以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線撮影装置のブロック図であり、図2は、実施例に係るコンソールのブロック図である。本実施例では、X線装置における検査として撮影を例に採って説明するとともに、X線装置として移動式台車を有した回診用のX線撮影装置を例に採って説明する。
本実施例に係るX線撮影装置は、図1に示すように、移動式台車1と、患者である被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、X線管2から照射されて被検体Mを透過したX線を検出するフラットパネル型X線検出器(FPD)3とを備えている。図1では、移動式台車1は支柱や伸縮アームなどを備え、伸縮アームの一端がX線管2を保持し、被検体Mを載置した天板の下方にFPD3を保持することで、X線管2およびFPD3が対向するように設けられている。なお、移動式台車は図1に示す構造に限定されず、Cアームを備え、Cアームの一端がX線管を保持し、Cアームの他端がFPDを保持することで、X線管およびFPDが対向する構造であってもよい。本実施例では、X線撮影装置は回診用であるので、被検体Mを載置した天板はX線撮影装置と独立して設置されている。X線管2は、この発明におけるX線管に相当し、フラットパネル型X線検出器(FPD)3は、この発明におけるX線検出器に相当する。
この他に、X線撮影装置は、FPD3によって検出されたX線に基づいて画像処理を行う画像処理部4と、各構成部を統括制御するコントローラ5と、コントローラ5を介して画像処理部4によって各種の画像処理で得られたX線画像を記憶するとともに、後述する撮影オーダ情報を記憶するメモリ部6と、技師などの操作者がデータや命令(コマンド)を入力する入力部7と、画像処理部4によるX線画像を表示するとともに、後述する自動的に選択されたFPD3を明示的に表示する表示部8とを備えている。コントローラ5は、この発明における制御装置に相当し、入力部7は、この発明における優先順位設定手段に相当する。
なお、コントローラ5,メモリ部6,入力部7および表示部8でコンソール9を構成している。画像処理部4をコンソール9に含ませてもよい。コンソール9の具体的な構成については、図2で後述する。
FPD3は、その検出面にはX線に有感な複数の検出素子を2次元マトリックス状に配列して構成されている。検出素子は、被検体Mを透過したX線を電気信号に変換して一旦蓄積して、その蓄積された電気信号を読み出すことで、X線を検出する。各々の検出素子でそれぞれ検出された電気信号を、電気信号に応じた画素値に変換して、検出素子の位置にそれぞれ対応した画素にその画素値を割り当てることでX線画像を出力する。出力されたX線画像を、コントローラ5を介して画像処理部4あるいはメモリ部6に送り込む。このように、FPD3は、X線を検出する複数の検出素子が行列状(2次元マトリックス状)に構成されており、X線撮影デジタル装置に用いられる。なお、X線検出器はFPDに限定されず、イメージインテンシファイア(I.I)などのX線撮影アナログ装置に用いられるX線検出器であってもよい。
なお、FPD3は、X線を直接的に電気信号に変換する光電変換層を有した直接変換型X線検出器であってもよいし、X線を光に変換するシンチレータと、変換された光を電気信号に変換する光電変換層とを有することで、X線を間接的に電気信号に変換する間接変換型X線検出器であってもよい。なお、X線の照射線量に対する電気信号の出力は、FPD3の感度に比例する。感度は、上述した光電変換層やシンチレータを構成する材料に応じて変化する。本実施例では、撮影前に各FPD3の感度をそれぞれ求めて、撮影オーダ情報としてメモリ部6に書き込んで記憶する。
本実施例では、様々な感度を有したFPD3や、様々な推奨検出器サイズを有したFPD3を用意して、これらFPD3を複数のX線撮影装置が共有している。
画像処理部4やコントローラ5は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。なお、画像処理部4については、GPU(Graphics Processing Unit) などで構成されてもよい。
メモリ部6は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。本実施例では、FPD3で得られた画像処理部4による画像処理後のX線画像を書き込んで記憶し、適宜必要に応じてメモリ部6からX線画像を読み出して表示部8、あるいはプリンタ(図示省略)に送り込む。また、本実施例では、検査に必要なFPDサイズ(推奨検出器サイズ)やFPD3の感度などの撮影オーダ情報を書き込んで記憶し、後述するコントローラ5のFPD選定部52(図2を参照)による選定の際にメモリ部6から当該撮影オーダ情報を読み出して当該FPD選定部52に送り込む。また、後述する使用可能な検出器リスト情報を書き込んで記憶し、後述するコントローラ5のFPD検出部51による検出(リストアップ)の際にメモリ部6から当該検出器リスト情報を読み出して当該FPD検出部51に送り込む。
ここで、使用可能なFPD3をリストアップ(検出)するために、FPD3が使用可能であると設定する操作を事前に行う。FPD3が使用可能であると設定する手法については特に限定されないが、ここでは通信手段による認証を例に採って説明する。具体的には、装置Aで使用可能になっている検出器aを装置Bで使用するためには、通信手段を用いて装置B・検出器a間を通信し、装置Bに検出器aを認証させ、検出器aを装置Bに属した状態にする。
この通信手段による認証については、通常における装置・検出器間での通信手段とは別の通信手段を用いて認証を行うのが好ましい。例えば、普段、装置・検出器間を無線LAN(Local Area Network)で通信しているときには、有線ケーブルを用いて装置・検出器間を電気的に接続し、その検出器を有線ケーブルにて接続された装置に属するように認証を行う。逆に、普段、装置・検出器間を有線ケーブルで通信しているときには、無線LANを用いて装置・検出器間を赤外線通信することで、その検出器を通信相手の装置に属するように認証を行う。認証された検出器を検出器リスト情報として、該当する装置のメモリ部に書き込んで記憶する。
通常、複数の使用可能な検出器を認証する。複数の使用可能な検出器を認証する場合には、複数の通信手段(例えば有線ケーブル)を用いて通信手段と同数の使用可能な検出器を同時に認証してもよいし、個々の検出器に対して順に認証してもよい。
なお、認証操作は頻繁に行われないと考えられるので、複数の有線ケーブルを用いて有線ケーブルと同数の使用可能な検出器を同時に認証する場合には、通常における装置・検出器間での通信や検出器の充電のためのケーブルが、認証のためのケーブルを兼用するようにしてもよい。
個々の検出器に対して順に認証する場合には、認証の対象となる検出器・装置間を通信して当該装置に当該検出器を認証させ、認証が済めば次の検出器の認証のために認証済の検出器・装置間の通信処理を完了し、次の検出器を認証の対象となる検出器として設定する操作を個々の検出器に対して順に行う。通信手段が有線ケーブルの場合には、有線ケーブルを認証の対象となる検出器・装置に電気的に接続することで認証の対象となる検出器・装置間を通信して当該装置に当該検出器を認証させ、有線ケーブルを認証済の検出器・装置から電気的に切り離すことで認証済の検出器・装置間の通信処理を完了し、有線ケーブルを次の検出器・装置に電気的に接続することで次の検出器を認証の対象となる検出器として設定する操作を個々の検出器に対して順に行う。
ここで、検出器を複数の装置が共有している場合には、当該検出器がどの装置と通信しているのかが判らなくなるのを防止するために、複数の装置に当該検出器を同時に認証させないようにする。例えば、検出器aを2つの装置A,Bが共有している場合には、装置Aで使用していた検出器aを装置Bで使用したい場合、装置Aからは検出器リスト情報から検出器aを削除し、装置Bに検出器aを認証させる。このようにして、2つの装置A,Bに当該検出器aを同時に認証させないようにする。
上述した認証が一度行われると、例えば、上述したように別の装置に認証させた,上述したように操作者が検出器リスト情報から検出器情報を削除したなどのような何らかの事情で認証が解除されない限り、再度認証させる必要はない。したがって、装置の電源をオフあるいはオンしても再度認証させる必要はない。
また、上述した認証の前に個々の検出器に関する登録操作を行ってもよい。ここでの登録操作とは、検出器の情報を該当する装置のメモリ部に書き込んで記憶する操作を意味する。装置に登録された検出器が認証された場合に限り、その装置でその検出器を使用可能になるようにする。逆に、装置に登録されていない検出器に関して認証操作を当該装置に行ったとしても、その装置で未登録の検出器を使用することができないようにする。このように、装置に対して登録操作および認証操作を両方行った検出器のみ使用することができるようにしてもよい。この登録操作は、使用する可能性のある装置全てに対して予め行うことが可能である。
