JP6639140B2 - 容器詰めビールテイスト飲料、及びその香味改善方法 - Google Patents

容器詰めビールテイスト飲料、及びその香味改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、容器詰めビールテイスト飲料、及びその香味改善方法に関する。
近年、消費者の嗜好性や価値観が多様化したこと、購入コストが低く抑えられることから、ビールテイスト飲料の消費量が多くなっている。
このビールテイスト飲料に関する技術として、例えば、以下の特許文献1、2に開示されているような技術がある。
特許文献1には、4℃における濁度が4°EBC以上であり、全混濁物質に対する粒子径5μm以下の混濁物質の割合が50%以上であるビールテイスト飲料が開示されている。
また、特許文献2には、麦由来のエキス分の総量が0.1〜2重量%であり、アルコール度数が1.0%以下であるビールテイスト飲料が開示されている。
特開2014−124154号公報 特開2013−78332号公報
特許文献1には、この技術によると、混濁安定性に優れたビールテイスト飲料を提供することができると記載されている。また、特許文献2には、この技術によると、泡品質が改善されたビールテイスト飲料を提供することができると記載されている。
ビールテイスト飲料の混濁安定性の向上や泡品質の改善という事項は、特許文献1、2に記載されているように、検討すべき重要な事項ではある。
しかしながら、ビールテイスト飲料は、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料であることから、ビールにより近い香味を発揮する飲料が飲用者に要求されるため、「ビールらしさ」の向上という事項は、ビールテイスト飲料にとって、検討すべき事項の中でも最も重要な事項であると考える。
そこで、本発明は、ビールらしさが向上した容器詰めビールテイスト飲料、及びその香味改善方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明は、以下の構成を有する。
(1)レスベラトロール類を含有し、前記レスベラトロール類は、レスベラトロール及びピセイドのうちの少なくとも1つを含み、前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量は、1ppm以上である容器詰めビールテイスト飲料。
(2)前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量は、170ppm以下である前記1に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(3)前記レスベラトロール類は、レスベラトロールを含み、前記レスベラトロールの含有量は、1〜50ppmである前記1又は前記2に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(4)前記レスベラトロール類は、ピセイドを含み、前記ピセイドの含有量は、1〜120ppmである前記1から前記3のいずれか1つに記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(5)アルコール度数は、1.0%未満である前記1から前記4のいずれか1つに記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(6)前記レスベラトロール類は、レスベラトロールとピセイドとを含み、前記レスベラトロールの含有量をXppm、前記ピセイドの含有量をYppmとした場合に、X/Yが0.05〜20.00である前記1から前記5のいずれか1つに記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(7)前記レスベラトロール類は、ブドウ由来である前記1から前記6のいずれか1つに記載の容器詰めビールテイスト飲料。
(8)ビールテイスト飲料の香味改善方法であって、前記ビールテイスト飲料にレスベラトロール類を含有させ、前記レスベラトロール類は、レスベラトロール及びピセイドのうちの少なくとも1つを含み、前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量を、1ppm以上とする容器詰めビールテイスト飲料の香味改善方法。
本発明によれば、ビールらしさが向上した容器詰めビールテイスト飲料、及びその香味改善方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る容器詰めビールテイスト飲料の製造方法を説明するフローチャートである。 表1(レスベラトロールの含有量を変化させた場合の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表2(ブドウ抽出物の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表3(ピセイドの含有量を変化させた場合の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表4(ブドウ抽出物の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表5(ブドウ抽出物の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表6(レスベラトロールとピセイドの含有量を変化させた場合の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。 表7(アルコール度数の試験結果への影響を確認する表)の結果を示したグラフである。
