に応じて、各マイクロミラーを偏向させることで、DMD58、60、62に入射する光を、投写光学系80に入射する光(映像光)と、投写光学系80の有効領域外へ進行する光(不要光)とに変調する。DMD58は、青色の映像信号に応じて青色の映像光を生成し、DMD60は、赤色の映像信号に応じて赤色の映像光を生成し、DMD62は、緑色の映像信号に応じて緑色の映像光を生成する。
DMD58、60、62で生成された各映像光は、再度、カラープリズム56を透過する。カラープリズム56を透過する過程で、青色の映像光と、赤色の映像光と、緑色の映像光と、は互いに混合して表示用の映像光に合成され、全反射プリズム54に入射する。
全反射プリズム54に入射した映像光は、全反射面Sに臨界角以下で入射する。したがって、この映像光は、全反射プリズム54を透過して、投写光学系80に入射する。
投写光学系80は、映像生成部50で生成された映像光を、スクリーン500へ拡大して投写する。
このようにして、映像信号にもとづく映像光が、投写型映像表示装置100からスクリーン500上に投写される。
図3に示した構成例では、光源部10は、複数の固体光源(半導体レーザ12)を備えているので、高効率で良好なホワイトバランスの白色光Wを出射することができる。したがって、図3に示した構成例では、長寿命で、高輝度な、投写型映像表示装置100を実現できる。
また、図3に示した構成例では、映像生成部50は、光を空間変調するための素子としてDMD58、60、62を備えている。したがって、図3に示した構成例では、光を空間変調するための素子として液晶パネルを備えた投写型映像表示装置(図示せず)と比較して、耐光性、耐熱性が高い投写型映像表示装置100を実現できる。さらに、図3に示した構成例では、青色の映像光を生成するためのDMD58と、赤色の映像光を生成するためのDMD60と、緑色の映像光を生成するためのDMD62と、の3つDMDを映像生成部50が備えているので、投写型映像表示装置100は、色再現が良好で、明るく高精細な映像をスクリーン500上に投写することができる。
次に、本実施の形態における光学装置120について、図4〜図6を用いて説明する。
[1−3.光学装置の詳細構成]
図4は、実施の形態1における光学装置120の外観の一例を示す斜視図である。
図5は、実施の形態1における光学装置120の駆動部を拡大して示す斜視図である。
図6は、実施の形態1における動作中の光学装置120を模式的に示す図である。
図4に示すように、光学装置120は、固定部110と、可動部90と、を備える。
固定部110は、固定部ホルダ111と、コイル101と、緩衝材106と、を備える。
可動部90は、可動部ホルダ91と、拡散板44と、一対の拡散板保持部99と、磁石102と、ヨーク103と、を備える。
可動部ホルダ91は、弾性体で形成されている。この弾性体は、例えばSUS304CSP、等のバネ材料であるが、他の材料であってもよい。可動部ホルダ91は、例えば1枚の平板のバネ材料を折り曲げて形成されている。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。可動部ホルダ91は、少なくとも支持部94が弾性体で形成されていればよい。また、可動部ホルダ91は、ダイカストや溶接等で形成されてもよい。
可動部ホルダ91は、平面部92と、連結部93と、支持部94と、ベース部95と、磁石取付部96と、測定部97と、を備える。
平面部92は、拡散板44を取り付けられるように構成されている。平面部92は、平面部92に取り付けられた拡散板44がコヒーレント光を透過する領域が開口している(図示せず)。図4に示す平面部92は、矩形状に形成されているが、例えば円形等の他の形状であってもよい。平面部92には、一対の拡散板保持部99をネジ98で平面部92に取り付けるためのネジ孔(図示せず)が形成されている。平面部92は、拡散板44を保持する保持部の一例である。平面部92は、例えば30mm×30mm程度の大きさであるが、本開示は何らこの数値に限定されない。