上記では、通信手段による認証を例に採って説明したが、通信手段による認証以外にも、下記のようにFPD3などに代表される検出器が使用可能であると設定してもよい。例えば、無線の検出器を電波圏外へ移動させた場合、認証済であっても使用可能な検出器リスト情報から削除し、逆に、電波圏外にあった無線の検出器を電波圏内に移動させた場合、使用可能な検出器リスト情報に当該検出器を自動的に追加するように設定してもよい。また、検出器の電源を単純にオフにすることで使用可能な検出器リスト情報から削除し、検出器の電源を単純にオンにすることで使用可能な検出器リスト情報に当該検出器を自動的に追加するように設定してもよい。つまり、検出器が装置と通信不能になると使用可能でなくなり、検出器が装置と通信可能になると使用可能になるように設定する。
入力部7は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。本実施例では、FPD3を使用する優先順位を操作者が手動で設定するために、推奨検出器サイズやFPD3の感度などの撮影オーダ情報に基づいて当該優先順位を入力する。なお、後述するように、本実施例では推奨検出器サイズに基づいてFPD3を選定し、感度を考慮する場合に感度が最も高いFPD3を選択するというように、推奨検出器サイズや感度を既に用いているので、推奨検出器サイズや感度以外の撮影オーダ情報(例えば、被検体・関心領域のサイズや撮影部位)を用いて操作者はFPD3を使用する優先順位を任意に設定すればよい。
表示部8はタッチパネルやモニタやテレビジョンなどで構成されている。本実施例では、後述するコントローラ5の第1〜第3FPD選択部53〜55(図2を参照)で選択されたFPD3を表示部8に明示的に表示する他に、後述する図4のフローチャートや図5のフローチャートに示すように推奨検出器サイズと異なる別のサイズのFPD3を選択した際に、確認ダイアログ(dialog)を表示部8に表示する(図4のステップS18や図5のステップS27を参照)。
図2に示すようにコンソール9は、コントローラ5,メモリ部6,入力部7および表示部8を内蔵している(図1も参照)。コントローラ5は、FPD検出部51とFPD選定部52と第1〜第3FPD選択部53〜55とを備えている。FPD検出部51は、この発明におけるX線検出器検出手段に相当し、FPD選定部52は、この発明におけるX線検出器選定手段に相当し、第1FPD選択部53は、この発明における第1X線検出器選択手段に相当し、第2FPD選択部54は、この発明における第2X線検出器選択手段に相当し、第3FPD選択部55は、この発明における第3X線検出器選択手段に相当する。
なお、FPD検出部51による検出やFPD選定部52による選定や第1〜第3FPD選択部53〜55による選択を行うためのプログラム等をROMなどに代表される記憶媒体(メモリ部6)に書き込んで記憶し、その記憶媒体からプログラム等を読み出してコンソール9のCPU(コントローラ5)が実行することでそのプログラムに応じたFPD検出部51による検出やFPD選定部52による選定や第1〜第3FPD選択部53〜55による選択を行う。図1では、メモリ部6内に制御プログラム6Aを図示している。制御プログラム6Aは、この発明における制御プログラムに相当する。
FPD検出部51は、使用可能なFPD3を検出する。本実施例では、認証済のFPD3としてメモリ部6に記憶された検出器リスト情報を読み出してFPD検出部51が参照することで、使用可能なFPD3を検出する。検出されたFPD3をFPD選定部52に送り込む。
FPD選定部52は、メモリ部6に記憶された撮影オーダ情報に基づいて選択の対象となるFPD3を選定する。本実施例では、上述したように、撮影オーダ情報は、検査に必要なFPDサイズ(推奨検出器サイズ)の他に、FPD3の感度である。そして、FPD選定部52は、推奨検出器サイズに基づいてFPD3を選定する。さらに、FPD3の感度を考慮する場合、該当するFPD3の中から感度が最も高いFPD3を選択する。これら選定・選択されたFPD3の情報を第1〜第3FPD選択部53〜55に送り込む。使用可能なFPD3が1つであった場合には第1FPD選択部53に切り替えて、使用可能なFPD3が複数存在する場合には第2FPD選択部54に切り替えて、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でない場合(すなわち推奨検出器サイズと同じサイズの検出器が検出器リスト情報にない場合)には第3FPD選択部55に切り替える。
推奨検出器サイズに合致した同じサイズの使用可能なFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図3のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図3のステップS6を参照)。また、感度を考慮する場合において、推奨検出器サイズに合致した同じサイズの使用可能なFPD3のうち感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図3のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図3のステップS9を参照)。
なお、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能である場合において、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3の中から最も小さいサイズのFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図4のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図4のステップS13を参照)。また、感度を考慮する場合において、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3の中から最も小さいサイズの感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図4のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図4のステップS16を参照)。
なお、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でなく、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3が使用可能である場合において、推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3の中から最も大きいサイズのFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図5のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図5のステップS22を参照)。また、感度を考慮する場合において、推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3の中から最も大きいサイズの感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、後述する図5のフローチャートに示すように該当するFPD3を選択する(図5のステップS25を参照)。
推奨検出器サイズに合致した同じサイズの使用可能なFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、後述する図3のフローチャートに示すように複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する(図3のステップS7やステップS10を参照)。
なお、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能である場合において、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3の中から最も小さいサイズのFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、後述する図4のフローチャートに示すようにFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する(図4のステップS14やステップS17を参照)。
