JP6641154B2 - ピーク低減回路、ofdm信号送信装置及びチップ - Google Patents

ピーク低減回路、ofdm信号送信装置及びチップ Download PDF

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Description

本発明は、マルチキャリア変調における変調信号のピークを低減するピーク低減回路、OFDM信号送信装置及びチップに関する。
図15は、従来のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号送信装置の構成例を示すブロック図である。このOFDM信号送信装置100は、データマッピング部10、サブキャリア配置部11、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部12及びGI(Guard Interval:ガードインターバル)付加部13を備えている。OFDM信号送信装置100は、送信対象のデータにOFDM変調を施してOFDM信号を生成し、OFDM信号を送信する。
データマッピング部10は、送信対象のデータを入力し、データにキャリア変調を施してIQ軸にマッピングし、変調信号を生成する。そして、データマッピング部10は、IQ軸にマッピングした変調信号をサブキャリア配置部11に出力する。
サブキャリア配置部11は、データマッピング部10から変調信号を入力し、変調信号を周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号S(n)(周波数領域のOFDM信号S(n))を生成する。ここで、nは、周波数領域のサブキャリア番号を示す。そして、サブキャリア配置部11は、周波数領域の信号S(n)をIFFT部12に出力する。
図16は、周波数領域の信号S(n)を説明する図である。横軸は、周波数軸上のサブキャリア番号nを示し、縦軸は、周波数領域の信号S(n)を示す。周波数領域の信号S(n)は、IQ軸にマッピングされた複素数のデータであり、周波数領域の1シンボル長がNサンプル(Nポイント)のサブキャリアからなるものとする。この周波数領域は、帯域内の領域と、当該帯域内の領域の両側に位置する帯域外の領域とからなる。帯域内の領域において、サブキャリア番号n=0〜M−1のM個のサブキャリアに、キャリア変調された送信対象のデータである変調信号、及び制御情報等がそれぞれ配置される。
図16の例では、サブキャリア番号n=0,1,3,5,・・・,m,・・・,M−1のサブキャリアに、キャリア変調された送信対象のデータである変調信号が配置される。また、サブキャリア番号n=2,4等のサブキャリアに、送信対象のデータ以外の制御情報(例えばTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号)、チャネル推定のための既知データ(例えばSP(Scattered Pilot:スキャタードパイロット)信号)、ユーザーが任意に設定可能な補助データ(例えばAC(Auxiliary Channel)信号)等のパイロット信号が配置される。
つまり、サブキャリア配置部11は、キャリア変調された送信対象のデータである変調信号を所定のサブキャリアに配置すると共に、予め設定された制御情報等を他の所定のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号S(n)を生成する。
図15に戻って、IFFT部12は、サブキャリア配置部11から周波数領域の信号S(n)を入力し、周波数領域の信号S(n)にIFFTを施し、時間領域の信号s(k)(時間領域のOFDM信号s(k))を生成する。ここで、kは時刻を示す。そして、IFFT部12は、時間領域の信号s(k)をGI付加部13に出力する。
GI付加部13は、IFFT部12から時間領域の信号s(k)を入力し、有効シンボル区間に相当する信号s(k)の先頭に、有効シンボル区間に相当する信号s(k)の所定の後ろの部分をコピーすることで、GIを付加する。そして、GI付加部13によりGIが付加された信号は、周波数変換等が施された後、OFDM信号送信装置100からOFDM信号として送信される。
このように、OFDM信号送信装置100により、送信対象のデータに対し、データマッピング、サブキャリア配置、IFFT、GI付加等の処理が施され、送信対象のデータは、OFDM信号として送信される。
ところで、図15に示したOFDM信号送信装置100のIFFT部12において、IFFTにより、周波数領域の信号S(n)が時間領域の信号s(k)に変換される。周波数領域の信号S(n)が、図16に示したサブキャリア番号nに配置される場合を仮定すると、IFFT部12は、以下の式により、離散時間のIFFTにて、周波数領域の信号S(n)から時間領域の信号s(k)を生成する。
前記数式(1)から、時刻k毎に、周波数領域の信号S(n)とexpが底である指数関数との乗算結果の位相が一致する場合、ある時刻の時間領域の信号s(k)の瞬時値は大きなピークとなり得ることがわかる。
図17は、OFDM信号の波形例を示す図である。横軸は時間(サンプル)を示し、縦軸はOFDM信号の振幅を示す。このOFDM信号の波形は、図15に示したOFDM信号送信装置100のIFFT部12により生成された時間領域の信号s(k)の波形例であり、1シンボル期間の波形を示し、その平均振幅は1である。
図17から、ある時刻において、OFDM信号は、その平均値1よりも極めて大きなピークとなっていることがわかる。このOFDM信号にピークが現れるのは、前述のとおり、IFFT部12によりIFFTの処理が行われる前記数式(1)において、周波数領域の信号S(n)及び指数関数expの位相が一致するからである。したがって、OFDM信号が瞬時的なピークを有することは、必然的に発生する現象である。
このようなOFDM信号のピークが高くなると、増幅器(図15において、IFFT部12及びGI付加部13の後段に設けられた図示しない増幅器)により増幅されるOFDM信号は、歪みを有することとなる。そして、OFDM信号送信装置100からの送信信号の劣化が大きくなり、結果として、伝送特性に悪影響を及ぼしてしまう。
従来、OFDM信号のピークを低減するための様々な手法が提案されている。例えば、OFDM信号を歪ませることにより、そのピークを低減する処理を複数回繰り返して行う手法が知られている(例えば特許文献1を参照)。この手法は、時間領域のOFDM信号のうち所定の閾値を超えるピークを低減させ、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)及びIFFTの一連の処理を複数回繰り返して行うものである。
特開2013−162282号公報
一般に、OFDM信号のピークを低減するための代表的な手法には、CAF法(Clipping and Filtering method:クリッピング及びフィルタリング法)、TR法(Tone Reservation method:トーン予約法)及びPTS法(Partial Transmit Sequence:部分系列伝送法)がある。
CAF法は、クリッピング処理とフィルタリング処理を組み合わせることにより、OFDM信号を歪ませ、OFDM信号のピークを低減する手法である。
このCAF法によれば、比較的小さな計算コストや回路規模でピーク低減を実現できるが、OFDM信号を歪ませる手法であることから、EVM(Error Vector Magnitude:変調精度)の劣化を引き起こしてしまう。これに対し、前述の特許文献1の手法は、OFDM信号を歪ませてそのピークを低減する処理を繰り返し行い、1回あたりのピーク低減量を少なくすることで、EVMの劣化を抑えている。しかし、EVMの劣化を完全に除去することはできない。
TR法は、周波数領域のOFDM信号において、データを割り当てていないサブキャリアに、ピーク低減用のダミーデータを設定する手法である。このTR法では、ピークを検出する処理とダミーデータを生成する処理が主となる。また、ピークを検出する処理とダミーデータを生成する処理とを繰り返し行う手法もある。
このTR法によれば、データを操作しないため、EVMの劣化を抑えることができる。しかし、ダミーデータを生成する処理は、複雑な複素演算が必要となることから、計算コストが高くなってしまう。特に、ピークを検出する処理とダミーデータを生成する処理とを繰り返し行う手法では、計算コストがさらに高くなる。
PTS法は、送信対象のデータに位相回転を施してOFDM変調することで、OFDM信号のピークを低減する手法である。具体的には、位相回転のパターンを複数用意し、全てのパターンに対してOFDM信号を生成し、生成した複数のOFDM信号のうち最もピークが低いOFDM信号を選択して送信するものである。
このPTS法によれば、1系統のOFDM信号を送信するために、複数のOFDM信号を生成する必要があるため、計算コストは非常に高くなる。また、データに施した位相回転は、受信側で復元する必要があるため、位相回転のパターンを何らかの手法で送信側から受信側へ伝送する必要がある。このため、受信側にてデータの位相を完全に復元することができる場合、TR法と同様に、EVMの劣化を引き起こすことはない。
本発明では、前述のTR法に着目する。TR法は、前述のとおり、ピーク低減用のダミーデータを生成し、データが割り当てられていないサブキャリアに、そのダミーデータを設定することで、EVMの劣化を抑えるものである。この場合、TR法では、ピーク低減用のダミーデータを生成する処理において、EVMの劣化を効果的に抑えることが可能なダミーデータを生成することが望まれていた。