拡散板保持部99は、拡散板44を平面部92に固定して保持するための部材である。拡散板保持部99は、保持部の一例である。拡散板保持部99は、拡散板44を保持するための保持爪99aを備える。そして、拡散板44の対角に配置された一対の拡散板保持部99が、保持爪99aと平面部92との間に拡散板44を挟んで、平面部92にネジ98で取り付けられることで、拡散板44は平面部92に固定される。詳細は後述するが、光学装置120は、平面部92が振動することで拡散板44が振動するように構成されている。したがって、拡散板44は、水平方向、垂直方向、光軸L方向のいずれに対しても、振動時にガタツキが生じないように、平面部92に堅固に固定されることが望ましい。なお、拡散板保持部99は、ネジ98で平面部92に取り付けられるので、拡散板44は、平面部92に対して着脱可能であり、交換が可能である。
拡散板44は、半導体レーザ12から出射されたレーザ光(青色光B)を拡散する機能を有する光学素子である。本実施の形態では、拡散板44を、レーザ光の光軸Lと直交する位置に配置し、光軸Lに直交する方向に振動させることで、レーザ光のスペックルノイズを低減する。拡散板44は、例えば10mm×15mm程度の大きさであるが、本開示は何らこの数値に限定されない。
連結部93は、平面部92と支持部94とを連結する部材である。連結部93は、図4に一例を示すように、平面部92の面と支持部94の面とが互いに直交するように、平面部92と支持部94とを連結する。
支持部94は、一端は連結部93を介して平面部92を支持し、他端94aはベース部95により設置面に固定されている。支持部94は、平面部92の面と支持部94の面とが互いに直交するように設けられている。そのため、平面部92が光軸Lに直交するように光学装置120が配置されることで、弾性体で形成された支持部94は、光軸Lに直交する方向に撓むことができる。すなわち、支持部94は、平面部92が光軸Lに直交する方向に振動可能なように、平面部92を弾性支持している。
また、支持部94は、実質的に、平面部92の面と支持部94の面とが交差する一点で平面部92を支持している。これにより、支持部94に支持された平面部92は、光軸Lに直交する方向に、他端94aを中心点とした円弧状に振動する。
なお、支持部94は、拡散板44の中心の直下、または平面部92の中心の直下、に配置されることが望ましいが、本開示は何らこの構成に限定されない。また、支持部94は、例えば10mm×30mm程度の大きさであるが、本開示は何らこの数値に限定されない。
ベース部95は、可動部90を設置する設置面(例えば、投写型映像表示装置100の筐体、等。図示せず)に、支持部94の他端94aを固定する部材である。ベース部95は、例えばベース部95に設けたネジ孔94bにネジ(図示せず)を通して設置面にネジ止めされることで、設置面に固定される。ベース部95は、接着剤等によって設置面に固定されてもよい。
磁石取付部96は、平面部92の他端(支持部94に支持された辺に対向する端部)を、所定の幅で折り曲げて形成されている。この折り曲げ角は、約90度であるが、他の角度であってもよい。磁石取付部96における、支持部94の直上に相当する位置には、磁石102が取り付けられている。すなわち、磁石取付部96における所定の幅は、この磁石102の取り付けが可能な幅である。なお、平面部92の端部を折り曲げずに、平面部92の端部に直に磁石102を取り付けてもよい。なお、ここでは、支持部94の延長方向を上とし、ベース部95を設置した設置面側を下とする。
磁石102は、一般的に用いられている永久磁石であり、ヨーク103が取り付けられている。ヨーク103は、磁石102に積層する形状であってもよく、磁石102を覆うような形状であってもよい。ヨーク103は、不純物の少ない鉄または鋼等の材料で形成されており、磁石102をヨーク103と組み合わせることで、磁石102の吸着力が増加する。
測定部97は、磁石取付部96の長手方向の一方の辺を、所定の幅で、磁石102が設置された側に(固定部ホルダ111が設置された方向に)折り曲げて形成されている。この折り曲げ角は、約90度であるが、他の角度であってもよい。測定部97は、振動する可動部ホルダ91の振動幅及び振動周波数を測定するために形成されており、レーザ変位センサ(図示せず)からレーザ光を測定部97に照射することで、振動する可動部ホルダ91の振動幅及び振動周波数を測定できる。すなわち、測定部97における所定の幅及び折り曲げ角は、これらの測定が可能な幅および角度である。
固定部ホルダ111は、磁石102に影響を及ぼさないように、アルミ合金やポリカーボネート等の非磁性体材料で形成されている。固定部ホルダ111は、平坦部112と、取付部113と、折り曲げ部114と、を備える。固定部ホルダ111は、平面部92の他端側の、可動部ホルダ91より上の位置に配置されている。
