JP6642279B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本明細書によって開示される技術は、乗物用シートに関する。
自動車等の乗物用シートは、例えば特許文献1等に開示されるように、着座部としてのシートクッションと背もたれ部としてのシートバックからなるものが一般的な構成とされ、これらの内部にはシートの骨格をなすクッションフレームとバックフレーム(フレーム部材)が配されている。このような乗物用シートが乗員の着座等により荷重を受けると、クッションフレームやバックフレームが主にその荷重を受けることとなるため、これらフレーム部材の耐荷重性は、乗物用シートにおいて要求される重要な性能の一つである。
特開2015−3574号公報
特許文献1に開示された技術においては、例えばクッションフレームの構成要素であるロアアームは、主に着座荷重を受けるため、一層高い耐荷重性が求められている。ところで、ロアアーム等のフレーム部材には、特許文献1にも開示されているように幾つかの機能部品(例えばフロントリンクやリアリンク等)が取り付けられるため、耐荷重性向上を目的として補強部材を取り付ける場合であっても、機能部品が弊害となって、該補強部材の取付位置や取付方法に制限がかかることとなり、更なる補強を行うことが難しくなる場合もある。
本明細書で開示される技術は、上記した点に鑑みてなされたものであって、フレーム部材の剛性を向上させることを目的の一つとする。特には、何らかの機能部品が取り付けられているフレーム部材においても、簡便且つ安価に剛性向上を図ることができる技術を提供することを目的の一つとする。
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される技術は、シートの骨格をなす板状のフレーム部材と、前記フレーム部材に対して互いの面同士が対向する形で取り付けられて、前記フレーム部材の補強を行う板状の補強部材と、を備え、前記補強部材は、前記フレーム部材の前記対向する面に対して固定される複数の固定部を有し、当該複数の固定部は、溶接により固定される少なくとも3箇所の溶接部と、締結部材により固定される少なくとも1カ所の締結部とを備え、前記締結部は、前記フレーム部材と前記補強部材との間に隙間が形成された状態から、両部材を互いに近づける方向に締結してなることを特徴とする乗り物シートに関する。
このような乗物用シートによると、補強部材により板状のフレーム部材の補強(剛性向上による曲げや捻りなどの変形防止等)を好適に行うことができる。具体的には、板状の補強部材をフレーム部材に対向して固定させてフレーム部材を補強する場合、当該補強部材を4点以上の複数の固定部によりフレーム部材に対して確実に取り付ける必要があるところ、溶接による固定では、3点までは製品バラツキに拘わらず確実に固定することができるものの、4点以上を溶接により固定する場合は、少なくとも1点を固定することができない場合があり、ひいては補強を十分に行えない場合がある。4点以上による溶接の場合、フレーム部材や補強部材の製品バラツキ等が原因で少なくとも1点において、両部材間に浮き(隙間)が生じ、溶接不良によって固定を行えなくなる場合があるからである。そこで、上記技術では、複数の固定部のうち、少なくとも3箇所を溶接による溶接部により、少なくとも1箇所を締結部材による締結部により固定しているため、上述のような両部材間の浮き(隙間)が存在している場合でも、締結により両部材の少なくとも一方を変形させつつ浮き(隙間)を解消し、補強部材をフレーム部材に対して確実に固定することが可能となり、補強部材の補強性能を十分に発現することが可能となるのである。なお、締結部によれば、締結に基づくフレーム部材と補強部材の少なくとも一方の変形により、締結後のフレーム部材と補強部材との隙間が、締結前よりも小さくなるものとされている。
上記技術においては、前記補強部材の縁部において前記溶接部および前記締結部が設けられているものとすることができる。
このように補強部材の縁部において溶接部および締結部が設けられている場合、補強性能を一層向上させることができる。補強部材による補強においては、溶接および締結の内側(溶接部および締結部により囲まれた領域の内側)において補強性能が発現され、その内側部分の面積を大きくすることが好ましいところ、溶接部および締結部を補強部材の縁部に設けることで、溶接および締結された箇所の内側の面積を大きくとることが可能となるのである。