そこで、本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、データが割り当てられていないサブキャリアにダミーデータを設定し、OFDM信号のピークを低減するTR法において、EVMの劣化を効果的に抑えるダミーデータを生成可能なピーク低減回路、OFDM信号送信装置及びチップを提供することにある。
前記課題を解決するため、請求項のピーク低減回路は、所定のダミーデータを、周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、時間領域のOFDM信号のピークを低減するピーク低減回路において、前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記時間領域のOFDM信号をピーク値として検出するピーク検出部と、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域のOFDM信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施し、前記ピークが低減された時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、前記ピーク低減信号生成部が、1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、前記信号生成手段が、前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、を有することを特徴とする。
また、請求項2のピーク低減回路は、所定のダミーデータを、周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、時間領域のOFDM信号のピークを低減するピーク低減回路において、前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記時間領域のOFDM信号をピーク値として検出するピーク検出部と、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域のOFDM信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施し、前記ピークが低減された時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、前記ピーク低減信号生成部が、1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、前記信号生成手段が、前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記位相特定段により特定された前記位相に基づいて、前記読み出し位置をシフトし、前記メモリに格納されたテーブルから、前記シフト後の読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する時間シフト及び位相調整段と、を有することを特徴とする。
さらに、請求項のOFDM信号送信装置は、送信対象のデータをマッピングして周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施して時間領域のOFDM信号を生成し、前記OFDM信号を送信するOFDM信号送信装置において、前記送信対象のデータにキャリア変調を施してIQ軸にマッピングし、変調信号を生成するデータマッピング部と、前記データマッピング部により生成された前記変調信号を周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号を生成するサブキャリア配置部と、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号にIFFTを施し、時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、所定のダミーデータを、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号からピークが低減された信号を、新たな時間領域のOFDM信号として生成するピーク低減処理部と、前記ピーク低減処理部により生成された前記新たな時間領域のOFDM信号にGI(ガードインターバル)を付加するGI付加部と、を備え、前記ピーク低減処理部が、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記信号をピーク値として検出するピーク検出部と、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に、所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域の信号にIFFTを施し、前記ピークが低減された新たな時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、前記ピーク低減信号生成部が、1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、前記信号生成手段が、前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、を有することを特徴とする。
さらに、請求項のチップは、送信対象のデータをマッピングして周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施して時間領域のOFDM信号を生成し、前記OFDM信号を送信するOFDM信号送信装置に搭載されるチップにおいて、前記OFDM信号送信装置が、前記送信対象のデータにキャリア変調を施してIQ軸にマッピングし、変調信号を生成するデータマッピング部と、前記データマッピング部により生成された前記変調信号を周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号を生成するサブキャリア配置部と、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号にIFFTを施し、時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、所定のダミーデータを、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号からピークが低減された信号を、新たな時間領域のOFDM信号として生成するピーク低減処理部と、前記ピーク低減処理部により生成された前記新たな時間領域のOFDM信号にGI(ガードインターバル)を付加するGI付加部と、を備え、前記ピーク低減処理部が、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記信号をピーク値として検出するピーク検出部と、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に、所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域の信号にIFFTを施し、前記ピークが低減された新たな時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、前記ピーク低減信号生成部が、1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、前記信号生成手段が、前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、を有する場合に、当該チップが、少なくとも前記ピーク低減信号生成部を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、データが割り当てられていないサブキャリアにダミーデータを設定し、OFDM信号のピークを低減するTR法において、EVMの劣化を効果的に抑えるダミーデータを生成することが可能となる。
本発明の実施形態によるOFDM信号送信装置の構成例を示すブロック図である。 ピーク低減処理部の構成例を示すブロック図である。 ピーク低減信号生成部による処理の概要を説明する図である。 実施例1のピーク低減信号生成部の構成例を示すブロック図である。 実施例1のピーク低減信号生成部の処理例を示すフローチャートである。 実施例1のピーク低減信号生成部の処理例を説明する図である。 実施例2のピーク低減信号生成部の構成例を示すブロック図である。 実施例2において、メモリに格納されたデータを説明する図である。 実施例2−1のピーク低減信号生成部の構成例を示すブロック図である。 実施例2−1のピーク低減信号生成部の処理例を示すフローチャートである。 (1)は、ピーク位置P=2の位相データの例を示す図である。(2)は、ピーク位置P=3の位相データの例を示す図である。 実施例2−2のピーク低減信号生成部の構成例を示すブロック図である。 実施例2−2のピーク低減信号生成部の処理例を示すフローチャートである。 (1)は、ピーク位置P=1の場合の位相データを示す図である。(2)は、ピーク位置P=1及び位相θの調整がされた場合の位相データを示す図である。(3)は、ピーク位置P=1及び位相θの調整がされた場合の(2)の説明を補充する図である。 従来のOFDM信号送信装置の構成例を示すブロック図である。 周波数領域の信号S(n)を説明する図である。 OFDM信号の波形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔OFDM信号送信装置〕