なお、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でなく、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3が使用可能である場合において、推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3の中から最も大きいサイズのFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、後述する図5のフローチャートに示すようにFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する(図5のステップS23やステップS26を参照)。
推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でない場合には、第3FPD選択部55は下記のようにFPD3を選択する。推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能である場合には、第3FPD選択部55は、後述する図4のフローチャートに示すように該当する大きなサイズのFPD3の中から最も小さいサイズのFPD3を選択する(図4のステップS11を参照)。推奨検出器サイズよりも大きなサイズのFPD3が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのFPD3が使用可能である場合には、第3FPD選択部55は、後述する図5のフローチャートに示すように該当する小さなサイズのFPD3の中から最も大きいサイズのFPD3を選択する(図5のステップS21を参照)。第3FPD選択部55で選択されたFPD3を撮影オーダ情報に基づいてさらに選定する場合には、FPD選定部52に送り込む。
これら第1〜第3FPD選択部53〜55で選択されたFPD3を明示的に表示するために、表示部8に送り込む。
次に、選択に関する制御の各フローチャートについて、図3〜図5を参照して説明する。図3は、推奨検出器サイズと同じサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能である場合の実施例に係るフローチャートであり、図4は、推奨検出器サイズと同じサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能である場合の実施例に係るフローチャートであり、図5は、推奨検出器サイズと同じサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能でなく、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのフラットパネル型X線検出器(FPD)が使用可能である場合の実施例に係るフローチャートである。
なお、図3〜図5のフローチャートは、図3のステップS1の撮影オーダが選択される(つまり、ある撮影オーダ情報に基づいて撮影を開始する),使用可能なFPD3(図1および図2を参照)の数が増減する,あるいは写損や再撮影を実施するといったタイミングで開始される。先ず、図3のフローチャートについて説明する。
(ステップS1)撮影オーダ選択
メモリ部6(図1および図2を参照)に記憶された撮影オーダ情報の中から操作者は選択する。選択された当該撮影オーダをメモリ部6から読み出してFPD選定部52(図2を参照)に送り込む。
(ステップS2)使用可能なFPDをチェック
メモリ部6に記憶された検出器リスト情報を読み出してFPD検出部51(図2を参照)が参照することで、使用可能なFPD3を検出する。この検出は「リストアップ」とも呼ばれ、使用可能なFPD3を検出することで、使用可能なFPD3をチェックする。チェック結果を、FPD選定部52に送り込む。このステップS2は、この発明におけるX線検出器検出工程に相当する。
(ステップS3)推奨検出器サイズをチェック
ステップS1で選択された撮影オーダ情報に関連付けられた推奨検出器サイズをチェックする。撮影オーダ情報は推奨検出器サイズであるので、FPD選定部52は推奨検出器サイズに合致したFPD3を選定する。このとき、推奨検出器サイズに合致しない使用可能なFPD3も選定するのが好ましい。このステップS3は、この発明におけるX線検出器選定工程に相当する。
(ステップS4)推奨検出器サイズと同じサイズのFPDが使用可能か?
推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能か否かを判断する。推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でない場合(図3の「No」を参照)には、ステップS3での結果に基づいて第3FPD選択部55(図2を参照)に切り替えて、図4のステップS11に進む。推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能である場合(図3の「Yes」を参照)にはステップS5に進む。
(ステップS5)複数のFPDが該当するか?
推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能である場合には、使用可能なFPD3が複数存在するか否かを判断する。使用可能なFPD3が1つであった場合(図3の「No」を参照)には、第1FPD選択部53(図2を参照)に切り替えて、ステップS6に進む。使用可能なFPD3が複数存在する場合(図3の「Yes」を参照)には、ステップS7またはステップS8に進む。
FPD3の感度を考慮しない場合、第2FPD選択部54(図2を参照)に切り替えて、ステップS7に進む。FPD3の感度を考慮する場合、ステップS8に進む。装置の設定として、感度を考慮するのかしないのかの設定を予め行い、設定値に基づいて自動的に分岐先に進むようにする。もちろん、表示部8(図1および図2を参照)に、例えば「感度を考慮しますか?」および「感度を考慮しませんか?」というボタン、あるいは「感度を考慮しますか?」に対して「はい」および「いいえ」というボタンを表示して、それらのボタンのうちのいずれかを入力部7のポインティングデバイスによってクリックすることで、感度の考慮の要否を選択するようにしてもよい。
(ステップS6)該当するFPDを選択
使用可能なFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。第1FPD選択部53で選択されたFPD3を明示的に表示するために、表示部8に送り込んで、一連の検出器選択を終了する。
(ステップS7)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮しない場合、かつ使用可能なFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。第2FPD選択部54で選択されたFPD3を明示的に表示するために、表示部8に送り込んで、一連の検出器選択を終了する。
(ステップS8)感度が最も高いFPDは複数存在するか?
FPD3の感度を考慮する場合、かつ使用可能なFPD3が複数存在する場合には、複数に該当するFPD3の中から感度が最も高いFPD3が複数存在するか否かを判断する。使用可能な感度が最も高いFPD3が1つであった場合(図3の「No」を参照)には、第1FPD選択部53に切り替えて、ステップS9に進む。使用可能な感度が最も高いFPD3が複数存在する場合(図3の「Yes」を参照)には、第2FPD選択部54に切り替えて、ステップS10に進む。
(ステップS9)該当するFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ使用可能な感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。第1FPD選択部53で選択されたFPD3を明示的に表示するために、表示部8に送り込んで、一連の検出器選択を終了する。
(ステップS10)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ使用可能な感度が最も高いFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。第2FPD選択部54で選択されたFPD3を明示的に表示するために、表示部8に送り込んで、一連の検出器選択を終了する。
次に、図4のフローチャートについて説明する。図3のステップS4で、推奨検出器サイズと同じサイズのFPD3が使用可能でない場合(「No」の場合)には、図4のステップS11に進む。
(ステップS11)推奨検出器サイズより大きなサイズのFPDが使用可能か?
