JP6640529B2 - 光伝送体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、携帯電話、カーオーディオ、パチンコ台、スロット台、車両室内、犬の首輪、キッチンの足元、交通標識、洗面台、シャワー、浴槽の湯温表示機、OA機器のバックライト等の照明用として好適な光伝送体とその製造方法に係り、屈曲形状等の所定の形状に容易に成型することが可能であり、且つその形状を確実に保持することが可能なものに関する。
従来より、コア及びクラッドからなり、長さ方向の少なくとも一端から入射された光を周方向(側面)から出射させる光伝送体が種々提案されている。関連する技術として、例えば、特許文献1〜4などが挙げられる。また、光伝送体を屈曲形状等の所定の形状に成型保持させる技術として、例えば、特許文献5,6などが挙げられる。
特許第3974112号公報:クラベ 特開2004−333539公報:クラベ 特許第4194099号公報:クラベ 特許第4928760号公報:クラベ 特許第4040477号公報:クラベ 特開2011−242440公報:クラベ
上記特許文献1〜6に記載された光伝送体は、既に当該出願人により実用化されており、発光特性に優れ且つ柔軟で取り扱いしやすいものとして、市場からは一定の評価を得ている。しかし、昨今においては、市場から更なる要求として、設置される箇所の形状に予め成型・保持させておくことによって、より光伝送体の設置を容易とすることが求められている。ここで、上記特許文献5には、光伝送体を所定の形状に固定保持することが記載されているが、あくまで他の固定手段によって屈曲形状等の所定の形状に保持しているものである。そのため、この固定手段を取り付ける工程が増加してしまうとともに、固定手段を透明材料で構成したとしても、その部分の発光特性が他の部分と異なるものとなってしまう。また、特許文献6には、成型治具によって加熱加圧することで光伝送体を屈曲形状等の所定の形状に固定保持することが記載されている。しかし、この特許文献6のように、単に所定形状で加熱加圧するのみでは、充分な形状保持がなされず、経時的に屈曲形状等の形状が元の直線状の形状に戻ってしまうという課題があった。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、屈曲形状等の所定の形状に容易に成型することが可能であり、且つその形状を確実に保持することが可能な光伝送体と、そのような光伝送体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明による光伝送体は、チューブ状クラッド材と、該クラッド材に収容され該クラッド材よりも屈折率の高いコア材とからなる光伝送体において、上記コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性の1/2よりも大きいことを特徴とするものである。
また、上記コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性よりも大きいことが考えられる。
また、上記光伝送体が、上記コア材の形状保持力で所定の屈曲形状に保持されていることが考えられる。
また、上記コア材が、熱硬化性成分と、光硬化性成分とを含んでいることが考えられる。
また、上記コア材が、少なくとも、ポリマーポリオール、ヒドロキシ基反応性多官能化合物、ウレタン(メタ)アクリレート、及び、光重合硬化剤が硬化したものを有していることが考えられる。
また、本発明による光伝送体の製造方法は、チューブ状クラッド材と、該クラッド材に収容され該クラッド材よりも屈折率の高いコア材とからなる光伝送体の製造方法において、上記チューブ状クラッド材の内部に、流動状態のコア材材料を充填し、加熱によって上記コア材材料を硬化し、非流動化した上記コア材を有する光伝送体を所定の形状に仮固定し、光を照射することによって上記コア材材料を更に硬化することで、上記コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性よりも大きいものとし、光伝送体を所定の形状に保持するものである。
本発明によれば、コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性よりも大きいことから、クラッド材の形状復元力よりも、コア材の形状保持力の方が優勢となるため、所定の形状に成型した後に、その形状を確実に保持することが可能となる。特に、コア材が、熱硬化性成分と、光硬化性成分とを含んでいるものであるものが好ましい。このようなものであれば、加熱によって上記コア材材料を非流動化する程度に硬化させ、硬化させた上記コア材を有する光伝送体を所定の形状に仮固定し、光を照射することで上記コア材材料を更に硬化する製造方法を採用することで、屈曲形状等の所定の形状への変形がより容易となり、且つその形状の保持がより確実となる。なお、本発明において、硬化とは、完全に固体化させることのみでなく、粘度を高くして流動しにくい状態にさせることを含む。