まず、本発明の実施形態によるOFDM信号送信装置について説明する。図1は、本発明の実施形態によるOFDM信号送信装置の構成例を示すブロック図である。このOFDM信号送信装置1は、TR法を用いてOFDM信号のピークを低減する装置であり、データマッピング部10、サブキャリア配置部11、IFFT部12、ピーク低減処理部(ピーク低減回路)20及びGI付加部13を備えている。
OFDM信号送信装置1は、ダミーデータを生成し、このダミーデータを、周波数領域のOFDM信号においてデータが割り当てられていない所定のサブキャリアに設定することにより、時間領域のOFDM信号のピークを低減する。
図1に示すOFDM信号送信装置1と、図15に示した従来のOFDM信号送信装置100とを比較すると、両OFDM信号送信装置1,100は、データマッピング部10、サブキャリア配置部11、IFFT部12及びGI付加部13を備えている点で同一である。これに対し、OFDM信号送信装置1は、ピーク低減処理部20を備えている点で、OFDM信号送信装置100と相違する。図1において、図15と共通する部分には図15と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
サブキャリア配置部11は、変調信号が所定のサブキャリアに配置された周波数領域の信号S(n)を、IFFT部12及びピーク低減処理部20に出力する。
ピーク低減処理部20は、IFFT部12から時間領域の信号s(k)を入力すると共に、サブキャリア配置部11から周波数領域の信号S(n)を入力し、時間領域の信号s(k)からピーク位置P及びピーク値s(P)を検出する。時間領域の信号s(k)は、時刻k=Pのときにピークを有するものとする。
ピーク低減処理部20は、ピーク位置P及びピーク値s(P)、並びに、k=0にピークを有するダミー信号δ(k)に変換可能なダミーデータ列Δ(n)に基づいて、ピーク値s(P)を打ち消すための信号であって、ピーク位置Pと同じ位置に所定のピーク値を有する打ち消し信号d(k)に変換可能なピーク低減信号D(n)を生成する。周波数領域のピーク低減信号D(n)の生成手法の詳細については後述する。
ピーク低減処理部20は、スケーリング後のピーク低減信号D(n)/Cの一部を、周波数領域の信号S(n)のうちデータが割り当てられていない所定のサブキャリアに埋め込み、IFFTすることで、ピークが低減された時間領域の信号s’(k)を生成する。そして、ピーク低減処理部20は、ピークが低減された時間領域の信号s’(k)をGI付加部13に出力する。
GI付加部13は、ピーク低減処理部20からピークが低減された時間領域の信号s’(k)を入力し、時間領域の信号s’(k)にGIを付加する。そして、GIが付加された信号は、周波数変換等が施された後、OFDM信号送信装置1からOFDM信号として送信される。
〔ピーク低減処理部20〕
次に、図1に示したピーク低減処理部20について詳細に説明する。図2は、ピーク低減処理部20の構成例を示すブロック図である。このピーク低減処理部20は、ピーク検出部21、ピーク低減信号生成部22、スケーリング部23、遅延補正部24、AC(Auxiliary Channel)埋め込み部25及びIFFT部26を備えている。
ピーク検出部21は、IFFT部12から時間領域の信号s(k)を入力し、時間領域の信号s(k)に対し、1シンボル内の振幅が最大となる時間位置k=Pをピーク位置Pとして検出し、その時間位置Pの信号s(P)をピーク値s(P)として検出する。そして、ピーク検出部21は、ピーク位置P及びピーク値s(P)をピーク低減信号生成部22に出力する。ピーク検出に関するアルゴリズムは、様々な手法が検討されている。ピーク検出部21によるピーク位置P及びピーク値s(P)の検出処理は既知であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
ピーク低減信号生成部22は、ピーク検出部21からピーク位置P及びピーク値s(P)を入力し、ピーク位置P及びピーク値s(P)に基づいて、予め設定されたダミーデータ列Δ(n)から、ピーク値s(P)を打ち消すための打ち消し信号d(k)に変換可能な周波数領域の信号D(n)を生成する。そして、ピーク低減信号生成部22は、生成した周波数領域の信号D(n)をピーク低減信号D(n)としてスケーリング部23に出力する。
図3は、ピーク低減信号生成部22による処理の概要を説明する図である。図3に示すように、ピーク値s(P)を打ち消すための時間領域の打ち消し信号d(k)を想定する。打ち消し信号d(k)は、時刻k=Pにおいてピーク値d(P)を有し、これ以外の時間位置の信号が0に近い所定値とする信号である。
ピーク値s(P)を有する時間領域の信号s(k)と、ピーク値d(P)を有する打ち消し信号d(k)とを加算することにより(s(k)+d(k)、同相の場合は減算することにより)、ピーク値d(P)を低減することができる。つまり、打ち消し信号d(k)を用いることにより、時間領域の信号s(k)からピーク値d(P)を低減することができ、ピーク値s(P)が低減された信号s’(k)が得られる(図3の信号s’(k)における矢印の箇所αを参照)。
また、打ち消し信号d(k)にFFTを施すことにより、ピーク低減信号D(n)が生成される。例えば、ピーク低減信号生成部22は、ピーク低減信号D(n)を生成するために、予め設定されたダミーデータ列Δ(n)から、ピーク値s(P)を打ち消すための打ち消し信号d(k)を生成し、この打ち消し信号d(k)にFFTを施してピーク低減信号D(n)を生成する。ここで、ダミーデータ列Δ(n)は、例えば、周波数軸上に適切に「1」が配置されたデータ列であり、「1」の代わりに、複素データを配置するようにしてもよい。
ピーク低減信号生成部22により生成される周波数領域のピーク低減信号D(n)は、図3の下部に示すとおりである。横軸は、周波数軸上のサブキャリア番号nを示し、縦軸は、周波数領域のピーク低減信号D(n)を示す。ピーク低減信号D(n)は、周波数領域の1シンボル長をNサンプル(Nポイント)のサブキャリアからなり、サブキャリア番号n=0〜M−1のM個のサブキャリアが帯域内の領域である。図3の下部に示すように、サブキャリア番号n=0,・・・,M−1のサブキャリアには、例えば周波数軸上に「1」が配置されたダミーデータ列Δ(n)に基づくデータであって、ピーク値s(P)を打ち消すためのダミーデータが配置されている。
尚、図3の例では、ピーク低減信号D(n)は、FFT後の周波数領域でのキャリア配置において、1シンボル長のNサンプル内に帯域外が設定されたOFDM信号としているが、1シンボル長のNサンプルの全てをサブキャリアとしたOFDM信号であってもよい。
図2に戻って、スケーリング部23は、ピーク低減信号生成部22からピーク低減信号D(n)を入力し、ピーク低減信号D(n)を予め設定されたスケール値Cで除算し、除算結果であるスケーリング後のピーク低減信号D(n)/CをAC埋め込み部25に出力する。
これにより、ピーク低減信号D(n)のレベルが調整され、ピーク位置Pの打ち消し信号d(P)の大きさが変化する。つまり、スケール値Cに応じて、時間領域の信号s(k)におけるピーク位置Pのピーク値s(P)の低減量を調整することができる。
遅延補正部24は、サブキャリア配置部11から周波数領域の信号S(n)を入力し、周波数領域の信号S(n)を、ピーク検出部21、ピーク低減信号生成部22及びスケーリング部23の処理時間分遅延させる。そして、遅延補正部24は、遅延後の周波数領域の信号S(n)をAC埋め込み部25に出力する。
これにより、遅延補正部24により出力される遅延後の周波数領域の信号S(n)と、スケーリング部23により出力されるスケーリング後のピーク低減信号D(n)/Cとの間でタイミングを合わせることができ、AC埋め込み部25は、同期した周波数領域の信号S(n)及びピーク低減信号D(n)/Cを入力することができる。
AC埋め込み部25は、スケーリング部23から周波数領域のピーク低減信号D(n)/Cを入力すると共に、遅延補正部24から遅延後の周波数領域の信号S(n)を入力する。そして、AC埋め込み部25は、信号S(n)のサブキャリアのうち、データが割り当てられていないAC信号のサブキャリアに、ピーク低減信号D(n)/CにおけるAC信号と同じサブキャリアの位置のダミーデータを埋め込み、周波数領域の信号S’(n)を生成する。AC埋め込み部25は、周波数領域の信号S’(n)をIFFT部26に出力する。
これにより、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータが、信号S(n)のサブキャリアのうちデータが割り当てられていないサブキャリアにのみ埋め込まれる。この場合、埋め込まれたダミーデータは、全ての周波数成分のサブキャリアのダミーデータ(ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータ)を再現した打ち消し信号d(k)に完全に対応するものではない。しかし、打ち消し信号d(k)の一部の周波数成分を用いて信号を合成することで、ある程度類似した信号を再現できることから、信号S(n)における一部の周波数成分のサブキャリアに埋め込まれたダミーデータであっても、ピークを低減させるための信号として一定の効果を期待することができる。