以下、本発明に係る容器詰めビールテイスト飲料及びその製造方法を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。
[容器詰めビールテイスト飲料]
本実施形態に係る容器詰めビールテイスト飲料(以下、適宜「ビールテイスト飲料」という)は、レスベラトロール類を含有している。
ここで、ビールテイスト飲料とは、ビール様(風)飲料とも称され、ビールのような味わいを奏する、つまり、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。そして、ビールテイスト飲料には、アルコール度数が1%(「容量/容量%」や「v/v%」などとも表される)未満であるもの(ビールテイストノンアルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料などとも呼ばれている)と、アルコール度数が1%以上のもの(ビールテイストアルコール飲料などと呼ばれている)と、がある。
(レスベラトロール類)
レスベラトロール類とは、ブドウ、ピーナッツ、どくだみ、アロエ、イタドリ、メリンジョ、リンゴンベリー、ブルーベリー、クランベリーなどの各種天然物に含まれるポリフェノールの1種である。そして、レスベラトロール類は、ビールテイスト飲料のビールらしさを向上させる効果を発揮する。
レスベラトロール類の中でも、ブドウ(ブドウ科ブドウ属の果実)由来のレスベラトロール類を用いるのが、ビールテイスト飲料の香味に悪影響を与えない点において好ましい。なお、ブドウ由来のレスベラトロール類には、当然、ブドウ搾汁液、ブドウジュース、ワインといったブドウ抽出物由来のものも含まれる。
レスベラトロール類としては、レスベラトロールのほか、レスベラトロール誘導体やレスベラトロール配糖体を挙げることができ、例えば、trans−レスベラトロール、cis−レスベラトロール、ピセイドなどのレスベラトロール配糖体、レスベラトロールとレスベラトロール配糖体とレスベラトロール誘導体のうちの2分子以上が重合した重合体、これらの物質のうちの1種以上を含む混合物、を挙げることができる。
(レスベラトロール)
レスベラトロールとは、前記したレスベラトロール類の一種である。また、レスベラトロールとは、trans−レスベラトロール、cis−レスベラトロールを示すが、trans−レスベラトロールが好ましい。
そして、レスベラトロールは、ビールテイスト飲料のビールらしさを向上させる効果を発揮するとともに、渋味を抑制しつつ、マイルドさを向上させる効果も発揮する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がレスベラトロールを含有する場合、レスベラトロールの含有量は、1ppm(詳細には、0.0001w/v%)以上であることが好ましい。また、レスベラトロールの含有量は、50ppm以下であることが好ましい。さらに、レスベラトロールの含有量は、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。また、レスベラトロールの含有量は、40ppm以下が好ましい。
レスベラトロールの含有量を前記した所定値以上とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより良く発揮させることができる。一方、レスベラトロールの含有量を前記した所定値以下とすることにより、レスベラトロールを容易に飲料に溶解させることができる。
(ピセイド)
ピセイドとは、前記したレスベラトロール類の一種であって、レスベラトロールの配糖体である。また、ピセイドとは、trans−ピセイド、cis−ピセイドを示すが、trans−ピセイドが好ましい。
そして、ピセイドは、ビールテイスト飲料のビールらしさを向上させる効果を発揮するとともに、わずかな渋味を付与しつつも、濃醇さを向上させる効果も発揮する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料が、ピセイドを含有する場合、ピセイドの含有量は、1ppm(詳細には、0.0001w/v%)であることが好ましい。また、ピセイドの含有量は、120ppm以下であることが好ましい。さらに、ピセイドの含有量は、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。また、ピセイドの含有量は、80ppm以下が好ましく、60ppm以下がより好ましい。
ピセイドの含有量を前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、わずかな渋味を付与しつつも濃醇さを向上させる効果をより良く発揮させることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料が、レスベラトロールとピセイドとを含む場合、合計の含有量は、1ppm以上であることが好ましい。また、合計の含有量は、170ppm以下であることが好ましい。
レスベラトロールとピセイドとの合計の含有量を前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより良く発揮させることができる。
(レスベラトロールとピセイドとの含有割合)
本実施形態に係るビールテイスト飲料がレスベラトロールとピセイドとを含み、レスベラトロールの含有量をXppm、ピセイドの含有量をYppmとした場合、X/Yは0.05以上であることが好ましい。また、X/Yは20.00以下であることが好ましい。さらに、X/Yは0.33以上であることがより好ましい。また、X/Yは3.00以下であることがさらに好ましい。
X/Yを前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより明確に発揮させることができるだけでなく、旨味を呈する飲料とすることができる。