本実施例による光伝送体を示す一部切欠側面図である。 光透過性樹脂被覆を形成した光伝送体を示す一部切欠側面図である。
本発明における光伝送体としては、クラッド材と、上記クラッド材内に収容されクラッド材よりも屈折率の高いコア材とからなるものである。このような光伝送体であれば、クラッド材とコア材の界面において光の全反射が起こりやすくなり、光源から相当に離れた位置であっても輝度を十分なものとすることができる。また、コア材が非晶質であれば、透明度をより向上させることができるため、光伝送損失を低減させることが可能となる。また、上記クラッド材の外周に光透過性樹脂被覆を形成することも考えられる。
クラッド材の構成材料としては、プラスチックやエラストマーなどのように可とう性があり、成形が容易なものであれば何でも良く特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂、天然ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。
上記したクラッド材を構成する材料の中でも、例えば、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、エチレン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体などが、透明性と機械的特性に優れることから好ましい。特に、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(THV)は、柔軟であることから好ましい。また、コア材との密着性をより向上させることができるため、曲げ半径を小さくして光伝送体を曲げたときや光伝送体に繰返しの屈曲を加えたときに、部分的にコア材とクラッド材が剥離したり、光透過性樹脂被覆とクラッド材が剥離したりすることを防止できることから好ましい。
コア材の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明グレードなど、光透過性材料として使用されるものを選択することができる。このような材料の中でも、柔軟性と高温高湿下での経時特性の点から、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物の重合体が構成成分の一つとして使用されたものであることが好ましい。
ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、シリコーン変性ポリエーテルポリオール等の変性ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、又は、これらの共重合体又は混合物などが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシプロピレンポリオールは、高温高湿度の条件や温水中でも優れた出射特性を示すことから好ましい。
上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、N−カルボニルラクタム基を持つ化合物、ハロゲン化物、イソシアネート基を持つ化合物、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物などが挙げられる。イソシアネート基を持つ化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、芳香族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物としては、例えば、イソシアネートをラクタム等公知の方法でブロックしたブロックイソシアネート、イソシアネート基を公知の方法で多量化したイソシアヌレートを持つ化合物などが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。これらの中でも、イソシアネート基を持つ化合物、又は、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物は、高温高湿の条件下や温水中でも優れた側面出射特性を示すことから好ましい。イソシアネート基を持つ化合物の中でも脂環族ポリイソシアネートは更に好ましい。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物の中でもイソシアヌレート結合を有するものは更に好ましい。