IFFT部26は、AC埋め込み部25から周波数領域の信号S’(n)を入力し、周波数領域の信号S’(n)にIFFTを施し、時間領域の信号s’(k)を生成する。そして、IFFT部26は、時間領域の信号s’(k)をGI付加部13に出力する。
このように、ピーク低減処理部20により、ピーク位置P及びピーク値s(P)、並びに予め設定されたダミーデータ列Δ(n)に基づいて、ピーク値s(P)を打ち消すための打ち消し信号d(k)に変換可能なピーク低減信号D(n)が生成され、スケーリング後のピーク低減信号D(n)/Cの一部が、周波数領域の信号S(n)のうちデータが割り当てられていないAC信号のサブキャリアに埋め込まれ、周波数領域の信号S’(n)が生成されIFFTが施される。これにより、IFFT部26におけるIFFTの処理を表した前記数式(1)において、時刻k毎に、周波数領域の信号S(n)に代わる信号S’(n)及び指数関数expの乗算結果の位相が一致する程度を減らすことができるから、ある時刻kの時間領域の信号s’(k)における瞬時値のピークを低減することができる。
(ピーク低減信号生成部22:実施例1)
図2において、実施例1のピーク低減信号生成部22について説明する。実施例1のピーク低減信号生成部22は、予め設定されたダミーデータ列Δ(n)をIFFTしてダミー信号δ(k)を算出し、ダミー信号δ(k)に対し、ピーク位置Pの時間シフト及びピーク値s(P)に基づいた位相の調整を施すことで、打ち消し信号d(k)を求め、打ち消し信号d(k)をFFTしてピーク低減信号D(n)を生成する。このピーク低減信号D(n)をダミーデータとし、TR法を適用することにより、OFDM信号のピークを低減することができる。
図4は、実施例1のピーク低減信号生成部22の構成例を示すブロック図であり、図5は、実施例1のピーク低減信号生成部22の処理例を示すフローチャートであり、図6は、その処理例を説明する図である。この実施例1のピーク低減信号生成部22−1は、IFFT手段30、時間シフト手段31、位相調整手段32及びFFT手段33を備えている。
まず、ピーク低減信号生成部22−1は、ピーク検出部21からピーク位置P及びピーク値s(P)を入力する(ステップS501)。IFFT手段30は、予め設定された周波数領域のダミーデータ列Δ(n)にIFFTを施し、時間領域のダミー信号δ(k)を生成する(ステップS502)。そして、IFFT手段30は、時間領域のダミー信号δ(k)を時間シフト手段31に出力する。
前述のとおり、ダミーデータ列Δ(n)は、周波数軸上に適切に「1」が配置されたデータ列であり、「1」の代わりに、複素データを配置するようにしてもよい。図6に示すように、時間領域のダミー信号δ(k)は、時刻k=0〜N−1の1シンボルにおいて、時刻k=0にてピークを有する信号である。
周波数領域のダミーデータ列Δ(n)を時間領域のダミー信号δ(k)にIFFTにて変換する数式は、以下のとおりである。
時間シフト手段31は、IFFT手段30から時間領域のダミー信号δ(k)を入力すると共に、ピーク位置Pを入力し、ダミー信号δ(k)の時刻kをピーク位置Pの時間分シフトし、ダミー信号δ(k−P)=δ’(k)を生成する(ステップS503)。そして、時間シフト手段31は、ピーク位置Pの時間分シフトした時間領域のダミー信号δ’(k)を位相調整手段32に出力する。
図6に示すように、時間領域のダミー信号δ’(k)は、ダミー信号δ(k)に対してピーク位置Pの時間分シフトした信号であり、時間位置Pにピークを有する信号となる。
位相調整手段32は、時間シフト手段31から時間領域のダミー信号δ’(k)を入力すると共に、ピーク値s(P)を入力する。そして、位相調整手段32は、ピーク値s(P)の位相と、打ち消し信号d(P)(位相調整後の生成すべき打ち消し信号d(k)における打ち消し信号d(P))の位相とが同じになるように(s(P)=d(P))、ダミー信号δ’(k)の位相を(位相θだけ)調整して(回転させて)打ち消し信号d(k)を生成する(ステップS504)。位相調整手段32は、時間領域の打ち消し信号d(k)をFFT手段33に出力する。
図6に示すように、時間領域の打ち消し信号d(k)は、ピーク値s(P)が打ち消し信号d(P)と同じになるように(s(P)=d(P))、ダミー信号δ’(k)の位相を調整した信号であり、時間位置Pにピークを有する信号となる。
ダミー信号δ(k)に対し、ピーク位置Pの時間シフトを行い、ピーク値s(P)と同じになるように位相θの位相調整を行って打ち消し信号d(k)を生成する数式は、以下のとおりである。
前記数式(3)から、打ち消し信号d(k)とピーク低減信号D(n)とは、ピーク低減信号D(n)をIFFTすることにより打ち消し信号d(k)が得られる関係にあることがわかる。
FFT手段33は、位相調整手段32から打ち消し信号d(k)を入力し、打ち消し信号d(k)にFFTを施し、周波数領域のピーク低減信号D(n)を生成し(ステップS505)、周波数領域のピーク低減信号D(n)をスケーリング部23に出力する(ステップS506)。
尚、スケーリング部23は、FFT手段33により生成されたピーク低減信号D(n)を入力し、スケール値Cを用いて、ピーク低減信号D(n)のレベルを調整する。これにより、以下の式のとおり、打ち消し信号d(k)におけるピーク位置Pの打ち消し信号d(P)の大きさを変化させることができ、信号s(k)におけるピーク位置Pの信号s(P)を低減させることができる。スケール値Cは、定数として予め設定される以外にも、ボリウムのような可変機構によって逐次変化させることも可能である。
以上のように、実施例1のピーク低減信号生成部22−1を備えたピーク低減処理部20によれば、ピーク低減信号生成部22−1のIFFT手段30は、周波数軸上に適切に「1」が配置されたダミーデータ列Δ(n)にIFFTを施し、時刻k=0にてピークを有するダミー信号δ(k)を生成し、時間シフト手段31は、ダミー信号δ(k)の時刻kを、送信対象のデータをIFFTして得られたOFDM信号のピーク位置Pの時間分シフトし、時間位置Pにピークを有する新たなダミー信号δ’(k)を生成する。
位相調整手段32は、送信対象のデータをIFFTして得られたOFDM信号のピーク値s(P)の位相と打ち消し信号d(P)の位相とが同じになるように(s(P)=d(P))、ダミー信号δ’(k)の位相を(位相θだけ)調整して(回転させて)打ち消し信号d(k)を生成する。そして、FFT手段33は、打ち消し信号d(k)にFFTを施し、ピーク低減信号D(n)を生成する。
このようにして、実施例1のピーク低減信号生成部22−1により、ダミーデータ列Δ(n)から時刻k=0にピークを有するダミー信号δ(k)が生成され、ピーク位置P及びピーク位置s(P)に基づき、ピーク値s(P)を打ち消すためのピーク低減信号D(n)が生成される。
そして、スケーリング部23は、ピーク低減信号D(n)をスケール値Cで除算することでスケーリングし、そのレベルを調整したピーク低減信号D(n)/Cを生成し、AC埋め込み部25は、送信対象のデータをIFFT及び所定時間遅延して得られたOFDM信号S(n)のサブキャリアのうち、データが割り当てられていないAC信号のサブキャリアに、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータを埋め込み、信号S’(n)を生成し、IFFT部26は、信号S’(n)にIFFTを施し、ピークが低減された時間領域の信号s’(k)を生成する。
これにより、OFDM信号S(n)のデータは操作されずにそのまま使用されるから、ピーク低減処理によりEVMは劣化することがない。特に、データが割り当てられていないサブキャリアに埋め込まれるダミー信号(ピーク低減信号D(n)/C)は、ピーク位置P及びピーク値s(P)に基づいて生成され、かつ、ピークの低減量を調整するためのスケール値Cで調整されているから、当該ダミー信号を用いることで、EVMの劣化を効果的に抑えることが可能となる。
(ピーク低減信号生成部22:実施例2)
次に、図2において、実施例2のピーク低減信号生成部22について説明する。実施例2は、実施例1における複素演算の処理を、複素演算を用いない処理に代替するものである。実施例2のピーク低減信号生成部22は、位相変換テーブルに格納された位相データを用いて、予め設定されたダミーデータ列Δ(n)の位相を、ピーク位置P及びピーク値s(P)に応じて回転させ、ピーク低減信号D(n)を直接生成する。このピーク低減信号D(n)をダミーデータとし、TR法を適用することにより、OFDM信号のピークを低減することができる。また、実施例2は、実施例1と比較して、ピーク低減信号D(n)の計算量を低減することができる。
図7は、実施例2のピーク低減信号生成部22の構成例を示すブロック図である。この実施例2のピーク低減信号生成部22−2は、信号生成手段40及びメモリ41を備えている。
信号生成手段40は、ピーク検出部21からピーク位置P及びピーク値s(P)を入力すると共に、予め設定されたダミーデータ列Δ(n)(例えば、周波数軸上に「1」が配置されたデータ列)を入力する。そして、信号生成手段40は、メモリ41に格納された位相変換テーブルの位相データを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、ピーク位置P及びピーク値s(P)に応じて回転させ、ピーク低減信号D(n)を生成する。信号生成手段40は、ピーク低減信号D(n)をスケーリング部23に出力する。