また、上記技術において、前記フレーム部材と前記補強部材の少なくとも一方の部材において、その一部が他方の部材から遠ざかるように後退してなることで、これらフレーム部材と補強部材との間には筒状空間が設けられ、該筒状空間が少なくとも前記溶接部および前記締結部で囲まれた領域の内側に位置しているものとすることができる。
このようにフレーム部材との間において筒状空間を設けつつ補強部材を取り付けると、フレーム部材の剛性が一層高められることとなる。この場合において、溶接部および締結部で囲まれた領域の内側、つまり溶接部および締結部を結ぶ最外周の内側において筒状空間を設けることで、閉ざされた筒状空間(閉断面の空間)を好適に確保し、剛性向上に一層寄与することが可能となる。
また、上記技術において、前記フレーム部材が長手状部材であって、前記筒状空間が前記フレーム部材の長手方向に沿って延びているものとすることができる。
この場合、長手方向において変形しやすいフレーム部材を補強部材により好適に補強することができる。特に、筒状空間の長手方向に沿って溶接部および締結部が形成されていることが好ましい。
また、上記技術において、前記フレーム部材には機能部品が取り付けられており、前記機能部品は、前記補強部材を前記フレーム部材との間で挟む形で、前記補強部材とともに前記フレーム部材に対して前記締結部材により締結されているものとすることができる。
この場合、機能部品を取り付けるための締結部材を利用して、補強部材をフレーム部材に締結しているため、別途の締結部材が必要なく経済的である。また、補強部材を機能部品とフレーム部材で挟む形としているため、フレーム部材と補強部材の密着性が向上し、一層高い補強を実現することが可能となる。
また、上記技術において、前記フレーム部材が、着座面を構成するシートクッションにおいて前後方向に延びるロアアームであり、前記機能部品が、前記ロアアームに取り付けられた箇所を回動軸として、前記シートクッションの前側部分を上下に回動変位させるチルトフレームであり、前記回動軸において、前記チルトフレームが前記補強部材とともに前記フレーム部材に対して前記締結部材により締結されているものとすることができる。
このように、チルトフレームにおける回動変位のための回動軸であって、チルトフレームをロアアームに取り付けるための締結部材を、補強部材をロアアームに取り付けるための締結に用いることで、ロアアームに対する補強部材およびチルトフレームの共締めを行うことが可能となり効率的である。
本明細書で開示される技術によれば、フレーム部材の剛性を向上させることができる。
本実施形態の車両用シートの骨格をなすフレーム部材の全体構成を示す斜視図。 図1のフレーム部材のうちロアアームとチルトフレーム周辺の構成を示す斜視図。 図1のフレーム部材のうちロアアームとチルトフレーム周辺の構成を示す側面図。 ロアアームの構成を示す側面図。 ロアアームの構成を示す分解斜視図。 図3のA−A断面について要部を示す図。 図3のB−B断面について要部を示す図。 その他の実施形態においてロアアームの構成を示す側面図。
実施形態の乗物用シートを図1から図7によって説明する。
本実施形態における前後方向、上下方向、左右方向等の方向は、図1等に示したX軸方向が前後方向、Y軸方向が左右方向、Z軸方向が上下方向と規定される。例えば、通常、乗員が着座した際に視界に入るほうが前方で、視界に入らない後頭部側が後方となる。
図1に示すように、本実施形態の乗物用シート1は、自動車に用いられるシートであり、運転席又は助手席となるフロントシートである。乗物用シート1は、図示しないヘッドレストとシートクッション2とシートバック3を備えている。シートクッション2とシートバック3は、主として金属(例えばアルミニウム合金製)で構成されたフレーム(フレーム部材)を骨格として使用している。着座面を構成するシートクッション2のフレームであるクッションフレーム20は、背もたれ部であるシートバック3のフレームであるバックフレーム30に対して接続される構成である。