レスベラトロールの含有量、ピセイドの含有量については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができ、詳細には、Laszlo Mark, Martin S.Pour Nikfardjam, Peter Avar, and Robert Ohmacht (2005). A Validated HPLC Method for the Quantitative Analysis of Trans-Resveratrol and Trans-Piceid in Hungarian Wines. Journal of Chromatographic Science,Vol.43,October2005に記載された方法によって測定することができる。
(アルコール度数)
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、1.0%未満(0.00%も含む)であるのが好ましい。
アルコール度数が1.0%未満であることにより、ビールらしさの向上の効果をより明確に発揮させることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(容器)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れられた容器詰め飲料である。
この「容器」は、ビールテイスト飲料を密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
(その他)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦由来のエキス分やプリン体の含有量については特に限定されない。
ここで、麦由来のエキス分は、麦に由来してもたらされるものであればよく、原料(麦由来原料)の形態は問わない。麦由来原料の形態としては、麦、麦芽及びこれらのエキスなどが挙げられ、これらは単独で又は複数併用して用いることができる。
麦、麦芽及びこれらのエキスはそれぞれ、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを適宜に加工することにより得ることができる。これらの麦は、ビールテイスト飲料の味と香りに大きな影響を与えるとともに、アルコール発酵させる場合は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源ともなる。
なお、麦由来原料として用いられる麦とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを発芽させないものをいい、脱穀しても良いし、穀粒をそのままの状態又は適宜の大きさに粉砕等した状態で用いることができる。
麦由来原料として用いられる麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などを所定の条件で発芽させたものをいい、発芽させた状態又はこれを適宜の大きさに粉砕等した状態で用いることができる。
麦由来原料として用いられる麦又は麦芽由来のエキスとは、麦又は麦芽を水及び/又は有機溶剤等を用いて所定の成分を抽出等し、これを濃縮させたものをいう。
前記したそれぞれの麦は、消費者のニーズに応じ、様々な条件の焙煎を行ってから使用することもできる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦を発酵させて得られたアルコールに加えて、必要に応じ、さらに蒸留アルコールを添加して調製することができる。
蒸留アルコールとしては、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられる。蒸留アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本明細書において「スピリッツ」とは、蒸留酒であるスピリッツを指し、酒税法上のスピリッツとは異なる場合もある。
なお、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発泡性とするのが好ましいが、非発泡性とすることもできる。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)未満であることをいう。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、リチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
前記したレスベラトロール類、蒸留アルコール、添加剤は、一般に市販されているものを使用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料によれば、レスベラトロール類を含有していることから、「ビールらしさ」が向上した飲料とすることができる。
[容器詰めビールテイスト飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、発酵前工程S1と、発酵工程S2と、発酵後工程S3と、を含む。
なお、レスベラトロール類、添加剤などの添加は、アルコール発酵前、アルコール発酵中及びアルコール発酵後のいずれの段階でも、すなわち前記した各工程のどの工程でも行うことができる。
(発酵前工程S1)
発酵前工程S1は、麦由来原料を含む発酵前液を調製する工程である。発酵前工程S1において調製される発酵前液は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源となる麦由来原料を含む溶液であれば特に限られない。窒素源及び炭素源は、酵母が資化可能なものであれば特に限られない。酵母が資化可能な窒素源とは、例えば、麦由来原料に含まれるアミノ酸及びペプチドのうちの少なくとも一つである。酵母が資化可能な炭素源とは、例えば、麦由来原料に含まれる糖類である。このような麦由来原料については既に詳述しているのでその説明を省略する。