取付部113は、固定部ホルダ111を設置面(例えば、投写型映像表示装置100の筐体、等。図示せず)に固定するために、設けられている。取付部113は、例えば取付部113に設けたネジ孔113aにネジ(図示せず)を通して設置面にネジ止めすることで、設置面に固定される。取付部113は、例えば接着剤等によって設置面に固定されてもよい。
平坦部112は、平坦部112と磁石取付部96とが互いに平行になり、コイル101がヨーク103に接触せず、かつコイル101で発生する電磁力が磁石102に適切に作用するように、取付部113に対して適切な角度で形成される。
折り曲げ部114および緩衝材106は、制限部の一例である。折り曲げ部114は、支持部94が過剰に撓まないように支持部94の撓み量を制限するために設けられている。折り曲げ部114は、磁石102の振動方向に対向する位置(磁石102の振動方向の前後の位置)に一対の緩衝材106を取り付けられるように、平坦部112の一部(2箇所)を磁石取付部96側に約90度の角度で折り曲げて形成されている。また、折り曲げ部114は、折り曲げ部114の実質的に中央の位置に、静止した磁石102(または、磁石102に取り付けられたヨーク103)が配置されるように、形成されている。
緩衝材106は、弾性材料で形成されている。この弾性材料は、例えばシリコーンゴム等のエラストマでもよく、コイルバネ等であってもよい。一対の緩衝材106は、折り曲げ部114の、磁石102の振動方向に対向する位置(磁石102の振動方向の前後の位置)に、それぞれ取り付けられる。磁石102(または、磁石102に取り付けられたヨーク103)は、緩衝材106に衝突することで、振動幅が制限される。また、このときの衝突音は、緩衝材106が弾性材料で形成されることで、低減される。
なお、折り曲げ部114および緩衝材106を設けるのは、支持部94の撓み量を制限し、支持部94の破損や劣化を防止するためである。例えば、光学装置120を備えた投写型映像表示装置100を運搬等する時に、投写型映像表示装置100が大きく揺れたり長時間揺れたりした場合、仮に折り曲げ部114および緩衝材106が無ければ、その揺れにより支持部94が過剰に撓み、支持部94が破損したり劣化が進行する可能性がある。しかし、折り曲げ部114および緩衝材106により支持部94の撓み量が制限されるので、これらのことが防止される。
折り曲げ部114の実質的に中央の位置(すなわち、静止した可動部ホルダ91の磁石102またはヨーク103に対応する位置)には、コイル101が取り付けられている。
コイル101および磁石102は平面部92を振動させる駆動部の一例である。コイル101は、交流発生回路86に電気的に接続されており、交流発生回路86で発生した交流電流をコイル101に流すことで、コイル101の周囲に電磁力が発生する。交流発生回路86からコイル101に交流電流を流すことで、磁石102を振動させ、磁石102を介して平面部92を振動させることができる。なお、交流発生回路86で発生する交流電流の周波数は、例えば40〜60Hzであるが、本開示は何らこの数値に限定されない。
この振動の様子を図6に模式的に示す。図6に示すように、可動部ホルダ91のベース部95は設置面150に固定されているので、コイル101に発生した電磁力が磁石102に作用して磁石102が振動すると、磁石102が取り付けられた磁石取付部96が、磁石102と同方向に振動する。
その結果、支持部94の他端94aを支点として支持部94が撓み、平面部92は、図6に破線の両矢印で示すように、垂線131を中心線とし、他端94aを中心点とした円弧状に振動する。なお、垂線131は、静止した支持部94の中心(厚み方向の中心)を通る、設置面150に実質的に垂直な仮想の線である。
磁石102を振動させるときの振動幅及び振動周波数は、コイル101に流す交流電流の周波数および電流量を制御することによって、任意に設定できる。この振動幅および振動周波数は、拡散板44の光の拡散度に応じて、目的とする効果(すなわち、表示映像におけるスペックルノイズの低減効果)が得られるように、適切に設定することが望ましい。