また、コア材としては、熱硬化性成分と、光硬化性成分とを含んでいることが好ましい。このようなものであれば、チューブ状クラッド材の内部に、流動状態のコア材材料を充填し、加熱によって上記コア材材料を非流動化する程度に硬化させ、硬化させた上記コア材を有する光伝送体を所定の形状に仮固定し、光を照射することで上記コア材材料を更に硬化することで、屈曲形状等の所定の形状への変形がより容易となり、且つその形状の保持がより確実となる。より具体的には、熱硬化性成分としてのポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物に、更に光硬化性成分としてのウレタン(メタ)アクリレートと光重合硬化剤を加え、これらを硬化させたものが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートをともに含むものである。ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタン構造を有する(メタ)アクリレートであり、例えば、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物と、ヒドロキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物の反応物が使用できる。ヒドロキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートは、前駆体又はオリゴマーの状態で光重合硬化剤とともにポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物に加え、重合硬化させることも考えられる。光重合硬化剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)-ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン系光重合硬化剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合硬化剤、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシフェニル酢酸,2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸,2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物等のオキシフェニル酢酸エステル系光重合硬化剤、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合硬化剤などが挙げられる。これらは複数種を混合して使用することも考えられる。
ここで、熱硬化性成分と光硬化性成分の比率は、重量比で、1:1〜5:1であることが好ましい。光硬化性成分の比率が熱硬化性成分より多くなると、加熱による硬化のみではコア材材料が非流動化にも至らず、光伝送体を所定の形状に変形させる際に、コア材がクラッド材から漏れ出てしまう可能性がある。また、熱硬化性成分が光硬化性成分の5倍以上となると、加熱による硬化の際の形状に保持されてしまうことになり、その後に光伝送体を所定の形状に仮固定して、光の照射による硬化を行っても、所定の形状への保持がなされなくなる可能性がある。特に、熱硬化性成分と光硬化性成分の比率は、重量比で、2:1〜4:1であることが好ましい。
上記したコア材は、その曲げ剛性が、上記したクラッド材の曲げ剛性の1/2よりも大きくなるように設計される。特に、コア材の曲げ剛性が、クラッド材の曲げ剛性よりも大きくなることが好ましい。ここで、曲げ剛性は、材料のヤング率と断面二次モーメントの積によって計算されるため、コア材及びクラッド材の材料と、それらの寸法と形状について、両面から充分に検討する必要がある。従って、コア材はヤング率の高い、即ち比較的硬いものとなることが好ましい。また、クラッド材は、ヤング率の低い、即ち比較的柔軟なものとなることが好ましい。また、クラッド材の肉厚は薄くなる方が好ましい。なお、光伝送体の断面形状によっては、断面二次モーメントは、長さ方向を軸として回転させることで異なる値となるが、どのような向きにしても、クラッド材よりもコア材の方が曲げ剛性が大きくなるように設計される。これにより、クラッド材の形状復元力よりも、コア材の形状保持力の方が優勢となるため、このコア材の形状保持力により、光伝送体の形状は、所定の形状に確実に保持されることになる。