発酵前液が、麦や、麦以外の原料を含む場合は、当該発酵前液中でこれらに含まれるタンパク質及び/又は多糖類を酵素で分解する工程(いわゆる糖化工程)を実施するのが好ましい。かかる酵素としては、プロテアーゼ及び/又はアミラーゼなどを挙げることができる。これらの酵素は、麦などに含まれるものを利用してもよいし、これらの酵素に代えて又は加えて、予め精製された酵素を外的に添加してもよい。
発酵前液は、この後に続く発酵工程S2において酵母による発酵を行う前にろ過するのが好ましく、煮沸するのがより好ましい。水溶性食物繊維やイソα酸などの添加は、前記したようにいずれの段階でも可能であるが、ろ過や煮沸前にこれらを添加するのが好ましい。発酵前液をろ過することにより、夾雑物を排除でき、より高品質なビールテイスト飲料を提供することができる。また、発酵前液を煮沸することにより、これを殺菌して無菌状態とすることができるので、発酵工程S2でのアルコール発酵を好適に行わせることができる。
(発酵工程S2)
発酵工程S2は、発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。本実施形態においては、例えば、まず、予め温度が所定の範囲内(例えば、0〜40℃の範囲)に調製された無菌状態の発酵前液に酵母を添加して発酵液を調製する。
発酵開始時の発酵液における酵母数は適宜調節することができ、例えば、1×102〜3×109cells/mLの範囲内とすることができ、1×106〜3×109cells/mLの範囲内とすることが好ましい。
次いで、この発酵液を所定の温度で所定の時間維持することにより発酵を行う。発酵の温度は適宜調節することができ、例えば、0〜40℃の範囲内、より好ましくは6〜15℃の範囲内とする。
発酵工程S2においては、さらに熟成を行うこととしてもよい。熟成は、上述のような発酵後の発酵液をさらに所定の温度で所定の時間だけ維持することにより行う。この熟成により、発酵液中の不溶物を沈殿させて濁りを取り除き、また、香味を向上させることができる。
こうして発酵工程S2においては、酵母により生成されたエタノール及び香味成分を含有する発酵後液を得ることができる。発酵後液に含まれるエタノールの濃度(アルコール度数)は、例えば、1〜20%とすることができる。エタノールの濃度を1%未満とする場合は、発酵工程S2での発酵時間を短くしたり、発酵温度を低くしたりするなど、発酵条件を適宜調節することにより行うことができる。また、アルコール度数が1〜20%の発酵後液を適宜希釈することにより、エタノールの濃度を1%未満とすることもできる。
(発酵後工程S3)
発酵後工程S3は、発酵後液に所定の処理を施して最終的にビールテイスト飲料を得る工程である。発酵後工程S3としては、例えば、発酵工程S2により得られた発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)が挙げられる。この一次ろ過により、発酵後液から不溶性の固形分や酵母を除去することができる。また、発酵後工程S3においては、さらに発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過)を行ってもよい。二次ろ過により、発酵後液から雑菌や、残存する酵母を除去することができる。なお、精密ろ過に代えて、発酵後液を加熱することにより殺菌することとしてもよい。発酵後工程S3における一次ろ過、二次ろ過、加熱は、ビールテイスト飲料を製造する際に使用される一般的な設備で行うことができる。
さらに、発酵後液のアルコール度数を高くしたい場合は、この発酵後工程S3で前記したアルコール、すなわちスピリッツなどを添加するのが好ましい。
また、発酵後工程S3には、前記した容器に充填する工程も含まれる。
加えて、製造したビールテイスト飲料が非発泡性であったり、発泡性が十分でなかったりした場合であって、これに十分な発泡性を付与したい場合は、この発酵後工程S3で炭酸ガス含有水を添加したり、カーボネーションを行うことにより所望のガス圧とすることができる。
なお、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵工程を経ないで製造されてもよい。例えば、麦汁、ホップエキス、レスベラトロール類、添加剤等を混合して、製造されてもよい。
[容器詰めビールテイスト飲料の香味改善方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味改善方法について説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味改善方法は、ビールテイスト飲料にレスベラトロール類を含有させる方法である。
ビールテイスト飲料に含有させるレスベラトロール類が、レスベラトロールを含む場合、レスベラトロールの含有量は、1ppm以上であることが好ましい。また、レスベラトロールの含有量は、50ppm以下であることが好ましい。さらに、レスベラトロールの含有量は、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。また、レスベラトロールの含有量は、40ppm以下が好ましい。
レスベラトロールの含有量を前記した所定値以上とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより良く発揮させることができる。一方、レスベラトロールの含有量を前記した所定値以下とすることにより、レスベラトロールを容易に飲料に溶解させることができる。