レーザ光が通過する位置における拡散板44の振動幅は、磁石102の振動幅よりも、小さい。これは、可動部ホルダ91が、支持部94の他端94aを中心点にした円弧状に振動するためである。したがって、磁石102の振動幅は、レーザ光が通過する位置における拡散板44の振動幅が所望の振動幅となるように、他端94aから磁石102までの距離と、他端94aからレーザ光が通過する拡散板44の位置までの距離と、の比にもとづき適切に設定することが望ましい。なお、本実施の形態では、レーザ光が通過する位置における拡散板44の振動幅を、例えば0.1〜0.2mmとするが、本開示は何らこの数値に限定されない。
光学装置120におけるスペックルノイズの低減効果は、拡散板44における光の拡散度に依存する。光学装置120におけるスペックルノイズの低減効果は、拡散板44における光の拡散度が大きくなるほど大きくなり、拡散板44における光の拡散度が小さくなるほど小さくなる。
また、振動する拡散板44の振動幅が一定の場合は、振動周波数が高くなるほど光学装置120におけるスペックルノイズの低減効果は大きくなり、振動周波数が低くなるほどスペックルノイズの低減効果は小さくなる。また、振動する拡散板44の振動周波数が一定の場合は、振動幅が大きくなるほど光学装置120におけるスペックルノイズの低減効果は大きくなり、振動幅が小さくなるほどスペックルノイズの低減効果は小さくなる。
[1−4.効果等]
以上のように、本実施の形態において、光学装置は、光を拡散する拡散板と、拡散板を保持する保持部と、保持部を振動させる駆動部と、一端が保持部の一点を弾性支持し、他端が設置面に固定された支持部と、を備える。
その光学装置において、駆動部は、保持部の、支持部により弾性支持される側に対向する側を振動させてもよい。
その光学装置において、駆動部は、コイルと磁石とを備えてもよい。
その光学装置は、振動の幅を制限する制限部を備えてもよい。
その光学装置において、保持部は、拡散板を着脱可能に保持してもよい。
また、本実施の形態において、投写型映像表示装置は、コヒーレント光を出射する光源と、上述の光学装置と、を備える。そして、その光学装置は、光源から出射される光の光路上に配置されている。
その投写型映像表示装置において、光学装置は、拡散板が、光源から出射される光の光軸に直交する位置に配置され、駆動部は、拡散板を、その光の光軸に直行する方向に振動させてもよい。
その投写型映像表示装置は、光源から出射される光を第1光路と第2光路とに分離する分離部を備え、第1光路と第2光路とのいずれか一方の光路上に光学装置が配置されてもよい。
なお、本開示において、光学装置120は光学装置の一例である。拡散板44は拡散板の一例である。平面部92および拡散板保持部99は保持部の一例である。コイル101および磁石102は駆動部の一例である。支持部94は支持部の一例である。折り曲げ部114および緩衝材106は制限部の一例である。投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置の一例である。半導体レーザ12は光源の一例である。また、半導体レーザ12が出射するレーザ光はコヒーレント光の一例である。第1光路23は第1光路の一例であり、第2光路25は第2光路の一例である。また、第1光路23は、光学装置が配置される光路の一例である。第1ダイクロイックミラー28は、分離部の一例である。
これにより、本実施の形態に示す光学装置は、拡散板を回転させる従来技術や、拡散板である光学素子を複数の板バネで保持する従来技術と比較して、簡素な構成で、スペックルノイズの低減化を実現できる。
例えば、屋外で使用される可能性がある投写型映像表示装置は、運搬や設置時の利便性を向上するために、小型化が望まれる。本実施の形態における光学装置は、コヒーレント光のスペックルノイズを、比較的簡素な構成で低減することができる。したがって、本実施の形態における光学装置は、スペックルノイズを低減できる高性能な投写型映像表示装置の小型化に有用である。
また、本実施の形態における光学装置は、保持部(例えば、平面部92)を振動させるときに支持部の弾性を利用できるので、保持部を振動させるために必要な電力(例えば、コイル101で消費される電力)を低減できる。