前記数式(3)より、ピーク低減信号D(n)と、ダミーデータ列Δ(n)、ピーク位置P及び位相θとの関係は、以下の数式にて表される。n=0〜N−1とする。尚、位相θは、ピーク値s(P)の位相と、ピーク低減信号D(n)をIFFTして得られる打ち消し信号d(k)におけるピーク位置Pの打ち消し信号k(P)の位相とが同じになるように、信号s(k)を回転させた位相である。
つまり、信号生成手段40は、ダミーデータ列Δ(n)と、ピーク位置Pと、ピーク値s(P)から得られる位相θとを用いて、前記数式(5)にて、ピーク低減信号D(n)を算出することができる。
前記数式(5)から、ピーク低減信号D(n)は、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、((−2πn/N)×P))回転させた後、さらに、θだけ回転させた信号であるといえる(後述する実施例2−1)。また、ピーク低減信号D(n)は、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、((−2πn/N)×P+θ)回転させた信号であるともいえる(後述する実施例2−2)。
ここで、ピーク位置Pがシンボル毎に変化することに対応するため、メモリ41に、全てのピーク位置P=0〜N−1について、指数演算を反映した位相データ(n=0〜N−1の位相データ)を予め格納しておくことにより、信号生成手段40は、メモリ41からピーク位置Pに応じた位相データを読み出し、ピーク低減信号D(n)を生成することができる。
しかしながら、全てのピーク位置Pについての位相データをメモリ41に用意することは、メモリ41の容量を極度に増大させることになるから、その実現は困難である。
そこで、本発明の実施形態では、メモリ41に、1シンボルがNサンプルからなる場合のP=1のときの各ポイントの位相データのみを格納しておくことにより、メモリ容量を少なくする。Nは正の整数である。
メモリ41には、位相変換テーブルが格納され、位相変換テーブルには、1シンボルがNサンプルからなる場合のP=1のときの各ポイントの位相データ(0,2π/N,2π×2/N,・・・,2π(N−1)/N)のみが格納されている。各ポイントの位相データは、0から2πまでの間(0以上2π未満)を1回転する場合の位相2πn/N(n=0〜N−1)である。
図8は、実施例2において、メモリ41に格納されたデータを説明する図である。メモリ41の位相変換テーブルには、ピーク位置P=1の場合の位相回転量(−j×(2πn/N)×P)(前記数式(5)の右辺において第2項の指数関数)に相当する位相、すなわち、1シンボルがNサンプルからなる場合の各ポイントの位相データが格納されている。
アドレス1にはP=1,n=0のときの位相データ0(実部データDr_0,虚部データDi_0)、アドレス2にはP=1,n=1のときの位相データ2π/N(実部データDr_1,虚部データDi_1)、・・・、アドレスNにはP=1,n=N−1のときの位相データ2π(N−1)/N(実部データDr_N-1,虚部データDi_N-1)がそれぞれ格納されている。
尚、メモリ41に格納された位相変換テーブルの位相データは、図8に示した実部及び虚部のデータであってもよいし、0から2πまでの位相2πn/N(n=0〜N−1)であってもよい。
(実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2)
第1のピーク低減信号生成部22−2(実施例2−1のピーク低減信号生成部22)について説明する。実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2は、メモリ41に格納された位相変換テーブルの位相データを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、ピーク位置Pに応じて(−2πn/N)回転させ、そして、回転後の位相を、さらにピーク値s(P)に応じてθだけ回転させることで、ピーク低減信号D(n)を生成する。
図9は、実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2の構成例を示すブロック図であり、図10は、実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2の処理例を示すフローチャートである。図11(1)は、ピーク位置P=2の位相データの例を示す図であり、図11(2)は、ピーク位置P=3の位相データの例を示す図である。
この実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2は、信号生成手段40−1及びメモリ41を備えている。信号生成手段40−1は、時間シフト段42、位相特定段43及び位相調整段44を備えている。
ピーク低減信号生成部22−2は、ピーク検出部21からピーク位置P及びピーク値s(P)を入力する(ステップS1001)。時間シフト段42は、ピーク位置Pに基づいて、メモリ41に格納された位相変換テーブルから位相データを読み出す際のn毎の読み出し位置(アドレス)を特定する(ステップS1002)。
例えば、時間シフト段42は、ピーク位置P=1の場合、n=0〜N−1に対応して、読み出し位置(アドレス)1〜Nを特定する。また、時間シフト段42は、ピーク位置P=2の場合、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうち1つ毎飛ばした奇数の読み出し位置(アドレス)1,3,・・・,N−1,1,3,・・・を特定する。また、時間シフト段42は、ピーク位置P=3の場合、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうち2つ毎飛ばした読み出し位置(アドレス)1,4,・・・,N−2,2,5,・・・,N−1,3,6,・・・を特定する。
このように、時間シフト段42は、ピーク位置P=p(pは1以上の整数)の場合、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうちp−1毎飛ばした読み出し位置(アドレス)を特定する。
そして、時間シフト段42は、メモリ41に格納された位相変換テーブルから、特定した読み出し位置(アドレス)の位相データを読み出す(ステップS1003)。ここで、メモリ41に格納された位相変換テーブルから読み出された位相データは、前記数式(5)において、第2項の指数関数に相当する。
例えば、ピーク位置P=1の場合、位相データは、n=0〜N−1に対応して、特定された読み出し位置(アドレス)1〜Nから順番に読み出される。
また、例えば、ピーク位置P=2の場合、図11(1)に示すように、位相データは、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうち1つ毎飛ばした奇数の読み出し位置(アドレス)1,3,・・・,1,3,・・・から順次読み出される。この場合、時間シフト段42は、メモリ41に格納された位相変換テーブルのアドレス1〜Nを2回スキャンし、奇数の読み出し位置(アドレス)1,3,・・・,1,3,・・・の位相データを順次読み出す。
また、例えば、ピーク位置P=3の場合、図11(2)に示すように、位相データは、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうち2つ毎飛ばした読み出し位置(アドレス)1,4,・・・,2,5,・・・,3,6,・・・から順次読み出される。この場合、時間シフト段42は、メモリ41に格納された位相変換テーブルのアドレス1〜Nを3回スキャンし、読み出し位置(アドレス)1,4,・・・,2,5,・・・,3,6,・・・の位相データを順次読み出す。
つまり、ピーク位置P=pの場合、位相データは、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうちp−1毎飛ばした読み出し位置(アドレス)から順次読み出される。この場合、時間シフト段42は、メモリ41に格納された位相変換テーブルのアドレス1〜Nをp−1回スキャンし、読み出し位置(アドレス)の位相データを順次読み出す。
時間シフト段42は、周波数軸上に「1」が配置されたダミーデータ列Δ(n)の位相を、読み出した位相データの位相だけ調整し(回転させ)、時間シフト信号D1(n)を生成する(ステップS1004)。そして、時間シフト段42は、時間シフト信号D1(n)を位相調整段44に出力する。
すなわち、時間シフト段42は、ダミーデータ列Δ(n)に位相データを乗算することで(前記数式(5)の右辺において、第1項のΔ(n)に第2項の指数関数を乗算する処理を行うことで)、ダミーデータ列Δ(n)の位相を位相データの位相だけ回転させ、時間シフト信号D1(n)を生成する。
位相特定段43は、ピーク値s(P)の実部及び虚部のデータに基づいて、位相θを特定する(ステップS1005)。そして、位相特定段43は、位相θを位相調整段44に出力する。
位相調整段44は、時間シフト信号D1(n)の位相を、特定した位相θだけ調整し(回転させ)、ピーク低減信号D(n)を生成する(ステップS1006)。そして、位相調整段44は、ピーク低減信号D(n)をスケーリング部23に出力する(ステップS1007)。