ビールテイスト飲料に含有させるレスベラトロール類が、ピセイドを含む場合、ピセイドの含有量は、1ppm以上であることが好ましい。また、ピセイドの含有量は、120ppm以下であることが好ましい。さらに、ピセイドの含有量は、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。また、ピセイドの含有量は、80ppm以下が好ましく、60ppm以下がより好ましい。
ピセイドの含有量を前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、わずかな渋味を付与しつつも濃醇さを向上させる効果をより良く発揮させることができる。
ビールテイスト飲料に含有させるレスベラトロール類が、レスベラトロールとピセイドとを含む場合、合計の含有量は、1ppm以上であることが好ましい。また、合計の含有量は、前記したレスベラトロールの含有量の上限値とピセイドの含有量の上限値との合計以下であることが好ましい。
レスベラトロールとピセイドとの合計の含有量を前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより良く発揮させることができる。
ビールテイスト飲料に含有させるレスベラトロール類が、レスベラトロールとピセイドとを含む場合であって、レスベラトロールの含有量をXppm、ピセイドの含有量をYppmとした場合、X/Yは0.05以上であることが好ましい。また、X/Yは20.00以下であることが好ましい。さらに、X/Yは、0.33以上であることがより好ましい。また、X/Yは3.00以下であることがさらに好ましい。
X/Yを前記した所定の範囲内とすることにより、ビールらしさの向上の効果、及び、渋味を抑制しつつマイルドさを向上させる効果をより明確に発揮させることができるだけでなく、旨味を呈する飲料とすることができる。
なお、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味改善方法によって、ビールらしさの向上の効果をより明確に発揮させるために、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、1%未満(0.00%も含む)であるのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味改善方法によれば、ビールテイスト飲料にレスベラトロール類を含有させることから、ビールテイスト飲料のビールらしさを向上させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明に係るビールテイスト飲料、及びビールテイスト飲料の香味改善方法について説明する。
まず、実施例1では、レスベラトロール類としてレスベラトロールを用いた場合における各効果を確認する。
[サンプルの準備]
実施例1では、市販のビールテイスト飲料(アルコール度数0.00%)に対して、レスベラトロール(レスベラトロール:東京化成工業株式会社:製品コードR0071)、ブドウ抽出物(exGrape(登録商標) Total PPR:サンブライト株式会社)を後記する表に示す含有量となるように添加してサンプルを製造した。
なお、レスベラトロールは少量の原料用アルコールに溶解させてから添加したが、最終的に、いずれのサンプルについてもアルコール度数が0.3%となるように調製した。また、使用したブドウ抽出物中において、レスベラトロール及びピセイドの含有量はいずれも0.0w/w%であった。
[試験内容:実施例1]
前記の方法により製造した各サンプルについて、よく訓練された専門のパネル3名が下記評価基準に則って「渋味」、「味のマイルドさ」、「ビールらしさ」について、0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
(渋味:評価基準)
渋味については、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルより渋味がかなり強かった。
3点:対照サンプルより渋味がやや強かった。
2点:対照サンプルと同程度の渋味であった。
1点:対照サンプルより渋味がやや弱かった。
0点:対照サンプルより渋味がかなり弱かった。
(味のマイルドさ:評価基準)
味のマイルドさについては、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルより味がかなりマイルドであった。
3点:対照サンプルより味がややマイルドであった。
2点:対照サンプルと同程度の味のマイルドさであった。
1点:対照サンプルより味がややマイルドではなかった。
0点:対照サンプルより味がかなりマイルドではなかった。
なお、ビールテイスト飲料を飲んだ後、時間の経過とともに口に残るボディ感(コク)が少しずつ低下するが、「味のマイルドさ」については、ボディ感が滑らかに低下するものほどマイルドであると判断し、ボディ感がすぐに失われたり、渋味などが現れて味が荒々しく変化したりするものほどマイルドではないと判断した。
(ビールらしさ:評価基準)
ビールらしさについては、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルよりかなりビールに近い香味であった。
3点:対照サンプルよりややビールに近い香味であった。
2点:対照サンプルと同程度のビールらしさであった。
1点:対照サンプルよりややビールから遠い香味であった。
0点:対照サンプルよりかなりビールから遠い香味であった。
Figure 0006639140
Figure 0006639140
[試験結果の検討:実施例1の表1]
表1、及び表1の結果をグラフ化した図2を確認すると明らかなように、レスベラトロールの含有量が増加するにしたがい、ビールらしさが向上することがわかった。