また、光学装置を備えた投写型映像表示装置は、運搬時等に生じる振動により、弾性体で形成された支持部が過剰に撓んで破損したり劣化したりする可能性がある。屋外で使用される投写型映像表示装置では、運搬の機会が増えるため、そのような問題がさらに生じやすい。しかし、本実施の形態における光学装置は、制限部により、支持部の撓み量が制限されるので、そのような破損や劣化を防止できる。したがって、本実施の形態における光学装置は、運搬される機会が多い投写型映像表示装置に、より有用である。
また、本実施の形態における光学装置では、コイル101に流す交流電流を制御することで、拡散板の振動幅及び振動周波数を任意に設定できる。また、保持部は、拡散板を着脱可能に保持しているので、拡散板を適宜交換することもできる。したがって、本実施の形態における投写型映像表示装置では、光学装置におけるスペックルノイズの低減効果を、例えば表示映像を観測しながら調整する等して、任意に設定することができる。
また、光学装置に設定された振動周波数が、投写型映像表示装置の固有振動数に実質的に等しい場合、光学装置120を駆動するときに投写型映像表示装置100が共鳴・共振する可能性がある。しかし、本実施の形態における光学装置では、振動周波数を、投写型映像表示装置100の固有振動数を避けて設定することも容易にできるので、投写型映像表示装置100に共鳴・共振が発生するのを防止できる。
また、図4に示す例では、可動部ホルダ91の磁石取付部96と連結部93及び支持部94は、可動部ホルダ91の平面部92の一方の側面側に形成されている。本開示は、可動部ホルダ91の構造を何ら図4に示す構造に限定しない。しかし、可動部ホルダ91が図4に示す構造を有する場合、光学装置120を投写型映像表示装置100に設置する際に、可動部ホルダ91の平面部92の他方の側面側のスペースに、例えば他の部品を設置する、といったことができ、光学装置120の周囲の空間を有効利用できる。
なお、図4に一例を示したように、連結部93を介して平面部92と支持部94とが連結されている場合、連結部93と平面部92との間が複数個所もしくは連続した領域で接続され、連結部と支持部との間も複数個所もしくは連続した領域で接続される場合がある。しかし、本実施の形態では、図6に一例を示したように、設置面に固定された支持部の端部(例えば、他端94a)を中心点とした円弧状に保持部(例えば、平面部92)が振動するように保持部と支持部とが接続(または、連結)されていれば、支持部が保持部を一点で弾性支持しているものとする。
(実施の形態2)
実施の形態1における投写型映像表示装置100の光源部10では、第1光路23を通る光に関しては光学装置120によりスペックルノイズを低減し、第2光路25を通る光に関しては、蛍光体ホイール32の蛍光体層34内部で生じる光の拡散によりスペックルノイズを低減した。
しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、第2光路25を通る光に関しても、光学装置120と同様に構成された光学装置を用いてスペックルノイズを低減してもよい。実施の形態2では、この構成を説明する。
以下、図7、図8を用いて、実施の形態2を説明する。
なお、実施の形態2における投写型映像表示装置200の外観およびブロック構成は、実施の形態1に示した投写型映像表示装置100と実質的に同じであるので、重複する説明は省略する。
[2−1.投写型映像表示装置の光学構成]
図7は、実施の形態2における投写型映像表示装置200の光学構成の一例を模式的に示す図である。
なお、実施の形態1に示した投写型映像表示装置100と実質的に同じ構成・動作の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付与し、重複する説明は省略する。
投写型映像表示装置200は、光学系のブロックとして、光源部210と、映像生成部50と、導光光学系70と、投写光学系80と、を備える。
投写型映像表示装置200が備える光源部210は、第1光路23におけるミラー45、46の間に配置された光学装置120に加え、さらに、第2光路25における第1ダイクロイックミラー28と第2ダイクロイックミラー29との間に、光学装置120と同様に構成された光学装置125を備える。光学装置125は、第1ダイクロイックミラー28を透過した光のスペックルノイズを低減する。
したがって、本実施の形態における光源部210では、第2光路25を通る光は、光学装置125による光の拡散と、蛍光体ホイール32の蛍光体層34内部での光の拡散と、によりスペックルノイズが低減する。