ここで、位相θだけ回転させる処理は、前記数式(5)において、第3項の指数関数に相当する。すなわち、位相調整段44は、時間シフト信号D1(n)に位相データを乗算することで(前記数式(5)の右辺の演算を行うことで)、時間シフト信号D1(n)の位相を位相データの位相だけ回転させ、ピーク低減信号D(n)を生成する。
尚、図9において、時間シフト段42と位相特定段43及び位相調整段44とを逆に配置するように構成してもよい。この場合、図10において、時間シフト段42によるステップS1002〜ステップS1004の処理と、位相特定段43によるステップS1005の処理及び位相調整段44によるステップS1006の処理とを逆の順番とし、時間シフト段42が、ピーク低減信号D(n)をスケーリング部23に出力する。
以上のように、実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2を備えたピーク低減処理部20によれば、メモリ41には、1シンボルがNサンプルからなる場合の各ポイントの位相データ(0,2π/N,2π×2/N,・・・,2π(N−1)/N)を含む位相変換テーブルが格納されている。ピーク低減信号生成部22−2の時間シフト段42は、送信対象のデータをIFFTして得られたOFDM信号のピーク位置Pに基づき、メモリ41の位相変換テーブルから位相データを読み出す際のn毎の読み出し位置(アドレス)として、ピーク位置P=pの場合、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうちp−1毎飛ばした読み出し位置(アドレス)を特定し、メモリ41の位相変換テーブルから、特定した読み出し位置(アドレス)の位相データを読み出す。そして、時間シフト段42は、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、読み出した位相データの位相だけ調整し(回転させ)、時間シフト信号D1(n)を生成する。
位相特定段43は、ピーク値s(P)に基づいて、位相θを特定し、位相調整段44は、時間シフト信号D1(n)の位相を位相θだけ調整し(回転させ)、ピーク低減信号D(n)を生成する。
このようにして、実施例2−1のピーク低減信号生成部22−2により、メモリ41の位相変換テーブルを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相がピーク位置Pに応じて回転し、そして、回転後の位相がさらにピーク値s(P)に応じて位相θ分回転することで、ピーク値s(P)を打ち消すためのピーク低減信号D(n)が生成される。
そして、スケーリング部23は、ピーク低減信号D(n)のレベルを調整したピーク低減信号D(n)/Cを生成し、AC埋め込み部25は、送信対象のデータをIFFT及び所定時間遅延して得られたOFDM信号S(n)のサブキャリアのうち、データが割り当てられていないAC信号のサブキャリア位置に、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータを埋め込み、信号S’(n)を生成し、IFFT部26は、信号S’(n)にIFFTを施し、ピークが低減された時間領域の信号s’(k)を生成する。
これにより、実施例1と同様の効果を奏する。すなわち、OFDM信号S(n)のデータは操作されずにそのまま使用されるから、ピーク低減処理によりEVMは劣化することがない。特に、ダミー信号(ピーク低減信号D(n)/C)は、ピーク位置P及びピーク値s(P)に基づいて生成され、かつ、ピークの低減量を調整するためのスケール値Cで調整されているから、当該ダミー信号を用いることで、EVMの劣化を効果的に抑えることが可能となる。
また、メモリ41に格納された位相変換テーブルは、ピーク位置Pの値に関係なく、固定のテーブルとして使用される。したがって、位相変換テーブルに、全てのピーク位置Pの位相データを定義しておく必要がないから、メモリ容量が少なくて済む。
(実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2)
第2のピーク低減信号生成部22−2(実施例2−2のピーク低減信号生成部22)について説明する。実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2は、メモリ41に格納された位相変換テーブルの位相データを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、ピーク位置P及びピーク値s(P)に応じて((−2πn/N)×P+θ)回転させることで、ピーク低減信号D(n)を生成する。
図12は、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2の構成例を示すブロック図であり、図13は、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2の処理例を示すフローチャートである。図14(1)は、ピーク位置P=1の場合の位相データを示す図であり、図14(2)は、ピーク位置P=1及び位相θの調整がされた場合の位相データを示す図であり、図14(3)は、ピーク位置P=1及び位相θの調整がされた場合の(2)の説明を補充する図である。
この実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2は、信号生成手段40−2及びメモリ41を備えている。信号生成手段40−2は、位相特定段43及び時間シフト及び位相調整段45を備えている。
ピーク低減信号生成部22−2は、ピーク検出部21からピーク位置P及びピーク値s(P)を入力する(ステップS1301)。位相特定段43は、ピーク値s(P)の実部及び虚部のデータに基づいて、位相θを特定する(ステップS1302)。そして、位相特定段43は、位相θを時間シフト及び位相調整段45に出力する。
時間シフト及び位相調整段45は、位相特定段43から位相θを入力する。また、時間シフト及び位相調整段45は、ピーク位置Pに基づいて、メモリ41に格納された位相変換テーブルから位相データを読み出す際のn毎の読み出し位置(アドレス)を特定する(ステップS1303)。
具体的には、時間シフト及び位相調整段45は、図9に示した時間シフト段42と同様に、例えば、ピーク位置P=1の場合、n=0〜N−1に対応して読み出し位置(アドレス)1〜Nを特定し、ピーク位置P=2の場合、n=0〜N−1に対応して1つ毎飛ばした読み出し位置を特定し、ピーク位置P=3の場合、n=0〜N−1に対応して2つ毎飛ばした読み出し位置(アドレス)を特定する。
時間シフト及び位相調整段45は、位相θに基づいて、特定したn毎の読み出し位置(アドレス)の全てをシフト(変更)する(ステップS1304)。具体的には、時間シフト及び位相調整段45は、特定したn毎の読み出し位置(アドレス)について、θN/(2π)分シフトする。
例えば、図14(1)に示すように、ピーク位置P=1の場合の位相データにおいて、位相θに相当する周波数をシフトすることで、図14(2)に示すように、ピーク位置P=1及び位相θの調整がされた位相データが得られる。図14(2)の周波数軸におけるn=0の位置は、図14(1)の周波数軸におけるn=0の位置を、位相θに相当する分だけ右(または左)へずらすことで得られる。
つまり、位相θの調整は、1シンボル内において一定量の位相を操作すればよいから、メモリ41の読み出し位置(アドレス)、すなわち読み出し開始位置(最初に読み出す位置、n=0の位置)を位相θに応じて変更することにより、任意の位相θの調整が可能となる。
図14(3)に示すように、図13のステップS1303の処理にて、ピーク位置P=1に基づいて、n=0のときの読み出し位置(アドレス)(読み出し開始位置)=1、n=1のときの読み出し位置(アドレス)=2、n=2のときの読み出し位置(アドレス)=3、n=3のときの読み出し位置(アドレス)=4、n=4のときの読み出し位置(アドレス)=5、・・・、n=N−1のときの読み出し位置(アドレス)=Nが特定されたとする。
この場合、図13のステップS1302の処理にて、既に位相θ=4π/Nが特定されているものとする。図14(3)に示すように、図13のステップS1304の処理にて、位相θに対応してシフトされるべき読み出し位置(アドレス)量をθN/(2π)=3とすると、シフト後の読み出し位置(アドレス)は、n=0のときの読み出し位置(アドレス)(読み出し開始位置)=4、n=1のときの読み出し位置(アドレス)=5、・・・、n=N−4のときの読み出し位置(アドレス)=N、n=N−3のときの読み出し位置(アドレス)=1、n=N−2のときの読み出し位置(アドレス)=2、n=N−1のときの読み出し位置(アドレス)=3となる。
時間シフト及び位相調整段45は、メモリ41に格納された位相変換テーブルから、シフト後の読み出し位置(アドレス)の位相データを読み出す(ステップS1305)。メモリ41に格納された位相変換テーブルから読み出された位相データは、前記数式(5)において、第2項の指数関数及び第3項の指数関数の乗算結果に相当する。
時間シフト及び位相調整段45は、例えば周波数軸上に適切に「1」が配置されたダミーデータ列Δ(n)の位相を、読み出した位相データの位相だけ調整し(回転させ)、ピーク低減信号D(n)を生成する(ステップS1306)。そして、時間シフト及び位相調整段45は、ピーク低減信号D(n)をスケーリング部23に出力する(ステップS1307)。