上記クラッド材の外周には、光透過性樹脂被覆が形成されていてもよい。光透過性樹脂被覆の構成材料としては、例えば、柔軟性メタクリル樹脂が使用されることが好ましい。柔軟性メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルと、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体を基本とした構成のものである。これに、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;酢酸ビニル;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−エチルマレイミド、N− シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のマレイミド化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物を適宜重合したものも考えられる。また、柔軟性メタクリル樹脂は、ポリオレフィン樹脂を含有していても良い。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸亜鉛共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物などのエチレン系重合体;ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体;ブタジエン重合体、イソプレン重合体などの共役ジエン重合体;ブタジエン重合体の水素添加物、イソプレン重合体の水素添加物などの共役ジエン重合体水素添加物などが挙げられる。また、必要に応じて他の重合体や添加剤を含有してもよい。含有し得る添加剤の例としては、成形加工時の流動性を向上させるためのパラフィン系オイル、ナフテン系オイルなどの鉱物油軟化剤;耐熱性、耐候性等の向上または増量などを目的とする炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの無機充填剤;補強のためのガラス繊維、カーボン繊維などの無機繊維または有機繊維;熱安定剤;酸化防止剤;光安定剤;粘着剤;粘着付与剤;可塑剤;帯電防止剤;発泡剤などを挙げることができる。これらの添加量については、必要とする特性に応じて適宜設定すればよい。また、充分な出射光量が得られる範囲で、各種の染料、顔料又は蛍光剤等を配合し、光伝送体の発光色を特定色にすることも考えられる。以上の添加剤の添加量について、柔軟性メタクリル樹脂の厚さ0.25mmにおける可視光領域の光線透過率が80%以上となるようにすることが好ましい。こうすることにより、光透過性樹脂被覆内部での光の散乱や吸収を抑えることができるため、伝送損失を少なくすることができるとともに、特定色の光源により有色光を発光させる際に、設計で意図した色の光を鮮明な色彩で放つことが可能となる。尚、可視光領域の光線透過率はJIS−K7105(1981)に準拠して測定される。勿論、柔軟性メタクリル樹脂の他にも、透明なものであれば、上記したような高分子材料を使用することができる。
上記光透過性樹脂被覆は、断面の形状が円形形状のみならず異形形状となっていてもよく、異形形状としては、平面等に配設する際に、容易且つ確実に固定が行える形状が好ましく選択される。例えば、被配設部と光伝送体との接触面積が増加する形状、被配設部に光伝送体を引っ掛けて固定することができる形状などが考えられ、具体的には、断面が、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形状や、玉縁形状、前方後円形状、ハート形状、スペード形状等の種々の形状、或いは図2に示すような形状が挙げられる(図2において、符号4は光透過性樹脂被覆を示す)。また、光透過性樹脂被覆を形成する場合は、コア材の曲げ剛性が、クラッド材及び光透過性樹脂被覆の曲げ剛性よりも大きいことが好ましい。但し、光伝送体を所定の形状に成型した後に光透過性樹脂被覆を形成したり、光伝送体を所定の形状に成型した後に加熱処理をしたりする等して、光透過性樹脂被覆に形状復元するような残留応力が残らないようにした場合にはこの限りではない。
上記コア材、クラッド材及び光透過性樹脂被覆の何れか又は全てに微粒子を分散させることにより、光散乱機能を付与し、入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体とすることができる。特に、クラッド材に微粒子を分散させることが、発光の均一性の観点から好ましい。
本発明において使用される微粒子としては、まず、無機材料として、石英ガラス、多成分ガラスなどのガラス微粒子、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物粒子、硫酸バリウムなどの硫酸塩粒子、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。次に、有機材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子などやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーの粒子などが挙げられる。これらは、使用するコア材の構成材料や硬化処理条件、光伝送体の長さ、側面出射光量、使用条件、又は、微粒子の真比重、形状、粒径、濃度、屈折率などを考慮して適宜に選択すれば良い。これらの中でも、特に、六角板状の酸化亜鉛を使用することが好ましい。通常の酸化亜鉛微粒子は、粉砕工程や焼成工程を経て製造されるため、不規則な無定形である。ここで、酸化亜鉛の結晶構造は、亜鉛の六方最密充填格子と、そこから垂直方向に8分の3だけ移動した酸素原子の六方最密充填格子とを重ね合わせた六方ウルツ鉱型の結晶構造である。そのため、例えば、酸化亜鉛の超微粒子を亜鉛塩水溶液中で熟成させたものは、特定の六角板状の形状に結晶成長する。このような形状の酸化亜鉛が分散されていることで、微粒子表面で光の吸収が起こりにくく、光源からの距離が離れても輝度の低下が起こりにくくなり、どの位置で見ても均一な発光が得られることになる。