なお、この点を除き、光源部210は、実施の形態1に示した光源部10と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
次に、本実施の形態における光学装置125について、図8を用いて説明する。
[2−2.光学装置の詳細構成]
図8は、実施の形態2における光学装置125の外観の一例を示す斜視図である。なお、実施の形態1に示した光学装置120と実質的に同じ構成・動作の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付与し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、光学装置125は、固定部110と、可動部190と、を備える。
可動部190は、可動部ホルダ91と、拡散板144と、一対の拡散板保持部99と、磁石102と、ヨーク103と、を備える。
実施の形態2に示す光学装置125は、実施の形態1に示した光学装置120と実質的に同じ構成であり、実質的に同じ動作をするので、詳細な説明は省略する。
ただし、光学装置125は、光が光学装置125を通過するときのスペックルノイズの低減度が、光が光学装置120を通過するときのスペックルノイズの低減度よりも小さくなるように、構成されている。
具体的には、光学装置125の振動する拡散板144を光が通過するときのスペックルノイズの低減量と、蛍光体ホイール32の蛍光体層34内部で生じる光の拡散によるスペックルノイズの低減量と、を合計したスペックルノイズの低減量が、光学装置120の振動する拡散板44を光が通過するときのスペックルノイズの低減量と同等になるように、光学装置125におけるスペックルノイズの低減量が設定されている。
なお、上記の設定を実現するために、光学装置125において、光学装置120の拡散板44よりも光の拡散度が小さい拡散板が拡散板144として使用されてもよい。あるいは、光学装置120における拡散板44の振動周波数よりも低い周波数で拡散板144が振動されてもよい。あるいは、光学装置120における拡散板44の振動幅よりも小さい振動幅で拡散板144が振動されてもよい。あるいは、これらの設定が組み合わされて光学装置125が構成されてもよい。
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、投写型映像表示装置は、コヒーレント光を出射する光源と、光源から出射される光の光路上に配置された光学装置と、を備える。そして、その光学装置は、光を拡散する拡散板と、拡散板を保持する保持部と、保持部を振動させる駆動部と、一端が保持部の一点を弾性支持し、他端が設置面に固定された支持部と、を備える。
その投写型映像表示装置は、光源から出射される光を第1光路と第2光路とに分離する分離部を備え、第1光路と第2光路の両光路上に光学装置が配置されてもよい。
なお、本開示において、投写型映像表示装置200は、投写型映像表示装置の一例である。光学装置120、125は、それぞれが光学装置の一例である。拡散板44、144は、それぞれが拡散板の一例である。平面部92および拡散板保持部99は保持部の一例である。コイル101および磁石102は駆動部の一例である。支持部94は支持部の一例である。半導体レーザ12は光源の一例である。また、半導体レーザ12が出射するレーザ光はコヒーレント光の一例である。第1光路23は第1光路の一例であり、第2光路25は第2光路の一例である。第1ダイクロイックミラー28は、分離部の一例である。
本実施の形態における投写型映像表示装置は、蛍光体ホイール32に入射する光のスペックルノイズを光学装置125により低減しているので、蛍光体層34の発光による映像のスペックルノイズをより低減できる。
なお、蛍光体に照射する光が適度に拡散することで、蛍光体の温度の上昇が抑制され、蛍光体の発光光率が向上する。一方、蛍光体に照射する光が拡散し過ぎると、蛍光体の発光を集光するときの効率が下がり、結果的に発光輝度が低下する可能性がある。本実施の形態では、蛍光体ホイール32に入射する光が光学装置125の拡散板144により拡散し、かつ、その拡散度は、光学装置120の拡散板44における光の拡散度よりも小さい。そのため、蛍光体層34における発光効率を向上することが可能である。あるいは、光学装置125の拡散板144における光の拡散度を、蛍光体層34の発光効率が向上するように、設定してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態2における投写型映像表示装置200の光源部210では、第1光路23を通る光に関しては光学装置120によりスペックルノイズを低減し、第2光路25を通る光に関しては、光学装置125によりスペックルノイズを低減した。
しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。第1光路23を通る光と第2光路25を通る光との双方のスペックルノイズを、光学装置120と同様に構成された1つの光学装置を用いて低減してもよい。実施の形態3では、この構成を説明する。
以下、図9、図10を用いて、実施の形態3を説明する。
なお、実施の形態3における投写型映像表示装置300の外観およびブロック構成は、実施の形態1に示した投写型映像表示装置100と実質的に同じであるので、重複する説明は省略する。
[3−1.投写型映像表示装置の光学構成]
図9は、実施の形態3における投写型映像表示装置300の光学構成の一例を模式的に示す図である。
なお、実施の形態1に示した投写型映像表示装置100と実質的に同じ構成・動作の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付与し、重複する説明は省略する。
投写型映像表示装置300は、光学系のブロックとして、光源部310と、映像生成部50と、導光光学系70と、投写光学系80と、を備える。
投写型映像表示装置300が備える光源部310は、実施の形態1に示した光源部10とは異なり、ミラー45、46の間に光学装置120を配置せず、ミラー24と第1ダイクロイックミラー28との間に、光学装置120と同様に構成された光学装置130を備える。光学装置130は、ミラー24で反射した光のスペックルノイズを低減する。
したがって、本実施の形態における光源部310では、光学装置130でスペックルノイズが低減した光が、第1ダイクロイックミラー28に入射する。これにより、第1ダイクロイックミラー28で反射して第1光路23を通る光と、第1ダイクロイックミラー28を透過して第2光路25を通る光とは、ともに光学装置130によりスペックルノイズが低減した光となる。
なお、この点を除き、光源部310は、実施の形態1に示した光源部10と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
なお、実施の形態3において、光学装置130の配置位置は、何ら図9に示す配置位置に限定されない。光源部310において、光学装置130は、半導体レーザ12から出射された光が第1ダイクロイックミラー28に入射するまでの間の光路上のいずれかに配置されていればよい。
次に、本実施の形態における光学装置130について、図10を用いて説明する。
[3−2.光学装置の詳細構成]
図10は、実施の形態3における光学装置130の外観の一例を示す斜視図である。なお、実施の形態1に示した光学装置120と実質的に同じ構成・動作の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付与し、重複する説明は省略する。
図10に示すように、光学装置130は、固定部110と、可動部290と、を備える。
可動部290は、可動部ホルダ91と、拡散板244と、一対の拡散板保持部99と、磁石102と、ヨーク103と、を備えている。
実施の形態3に示す光学装置130は、実施の形態1に示した光学装置120と実質的に同じ構成であり、実質的に同じ動作をするので、詳細な説明は省略する。
光学装置130は、実施の形態1に示した光学装置120と同一のものであってもよい。あるいは、拡散板244における光の拡散度が、実施の形態1に示した拡散板44における光の拡散度と異なっていてもよい。あるいは、拡散板244を振動させるときの振動幅が、実施の形態1に示した拡散板44を振動させるときの振動幅と異なっていてもよい。あるいは、拡散板244を振動させるときの振動周波数が、実施の形態1に示した拡散板44を振動させるときの振動周波数と異なっていてもよい。光学装置130における光の拡散度は、投写型映像表示装置300の仕様や表示映像の視認実験等に応じて適切に設定すること望ましい。