推奨検出器サイズより大きなサイズのFPD3が使用可能か否かを判断する。推奨検出器サイズより大きなサイズのFPD3が使用可能でない場合(図4の「No」を参照)には、図5のステップS21に進む。推奨検出器サイズより大きなサイズのFPD3が使用可能である場合(図4の「Yes」を参照)にはステップS12に進む。
(ステップS12)サイズが最も小さいFPDは複数存在するか?
推奨検出器サイズより大きなサイズのFPD3が使用可能である場合には、該当するFPD3の中からサイズが最も小さいFPD3が複数存在するか否かを判断する。最も小さいFPD3が1つであった場合(図4の「No」を参照)には、ステップS13に進む。最も小さいFPD3が複数存在する場合(図4の「Yes」を参照)には、ステップS14またはステップS15に進む。
FPD3の感度を考慮しない場合、ステップS14に進む。FPD3の感度を考慮する場合、ステップS15に進む。
(ステップS13)該当するFPDを選択
最も小さいFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS18に進む。
(ステップS14)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮しない場合、かつ最も小さいFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS18に進む。
(ステップS15)感度が最も高いFPDは複数存在するか?
FPD3の感度を考慮する場合、かつ最も小さいFPD3が複数存在する場合には、複数に該当するFPD3の中から感度が最も高いFPD3が複数存在するか否かを判断する。感度が最も高いFPD3が1つであった場合(図4の「No」を参照)には、ステップS16に進む。感度が最も高いFPD3が複数存在する場合(図4の「Yes」を参照)には、ステップS17に進む。
(ステップS16)該当するFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS18に進む。
(ステップS17)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ感度が最も高いFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS18に進む。
(ステップS18)確認ダイアログを表示
ステップS13,ステップS14,ステップS16またはステップS17で選択されたFPD3は、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3であるので、確認ダイアログを表示部8に表示する。確認ダイアログの表示態様については、特に限定されないが、例えば「推奨検出器サイズのFPDは使用できないので、別のサイズのFPDを選択しました。現在選択中のFPDを確認してください」という確認ダイアログを表示する。確認ダイアログの表示後、一連の検出器選択を終了する。この確認ダイアログに関しては必ず表示しないといけないものではなく、表示してもよいし、表示しなくてもよい。
次に、図5のフローチャートについて説明する。図4のステップS11で、推奨検出器サイズより大きなサイズのFPD3が使用可能でない場合(「No」の場合)には、図5のステップS21に進む。
(ステップS21)サイズが最も大きいFPDは複数存在するか?
推奨検出器サイズより小さなサイズのFPD3が使用可能とすると、該当するFPD3の中からサイズが最も大きいFPD3が複数存在するか否かを判断する。最も大きいFPD3が1つであった場合(図5の「No」を参照)には、ステップS22に進む。最も大きいFPD3が複数存在する場合(図5の「Yes」を参照)には、ステップS23またはステップS24に進む。
FPD3の感度を考慮しない場合、ステップS23に進む。FPD3の感度を考慮する場合、ステップS24に進む。
(ステップS22)該当するFPDを選択
最も大きいFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS27に進む。
(ステップS23)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮しない場合、かつ最も大きいFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS27に進む。
(ステップS24)感度が最も高いFPDは複数存在するか?
FPD3の感度を考慮する場合、かつ最も大きいFPD3が複数存在する場合には、複数に該当するFPD3の中から感度が最も高いFPD3が複数存在するか否かを判断する。感度が最も高いFPD3が1つであった場合(図5の「No」を参照)には、ステップS25に進む。感度が最も高いFPD3が複数存在する場合(図5の「Yes」を参照)には、ステップS26に進む。
(ステップS25)該当するFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ感度が最も高いFPD3が1つであった場合には、第1FPD選択部53は、該当するFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS27に進む。
(ステップS26)優先順位が最も高いFPDを選択
FPD3の感度を考慮する場合、かつ感度が最も高いFPD3が複数存在する場合には、第2FPD選択部54は、複数に該当するFPD3の中から入力部7で設定された優先順位が最も高いFPD3を選択する。ここで、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3を選択しているので、確認ダイアログを表示するために、ステップS27に進む。
(ステップS27)確認ダイアログを表示
ステップS22,ステップS23,ステップS25またはステップS26で選択されたFPD3は、推奨検出器サイズとは別のサイズのFPD3であるので、確認ダイアログを表示部8に表示する。図4のステップS18でも述べたように、確認ダイアログの表示態様については、特に限定されない。確認ダイアログの表示後、一連の検出器選択を終了する。図4のステップS18でも述べたように、この確認ダイアログに関しては必ず表示しないといけないものではなく、表示してもよいし、表示しなくてもよい。
本実施例に係るX線撮影装置によれば、使用可能なX線検出器(本実施例ではFPD3)を検出するX線検出器検出手段(本実施例ではFPD検出部51)と、検査オーダ情報(本実施例では撮影オーダ情報)に基づいて選択の対象となるX線検出器(FPD3)を選定するX線検出器選定手段(本実施例ではFPD選定部52)とを備えている。そして、当該X線検出器検出手段(FPD検出部51)にて検出されたX線検出器(FPD3)のうち検査オーダ情報(撮影オーダ情報)に基づいてX線検出器選定手段(FPD選定部52)によってX線検出器(FPD3)を選択する。このように、使用可能なX線検出器(FPD3)のうち検査オーダ情報(撮影オーダ情報)に基づいて該当するX線検出器(FPD3)を選択するので、検査(本実施例では撮影)を実施するタイミングで使用可能なX線検出器(FPD3)が動的に変化する(本実施例では回診用のX線撮影装置が移動式台車1によって移動して、FPD3を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化する)可能性がある場合において、使用可能なX線検出器(FPD3)の中から(撮影オーダの)目的に合ったX線検出器FPD3を自動的に選択することができる。これによって、操作者の検査操作時(本実施例では撮影操作時)の負担を軽減することができる。