微粒子の粒径としては、平均粒径が、可視光線から近赤外線の波長の範囲内であることが好ましい。本発明における可視光線から近赤外線の波長とは、360〜2500nmの範囲のものを示す(JIS−K0210(2007年)及びJIS−Z8120(2001年)参照)。特に、平均粒径が、可視光線の波長の範囲内であることが好ましい。本発明における可視光線の波長とは、360〜830nmの範囲のものを示す(JIS−Z8120(2001年)参照)。微粒子の粒径が可視光線の波長程度以上の大きさであると、光の散乱はミー散乱の領域となる。ミー散乱の強度は、粒径と波長がほぼ等しいときに最大となるため、微粒子の平均粒径が、可視光領域の波長に近いほど、最も輝度が高くなり好ましい。また、ミー散乱においては、粒径が大きくなるに連れて光の入射方向への指向性が強くなり、側方及び後方へはあまり散乱しなくなる。そのため、微粒子の平均粒径を近赤外線の波長内に止めることで、特に、可視光線の波長の範囲を超えないことで、側方及び後方へも充分に光が散乱するようになり、どの角度から見ても均一な発光が得られることになる。また、微粒子の平均粒径が可視光線の波長に満たない場合、レイリー散乱の影響が現れ、発光が青み掛かって見えるようになるため、あまり好ましくない。また、粒径が小さくなり過ぎると、均一な分散が困難になるという問題も生じる。尚、平均粒径は、電子顕微鏡等で拡大した画像において、充分な数(例えば、250個以上)の微粒子の定方向径を測定し、その累積分布の平均値を求めることで測定できる。特に、上記したような結晶成長によって得られた六角板状の酸化亜鉛微粒子は、粒径の揃ったものを得ることができるため、このような実測的な粒径測定でも充分に正確な値を得ることができる。
また、光伝送体における微粒子が分散されている部分においては、微粒子が、0.10〜0.20vol%の割合で分散されていることが好ましい。0.10vol%に満たない場合は、充分な光の散乱が起こらず、全体としての輝度が低下してしまう傾向にある。また、0.20vol%を超えた場合は、光源近傍で光の散乱が多くなされ、光源から離れた位置で十分な輝度が得られなくなることがある。
本発明における光伝送体は、上記の構成材料を使用して、例えば、以下に示すような方法によって製造する。まず、上記のクラッド材を構成する材料について、公知の押出成形等の手法により長尺で管状の形状にクラッド材を成形する。クラッド材に微粒子を分散させる場合は、クラッド材を構成する材料と微粒子を混練した後に押出成形することが考えられる。このクラッド材をボビン等に巻回した状態で、クラッド材の内部に流動状態のコア材材料、例えば、ポリマーポリオール、ヒドロキシ基反応性多官能化合物、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び光重合硬化剤を少なくとも充填する。ここで「少なくとも」とは、コア材材料を有しているものであれば良く、その他の成分を含む場合も当然のことながら想定されるものである。また、このときに合わせて微粒子を混合して充填することも考えられる。更に、ポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物を、例えば、加熱などにより反応させ硬化処理を施す。上記の方法によれば、コア材が、光透過性樹脂を押出被覆する場合でも、その際の熱に晒されて変質することがなく、光伝送体としたときにその特性を劣化させることがないので好ましい。ここで、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物(場合により微粒子を含む)の混合物を、クラッド材の内部に充填する前に、ポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物に加熱などの前処理を行い、粘度を高めておくことも考えられる。こうすることにより、硬化処理の時間を短縮できるとともに、側面出射型光伝送体とする場合は、微粒子の分散状態をより均一なものとすることが可能である。
流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物をクラッド材の内部に充填する方法としては、例えば、真空ポンプやチューブポンプを使用する方法や、加圧充填する方法が挙げられる。又、別の方法として、例えば、クラッド材を押出成形法によりチューブ状に成形する際に、同時に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能性化合物(場合により微粒子を含む)の混合物を充填する方法も考えられる。こうすることにより、長尺の光伝送体を連続して製造することが可能である。