すなわち、時間シフト及び位相調整段45は、ダミーデータ列Δ(n)に位相データを乗算することで(前記数式(5)の右辺の演算を行うことで)、ダミーデータ列Δ(n)の位相を位相データの位相だけ回転させ、ピーク低減信号D(n)を生成する。これにより、複雑な複素演算を行うことなく、ピーク低減信号D(n)が生成される。
尚、図13において、時間シフト及び位相調整段45によるステップS1303の処理とステップS1304の処理とを逆の順番としてもよい。この場合、時間シフト及び位相調整段45は、位相θに基づいて、読み出し位置のシフト量(読み出し開始位置)を求め、ピーク位置Pに基づいて読み出し位置を求め、読み出し位置からシフト量をシフトした新たな読み出し位置を特定する。
以上のように、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2を備えたピーク低減処理部20によれば、メモリ41には、1シンボルがNサンプルからなる場合の各ポイントの位相データ(0,2π/N,2π×2/N,・・・,2π(N−1)/N)を含む位相変換テーブルが格納されている。ピーク低減信号生成部22−2の位相特定段43は、ピーク値s(P)に基づいて、位相θを特定する。
時間シフト及び位相調整段45は、送信対象のデータをIFFTして得られたOFDM信号のピーク位置Pに基づき、メモリ41の位相変換テーブルから位相データを読み出す際のn毎の読み出し位置(アドレス)として、ピーク位置P=pの場合、n=0〜N−1に対応して、連続したアドレス1〜Nのうちp−1毎飛ばした読み出し位置(アドレス)を特定し、位相θに基づいて、特定したn毎の読み出し位置(アドレス)の全てをシフト(変更)する。そして、時間シフト及び位相調整段45は、メモリ41の位相変換テーブルから、シフト後の読み出し位置(アドレス)の位相データを読み出し、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、読み出した位相データの位相だけ調整し(回転させ)、ピーク低減信号D(n)を生成する。
このようにして、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2により、メモリ41の位相変換テーブルを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相がピーク位置P及びピーク値s(P)に応じて回転し、ピーク低減信号D(n)が生成される。
そして、スケーリング部23は、ピーク低減信号D(n)のレベルを調整したピーク低減信号D(n)/Cを生成し、AC埋め込み部25は、送信対象のデータをIFFT及び所定時間遅延して得られたOFDM信号S(n)のサブキャリアのうち、データが割り当てられていないAC信号のサブキャリアに、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータを埋め込み、信号S’(n)を生成し、IFFT部26は、信号S’(n)にIFFTを施し、ピークが低減された時間領域の信号s’(k)を生成する。
これにより、実施例2−1と同様の効果を奏する。すなわち、EVMの劣化を効果的に抑えることができると共に、位相変換テーブルを格納するメモリ41のメモリ容量が少なくて済む。
特に、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2は、メモリ41の位相変換テーブルを用いて、ダミーデータ列Δ(n)の位相を、ピーク位置P及びピーク値s(P)に応じて回転させ、ピーク低減信号D(n)を直接生成するようにした。これにより、複雑な複素演算を行うことなく、ピーク低減信号D(n)を生成することができる。
これに対し、図4に示した実施例1のピーク低減信号生成部22−1では、時間シフト手段31及び位相調整手段32において複素演算が行われる。つまり、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2は、実施例1のピーク低減信号生成部22−1に比べ、計算コストを低減することができる。
したがって、実施例2−2のピーク低減信号生成部22−2では、必要以上にメモリを消費することなく、ピーク低減信号D(n)を生成する際の計算コストを低減することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、図2に示したAC埋め込み部25は、周波数領域の信号S(n)のサブキャリアのうち、データが割り当てられていないAC信号のサブキャリアに、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータを埋め込むようにした。本発明は、ピーク低減信号D(n)/Cのダミーデータを埋め込むサブキャリアを、AC信号のサブキャリアに限定するものではなく、AC信号のサブキャリアの一部であってもよく、また、データが割り当てられていないサブキャリアであって、AC信号のサブキャリア以外の位置であってもよい。
尚、図1に示したOFDM信号送信装置1のデータマッピング部10からGI付加部13までの各構成部の処理は、OFDM信号送信装置1に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。これらは、個別に1チップ化されていてもよいし、これらの一部または全部が1チップ化されていてもよい。
また、OFDM信号送信装置1のピーク低減処理部20におけるピーク検出部21からIFFT部26までの処理も、OFDM信号送信装置1に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。これらは、個別に1チップ化されていてもよいし、これらの一部または全部が1チップ化されていてもよい。例えば、ピーク低減信号生成部22が1チップ化されていてもよい。
また、LSIの代わりに、集積度の異なるVLSI、ULSI等のチップにより実現されるようにしてもよい。さらに、LSI等のチップに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いるようにしてもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いるようにしてもよい。
1,100 OFDM信号送信装置
10 データマッピング部
11 サブキャリア配置部
12 IFFT部
13 GI付加部
20 ピーク低減処理部
21 ピーク検出部
22 ピーク低減信号生成部
23 スケーリング部
24 遅延補正部
25 AC埋め込み部
26 IFFT部
30 IFFT手段
31 時間シフト手段
32 位相調整手段
33 FFT手段
40 信号生成手段
41 メモリ
42 時間シフト段
43 位相特定段
44 位相調整段
45 時間シフト及び位相調整段

Claims (4)

  1. 所定のダミーデータを、周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、時間領域のOFDM信号のピークを低減するピーク低減回路において、
    前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記時間領域のOFDM信号をピーク値として検出するピーク検出部と、
    前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、
    前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、
    前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、
    前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域のOFDM信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施し、前記ピークが低減された時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、
    前記ピーク低減信号生成部は、
    1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、
    前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、
    前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、
    前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、
    前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、
    を有することを特徴とするピーク低減回路。
  2. 所定のダミーデータを、周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、時間領域のOFDM信号のピークを低減するピーク低減回路において、
    前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記時間領域のOFDM信号をピーク値として検出するピーク検出部と、
    前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、