シートクッション2のクッションフレーム20は、その左右位置において前後方向に延びる一対のロアアーム21を有している。ロアアーム21は、板状をなし、その後側において略円筒形状のリアロッド23が回動可能に接続され、その前側において略円筒形状のフロントロッド22が回動可能に接続されている。また、ロアアーム21の前側部にはフロントパネル25が接続されており、ロアアーム21の後端にはリクライニングプレート24が接続されている。このようにロアアーム21やリアロッド23などの幾つかのフレーム部材が接続されることによりクッションフレーム20が形成されている。なお、リクライニングプレート24は、バックフレーム30と回動可能に接続されており、これらリクライニングプレート24とバックフレーム30とがなす角度を設定するために使用されるリクライナー(図示せず)が設けられている。
シートクッション2には、当該シートクッション2を上下動させるためのリフター機構が設けられている。具体的には、リフター機構として、傾動可能な2つのフロントリンク22a,22aと2つのリアリンク23a,23aが備えられている。フロントリンク22a及びリアリンク23aの一端はリンク用ブラケット72を介してスライドレール機構51を構成するアッパレール52に固定されており、スライドレール機構51は床面FLに固定されている。つまり、床面FLに固定されたスライドレール機構51に取り付けられたリンク用ブラケット72に対して回動可能にフロントリンク22aとリアリンク23aが接続されている。 なお、2つのフロントリンク22a,22aはフロントロッド22と固定されており、2つのリアリンク23a,23aはリアロッド23と固定されている。フロントロッド22とリアロッド23は各々ロアアーム21に対して回動可能な状態で取り付けられており、この回動に従って、床面FLに対してシートクッション2の座面が上下動可能となっている。
また、シートクッション2には、図2および図3にも示すように、当該シートクッション2の前端部を上下動させるためのバーチカル機構80が設けられている。具体的には、バーチカル機構80は主にロアアーム21と、ロアアーム21に軸支されたチルトフレーム82、バーチカルギヤ81、フロントロッド22とにより構成されている。図示しないモータの作動に伴ってピニオンギヤ(図示せず)が回転すると、当該ピニオンギヤに噛み合わされたバーチカルギヤ81に回転力が作用する。ここで、バーチカルギヤ81を支持するフロントロッド22は、ロアアーム21に対して上下動が規制された状態で支持されているため、バーチカルギヤ81がピニオンギヤの回転に伴ってロアアーム21に対して上下動することとなる。
一方、チルトフレーム82(機能部品の一つ)は、その前端がバーチカルギヤ81に取り付けられ、後端がロアアーム21に対して軸支されている。したがって、チルトフレーム82は、ロアアーム21に軸支された位置を回動軸11とし、バーチカルギヤ81の変位に伴って前端部分がロアアーム21に対して上下動するものとされている。そして、このチルトフレーム82の上下動に伴ってシートクッション2の前端部(前側部分)が上下に回動変位することとなる。
次に、ロアアーム21及びその周辺の構造について説明する。
上記したように、ロアアーム21は、クッションフレーム20を構成するフレーム部材の一部(特に板状のフレーム部材の一部)であり、クッションフレーム20の左右において、長手方向が車両前後方向に指向するように配されている。また、ロアアーム21は、その上側及び下側の一部を略直角に折り曲げた構成のフランジ部を有し、その剛性を確保する構成となっている。さらに、ロアアーム21には、図4ないし図7にも示すように、当該ロアアーム21を補強するための板状のパッチ部材(補強部材)10が取り付けられている。パッチ部材10は、ロアアーム21と同様に例えばアルミニウム合金等の金属製とされ、略長方形状をなし、その長手方向がロアアーム21の長手方向に沿うように配設されている。
パッチ部材10は、ロアアーム21に対して少なくとも3箇所を溶接により、さらに他箇所を締結部材を用いた締結により取り付けられている。具体的には、図4に示すように、パッチ部材10の4隅のうち3つを溶接部13,14,15(図4の網掛け部分)としてアーク溶接によりロアアーム21に溶接されている。また、パッチ部材10の長手方向略中心の上端縁部にはボス挿通孔16が形成され、ロアアーム21に形成されたボス挿通孔29と位置合わせされた状態で(図5参照)、図6に示すようなボス(締結部材)17を用いたカシメにより、ロアアーム21に対して締結されている(この締結箇所を締結部16とも言う)。このようにパッチ部材10は、ロアアーム21に対し、当該パッチ部材10の縁部において固定され、複数の固定部13,14,15,16のうち少なくとも3箇所を溶接部13,14,15、少なくとも1箇所を締結部16として固定されているのである。