[3−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、投写型映像表示装置は、コヒーレント光を出射する光源と、光源から出射される光の光路上に配置された光学装置と、を備える。そして、その光学装置は、光を拡散する拡散板と、拡散板を保持する保持部と、保持部を振動させる駆動部と、一端が保持部の一点を弾性支持し、他端が設置面に固定された支持部と、を備える。
その投写型映像表示装置は、光源から出射される光を第1光路と第2光路とに分離する分離部を備え、分離部に入射する前の光路上に光学装置が配置されてもよい。
なお、本開示において、投写型映像表示装置300は、投写型映像表示装置の一例である。光学装置130は光学装置の一例である。拡散板244は拡散板の一例である。平面部92および拡散板保持部99は保持部の一例である。コイル101および磁石102は駆動部の一例である。支持部94は支持部の一例である。半導体レーザ12は光源の一例である。また、半導体レーザ12が出射するレーザ光はコヒーレント光の一例である。第1光路23は第1光路の一例であり、第2光路25は第2光路の一例である。第1ダイクロイックミラー28は、分離部の一例である。
本実施の形態における投写型映像表示装置は、第1光路23を通る光のスペックルノイズと第2光路25を通る光のスペックルノイズとを1つの光学装置で低減できるので、投写型映像表示装置の構成を、2つの光学装置を備えた投写型映像表示装置よりも簡素化することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1〜3では、可動部ホルダ91の上方に固定部ホルダ111を配置する構成例を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、可動部ホルダ91の下方に固定部ホルダ111を配置してもよい。あるいは、可動部ホルダ91と固定部ホルダ111とを互いに水平方向に配置してもよい。本開示は、可動部ホルダ91と固定部ホルダ111との相対的な配置位置を何ら限定しない。可動部ホルダ91と固定部ホルダ111とは、コイル101が磁石102を振動させることができる位置に配置すればよい。
実施の形態1〜3では、映像生成部50にDMDを3つ備えた投写型映像表示装置を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、映像生成部にDMDを1つ備えた構成としてもよく、あるいはDMDに代えて液晶パネルを備えた構成としてもよい。
実施の形態1〜3では、コヒーレント光としてレーザ光を出射する半導体レーザ12を光源部に備える構成例を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、コヒーレント光を出射するナトリウムランプ等を光源部に備えた構成としてもよい。
実施の形態1〜3では、拡散板を、光源部から出射する光の光軸に直交するように配置する構成例を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、拡散板は、目的とする効果(コヒーレント光のスペックルノイズを低減する効果)が得られる範囲で、光源部から出射する光の光軸に対して傾斜していてもよい。
実施の形態1〜3では、可動部ホルダ91を1か所で固定する構成例を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、可動部ホルダ91は2か所以上で固定されていてもよい。
実施の形態1〜3では、蛍光体の励起に使用しない光の光路を第1光路とし、蛍光体に照射する光の光路を第2光路としたが、蛍光体の励起に使用しない光の光路を第2光路とし、蛍光体に照射する光の光路を第1光路としてもよい。
実施の形態1では、平面部92と支持部94とを連結部93が連結する構成を説明したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、連結部93を設けずに、支持部94と平面部92とを直接的に接続してもよい。
実施の形態1では、支持部94に弾性支持された平面部92が拡散板44を保持する構成を説明したが、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、平面部92を設けずに、支持部94が拡散板44の一点を直接的に支持する構成であってもよい。また、拡散板44に磁石102を直接取り付けてもよい。