ここで、回診用のX線撮影装置が移動式台車1によって移動して、X線検出器(FPD3)を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化する場合としては、例えば以下のようなケースがある。上述したように、装置A,Bのような複数の装置で共有して使用する、あるX線検出器(FPD3)があった場合に、そのX線検出器(FPD3)を「装置Aで使用可能な状態」から「装置Bで使用可能な状態」に変更したときに、以下のように動的に変化する。すなわち、装置Aからは検出器リスト情報から該当するX線検出器(FPD3)を削除することにより使用可能なX線検出器(FPD3)の数が減ることになり、装置Bとしては該当するX線検出器(FPD3)を認証させることにより使用可能なX線検出器(FPD3)の数が増えることになる。
本実施例では、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)は検査に必要なX線検出器サイズ(推奨検出器サイズ)であって、X線検出器選定手段(FPD選定部52)は、当該推奨検出器サイズに基づいてX線検出器(FPD3)を選定する。推奨検出器サイズに合致した同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合には、当該同じサイズのX線検出器(FPD3)を選択することができる。特に、図3のステップS5で述べたように、当該同じサイズのX線検出器(FPD3)が1つであった場合には、ステップS6のように該当するX線検出器(FPD3)を選択する。
また、推奨検出器サイズや推奨検出器サイズ以外の別のサイズも含めて、X線検出器選定手段(FPD選定部52)で選定されたX線検出器(FPD3)のうち使用可能なX線検出器(FPD3)が1つであった場合には、図3のステップS6やステップS9、図4のステップS13やステップS16、図5のステップS22やステップS25のように、該当するX線検出器(FPD3)を選択する第1X線検出器選択手段(本実施例では第1FPD選択部53)を備えている。
また、本実施例では、推奨検出器サイズや推奨検出器サイズ以外の別のサイズも含めて、使用可能なX線検出器(FPD3)が複数存在する場合には、X線検出器(FPD3)を使用する優先順位を操作者が手動で設定して、当該優先順位に応じてX線検出器(FPD3)を自動的に選択するようにしている。すなわち、X線検出器(FPD3)を使用する優先順位を設定する優先順位設定手段(本実施例では入力部7)と、当該優先順位設定手段(入力部7)で設定された優先順位に応じてX線検出器(FPD3)を選択する第2X線検出器選択手段(本実施例では第2FPD選択部54)とを備えている。この場合には、X線検出器検出手段(FPD検出部51)で検出されたX線検出器(FPD3)のうち当該同じサイズや別のサイズも含めてX線検出器(FPD3)が複数存在する場合に有用であり、第2X線検出器選択手段(第2FPD選択部54)は、複数に該当するX線検出器(FPD3)の中から優先順位設定手段(入力部7)で設定された優先順位が最も高いX線検出器(FPD3)を、図3のステップS7やステップS10、図4のステップS14やステップS17、図5のステップS23やステップS26のように選択する。
本実施例のように検査オーダ情報(撮影オーダ情報)が推奨検出器サイズである場合において、推奨検出器サイズに合致した同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能であって、図3のステップS5で述べたように、当該同じサイズのX線検出器(FPD3)が複数存在する場合には、ステップS7やステップS10のように複数に該当する同じサイズのX線検出器(FPD3)の中から優先順位が最も高いX線検出器(FPD3)を選択する。
本実施例のように検査オーダ情報(撮影オーダ情報)が推奨検出器サイズである場合において、上述したような選択を行う第3X線検出器選択手段(本実施例では第3FPD選択部55)を備えている。すなわち、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合(図3のステップS4で「Yes」の場合)には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、当該同じサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。一方、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図3のステップS4での「No」を参照)、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合(図4のステップS11で「Yes」の場合)には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、該当する大きなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も小さいサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合には、「発明が解決しようとする課題」や「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)を選択すれば、検査(本実施例では撮影)に必要なX線検出器(FPD3)の範囲(撮影部位の領域の範囲)をカバーすることができる。一方で、極力小型のX線検出器を利用したいというニーズを考慮すれば、該当する大きなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も小さいサイズのX線検出器(FPD3)を選択することで、上記ニーズに応えつつ検査(撮影)に必要なX線検出器の範囲(撮影部位の領域の範囲)をカバーすることができる。
さらに、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図3のステップS4での「No」を参照)、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図4のステップS11での「No」を参照)、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、該当する小さなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最もサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。これによって、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でない場合であっても、該当する(推奨検出器サイズよりも)小さなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も大きいサイズのX線検出器(FPD3)を、検査に必要なX線検出器サイズ(推奨検出器サイズ)に極力に近いサイズのX線検出器(FPD3)として使用することができる。
さらに、本実施例では、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)は、上述した推奨検出器サイズの他に、X線検出器(FPD3)の感度であって、X線検出器検出手段(FPD検出部51)で検出されたX線検出器(FPD3)のうちX線検出器選定手段(FPD選定部52)は、推奨検出器サイズに基づいてX線検出器(FPD3)を選定し使用可能なX線検出器(FPD3)に基づいて、該当するX線検出器(FPD3)の中から感度が最も高いX線検出器(FPD3)を選択する。本実施例のようにX線検出器(FPD3)の感度に基づいてX線検出器(FPD3)を自動的に選択する場合には、「使用可能なFPD3」→「推奨検出器サイズ」→「FPD3の感度」→「感度が最も高いFPD3」という順序でX線検出器(FPD3)を自動的に選択することになる。これによって、推奨検出器サイズに基づいて選定されたX線検出器(FPD3)のうち使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)を使用することができ、感度が高いほどX線の照射線量を少なくすることができ、被検体(患者)の被曝低減につながる。