また、パッチ部材10は、ロアアーム21に対しては、互いの面同士が対向する形で取り付けられており、その一部はロアアーム21との間に筒状空間91を有する形で取り付けられている。この筒状空間91は、その筒軸が、図4に示すようにロアアーム21やパッチ部材10の長手方向に沿うものとされ、少なくとも上記した溶接部13,14,15および締結部16で囲まれた領域の内側に形成されている。また、この筒状空間91は、ロアアーム21とパッチ部材10の少なくとも一方の部材(ここでは両部材)において、その一部18,28が他方の部材(相手部材)から遠ざかるように後退してなることで、当該筒状空間91が形成されている(図5〜図7参照)。
ここで、パッチ部材10のロアアーム21への取り付けについて、特にボス17を用いたカシメ締結の態様について説明する。上述の通り、パッチ部材10はロアアーム21に対して少なくとも1箇所がボス(締結部材)17を用いたカシメ締結(締結部16)により取り付けられているが、この締結部16は、機能部品であるチルトフレーム82の取り付けも兼ねており、つまり、ロアアーム21に対してパッチ部材10とチルトフレーム82がボス17を用いたカシメにより共締めされている。具体的には、図6に示すように、チルトフレーム82は、パッチ部材10をロアアーム21との間で挟む形で、パッチ部材10とともにロアアーム21に対してボス17を用いてカシメ締結されており、このカシメ締結された部分を回動軸11として上述のバーチカル機構の機能が実現されている。
これら3部材のカシメ締結は、上述の通り、パッチ部材10のボス挿通孔16とロアアーム21のボス挿通孔29とを位置合わせした状態で、まずは3点(溶接部13,14,15)における溶接を行い、パッチ部材10付きロアアーム21を組み立てる。ここで、パッチ部材10とロアアーム21との間には、特にボス挿通孔16,29付近において浮き(隙間)が生じている。
このようなパッチ部材10付きロアアーム21に対して、さらにチルトフレーム82を、そのボス挿通孔85と上記ボス挿通孔16,29とが位置合わせされた状態で組み付ける。そして、ボス17の胴部171をこれら挿通孔29,16,85に挿通するとともに、ボス17の頭部172をロアアーム21の外側面から支持し、胴部171の先端を加圧変形することで、上記パッチ部材10とロアアーム21との間の浮き(隙間)を解消するカシメ(すなわち両部材10,21を互いに近づける変形を伴うカシメ)が行われ、図6に示すような状態の締結が完成する。なお、本実施形態では、バーチカル機構実現のため、チルトフレーム82はロアアーム21に対して回動変位可能となっており、加圧変形した抜け止め部170とロアアーム21との間には、チルトフレーム82の回動を許容すべく、パッチ部材10とチルトフレーム82の厚みよりも若干大きな隙間が形成されている。
以上、本発明の一実施形態を示したが、本実施形態の乗物用シート1は、当該乗物用シート1の骨格をなす板状のフレーム部材としてのロアアーム21と、ロアアーム21に対して互いの面同士が対向する形で取り付けられて、ロアアーム21の補強を行う板状のパッチ部材10と、を備え、パッチ部材10が、ロアアーム21に対して固定される複数の固定部13,14,15,16を有し、このうち少なくとも3箇所を溶接(溶接部13,14,15)により、さらに他箇所を締結部材17による締結(締結部16)とし、締結部16が、ロアアーム21とパッチ部材10との間に隙間が形成された状態から両部材21,10を互いに近づける方向に締結する構成を有している。