光透過性樹脂被覆を形成する場合には、例えば、チューブ状に成形したクラッド材の外周に、目的とする断面形状となるように設計した押出金型を用いて、光透過性樹脂を押出被覆した後に、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物等を充填し、硬化処理をしても良いし、先にクラッド材内に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物等を充填し、硬化処理をして、その後に、光透過性樹脂被覆を押出被覆により形成することも考えられる。但し、後から光透過性樹脂被覆を形成する場合には、押出被覆の熱によってコア材が変質しないように注意をする必要がある。
コア材の形成方法に関して、コア材の材料種類によっては、単にコア材の材料を押出成形することのみによって形成することもできる。その場合、コア材を押出成形した後に、このコア材の外周にクラッド材、光透過性樹脂被覆を順次押出成形する方法、コア材、クラッド材及び光透過性樹脂被覆を任意の組合せで同時押出成形する方法、など、種々の方法をとることができる。
又、光透過性樹脂被覆の形成方法としては、クラッド材の外周に押出被覆により形成する方法の他に、予めチューブ状に成形した光透過性樹脂被覆をクラッド材の外周に被せる方法などが挙げられる。但し、この場合には、クラッド材と光透過性樹脂被覆をしっかりと密着させ、剥離部分がないようにする必要がある。
このようにして、クラッド材内にコア材が形成された状態とした後、必要に応じて光伝送体を所定の長さに切断し、所定の金型等を使用して、光伝送体を所定の形状に仮固定する。この際、光伝送体全体を仮固定しても良いし、必要な部分の一部のみを仮固定しても良い。
このような仮固定をした状態で、光伝送体に光を照射する等して、コア材材料を硬化させ、それによって、コア材の曲げ剛性をクラッド材の曲げ剛性よりも大きいものとし、光伝送体を所定の形状に保持させる。ここで、コア材を硬化させるために照射する光については、赤外領域から紫外領域までの光線を含む(JIS−Z8100(2001)参照)。光の照射による硬化であれば、数秒単位で硬化が完了するため、金型等を使用せずに手で持って仮固定するだけでも、光伝送体を所定の形状に保持させることができる。このような、2段階の硬化の工程を経ることにより、1段階目の硬化時の柔軟な状態で所定の形状に容易に変形できるとともに、2段階目の硬化後には所定の形状への保持が確実になる。また、1段階目の硬化を加熱によって行い、2段階目の硬化を光で行うことは、1段階目の硬化を光によって行い、2段階目の硬化を加熱で行う場合よりも、生産性の面でも有利である。加熱による硬化は、数時間単位での時間が必要となるとともに、狭い範囲のみを加熱することは困難を伴う。そのため、1段階目の工程として長尺のままの光伝送体で一括して加熱する連続工法を取ることが効率的である。また、光による硬化は、数秒単位の短時間で、且つ、極狭い範囲のみに照射することが可能である。そのため、2段階目の工程として目的の形状に合わせて1個ずつ照射を行うバッチ工法を取ることが効率的である。
また、本発明による光伝送体は、全体としての曲げ弾性率が2000MPa以下であることが好ましい。光伝送体を機器等に取り付ける際には、誤差や取り付ける機器の形状等の関係で、光伝送体を所定の形状に保持した状態から更に曲げ等の変形させることがある。曲げ弾性率が2000MPaを超えると、硬くなり過ぎ、このような変形が困難となってしまう。特に、曲げ弾性率が300MPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率はJIS−K6911−1995に準拠した3点曲げ試験に基づき、次式によって計算することができる。
E=(4L/3πd)×(F/Y)
E:曲げ弾性率(MPa)
L:支点間距離(mm)
d:試験片の外径(mm)
F/Y:荷重−たわみ曲線の直線部分の勾配(N/mm)
本発明においては、上記の光伝送体の少なくとも一端に光源を配設し、照明装置とすることも考えられる。光源としては、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)などが使用可能である。又、光源の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
尚、光伝送体として、入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体を使用した場合、光源を光伝送体の片端だけでなく、両端に配設することも考えられる。こうすることにより、より高輝度な発光を得ることが可能となるとともに、夫々の端で異なる発光色の光源を用いることによって、照明装置の長さ方向で徐々に変色しながら発光させることもでき、多彩な装飾表現が可能となる。