X線検出器(FPD3)の感度に基づいてX線検出器(FPD3)を自動的に選択する場合においても、推奨検出器サイズや推奨検出器サイズ以外の別のサイズも含めて、使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)が1つであった場合には、第1X線検出器選択手段(第1FPD選択部53)は、図3のステップS9、図4のステップS16、図5のステップS25のように、該当するX線検出器(FPD3)を選択する。
また、X線検出器(FPD3)の感度に基づいてX線検出器(FPD3)を自動的に選択する場合においても、推奨検出器サイズや推奨検出器サイズ以外の別のサイズも含めて、使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)が複数存在する場合には、上述したようにX線検出器(FPD3)を使用する優先順位を操作者が手動で設定して、当該優先順位に応じてX線検出器(FPD3)を自動的に選択するようにしている。すなわち、同様に、優先順位設定手段(入力部7)で、X線検出器(FPD3)を使用する優先順位を設定し、第2X線検出器選択手段(第2FPD選択部54)は、当該優先順位設定手段(入力部7)で設定された優先順位に応じてX線検出器(FPD3)を選択する。この場合には、図3のステップS8や図4のステップS15や図5のステップS24のように、使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)が複数存在する場合に有用であり、第2X線検出器選択手段(第2FPD選択部54)は、複数に該当するX線検出器(FPD3)の中から優先順位設定手段(入力部7)で設定された優先順位が最も高いX線検出器(FPD3)を、図3のステップS10、図4のステップS17、図5のステップS26のように選択する。
X線検出器(FPD3)の感度に基づいてX線検出器(FPD3)を自動的に選択する場合においても、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は上述したような選択を行う。すなわち、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合(図3のステップS4で「Yes」の場合)には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、当該同じサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。一方、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図3のステップS4での「No」を参照)、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合(図4のステップS11で「Yes」の場合)には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、該当する大きなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も小さいサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。さらに、当該第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)で選択された最も小さいサイズのX線検出器(FPD3)のうち使用可能なX線検出器(FPD3)に基づいて、該当するX線検出器(FPD3)の中から感度が最も高いX線検出器(FPD3)を選択する。該当する大きなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も小さいサイズのX線検出器(FPD3)を選択することで、極力小型のX線検出器を利用したいというニーズに応えつつ検査(撮影)に必要なX線検出器の範囲(撮影部位の領域の範囲)をカバーすることができる。さらに、複数に該当する同じサイズのX線検出器(FPD3)の中から感度が最も高いX線検出器(FPD3)を選択することで、上記ニーズに応えつつ使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)を使用することができ、感度が高いほどX線の照射線量を少なくすることができ、被検体(患者)の被曝低減につながる。
X線検出器(FPD3)の感度に基づいてX線検出器(FPD3)を自動的に選択する場合においても、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は上述したような選択を行う。すなわち、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図3のステップS4での「No」を参照)、推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく(図4のステップS11での「No」を参照)、かつ推奨検出器サイズよりも小さなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能である場合には、第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)は、該当する小さなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最もサイズのX線検出器(FPD3)を選択する。そして、当該第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)で選択された最も大きいサイズのX線検出器(FPD3)のうち使用可能なX線検出器(FPD3)に基づいて、該当するX線検出器(FPD3)の中から感度が最も高いX線検出器(FPD3)を選択する。これによって、推奨検出器サイズと同じサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でなく、かつ推奨検出器サイズよりも大きなサイズのX線検出器(FPD3)が使用可能でない場合であっても、該当する(推奨検出器サイズよりも)小さなサイズのX線検出器(FPD3)の中から最も大きいサイズのX線検出器(FPD3)を、検査に必要なX線検出器サイズ(推奨検出器サイズ)に極力に近いサイズのX線検出器(FPD3)として使用することができる。さらに、使用可能な感度が最も高いX線検出器(FPD3)を使用することができ、感度が高いほどX線の照射線量を少なくすることができ、被検体(患者)の被曝低減につながる。
本実施例では、移動式台車を有した回診用のX線撮影装置に適用することで、回診用のX線撮影装置が移動式台車1によって移動して、FPD3を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化する場合においても、使用可能なX線検出器(FPD3)の中から(撮影オーダの)目的に合ったX線検出器(FPD3)を自動的に選択することができる。
さらに、回診用のX線撮影装置では一般撮影装置のようにX線検出器(FPD3)をブッキー装置に組み込んだ状態での撮影がない。もしブッキー装置に組み込んだ状態での撮影であれば、撮影に使用するX線検出器(FPD3)として、そのブッキー装置内のX線検出器(FPD3)を自動的に選択すればよい。そうでない場合(本実施例のように回診用のX線撮影装置を用いた撮影の場合)には、撮影に使用するX線検出器(FPD3)を何らかの方法で指定する必要がある。このことから、一般撮影装置での撮影に比べて回診用のX線撮影装置では撮影に使用するX線検出器(FPD3)を選択しないといけないケースが多い。ブッキー装置に組み込んだ状態での撮影(ブッキー撮影)の場合でブッキー装置内のX線検出器(FPD3)を勝手に選択したとしても、それが不適切な選択結果である可能性は低いが、ブッキー装置のような検出器選択のための決定的な情報がない場合、他の情報でX線検出器(FPD3)を選択する必要がある。しかも、本実施例の場合、今回対象にしているのは使用可能なX線検出器(FPD3)がいつも同じとは限らない条件下における撮影であるので、何らかの方法でX線検出器(FPD3)を選択したとしてもそれが不適切な選択結果である可能性が高い。以上をまとめると、ブッキー装置に組み込んだ状態での撮影の場合には、撮影に使用するX線検出器(FPD3)の制約がある分だけ、X線検出器(FPD3)を不適切に選択する可能性が低い。それに対して、回診用のX線撮影装置に代表される、ブッキー装置に組み込まない撮影の場合には、撮影に使用するX線検出器(FPD3)の制約がない分、X線検出器(FPD3)を不適切に選択する可能性が高い。