また、レスベラトロールの含有量が増加するにしたがい、渋味が少しずつ低下しつつ、マイルドさが大きく向上することがわかった。
[試験結果の検討:実施例1の表2]
表2、及び表2の結果をグラフ化した図3を確認すると明らかなように、ブドウ抽出物が添加されていても、レスベラトロールの含有量が増加するにしたがい、ビールらしさが向上することがわかった。
また、ブドウ抽出物が添加されていても、レスベラトロールの含有量が増加するにしたがい、渋味が少しずつ低下しつつ、マイルドさが大きく向上することがわかった。
つまり、ブドウ抽出物は、レスベラトロールが発揮する各効果に悪影響を及ぼさないことから、ブドウ抽出物とレスベラトロールとを共存させても各効果が得られることは勿論のこと、ブドウ抽出物由来のレスベラトロールを使用しても各効果が得られることが推認された。
次に、実施例2では、レスベラトロール類としてピセイドを用いた場合における各効果を確認する。
[サンプルの準備]
実施例2では、市販のビールテイスト飲料(アルコール度数0.00%)に対して、ピセイド(ピセイド:東京化成工業株式会社:製品コードP1878)、ブドウ抽出物(exGrape Total PPR:サンブライト株式会社)を後記する表に示す含有量となるように添加してサンプルを製造した。
なお、ピセイドは少量の原料用アルコールに溶解させてから添加したが、最終的に、いずれのサンプルについてもアルコール度数が0.3%となるように調製した。また、使用したブドウ抽出物中において、レスベラトロール及びピセイドの含有量はいずれも0.0w/w%であった。
[試験内容:実施例2]
前記の方法により製造した各サンプルについて、よく訓練された専門のパネル14名が下記評価基準に則って「渋味」、「濃醇さ」、「ビールらしさ」について、0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
(渋味:評価基準)
渋味(サンプル3−1〜3−8)については、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルより渋味がかなり強かった。
3点:対照サンプルより渋味が強かった。
2点:対照サンプルより渋味がやや強かった。
1点:対照サンプルより渋味がわずかに強かった。
0点:対照サンプルと同程度の渋味であった。
渋味(サンプル4−1〜4−3、5−1〜5−3)については、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルより渋味がかなり強かった。
3点:対照サンプルより渋味がやや強かった。
2点:対照サンプルと同程度の渋味であった。
1点:対照サンプルより渋味がやや弱かった。
0点:対照サンプルより渋味がかなり弱かった。
(濃醇さ:評価基準)
濃醇さについては、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルよりかなり濃醇であった。
3点:対照サンプルよりやや濃醇であった。
2点:対照サンプルと同程度の濃醇さであった。
1点:対照サンプルよりやや淡泊であった。
0点:対照サンプルよりかなり淡泊であった。
(ビールらしさ:評価基準)
ビールらしさの評価基準については、実施例1の評価基準と同じであった。
Figure 0006639140
Figure 0006639140
Figure 0006639140
[試験結果の検討:実施例2の表3]
表3、及び表3の結果をグラフ化した図4を確認すると明らかなように、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、ビールらしさが向上するものの、ピセイドの含有量が増加し過ぎると、ビールらしさの向上の効果が薄れていくことがわかった。
また、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、渋味が上昇してしまうが、濃醇さは向上することがわかった。
[試験結果の検討:実施例2の表4]
表4、及び表4の結果をグラフ化した図5を確認すると明らかなように、ブドウ抽出物が添加されていても、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、ビールらしさが向上することがわかった。
また、ブドウ抽出物が添加されていても、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、渋味が上昇してしまうものの、濃醇さは向上することがわかった。
つまり、ブドウ抽出物は、ピセイドが発揮する各効果に悪影響を及ぼさないことから、ブドウ抽出物とピセイドとを共存させても各効果が得られることは勿論のこと、ブドウ抽出物由来のピセイドを使用しても各効果が得られることが推認された。
[試験結果の検討:実施例2の表5]
表5、及び表5の結果をグラフ化した図6を確認すると明らかなように、ブドウ抽出物とピセイドとの含有量の合計が同じになるように添加されていても、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、ビールらしさが向上することがわかった。
また、ブドウ抽出物とピセイドとの含有量の合計が同じになるように添加されていても、ピセイドの含有量が増加するにしたがい、渋味が上昇してしまうものの、濃醇さは向上することがわかった。
次に、実施例3では、レスベラトロール類としてレスベラトロールとピセイドを用いた場合における各効果を確認する。
[サンプルの準備]
実施例3では、市販のビールテイスト飲料(アルコール度数0.00%)に対して、レスベラトロール(レスベラトロール:東京化成工業株式会社:製品コードR0071)、ピセイド(ピセイド:東京化成工業株式会社:製品コードP1878)を後記する表に示す含有量となるように添加してサンプルを製造した。