パッチ部材10によりロアアーム21を補強する場合、当該パッチ部材10を4点以上により確実に固定する必要があるところ、溶接による固定では、3点までは製品バラツキに拘わらず固定することができるものの、4点以上を溶接により固定する場合は、少なくとも1点を固定することができない場合があり、ひいては補強を十分に行えない場合がある。4点以上による溶接の場合、ロアアーム21やパッチ部材10の製品バラツキ等が原因で少なくとも1点において、両部材21,10間に浮き(隙間)が生じ、溶接不良によって確実な固定を行えなくなる場合があるからである。そこで、本実施形態では、少なくとも3箇所を溶接(溶接部13,14,15)により取り付け、さらに他箇所を締結部材17による締結(締結部16)により固定しているため、上述のような両部材21,10間の浮き(隙間)が存在している場合でも、締結により両部材の少なくとも一方を変形させつつ浮き(隙間)を解消し、パッチ部材10をロアアーム21に対して確実に固定することができており、パッチ部材10の補強性能を十分に発現できる構成となっている。
また、本実施形態においては、パッチ部材10の縁部において溶接部13,14,15および締結部16が設けられている。パッチ部材10による補強においては、溶接部および締結部で囲まれた領域の内側において補強性能が発現され、その内側部分の面積を大きくすることが好ましいところ、本実施形態では、溶接および締結をパッチ部材10の縁部にて行うことで、溶接および締結された箇所の内側の面積を大きくとることができ、その結果、パッチ部材10の補強性能を十分に発現できる構成となっている。
また、本実施形態おいては、ロアアーム21とパッチ部材10とは互いの面同士が対向する形で取り付けられ、さらにロアアーム21とパッチ部材10とは、その一部が相手部材から遠ざかるように後退してなることで、これらロアアーム21とパッチ部材10との間に筒状空間91が設けられており、該筒状空間91が少なくとも溶接部13,14,15および締結部16で囲まれた領域の内側に位置している。このようにロアアーム21との間において筒状空間91を形成しつつパッチ部材10を取り付け、該筒状空間91が溶接および締結が行われた箇所の内側、つまり溶接および締結が行われた箇所を結ぶ最外周の内側に位置するように取り付けることで、パッチ部材10内部における閉ざされた筒状空間91が好適に確保され、パッチ部材10の補強性能が十分に発現される構成となっている。
また、本実施形態においては、ロアアーム21が長手状部材とされ、筒状空間91がロアアーム21の長手方向に沿って延びているため、長手方向において変形しやすいロアアーム21がパッチ部材10により好適に補強されている。特に本実施形態では、筒状空間91の長手方向に沿って溶接(溶接部13,14,15)および締結(ボス17を用いたカシメによる締結部16)が行われているため、パッチ部材10の補強性能が一層高く発現されている。
また、本実施形態においては、バーチカル機能を実現するチルトフレーム82がロアアーム21に取り付けられており、チルトフレーム82が、パッチ部材10をロアアーム21との間で挟む形で、パッチ部材10とともにロアアーム21に対してボス17を用いたカシメにより締結されている。このように、チルトフレーム82を取り付けるための締結部材(ボス17)を利用してパッチ部材10をロアアーム21に締結しているため、別途の締結部材が必要なく経済的である。また、パッチ部材10をチルトフレーム82とロアアーム21で挟む形としているため、ロアアーム21とパッチ部材10の密着性が向上し、パッチ部材10の補強性能が十分に発現される構成となっている。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を示したが、上記記述及び図面によって説明した実施形態以外にも、例えば次のような実施形態とすることも可能である。
例えば、上記実施形態では乗物として自動車を例示したが、その他にも地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記フレーム部材を備えたシートを適用することができる。
上記実施形態では、フレーム部材であるロアアーム21やチルトフレーム82をアルミニウム合金製としたが、マグネシウム等の他の軽合金製としても良いし、鉄製としても良い。また、パッチ部材10についても同様に、マグネシウム等の他の軽合金製としても良いし、鉄製としても良い。
上記実施形態では、ロアアーム21にパッチ部材10を取り付ける際の溶接として、気体中の放電現象を利用し、金属同士を接合するアーク溶接を採用したが、抵抗溶接等を採用することもできる。また、上記実施形態では、ロアアーム21にパッチ部材10を取り付ける際の締結として、ボス17を用いたカシメ締結を採用したが、螺合による締結等を採用することもできる。