そこで、本実施例では、移動式台車を有した回診用のX線撮影装置に適用することで、かかる制約がない状況であっても、使用可能なX線検出器(FPD3)の中から(撮影オーダの)目的に合ったX線検出器(FPD3)を自動的に選択することができる。このように、本発明は本実施例のような回診用のX線撮影装置に有用である。
なお、本実施例では、複数の回診用のX線撮影装置で同一のX線検出器(FPD3)を共有するケースについて述べたが、X線検出器(FPD3)をブッキー装置に組み込んだ状態での撮影でなければ、X線検出器(FPD3)を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化するケースが起こり得ることに留意されたい。例えば、回診用のX線撮影装置と据置型のX線撮影装置とで同一のX線検出器(FPD3)を共有するケースや、複数の据置型のX線撮影装置で同一のX線検出器(FPD3)を共有するケースでも、X線検出器(FPD3)を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化するケースが起こり得る。ただし、本実施例のように回診用のX線撮影装置では装置自体が移動することで、X線検出器(FPD3)を共有する周辺のX線撮影装置が動的に変化するケースが顕著に発生し得る。例えば、装置・X線検出器(FPD3)の通信の設定は「通信できる設定」のままであるが、装置が移動することでX線検出器(FPD3)との距離が離れた結果、無線の電波を検出することができなくなり、結果的に使用可能なX線検出器(FPD3)とは見なさないようになるケースも考えられる。このようなケースが起こったとしても、電波の受信状況等に左右されずに、使用可能なX線検出器(FPD3)の中から(撮影オーダの)目的に合ったX線検出器(FPD3)を自動的に選択することができる。
なお、本実施例では、使用可能にしたX線検出器(FPD3)を使用可能でない状態にする方法として、操作者が明示的に使用不可能な設定に変更する方法(本実施例では認証操作による方法)を挙げたが、これに限定されない。本実施例での認証操作でも述べたが、X線検出器が無線タイプである場合に、例えば使用可能なX線検出器(FPD3)を電波圏外へ移動させたことによって、「通信できなくなったこと」をトリガーとして使用可能なX線検出器(FPD3)を使用不可能なX線検出器(FPD3)として扱ってもよい。このような動作を行う場合、逆に装置・X線検出器(FPD3)間の距離が近づいて電波を検出することができるようになったことをトリガーとして使用不可能なX線検出器(FPD3)を使用可能なX線検出器(FPD3)として扱うようにしてもよい。
ただし、無線で動作する以上、X線検出器(FPD3)がどの装置に関連付いているのかが不明になるケースを考慮すると、「電波を検出することが可能な距離に装置およびX線検出器が位置する」という条件のみで、X線検出器(FPD3)が使用可能であると設定しないようにするのが好ましい。つまり、ある装置にX線検出器(FPD3)が関連付いていることが前提で、上述した装置・X線検出器(FPD3)間の距離をトリガーとして、当該装置から見て当該X線検出器(FPD3)が使用可能あるいは使用可能でないと設定する。例えば、装置Aと検出器aとが関連付いていて、関連付けがなされていない装置Bが検出器aの近傍に存在する状態で装置Aを検出器aから距離を離して移動させると、装置Aは検出器aを使用不可能と見なしてよい。ただし、検出器aが装置Bと接続するようになるわけではなく、検出器aは装置Aと接続しようとし続ける動きとなる。つまり、関連付けがなされていない装置Bからしてみれば検出器aは使用不可能な状態のままとなる。その後、装置Aを検出器aに近づけるように移動させると装置Aが検出器aを使用可能であると見なす。このように、装置・X線検出器(FPD3)間の距離をトリガーとする場合には、距離が遠ざかるときには当該X線検出器(FPD3)を使用可能でないと設定してもよいが、距離が近づくときには関連付けがなされた装置のみ当該X線検出器(FPD3)が使用可能であると設定するようにする。
なお、本実施例に係る制御方法では、使用可能なX線検出器(FPD3)を検出するX線検出器検出工程(ステップS2)と、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)に基づいて選択の対象となるX線検出器(FPD3)を選定するX線検出器選定工程(ステップS3)とを備え、当該X線検出器検出工程(ステップS2)で検出されたX線検出器(FPD3)のうちX線検出器選定工程(ステップS3)で選定されたX線検出器(FPD3)を選択している。
さらに、図1に示す制御プログラム6Aでは、使用可能なX線検出器(FPD3)を検出するX線検出器検出工程(ステップS2)と、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)に基づいて選択の対象となるX線検出器(FPD3)を選定するX線検出器選定工程(ステップS3)とを備え、当該X線検出器検出工程(ステップS2)で検出されたX線検出器(FPD3)のうちX線検出器選定工程(ステップS3)で選定されたX線検出器(FPD3)を選択し、これらの工程での処理をコンピュータ(本実施例ではコントローラ5のCPU)に実行させている。
また、本実施例に係るコントローラ5、制御方法および制御プログラム6Aによれば、本実施例に係るX線撮影装置と同様に、(FPD検出部51にて検出された)使用可能なX線検出器(FPD3)のうち検査オーダ情報(撮影オーダ情報)に基づいて該当するX線検出器(FPD3)を選択するので、検査(撮影)を実施するタイミングで使用可能なX線検出器(FPD3)が動的に変化する可能性がある場合において、使用可能なX線検出器(FPD3)の中から(撮影オーダの)目的に合ったX線検出器(FPD3)を自動的に選択することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、X線装置における検査として撮影を例に採って説明したが、撮影よりも弱い線量のX線を照射しながらX線画像をリアルタイムに表示する透視に適用してもよい。また、トモシンセシス(Tomosynthesis)やX線CT(Computed Tomography)などの断層撮影や、X線画像を被検体の長手方向に連結して長尺状の画像を取得する長尺撮影に適用してもよい。
(2)上述した実施例では、X線装置として移動式台車を有した回診用のX線撮影装置を例に採って説明したが、据置型のX線装置であってもよい。据置型のX線装置としては、例えば床面や天井面に固定設置されて臥位状態で検査を行うX線装置や、壁面に固定設置されて立位姿勢で検査を行うX線装置などがある。
(3)X線検出器を共有するX線装置の組み合わせについては、特に限定されない。上述した実施例のように回診用のX線装置同士の組み合わせであってもよいし、回診用のX線装置と据置型のX線装置との組み合わせであってもよいし、据置型のX線装置同士の組み合わせであってもよい。
(4)上述した実施例では、X線検出器として、コンソールとの通信が可能なデジタルX線検出器であるフラットパネル型X線検出器(FPD)を用いたが、X線検出器の種類については特に限定されない。イメージインテンシファイア(I.I.)やX線フィルムなどに例示されるように、アナログX線検出器であってもよい。