    前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、
    前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域のOFDM信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、
    前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域のOFDM信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施し、前記ピークが低減された時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、
    前記ピーク低減信号生成部は、
    1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、
    前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、
    前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、
    前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記位相特定段により特定された前記位相に基づいて、前記読み出し位置をシフトし、前記メモリに格納されたテーブルから、前記シフト後の読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する時間シフト及び位相調整段と、
    を有することを特徴とするピーク低減回路。
  3. 送信対象のデータをマッピングして周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施して時間領域のOFDM信号を生成し、前記OFDM信号を送信するOFDM信号送信装置において、
    前記送信対象のデータにキャリア変調を施してIQ軸にマッピングし、変調信号を生成するデータマッピング部と、
    前記データマッピング部により生成された前記変調信号を周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号を生成するサブキャリア配置部と、
    前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号にIFFTを施し、時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、
    所定のダミーデータを、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号からピークが低減された信号を、新たな時間領域のOFDM信号として生成するピーク低減処理部と、
    前記ピーク低減処理部により生成された前記新たな時間領域のOFDM信号にGI(ガードインターバル)を付加するGI付加部と、を備え、
    前記ピーク低減処理部は、
    前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記信号をピーク値として検出するピーク検出部と、
    前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に、所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、
    前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、
    前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、
    前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域の信号にIFFTを施し、前記ピークが低減された新たな時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、
    前記ピーク低減信号生成部は、
    1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、
    前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、
    前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、
    前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、
    前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、
    を有することを特徴とするOFDM信号送信装置。
  4. 送信対象のデータをマッピングして周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号にIFFT(逆高速フーリエ変換)を施して時間領域のOFDM信号を生成し、前記OFDM信号を送信するOFDM信号送信装置に搭載されるチップにおいて、
    前記OFDM信号送信装置が、
    前記送信対象のデータにキャリア変調を施してIQ軸にマッピングし、変調信号を生成するデータマッピング部と、
    前記データマッピング部により生成された前記変調信号を周波数領域のサブキャリアに配置し、周波数領域の信号を生成するサブキャリア配置部と、
    前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号にIFFTを施し、時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、
    所定のダミーデータを、前記サブキャリア配置部により生成された前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに設定し、前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号からピークが低減された信号を、新たな時間領域のOFDM信号として生成するピーク低減処理部と、
    前記ピーク低減処理部により生成された前記新たな時間領域のOFDM信号にGI(ガードインターバル)を付加するGI付加部と、を備え、
    前記ピーク低減処理部が、
    前記IFFT部により生成された前記時間領域のOFDM信号における1シンボル内の振幅が最大となる時間位置をピーク位置として検出すると共に、当該ピーク位置の前記信号をピーク値として検出するピーク検出部と、
    前記ピーク検出部により検出された前記ピーク値を低減するための信号であって、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置と同じ位置に、所定のピーク値を有する周波数領域のピーク低減信号を生成するピーク低減信号生成部と、
    前記ピーク低減信号生成部により生成された前記周波数領域のピーク低減信号を、所定のスケール値で除算することでスケーリングするスケーリング部と、
    前記スケーリング部によりスケーリングされたスケーリング後のピーク低減信号の一部を前記所定のダミーデータとし、当該ダミーデータを、前記周波数領域の信号におけるデータが割り当てられていないサブキャリアに埋め込む埋め込み部と、
    前記埋め込み部により前記ダミーデータが埋め込まれた周波数領域の信号にIFFTを施し、前記ピークが低減された新たな時間領域のOFDM信号を生成するIFFT部と、を備え、
    前記ピーク低減信号生成部が、
    1シンボルが所定数のポイントからなる場合に、0から2πまでの間を回転する前記ポイント毎の位相データを含むテーブルが格納されたメモリと、
    前記メモリに格納されたテーブルの位相データを用いて、周波数軸上に所定のデータが配置された周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記ピーク検出部により検出された前記ピーク位置及び前記ピーク値に応じて調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する信号生成手段と、を備え、
    前記信号生成手段が、
    前記ピーク位置に基づいて、前記メモリに格納されたテーブルの位相データを読み出す際の読み出し位置を特定し、前記メモリに格納されたテーブルから、前記読み出し位置の位相データを順次読み出し、前記周波数領域のダミーデータ列の位相を、前記読み出した位相データの位相だけ調整し、周波数領域の時間シフト信号を生成する時間シフト段と、
    前記ピーク値に基づいて位相を特定する位相特定段と、
    前記時間シフト段により生成された前記周波数領域の時間シフト信号の位相を、前記位相特定段により特定された前記位相だけ調整し、前記周波数領域のピーク低減信号を生成する位相調整段と、を有する場合に、
    当該チップは、少なくとも前記ピーク低減信号生成部を備えたことを特徴とするチップ。
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