以下に、図1を参照して本発明の光伝送体に関する実施例及び比較例を併せて説明する。実施例及び比較例の寸法、特性、試験結果については、まとめて表1、表2に示す。
(実施例1)
コア材3を構成する材料としては、ポリマーポリオールとしてポリオキシプロピレントリオールとポリオキシプロピレンジオールを使用し、ヒドロキシ基反応性多官能化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートを使用し、ウレタンアクリレートとしてウレタンアクリレートオリゴマーを使用し、光重合硬化剤としてヒドロキシアルキルフェノン系光重合材を使用する。ここで、各コア材材料の比率は、重量比で、ポリマーポリオール:ヒドロキシ基反応性多官能化合物:ウレタンアクリレート:光重合硬化剤=100:100:95:5とした。又、クラッド材2を構成する材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体を使用する。なお、微粒子は、コア材、クラッド材ともに使用していない。上記のクラッド材2の材料を押出成形し、外径3.0mm、肉厚0.2mmの円筒チューブ形状のクラッド材2を得る。このクラッド材2を直径400mmのボビンに巻回した状態で、クラッド材2内に上記コア材3を構成する材料を混合して充填し、100℃で加熱してコア材3に1段階目の硬化処理を施す。このようにして、内側からコア材3、クラッド材2が形成された光伝送体1の形状になる。更に、この両端を切断して150mmの長さとした後、光伝送体1の長さ方向中央部に、光伝送体直径の10倍の直径を有すマンドレルを配置して180度に曲げ、その状態で高圧水銀灯により10秒間光を照射し、コア材3の2段階目の硬化処理を施す。このようにして、所定の屈曲形状に保持された光伝送体1を得た。
(実施例2)
上記実施例1において、クラッド材2をテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体のうち高融点品とした他は、上記実施例1と同様にして光伝送体2を得た。
(実施例3)
上記実施例1において、クラッド材2の外径を5.0mm、肉厚0.25mmとした他は、上記実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
(比較例1)
上記実施例1において、クラッド材2を構成する材料として、FEPを使用した他は、上記実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
(比較例2)
上記実施例1において、各コア材材料の比率を、重量比で、ポリマーポリオール:ヒドロキシ基反応性多官能化合物:ウレタンアクリレート:光重合硬化剤=120:120:38:2とした他は、上記実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
上記実施例1において、ウレタンアクリレートと光重合硬化剤を使用しなかった他は、上記実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
上記実施例1〜3及び比較例1〜3について、各コア材3と同様の材料、同様の条件で混合、硬化を行って試験片を作成し、JIS−K7161に準拠して、ヤング率の測定を行い、それに基づいてコア材3の曲げ剛性を算出した。また、各クラッド材2についても、同様の材料、同様の条件で試験片を作成し、JIS−K7161に準拠して、ヤング率の測定を行い、上記寸法より断面二次モーメントを算出し、それらに基づいてクラッド材2の曲げ剛性を算出した。
ここで、本実施例による光伝送体の特性を評価するために、以下に示すような試験を実施した。
(形状保持性)
1段階目の熱硬化処理の各光伝送体を150mmの長さに切断した後、光伝送体1の長さ方向中央部に、光伝送体の直径の10倍の直径を有すマンドレルを配置して180度に曲げ、その状態で高圧水銀灯により10秒間光を照射し、コア材3の2段階目の硬化処理を施す。2段階目硬化後、光伝送体の両端の間隔(幅)を測定する。その間隔がマンドレルの直径の2倍以内であった場合を合格とする。具体的には、実施例1,2及び比較例1〜3については、直径30mmのマンドレルを使用して、光伝送体両端の間隔60mm以内を合格とし、実施例3については、直径50mmのマンドレルを使用して、光伝送体両端の間隔100mm以内を合格とする。
(光学特性)
実施例2及び比較例3の光伝送体による試料について、150mmの長さのものを直線状態に配設して、端面における照度の測定を行った。光源としての緑色LEDを原点とし、光源と反対側の端面から出射される光を照度計で測定して比較検証をした。この際、光伝送体側面からの光を拾わないよう、光源と反対側の端面近傍の側面を覆うようにして、光伝送体に発泡樹脂シートを取り付けた。