(5)上述した実施例では、検査オーダ情報(実施例では撮影オーダ情報)は、推奨検出器サイズやX線検出器(実施例ではFPD3)の感度であって、X線検出器選定手段(実施例ではFPD選定部52)は推奨検出器サイズに基づいてX線検出器(FPD3)を選定したが、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)は、推奨検出器サイズやX線検出器(FPD3)の感度に限定されない。例えば、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)は、被検体・関心領域のサイズや撮影部位であってもよい。撮影部位が四肢や胸部などのようにバラエティーに富んでいる場合には、四肢に関連付けられた四肢撮影用のX線検出器や胸部に関連付けられた胸部撮影用のX線検出器をそれぞれ用意して、選択された撮影部位に基づいてX線検出器を選定してもよい。また、特許文献2:特開2002−191586号公報のように、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)が空間分解能の場合には、空間分解能毎に関連付けられたX線検出器をそれぞれ用意して、高い空間分解能を必要としない透視の場合には低い空間分解能を有したX線検出器を選定して、高い空間分解能を必要とする撮影の場合には高い空間分解能を有したX線検出器を選定する。
(6)上述した実施例では、優先順位を設定する際に、推奨検出器サイズや感度以外の撮影オーダ情報(例えば、被検体・関心領域のサイズや撮影部位)に基づいて行ったが、個々の推奨検出器サイズに基づいて優先順位を設定してもよいし、感度に基づいて優先順位を設定してもよい。感度に基づいて優先順位を設定する場合には、感度が最も高いX線検出器を最も高い優先順位に設定して、感度が低くなるほどX線検出器を低い順位に設定する。これによって、使用可能なX線検出器の中から感度が高いX線検出器を優先的に使用することができ、感度が高いほどX線の照射線量を少なくすることができ、被検体(患者)の被曝低減につながる。特に、使用可能な同じサイズのX線検出器が複数存在する場合において、複数に該当する同じサイズのX線検出器の中から優先順位が最も高いX線検出器を選択する場合に有用であり、感度に基づいて優先順位を設定する場合には、「使用可能なX線検出器」→「X線検出器サイズ(推奨検出器サイズ)」→「X線検出器の感度」→「優先順位」という順序でX線検出器を選択することになる。
(7)上述した実施例では、X線検出器選定手段(実施例ではFPD選定部52)による選定や使用可能なX線検出器(実施例ではFPD3)に基づくX線検出器(実施例ではFPD3)の選択を優先的に行ったが、当該選定や当該選択よりも、下記の変形例(6)〜(8)のように優先的に選定・選択するようにしてもよい。
(8)例えば、使用可能でない状態であったX線検出器を使用可能な状態に変更設定する第1変更設定手段を備える。第1変更設定手段(図6では第1変更設定部56)としては、上述した実施例で述べた認証操作を行う通信手段の通信ポートおよびCPUで構成する。上述した実施例での認証操作でも述べたが、当該第1変更設定手段(第1変更設定部56)で使用可能な状態に変更設定された当該X線検出器を最優先に選択する。例えば、X線検出器を複数のX線装置で共有する場合において、一方のX線装置(装置A)でX線検出器を使用することで、他方のX線装置(装置B)では当該X線検出器が使用可能でなくなる。他方のX線装置(装置B)で当該X線検出器を使用したい場合においては、第1変更設定手段(第1変更設定部56)で使用可能な状態に変更設定することで、他方のX線装置(装置B)において当該X線検出器を最優先に選択するようにする。したがって、図6では、第1変更設定部56は第1〜第3FPD選択部53〜55に接続されており、第1変更設定手段(第1変更設定部56)で使用可能な状態に変更設定した場合には、第1〜第3FPD選択部53〜55によるX線検出器の選択を行わずに、第1変更設定手段(第1変更設定部56)で使用可能な状態に変更設定されたX線検出器を最優先に自動的に選択するようにする。認証操作のタイミングとしては、上述した実施例のような検査前でなくてもよい。例えば、検査中に認証操作を行うことも可能である。つまり、検査中のタイミングで装置に対して使用可能になっていないX線検出器を認証させるということは、その装置でそのX線検出器を今使用したいという意思表示であるという解釈として、認証されたX線検出器を最優先で自動的に選択するようにすることも可能である。
(9)逆に、使用可能なX線検出器として選択されていた当該X線検出器を使用可能でない状態に変更設定する第2変更設定手段を備えてもよい。第2変更設定手段としては、図7に示すように入力部7で構成する。当該第2変更設定手段(入力部7)で使用可能でない状態に変更設定されると、X線検出器選定手段(図7ではFPD選定部52)による選定を再度に行いX線検出器の選択を再度に行うようにする。そのために、図7では、入力部7はFPD選定部52や第1〜第3FPD選択部53〜55に接続されており、第2変更設定手段(入力部7)で用可能でない状態に変更設定されると、FPD選定部52による選定や第1〜第3FPD選択部53〜55によるX線検出器の選択を再度に行うことで、再選択を行うようにする。第2変更設定手段は入力部7でなくてもよい。例えば、上述した実施例での認証操作でも述べたが、X線検出器が無線タイプである場合に、使用可能なX線検出器を電波圏外へ移動させた場合、認証済であっても使用可能な検出器リスト情報から削除することで、使用可能なX線検出器として選択されていた当該X線検出器を使用可能でない状態に自動的に変更設定してもよい。この場合、無線LANの通信ポートおよびCPUで第2変更設定手段を構成する。
(10)また、例えば、使用可能なX線検出器のうち1つのX線検出器を最優先に選択するようにする。例えば、既に検査を行った検査オーダに対して写損操作やオーダの複製操作などを行い、新たに検査オーダが追加された場合には、再撮影を行うべく直前に使用されたX線検出器や追加された検査オーダの対象となるX線検出器が使用可能な状態である場合には、当該X線検出器を最優先に選択することにより、当該X線検出器を使用してもよい。最優先に選択されるX線検出器については、使用可能な状態であれば、上記の例に限定されずに任意であって、使用可能なX線検出器のうち1つのX線検出器を操作者が任意に最優先に選択することができる。
(11)上述した実施例では、X線検出器選定手段(実施例ではFPD選定部52)で選定されたX線検出器(実施例ではFPD3)のうち使用可能なX線検出器(FPD3)が1つであった場合には、該当するX線検出器を選択する第1X線検出器選択手段(実施例では第1FPD選択部53)を備えたが、使用可能なX線検出器(FPD3)が必ず複数存在する場合には、第1X線検出器選択手段(第1FPD選択部53)を備えずに第2X線検出器選択手段(実施例では第2FPD選択部54)を備えてもよい。
(12)上述した実施例では、X線検出器選定手段(実施例ではFPD選定部52)で選定されたX線検出器(実施例ではFPD3)のうち使用可能なX線検出器(FPD3)が複数存在する場合には、X線検出器を使用する優先順位を設定する優先順位設定手段(実施例では入力部7)を備えたが、必ずしも優先順位を設定する必要はない。
(13)上述した実施例では、検査オーダ情報(撮影オーダ情報)が推奨検出器サイズである場合において、第3X線検出器選択手段(実施例では第3FPD選択部55)を備えたが、推奨検出器サイズが一律であって、感度や空間分解能等がバラエティーに富んだX線検出器(実施例ではFPD3)を使用する場合には、必ずしも第3X線検出器選択手段(第3FPD選択部55)を備える必要はない。すなわち、推奨検出器サイズが一律である場合には、図4や図5のフローチャートを必ずしも行う必要はない。
(14)上述した実施例では、感度を考慮する場合に感度が最も高いX線検出器(実施例ではFPD3)を選択したが、感度を考慮しない場合、あるいは感度が一律のX線検出器(FPD3)を使用する場合には、必ずしも感度が最も高いX線検出器(FPD3)を選択する必要はない。