上記実施形態では、パッチ部材10を用いて補強するフレーム部材としてロアアーム21を示したが、その他にも、シートバック3のバックフレーム30等を例示することができる。また、上記実施形態では、パッチ部材10をロアアーム21に取り付けるに際し、機能部品としてのチルトフレーム82と共締めする構成としたが、このような機能部品としては、例えばリクライニング機構のためのリクライニングプレート24、リフター機構のためのフロントリンク22a、リアリンク23a等を例示することができ、これら機能部品のいずれかとともに、パッチ部材10をロアアーム21に対して共締めする構成とすることもできる。
また、本実施形態では、パッチ部材10をロアアーム21に取り付けるに際し、溶接を3箇所、締結を1箇所とする例を示したが、溶接については4箇所以上としても良いし、締結は2箇所以上としても良い。その際、溶接はパッチ部材10の縁部にて行うのが通常であるが、締結に関しては、溶接を行うことが困難な箇所(例えばパッチ部材10とロアアーム21(フレーム部材)との間に浮き(隙間)が生じるような箇所)において行うことが好適である。具体的には、図8に示すように、パッチ部材10の角部に形成された溶接部13,14,15に加えて、溶接部14,15の間であって筒状空間91と重ならない位置を溶接部19とし、パッチ部材10の角部のうち固定が行われていない角部(左上角部)に更なる締結部160を設けるものとしても良い。
1...乗物用シート、2...シートクッション、3...シートバック、10...パッチ部材(補強部材)、11...回動軸、13,14,15...溶接部、16...締結部(ボス挿通孔)、17...ボス、20...クッションフレーム、21...ロアアーム、80...バーチカル機構、82...チルトフレーム、91...筒状空間、FL...床面

Claims (6)

  1. シートの骨格をなす板状のフレーム部材と、
    前記フレーム部材に対して互いの面同士が対向する形で取り付けられて、前記フレーム部材の補強を行う板状の補強部材と、を備え、
    前記補強部材は、前記フレーム部材の前記対向する面に対して固定される複数の固定部を有し、当該複数の固定部は、溶接により固定される少なくとも3箇所の溶接部と、締結部材により固定される少なくとも1箇所の締結部とを備え、
    前記締結部は、前記フレーム部材と前記補強部材との間に隙間が形成された状態から、両部材を互いに近づける方向に締結してなることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記補強部材の縁部において、前記溶接部および前記締結部が設けられている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記フレーム部材と前記補強部材の少なくとも一方の部材において、その一部が他方の部材から遠ざかるように後退してなることで、これらフレーム部材と補強部材との間には筒状空間が設けられ、該筒状空間が少なくとも前記溶接部および前記締結部で囲まれた領域の内側に位置している請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記フレーム部材が長手状部材であって、
    前記筒状空間が前記フレーム部材の長手方向に沿って延びている請求項3に記載の乗物用シート。
  5. 前記フレーム部材には機能部品が取り付けられており、
    前記機能部品は、前記補強部材を前記フレーム部材との間で挟む形で、前記補強部材とともに前記フレーム部材に対して前記締結部材により締結されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  6. 前記フレーム部材が、着座面を構成するシートクッションにおいて前後方向に延びるロアアームであり、
    前記機能部品が、前記ロアアームに取り付けられた箇所を回動軸として、前記シートクッションの前側部分を上下に回動変位させるチルトフレームであり、
    前記回動軸において、前記チルトフレームが前記補強部材とともに前記フレーム部材に対して前記締結部材により締結されている請求項5に記載の乗物用シート。
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