なお、レスベラトロール、ピセイドは少量の原料用アルコールに溶解させてから添加したが、最終的に、いずれのサンプルについてもアルコール度数が0.3%となるように調製した。
[試験内容:実施例3]
前記の方法により製造した各サンプルについて、よく訓練された専門のパネル3名が下記評価基準に則って「渋味」、「味のマイルドさ」、「ビールらしさ」、「旨味」について、0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
(渋味、味のマイルドさ、ビールらしさ:評価基準)
渋味、味のマイルドさ、ビールらしさの評価基準については、実施例1の評価基準と同じであった。
(旨味:評価基準)
旨味については、各サンプルと対照サンプル(サンプル番号の末尾が1であって、前記各サンプルの先頭の番号が同じサンプル)とを飲み比べて評価を行った。
4点:対照サンプルよりかなり旨味を感じた。
3点:対照サンプルより旨味を感じた。
2点:対照サンプルよりやや旨味を感じた。
1点:対照サンプルよりわずかに旨味を感じた。
0点:対照サンプルと同程度の旨味であった。
なお、ここでの「旨味」とは、鰹節や昆布などでとったダシの様な香味である。
Figure 0006639140
[試験結果の検討:実施例3の表6]
表6、及び表6の結果をグラフ化した図7を確認すると明らかなように、X/Yの値が所定範囲になっている場合は、ビールらしさの向上・マイルドさの向上という効果が確認できるとともに、旨味を感じることできることがわかった。
特に、レスベラトロールとピセイドの含有量が近づくにしたがい(X/Yの値が1に近づくにしたがい)、ビールらしさの向上という効果が顕著であるとともに、旨味を感じ易くなることがわかった。
さらに、レスベラトロールとピセイドの含有量が近い場合(X/Yの値が1に近い場合)、レスベラトロール単独やピセイド単独で含有した場合よりも、ビールらしさの向上という効果の点で優れることがわかった。
次に、実施例4では、アルコール度数が各効果に及ぼす影響を確認する。
[サンプルの準備]
実施例4では、ピセイド(ピセイド:東京化成工業株式会社:製品コードP1878)、原料用アルコールを後記する表に示す含有量となるように麦芽使用比率25%以下の発泡性飲料をサンプルとして調製した。
なお、ピセイドは少量の原料用アルコールに溶解させてから添加したが、最終的に、表に示すアルコール度数となるように調製した。
[試験内容:実施例4]
前記の方法により製造した各サンプルについて、よく訓練された専門のパネル8名が下記評価基準に則って「渋味」、「濃醇さ」、「ビールらしさ」について、0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
(渋味、濃醇さ、ビールらしさ:評価基準)
渋味、ビールらしさの評価基準については、実施例1の評価基準と同じであり、濃醇さの評価基準は、実施例2の評価基準と同じであった。
Figure 0006639140
[試験結果の検討:実施例4の表7]
表7、及び表7の結果をグラフ化した図8を確認すると明らかなように、アルコール度数が低い場合のほうが、ビールらしさの向上幅が大きいことがわかった。
ただし、アルコール度数が高くても、ビールらしさの向上という効果、渋味が上昇してしまうものの濃醇さの向上という効果が得られることもわかった。
S1 発酵前工程
S2 発酵工程
S3 発酵後工程

Claims (8)

  1. レスベラトロール類を含有し、
    前記レスベラトロール類は、レスベラトロール及びピセイドのうちの少なくとも1つを含み、前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量は、1ppm以上である容器詰めビールテイスト飲料。
  2. 前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量は、170ppm以下である請求項1に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  3. 前記レスベラトロール類は、レスベラトロールを含み、前記レスベラトロールの含有量は、1〜50ppmである請求項1又は請求項2に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  4. 前記レスベラトロール類は、ピセイドを含み、前記ピセイドの含有量は、1〜120ppmである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  5. アルコール度数は、1.0%未満である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  6. 前記レスベラトロール類は、レスベラトロールとピセイドとを含み、前記レスベラトロールの含有量をXppm、前記ピセイドの含有量をYppmとした場合に、X/Yが0.05〜20.00である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  7. 前記レスベラトロール類は、ブドウ由来である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器詰めビールテイスト飲料。
  8. ビールテイスト飲料の香味改善方法であって、
    前記ビールテイスト飲料にレスベラトロール類を含有させ
    前記レスベラトロール類は、レスベラトロール及びピセイドのうちの少なくとも1つを含み、前記レスベラトロール及び前記ピセイドの合計の含有量を、1ppm以上とする容器詰めビールテイスト飲料の香味改善方法。
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