(曲げ弾性率)
併せて、光伝送体全体としての曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率は、上記実施例1〜3及び比較例1〜3と同様にして作成し、長さ150mmの直線形状で2段階目硬化を行った光伝送体を用い、JIS−K6911−1995に準拠した3点曲げ試験に基づき測定を行い、次式によって計算した。
E=(4L/3πd)×(F/Y)
E:曲げ弾性率(MPa)
L:支点間距離(mm)
d:試験片の外径(mm)
F/Y:荷重−たわみ曲線の直線部分の勾配(N/mm)
なお、支点間距離は50mm、ヘッドスピードは2mm/minとした。
Figure 0006640529
Figure 0006640529
これらの試験結果から次のことが判明した。実施例1〜3による光伝送体は、コア材の曲げ剛性がクラッド材の曲げ剛性の1/2以上であるため、上記のするような優れた形状保持性を有していた。特に、実施例1,3による光伝送体は、コア材の曲げ剛性がクラッド材の曲げ剛性よりも大きいため、形状保持性の試験において、光伝送体両端の間隔が300mmであった。これは即ち、2段階目硬化を行ったときの形状をそのまま保持していたということであり、特に優れた形状保持性を有していた。これらに対し、比較例1〜3による光伝送体は、2段階目硬化を行った後においても、元の直線状に近い形状まで戻ってしまい、形状保持性の試験が不合格となった。
比較例3による光伝送体は、上記特許文献1〜4に開示されている光伝送体と同等のものであり、実用化されているものである。実施例2による光伝送体の端面照度は、この比較例3による光伝送体と同様のものであり、光学特性の観点からも充分に実用に適するものであった。
また、実施例1〜3及び比較例1〜3による光伝送体は、何れも曲げ弾性率が2000MPa以下であり、自己径の10倍の曲げ半径にも容易に屈曲できるような、柔軟で容易に屈曲等の変形が可能なものであった。特に、実施例1〜3による光伝送体は、曲げ弾性率が2000MPa以下であり、非常に柔軟で取り扱いしやすいものであった。参考例として、コア材の材料をポリメチルメタクリレート樹脂とし、クラッド材の材料をFEPとして実施例1と同様の寸法にて光伝送体を作成した。この参考例の光伝送体は、曲げ弾性率が3560MPaであり、非常に硬く曲げにくいものであった。また、自己径の10倍の曲げ半径で屈曲させようとしたところ、その曲げ半径に到達するはるか前で折れてしまうこととなった。
以上詳述したように本発明の光伝送体によれば、屈曲形状等の所定の形状に容易に成型することが可能であり、且つその形状を確実に保持することが可能となる。そのため、この光伝送体は、携帯電話・デジカメ・腕時計・カーオーディオ・カーナビ・パチンコ台・スロット台・自動販売機・車両室内外・犬の首輪・装飾具・キッチン・交通標識・洗面台・シャワー・浴槽の湯温表示機・OA機器・家庭用電気製品・光学機器・各種建材・階段・手すり・電車のホーム・屋外看板等のイルミネーションや照明、液晶表示部のバックライト等として好適に使用することができる。また、この光伝送体に光源を組合せて、照明装置として各種のイルミネーションや照明設備に使用することができる。
1 光伝送体
2 クラッド材
3 コア材
5 光源

Claims (2)

  1. チューブ状クラッド材と、該クラッド材に収容され該クラッド材よりも屈折率の高いコア材とからなる光伝送体において、上記コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性の1/2よりも大きく、
    上記光伝送体が、上記コア材の形状保持力で所定の屈曲形状に保持されており、
    上記コア材が、ポリマーポリオール及びヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる熱硬化性成分が硬化したものと、ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合硬化剤からなる光硬化性成分が硬化したものとを含んでいることを特徴とする光伝送体。
  2. チューブ状クラッド材と、該クラッド材に収容され該クラッド材よりも屈折率の高いコア材とからなる光伝送体の製造方法において、上記チューブ状クラッド材の内部に、流動状態のコア材材料を充填し、加熱によって上記コア材材料を硬化し、非流動化した上記コア材を有する光伝送体を所定の屈曲形状に仮固定し、光を照射することによって上記コア材材料を更に硬化することで、上記コア材の曲げ剛性が、上記クラッド材の曲げ剛性よりも大きいものとし、光伝送体を所定の屈曲形状に保持する光伝送体の製造方法。
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